JP6341033B2 - ワイパー装置、液体吐出装置、ならびにワイピング方法 - Google Patents

ワイパー装置、液体吐出装置、ならびにワイピング方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出ヘッドのノズル面に付着したインク等の液体を拭き取るワイパー装置、液体吐出装置、ならびにワイピング方法に関する。
インクなどの液体を吐出する液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置として、インクジェットプリンターが用いられている。インクジェットプリンターでは、インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)のノズル面に、紙粉などの異物やインクが付着することがある。従来から、このような付着物に起因する不具合を防止するため、ゴムなどの弾性材からなるワイパーの先端でノズル面を摺接し、付着物を除去している。
特許文献1には、異なる色のインクを吐出する4個のノズルヘッドを備えるインクジェットプリンターにおいて、ノズルヘッド毎にワイパーを設けた構成が開示されている。各ワイパーは、それぞれ、ワイパーキャリアに搭載され、ワイパーキャリア毎にキャリア往復移動手段が設けられている。各キャリア往復移動手段は独立に駆動可能である。従って、ワイピングが必要なノズルヘッドを選択的にワイピングすることができる。
また、特許文献2には、複数のヘッドに対応する位置に複数の保守ユニットを配置したインクジェットプリンターが開示されている。各保守ユニットには、ワイパーユニットおよびその駆動機構が搭載されている。特許文献2では、複数の保守ユニットを独立に駆動することにより、複数のヘッドを選択的にワイピングすることができる。
更に、特許文献3には、複数のヘッドを備えたインクジェットプリンターにおいて、ヘッドの数よりも少ない数のワイパーを備えた構成が開示されている。特許文献3では、4つのヘッドを搭載したキャリッジを2つのワイパーに対して移動させることにより、4つのヘッドを2つずつワイピングする。これにより、ヘッドの数よりも少ないワイパーで、複数のヘッドを選択的にワイピングすることができる。
特開2001−30507号公報 特開2011−104979号公報 特開2014−43026号公報
複数のヘッド(ノズルヘッド)に対して選択的にワイピングを行う場合、従来は、特許文献1、2のように、ヘッド毎にワイパーを設けて、これらを独立に駆動してワイピングしていた。しかしながら、ワイパー毎にアクチュエーターを設ける構成は、構成部品が多く、構造が複雑であるため、小型化に不利である。また、ラインヘッド方式のインクジェットプリンターの場合には、各ヘッドユニットが大型でノズル数も多いため、同一のヘッドユニットの中でも複数のノズル群に分けてワイピングを行いたいという要望がある。このような場合、ワイパーとアクチュエーターの数が更に増加するため、更に構成部品が増加し、大型化してしまう。
これに対し、特許文献3では、ワイパーに対して相対的にキャリッジを移動させることで、ヘッドの数よりワイパーの数が少ない構成でありながら、複数のヘッドを選択的にワイピングすることが可能である。しかしながら、このような構成では、ワイパーの数を少なくすることでワイパー装置の小型化を図ることはできるものの、キャリッジをワイパーに対して相対移動させる機構を設ける必要がある。特に、ワイピングを行うときに、キャリッジを印刷位置からメンテナンス位置に移動させる場合には、印刷位置とメンテナンス位置の間でキャリッジを移動させる機構に加えて、ワイパーに対して相対的にキャリッジを移動させる機構を追加する必要がある。従って、複雑なキャリッジ移動機構が必要であり、小型化に不利である。
更に、複数のヘッドに対して選択的にワイピングを行う場合、ワイパーの動作が遅いと時間がかかってしまう。従って、ワイパーの動作時間を短縮したいという要望もある。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、複数のヘッドのノズル面を選択的にワイピングできるワイパー装置を、ヘッドよりも少ない数のワイパーを備えた簡素で小型な構成によって実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のワイパー装置は、液体を吐出する複数のヘッドを複数列に配列したヘッドユニットの前記ヘッドの列数よりも少ない数のワイパーと、モーターと、前記モーターの回転に基づき、前記ワイパーを前記ヘッドのノズル面に摺接させて前記ヘッドの列をワイピングするワイパー駆動機構と、複数の前記ヘッドの列のうちの第1の列をワイピング可能な第1位置、および、前記第1の列と異なる第2の列をワイピング可能な第2位置に前記ワイパーを移動させるワイパー移動機構と、を有することを特徴とする。
本発明は、このように、複数列に並べたヘッドの列を備えるヘッドユニットに対応しており、複数列のうちの互いに異なる2列(第1の列、第2の列)を1つのワイパーで選択的にワイピング可能である。すなわち、本発明のワイパーは、ワイパー移動機構によって第1の位置と第2の位置の間で移動可能であり、第1の位置では第1の列をワイピングし、第2の位置では第2の列をワイピングする。このような構成では、ヘッドの数よりもワイパーの数を少なくすることができるので、ワイパー装置の小型化に有利である。特に、ヘッドユニットが大型でノズル数が多いラインヘッドの場合には、同一のインクを吐出するヘッドユニットに複数列のヘッドの列を設けることがある。従って、このようなヘッドユニットのヘッドを選択的にワイピング可能な、小型のワイパー装置を実現できる。更に、ワイパー装置を搭載するプリンター側において、複数列のヘッドの列を搭載した大型のヘッドユニットをワイパーに対して相対的に移動させることのできるヘッド移動機構を設ける必要がない。従って、このワイパー装置を搭載するプリンターなどの液体吐出装置の小型化に有利である。
本発明において、前記ワイパーは、前記ヘッドユニットに対して前記ヘッドの列が延びる方向に相対移動して、前記ヘッドの列をワイピングすることが望ましい。このようにすると、シンプルな動きで、ヘッドの列を選択的にワイピングすることができる。例えば、ヘッドの列と交差する方向にワイパーとヘッドユニットを相対移動させることで、ヘッドの列をワイピングすることができる。
本発明において、前記ワイパーを複数有する場合には、前記ワイパー移動機構は、前記ヘッドユニットに設けられた複数の前記ヘッドの列のうち、隣り合う2列のヘッドのうちの一方の列をワイピング可能な前記第1位置、および、他方の列をワイピング可能な前記第2位置に、前記複数のワイパーのそれぞれを移動させることが望ましい。このようにすると、複数のワイパーで、それぞれ、複数のヘッドの列を選択的にワイピングできる。従って、多数のヘッドの列を備える大型のヘッドユニットを、小型のワイパー装置で選択的にワイピングできる。
この場合に、前記ワイパー駆動機構は、前記モーターの回転に基づいて回転する駆動軸を備え、当該駆動軸の一方向への回転に基づいて、当該駆動軸の軸線方向に沿って一列に配置されている前記複数のワイパーを、予め定められた順序で前記ヘッドのノズル面に摺接させて、複数の前記ヘッドの列をワイピングすることが望ましい。このように、複数のワイパーを有するワイパー装置では、これらを1つのモーターで回転する1本の駆動軸の一方向への回転によって順次駆動することができる。このような構成にすると、いずれかのワイパーが駆動されるタイミングでヘッドユニットをワイパー装置に対向させることで、複数のヘッドの一部を選択的にワイピングすることができる。従って、選択的にワイピングを行うことができる構成でありながら、複数の駆動源を設ける必要がない。また、複数のワイパーを決まった順序で駆動させればよく、動作パターンが単純であるため、構成を簡素化でき、高速化にも適している。よって、ワイパー装置の小型化および簡素化、高速化に有利である。また、大型のヘッドユニットに搭載された複数のヘッドのノズル面を選択的にワイピングするのに適している。
本発明において、前記ワイパー駆動機構は、前記駆動軸の軸線方向に配列された複数のギヤユニットを有し、前記ギヤユニットは、前記駆動軸の回転に基づいて回転する駆動ギヤ、および当該駆動ギヤと噛み合う間欠ギヤを有し、前記複数のワイパーのそれぞれは、前記間欠ギヤの回転に基づいて前記ヘッドの列をワイピングし、前記複数のギヤユニットは、前記駆動軸の一方向への回転に基づき、その配列方向に沿って、前記間欠ギヤと前記駆動ギヤが順次噛み合うように連結されている構成にすることができる。このような構成によれば、駆動軸の一方向への回転に基づき、複数のギヤユニットを位相をずらして噛み合わせ、これによって複数のワイパーによるワイピング動作を順次行うことができる。
本発明において、前記ワイパーは、前記間欠ギヤと一体に回転する回転カムの回転に基づき、前記ヘッドのノズル面に摺接しない退避位置から前記ヘッドのノズル面に摺接可能なワイピング位置に移動し、しかる後に前記退避位置に戻る構成にすることができる。このように、間欠ギヤと回転カムを一体にすることで、コンパクトな構成でワイピング動作を行うことができる。
本発明において、さらに、前記間欠ギヤを前記駆動ギヤと噛み合う回転範囲から外れる方向に付勢する付勢部材を有することが望ましい。このようにすると、駆動ギヤと間欠ギヤの噛み合いが外れた直後の位置で、間欠ギヤが空転位置側に付勢される。従って、間欠ギヤが不安定な状態になることを防止できる。よって、振動などによって不用意に間欠ギヤと駆動ギヤが噛み合ってしまうことを防止でき、不用意にワイパーが動いてしまうことを防止することができる。
また、本発明において、さらに、前記モーター、前記ワイパー駆動機構、および前記複数のワイパーを保持する第1ケースと、当該第1ケースを前記駆動軸の軸線方向に移動可能な状態で支持する第2ケースと、前記駆動軸の前記第1回転方向への回転に基づき、前記第1ケースに前記モーター、前記駆動軸、前記複数のギヤユニット、および前記複数のワイパーが保持された可動ユニットを前記軸線方向の一方側へ移動させる第1移動機構と、前記第2回転方向への前記駆動軸の回転に基づき、前記可動ユニットを前記軸線方向の他方側へ移動させる第2移動機構と、を有する構成にすることができる。このようにすると、複数のワイパーを搭載した可動ユニットを全体として往復移動させることができる。従って、1つのワイパーで隣り合う2つのヘッドを選択的にワイピングすることが可能になる。従って、ワイパー数よりも多い数のヘッドを選択的にワイピングすることができる。よって、ノズルを高密度に配置した大型のヘッドユニットをヘッド毎にワイピングするのに適している。
このような構成として、例えば、前記第1移動機構は、前記駆動軸の回転に基づいて回転する第1スパイラルカムと、前記第2ケースに設けられ、前記第1スパイラルカムの外周面に設けられた第1螺旋状凹部に配置される第1カムピンとを備え、前記第2移動機構は、前記駆動軸の回転に基づいて回転する第2スパイラルカムと、前記第2ケースに設けられ、前記第2スパイラルカムの外周面に設けられた第2螺旋状凹部に配置される第2カムピンとを備える構成を採用することができる。このように、2つのスパイラルカムを用いることで、駆動軸の回転に基づいて可動ユニットを往復移動させることができる。
本発明において、前記複数のワイパーのそれぞれは、当該ワイパーに摺接可能なワイパークリーナーと共にワイパーユニットを構成しており、当該ワイパーユニットは、前記駆動軸の一方向への回転に基づき、前記ワイパーを前記ヘッドのノズル面に摺接させるワイピング動作と、前記ワイパークリーナーによる前記ワイパーのクリーニング動作と、を連動して行う構成にすることができる。このようにすると、駆動軸の一方向への回転に基づき、ワイパーによるワイピング動作とワイパークリーナーによる動作とを1セットの動作として行うことができる。従って、選択的にワイピングおよびクリーニングを行うことができる構成でありながら、複数の駆動源を設ける必要がない。よって、小型化に有利である。
このような構成として、例えば、前記ギヤユニットは、前記駆動軸と一体に回転する第1駆動ギヤおよび第2駆動ギヤを備え、当該第1駆動ギヤおよび当該第2駆動ギヤは、前記駆動軸の軸線方向に交互に配列され、前記ギヤユニットは、前記第1駆動ギヤと噛み合う第1間欠ギヤ、および、前記第2駆動ギヤと噛み合う第2間欠ギヤを備え、前記第1間欠ギヤには、前記ワイパークリーナーを駆動する第1回転カムが一体に形成され、前記第2間欠ギヤには、前記ワイパーを駆動する第2回転カムが一体に形成されている構成にすることができる。このように、2組のギヤユニットを用いることで、駆動軸の一方向への回転に基づき、ワイパーによるワイピング動作とワイパークリーナーによる動作とを連動させて行うことができる。
より具体的には、例えば、前記駆動軸が第1回転方向に回転するとき、前記第1間欠ギヤが前記第1駆動ギヤと噛み合い、当該第1駆動ギヤとの噛み合いが外れる前の所定の回転範囲で、当該第1間欠ギヤの回転に基づいて前記第2間欠ギヤが回転して前記第2駆動ギヤと噛み合い、しかる後に、前記第2間欠ギヤと前記第2駆動ギヤとの噛み合いが外れる前の所定の回転範囲で、当該第2間欠ギヤの回転に基づき、隣り合う前記ギヤユニットに設けられた前記第1間欠ギヤが回転して、当該隣り合う前記ギヤユニットの前記第1駆動ギヤと噛み合い、前記駆動軸が前記第1回転方向と逆向きの第2回転方向に回転するとき、前記第2間欠ギヤが前記第2駆動ギヤと噛み合い、当該第2駆動ギヤとの噛み合いが外れる前の所定の回転範囲で、当該第2間欠ギヤの回転に基づいて前記第1間欠ギヤが回転させられて前記第1駆動ギヤと噛み合い、しかる後に、前記第1間欠ギヤと前記第1駆動ギヤとの噛み合いが外れる前の所定の回転範囲で、当該第1間欠ギヤの回転に基づき、隣り合う前記ギヤユニットに設けられた前記第2間欠ギヤが回転して、当該隣り合う前記ギヤユニットの前記第2駆動ギヤと噛み合うように構成することができる。このようにすると、駆動軸を第1回転方向に回転させることで、ワイパークリーナーの動作とワイパーのワイピング動作を一連の動作として行い、更に、隣り合うワイパーユニットに順次この動作を行わせることができる。また、駆動軸を第2回転方向に回転させることで、ワイパーのワイピング動作とワイパークリーナーの動作とを一連の動作として行い、更に、隣り合うワイパーユニットに順次この動作を行わせることができる。
次に、本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する複数のヘッドを複数列に配列して搭載したヘッドユニットと、上記のワイパー装置と、を有することを特徴とする。
また、本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する複数のヘッドを複数列に配列して搭載したヘッドユニットと、上記のワイパー装置と、を有し、当該ワイパー装置に設けられた前記複数のワイパーのそれぞれは、前記可動ユニットが可動範囲の一端に位置するとき、隣り合う2列のヘッドのうちの一方の列をワイピング可能であり、前記可動ユニットが可動範囲の他端に位置するとき、他方の列をワイピング可能であることを特徴とする。
次に、本発明のワイピング方法は、液体を吐出する複数のヘッドを複数列に配列して搭載したヘッドユニットと、前記ヘッドの列数よりも少ない数のワイパーを備えるワイパー装置と、を有する液体吐出装置における前記ヘッドのノズル面のワイピング方法であって、前記ワイパーを、当該ワイパーに対応する複数の前記ヘッドの列のうちの第1の列に対向する第1位置に移動させて、前記第1の列のヘッドのノズル面を前記ワイパーでワイピングし、前記ワイパーを、前記第1の列と異なる第2の列に対向する第2位置に移動させて、前記第2の列のヘッドのノズル面を前記ワイパーでワイピングすることを特徴とする。
本発明のワイピング方法において、前記ワイパー装置は、複数の前記ワイパーと、モーターと、前記モーターの回転に基づいて前記複数のワイパーを駆動して前記ヘッドのノズル面をワイピングするワイパー駆動機構を備えており、前記液体吐出装置は、前記複数のワイパーに対向する位置を経由して前記ヘッドユニットを移動させるヘッド移動装置を有し、前記モーターの一方向への回転に基づいて前記ワイパー駆動機構を駆動して、前記複数のワイパーのワイピング動作を予め定められた順序で行うシーケンス動作を行い、当該シーケンス動作において、前記複数のワイパーのうちのいずれか1つがワイピング動作を行うタイミングで、前記複数のワイパーに対向する位置を前記ヘッドユニットが通過するように、ヘッド移動装置を駆動することが望ましい。
本発明の実施形態に係るプリンターの外観斜視図である。 図1のプリンターの概略縦断面図である。 インクジェットヘッドをプリンター下方側から見た底面図である。 メンテナンスユニットの斜視図である。 ワイパー装置の斜視図である。 ワイパー装置および可動ユニットの斜視図である。 ワイパー装置の内部機構の斜視図である。 外ケース内の可動ユニットの位置を模式的に示す説明図である。 ワイパーユニットの分解斜視図である。 ワイパーユニットの分解斜視図である。 ワイパーユニットをワイパー部とワイパークリーナー部に分解した分解斜視図である。 ワイパーユニットの動作説明図である。 改変例のワイパークリーナー部の斜視図である。 改変例のワイパークリーナー部の側面図である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したワイパー装置およびこれを備える液体吐出装置、ならびにワイピング方法の実施の形態を説明する。以下の実施の形態は、本発明をインクジェットプリンターのメンテナンスユニットに適用したものであるが、本発明は、インク以外の液体を吐出する液体吐出装置にも適用可能である。また、以下の実施の形態はラインヘッド方式の印刷ヘッドを備えるプリンターであるが、本発明はシリアルヘッド方式の印刷ヘッドを備えるプリンターにも適用可能である。
(全体構成)
図1は本発明の実施形態に係るプリンターの外観斜視図である。また、図2はその概略縦断面図である。図1に示すように、プリンター1は、全体として前後方向に長い直方体形状のプリンター筐体2を備える。以下、本明細書において、プリンター幅方向を符号Xで示し、プリンター前後方向を符号Yで示し、プリンター上下方向を符号Zで示す。X、Y、Zの3方向は互いに直交する。また、プリンター幅方向Xの一方側を符号X1、他方側を符号X2、プリンター前方を符号Y1、プリンター後方を符号Y2、プリンター上方を符号Z1、プリンター下方を符号Z2で示す。
プリンター筐体2の前面2aの上側部分には、プリンター幅方向Xの一方側X1に操作パネル3が設けられ、他方側X2に排紙口4が形成されている。排紙口4の下側には開閉蓋5Aが設けられている。開閉蓋5Aを開けると、プリンター内部の媒体搬送路10(図2参照)が開放される。また、操作パネル3の下側には、インクカートリッジ装着部(図示省略)を開閉する開閉蓋5Bが設けられている。インクカートリッジ装着部には、黒インクBk、シアンインクC、マゼンダインクM、イエローインクYの4色のインクを貯留する4個のインクカートリッジ(図示省略)が装着される。
図2に示すように、プリンター筐体2の内部には、プリンター後方Y2側の下部にロール紙収納部6が形成されている。また、プリンター前方Y1側の上部にはインクジェットヘッド7(液体吐出ヘッド)が配置され、プリンター前方Y1側の下部にはプラテンユニット8が配置されている。インクジェットヘッド7は、インクノズルが形成されたノズル面7aをプラテン面8aに対向させて配置されている。ロール紙収納部6に装填されたロール紙9から引き出された長尺の記録紙Pは、二点鎖線で示す媒体搬送路10に沿って搬送され、インクジェットヘッド7による印刷位置を経由して排紙口4から排出される。
インクジェットヘッド7はライン型であり、ヘッドユニット7Bk、ヘッドユニット7C、ヘッドユニット7M、ヘッドユニット7Yの4つのヘッドユニットを備える。すなわち、インクジェットヘッド7は、4色のインクを吐出する4つのヘッドユニットを備える大型のヘッドユニットである。4つのヘッドユニットは、プリンター前後方向Yに一定間隔で配列されている。インクジェットヘッド7はキャリッジ11に搭載されている。キャリッジ11は、そのプリンター前方Y1側に配置されたキャリッジ移動機構15によって、図1において点線で示すプラテン対向位置11Aと、図1において2点鎖線で示す待機位置11Bとの間を移動する。キャリッジ移動機構15は、一対のタイミングプーリー(図示省略)、タイミングベルト(図示省略)、キャリッジモーター15a等を備えている。一対のタイミングプーリーはキャリッジガイド軸14の両端の近傍に配置されている。タイミングベルトはこれら一対のタイミングプーリーに架け渡されており、その一部分がキャリッジ11に固定されている。キャリッジモーター15aが駆動されると、一方のタイミングプーリーが回転してタイミングベルトが移動する。これにより、キャリッジ11は一対のキャリッジガイド軸14に沿ってプリンター幅方向Xに往復移動する。
キャリッジ11がプラテン対向位置11Aにあるとき、キャリッジ11に搭載されたインクジェットヘッド7は、プラテン面8aに沿って搬送される記録紙Pと対向する。これが、インクジェットヘッド7の印刷位置7Aである。一方、キャリッジ11が待機位置11Bにあるとき、インクジェットヘッド7はその下側に配置されたメンテナンスユニット16と対向する。これが、インクジェットヘッド7のメンテナンス位置7Bである。このように、キャリッジ11、キャリッジガイド軸14、およびキャリッジ移動機構15によって、インクジェットヘッド7を印刷位置7Aとメンテナンス位置7Bの間で往復移動させるヘッド移動機構(ヘッド移動装置)が構成されている。
(インクノズルの配置)
図3はインクジェットヘッド7をプリンター下方Z2側から見た底面図である。上述したように、インクジェットヘッド7は、ヘッドユニット7Bk、ヘッドユニット7C、ヘッドユニット7M、ヘッドユニット7Yを備える。これら4個のヘッドユニットは、それぞれ、全体としてプリンター幅方向Xに細長い形状をしており、プリンター幅方向Xに配列された4個の単位ヘッド71〜74(ヘッド)を備える。4個の単位ヘッド71〜74は、隣り合う単位ヘッドがプリンター前後方向Yに前後して配置され、全体として2列に並んでいる。単位ヘッド71、73はプリンター前方Y1側の列を構成し、単位ヘッド72、74はプリンター後方Y2側の列を構成している。プリンター幅方向Xで隣り合う単位ヘッドは、その端部分がプリンター前後方向Yに見たときに重なり合っている。
4個の単位ヘッド71〜74には、複数のインクノズルをプリンター幅方向Xに所定のノズルピッチで配列したインクノズル列が2列ずつ形成されている。ヘッドユニット7Bkの単位ヘッド71〜74には、黒インクBkを吐出するインクノズルが形成されている。また、ヘッドユニット7Cの単位ヘッド71〜74には、シアンインクCを吐出するインクノズルが形成されている。また、ヘッドユニット7Mの単位ヘッド71〜74には、マゼンダインクMを吐出するインクノズルが形成されている。そして、ヘッドユニット7Yの単位ヘッド71〜74には、イエローインクYを吐出するインクノズルが形成されている。
(メンテナンスユニット)
図4はメンテナンスユニット16の斜視図である。メンテナンスユニット16は、吸引装置20およびワイパー装置30を備える。吸引装置20は、インクジェットヘッド7のノズル面7aをキャッピングしてインクの吸引等を行う。また、ワイパー装置30は、インクジェットヘッド7のノズル面7aに付着したインクや異物を拭き取る。図4に示すように、吸引装置20とワイパー装置30は、プリンター幅方向Xに隣り合って配置され、矩形のベースフレーム17に支持されている。インクジェットヘッド7がメンテナンス位置7Bに位置決めされたとき、インクジェットヘッド7のノズル面7aは吸引装置20に対向する。ワイパー装置30は、吸引装置20に対してプラテンユニット8が位置する側に配置されている。このため、インクジェットヘッド7がメンテナンス位置7Bと印刷位置7Aの間を移動するとき、インクジェットヘッド7のノズル面7aはワイパー装置30の上を通って移動する。
(吸引装置)
吸引装置20は、ヘッドキャップ21と、ヘッドキャップ21をプリンター上下方向Zに昇降させる昇降機構(図示省略)と、廃インクタンク(図示省略)と、廃インクチューブ(図示省略)と、吸引ポンプ26等を備える。ヘッドキャップ21は、キャップユニット21Bk、21C、21M、21Yを備える。各キャップユニットは4個の単位キャップ22〜25を備える。4個の単位キャップ22〜25は、ヘッドユニット側の4個の単位ヘッド71〜74と対向する。単位キャップ22〜25は、廃インクチューブによって廃インクタンクに接続されている。メンテナンス時およびインクジェットヘッド7が待機状態に入るときは、ヘッドキャップ21を上昇させて、単位ヘッド71〜74を単位キャップ22〜25でキャッピングする。
プリンター1では、インクジェットヘッド7のインクノズルがインクの増粘によって目詰まりすることを予防あるいは解消するため、フラッシングおよびインク吸引動作を行う。フラッシングは、インクジェットヘッド7をメンテナンス位置7Bに移動させて、ヘッドキャップ21に向けてインクを吐出する動作である。フラッシングで吐出されたインクは、単位キャップ22〜25内に配置されたインク吸収材に保持される。また、インク吸引動作を行うときは、単位キャップ22〜25で単位ヘッド71〜74をキャッピングした状態で吸引ポンプ26を駆動する。これにより、インクノズルの周囲の密閉空間に負圧が形成されて、ノズル内のインクが吸引される。吸引された廃インクは、インク吸収材に吐出された廃インクと共に、廃インクチューブを経由して廃インクタンクに回収される。
(ワイパー装置)
図5はワイパー装置30をプリンター前方Y1側から見た斜視図である。また、図6はワイパー装置30およびその可動ユニット40の斜視図であり、図6(a)はワイパー装置30をプリンター幅方向Xの他方側X2(プラテンユニット8側)から見た状態、図6(b)はワイパー装置の外ケースを取り外した状態(可動ユニット40)を示す。図5、図6に示すように、ワイパー装置30は、プリンター前後方向Yに長い外ケース31(第2ケース)と、外ケース31に収容される可動ユニット40を備える。可動ユニット40は、外ケース31によってプリンター前後方向Yに移動可能に支持されている。可動ユニット40のプリンター前方Y1側の部位には、後述するワイパーユニット50が配置されている。
外ケース31は、ケース底面およびケース側面を構成する箱型の下ケース32と、ケース上面を構成する蓋ケース33を備える。蓋ケース33は、下ケース32に対し、ネジ等の固定部材によって着脱される。蓋ケース33には、ヘッドキャップ21とプリンター幅方向Xに隣り合う部位に、プリンター前後方向Yに延在する開口34が形成されている。また、蓋ケース33には、開口34よりもプリンター後方Y2側の部位に、窓部35が形成されている。開口34のプリンター前後方向Yの両側には、第1カムピン36Aおよび第2カムピン36Bが形成されている(図5参照)。第1カムピン36Aは開口34のプリンター後方Y2側に配置され、第2カムピン36Bは開口34のプリンター前方Y1側に配置されている。第1カムピン36Aおよび第2カムピン36Bは、蓋ケース33の裏面からケース内に突出する。これらのカムピンは、後述するスパイラルカムと共に、可動ユニット40を外ケース31内でプリンター前後方向Yに移動させる移動機構を構成している。
可動ユニット40は、図6(b)に示すように、内ケース41(第1ケース)と、内ケース41に保持される内部機構42を備える。内ケース41は、外ケース31によってプリンター前後方向Yにスライド可能に保持される。内ケース41において、外ケース31の開口34と重なる部位には、開口34からプリンター上方Z1に突出する突出部43が形成されている。突出部43の上面は、プリンター前後方向Yに見た場合の断面形状がプリンター上方Z1に凸となる緩やかな湾曲面44である。湾曲面44には、プリンター前後方向Yに一定間隔で4つの開口45が並んでいる。4つの開口45は、吸引装置20のキャップユニット21Bk、21C、21M、21Yとプリンター幅方向Xに隣り合う位置に形成されている。4つの開口45には、後述するワイパーユニット50のワイパー57等が配置されている。
(ワイパー装置の内部機構)
図7はワイパー装置30の内部機構42の斜視図である。内部機構42は、プリンター前後方向Yに一列に配列された4つのワイパーユニット50と、駆動力伝達機構60と、ワイパーモーター46と、4つのワイパーユニット50の配列方向の両側に配置された第1スパイラルカム47Aおよび第2スパイラルカム47Bを備える。図6(b)に示すように、内ケース41のプリンター後方Y2側の端部にはモーター装着部41aが設けられ、ここにワイパーモーター46が取り付けられている。駆動力伝達機構60は、駆動軸61および支軸62と、減速機構63と、第1駆動ギヤ64Aおよび第2駆動ギヤ64Bと、第3駆動ギヤ65Aおよび第4駆動ギヤ65Bを備える。
駆動軸61および支軸62は、プリンター前後方向Yに平行に延びている。減速機構63は、ワイパーモーター46の出力回転を減速して駆動軸61に伝達する。減速機構63は、ワイパーモーター46の出力軸に取り付けられたピニオン(図示省略)と噛み合う第1歯車63aと、第1歯車63aの小径歯車部と噛み合う第2歯車63bと、第2歯車63bの小径歯車部と噛み合う第3歯車63cを備える輪列である。駆動軸61は、第3歯車63cと一体に回転する。第1歯車63aは駆動軸61に回転可能に取り付けられ、第2歯車63bは支軸62に回転可能に取り付けられている。減速機構63およびワイパーモーター46は、駆動軸61のプリンター後方Y2側の端部に配置されている。
第1駆動ギヤ64Aと第2駆動ギヤ64Bは4組設けられ、駆動軸61のプリンター後方Y2側からプリンター前方Y1に向けて、第1駆動ギヤ64A、第2駆動ギヤ64Bの順で交互に4組並んでいる。また、これら4組の駆動ギヤのプリンター前後方向Yの両側に、第3駆動ギヤ65A、第4駆動ギヤ65Bが配置されている。第3駆動ギヤ65Aは4組の駆動ギヤのプリンター後方Y2側に配置され、第4駆動ギヤ65Bはプリンター前方Y1側に配置されている。4組の第1駆動ギヤ64Aおよび第2駆動ギヤ64Bと、その両側に配置された第3駆動ギヤ65Aおよび第4駆動ギヤ65Bは、駆動軸61と一体に回転する。
支軸62は、駆動軸61のプリンター上方Z1側に配置されている。支軸62には、ワイパーユニット50の第1間欠ギヤ51Aと第2間欠ギヤ51Bが4組取り付けられている。第1間欠ギヤ51Aは、駆動力伝達機構60の第1駆動ギヤ64Aと噛み合うように配置され、第2間欠ギヤ51Bは、駆動力伝達機構60の第2駆動ギヤ64Bと噛み合うように配置されている。また、支軸62には、4組の間欠ギヤのプリンター前後方向Yの両側に、第3間欠ギヤ66A、第4間欠ギヤ66Bが取り付けられている。第3間欠ギヤ66Aは第3駆動ギヤ65Aと噛み合い、第4間欠ギヤ66Bは第4駆動ギヤ65Bと噛み合う。これら4組の第1間欠ギヤ51Aおよび第2間欠ギヤ51Bと、その両側に配置された第3間欠ギヤ66Aおよび第4間欠ギヤ66Bは、支軸62に対して相対回転可能である。第1間欠ギヤ51A、第2間欠ギヤ51B、および第3間欠ギヤ66A、第4間欠ギヤ66Bには、それぞれ、歯溝が形成された歯部と、歯溝が形成されていない欠歯部が周方向の所定の範囲にわたって設けられている。
駆動軸61および支軸62は、上述したように、その軸線方向がプリンター前後方向Yと一致するように配置されている。以下の説明において、プリンター前方Y1側を向いたときに反時計回り方向となる回転方向を第1回転方向CCWとし、プリンター前方Y1側を向いたときに時計回り方向となる回転方向を第2回転方向CWとする(図7参照)。駆動軸61は、ワイパーモーター46の回転に基づき、その中心軸線Lを中心として、第1回転方向CCWおよび第2回転方向CWに回転する。駆動軸61が第1回転方向CCWに回転するとき、支軸62に取り付けられた各間欠ギヤは、各駆動ギヤによって、支軸62の中心軸線L1を中心として第2回転方向CWに回転させられる。また、駆動軸61が第2回転方向CWに回転するとき、各間欠ギヤは第1回転方向CCWに回転させられる。
(可動ユニット移動機構)
図8は外ケース31内の可動ユニット40の位置を模式的に示す説明図である。この図に示すように、可動ユニット40は、外ケース31内でプリンター後方Y2寄りの後方位置40A(第1位置)と、プリンター前方Y1寄りの前方位置40B(第2位置)の間を移動可能である。可動ユニット40が後方位置40Aにあるとき、可動ユニット40においてワイパー57が配置される部位である突出部43(図5、図6参照)は、蓋ケース33の開口34のプリンター後方Y2側の端部寄りに位置している。一方、可動ユニット40が前方位置40Bにあるとき、突出部43は、開口34のプリンター前方Y1側の端部寄りに位置している。
図7に示すように、内部機構42のプリンター後方Y2側の部位に設けられる第1スパイラルカム47Aは、支軸62に対して相対回転可能に取り付けられ、第3間欠ギヤ66Aと一体に回転する。第1スパイラルカム47Aの外周面には、第1螺旋状凹部48Aが形成されている。第1螺旋状凹部48Aには、上述した蓋ケース33の第1カムピン36Aが配置される。第1螺旋状凹部48Aは、プリンター前方Y1側の側面だけが螺旋状の面となっている。また、第1螺旋状凹部48Aの周方向の両端には、第1カムピン36Aに当接する度当たり面が形成されている。駆動軸61が第2回転方向CWに回転するとき、第3間欠ギヤ66Aは第1回転方向CCWに回転し、これに伴って第1スパイラルカム47Aも第1回転方向CCWに回転する。このとき、第1スパイラルカム47Aは、第1カムピン36Aによってプリンター前方Y1側に移動させられる。これにより、可動ユニット40は、外ケース31内においてユニット全体がプリンター前方Y1側に移動する。このように、第1スパイラルカム47Aと第1カムピン36Aは、可動ユニット40を全体としてプリンター前方Y1側に移動させる第1移動機構49A(図7参照)を構成する。
一方、内部機構42のプリンター前方Y1側の部位に設けられる第2スパイラルカム47Bは、支軸62に対して相対回転可能に取り付けられ、第4間欠ギヤ66Bと一体に回転する。第2スパイラルカム47Bと第4間欠ギヤ66Bは、上述した第1スパイラルカム47Aと第3間欠ギヤ66Aをプリンター前後方向Yに逆向きにした構成である。すなわち、第2スパイラルカム47Bの外周面には、第2螺旋状凹部48Bが形成されている。第2螺旋状凹部48Bには、上述した蓋ケース33の第2カムピン36Bが配置される。第2螺旋状凹部48Bは、プリンター後方Y2側の側面だけが螺旋状の面となっている。また、第2螺旋状凹部48Bの周方向の両端には、第2カムピン36Bに当接する度当たり面が形成されている。駆動軸61が第1回転方向CCWに回転するとき、第4間欠ギヤ66Bは第2回転方向CWに回転し、これに伴って第2スパイラルカム47Bも第2回転方向CWに回転する。このとき、第2スパイラルカム47Bは、第2カムピン36Bによってプリンター後方Y2側に移動させられる。これにより、可動ユニット40は、外ケース31内においてユニット全体がプリンター後方Y2側に移動する。このように、第2スパイラルカム47Bと第2カムピン36Bは、可動ユニット40を全体としてプリンター後方Y2側に移動させる第2移動機構49B(図7参照)を構成する。
第1移動機構49Aおよび第2移動機構49Bによる可動ユニット40の移動距離d1(図8参照)は、インクジェットヘッド7の各ヘッドユニットにおいて2列に配列されている4個の単位ヘッド71〜74のプリンター前後方向Yの配列間隔d2(図3参照)と一致する。可動ユニット40が後方位置40Aにあるとき、4つの開口45に配置されたワイパー57は、各ヘッドユニットにおいてプリンター後方Y2側のヘッド列を構成する単位ヘッド71、73のノズル面をワイピング可能である。また、可動ユニット40が前方位置40Bにあるとき、4つの開口45に配置されたワイパー57は、各ヘッドユニットにおいてプリンター前方Y1側のヘッド列を構成する単位ヘッド72、74のノズル面をワイピング可能である。
すなわち、図8に示すように、4つのヘッドユニット7Bk、7C、7M、7Yに対応する4つのワイパー57をそれぞれ、57Bk、57C、57M、57Yとし、4つのヘッドユニット7Bk、7C、7M、7Yに搭載された単位ヘッド71〜74をそれぞれ、単位ヘッド71Bk〜74Bk、単位ヘッド71C〜74C、単位ヘッド71M〜74M、単位ヘッド71Y〜74Yとすると、ワイパー57Bk、57C、57M、57Yによる単位ヘッドの選択的ワイピングは、以下のように行われる。可動ユニット40が後方位置40A(第1位置)にあるとき、ワイパー57Bkは、ヘッドユニット7Bkが備える2列の単位ヘッドの列のうち、単位ヘッド71Bk、73Bkによって構成される列(第1の列)のノズル面をワイピング可能である。また、このとき、同様に、ワイパー57Cは、ヘッドユニット7Cが備える2列の単位ヘッドの列のうち、単位ヘッド71C、73Cによって構成される列(第1の列)のノズル面をワイピング可能であり、ワイパー57Mは、ヘッドユニット7Mが備える2列の単位ヘッドの列のうち、単位ヘッド71M、73Mによって構成される列(第1の列)のノズル面をワイピング可能であり、ワイパー57Yは、ヘッドユニット7Yが備える2列の単位ヘッドの列のうち、単位ヘッド71Y、73Yによって構成される列(第1の列)のノズル面をワイピング可能である。
また、可動ユニット40が前方位置40B(第2位置)にあるとき、ワイパー57Bkは、ヘッドユニット7Bkが備える2列の単位ヘッドの列のうち、単位ヘッド72Bk、74Bkによって構成される列(第2の列)のノズル面をワイピング可能である。また、このとき、同様に、ワイパー57Cは、ヘッドユニット7Cが備える2列の単位ヘッドの列のうち、単位ヘッド72C、74Cによって構成される列(第2の列)のノズル面をワイピング可能であり、ワイパー57Mは、ヘッドユニット7Mが備える2列の単位ヘッドの列のうち、単位ヘッド72M、74Mによって構成される列(第2の列)のノズル面をワイピング可能であり、ワイパー57Yは、ヘッドユニット7Yが備える2列の単位ヘッドの列のうち、単位ヘッド72Y、74Yによって構成される列(第2の列)のノズル面をワイピング可能である。
このように、ワイパー装置30は、単位ヘッドの列をワイピング可能なワイパー57を複数備えている。そして、ワイパー57の数(4個)よりも単位ヘッドの配列数(8列)が多い構成でありながら、可動ユニット40をプリンター前後方向Yに移動させることで、全てのヘッド列のノズル面を選択的にワイピングすることが可能である。各ワイパー57を、ワイピングする単位ヘッドの列に対応する位置に移動させて、インクジェットヘッド7を印刷位置7Aとメンテナンス位置7Bの間で移動させるとき、インクジェットヘッド7は、ワイパー57に対して単位ヘッドの列が延びる方向(プリンター前後方向Y)に相対的に移動する。このとき、単位ヘッドの列がワイピングされる。
(ワイパー装置のシーケンス動作)
ワイパー装置30に設けられた4つのワイパーユニット50は、その配列方向に沿って1つずつ順次駆動されるシーケンス動作を行う。シーケンス動作は、プリンター後方Y2側からプリンター前方Y1側に向かって4つのワイパーユニット50を順に駆動させる往路のシーケンス動作と、プリンター前方Y1側からプリンター後方Y2側に向かって4つのワイパーユニット50を順に駆動させる復路のシーケンス動作である。往路のシーケンス動作は、後述するように、ワイパーユニット50の配列のプリンター後方Y2側の端部に位置する第1間欠ギヤ51Aが、その隣に位置する第3間欠ギヤ66Aの回転に基づき、第2回転方向CWに回転させられることによって開始する。また、復路のシーケンス動作は、ワイパーユニット50の配列のプリンター前方Y1側の端部に位置する第2間欠ギヤ51Bが、その隣に位置する第4間欠ギヤ66Bの回転に基づき、第1回転方向CCWに回転させられることによって開始する。
(駆動軸が第1回転方向CCWに回転するときの動作)
ワイパー装置30では、駆動軸61を第1回転方向CCWに回転させると、可動ユニット40が上述した前方位置40Bにある状態で、4つのワイパーユニット50による往路のシーケンス動作が行われ、しかる後に、可動ユニット40のプリンター後方Y2側へのスライド動作(前方位置40Bから後方位置40Aへの移動)が行われる。
まず、駆動軸61を第1回転方向CCWへ回転させると、第3駆動ギヤ65Aによって、第3間欠ギヤ66Aおよび第1スパイラルカム47Aが第2回転方向CWに回転する。このとき、第1カムピン36Aは第1螺旋状凹部48A内で空転するため、可動ユニット40は前方位置40Bから移動しない。第3間欠ギヤ66Aが所定の回転位置に到達すると、第3間欠ギヤ66Aと、ワイパーユニット50の配列の端部(プリンター後方Y2側の端部)に位置する第1間欠ギヤ51Aとの間に設けられたカム機構が係合する。これにより、第3間欠ギヤ66Aの回転に基づいて第1間欠ギヤ51Aが回転させられる。その結果、第1間欠ギヤ51Aは、第1駆動ギヤ64Aと噛み合っていない空転状態から、第1駆動ギヤ64Aと噛み合っている状態に移行する。
第3間欠ギヤ66Aと第1間欠ギヤ51Aとの間に設けられるカム機構は、以下のように構成されている。第3間欠ギヤ66Aには、ワイパーユニット50側に突出する突出部67A(図7参照)が形成されている。突出部67Aの先端面にはカム部(図示省略)が形成されている。このカム部は、後述する第2回転カム55の第7カム部55d(図10参照)と同じ形状であり、円形凹部における内周面の周方向の一部を内周側に突出させた形状である。このカム部に、第1間欠ギヤ51Aと一体に回転する第1回転カム52に設けられた第3カム部52c(図9、図11参照)が挿入される。これらのカム部同士が係合することで、第3間欠ギヤ66Aの回転が第1間欠ギヤ51Aに伝達される。
第1間欠ギヤ51Aおよび第3間欠ギヤ66Aにおいて、その欠歯部の位相は、第3間欠ギヤ66Aの回転に基づいて第1間欠ギヤ51Aが回転を始めてから、さらに所定角度(例えば、30度)回転した後に、第3間欠ギヤ66Aと第3駆動ギヤ65Aとの噛み合いが外れて空転状態となるように設定されている。
第1間欠ギヤ51Aが第1駆動ギヤ64Aと噛み合った後、更に駆動軸61を第1回転方向CCWに回転させ続けると、4つのワイパーユニット50が順次駆動されて、往路のシーケンス動作が行われる。このシーケンス動作の詳細は後述する。往路のシーケンス動作が終了するとき、最後に、4つのワイパーユニット50の配列におけるプリンター前方Y1側の端部に位置する第2間欠ギヤ51Bが回転する。第2間欠ギヤ51Bの回転は、第4間欠ギヤ66Bに伝達される。
第2間欠ギヤ51Bから第4間欠ギヤ66Bへの回転の伝達は、第3間欠ギヤ66Aと第1間欠ギヤ51Aの間に設けられたカム機構と同様のカム機構によって行われる。すなわち、第4間欠ギヤ66Bのプリンター後方Y2側の面には、ワイパーユニット50側に突出するカム部(図示省略)が形成されている。このカム部は、上述した第1回転カム52の第3カム部52c(図9、図11参照)と同じ形状である。このカム部は、第2間欠ギヤ51Bのプリンター前方Y1側の面に形成された第7カム部55d(図10参照)に配置される。これらのカム部同士が係合することで、第4間欠ギヤ66Bの回転が第2間欠ギヤ51Bに伝達される。また、第2間欠ギヤ51Bと第4間欠ギヤ66Bの欠歯部の位相は、第1間欠ギヤ51Aおよび第3間欠ギヤ66Aの欠歯部の位相と同様に設定されている。すなわち、第4間欠ギヤ66Bが回転を始めてから、さらに所定角度(例えば、30度)回転した後に、第2間欠ギヤ51Bと第2駆動ギヤ64Bとの噛み合いが外れて空転状態となるように設定されている。
このようにして、ワイパーユニット50の往路のシーケンス動作に続いて、第4間欠ギヤ66Bおよび第2スパイラルカム47Bの第2回転方向CWへの回転が開始する。第2スパイラルカム47Bは、前方位置40Bで第2回転方向CWに回転するとき、第2カムピン36Bによってプリンター後方Y2側に押圧移動させられる。これにより、可動ユニット40が後方位置40Aに移動する。
(駆動軸の第2回転方向CWへの回転に基づく動作)
次に、ワイパー装置30では、駆動軸61を第2回転方向CWに回転させると、可動ユニット40が上述した後方位置40Aにある状態で、4つのワイパーユニット50による復路のシーケンス動作が行われ、しかる後に、可動ユニット40のプリンター前方Y1側へのスライド動作(後方位置40Aから前方位置40Bへの移動)が行われる。
まず、駆動軸61を第2回転方向CWへ回転させると、第4駆動ギヤ65Bによって、第4間欠ギヤ66Bおよび第2スパイラルカム47Bが第1回転方向CCWに回転する。このとき、第2カムピン36Bは第2螺旋状凹部48B内で空転するため、可動ユニット40は後方位置40Aから移動しない。第4間欠ギヤ66Bが所定の回転位置に到達すると、第4間欠ギヤ66Bと、ワイパーユニット50の配列の端部(プリンター前方Y1側の端部)に位置する第2間欠ギヤ51Bとの間に設けられたカム機構が係合する。これにより、第4間欠ギヤ66Bの回転に基づいて第2間欠ギヤ51Bが回転させられる。その結果、第2間欠ギヤ51Bは、第2駆動ギヤ64Bと噛み合っていない空転状態から、第2駆動ギヤ64Bと噛み合っている状態に移行する。
第4間欠ギヤ66Bと第2間欠ギヤ51Bとの間に設けられるカム機構、および第2間欠ギヤ51Bと第4間欠ギヤ66Bの欠歯部の位相は、往路の動作説明で述べたとおりである。従って、復路のシーケンス動作の開始時には、第2間欠ギヤ51Bが回転を開始すると、その少し後に第4間欠ギヤ66Bの回転が止まる。
第2間欠ギヤ51Bが第2駆動ギヤ64Bと噛み合った後、更に駆動軸61を第2回転方向CWに回転させ続けると、4つのワイパーユニット50が順次駆動されて、復路のシーケンス動作が行われる。このシーケンス動作の詳細は後述する。復路のシーケンス動作が終了するとき、最後に、4つのワイパーユニット50の配列におけるプリンター後方Y2側の端部に位置する第1間欠ギヤ51Aが回転する。第1間欠ギヤ51Aの回転は、カム機構によって第3間欠ギヤ66Aに伝達される。
第1間欠ギヤ51Aと第3間欠ギヤ66Aとの間に設けられるカム機構、および第1間欠ギヤ51Aと第3間欠ギヤ66Aの欠歯部の位相は、往路の動作説明で述べたとおりである。従って、復路のシーケンス動作の開始時には、第3間欠ギヤ66Aが回転を開始すると、その少し後に第1間欠ギヤ51Aの回転が止まる。
このようにして、ワイパーユニット50の復路のシーケンス動作に続いて、第3間欠ギヤ66Aおよび第1スパイラルカム47Aの第1回転方向CCWへの回転が開始する。第1スパイラルカム47Aは、後方位置40Aで第1回転方向CCWに回転するとき、第1カムピン36Aによってプリンター前方Y1側に押圧移動させられる。これにより、可動ユニット40が前方位置40Bに戻る。
(ワイパーユニット)
図9、図10はワイパーユニット50の分解斜視図であり、図9はプリンター後方Y2側から見た状態、図10はプリンター前方Y1側から見た状態を示す。また、図11はワイパー部とワイパークリーナー部に分解した状態を示す分解斜視図であり、プリンター後方Y2側から見た状態を示す。図11に示すように、ワイパーユニット50は、ワイパークリーナー部50Aとワイパー部50Bがプリンター前後方向Yに隣り合って並んでいる。本形態では、ワイパーユニット50を4つ備えるため、ワイパークリーナー部50Aとワイパー部50Bは、プリンター前後方向Yに交互に4組配列されている(図7参照)。
また、ワイパー装置30は、ワイパークリーナー部50Aのワイパークリーナーレバー53の動作と、ワイパー部50Bのワイパー57の動作とを、ワイパーユニット50の配列方向に沿って順次行わせるワイパー駆動機構30A(図7参照)を備える。ワイパー駆動機構30Aは、上述した駆動軸61および支軸62と、駆動軸61の軸線方向に配列された複数のギヤユニット30Bを備える。ギヤユニット30Bは、第1駆動ギヤ64Aと、後述するワイパークリーナー部50Aの第1間欠ギヤ51Aおよび第1回転カム52からなる第1のギヤユニット30B(1)と、第2駆動ギヤ64Bと、後述するワイパー部50Bの第2間欠ギヤ51Bおよび第2回転カム55からなる第2のギヤユニット30B(2)の2組のギヤユニットによって構成されている。第1、第2のギヤユニット30B(1)、30B(2)は、駆動軸61および支軸62に沿って交互に配置されている。複数のギヤユニット30Bは、駆動軸61の一方向への回転に基づき、その配列方向に沿って順次噛み合うように連結されている。
(ワイパークリーナー部)
ワイパークリーナー部50Aは、第1間欠ギヤ51A、第1回転カム52、ワイパークリーナーレバー53、第1昇降部材54、および第1コイルバネ58A(図10参照)を備える。ワイパークリーナー部50Aは、第1間欠ギヤ51Aと一体に回転する第1回転カム52によって、ワイパークリーナーレバー53をその下端を中心としてプリンター幅方向Xに揺動させる動作を行う。ワイパークリーナーレバー53の先端(上端)には、クリーニング板59が設けられている。図4、図5等に示すように、クリーニング板59は、ワイパー装置30における内ケース41の開口45に配置される。クリーニング板59は、開口45を開閉する蓋部材として機能しつつ、ワイパー57に付着したインクや異物を除去するクリーニング部材として機能する。
クリーニング板59は、開口45が形成されている内ケース41の湾曲面44に沿った形状に湾曲している。ワイパークリーナーレバー53が揺動すると、クリーニング板59はプリンター幅方向Xに移動する。ワイパークリーナーレバー53は、開口45に配置されたワイパー57をクリーニング板59がプリンター上方Z1側から覆う閉位置53A(図4〜図7参照)と、クリーニング板59を吸引装置20の側に退避させた開位置53B(図4〜図7参照)の間を移動する。図4〜図7では、ワイパーユニット50の配列のうち、プリンター後方Y2側の端部に位置するワイパーユニット50では、ワイパークリーナーレバー53が開位置53Bに位置し、他の3つのワイパークリーナーレバー53は閉位置53Aに位置している状態を示す。開位置53Bでは、クリーニング板59はワイパー57の上から退避しているので、開口45からプリンター上下方向Zに昇降するワイパー57とクリーニング板59が干渉しない状態になる。
図9、図10に示すように、ワイパークリーナーレバー53は、クリーニング板59と逆の側の端部(下端)が2つに分岐している。分岐部の間に設けられた溝部53aには、駆動軸61が配置される。これにより、ワイパークリーナーレバー53は、駆動軸61によってプリンター幅方向Xに揺動可能に支持される。また、ワイパークリーナーレバー53には、クリーニング板59と溝部53aとの間の部位をプリンター前後方向Yに貫通する貫通部53bが形成されている。貫通部53bは、プリンター上下方向Zに延在する長孔である。第1昇降部材54は、ワイパークリーナーレバー53のプリンター後方Y2側に配置されている。第1昇降部材54は、ワイパークリーナーレバー53の貫通部53bと重なる貫通部54aを備える。貫通部54aは、プリンター幅方向Xに延在する長孔である。
第1回転カム52は、図9に示すように、第1間欠ギヤ51Aからプリンター後方Y2側に突出する第1カム部52aと、第1カム部52aの先端から更に突出する第2カム部52bと、第2カム部52bの先端から更に突出する第3カム部52cを備える。図11に示すように、第1間欠ギヤ51Aおよび第1回転カム52、ワイパークリーナーレバー53、および第1昇降部材54の3つの部材は、第1カム部52aをワイパークリーナーレバー53の貫通部53bに配置し、第1カム部52aを第1昇降部材54の貫通部54aに配置するように組み付けられている。第1回転カム52は、支軸62に回転可能に取り付けられた第1間欠ギヤ51Aと一体になって、支軸62の中心軸線L1を中心として回転する。組み付け後の状態で、第3カム部52cは、第1昇降部材54から更にプリンター後方Y2側に突出している。第3カム部52cは、上述したように、ワイパーユニット50の配列のプリンター後方Y2側の端部に位置する場合、第3間欠ギヤ66Aとの間で回転を伝達するカム機構を構成する。また、隣り合うワイパーユニット50の第2間欠ギヤ51Bとの間で回転を伝達するカム機構を構成する。
図10に示すように、第1間欠ギヤ51Aのプリンター前方Y1側の面には、第4カム部52dが形成されている。第4カム部52dは、第1間欠ギヤ51Aの回転軸線(すなわち、中心軸線L1)を中心とする円形凹部において、その内周面の周方向の一部を内周側に突出させた形状である。第4カム部52dには、隣り合うワイパー部50Bの第2回転カム55に設けられた後述する第6カム部55cが配置される。第4カム部52dおよび第6カム部55cは、ワイパークリーナー部50Aの第1間欠ギヤ51Aと、ワイパー部50Bの第2回転カム55および第2間欠ギヤ51Bとの間で回転を伝達するカム機構を構成する。
ワイパークリーナー部50Aは、第1間欠ギヤ51Aが第1駆動ギヤ64Aと噛み合っている状態において、駆動軸61が第1回転方向CCWに回転すると、第1間欠ギヤ51Aと一体に形成された第1回転カム52が第2回転方向CWに回転する。このとき、第1回転カム52の第1カム部52aは、貫通部53b内をプリンター上下方向Zに移動しながら、ワイパークリーナーレバー53をプリンター幅方向Xの一方側X1(図4に示す吸引装置20側)に揺動させる。すなわち、ワイパークリーナーレバー53を閉位置53Aから開位置53Bに移動させる。これが、ワイパークリーナーレバー53の開動作である。一方、駆動軸61が第2回転方向CWに回転すると、第1回転カム52が第1回転方向CCWに回転する。このとき、第1カム部52aは、ワイパークリーナーレバー53をプリンター幅方向Xの他方側X2(吸引装置20と逆の側)に揺動させる。これにより、ワイパークリーナーレバー53は、開位置53Bから閉位置53Aに移動する。これが、ワイパークリーナーレバー53の閉動作である。
また、第1回転カム52が第2回転方向CWあるいは第1回転方向CCWに回転して、第1カム部52aがワイパークリーナーレバー53を揺動させるとき、第2カム部52bは、第1昇降部材54の貫通部54a内をプリンター幅方向Xに移動しながら、第1昇降部材54をプリンター上下方向Zに昇降させる。ワイパーユニット50を収容する内ケース41には、そのケース側面の内側に、第1昇降部材54のプリンター幅方向Xの側端縁を挿入するガイド溝が形成されている。第1昇降部材54は、このガイド溝に案内されて昇降する。図10に示すように、第1昇降部材54には、第1コイルバネ58A(第1付勢部材)の一端が係合されている。第1コイルバネ58Aの他端は、内ケース41のケース側面の下端に係合されている。第1昇降部材54は、第1コイルバネ58Aによってプリンター下方Z2に付勢されている。
第1回転カム52は、第1カム部52aがワイパークリーナーレバー53を閉位置53Aに移動させたときの回転位置A1(図11参照)と、第1カム部52aがワイパークリーナーレバー53を開位置53Bに移動させたときの回転位置B1(図11参照)の間で回転する。このとき、第1回転カム52と一体になっている第1間欠ギヤ51Aも同位相で回転する。第1間欠ギヤ51Aは、回転位置A1から回転位置B1まで回転する間に第1駆動ギヤ64Aと噛み合う範囲に歯部が形成され、他の部分は欠歯部となっている。ここで、第1昇降部材54を介して第1コイルバネ58Aの付勢力が第2カム部52bに作用する。この付勢力は、第1間欠ギヤ51Aを、第1駆動ギヤ64Aとの噛み合いが外れる側(すなわち、空転位置側)に回転させるように作用する。具体的には、回転位置A1では回転位置B1と逆の側に回転させる方向に作用し、回転位置B1では回転位置A1と逆の側に回転させる方向に作用する。このように、第1間欠ギヤ51Aを空転位置側に逃がすように付勢することで、振動などによって第1間欠ギヤ51Aの回転位置がずれて、不用意に第1間欠ギヤ51Aと第1駆動ギヤ64Aが噛み合って動き出してしまうことを回避できる。
(ワイパー部)
ワイパー部50Bは、第2間欠ギヤ51B、第2回転カム55、第2昇降部材56、ワイパー57、第2コイルバネ58Bを備える。ワイパー部50Bは、第2間欠ギヤ51Bと一体に回転する第2回転カム55によって第2昇降部材56を昇降させ、これによって第2昇降部材56に搭載されたワイパー57を昇降させる動作を行う。ワイパー57はゴム等の弾性材からなり、第2昇降部材56の上端に配置されている。ワイパー57は、開口45よりプリンター下方Z2側に下降した退避位置57A(図4、図7参照)と、開口45からプリンター上方Z1側に突出したワイピング位置57B(図4、図7参照)の間を移動する。ワイパー57がワイピング位置57Bに突出している状態で、インクジェットヘッド7をプリンター幅方向Xに移動させてワイパー装置30の上を通過させると、ワイパー57がインクジェットヘッド7のノズル面7a(単位ヘッド71、73のノズル面、あるいは、単位ヘッド72、74のノズル面)に摺接する。また、ワイパー57は、退避位置57Aに退避している状態では、ノズル面7aに摺接しない。
第2回転カム55は、図9に示すように、第2間欠ギヤ51Bの中心部からプリンター後方Y2側に延在する円筒部55aと、円筒部55aよりも外周側においてプリンター後方Y2側に突出する第5カム部55bと、円筒部55aの外周面に沿ってプリンター前後方向Yに延在する第6カム部55cを備える。円筒部55aには支軸62が挿通される。
第2昇降部材56には、プリンター前後方向Yに貫通する貫通部56aが形成されている。貫通部56aは、プリンター幅方向Xに延在する長孔である。図11に示すように、第2間欠ギヤ51Bおよび第2回転カム55と、第2昇降部材56の2つの部材は、円筒部55a、第5カム部55b、および第6カム部55cを第2昇降部材56の貫通部56aに配置するように組み付けられている。第2回転カム55は、支軸62に回転可能に取り付けられた第2間欠ギヤ51Bと一体になって、支軸62の中心軸線L1を中心として回転する。組み付け後の状態で、円筒部55aおよび第6カム部55cは、第2昇降部材56から更にプリンター後方Y2側(ワイパークリーナー部50A側)に突出している。第6カム部55cは、上述したように、隣り合うワイパークリーナー部50Aの第1間欠ギヤ51Aに設けられた第4カム部52dに配置される。
図10に示すように、第2間欠ギヤ51Bのプリンター前方Y1側の面には、第7カム部55dが形成されている。第7カム部55dは、第2間欠ギヤ51Bの回転軸線(すなわち、支軸62の中心軸線L1)を中心とする円形凹部において、その内周面の周方向の一部を内周側に突出させた形状である。この第7カム部55dは、上述したように、ワイパーユニット50の配列のプリンター前方Y1側の端部に位置する場合、第4間欠ギヤ66Bとの間で回転を伝達するカム機構を構成する。また、隣り合うワイパーユニット50の第1間欠ギヤ51Aとの間で回転を伝達するカム機構を構成する。
ワイパー部50Bは、第2間欠ギヤ51Bが第2駆動ギヤ64Bと噛み合っている状態において、駆動軸61が第1回転方向CCWに回転すると、第2間欠ギヤ51Bと一体に形成された第2回転カム55が第2回転方向CWに回転する。このとき、第2回転カム55の第5カム部55bは、貫通部56a内をプリンター幅方向Xに移動しながら、第2昇降部材56を一度昇降させる。このとき、ワイパー57は、上述した退避位置57Aからワイピング位置57Bに上昇した後、退避位置57Aに戻る。これが、ワイパー57のワイピング動作である。また、ワイパー部50Bは、駆動軸61が第2回転方向CWに回転するとき、第2回転カム55が第2昇降部材56を一度昇降させる。つまり、ワイパー部50Bは、駆動軸61が第1回転方向CCWと第2回転方向CWのどちらの方向に回転するときも、ワイパー57が同じワイピング動作を行う。
ワイパーユニット50を収容する内ケース41には、そのケース側面の内側に、第2昇降部材56のプリンター幅方向Xの側端縁を挿入するガイド溝が形成されている。第2昇降部材56は、このガイド溝に案内されて昇降する。図9に示すように、第2昇降部材56には、第2コイルバネ58B(第2付勢部材)の一端が係合されている。第2コイルバネ58Bの他端は、内ケース41のケース側面の下端に係合されている。第2昇降部材56は、第2コイルバネ58Bによってプリンター下方Z2に付勢されている。
第2回転カム55は、第5カム部55bが貫通部56aのプリンター幅方向Xの一端側に位置しているときの回転位置A2(図11参照)と、第5カム部55bが貫通部56aの他端側に位置しているときの回転位置B2(図11参照)の間で回転する。このとき、第2回転カム55と一体になっている第2間欠ギヤ51Bも同位相で回転する。第2間欠ギヤ51Bは、回転位置A2から回転位置B2まで回転する間に第1駆動ギヤ64Aと噛み合う範囲に歯部が形成され、他の部分は欠歯部となっている。ここで、第2昇降部材56を介して第2コイルバネ58Bの付勢力が第5カム部55bに作用すると、この付勢力は、第2間欠ギヤ51Bを、第2駆動ギヤ64Bとの噛み合いが外れる側(すなわち、空転位置側)に回転させるように作用する。具体的には、回転位置A2では回転位置B2と逆の側に回転させる方向に作用し、回転位置B2では回転位置A2と逆の側に回転させる方向に作用する。このように、第2間欠ギヤ51Bを空転位置側に逃がすように付勢することで、振動などによって第2間欠ギヤ51Bの回転位置がずれて、不用意に第2間欠ギヤ51Bと第2駆動ギヤ64Bが噛み合って動き出してしまうことを回避できる。
(往路のシーケンス動作)
図12はワイパーユニット50の動作説明図である。図12(a)はワイパークリーナーレバー53が閉位置53Aにあり、ワイパー57が退避位置57Aにある状態である。また、図12(b)はワイパークリーナーレバー53が開位置53Bから閉位置53A移動する途中の位置にあり、ワイパー57が退避位置57Aからワイピング位置57Bに上昇する途中の状態である。また、図12(c)はワイパークリーナーレバー53が閉位置53Aにあり、ワイパー57がワイピング位置57Bにある状態である。
ワイパーユニット50は、往路のシーケンス動作では、ワイパークリーナーレバー53の開動作(閉位置53Aから開位置53Bへの片道移動)と、ワイパー57の昇降動作(退避位置57Aからワイピング位置57Bに移動し、再び退避位置57Aに戻る1往復の動作)の2つの動作を1セットとして、この往路動作を、4組のワイパーユニット50でそれぞれ1回ずつ順次行う。往路動作では、図12(a)、図12(b)、図12(c)の順でワイパーユニット50が動作し、最後にワイパー57が退避位置57Aに下降するまでの動作が行われる。往路のシーケンス動作は、4組のワイパーユニット50において、ワイパークリーナーレバー53が全て閉位置53Aにある状態(初期状態)から開始される。往路のシーケンス動作が終了すると、4組のワイパーユニット50は、ワイパークリーナーレバー53が全て開位置53Bにある状態(途中状態)となる。
ワイパーユニット50の往路動作は、上述したように、ワイパークリーナー部50Aの第1間欠ギヤ51Aが、隣接する間欠ギヤ(第3間欠ギヤ66A、あるいは、隣接するワイパー部50Bの第2間欠ギヤ51B)の回転に基づいて回転開始させられることによって始まる。以下の説明において、4つのワイパーユニット50のうち、プリンター後方Y2側の端部に位置するワイパーユニット50を1つ目のワイパーユニット50Bkとする。そして、プリンター後方Y2側からプリンター前方Y1側に向けて順に、2つ目のワイパーユニット50C、3つ目のワイパーユニット50M、4つ目のワイパーユニット50Yとする(図4、図5、図7参照)。
往路動作の開始時には、ワイパーユニット50は、図12(a)に示す状態である。まず、ワイパーユニット50の配列のうち、1つ目のワイパーユニット50Bkの第1間欠ギヤ51Aが第1駆動ギヤ64Aと噛み合って空転状態から脱すると、第1回転カム52が回転して、ワイパークリーナーレバー53の開動作が始まる。第1間欠ギヤ51Aは、ワイパークリーナーレバー53の開動作が行われている途中の回転位置で、隣りのワイパー部50Bの第2間欠ギヤ51Bを、カム機構(第4カム部52dおよび第6カム部55c)を介して回転開始させる。これにより、ワイパークリーナーレバー53の動作から少し遅れてワイパー57の上昇が始まる(図12(b)参照)。第1間欠ギヤ51Aは、第2間欠ギヤ51Bが回転を始めてから、さらに所定角度(例えば、30度)回転した後に、第1駆動ギヤ64Aとの噛み合いが外れて空転状態とに戻る。これにより、ワイパークリーナーレバー53は開位置53Bで停止する。一方、空転状態から脱した第2間欠ギヤは回転を続け、ワイパー57がワイピング位置57Bまで上昇し(図12(c)参照)、しかる後に下降する。ここまでが、1つ目のワイパーユニット50(1)の往路動作である。
続いて、2つ目のワイパーユニット50Cの往路動作が行われる。1つ目のワイパーユニット50Bkの第2間欠ギヤ51Bは、ワイパー57の昇降動作が終了する前の回転位置で、2つ目のワイパーユニット50Cのワイパークリーナー部50Aに設けられた第1間欠ギヤ51Aを、カム機構(第7カム部55dおよび第3カム部52c)を介して回転開始させる。その結果、第1間欠ギヤ51Aは、第1駆動ギヤ64Aと噛み合って空転状態から脱する。これにより、2つ目のワイパーユニット50Cの往路動作が開始する。以下同様にして、2つ目のワイパーユニット50Cの往路動作の終了時に、3つ目のワイパーユニット50Mの往路動作が開始され、続いて、4つ目のワイパーユニット50Yの往路動作が行われる。
ワイパーユニット50の往路のシーケンス動作は、このように、4組の第1間欠ギヤ51Aおよび第2間欠ギヤ51Bが、プリンター後方Y2側の端部に配置された1つ目の第1間欠ギヤ51Aから順に、予め決められた位相差で、順次空転状態から脱して駆動軸61の回転に基づいて回転させられ、順次空転状態に戻ることによって行われる。
(復路のシーケンス動作)
一方、ワイパーユニット50は、復路のシーケンス動作では、ワイパー57の昇降動作(退避位置57Aからワイピング位置57Bに移動し、再び退避位置57Aに戻る1往復の動作)と、ワイパークリーナーレバー53の閉動作(開位置53Bから閉位置53Aへの片道移動)の2つの動作を1セットとして、この復路動作を、4組のワイパーユニット50でそれぞれ1回ずつ順次行う。復路動作は、ワイパークリーナーレバー53が開位置53Bにあり、ワイパー57が退避位置57Aに下降している状態から始まる。復路動作は、往路動作とは逆に、図12(c)、図12(b)、図12(a)の順でワイパーユニット50が動作する。復路のシーケンス動作は、4組のワイパーユニット50において、ワイパークリーナーレバー53が全て開位置53Bにある状態(途中状態)から開始される。復路のシーケンス動作が終了すると、4組のワイパーユニット50は、ワイパークリーナーレバー53が全て閉位置53Aにある状態(初期状態)に復帰する。
ワイパーユニット50の復路動作は、上述したように、ワイパー部50Bの第2間欠ギヤ51Bが、隣接する間欠ギヤ(第4間欠ギヤ66B、あるいは、隣接するワイパークリーナー部50Aの第1間欠ギヤ51A)の回転に基づいて回転開始させられることによって始まる。
まず、ワイパーユニット50の配列のうち、4つ目のワイパーユニット50Yの第2間欠ギヤ51Bが第2駆動ギヤ64Bと噛み合って空転状態から脱すると、駆動軸61の回転に基づき、第2間欠ギヤ51Bと第2回転カム55が回転して、ワイパー57の昇降動作が行われる(図12(a)参照)。第2間欠ギヤ51Bは、ワイパー57の昇降動作が終了する前の回転位置で、隣り合うワイパークリーナー部50Aの第1間欠ギヤ51Aを、カム機構(第4カム部52dおよび第6カム部55c)を介して回転開始させる。これにより、第1回転カム52が回転して、ワイパークリーナーレバー53の閉動作が行われる(図12(b)参照)。第2間欠ギヤ51Bは、第1間欠ギヤ51Aが回転を始めてから、さらに所定角度(例えば、30度)回転した後に、第2駆動ギヤ64Bとの噛み合いが外れて空転状態とに戻り、ワイパー部50Bの昇降動作が終了する。一方、空転状態から脱した第1間欠ギヤは、ワイパークリーナーレバー53が閉位置53Aに戻るまで回転し(図12(a)参照)、空転状態に戻る。ここまでが、4つ目のワイパーユニット50の復路動作である。
続いて、3つ目のワイパーユニット50Mの復路動作が行われる。4つ目のワイパーユニット50Yの第1間欠ギヤ51Aは、ワイパークリーナーレバー53の閉動作が終了する前の回転位置で、3つ目のワイパーユニット50Mのワイパー部50Bに設けられた第2間欠ギヤ51Bを、カム機構(第7カム部55dおよび第3カム部52c)を介して回転開始させる。その結果、第2間欠ギヤ51Bは、第2駆動ギヤ64Bと噛み合って空転状態から脱する。これにより、3つ目のワイパーユニット50Mの復路動作が開始する。以下同様にして、3つ目のワイパーユニット50Mの往路動作の終了時に、2つ目のワイパーユニット50Cの復路動作が開始され、続いて、1つ目のワイパーユニット50Bkの復路動作が行われる。
ワイパーユニット50の復路のシーケンス動作は、このように、4組の第1間欠ギヤ51Aおよび第2間欠ギヤ51Bが、往路とは逆順に、予め決められた位相差で、順次空転状態から脱して駆動軸61の回転に基づいて回転させられ、順次空転状態に戻ることによって行われる。
以上の説明は、4つのワイパーユニット50を全て動かすシーケンス動作の例であったが、4つのうちの一部だけを動かすシーケンス動作を行ってもよい。例えば、1つ目から3つ目のうちのどれかの往路動作まで行った段階で駆動軸61の回転方向を切り換えて、復路動作を行うこともできる。このようにすると、不必要なワイパーユニット50を動かすことなく、目標の位置にあるワイパー57でワイピングを行うことができる。
(ワイピング動作)
図9〜図11に示すように、ワイパークリーナーレバー53には、クリーニング板59におけるプリンター幅方向の一方側X1(吸引装置20と逆の側)の縁に、拭き取り部59aが形成されている。拭き取り部59aは、ワイパークリーナーレバー53が開位置53Bから閉位置53Aに戻るときに移動方向の前方側に位置し、ワイパー57のインクや異物が付着した面に摺接する部位である。ワイパー装置30では、ワイパークリーナーレバー53が開位置53Bから閉位置53Aに戻る前に、ワイパー57の昇降動作(ワイピング動作)が行われる。プリンター1の制御部は、この昇降動作によってワイパー57がワイピング位置57Bに上昇しているとき、吸引装置20の上のメンテナンス位置7Bから、プラテンユニット8の上の印刷位置7Aにインクジェットヘッド7を移動させるように、ワイパー装置30およびヘッド移動機構12を制御する。これにより、ワイピング位置57Bに上昇したワイパー57によって、ノズル面7aがワイピングされ、インクや異物が除去される。
プリンター1の制御部は、例えば、インクジェットヘッド7のプリンター後方Y2側の端部に位置するヘッドユニット7Bkのノズル面をワイピングするときは、1つ目のワイパーユニット50Bkの往路動作を行い、その途中でワイパー57がワイピング位置57Bに上昇しているとき、メンテナンス位置7Bから印刷位置7Aにインクジェットヘッド7を移動させる。また、ヘッドユニット7Cのノズル面をワイピングするときは、2つ目のワイパーユニット50Cの往路動作の途中でワイパー57がワイピング位置57Bに上昇しているとき、メンテナンス位置7Bから印刷位置7Aにインクジェットヘッド7を移動させる。同様に、ヘッドユニット7M、7Yのノズル面をワイピングするときは、3つ目、4つ目のワイパーユニット50M、50Yの往路動作の途中でワイパー57がワイピング位置57Bに上昇しているとき、メンテナンス位置7Bから印刷位置7Aにインクジェットヘッド7を移動させる。
上述したように、往路のシーケンス動作は、ワイパーユニット50を搭載した可動ユニット40が前方位置40Bにある状態で行なわれる。従って、往路動作の途中でインクジェットヘッド7を移動させると、各ヘッドユニットの単位ヘッド71、73がワイピングされることになる。一方、復路動作は、可動ユニット40が後方位置40Aにある状態で行なわれるので、復路動作の途中でインクジェットヘッド7を移動させると、各ヘッドユニットの単位ヘッド72、74がワイピングされる。このように、往路と復路のシーケンス動作の途中で適宜インクジェットヘッド7を移動させることで、各ヘッドユニット毎に2列ずつ設けられている単位ヘッド列毎に、選択的にワイピングを行うことができる。
(ワイパー形状)
ワイパー57は、ゴム等の弾性材からなり、プリンター幅方向Xの一方側X1(吸引装置20側)に凸となる形状である。また、拭き取り部59aには、ワイパー57の凸形状に対応する形状の凹部59bが形成されている。ここで、上述したように、ワイパー57がノズル面7aを拭き取るとき、ノズル面7aは、メンテナンス位置7Bから印刷位置7Aに向かう方向に移動するので、ワイパー57は凸形状となった面を先頭にしてノズル面7aに摺接する。すなわち、ワイパー57は、ノズル面7aに対する摺接方向の前方側に向かって凸となる形状をしている。このように、凸形状になっている面を先頭にしてワイピングすることで、ワイピング中のワイパー57の変形を抑制できる。よって、ノズル面7aからのインクや異物の除去性能が高まる。また、拭き取り部59aは、ワイパークリーナーレバー53の閉動作が行われるとき、ノズル面7aと同じ方向に移動して、ワイパー57の凸形状側の面に摺接し、インクや異物をワイパー57から拭き取る。このような形状では、拭き取り部59aをワイパー57に摺接させてクリーニングする際にワイパー57が凹むことが抑制される。更に、拭き取り部59aの形状は、ワイパー57の凸形状に合わせて凹形状になっている。従って、拭き取り部59aをワイパー57の表面に密着させて拭き取ることができる。よって、ワイパー57からのインクや異物の除去性能が高められている。
(拭き取ったインクの処理)
内ケース41において、開口45の内側には、閉位置53Aに戻ったクリーニング板59の拭き取り部59aとプリンター上下方向Zに重なる部位に、拭き取り部59aが摺接される摺接部45a(図4〜図6参照)が形成されている。摺接部45aは、ワイパー57に対して、拭き取り部59aがクリーニング時に移動する方向の前方側(プリンター幅方向Xの他方側X2)に位置している。ワイパー57からクリーニング板59の拭き取り部59aに移ったインクや異物は、ワイパークリーナーレバー53の閉動作の際に、最後に拭き取り部59aが摺接部45aに摺接することによって、クリーニング板59から除去される。除去されたインクや異物は、摺接部45aから内ケース41内の機構の上に滴下するか、あるいは、内ケース41のケース側面等を伝って流れ落ちる。流れ落ちたインクや異物は、外ケース31のケース底部に配置されたインク吸収材80(図6(a)参照)に浸透して保持される。
ここで、内ケース41のケース側面41bには、摺接部45aの近傍に貫通部41cが形成されている。この貫通部41cを通り、摺接部45aからケース側面41bの外側を通ってケース底部に至る範囲に、多孔質のシート材81(流路部材)が配置されている。シート材81は、内ケース41を外ケース31の下ケース32内に収容したとき下ケース32と内ケース41との隙間に配置される。シート材81の下端は、インク吸収材80に届く位置まで延びている。このシート材81によって、摺接部45aから外ケース31のケース底部に至るインク流路が構成されている。このようなインク流路を設けることで、ワイパー57で除去したインクをシート材81に浸透させてケース底部のインク吸収材80に到達させることができる。従って、インクが機構部の上に直接滴下することを抑制しつつ、除去したインクを効率的にインク吸収材に集めることができる。
(本形態の主な効果)
以上のように、本形態のプリンター1およびそのワイパー装置30は、スパイラルカムを用いた第1移動機構49Aおよび第2移動機構49Bを、ワイパーユニット50の配列の両側に配置して、複数のワイパーユニット50(50Bk、50C、50M、50Y)を搭載した可動ユニット40を全体として往復移動させる。このとき、4つのワイパー57(57Bk、57C、57M、57Y)は、ヘッドユニット7Bk、7C、7M、7Yに搭載された単位ヘッド71〜74によって構成されるヘッド列が延びる方向と交差する方向に移動し、各ワイパー57(57Bk、57C、57M、57Y)が単位ヘッド71、73の列をワイピング可能な位置(第1位置)と、各ワイパー57(57Bk、57C、57M、57Y)が単位ヘッド72、74の列をワイピング可能な位置(第2位置)に移動する。これにより、1つのワイパーユニット50(50Bk、50C、50M、50Y)によって、隣り合う2つの単位ヘッド列を選択的にワイピングすることが可能になる。従って、ノズル面7aをワイパー数よりも多い数の領域に分けて選択的にワイピングすることができ、ワイパー数(4個)よりも多い単位ヘッド(16個)を搭載したヘッドユニットにおいて、各単位ヘッドを選択的にワイピングできる。よって、インクノズルを高密度に配置した大型のインクジェットヘッド7を選択的にワイピング可能な、小型のワイパー装置30を実現できる。
また、本形態では、ワイパーモーター46と、インクジェットヘッド7のノズル面7aに摺接可能なワイパー57、および当該ワイパー57に摺接可能なワイパークリーナーレバー53を備える複数のワイパーユニット50(50Bk、50C、50M、50Y)と、を有し、当該複数のワイパーユニット50は、ワイパー駆動機構30Aによって、ワイパーモーター46の一方向への回転に基づいて予め定められた順序でワイピング動作およびクリーニング動作を行う。具体的には、ワイパーモーター46によって駆動軸61が第1回転方向CCWへ回転することで、4つのワイパーユニット50(50Bk、50C、50M、50Y)をプリンター後方Y2側からプリンター前方Y1側へ向かう方向に順次駆動する往路のシーケンス動作を行う。また、ワイパーモーター46によって駆動軸61が第2回転方向CWへ回転することで、4つのワイパーユニット50(50Bk、50C、50M、50Y)をプリンター前方Y1側からプリンター後方Y2側へ向かう方向に順次駆動する復路のシーケンス動作を行う。
このような構成によれば、ノズル面7aの一部の領域に対応する位置のワイパーユニット50が駆動されているタイミングで、ワイパー装置30の上を通過するようにインクジェットヘッド7を移動させることで、ノズル面7aの一部を選択的にワイピングすることができる。従って、選択的にワイピングを行うことができる構成でありながら、複数の駆動源を設ける必要がない。また、ワイパーユニットの数が増加しても1つのワイパーモーター46で駆動でき、アクチュエーターの数を増やす必要がない。更に、複数のワイパーユニット50(50Bk、50C、50M、50Y)を決まった順序で駆動させればよく、動作パターンが単純である。従って、構成を簡素化でき、高速化にも適している。よって、ワイパー装置30の小型化および簡素化、高速化に有利である。また、ラインヘッドなどの大型のインクジェットヘッド7のノズル面7aを選択的にワイピングするのに適している。
また、本形態では、駆動ギヤと間欠ギヤ、および回転カムを組み合わせたギヤユニット30Bによって、駆動軸61の一方向への回転に基づき、ワイパー57によるワイピング動作とワイパークリーナーレバー53の開動作あるいは閉動作を連動させて行う。ワイパークリーナーレバー53は、開動作あるいは閉動作の際にワイパー57に接触してワイパー57に付着したインクや異物を除去することができ、ワイパー57をクリーニングすることができる。従って、ワイピング動作とクリーニング動作の一連の動作を1つの駆動源で行うことができるので、小型化および構成の簡素化に有利である。また、本形態では、駆動軸61および支軸62に沿って複数のギヤユニット30Bを配列したコンパクトな構成で、1つのワイパーモーター46による複数のワイパーユニット50(50Bk、50C、50M、50Y)のシーケンス動作を実現できる。また、この構成では、シーケンス動作を高速で行うことが可能である。すなわち、1つのアクチュエーターによって複数のワイパーユニット50(50Bk、50C、50M、50Y)を選択的に動かす構成でありながら、高速化を実現できる。
更に、本形態では、第1コイルバネ58Aおよび第2コイルバネ58B駆動ギヤによって、第1間欠ギヤ51A、第2間欠ギヤ51Bを空転位置側に付勢するように構成している。従って、第1間欠ギヤ51A、第2間欠ギヤ51Bが不安定な状態になることを防止できる。よって、振動などによって不用意に第1間欠ギヤ51Aと第1駆動ギヤ64A、第2間欠ギヤ51Bと第2駆動ギヤ64Bが噛み合ってしまうことを防止できる。よって、不用意にワイパーユニット50が動いてしまうことを防止できる。
なお、本形態は、ワイパークリーナー部50Aとワイパー部50Bを備えるワイパーユニット50を配列した形態であったが、本発明は、ワイパークリーナー部50Aを省略した形態に適用することも可能である。
(改変例)
上記形態のワイパーユニット50(50Bk、50C、50M、50Y)では、ワイパークリーナーレバー53が開動作と閉動作で同じ経路を通って移動する。この場合、ワイパークリーナーレバー53は、閉動作のときたけでなく、開動作のときもクリーニング板59の裏面にワイパー57の先端が摺接する。このとき、ワイパー57は、クリーニング板59の進行方向に撓み、クリーニング板59がワイパー57から離れるときに弾性によって復帰することになる。このように、開動作のときにワイパー57がクリーニング板59によって弾かれる構成では、ワイパー57にインクや異物が付着していた場合、こられがワイパー57から飛び散ってしまう。従って、閉動作のときのクリーニング動作でインクや異物を除去しきれない場合、これらがワイパー57から飛び散り、装置内に付着するおそれがある。改変例は、ワイパークリーナーレバー53の開動作ではクリーニング板59を上昇させてワイパー57との接触を回避し、閉動作では上記形態と同じ経路を通ってクリーニングを行うように構成したものである。
図13は改変例のワイパークリーナー部の斜視図であり、図13(a)はプリンター後方Y2側から見た状態、図13(b)はプリンター前方Y1側から見た状態を示す。また、図14は改変例のワイパークリーナー部の側面図である。以下、上記形態と異なる部分のみ説明し、上記形態と同じ部分は説明を省略する。図13、図14に示すように、改変例のワイパークリーナー部150Aは、上記形態と異なるワイパークリーナーレバー153および第1昇降部材154(移動部材)を備える。
改変例の第1昇降部材154は、上記形態と同様に、第1回転カム52に設けられた第2カム部52bの回転によって昇降する。改変例では、ワイパー部50Bの構成は上記形態と同じであり、第1昇降部材154の昇降方向は、ワイパー部50Bのワイパー57の昇降方向と同一である。第1昇降部材154の上端には、プリンター上方Z1に突出する突出部154aが形成されている。突出部154aは、図14に示すように、ワイパークリーナーレバー153の閉位置153Aとプリンター上下方向Zに重なっている。一方、改変例のワイパークリーナーレバー153には、クリーニング板159と、クリーニング板159のプリンター下方Z2側に配置された被押圧部160が設けられている。被押圧部160は、突出部154aに対してプリンター上方Z1側に配置されている。
改変例のワイパークリーナーレバー153は、上記形態と同様に、第1回転カム52に設けられた第1カム部52aの回転によって、閉位置153Aと開位置153Bとの間を移動する。改変例では、ワイパークリーナーレバー153の開動作のとき、被押圧部160が突出部154aの上を通過するタイミングで、第2カム部52bの回転によって第1昇降部材154が上昇する。このため、開動作のときには、突出部154aが被押圧部160を介してワイパークリーナーレバー153をプリンター上方Z1側に押し上げる。従って、クリーニング板159は、プリンター上方Z1側(矢印C方向)に上昇する経路を通って開位置153B側に移動する。よって、クリーニング板159がワイパー57に接触することなく、その上方を通って開位置153B側(図14の矢印D方向)に移動する。なお、ワイパークリーナーレバー153は、その下端が駆動軸61を跨ぐ分岐形状になっているため、ワイパークリーナーレバー153は全体としてプリンター上下方向Zに移動可能である。
ワイパークリーナーレバー153の被押圧部160が第1昇降部材154の突出部154aを乗り越えると、ワイパークリーナーレバー153は下降する。ワイパークリーナーレバー153が下降するタイミングでは、クリーニング板159がワイパー57の上方を通過している。つまり、ワイパークリーナーレバー153は、閉位置153Aから開位置159Bに移動する開動作のとき、第2カム部52bによって昇降させられる第1昇降部材154を介して、ワイパー57に接触しない経路を通って移動させられる。従って、開動作のときにワイパー57がクリーニング板159によって弾かれてインクや異物が飛び散ることがない。
被押圧部160は、クリーニング板159の開位置153B側の端部の下側に配置されている。このため、ワイパークリーナーレバー153が開位置159Bから閉位置153Aに戻る閉動作のときは、突出部154aが上昇するタイミングと、被押圧部160が突出部154aの上を通過するタイミングがずれている。このため、閉動作のときには、ワイパークリーナーレバー153は突出部154aによって押し上げられることなく、上記形態と同じ経路を通って移動する。従って、閉動作のときにはワイパー57にクリーニング板159の拭き取り部159aが摺接し、ワイパー57からインクや異物を拭き取ることができる。
このように、改変例では、ワイパークリーナーレバー153は、第1回転カム52によって揺動させられて開動作と閉動作を行うが、このとき、開動作ではワイパー57に接触しない経路を通り、閉動作ではワイパー57に接触する経路を通ってクリーニング動作を行う。従って、ワイパークリーナーレバー153を開動作の際にワイパー57に接触させないようにすることができ、ワイピング前にワイパー57が弾かれてインクや異物が飛び散るという不都合を防止できる。また、第1昇降部材154は、第1間欠ギヤ51Aを空転位置側に付勢する部材として兼用されている。従って、部材点数の削減および小型化に有利である。
なお、上記形態では、クリーニング板59のプリンター前後方向Yの縁に、開口45の縁と重なる延出部が設けられ、この延出部が開口45の縁のプリンター下方Z2側に挿入されてスライドするように構成されていたが、本形態のクリーニング板159は、開動作において第1昇降部材154の突出部154aによって押し上げられるとき、開口45の縁よりもプリンター下方Z2側に挿入されることがない形状になっている。従って、開口45の縁によってクリーニング板159がプリンター上方Z1側に上昇することを妨げられることがない。
1…プリンター、2…プリンター筐体、2a…前面、3…操作パネル、4…排紙口、5A…開閉蓋、5B…開閉蓋、6…ロール紙収納部、7…インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)、7A…印刷位置、7B…メンテナンス位置、7a…ノズル面、7Bk…ヘッドユニット、7C…ヘッドユニット、7M…ヘッドユニット、7Y…ヘッドユニット、8…プラテンユニット、8a…プラテン面、9…ロール紙、10…媒体搬送路、11…キャリッジ、11A…プラテン対向位置、11B…待機位置、14…キャリッジガイド軸、15…キャリッジ移動機構、15a…キャリッジモーター、16…メンテナンスユニット、17…ベースフレーム、20…吸引装置、21…ヘッドキャップ、21Bk、21C、21M、21Y…キャップユニット、22〜25…単位キャップ、26…吸引ポンプ、30…ワイパー装置、30A…ワイパー駆動機構、30B…ギヤユニット、30B(1)…第1のギヤユニット、30B(2)…第2のギヤユニット、31…外ケース(第2ケース)、32…下ケース、33…蓋ケース、34…開口、35…窓部、36A…第1カムピン、36B…第2カムピン、40…可動ユニット、40A…後方位置(第1の位置)、40B…前方位置(第2の位置)、41…内ケース(第1ケース)、41a…モーター装着部、41b…ケース側面、41c…貫通部、42…内部機構、43…突出部、44…湾曲面、45…開口、45a…摺接部、46…ワイパーモーター(モーター)、47A…第1スパイラルカム、47B…第2スパイラルカム、48A…第1螺旋状凹部、48B…第2螺旋状凹部、49A…第1移動機構、49B…第2移動機構、50、50Bk、50C、50M、50Y…ワイパーユニット、50A…ワイパークリーナー部、50B…ワイパー部、51A…第1間欠ギヤ、51B…第2間欠ギヤ、52…第1回転カム、52a…第1カム部、52b…第2カム部、52c…第3カム部、52d…第4カム部、53…ワイパークリーナーレバー(ワイパークリーナー)、53A…閉位置、53B…開位置、53a…溝部、53b…貫通部、54…第1昇降部材、54a…貫通部、55…第2回転カム、55a…円筒部、55b…第5カム部、55c…第6カム部、55d…第7カム部、56…第2昇降部材、56a…貫通部、57、57Bk、57C、57M、57Y…ワイパー、57B…ワイピング位置、57A…退避位置、58A…第1コイルバネ(第1付勢部材)、58B…第2コイルバネ(第2付勢部材)、59…クリーニング板、59a…拭き取り部、59b…凹部、60…駆動力伝達機構、61…駆動軸、62…支軸、63…減速機構、63a…第1歯車、63b…第2歯車、63c…第3歯車、64A…第1駆動ギヤ、64B…第2駆動ギヤ、65A…第3駆動ギヤ、65B…第4駆動ギヤ、66A…第3間欠ギヤ、66B…第4間欠ギヤ、67A…突出部、71〜74、71Bk〜74Bk、71C〜74C、71M〜74M、71Y〜74Y…単位ヘッド(ヘッド)、80…インク吸収材、81…シート材(流路部材)、150A…ワイパークリーナー部、153…ワイパークリーナーレバー(ワイパークリーナー)、153A…閉位置、153B…開位置、154…第1昇降部材(移動部材)、154a…突出部、159…クリーニング板、159a…拭き取り部、160…被押圧部、A1…回転位置、A2…回転位置、B1…回転位置、B2…回転位置、CCW…第1回転方向、CW…第2回転方向、d1…移動距離、d2…配列間隔、L、L1…中心軸線、P…記録紙、X…プリンター幅方向、X1…一方側、X2…他方側、Y…プリンター前後方向(駆動軸の軸線方向)、Y1…プリンター前方、Y2…プリンター後方、Z…プリンター上下方向、Z1…プリンター上方、Z2…プリンター下方

Claims (13)

  1. 液体を吐出する複数のヘッドを複数列に配列したヘッドユニットの前記ヘッドの列数よりも少ない数の複数のワイパーと、
    モーターと、
    前記モーターの回転に基づき、前記ワイパーを前記ヘッドのノズル面に摺接させて前記ヘッドの列をワイピングするワイパー駆動機構と、
    複数の前記ヘッドの列のうちの第1の列をワイピング可能な第1位置、および、前記第1の列と異なる第2の列をワイピング可能な第2位置に前記ワイパーを移動させるワイパー移動機構と、を有し、
    前記ワイパー駆動機構は、
    前記モーターの回転に基づいて回転する駆動軸と、
    前記駆動軸の軸線方向に配列された複数のギヤユニットと、を有し、
    前記ギヤユニットは、前記駆動軸の回転に基づいて回転する駆動ギヤ、および当該駆動ギヤと噛み合う間欠ギヤを有し、
    前記複数のワイパーのそれぞれは、前記間欠ギヤの回転に基づいて前記ヘッドの列をワイピングし、
    前記複数のギヤユニットは、前記駆動軸の一方向への回転に基づき、その配列方向に沿って、前記間欠ギヤと前記駆動ギヤが順次噛み合うように連結されていることを特徴とするワイパー装置。
  2. 前記ワイパーは、前記ヘッドユニットに対して前記ヘッドの列が延びる方向に相対移動して、前記ヘッドの列をワイピングすることを特徴とする請求項1に記載のワイパー装置。
  3. 記ワイパー移動機構は、
    前記ヘッドユニットに設けられた複数の前記ヘッドの列のうち、隣り合う2列のヘッドのうちの一方の列をワイピング可能な前記第1位置、および、他方の列をワイピング可能な前記第2位置に、前記複数のワイパーのそれぞれを移動させることを特徴とする請求項1または2に記載のワイパー装置。
  4. 前記ワイパー駆動機構は
    該駆動軸の一方向への回転に基づいて、当該駆動軸の軸線方向に沿って一列に配置されている前記複数のワイパーを、予め定められた順序で前記ヘッドのノズル面に摺接させて、複数の前記ヘッドの列をワイピングすることを特徴とする請求項3に記載のワイパー装置。
  5. 前記ワイパーは、前記間欠ギヤと一体に回転する回転カムの回転に基づき、前記ヘッドのノズル面に摺接しない退避位置から前記ヘッドのノズル面に摺接可能なワイピング位置に移動し、しかる後に前記退避位置に戻ることを特徴とする請求項に記載のワイパー装置。
  6. さらに、
    前記間欠ギヤを前記駆動ギヤと噛み合う回転範囲から外れる方向に付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項5に記載のワイパー装置。
  7. さらに、
    前記モーター、前記ワイパー駆動機構、および前記複数のワイパーを保持する第1ケースと、
    当該第1ケースを前記駆動軸の軸線方向に移動可能な状態で支持する第2ケースと、を有し、
    前記ワイパー移動機構は、
    前記駆動軸の第1回転方向への回転に基づき、前記第1ケースに前記モーター、前記駆動軸、前記複数のギヤユニット、および前記複数のワイパーが保持された可動ユニットを前記軸線方向の一方側へ移動させる第1移動機構と、
    前記第1回転方向と逆向きの第2回転方向への前記駆動軸の回転に基づき、前記可動ユニットを前記軸線方向の他方側へ移動させる第2移動機構と、を備えることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか項に記載のワイパー装置。
  8. 前記第1移動機構は、
    前記駆動軸の回転に基づいて回転する第1スパイラルカムと、
    前記第2ケースに設けられ、前記第1スパイラルカムの外周面に設けられた第1螺旋状凹部に配置される第1カムピンとを備え、
    前記第2移動機構は、
    前記駆動軸の回転に基づいて回転する第2スパイラルカムと、
    前記第2ケースに設けられ、前記第2スパイラルカムの外周面に設けられた第2螺旋状凹部に配置される第2カムピンとを備えることを特徴とする請求項に記載のワイパー装置。
  9. 前記複数のワイパーのそれぞれは、当該ワイパーに摺接可能なワイパークリーナーと共にワイパーユニットを構成しており、
    前記ギヤユニットは、前記駆動軸と一体に回転する第1駆動ギヤおよび第2駆動ギヤを備え、当該第1駆動ギヤおよび当該第2駆動ギヤは、前記駆動軸の軸線方向に交互に配列され、
    前記ギヤユニットは、前記第1駆動ギヤと噛み合う第1間欠ギヤ、および、前記第2駆動ギヤと噛み合う第2間欠ギヤを備え、
    前記第1間欠ギヤには、前記ワイパークリーナーを駆動する第1回転カムが一体に形成され、
    前記第2間欠ギヤには、前記ワイパーを駆動する第2回転カムが一体に形成されており、
    当該ワイパーユニットは、前記駆動軸の一方向への回転に基づき、前記ワイパーを前記ヘッドのノズル面に摺接させるワイピング動作と、前記ワイパークリーナーによる前記ワイパーのクリーニング動作と、を連動して行うことを特徴とする請求項4から請求項8のいずれか項に記載のワイパー装置。
  10. 前記駆動軸が第1回転方向に回転するとき、
    前記第1間欠ギヤが前記第1駆動ギヤと噛み合い、当該第1駆動ギヤとの噛み合いが外れる前の所定の回転範囲で、当該第1間欠ギヤの回転に基づいて前記第2間欠ギヤが回転して前記第2駆動ギヤと噛み合い、
    しかる後に、前記第2間欠ギヤと前記第2駆動ギヤとの噛み合いが外れる前の所定の回転範囲で、当該第2間欠ギヤの回転に基づき、隣り合う前記ギヤユニットに設けられた前記第1間欠ギヤが回転して、当該隣り合う前記ギヤユニットの前記第1駆動ギヤと噛み合い、
    前記駆動軸が前記第1回転方向と逆向きの第2回転方向に回転するとき、
    前記第2間欠ギヤが前記第2駆動ギヤと噛み合い、当該第2駆動ギヤとの噛み合いが外れる前の所定の回転範囲で、当該第2間欠ギヤの回転に基づいて前記第1間欠ギヤが回転させられて前記第1駆動ギヤと噛み合い、
    しかる後に、前記第1間欠ギヤと前記第1駆動ギヤとの噛み合いが外れる前の所定の回転範囲で、当該第1間欠ギヤの回転に基づき、隣り合う前記ギヤユニットに設けられた前記第2間欠ギヤが回転して、当該隣り合う前記ギヤユニットの前記第2駆動ギヤと噛み合うことを特徴とする請求項に記載のワイパー装置。
  11. 液体を吐出する複数のヘッドを複数列に配列して搭載したヘッドユニットと、
    請求項1から請求項10のいずれか項に記載のワイパー装置と、を有することを特徴とする液体吐出装置。
  12. 液体を吐出する複数のヘッドを複数列に配列して搭載したヘッドユニットと、
    請求項7または請求項8に記載のワイパー装置と、を有し、
    当該ワイパー装置に設けられた前記複数のワイパーのそれぞれは、
    前記可動ユニットが可動範囲の一端に位置するとき、隣り合う2列のヘッドのうちの一方の列をワイピング可能であり、
    前記可動ユニットが可動範囲の他端に位置するとき、他方の列をワイピング可能であることを特徴とする液体吐出装置。
  13. 液体を吐出する複数のヘッドを複数列に配列して搭載したヘッドユニットと、前記ヘッドの列数よりも少ない数のワイパーを備えるワイパー装置と、を有する液体吐出装置における前記ヘッドのノズル面のワイピング方法であって、
    前記ワイパーを、当該ワイパーに対応する複数の前記ヘッドの列のうちの第1の列に対向する第1位置に移動させて、前記第1の列のヘッドのノズル面を前記ワイパーでワイピングし、
    前記ワイパー装置は、複数の前記ワイパーと、モーターと、前記モーターの回転に基づいて前記複数のワイパーを駆動して前記ヘッドのノズル面をワイピングするワイパー駆動機構を備えており、
    前記液体吐出装置は、前記複数のワイパーに対向する位置を経由して前記ヘッドユニットを移動させるヘッド移動装置を有し、
    前記モーターの一方向への回転に基づいて前記ワイパー駆動機構を駆動して、前記複数のワイパーのワイピング動作を予め定められた順序で行うシーケンス動作を行い、
    当該シーケンス動作において、前記複数のワイパーのうちのいずれか1つがワイピング動作を行うタイミングで、前記複数のワイパーに対向する位置を前記ヘッドユニットが通過するように、ヘッド移動装置を駆動することを特徴とするワイピング方法。
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