JP2005007711A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、長期に渡って清掃能力を維持し得るワイピング手段を有する画像記録装置を提供し得る。
【解決手段】本発明の画像記録装置は、複数のノズルからなるノズル列を備えているノズル形成面11aを有する記録ヘッドと、ノズル形成面11aを拭き取るためのワイピング手段とを具備している。ワイピング手段は、ノズル形成面のうち、ノズル列が形成されている部分を含み、ノズル列と平行な方向に延びる第1領域を、ノズル列に沿って拭き取る第1ワイパーブレード41aと、ノズル形成面11a上の第1領域以外の少なくとも一部分と、前記第1領域の少なくとも一部分とを含む第2領域を、ノズル列に沿って拭き取る第2ワイパーブレード41bとを有している。第1ワイパーブレードは、第2ワイパーブレードが拭き取りを開始した後に、拭き取りを開始する。
【選択図】 図4
【解決手段】本発明の画像記録装置は、複数のノズルからなるノズル列を備えているノズル形成面11aを有する記録ヘッドと、ノズル形成面11aを拭き取るためのワイピング手段とを具備している。ワイピング手段は、ノズル形成面のうち、ノズル列が形成されている部分を含み、ノズル列と平行な方向に延びる第1領域を、ノズル列に沿って拭き取る第1ワイパーブレード41aと、ノズル形成面11a上の第1領域以外の少なくとも一部分と、前記第1領域の少なくとも一部分とを含む第2領域を、ノズル列に沿って拭き取る第2ワイパーブレード41bとを有している。第1ワイパーブレードは、第2ワイパーブレードが拭き取りを開始した後に、拭き取りを開始する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドのノズル形成面の清掃を行うワイピング手段を有する画像記録装置に関している。
【0002】
【従来の技術】
画像記録装置は、複数の吐出口を備えている記録ヘッドを有している。この画像記録装置は、インクの吐出口である複数のノズルを有しており、上記ノズルからインクを吐出することにより、記録媒体に画像を記録する。記録ヘッドにおいて、上記ノズルは、記録媒体と対面するノズル形成面上に設けられている。
【0003】
このような画像記録装置は、上記ノズルの周りに、高い粘度のインク滴や、気泡やゴミ等の異物が存在した場合、正常なインクの吐出を行えない虞を有している。このため、一般的な画像記録装置は、上記ノズルの回りのインクを拭き取るためのワイピング手段を有している。上記ワイピング手段は、インクを拭き取るためのワイパーブレードを有している。上記ワイパーブレードは、ノズル形成面上のインク並びに異物を除去するために、ノズル形成面上に沿って走査される。この走査に従って、ワイパーブレードの先端が、ノズル形成面上のインク並びに異物を拭き取る。
【0004】
このような従来のワイピング手段は、例えば、特許文献1中に示されている。特許文献1中のワイピング手段は、特許文献1中の段落番号[0023]並びに[0024]中に示されるように、ワイパー部材と、スクレーバーとを有している。前記ワイパー部材は、ノズルの回復動作を行うためのキャップに対して、内側に配置されている。このワイパー部材は、記録ヘッド(インクヘッド)において、ノズルが形成されているノズル面の拭き取りを行う。前記スクレーバーは、記録ヘッドの前記ノズル面以外の部分を拭き取る。このように、前記ワイピング手段は、前記ノズル面並びにノズル面以外の部分のインクを拭き取り、記録ヘッドの清掃を行い得る。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−207980号公報(第3−5頁、 図3並びに図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、記録ヘッド上のインク並びに異物は、上記清掃により取り除かれる。しかしながら、この清掃を行う度に、上述のようなワイピング手段の前記ワイパー部材並びにスクレーバーは、汚染され、清掃能力が減少してしまう。この清掃能力は、拭き取り時に接触するインクの量が多い場合、急速に減少してしまう虞が高い。
【0007】
上述の特許文献1中のワイピング手段は、上記ノズル面を拭き取るのに、前記ワイパー部材のみが用いられる。このため、前記ワイパー部材は、前記ノズル列並びにその近傍を含むノズル面の全体を拭き取る必要がある。従って、前記ワイパー部材は、前記ノズル面全体のインクにより汚染され、ノズル面の一部分を拭き取る場合に比べて、汚染の進行が早まり、長期に渡って清掃能力を保つことが困難である。なお、上記清掃において、インクの噴射に影響が出るノズル面上のインク並びに異物が取り去られることは、特に望まれている。しかしながら、汚染されて清掃能力が減少したワイパー部材により上記拭き取りを行った場合、上記記録ヘッドは、前記インク並びに異物により、正常なインクの噴射を行えない虞がある。
【0008】
上記課題を鑑みて、本発明の目的は、長期に渡って清掃能力を維持し得るワイピング手段を有する画像記録装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の画像記録装置は、以下の構成を有している。
【0010】
本発明の一態様の画像記録装置は、複数のノズルからなるノズル列を備えているノズル形成面を有し、当該複数のノズルからインクを吐出する記録ヘッドと;前記ノズル形成面を拭き取るためのワイピング手段とを具備している。前記ワイピング手段は、前記記録ヘッドのノズル形成面のうち、ノズル列が形成されている部分を含み、ノズル列と平行な方向に延びる第1領域を、ノズル列に沿って拭き取る第1ワイパーブレードと、前記ノズル形成面上の第1領域以外の少なくとも一部分と、前記第1領域の少なくとも一部分とを含む第2領域を、ノズル列に沿って拭き取る第2ワイパーブレードと、を有している。前記第1ワイパーブレードは、前記第2ワイパーブレードが拭き取りを開始した後に、拭き取りを開始する。
【0011】
上記構成に示すように、第2ワイパーブレードの拭き取る領域は、第1ワイパーブレードの拭き取る領域の一部分と重複している。これとともに、第1ワイパーブレードは、第2ワイパーブレードが拭き取りを開始した後に、拭き取りを開始する。従って、第1ワイパーブレードは、第2ワイパーブレードにより一部分が拭き取られた第1領域を拭き取る。従って、第1ワイパーブレードは、拭き取り時に接触するインク及び/又は異物に対する接触量が減少し、自身の汚染の進行を遅らせ得る。即ち、第1ワイパーブレードは、長期に渡って清掃能力を維持し得る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
まず、本発明の一実施の形態について図1乃至図6を用いて説明する。図1は、本実施の形態の画像記録装置を示す概略図である。
【0014】
本実施の形態の画像記録装置1は、複数の記録ヘッド11と、記録媒体搬送機構12と、キャリッジ13と、キャリッジ駆動部15と、メンテナンス機構20とを有している。
【0015】
複数の記録ヘッド11は、記録媒体Pに対してインクを吐出するためのインク吐出手段である。この記録ヘッド11は、図2中に示されるように、画像記録時に記録媒体Pと対面するノズル形成面11aを有しており、ノズル形成面11aには、インクの吐出口である複数のノズル11bを有している(図2参照)。ノズル11bは、記録ヘッド11の長手方向に沿って、列状に配列され、ノズル列を構成している。なお、本実施の形態において、ノズル列は、一列に配列されているが、複数列に配列されることも可能である。なお、ノズル列は、記録ヘッド11の長手方向と直交する方向(幅方向)において、実質的に中央に配置されている。
【0016】
記録媒体搬送機構12は、記録媒体を搬送するための搬送手段である。なお、本明細書中において、記録媒体搬送機構12が記録媒体Pを搬送する方向を、副走査方向とする。
【0017】
キャリッジ13は、複数の記録ヘッド11を保持する保持手段である。このキャリッジ13は、画像記録装置1のフレームである記録装置フレーム1aに固定された1対のガイドレール14により、前記副走査方向と直交する主走査方向に往復移動可能に支持されている。なお、図1中において、主走査方向に沿った軸線をX軸とし、副走査方向に沿った軸線をZ軸とし、これらに直交する軸線をY軸とする。なお、本実施の形態において、キャリッジ13は、各記録ヘッド11の長手方向中央軸心が、Z軸と実質的に一致するように、6つの記録ヘッド11を保持している。従って、各記録ヘッド11は、幅方向と、X軸とが実質的に平行になるように、キャリッジ13に保持されている。
【0018】
キャリッジ駆動部15は、図示しないモーターと接続されている駆動プーリー15aと、アイドルプーリー15bと、これらのプーリーに架け渡されたワイヤー15cとを有している。このキャリッジ駆動部15は、ワイヤー15cがキャリッジ13と接続されており、前記モーターの駆動に従って、キャリッジ13を主走査方向に沿って往復移動させ得る。より具体的には、キャリッジ駆動部15は、キャリッジ13を、主走査方向に沿って、記録媒体と対面する記録領域と、画像記録を行わないメンテナンス領域を含む記録領域以外の領域とに移動させる。
【0019】
次に、メンテナンス機構20について説明する。
メンテナンス機構20は、前記メンテナンス領域に配置されており、記録ヘッドのメンテナンスを行う手段である。メンテナンス機構20は、キャッピング手段21と、清掃手段22とを有している。
【0020】
まず、キャッピング手段21について説明する。
キャッピング手段21は、記録ヘッド11のノズル列を密閉し、ノズル11bの回復動作のために、吸引を行う吸引手段である。このキャッピング手段21は、図2並びに図3中に示されるようなキャップ30を複数有している。各キャップ30は、前記ノズル列を密閉するための密閉手段である。各キャップ30は、キャリッジ13がキャッピング手段21と対向する位置に配置された際に、対応する記録ヘッド11の夫々に対向するように、配置が設定されている。
【0021】
各キャップ30は、ゴム等の弾性体により形成されており、キャップ本体31と、リブ体32とを有している。キャップ本体31は、記録ヘッド11と対向する面が、ノズル形成面11aと実質的に同様若しくはそれ以上の大きさを有している。リブ体32は、記録ヘッド11と対向する面から突出しており、中空状に形成されている。リブ体32は、記録ヘッド11の長手方向に沿って延びるノズル列全体を内側に囲み得るように寸法が設定されている。言い換えると、リブ体32は、自身が画定する領域中にノズル列全体を収容し得るように、寸法が設定されている。本実施の形態において、リブ体32は、突出方向と直交する方向に切断した際の断面形状(輪切りにした際の断面形状)が、略長方形を画定するような輪形状であるが、ノズル列全体を覆い得るならば上記断面形状は任意である。
【0022】
各キャップ30は、記録ヘッド11と対向する面に、貫通孔33を有している。この貫通孔33は、リブ体32が画定する領域内で一端が開口しており、他端がリブ体32を貫通し、上記記録ヘッド11と対向する面に対して反対側の面で開口している。この貫通孔33の他端は、チューブ34を介して吸引ポンプ35に接続されている。
【0023】
また、各キャップ30は、図3中に示すように、キャップモーター37により回動するキャップ押圧カム36を有している。キャップ押圧カム36は、キャップモーター37により回動された際に、図3中に示されるように、キャップ30を、記録ヘッド11に密着させ得る。より具体的には、キャップ押圧カム36は、駆動した際に、リブ体32を、図2中で破線で示されるリブ体接触領域101に密着される。このようにして、キャップ30は、リブ体32によりノズル列全体を囲む。なお、キャップ30は、記録ヘッド11に密着された際に、吸引ポンプ35の吸引により、リブ体32、キャップ本体31、並びにノズル形成面11aにより囲まれた領域A2(図3参照)を、負圧にし、各ノズル11bのインクを吸引し得る。
【0024】
また、キャップ30は、図3中に示されるように、記録装置フレーム1aに固定された、例えばばね等の付勢部材38により、Y軸に沿って記録ヘッド11から離間する方向に付勢されている。このため、キャップ30は、キャップ押圧カム36により押圧が解除された際に、付勢部材38の付勢力により、ノズル形成面11aから離間され得る。
【0025】
続いて、清掃手段22について説明する。
清掃手段22は、図4乃至図6中に示されるような複数のワイピング機構40を有している。図5は、ワイピング機構40を示す正面図である。図5は、図4の切断線A−Aに沿った断面図である。図6は、図4の切断線B−Bに沿った断面図である。
【0026】
各ワイピング機構40は、対応する記録ヘッド11のノズル形成面11a上のインクを拭き取るためのワイピング手段である。各ワイピング機構40は、キャリッジ13が清掃手段22と対向する位置に配置された際に、対応する記録ヘッド11の夫々に対向するように、配置が設定されている。各ワイピング機構40は、第1並びに第2ワイパーブレード41a,b,ワイピング機構フレーム43と、第1並びに第2ブレード保持部42a,bと、ワイパー駆動部50と、ワイピング機構押圧カム60と、を有している。
【0027】
ワイピング機構フレーム43は、ワイピング機構40の外壁を構成している。このワイピング機構フレーム43は、記録装置フレーム1aに固定された2つのY軸ガイド棒43aにより、Y軸に沿って移動可能に支持されている。また、ワイピング機構フレーム43は、記録装置フレーム1aに固定された、例えばばね等の付勢部材43bにより、Y軸に沿って記録媒体Pから離間する方向に付勢されている。
【0028】
第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、ゴム等の弾性部材により形成されており、インク並びに異物を拭き取るための手段である。第1並びに第2ワイパーブレード41a,bの夫々は、板状に形成されており、図6中に示されるように、X軸並びにY軸を通る面に平行になるように、第1並びに第2ブレード保持部42a,bにより保持されている。より具体的には、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bの夫々は、幅方向とX軸とが実質的に平行にされ、Y軸に沿った一端が夫々第1並びに第2ブレード保持部42a,bに保持され、他端が自由端にされている。なお、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bの他端は、ノズル形成面11aと接触し、インク並びに異物を拭き取るための部分であり、本明細書中において、ブレード部と呼ぶ。
【0029】
第1ワイパーブレード41aは、略矩形形状を有しており、幅方向(X軸に沿った方向)において、ノズル列より大きく、リブ体32の幅より小さい寸法を有している。
【0030】
第2ワイパーブレード41bは、幅方向において、ノズル形成面11aと同一若しくはそれ以上の寸法を有している。第2ワイパーブレード41bは、Y軸に沿った方向の他端において幅方向の中央部に切り欠き部を有しており、略コの字形状を有している。言い換えると、第2ワイパーブレードは、切り欠き部により2又に分かれたブレード部を有している。なお、この切り欠き部は、幅方向において、第1ワイパーブレード41aの寸法より小さい寸法を有している。従って、第1並びに第2ワイパーブレード41a、41bは、幅方向において、互いの中央を位置合わせした際に、互いに重複する部分を有している。さらに詳しくは、上記位置合わせをした際に、第1並びに第2ワイパーブレード41a、41bのブレード部は、幅方向において少なくとも一部分が重複する。
【0031】
第1並びに第2ブレード保持部42a,bは、Z軸ガイド棒42cにより、Z軸に沿って移動可能に支持されている。なお、Z軸ガイド棒42cは、ワイピング機構フレーム43に固定され、Z軸に沿って延びている案内手段である。また、第1並びに第2ブレード保持部42a,bは夫々、ばねなどの付勢部材42d,eにより、Z軸に沿って、Z軸ガイド棒42cの一端(図4中において上側の端部)側に付勢されている。さらに、第1並びに第2ブレード保持部42a,bには、ラック42f,gが夫々固定されている。ラック42f,gは、Z軸に沿って延びており、後述するワイパー駆動部50のピニオンギヤと噛み合い、ワイパー駆動部50からの駆動力が提供される。
【0032】
続いて、ワイパー駆動部50について説明する。
ワイパー駆動部50は、第1並びに第2ブレード保持部42a,bを介して、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bを駆動させる駆動手段である。ワイパー駆動部50は、図4乃至図6中に示されるように、駆動部モーター51と、複数のギヤと、ギヤが固定された第1乃至第6軸52a,b,c,d,e,fと、ワイパー駆動部50の外壁を構成する駆動部フレーム53と、を有している。
【0033】
駆動部フレーム53は、ワイピング機構40のワイピング機構フレーム43に固定されている。また、駆動部フレーム53は、駆動部モーター51を支持するとともに、第1乃至第6軸52a,b,c,d,e,fを回転可能に支持している。
【0034】
駆動部モーター51は、駆動ギヤ54が取り付けられおり、この駆動ギヤ54を回転させる駆動力提供手段である。
【0035】
第1軸52aには、3つのギヤが固定されており、駆動部フレーム53により回転可能に支持されている。具体的には、図4中に示されるように、第1軸52aにおいて、中央部に第1軸中央ギヤ55c、一端部に第1軸一端ギヤ55a、他端部に第1軸他端ギヤ55bが固定されている。第1軸中央ギヤ55cは、駆動ギヤ54と噛み合わされており、駆動部モーター51の駆動力が伝動される。
【0036】
第2軸52bには、2つのギヤが固定され、駆動部フレーム53により回転可能に支持されている。具体的には、図6中に示されるように、第2軸52bにおいて、一端部に第2軸一端ギヤ56a、他端部に第2軸他端ギヤ56bが、固定されている。第2軸一端ギヤ56aは、第1軸一端ギヤ55aと噛み合っており、第2軸他端ギヤ56bは、第1軸他端ギヤ55bと噛み合っている。
【0037】
第3軸52cには、図6中に示されるように、第3軸ギヤ57aが固定されている。また、第3軸52cは、一端(図6中左側)が駆動部フレーム53に回転可能に支持されており、他端がクラッチ57bに接続されている。第3軸ギヤ57aは、第2軸一端ギヤ55aと噛み合っている。
【0038】
第4軸52dは、図6中に示されるように、一端がクラッチ57bを介して第3軸52cの他端と接続されており、一端が駆動部フレーム53により回転可能に支持されている。また、第4軸52dには、ピニオンギヤ59aが固定されている。このピニオンギヤ59aは、第1ブレード保持部42aのラック42fと噛み合い、第1ブレード保持部42aをZ軸に沿った駆動力を提供する。なお、ピニオンギヤ59aは、クラッチ57bがonされた際に、ラック42fに駆動力を提供する。従って、ピニオンギヤ59aとクラッチ57bとは、ラック42fを有する第1ブレード保持部42aに駆動力を提供する第1駆動部である。また、第1駆動部の駆動により、第1ブレード保持部42aと共に第1ワイパーブレード41aは、駆動する。従って、第1駆動部と第1ブレード保持部42aは、第1ワイパーブレード41aを駆動させるための第1駆動機構である。
【0039】
第5軸52eは、図6中に示されるように、一端がクラッチ58bに接続されており、他端(図中右側)が駆動部フレーム53により回転可能に支持されている。また、第5軸52eには、第5軸ギヤ58aが固定されている。この第5軸ギヤ58aは、第2軸他端ギヤ56bと噛み合っている。
【0040】
第6軸52fは、図6中に示されるように、一端が駆動部フレーム53により回転可能に支持されており、他端がクラッチ58bを介して第5軸52eの他端と接続されている。また、第6軸52dには、ピニオンギヤ59bが固定されている。このピニオンギヤ59bは、第2ブレード保持部42bのラック42gと噛み合い、第2ブレード保持部42bをZ軸に沿った駆動力を提供する。なお、ピニオンギヤ59bは、クラッチ58bがonされた際に、ラック42fに駆動力を提供する。従って、ピニオンギヤ59bとクラッチ58bとは、ラック42gを有する第2ブレード保持部42bに駆動力を提供する第2駆動部である。また、第2駆動部の駆動により、第2ブレード保持部42bと共に第2ワイパーブレード41bは、駆動する。従って、第2駆動部と第2ブレード保持部42bは、第2ワイパーブレード41bを駆動させるための第2駆動機構である。
【0041】
このように、ワイパー駆動部50は、上記複数のギヤを介して、第1並びに第2ブレード保持部42a,bを駆動させ得る。
【0042】
次に、ワイピング機構押圧カム60を説明する。
ワイピング機構押圧カム60は、各ワイピング機構40に対応して設けられており、カムモーター61と、カム部62とを有している。カムモーター61は、記録装置フレーム1aに固定されており、カム部62を回動させる動力源である。カム部62は、ワイピング機構フレーム43と対向する位置に配置されており、ワイピング機構フレーム43を押圧する押圧手段である。なお、ワイピング機構押圧カム60は、Y軸ガイド棒43aにより案内されたワイピング機構フレーム43を、Y軸に沿って移動させ得る。
【0043】
(動作)
上記構成の画像記録装置1の動作について、以下で説明する。
画像記録装置1は、画像記録時において、キャリッジ駆動部15並びに記録媒体搬送機構12により、記録ヘッド11を記録媒体Pに対して相対的に移動させる。この移動に伴って、記録ヘッド11が、記録媒体Pに対してインクを吐出することにより画像を記録する。
【0044】
この画像記録の前、途中、又は後において、画像記録装置1は、記録ヘッド11のメンテナンスを行う。このメンテナンスは、メンテナンス機構20により行われる。以下に、画像記録装置1のメンテナンス動作について説明する。
【0045】
このメンテナンス動作において、まず、各ノズルの回復工程を行う。この回復工程を行うために、キャリッジ13は、キャッピング手段21と対向する位置に移動される。この移動により、各記録ヘッド11が、対応するキャップ30と対向する位置に配置される。
【0046】
続いて、キャップモーター37が駆動される。この駆動により、図3中に示されるように、各キャップ30は、キャップ押圧カム36により、記録ヘッド11に押し当てられ、各ノズル列を密封する。この密封が完了した後、吸引ポンプ35が駆動し、各ノズルのインクを吸引し、各ノズルの回復工程が完了する。
【0047】
なお、このノズルの回復工程により、記録ヘッド11は、キャップ30により密閉された領域に、インクが残ってしまう。特に、記録ヘッド11のノズル形成面11aにおいて、キャップ30のリブ体32と接触した領域(リブ体接触領域101)には、リブ体32に付着した生乾きの粘度の高いインクが付着してしまう。また、粘度の高いインクには、埃などのゴミが粘着している場合もある。これらのインク並びにゴミを除去するために、続いて、清掃手段22が、ノズル形成面11aの清掃工程を行う。この清掃工程では、第1並びに第2ワイパーブレード41a、41bが、このノズル形成面11a上を摺動し、ノズル形成面11a上のインク等を拭き取る。なお、説明のために、ノズル形成面11aにおいて、第1ワイパーブレード41aが摺動する(拭き取る)領域を、第1領域とし、第2ワイパーブレード41bが摺動する(拭き取る)領域を第2領域とする。以下で、この清掃工程をより詳しく説明する。
【0048】
この清掃工程において、以下の工程が行われる。
【0049】
(キャリッジ位置合わせ工程)
この清掃工程において、まず、キャリッジ位置合わせ工程が行われる。このキャリッジ位置合わせ工程において、キャリッジ13が、清掃手段22と対向する初期位置に配置される。上記初期位置において、各記録ヘッド11が、対応するワイピング機構40と対向する。なお、この初期位置において、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bのブレード部は、Y軸に沿った方向において、ノズル形成面11aから離間している。
【0050】
また、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bの幅方向の中心は、X軸に沿った方向において、ノズル列の中心と実質的に一致するように配置される。これにより、第2ワイパーブレード41bは、X軸に沿った方向において切り欠き部がノズル列上に配置される。
【0051】
なお、上記構成で説明したように、第1並びに第2ブレード保持部42a,bは、付勢部材38により、Z軸ガイド棒42cの一端側に付勢されている。従って、第1並びに第2ブレード保持部42a,bは夫々、Z軸に沿った方向において、記録ヘッド11と対面しない位置に、付勢部材42d,eの付勢力により配置されている。この位置において、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、記録ヘッド11と接触していない。即ち、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、Z軸方向において、ノズル形成面11aの外側に配置される。
【0052】
また、初期位置において、ワイパー駆動部50は、駆動していないとともに、クラッチ57b並びに58bがoffされている。即ち、第3軸52cと第4軸52dとの接続は、解除されている。同様に、第5軸52eと第6軸52fとの接続は、解除されている。従って、前記第1並びに第2駆動機構は、ワイパー駆動部50による駆動力を、第1並びに第2ブレード保持部42a,bに対して、提供していない。
【0053】
(近接配置工程)
上記キャリッジ位置合わせ工程が完了した後、続いて近接配置工程が行われる。この近接配置工程では、ワイピング機構40が、ワイピング機構押圧カム60の駆動により、図5中に示されるような、記録ヘッド11に近接したワイピング開始位置に配置される。より具体的には、カム部62が、カムモーター61の駆動に従って回動し、ワイピング機構フレーム43を押圧する。この押圧により、ワイピング機構40は、ノズル形成面11aに近接したワイピング開始位置に配置される。
【0054】
上記ワイピング開始位置において、キャリッジ13に対する清掃手段22の位置は、Y軸に沿った方向以外、前記初期位置と実質的に同様である。このワイピング開始位置では、Y軸に沿った方向において、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bのブレード部が、記録ヘッド11と重複する位置に配置される。言い換えると、上記ワイピング開始位置において、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bの他端部は、Y軸に沿った方向において、ノズル形成面11aより奥に配置される。
【0055】
(周縁部清掃工程)
近接配置工程が完了した後、続いて、周縁部清掃工程が行われる。この周縁部清掃工程では、第2ワイパーブレード41bにより、ノズル形成面11aにおいて、ノズル列を含まない領域のインクを拭き取る。以下により、この周縁部清掃工程について詳しく説明する。
【0056】
この周縁部清掃工程において、駆動部モーター51が駆動を開始する。駆動部モーター51は、駆動ギヤ54並びに第1軸中央ギヤ55cを介して第1軸52aを回転させる。第1軸一端ギヤ55a並びに第1軸他端ギヤ55bは、第1軸52aの回転とともに回転し、これらの夫々噛み合った第2軸一端ギヤ56a並びに第2軸他端ギヤ56bを回転させる。これとともに、第2軸一端ギヤ56a並びに第2軸他端ギヤ56bに夫々噛み合った第3軸ギヤ57a並びに第5軸ギヤ58aも、回転する。
【0057】
駆動部モーター51が駆動を開始する後において、クラッチ58bがonされ、第5軸52eと第6軸52fとが、接続される。即ち、前記第2駆動機構が駆動を開始する。なお、この接続により、第5並びに第6軸52e,fは、互いに連動して回動する。なお、クラッチ58bの接続は、駆動開始前に行うことも可能である。
【0058】
また、この周縁部清掃工程においては、クラッチ57bは、offされており、第3軸52cの回転は、第4軸52dに伝動されない。言い換えると、この周縁部清掃工程において、第1駆動機構は、駆動しない。従って、駆動部モーター51の駆動力は、第1ブレード保持部42aに提供されない。
【0059】
上記第2駆動機構の駆動により、第6軸52fは、第5軸52eと共に回転し、ピニオンギヤ59bを回転させる。ピニオンギヤ59bと噛み合わされているラック42gは、ピニオンギヤ59bの回転に伴って、Z軸ガイド棒42cの一端側から他端側に向けて移動を開始する。このため、ラック42gが固定されている第2ブレード保持部42bは、第2ワイパーブレード41bを伴ってZ軸に沿って移動を開始する。
【0060】
第2ワイパーブレード41bは、Z軸に沿って移動すると、まず、前記ブレード部がノズル形成面11aに接触する。なお、第2ワイパーブレード41bは、ブレード部が、Y軸に沿った方向において記録ヘッド11と重複する位置にあるため、図5中の一点鎖線で示されるように、上記接触により撓み、確実にノズル形成面11aと接触する。
【0061】
上述のように、第2ワイパーブレード41bは、X軸に沿った方向において、切り欠き部がノズル列上に配置されるように、ノズル形成面11aに対する位置が設定されている。また、前記切り欠き部の幅寸法は、第1ワイパーブレード41aより小さい。従って、図7(a)中に示すように、前記切り欠き部は、X軸に沿った方向において、リブ体接触領域101より内側に配置される。言い換えると、第2ワイパーブレード41bの2又に分かれた夫々のブレード部は、X軸に沿った方向において、リブ体接触領域101の内側からリブ体接触領域101を越えてノズル形成面11aの外縁に向かって延びている。このため、第2ワイパーブレード41bのブレード部は、幅方向(X軸に沿った方向)において、ノズル列以外のノズル形成面11aの幅全体と接触する。
【0062】
上記第2ワイパーブレード41bは、Z軸(ノズル列)に沿ってノズル形成面11a全体に渡って移動される。即ち、第2ワイパーブレード41bは、上記幅方向の接触部分で、Z軸に沿って、ノズル形成面11aを拭き取る。従って、第2ワイパーブレード41bの拭き取る領域である第2領域は、ノズル形成面11aにおいて、ノズル列以外の全体に渡って拡がる。より詳しくは、前記第2領域は、ノズル列以外のリブ体接触領域101の内側の領域を含む、ノズル形成面11aの全体である。このようにして、第2ワイパーブレード41bは、ノズル形成面11aのノズル列以外の周縁部を清掃する。
【0063】
第2ワイパーブレード41bが、Z軸に沿った方向において、ノズル形成面11aを越えて、ノズル形成面11aの外側に移動した際に、上記第2領域の拭き取りを完了する。拭き取りを完了した後、ワイピング機構押圧カム60は、ワイピング機構40に対する押圧を解除する。解除された際に、ワイピング機構40は、付勢部材43bの付勢力により、Y軸方向において、ノズル形成面11aから離間する方向に移動される。この移動により、第2ワイパーブレード41bは、ノズル形成面11aから離間する方向への退避され、ノズル形成面11aから離間する。また、第2ワイパーブレード41bが退避した際に、クラッチ58bは、offされる。クラッチ58bがoffされると、第2ブレード保持部42は、ワイパー駆動部50から開放され、付勢部材42eの付勢力により、移動開始前の位置(Z軸ガイド棒42cの一端の位置)に戻される。
【0064】
(ノズル列清掃工程)
周縁部清掃工程が終了した後、続いて、ノズル列近傍のインクを拭き取るノズル列清掃工程が行われる。このノズル列清掃工程において、クラッチ57bがonされ、第3軸52cと第4軸52dとが、接続される。即ち、第1駆動機構が駆動を開始する。なお、この接続により、第3並びに第4軸52c,dは、互いに連動して回動する。
【0065】
上記第1駆動機構の駆動により、第4軸52dは、第3軸52cと共に回転し、ピニオンギヤ59aを回転させる。ピニオンギヤ59aと噛み合ったラック42fは、ピニオンギヤ59aの回転に伴って、Z軸ガイド棒42cの一端側から他端側に向けて移動を開始する。このため、ラック42fが固定されている第1ブレード保持部42aは、第1ワイパーブレード41aを伴ってZ軸に沿って移動を開始する。
【0066】
なお、上記構成に示すように、Z軸ガイド棒42cには、第1ブレード保持部42aと共に、第2ブレード保持部42bが移動可能に支持されている。この第2ブレード保持部42bは、Z軸ガイド棒42c上において、第1ブレード保持部42aより他端側に配置されている。このため、第1ブレード保持部42aは、Z軸ガイド棒42cの一端から他端に向けて移動した場合、第2ブレード保持部42bと接触する。そして、第1ブレード保持部42aは、第2ブレード保持部42b押しながら、第2ブレード保持部42bと共に移動する。従って、第1ワイパーブレード41aは、第2ワイパーブレード41bの後に続いて、ノズル形成面11aを拭き取る。
【0067】
なお、第1ワイパーブレード41aは、上記構成に示したように、リブ体32の幅より小さい幅に形成されているため、図7(b)中に示すように、幅方向(X軸に沿った方向)において、リブ体接触領域101の内側のみと接触する。なお、第1ワイパーブレード41aは、Z軸に沿ってノズル形成面11a全体を拭き取る。従って、第1ワイパーブレード41aは、上記幅方向の接触部分で、Z軸に沿って、ノズル形成面11aを拭き取る。従って、第1ワイパーブレード41aが拭き取る領域である第1領域は、X軸方向においてリブ体接触領域101の内側で、Z軸方向においてノズル列以外の全体に渡って、拡がる。
【0068】
なお、上記構成に示すように、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、X軸方向において、互いに重複する部分を有している。具体的には、第1並びに第2ワイパーブレード41bは、X軸方向において、リブ体接触領域101の内側の領域で重複している。これにより、第2領域は、ノズル列以外のリブ体接触領域101の内側でかつノズル列以外の領域において、第1領域と重複している。従って、第1ワイパーブレード41aは、リブ体接触領域101近傍の領域を、第2ワイパー部材により拭き取られた後に、拭き取ることが出来る。このため、第1ワイパーブレード41aは、実質的にノズル列のみを拭き取る。
【0069】
上述のようにして、第1ワイパーブレード41aが、Z軸に沿った方向において、ノズル形成面11aを越えて、ノズル形成面11aの外側に移動した際に、上記第1領域の拭き取りを完了する。この第1領域の拭き取りが完了した後、ワイピング機構押圧カム60は、ワイピング機構40に対する押圧を解除する。解除された際に、ワイピング機構40は、付勢部材43bの付勢力により、Y軸に沿って、ノズル形成面11aから離間する方向に移動される。この移動により、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、ノズル形成面11aから離間する方向への退避され、ノズル形成面11aから離間する。また、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bが退避した際に、クラッチ57bは、offされる。クラッチ57bがoffされると、第1ブレード保持部42aは、ワイパー駆動部50から開放され、付勢部材42dの付勢力により、移動開始前の位置(Z軸ガイド棒42cの一端の位置)に戻される。また、第2ブレード保持部42bは、第1ブレード保持部42aによる押圧から開放されるため、付勢部材42eの付勢力により、移動開始前の位置に戻される。このようにしてノズル列清掃工程が終了し、上記清掃工程を完了する。
【0070】
上述のように、本実施の形態の清掃手段22において、第1ワイパーブレード41aは、第2ワイパーブレード41bにより一部分を拭き取られた後の第1領域を拭き取る。言い換えると、第2領域が、第1領域の少なくとも一部分を含んでいるとともに、第1ワイパーブレード41aは、第2ワイパーブレード41bが拭き取りを開始した後に拭き取りを開始する。従って、第1ワイパーブレード41aは、第2ワイパーブレード41bにより第1領域が拭き取られなかった場合に比べ、汚染されにくく、長期に渡って清掃能力を維持し得る。
【0071】
また、本実施の形態の第2ワイパーブレード41bは、ノズル列以外の領域を拭き取る。従って、第2ワイパーブレード41bは、ノズル列と接触しないため、自身の汚れにより、ノズル列を汚染することを防止し得る。特に、本実施の形態において、第2ワイパーブレード41bは、リブ体接触領域101を拭き取る。即ち、本実施の形態の清掃手段22は、ノズル列を拭き取らない第2ワイパーブレード41bにより、汚染度の高い領域を拭き取る。従って、本実施の形態の清掃手段22は、ノズル列を汚染することなく、汚染度の高い領域の汚染を清掃し得る。
【0072】
また、本実施の形態において、第2ワイパーブレード41bは、ノズル形成面11aに対して2回拭き取りを行っている。これにより、第2ワイパーブレード41bは、より確実に清掃を行い得る。
【0073】
また、第2ワイパーブレード41bの拭き取り回数は、第1ワイパーブレード41aより多い。このように本実施の形態の清掃手段22は、第1ワイパーブレード41aの拭き取り回数を抑え、第2ワイパーブレード41bの拭き取り回数を増やすように設定され得る。この拭き取り回数の設定により、汚染度の高い領域に対しては、複数回拭き取りを行うことが可能でありながら、ノズル列並びに第1ワイパーブレード41aの消耗(摩耗)を防止し得る。
【0074】
また、本実施の形態の第1ブレード保持部42aは、Z軸に沿って駆動した際に、第2ブレード保持部42bを押すことにより共に駆動させる。このため、第1ワイパーブレード41aは、確実に第2ワイパーブレード41bの拭き取り後に、拭き取りを行い得る。これとともに、上記構成により、第1駆動機構は、第2駆動機構を駆動させることなく、第1並びに第2ブレード保持部42a,bの駆動を制御し得る。
【0075】
また、本実施の形態の第1ブレード保持部42aは、ワイピング開始位置において、Z方向においてノズル形成面11aの外側に配置されている。しかしながら、Z軸に沿った方向において、第1ワイパーブレード41aの拭き取り開始位置は、リブ体接触領域101の内側に設定することも可能である。これにより、第1ワイパーブレード41aが、リブ体接触領域101近傍の粘度の高いインクに接触する可能性をより減少させ得る。第1ワイパーブレード41aの拭き取り開始位置を設定するために、前記初期位置での第1ワイパーブレードの位置を、Z軸方向において、リブ体接触領域101の内側に設定することは可能である。また、周縁部清掃工程後に、第1ワイパーブレード41aを、ノズル形成面11aから離間させた状態で、Z軸方向においてリブ体接触領域101の内側に移動させることも可能である。
【0076】
また、本実施の形態において、第1ブレード保持部42aは、Z軸方向において、ノズル形成面11aの外側に移動した際に、拭き取りを完了する。しかしながら、第1ブレード保持部42aは、リブ体接触領域101の内側の領域を拭き終えた際に、拭き取りを完了することも可能である。これにより、第1ワイパーブレード41aが、リブ体接触領域101近傍の粘度の高いインクに接触する可能性をより減少させ得る。リブ体接触領域101の内側で拭き取りを完了するために、ワイピング機構40は、リブ体接触領域101に接触する前に、ノズル形成面11aから離間する方向へ退避される。より具体的には、第1ワイパーブレード41aがリブ体接触領域101の内側の領域の拭き取りを開始した後においてリブ体接触領域101に接触する前に、ワイピング機構押圧カム60は、ワイピング機構フレーム43に対する押圧を解除し、第1ワイパーブレード41aを退避させる。なお、第1ワイパーブレード41aは、リブ体接触領域101の内側のみを拭き取ることが、清掃能力維持の点において好ましい。言い換えると、第1領域は、リブ体接触領域101の内側のみに設定されることが好ましい。
【0077】
また、本実施の形態において、第1並びに第2ワイパーブレード41a、bは、Z軸ガイド棒42cの一端から他端への一方においてのみ、拭き取りを行っている。しかしながら、第1並びに第2ワイパーブレード41a、bは、ノズル形成面11aを往復で拭き取ることも可能である。しかしながら、往復で拭き取りを行った場合、往路で拭き取った汚れは、復路で再びノズル形成面11aに付着してしまう虞がある。従って、第1並びに第2ワイパーブレード41a、bは、ノズル形成面11aに対して、一方向での拭き取りが好ましい。
【0078】
また、本実施の形態において、第1並びに第2駆動機構は、ラック42f,gと、ピニオンギヤ59a,bにより構成されるラックピニオン機構により構成されているが、第1並びに第2保持部42a,bをZ軸に沿って駆動させ得れば、他のいかなる公知の駆動機構に代替え可能である。
【0079】
また、本実施の形態において、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、夫々一枚づつであるが、図8(a)乃至(d)中に示すように、複数枚設けられ得る。具体的には、第2ワイパーブレード41bは、図8(a)中に示すように、X軸に沿って複数枚設けられ得る。この場合、互いに隣接する第2ワイパーブレード41bを、切り欠き部の幅寸法と同様に離間させることにより、切り欠き部を省き得る。
【0080】
また、第2ワイパーブレード41bは、図8(b)中に示すように、Z軸に沿って複数設けられ得る。このように、第2ワイパーブレード41bは、Z軸に沿って設けられた場合、第2ブレード保持部42bの1回の駆動により、枚数と同数の拭き取りを行い得る。従って、上記第2ワイパーブレード41bの配置は、拭き取りの高速化に関して好ましい。同様に、図8(c)中に示すように、第1ワイパーブレード41aも、Z軸に沿って複数枚設けることが可能である。
【0081】
また、図8(d)中に示すように、異なる形状の第1ワイパーブレード41a_1及び2をZ軸に沿って設けることも可能である。第1ワイパーブレード41a_1は、ノズル列と実質的に同一の幅寸法を有しており、第1ワイパーブレード41a_2は、X軸に沿ってリブ体接触領域101より小さい幅寸法でかつ、ノズル列より大きい幅寸法を有している。このように、ノズル列を拭き取る第1ワイパーブレード41a_1と、リブ体接触領域101内であるがノズル列以外を拭き取る第1ワイパーブレード41a_2とを有することも可能である。この場合、ノズル列を拭き取る第1ワイパーブレード41a_1は、粘度の高いインクと接触する可能性がより減少し、より長期に渡って清掃能力を維持し得る。なお、第1ワイパーブレード41a_1及び2は、互いの拭き取る領域の少なくとも一部分を重複させ得る。
【0082】
また、本実施の形態の第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、種々の形状にされ得る。例えば、第1ワイパーブレード41aは、図9(a)中に示されるように、拭き取りの際の進行方向に対して傾斜した傾斜部を有し得る。第1ワイパーブレード41aは、上記傾斜部を有している場合、拭き取るインク等を幅方向外側に移動させ得る。従って、第1ワイパーブレード41aは、前記インクをインク列から幅方向において遠ざけることが可能であり、より効率的に、ノズル列の汚染を防止し得る。第1ワイパーブレード41aは、図9(b)中に示されるように、全体に渡って傾斜することも可能である。また、第1ワイパーブレード41aは、図9(c)中に示されるように、幅方向の中央部が突出するように傾斜部を有することが可能である。また、第1ワイパーブレード41aは、図9(d)中のように、湾曲面により、拭き取りの際の進行方向に対して実質的に拭き取り方向に対して傾斜した傾斜部を設けることも可能である。
【0083】
同様に、第2ワイパーブレード41bも、図9(e),(f)中に示されるように、拭き取りの際の進行方向に対して傾斜した傾斜部を有することが可能である。この場合も、第2ワイパーブレード41bは、拭き取るインクを幅方向外側に移動させ得るため、好ましい。なお、第1並びに2ワイパーブレード41a,bは、拭き取りの際に、ブレード部を撓ませることにより、傾斜部を発生させることも可能である。例えば、第2ワイパーブレード41bは、図9(g)中に示されように、幅方向において、端部近傍の外側部分P1を、切り欠き部の近傍の内側部分P2より撓み易く構成する。これにより、外側部分P1は、拭き取り時において、ノズル形成面11aからの摩擦力などにより、図9(h)に示されるように撓み、前記傾斜部を有するように変形され得る。
【0084】
また、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、ブレード部に、図9(i)中に示されるように、拭き取り時の進行方向に沿って突出するエッジを有し得る。上記構成により、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、より確実にインクなどの汚れを拭き取り得る。
【0085】
なお、本実施の形態において、第2ワイパーブレード41bの切り欠き部は、図6並びに図7(a)中に示されるように、矩形形状を有しているが、三角形形状であってもいいし、幅方向において2つのブレード部をノズル列と接触しないように離間させ得ればいかなる形状にもされ得る。
【0086】
また、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、図10中に示されるように、単一のブレード保持部42hにより保持され得る。上記構成により、ワイピング機構40の構成をより簡単にし得る。なお、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、ブレード保持部42hと一体的に構成することも可能である。この場合、これらをより簡単に製造し得る。なお、この構成においても、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、上述した傾斜部を有する構成にされ得る。例えば、図11中の第2ワイパーブレード41bは、図9(e)中の第2ワイパーブレード41bと実質的に同一の構成を有している。この構成により、ワイピング機構40は、より確実に汚染を拭き取り得る。
【0087】
これまで、実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0088】
【発明の効果】
本発明は、長期に渡って清掃能力を維持し得るワイピング手段を有する画像記録装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の1つの実施の形態に従った画像記録装置を示す概略図である。
【図2】図2は、図1中のキャッピング手段を示す概略的な斜視図である。
【図3】図3は、図2中のキャッピング手段を示す概略的な断面図である。
【図4】図4は、図1中のワイピング機構を示す正面図である。
【図5】図5は、図4中の切断線A−Aに沿った断面図である。
【図6】図6は、図4中の切断線B−Bに沿った断面図である。
【図7】図7(a)は、図4中のワイピング機構において、第2ワイパーブレードの拭き取り動作を示す概略図である。
図7(b)は、図4中のワイピング機構において、第1ワイパーブレードの拭き取り動作を示す概略図である。
【図8】図8(a)は、第2ワイパーブレードの変形例を示す略図である。
図8(b)は、図4中のワイピング機構の変形例を示す略図である。
図8(c)は、図4中のワイピング機構の他の変形例を示す略図である。
図8(d)は、図4中のワイピング機構のさらに他の変形例を示す略図である。
【図9】図9(a)は、第1ワイパーブレードの変形例を示す概略図である。
図9(b)は、第1ワイパーブレードの他の変形例を示す概略図である。
図9(c)は、第1ワイパーブレードのさらに他の変形例を示す概略図である。
図9(d)は、第1ワイパーブレードのさらに他の変形例を示す概略図である。
図9(e)は、第2ワイパーブレードの他の変形例を示す概略図である。
図9(f)は、第2ワイパーブレードのさらに他の変形例を示す概略図である。
図9(g)は、第2ワイパーブレードのさらに他の変形例を示す概略図である。
図9(h)は、図9(g)中の第2ワイパーブレードを示す概略図である。
図9(i)は、第1並びに2ワイパーブレードのさらに他の変形例を示す概略図である。
【図10】図10は、図4中のワイピング機構の他の変形例を示す略図である。
【図11】図11は、図4中のワイピング機構のさらに他の変形例を示す略図である。
【符号の説明】
1…画像記録装置、1a…記録装置フレーム、11…記録ヘッド、11a…ノズル形成面、11b…ノズル、12…記録媒体搬送機構、13…キャリッジ、14…ガイドレール、15…キャリッジ駆動部、20…メンテナンス機構、21…キャッピング手段、22…清掃手段、30…キャップ、31…キャップ本体、32…リブ体、40…ワイピング機構、41a,41a_1,41a_2…第1ワイパーブレード、41b…第2ワイパーブレード、42a.b…ブレード保持部、42c…Z軸ガイド棒、42d.e…付勢部材、42f.g…ラック、42a…第1ブレード保持部、42f,g…ラック、42b…第2ブレード保持部、42d,e…付勢部材、43…ワイピング機構フレーム、43a…Y軸ガイド棒、43b…付勢部材、50…ワイパー駆動部、51…駆動部モーター、53…駆動部フレーム、54…駆動ギヤ、59a,b…ピニオンギヤ、60…ワイピング機構押圧カム、101…リブ体接触領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドのノズル形成面の清掃を行うワイピング手段を有する画像記録装置に関している。
【0002】
【従来の技術】
画像記録装置は、複数の吐出口を備えている記録ヘッドを有している。この画像記録装置は、インクの吐出口である複数のノズルを有しており、上記ノズルからインクを吐出することにより、記録媒体に画像を記録する。記録ヘッドにおいて、上記ノズルは、記録媒体と対面するノズル形成面上に設けられている。
【0003】
このような画像記録装置は、上記ノズルの周りに、高い粘度のインク滴や、気泡やゴミ等の異物が存在した場合、正常なインクの吐出を行えない虞を有している。このため、一般的な画像記録装置は、上記ノズルの回りのインクを拭き取るためのワイピング手段を有している。上記ワイピング手段は、インクを拭き取るためのワイパーブレードを有している。上記ワイパーブレードは、ノズル形成面上のインク並びに異物を除去するために、ノズル形成面上に沿って走査される。この走査に従って、ワイパーブレードの先端が、ノズル形成面上のインク並びに異物を拭き取る。
【0004】
このような従来のワイピング手段は、例えば、特許文献1中に示されている。特許文献1中のワイピング手段は、特許文献1中の段落番号[0023]並びに[0024]中に示されるように、ワイパー部材と、スクレーバーとを有している。前記ワイパー部材は、ノズルの回復動作を行うためのキャップに対して、内側に配置されている。このワイパー部材は、記録ヘッド(インクヘッド)において、ノズルが形成されているノズル面の拭き取りを行う。前記スクレーバーは、記録ヘッドの前記ノズル面以外の部分を拭き取る。このように、前記ワイピング手段は、前記ノズル面並びにノズル面以外の部分のインクを拭き取り、記録ヘッドの清掃を行い得る。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−207980号公報(第3−5頁、 図3並びに図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、記録ヘッド上のインク並びに異物は、上記清掃により取り除かれる。しかしながら、この清掃を行う度に、上述のようなワイピング手段の前記ワイパー部材並びにスクレーバーは、汚染され、清掃能力が減少してしまう。この清掃能力は、拭き取り時に接触するインクの量が多い場合、急速に減少してしまう虞が高い。
【0007】
上述の特許文献1中のワイピング手段は、上記ノズル面を拭き取るのに、前記ワイパー部材のみが用いられる。このため、前記ワイパー部材は、前記ノズル列並びにその近傍を含むノズル面の全体を拭き取る必要がある。従って、前記ワイパー部材は、前記ノズル面全体のインクにより汚染され、ノズル面の一部分を拭き取る場合に比べて、汚染の進行が早まり、長期に渡って清掃能力を保つことが困難である。なお、上記清掃において、インクの噴射に影響が出るノズル面上のインク並びに異物が取り去られることは、特に望まれている。しかしながら、汚染されて清掃能力が減少したワイパー部材により上記拭き取りを行った場合、上記記録ヘッドは、前記インク並びに異物により、正常なインクの噴射を行えない虞がある。
【0008】
上記課題を鑑みて、本発明の目的は、長期に渡って清掃能力を維持し得るワイピング手段を有する画像記録装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の画像記録装置は、以下の構成を有している。
【0010】
本発明の一態様の画像記録装置は、複数のノズルからなるノズル列を備えているノズル形成面を有し、当該複数のノズルからインクを吐出する記録ヘッドと;前記ノズル形成面を拭き取るためのワイピング手段とを具備している。前記ワイピング手段は、前記記録ヘッドのノズル形成面のうち、ノズル列が形成されている部分を含み、ノズル列と平行な方向に延びる第1領域を、ノズル列に沿って拭き取る第1ワイパーブレードと、前記ノズル形成面上の第1領域以外の少なくとも一部分と、前記第1領域の少なくとも一部分とを含む第2領域を、ノズル列に沿って拭き取る第2ワイパーブレードと、を有している。前記第1ワイパーブレードは、前記第2ワイパーブレードが拭き取りを開始した後に、拭き取りを開始する。
【0011】
上記構成に示すように、第2ワイパーブレードの拭き取る領域は、第1ワイパーブレードの拭き取る領域の一部分と重複している。これとともに、第1ワイパーブレードは、第2ワイパーブレードが拭き取りを開始した後に、拭き取りを開始する。従って、第1ワイパーブレードは、第2ワイパーブレードにより一部分が拭き取られた第1領域を拭き取る。従って、第1ワイパーブレードは、拭き取り時に接触するインク及び/又は異物に対する接触量が減少し、自身の汚染の進行を遅らせ得る。即ち、第1ワイパーブレードは、長期に渡って清掃能力を維持し得る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
まず、本発明の一実施の形態について図1乃至図6を用いて説明する。図1は、本実施の形態の画像記録装置を示す概略図である。
【0014】
本実施の形態の画像記録装置1は、複数の記録ヘッド11と、記録媒体搬送機構12と、キャリッジ13と、キャリッジ駆動部15と、メンテナンス機構20とを有している。
【0015】
複数の記録ヘッド11は、記録媒体Pに対してインクを吐出するためのインク吐出手段である。この記録ヘッド11は、図2中に示されるように、画像記録時に記録媒体Pと対面するノズル形成面11aを有しており、ノズル形成面11aには、インクの吐出口である複数のノズル11bを有している(図2参照)。ノズル11bは、記録ヘッド11の長手方向に沿って、列状に配列され、ノズル列を構成している。なお、本実施の形態において、ノズル列は、一列に配列されているが、複数列に配列されることも可能である。なお、ノズル列は、記録ヘッド11の長手方向と直交する方向(幅方向)において、実質的に中央に配置されている。
【0016】
記録媒体搬送機構12は、記録媒体を搬送するための搬送手段である。なお、本明細書中において、記録媒体搬送機構12が記録媒体Pを搬送する方向を、副走査方向とする。
【0017】
キャリッジ13は、複数の記録ヘッド11を保持する保持手段である。このキャリッジ13は、画像記録装置1のフレームである記録装置フレーム1aに固定された1対のガイドレール14により、前記副走査方向と直交する主走査方向に往復移動可能に支持されている。なお、図1中において、主走査方向に沿った軸線をX軸とし、副走査方向に沿った軸線をZ軸とし、これらに直交する軸線をY軸とする。なお、本実施の形態において、キャリッジ13は、各記録ヘッド11の長手方向中央軸心が、Z軸と実質的に一致するように、6つの記録ヘッド11を保持している。従って、各記録ヘッド11は、幅方向と、X軸とが実質的に平行になるように、キャリッジ13に保持されている。
【0018】
キャリッジ駆動部15は、図示しないモーターと接続されている駆動プーリー15aと、アイドルプーリー15bと、これらのプーリーに架け渡されたワイヤー15cとを有している。このキャリッジ駆動部15は、ワイヤー15cがキャリッジ13と接続されており、前記モーターの駆動に従って、キャリッジ13を主走査方向に沿って往復移動させ得る。より具体的には、キャリッジ駆動部15は、キャリッジ13を、主走査方向に沿って、記録媒体と対面する記録領域と、画像記録を行わないメンテナンス領域を含む記録領域以外の領域とに移動させる。
【0019】
次に、メンテナンス機構20について説明する。
メンテナンス機構20は、前記メンテナンス領域に配置されており、記録ヘッドのメンテナンスを行う手段である。メンテナンス機構20は、キャッピング手段21と、清掃手段22とを有している。
【0020】
まず、キャッピング手段21について説明する。
キャッピング手段21は、記録ヘッド11のノズル列を密閉し、ノズル11bの回復動作のために、吸引を行う吸引手段である。このキャッピング手段21は、図2並びに図3中に示されるようなキャップ30を複数有している。各キャップ30は、前記ノズル列を密閉するための密閉手段である。各キャップ30は、キャリッジ13がキャッピング手段21と対向する位置に配置された際に、対応する記録ヘッド11の夫々に対向するように、配置が設定されている。
【0021】
各キャップ30は、ゴム等の弾性体により形成されており、キャップ本体31と、リブ体32とを有している。キャップ本体31は、記録ヘッド11と対向する面が、ノズル形成面11aと実質的に同様若しくはそれ以上の大きさを有している。リブ体32は、記録ヘッド11と対向する面から突出しており、中空状に形成されている。リブ体32は、記録ヘッド11の長手方向に沿って延びるノズル列全体を内側に囲み得るように寸法が設定されている。言い換えると、リブ体32は、自身が画定する領域中にノズル列全体を収容し得るように、寸法が設定されている。本実施の形態において、リブ体32は、突出方向と直交する方向に切断した際の断面形状(輪切りにした際の断面形状)が、略長方形を画定するような輪形状であるが、ノズル列全体を覆い得るならば上記断面形状は任意である。
【0022】
各キャップ30は、記録ヘッド11と対向する面に、貫通孔33を有している。この貫通孔33は、リブ体32が画定する領域内で一端が開口しており、他端がリブ体32を貫通し、上記記録ヘッド11と対向する面に対して反対側の面で開口している。この貫通孔33の他端は、チューブ34を介して吸引ポンプ35に接続されている。
【0023】
また、各キャップ30は、図3中に示すように、キャップモーター37により回動するキャップ押圧カム36を有している。キャップ押圧カム36は、キャップモーター37により回動された際に、図3中に示されるように、キャップ30を、記録ヘッド11に密着させ得る。より具体的には、キャップ押圧カム36は、駆動した際に、リブ体32を、図2中で破線で示されるリブ体接触領域101に密着される。このようにして、キャップ30は、リブ体32によりノズル列全体を囲む。なお、キャップ30は、記録ヘッド11に密着された際に、吸引ポンプ35の吸引により、リブ体32、キャップ本体31、並びにノズル形成面11aにより囲まれた領域A2(図3参照)を、負圧にし、各ノズル11bのインクを吸引し得る。
【0024】
また、キャップ30は、図3中に示されるように、記録装置フレーム1aに固定された、例えばばね等の付勢部材38により、Y軸に沿って記録ヘッド11から離間する方向に付勢されている。このため、キャップ30は、キャップ押圧カム36により押圧が解除された際に、付勢部材38の付勢力により、ノズル形成面11aから離間され得る。
【0025】
続いて、清掃手段22について説明する。
清掃手段22は、図4乃至図6中に示されるような複数のワイピング機構40を有している。図5は、ワイピング機構40を示す正面図である。図5は、図4の切断線A−Aに沿った断面図である。図6は、図4の切断線B−Bに沿った断面図である。
【0026】
各ワイピング機構40は、対応する記録ヘッド11のノズル形成面11a上のインクを拭き取るためのワイピング手段である。各ワイピング機構40は、キャリッジ13が清掃手段22と対向する位置に配置された際に、対応する記録ヘッド11の夫々に対向するように、配置が設定されている。各ワイピング機構40は、第1並びに第2ワイパーブレード41a,b,ワイピング機構フレーム43と、第1並びに第2ブレード保持部42a,bと、ワイパー駆動部50と、ワイピング機構押圧カム60と、を有している。
【0027】
ワイピング機構フレーム43は、ワイピング機構40の外壁を構成している。このワイピング機構フレーム43は、記録装置フレーム1aに固定された2つのY軸ガイド棒43aにより、Y軸に沿って移動可能に支持されている。また、ワイピング機構フレーム43は、記録装置フレーム1aに固定された、例えばばね等の付勢部材43bにより、Y軸に沿って記録媒体Pから離間する方向に付勢されている。
【0028】
第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、ゴム等の弾性部材により形成されており、インク並びに異物を拭き取るための手段である。第1並びに第2ワイパーブレード41a,bの夫々は、板状に形成されており、図6中に示されるように、X軸並びにY軸を通る面に平行になるように、第1並びに第2ブレード保持部42a,bにより保持されている。より具体的には、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bの夫々は、幅方向とX軸とが実質的に平行にされ、Y軸に沿った一端が夫々第1並びに第2ブレード保持部42a,bに保持され、他端が自由端にされている。なお、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bの他端は、ノズル形成面11aと接触し、インク並びに異物を拭き取るための部分であり、本明細書中において、ブレード部と呼ぶ。
【0029】
第1ワイパーブレード41aは、略矩形形状を有しており、幅方向(X軸に沿った方向)において、ノズル列より大きく、リブ体32の幅より小さい寸法を有している。
【0030】
第2ワイパーブレード41bは、幅方向において、ノズル形成面11aと同一若しくはそれ以上の寸法を有している。第2ワイパーブレード41bは、Y軸に沿った方向の他端において幅方向の中央部に切り欠き部を有しており、略コの字形状を有している。言い換えると、第2ワイパーブレードは、切り欠き部により2又に分かれたブレード部を有している。なお、この切り欠き部は、幅方向において、第1ワイパーブレード41aの寸法より小さい寸法を有している。従って、第1並びに第2ワイパーブレード41a、41bは、幅方向において、互いの中央を位置合わせした際に、互いに重複する部分を有している。さらに詳しくは、上記位置合わせをした際に、第1並びに第2ワイパーブレード41a、41bのブレード部は、幅方向において少なくとも一部分が重複する。
【0031】
第1並びに第2ブレード保持部42a,bは、Z軸ガイド棒42cにより、Z軸に沿って移動可能に支持されている。なお、Z軸ガイド棒42cは、ワイピング機構フレーム43に固定され、Z軸に沿って延びている案内手段である。また、第1並びに第2ブレード保持部42a,bは夫々、ばねなどの付勢部材42d,eにより、Z軸に沿って、Z軸ガイド棒42cの一端(図4中において上側の端部)側に付勢されている。さらに、第1並びに第2ブレード保持部42a,bには、ラック42f,gが夫々固定されている。ラック42f,gは、Z軸に沿って延びており、後述するワイパー駆動部50のピニオンギヤと噛み合い、ワイパー駆動部50からの駆動力が提供される。
【0032】
続いて、ワイパー駆動部50について説明する。
ワイパー駆動部50は、第1並びに第2ブレード保持部42a,bを介して、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bを駆動させる駆動手段である。ワイパー駆動部50は、図4乃至図6中に示されるように、駆動部モーター51と、複数のギヤと、ギヤが固定された第1乃至第6軸52a,b,c,d,e,fと、ワイパー駆動部50の外壁を構成する駆動部フレーム53と、を有している。
【0033】
駆動部フレーム53は、ワイピング機構40のワイピング機構フレーム43に固定されている。また、駆動部フレーム53は、駆動部モーター51を支持するとともに、第1乃至第6軸52a,b,c,d,e,fを回転可能に支持している。
【0034】
駆動部モーター51は、駆動ギヤ54が取り付けられおり、この駆動ギヤ54を回転させる駆動力提供手段である。
【0035】
第1軸52aには、3つのギヤが固定されており、駆動部フレーム53により回転可能に支持されている。具体的には、図4中に示されるように、第1軸52aにおいて、中央部に第1軸中央ギヤ55c、一端部に第1軸一端ギヤ55a、他端部に第1軸他端ギヤ55bが固定されている。第1軸中央ギヤ55cは、駆動ギヤ54と噛み合わされており、駆動部モーター51の駆動力が伝動される。
【0036】
第2軸52bには、2つのギヤが固定され、駆動部フレーム53により回転可能に支持されている。具体的には、図6中に示されるように、第2軸52bにおいて、一端部に第2軸一端ギヤ56a、他端部に第2軸他端ギヤ56bが、固定されている。第2軸一端ギヤ56aは、第1軸一端ギヤ55aと噛み合っており、第2軸他端ギヤ56bは、第1軸他端ギヤ55bと噛み合っている。
【0037】
第3軸52cには、図6中に示されるように、第3軸ギヤ57aが固定されている。また、第3軸52cは、一端(図6中左側)が駆動部フレーム53に回転可能に支持されており、他端がクラッチ57bに接続されている。第3軸ギヤ57aは、第2軸一端ギヤ55aと噛み合っている。
【0038】
第4軸52dは、図6中に示されるように、一端がクラッチ57bを介して第3軸52cの他端と接続されており、一端が駆動部フレーム53により回転可能に支持されている。また、第4軸52dには、ピニオンギヤ59aが固定されている。このピニオンギヤ59aは、第1ブレード保持部42aのラック42fと噛み合い、第1ブレード保持部42aをZ軸に沿った駆動力を提供する。なお、ピニオンギヤ59aは、クラッチ57bがonされた際に、ラック42fに駆動力を提供する。従って、ピニオンギヤ59aとクラッチ57bとは、ラック42fを有する第1ブレード保持部42aに駆動力を提供する第1駆動部である。また、第1駆動部の駆動により、第1ブレード保持部42aと共に第1ワイパーブレード41aは、駆動する。従って、第1駆動部と第1ブレード保持部42aは、第1ワイパーブレード41aを駆動させるための第1駆動機構である。
【0039】
第5軸52eは、図6中に示されるように、一端がクラッチ58bに接続されており、他端(図中右側)が駆動部フレーム53により回転可能に支持されている。また、第5軸52eには、第5軸ギヤ58aが固定されている。この第5軸ギヤ58aは、第2軸他端ギヤ56bと噛み合っている。
【0040】
第6軸52fは、図6中に示されるように、一端が駆動部フレーム53により回転可能に支持されており、他端がクラッチ58bを介して第5軸52eの他端と接続されている。また、第6軸52dには、ピニオンギヤ59bが固定されている。このピニオンギヤ59bは、第2ブレード保持部42bのラック42gと噛み合い、第2ブレード保持部42bをZ軸に沿った駆動力を提供する。なお、ピニオンギヤ59bは、クラッチ58bがonされた際に、ラック42fに駆動力を提供する。従って、ピニオンギヤ59bとクラッチ58bとは、ラック42gを有する第2ブレード保持部42bに駆動力を提供する第2駆動部である。また、第2駆動部の駆動により、第2ブレード保持部42bと共に第2ワイパーブレード41bは、駆動する。従って、第2駆動部と第2ブレード保持部42bは、第2ワイパーブレード41bを駆動させるための第2駆動機構である。
【0041】
このように、ワイパー駆動部50は、上記複数のギヤを介して、第1並びに第2ブレード保持部42a,bを駆動させ得る。
【0042】
次に、ワイピング機構押圧カム60を説明する。
ワイピング機構押圧カム60は、各ワイピング機構40に対応して設けられており、カムモーター61と、カム部62とを有している。カムモーター61は、記録装置フレーム1aに固定されており、カム部62を回動させる動力源である。カム部62は、ワイピング機構フレーム43と対向する位置に配置されており、ワイピング機構フレーム43を押圧する押圧手段である。なお、ワイピング機構押圧カム60は、Y軸ガイド棒43aにより案内されたワイピング機構フレーム43を、Y軸に沿って移動させ得る。
【0043】
(動作)
上記構成の画像記録装置1の動作について、以下で説明する。
画像記録装置1は、画像記録時において、キャリッジ駆動部15並びに記録媒体搬送機構12により、記録ヘッド11を記録媒体Pに対して相対的に移動させる。この移動に伴って、記録ヘッド11が、記録媒体Pに対してインクを吐出することにより画像を記録する。
【0044】
この画像記録の前、途中、又は後において、画像記録装置1は、記録ヘッド11のメンテナンスを行う。このメンテナンスは、メンテナンス機構20により行われる。以下に、画像記録装置1のメンテナンス動作について説明する。
【0045】
このメンテナンス動作において、まず、各ノズルの回復工程を行う。この回復工程を行うために、キャリッジ13は、キャッピング手段21と対向する位置に移動される。この移動により、各記録ヘッド11が、対応するキャップ30と対向する位置に配置される。
【0046】
続いて、キャップモーター37が駆動される。この駆動により、図3中に示されるように、各キャップ30は、キャップ押圧カム36により、記録ヘッド11に押し当てられ、各ノズル列を密封する。この密封が完了した後、吸引ポンプ35が駆動し、各ノズルのインクを吸引し、各ノズルの回復工程が完了する。
【0047】
なお、このノズルの回復工程により、記録ヘッド11は、キャップ30により密閉された領域に、インクが残ってしまう。特に、記録ヘッド11のノズル形成面11aにおいて、キャップ30のリブ体32と接触した領域(リブ体接触領域101)には、リブ体32に付着した生乾きの粘度の高いインクが付着してしまう。また、粘度の高いインクには、埃などのゴミが粘着している場合もある。これらのインク並びにゴミを除去するために、続いて、清掃手段22が、ノズル形成面11aの清掃工程を行う。この清掃工程では、第1並びに第2ワイパーブレード41a、41bが、このノズル形成面11a上を摺動し、ノズル形成面11a上のインク等を拭き取る。なお、説明のために、ノズル形成面11aにおいて、第1ワイパーブレード41aが摺動する(拭き取る)領域を、第1領域とし、第2ワイパーブレード41bが摺動する(拭き取る)領域を第2領域とする。以下で、この清掃工程をより詳しく説明する。
【0048】
この清掃工程において、以下の工程が行われる。
【0049】
(キャリッジ位置合わせ工程)
この清掃工程において、まず、キャリッジ位置合わせ工程が行われる。このキャリッジ位置合わせ工程において、キャリッジ13が、清掃手段22と対向する初期位置に配置される。上記初期位置において、各記録ヘッド11が、対応するワイピング機構40と対向する。なお、この初期位置において、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bのブレード部は、Y軸に沿った方向において、ノズル形成面11aから離間している。
【0050】
また、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bの幅方向の中心は、X軸に沿った方向において、ノズル列の中心と実質的に一致するように配置される。これにより、第2ワイパーブレード41bは、X軸に沿った方向において切り欠き部がノズル列上に配置される。
【0051】
なお、上記構成で説明したように、第1並びに第2ブレード保持部42a,bは、付勢部材38により、Z軸ガイド棒42cの一端側に付勢されている。従って、第1並びに第2ブレード保持部42a,bは夫々、Z軸に沿った方向において、記録ヘッド11と対面しない位置に、付勢部材42d,eの付勢力により配置されている。この位置において、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、記録ヘッド11と接触していない。即ち、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、Z軸方向において、ノズル形成面11aの外側に配置される。
【0052】
また、初期位置において、ワイパー駆動部50は、駆動していないとともに、クラッチ57b並びに58bがoffされている。即ち、第3軸52cと第4軸52dとの接続は、解除されている。同様に、第5軸52eと第6軸52fとの接続は、解除されている。従って、前記第1並びに第2駆動機構は、ワイパー駆動部50による駆動力を、第1並びに第2ブレード保持部42a,bに対して、提供していない。
【0053】
(近接配置工程)
上記キャリッジ位置合わせ工程が完了した後、続いて近接配置工程が行われる。この近接配置工程では、ワイピング機構40が、ワイピング機構押圧カム60の駆動により、図5中に示されるような、記録ヘッド11に近接したワイピング開始位置に配置される。より具体的には、カム部62が、カムモーター61の駆動に従って回動し、ワイピング機構フレーム43を押圧する。この押圧により、ワイピング機構40は、ノズル形成面11aに近接したワイピング開始位置に配置される。
【0054】
上記ワイピング開始位置において、キャリッジ13に対する清掃手段22の位置は、Y軸に沿った方向以外、前記初期位置と実質的に同様である。このワイピング開始位置では、Y軸に沿った方向において、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bのブレード部が、記録ヘッド11と重複する位置に配置される。言い換えると、上記ワイピング開始位置において、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bの他端部は、Y軸に沿った方向において、ノズル形成面11aより奥に配置される。
【0055】
(周縁部清掃工程)
近接配置工程が完了した後、続いて、周縁部清掃工程が行われる。この周縁部清掃工程では、第2ワイパーブレード41bにより、ノズル形成面11aにおいて、ノズル列を含まない領域のインクを拭き取る。以下により、この周縁部清掃工程について詳しく説明する。
【0056】
この周縁部清掃工程において、駆動部モーター51が駆動を開始する。駆動部モーター51は、駆動ギヤ54並びに第1軸中央ギヤ55cを介して第1軸52aを回転させる。第1軸一端ギヤ55a並びに第1軸他端ギヤ55bは、第1軸52aの回転とともに回転し、これらの夫々噛み合った第2軸一端ギヤ56a並びに第2軸他端ギヤ56bを回転させる。これとともに、第2軸一端ギヤ56a並びに第2軸他端ギヤ56bに夫々噛み合った第3軸ギヤ57a並びに第5軸ギヤ58aも、回転する。
【0057】
駆動部モーター51が駆動を開始する後において、クラッチ58bがonされ、第5軸52eと第6軸52fとが、接続される。即ち、前記第2駆動機構が駆動を開始する。なお、この接続により、第5並びに第6軸52e,fは、互いに連動して回動する。なお、クラッチ58bの接続は、駆動開始前に行うことも可能である。
【0058】
また、この周縁部清掃工程においては、クラッチ57bは、offされており、第3軸52cの回転は、第4軸52dに伝動されない。言い換えると、この周縁部清掃工程において、第1駆動機構は、駆動しない。従って、駆動部モーター51の駆動力は、第1ブレード保持部42aに提供されない。
【0059】
上記第2駆動機構の駆動により、第6軸52fは、第5軸52eと共に回転し、ピニオンギヤ59bを回転させる。ピニオンギヤ59bと噛み合わされているラック42gは、ピニオンギヤ59bの回転に伴って、Z軸ガイド棒42cの一端側から他端側に向けて移動を開始する。このため、ラック42gが固定されている第2ブレード保持部42bは、第2ワイパーブレード41bを伴ってZ軸に沿って移動を開始する。
【0060】
第2ワイパーブレード41bは、Z軸に沿って移動すると、まず、前記ブレード部がノズル形成面11aに接触する。なお、第2ワイパーブレード41bは、ブレード部が、Y軸に沿った方向において記録ヘッド11と重複する位置にあるため、図5中の一点鎖線で示されるように、上記接触により撓み、確実にノズル形成面11aと接触する。
【0061】
上述のように、第2ワイパーブレード41bは、X軸に沿った方向において、切り欠き部がノズル列上に配置されるように、ノズル形成面11aに対する位置が設定されている。また、前記切り欠き部の幅寸法は、第1ワイパーブレード41aより小さい。従って、図7(a)中に示すように、前記切り欠き部は、X軸に沿った方向において、リブ体接触領域101より内側に配置される。言い換えると、第2ワイパーブレード41bの2又に分かれた夫々のブレード部は、X軸に沿った方向において、リブ体接触領域101の内側からリブ体接触領域101を越えてノズル形成面11aの外縁に向かって延びている。このため、第2ワイパーブレード41bのブレード部は、幅方向(X軸に沿った方向)において、ノズル列以外のノズル形成面11aの幅全体と接触する。
【0062】
上記第2ワイパーブレード41bは、Z軸(ノズル列)に沿ってノズル形成面11a全体に渡って移動される。即ち、第2ワイパーブレード41bは、上記幅方向の接触部分で、Z軸に沿って、ノズル形成面11aを拭き取る。従って、第2ワイパーブレード41bの拭き取る領域である第2領域は、ノズル形成面11aにおいて、ノズル列以外の全体に渡って拡がる。より詳しくは、前記第2領域は、ノズル列以外のリブ体接触領域101の内側の領域を含む、ノズル形成面11aの全体である。このようにして、第2ワイパーブレード41bは、ノズル形成面11aのノズル列以外の周縁部を清掃する。
【0063】
第2ワイパーブレード41bが、Z軸に沿った方向において、ノズル形成面11aを越えて、ノズル形成面11aの外側に移動した際に、上記第2領域の拭き取りを完了する。拭き取りを完了した後、ワイピング機構押圧カム60は、ワイピング機構40に対する押圧を解除する。解除された際に、ワイピング機構40は、付勢部材43bの付勢力により、Y軸方向において、ノズル形成面11aから離間する方向に移動される。この移動により、第2ワイパーブレード41bは、ノズル形成面11aから離間する方向への退避され、ノズル形成面11aから離間する。また、第2ワイパーブレード41bが退避した際に、クラッチ58bは、offされる。クラッチ58bがoffされると、第2ブレード保持部42は、ワイパー駆動部50から開放され、付勢部材42eの付勢力により、移動開始前の位置(Z軸ガイド棒42cの一端の位置)に戻される。
【0064】
(ノズル列清掃工程)
周縁部清掃工程が終了した後、続いて、ノズル列近傍のインクを拭き取るノズル列清掃工程が行われる。このノズル列清掃工程において、クラッチ57bがonされ、第3軸52cと第4軸52dとが、接続される。即ち、第1駆動機構が駆動を開始する。なお、この接続により、第3並びに第4軸52c,dは、互いに連動して回動する。
【0065】
上記第1駆動機構の駆動により、第4軸52dは、第3軸52cと共に回転し、ピニオンギヤ59aを回転させる。ピニオンギヤ59aと噛み合ったラック42fは、ピニオンギヤ59aの回転に伴って、Z軸ガイド棒42cの一端側から他端側に向けて移動を開始する。このため、ラック42fが固定されている第1ブレード保持部42aは、第1ワイパーブレード41aを伴ってZ軸に沿って移動を開始する。
【0066】
なお、上記構成に示すように、Z軸ガイド棒42cには、第1ブレード保持部42aと共に、第2ブレード保持部42bが移動可能に支持されている。この第2ブレード保持部42bは、Z軸ガイド棒42c上において、第1ブレード保持部42aより他端側に配置されている。このため、第1ブレード保持部42aは、Z軸ガイド棒42cの一端から他端に向けて移動した場合、第2ブレード保持部42bと接触する。そして、第1ブレード保持部42aは、第2ブレード保持部42b押しながら、第2ブレード保持部42bと共に移動する。従って、第1ワイパーブレード41aは、第2ワイパーブレード41bの後に続いて、ノズル形成面11aを拭き取る。
【0067】
なお、第1ワイパーブレード41aは、上記構成に示したように、リブ体32の幅より小さい幅に形成されているため、図7(b)中に示すように、幅方向(X軸に沿った方向)において、リブ体接触領域101の内側のみと接触する。なお、第1ワイパーブレード41aは、Z軸に沿ってノズル形成面11a全体を拭き取る。従って、第1ワイパーブレード41aは、上記幅方向の接触部分で、Z軸に沿って、ノズル形成面11aを拭き取る。従って、第1ワイパーブレード41aが拭き取る領域である第1領域は、X軸方向においてリブ体接触領域101の内側で、Z軸方向においてノズル列以外の全体に渡って、拡がる。
【0068】
なお、上記構成に示すように、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、X軸方向において、互いに重複する部分を有している。具体的には、第1並びに第2ワイパーブレード41bは、X軸方向において、リブ体接触領域101の内側の領域で重複している。これにより、第2領域は、ノズル列以外のリブ体接触領域101の内側でかつノズル列以外の領域において、第1領域と重複している。従って、第1ワイパーブレード41aは、リブ体接触領域101近傍の領域を、第2ワイパー部材により拭き取られた後に、拭き取ることが出来る。このため、第1ワイパーブレード41aは、実質的にノズル列のみを拭き取る。
【0069】
上述のようにして、第1ワイパーブレード41aが、Z軸に沿った方向において、ノズル形成面11aを越えて、ノズル形成面11aの外側に移動した際に、上記第1領域の拭き取りを完了する。この第1領域の拭き取りが完了した後、ワイピング機構押圧カム60は、ワイピング機構40に対する押圧を解除する。解除された際に、ワイピング機構40は、付勢部材43bの付勢力により、Y軸に沿って、ノズル形成面11aから離間する方向に移動される。この移動により、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、ノズル形成面11aから離間する方向への退避され、ノズル形成面11aから離間する。また、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bが退避した際に、クラッチ57bは、offされる。クラッチ57bがoffされると、第1ブレード保持部42aは、ワイパー駆動部50から開放され、付勢部材42dの付勢力により、移動開始前の位置(Z軸ガイド棒42cの一端の位置)に戻される。また、第2ブレード保持部42bは、第1ブレード保持部42aによる押圧から開放されるため、付勢部材42eの付勢力により、移動開始前の位置に戻される。このようにしてノズル列清掃工程が終了し、上記清掃工程を完了する。
【0070】
上述のように、本実施の形態の清掃手段22において、第1ワイパーブレード41aは、第2ワイパーブレード41bにより一部分を拭き取られた後の第1領域を拭き取る。言い換えると、第2領域が、第1領域の少なくとも一部分を含んでいるとともに、第1ワイパーブレード41aは、第2ワイパーブレード41bが拭き取りを開始した後に拭き取りを開始する。従って、第1ワイパーブレード41aは、第2ワイパーブレード41bにより第1領域が拭き取られなかった場合に比べ、汚染されにくく、長期に渡って清掃能力を維持し得る。
【0071】
また、本実施の形態の第2ワイパーブレード41bは、ノズル列以外の領域を拭き取る。従って、第2ワイパーブレード41bは、ノズル列と接触しないため、自身の汚れにより、ノズル列を汚染することを防止し得る。特に、本実施の形態において、第2ワイパーブレード41bは、リブ体接触領域101を拭き取る。即ち、本実施の形態の清掃手段22は、ノズル列を拭き取らない第2ワイパーブレード41bにより、汚染度の高い領域を拭き取る。従って、本実施の形態の清掃手段22は、ノズル列を汚染することなく、汚染度の高い領域の汚染を清掃し得る。
【0072】
また、本実施の形態において、第2ワイパーブレード41bは、ノズル形成面11aに対して2回拭き取りを行っている。これにより、第2ワイパーブレード41bは、より確実に清掃を行い得る。
【0073】
また、第2ワイパーブレード41bの拭き取り回数は、第1ワイパーブレード41aより多い。このように本実施の形態の清掃手段22は、第1ワイパーブレード41aの拭き取り回数を抑え、第2ワイパーブレード41bの拭き取り回数を増やすように設定され得る。この拭き取り回数の設定により、汚染度の高い領域に対しては、複数回拭き取りを行うことが可能でありながら、ノズル列並びに第1ワイパーブレード41aの消耗(摩耗)を防止し得る。
【0074】
また、本実施の形態の第1ブレード保持部42aは、Z軸に沿って駆動した際に、第2ブレード保持部42bを押すことにより共に駆動させる。このため、第1ワイパーブレード41aは、確実に第2ワイパーブレード41bの拭き取り後に、拭き取りを行い得る。これとともに、上記構成により、第1駆動機構は、第2駆動機構を駆動させることなく、第1並びに第2ブレード保持部42a,bの駆動を制御し得る。
【0075】
また、本実施の形態の第1ブレード保持部42aは、ワイピング開始位置において、Z方向においてノズル形成面11aの外側に配置されている。しかしながら、Z軸に沿った方向において、第1ワイパーブレード41aの拭き取り開始位置は、リブ体接触領域101の内側に設定することも可能である。これにより、第1ワイパーブレード41aが、リブ体接触領域101近傍の粘度の高いインクに接触する可能性をより減少させ得る。第1ワイパーブレード41aの拭き取り開始位置を設定するために、前記初期位置での第1ワイパーブレードの位置を、Z軸方向において、リブ体接触領域101の内側に設定することは可能である。また、周縁部清掃工程後に、第1ワイパーブレード41aを、ノズル形成面11aから離間させた状態で、Z軸方向においてリブ体接触領域101の内側に移動させることも可能である。
【0076】
また、本実施の形態において、第1ブレード保持部42aは、Z軸方向において、ノズル形成面11aの外側に移動した際に、拭き取りを完了する。しかしながら、第1ブレード保持部42aは、リブ体接触領域101の内側の領域を拭き終えた際に、拭き取りを完了することも可能である。これにより、第1ワイパーブレード41aが、リブ体接触領域101近傍の粘度の高いインクに接触する可能性をより減少させ得る。リブ体接触領域101の内側で拭き取りを完了するために、ワイピング機構40は、リブ体接触領域101に接触する前に、ノズル形成面11aから離間する方向へ退避される。より具体的には、第1ワイパーブレード41aがリブ体接触領域101の内側の領域の拭き取りを開始した後においてリブ体接触領域101に接触する前に、ワイピング機構押圧カム60は、ワイピング機構フレーム43に対する押圧を解除し、第1ワイパーブレード41aを退避させる。なお、第1ワイパーブレード41aは、リブ体接触領域101の内側のみを拭き取ることが、清掃能力維持の点において好ましい。言い換えると、第1領域は、リブ体接触領域101の内側のみに設定されることが好ましい。
【0077】
また、本実施の形態において、第1並びに第2ワイパーブレード41a、bは、Z軸ガイド棒42cの一端から他端への一方においてのみ、拭き取りを行っている。しかしながら、第1並びに第2ワイパーブレード41a、bは、ノズル形成面11aを往復で拭き取ることも可能である。しかしながら、往復で拭き取りを行った場合、往路で拭き取った汚れは、復路で再びノズル形成面11aに付着してしまう虞がある。従って、第1並びに第2ワイパーブレード41a、bは、ノズル形成面11aに対して、一方向での拭き取りが好ましい。
【0078】
また、本実施の形態において、第1並びに第2駆動機構は、ラック42f,gと、ピニオンギヤ59a,bにより構成されるラックピニオン機構により構成されているが、第1並びに第2保持部42a,bをZ軸に沿って駆動させ得れば、他のいかなる公知の駆動機構に代替え可能である。
【0079】
また、本実施の形態において、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、夫々一枚づつであるが、図8(a)乃至(d)中に示すように、複数枚設けられ得る。具体的には、第2ワイパーブレード41bは、図8(a)中に示すように、X軸に沿って複数枚設けられ得る。この場合、互いに隣接する第2ワイパーブレード41bを、切り欠き部の幅寸法と同様に離間させることにより、切り欠き部を省き得る。
【0080】
また、第2ワイパーブレード41bは、図8(b)中に示すように、Z軸に沿って複数設けられ得る。このように、第2ワイパーブレード41bは、Z軸に沿って設けられた場合、第2ブレード保持部42bの1回の駆動により、枚数と同数の拭き取りを行い得る。従って、上記第2ワイパーブレード41bの配置は、拭き取りの高速化に関して好ましい。同様に、図8(c)中に示すように、第1ワイパーブレード41aも、Z軸に沿って複数枚設けることが可能である。
【0081】
また、図8(d)中に示すように、異なる形状の第1ワイパーブレード41a_1及び2をZ軸に沿って設けることも可能である。第1ワイパーブレード41a_1は、ノズル列と実質的に同一の幅寸法を有しており、第1ワイパーブレード41a_2は、X軸に沿ってリブ体接触領域101より小さい幅寸法でかつ、ノズル列より大きい幅寸法を有している。このように、ノズル列を拭き取る第1ワイパーブレード41a_1と、リブ体接触領域101内であるがノズル列以外を拭き取る第1ワイパーブレード41a_2とを有することも可能である。この場合、ノズル列を拭き取る第1ワイパーブレード41a_1は、粘度の高いインクと接触する可能性がより減少し、より長期に渡って清掃能力を維持し得る。なお、第1ワイパーブレード41a_1及び2は、互いの拭き取る領域の少なくとも一部分を重複させ得る。
【0082】
また、本実施の形態の第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、種々の形状にされ得る。例えば、第1ワイパーブレード41aは、図9(a)中に示されるように、拭き取りの際の進行方向に対して傾斜した傾斜部を有し得る。第1ワイパーブレード41aは、上記傾斜部を有している場合、拭き取るインク等を幅方向外側に移動させ得る。従って、第1ワイパーブレード41aは、前記インクをインク列から幅方向において遠ざけることが可能であり、より効率的に、ノズル列の汚染を防止し得る。第1ワイパーブレード41aは、図9(b)中に示されるように、全体に渡って傾斜することも可能である。また、第1ワイパーブレード41aは、図9(c)中に示されるように、幅方向の中央部が突出するように傾斜部を有することが可能である。また、第1ワイパーブレード41aは、図9(d)中のように、湾曲面により、拭き取りの際の進行方向に対して実質的に拭き取り方向に対して傾斜した傾斜部を設けることも可能である。
【0083】
同様に、第2ワイパーブレード41bも、図9(e),(f)中に示されるように、拭き取りの際の進行方向に対して傾斜した傾斜部を有することが可能である。この場合も、第2ワイパーブレード41bは、拭き取るインクを幅方向外側に移動させ得るため、好ましい。なお、第1並びに2ワイパーブレード41a,bは、拭き取りの際に、ブレード部を撓ませることにより、傾斜部を発生させることも可能である。例えば、第2ワイパーブレード41bは、図9(g)中に示されように、幅方向において、端部近傍の外側部分P1を、切り欠き部の近傍の内側部分P2より撓み易く構成する。これにより、外側部分P1は、拭き取り時において、ノズル形成面11aからの摩擦力などにより、図9(h)に示されるように撓み、前記傾斜部を有するように変形され得る。
【0084】
また、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、ブレード部に、図9(i)中に示されるように、拭き取り時の進行方向に沿って突出するエッジを有し得る。上記構成により、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、より確実にインクなどの汚れを拭き取り得る。
【0085】
なお、本実施の形態において、第2ワイパーブレード41bの切り欠き部は、図6並びに図7(a)中に示されるように、矩形形状を有しているが、三角形形状であってもいいし、幅方向において2つのブレード部をノズル列と接触しないように離間させ得ればいかなる形状にもされ得る。
【0086】
また、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、図10中に示されるように、単一のブレード保持部42hにより保持され得る。上記構成により、ワイピング機構40の構成をより簡単にし得る。なお、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、ブレード保持部42hと一体的に構成することも可能である。この場合、これらをより簡単に製造し得る。なお、この構成においても、第1並びに第2ワイパーブレード41a,bは、上述した傾斜部を有する構成にされ得る。例えば、図11中の第2ワイパーブレード41bは、図9(e)中の第2ワイパーブレード41bと実質的に同一の構成を有している。この構成により、ワイピング機構40は、より確実に汚染を拭き取り得る。
【0087】
これまで、実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0088】
【発明の効果】
本発明は、長期に渡って清掃能力を維持し得るワイピング手段を有する画像記録装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の1つの実施の形態に従った画像記録装置を示す概略図である。
【図2】図2は、図1中のキャッピング手段を示す概略的な斜視図である。
【図3】図3は、図2中のキャッピング手段を示す概略的な断面図である。
【図4】図4は、図1中のワイピング機構を示す正面図である。
【図5】図5は、図4中の切断線A−Aに沿った断面図である。
【図6】図6は、図4中の切断線B−Bに沿った断面図である。
【図7】図7(a)は、図4中のワイピング機構において、第2ワイパーブレードの拭き取り動作を示す概略図である。
図7(b)は、図4中のワイピング機構において、第1ワイパーブレードの拭き取り動作を示す概略図である。
【図8】図8(a)は、第2ワイパーブレードの変形例を示す略図である。
図8(b)は、図4中のワイピング機構の変形例を示す略図である。
図8(c)は、図4中のワイピング機構の他の変形例を示す略図である。
図8(d)は、図4中のワイピング機構のさらに他の変形例を示す略図である。
【図9】図9(a)は、第1ワイパーブレードの変形例を示す概略図である。
図9(b)は、第1ワイパーブレードの他の変形例を示す概略図である。
図9(c)は、第1ワイパーブレードのさらに他の変形例を示す概略図である。
図9(d)は、第1ワイパーブレードのさらに他の変形例を示す概略図である。
図9(e)は、第2ワイパーブレードの他の変形例を示す概略図である。
図9(f)は、第2ワイパーブレードのさらに他の変形例を示す概略図である。
図9(g)は、第2ワイパーブレードのさらに他の変形例を示す概略図である。
図9(h)は、図9(g)中の第2ワイパーブレードを示す概略図である。
図9(i)は、第1並びに2ワイパーブレードのさらに他の変形例を示す概略図である。
【図10】図10は、図4中のワイピング機構の他の変形例を示す略図である。
【図11】図11は、図4中のワイピング機構のさらに他の変形例を示す略図である。
【符号の説明】
1…画像記録装置、1a…記録装置フレーム、11…記録ヘッド、11a…ノズル形成面、11b…ノズル、12…記録媒体搬送機構、13…キャリッジ、14…ガイドレール、15…キャリッジ駆動部、20…メンテナンス機構、21…キャッピング手段、22…清掃手段、30…キャップ、31…キャップ本体、32…リブ体、40…ワイピング機構、41a,41a_1,41a_2…第1ワイパーブレード、41b…第2ワイパーブレード、42a.b…ブレード保持部、42c…Z軸ガイド棒、42d.e…付勢部材、42f.g…ラック、42a…第1ブレード保持部、42f,g…ラック、42b…第2ブレード保持部、42d,e…付勢部材、43…ワイピング機構フレーム、43a…Y軸ガイド棒、43b…付勢部材、50…ワイパー駆動部、51…駆動部モーター、53…駆動部フレーム、54…駆動ギヤ、59a,b…ピニオンギヤ、60…ワイピング機構押圧カム、101…リブ体接触領域
Claims (12)
- 複数のノズルからなるノズル列を備えているノズル形成面を有し、当該複数のノズルからインクを吐出する記録ヘッドと;
前記ノズル形成面を拭き取るためのワイピング手段とを具備し、
前記ワイピング手段は、
前記記録ヘッドのノズル形成面のうち、前記ノズル列が形成されている部分を含み、前記ノズル列と平行な方向に延びる第1領域を、前記ノズル列に沿って拭き取る第1ワイパーブレードと、
前記ノズル形成面上の前記第1領域以外の少なくとも一部分と、前記第1領域の少なくとも一部分とを含む第2領域を、前記ノズル列に沿って拭き取る第2ワイパーブレードと、を有し、
前記第1ワイパーブレードは、前記第2ワイパーブレードが拭き取りを開始した後に、拭き取りを開始する画像記録装置。 - 前記第2領域は、前記ノズル列が形成されている部分以外の領域である請求項1に記載の画像記録装置。
- 非記録時に前記ノズル形成面と密着し、前記記録ヘッドのメンテナンスを行うキャップをさらに有し、
前記第2領域は、前記キャップとノズル形成面とが接触する領域を含んでいる請求項1又は2に記載の画像記録装置。 - 前記第1並びに第2ワイパーブレードは、一方向に拭き取りを行う請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録装置。
- 前記ワイピング手段は、
前記第1ワイパーブレードを保持する第1保持部と、前記第1保持部をノズル列方向と平行な方向に駆動させる第1駆動部とを有する第1駆動機構と、
前記第2ワイパーブレードを保持する第2保持部と、前記第2保持部をノズル列方向と平行な方向に駆動させる第2駆動部とを有する第2駆動機構と、
を含み、
前記第1駆動機構は、前記第2駆動機構が駆動を開始した後に、駆動を開始する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。 - 前記第1並びに第2駆動機構は、前記第2ワイパーブレードを駆動させる回数を、前記第1ワイパーブレードを駆動させる回数よりも多くなるように、対応する前記第1並びに第2保持部を駆動させることを特徴とする請求項5に記載の画像記録装置。
- 前記第1保持部は、駆動した際に、前記第2保持部を駆動させる請求項6に記載の画像記録装置。
- 前記ワイピング手段は、
前記第1並びに第2ワイパーブレードを保持する保持部と、
前記保持部をノズル列と平行な方向に駆動させる駆動部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。 - 前記第1並びに第2ワイパーブレードと、前記保持部とは一体的に形成されている請求項8に記載の画像記録装置。
- 前記第2ワイパーブレードは、前記ノズル列方向に対して傾斜している請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記第2ワイパーブレードは、前記ノズル形成面と当接される部分にエッジが設けられている請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記第2ワイパーブレードは、複数枚のブレードにより構成されている請求項1に記載の画像記録装置。
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- 2003-06-18 JP JP2003173527A patent/JP2005007711A/ja not_active Withdrawn
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