JP6340539B1 - 塗料組成物、硬化膜、硬化膜を備えた物品 - Google Patents

塗料組成物、硬化膜、硬化膜を備えた物品 Download PDF

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Abstract

【課題】摩擦抵抗が低く、耐擦傷性および耐溶剤性に優れ、かつ、防曇性能が良好な硬化膜を形成可能な塗料組成物を提供することを目的とする。【解決手段】特定のモノマー(a−1)〜(a−4)に由来する構成単位をそれぞれ特定の割合を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)、1分子中に2以上の水酸基を有し、ポリオール化合物(B)、多官能イソシアネート化合物(C)を含み、前記多官能イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数(NCO)と、前記樹脂(A)に含まれる水酸基の数および前記ポリオール化合物(B)に含まれる水酸基の数を足し合わせた総量(OH)との比(NCO)/(OH)が、0.15以上0.55以下である、塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物、硬化膜、硬化膜を備えた物品に関する。
自動車用のヘッドランプ、メーターパネル、窓ガラス、レンズ、鏡などの物品が、湿気の多い場所で「曇る」ことを防ぐための技術が種々検討されている。特に、物品表面に塗装して硬化させることにより、防曇性の硬化膜を形成可能な組成物(防曇用の塗料組成物)が盛んに検討されている。
例えば、特許文献1には、共重合体と、多官能ブロックイソシアネート化合物と、界面活性剤とを必須成分とする組成物が記載されている。より具体的には、実施例においては、N,N−ジメチルアクリルアミド、ブチルアクリレートおよび2−ヒドロキシアクリレート(またはポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート)の共重合体、多官能ブロックイソシアネート化合物、界面活性剤等を含む組成物が記載されている。
別の例として、特許文献2には、特定のアクリル樹脂(アセトアセトキシ基及びメタクリロイルオキシ基を有するモノマーに由来するモノマー単位と、(メタ)アクリルアミド基を有するモノマーに由来するモノマー単位と、ポリジメチルシロキサン鎖とを有するアクリル樹脂)と、多官能性モノマーとを含む塗料組成物が記載されている。より具体的には、実施例において、ジメチルアクリルアミド、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサンおよびメタクリル酸メチルの共重合体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジアザビシクロウンデセン等を含む塗料組成物が記載されている。
特開2016−169288号公報 特開2015−140423号公報
上記のように、防曇用の塗料組成物は盛んに検討されている。
しかしながら、市場においては、その使用用途に応じた防曇用の塗料組成物の更なる改良が求められている。
例えば、ヘッドランプやメーターパネルなど、通常、人の手が触れないような場所に適用される防曇用の塗料組成物であれば、上記列挙した文献記載の塗料組成物でも問題は生じにくいと考えられる。
しかし、窓ガラス、レンズ、鏡など、人の手が触れたり、生活溶剤などに晒されるような物品で使用される場合では、単に防曇性能が良好なだけでなく、摩擦抵抗(例えば、汚れなどを拭き取る際の)が低い、傷がつきにくい、有機溶剤(例えば、家庭で良く使われるアルコールなど)に侵されにくい、といった機能が必要となる。このためこれらの性能を満足した硬化膜を形成可能な塗料組成物が求められている。
よって、本発明は、摩擦抵抗が低く、耐擦傷性および耐溶剤性に優れ、かつ、防曇性能が良好な硬化膜を形成可能な塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、検討の結果、以下に提供される発明をなし、上記課題を達成できることを見出した。
本発明によれば、以下の塗料組成物が提供される。
下記一般式(1)で表されるモノマー(a−1)に由来する構成単位、下記一般式(2)で表されるモノマー(a−2)に由来する構成単位、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a−3)に由来する構成単位、および、下記一般式(3)で表されるモノマー(a−4)に由来する構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)、
ポリオール化合物(B)、
および、
多官能イソシアネート化合物(C)、を含み、
前記樹脂(A)は、当該樹脂を構成する全構成単位100質量%に対し、
モノマー(a−1)に由来する構成単位の割合が20質量%以上65質量%以下、
モノマー(a−2)に由来する構成単位の割合が10質量%以上40質量%以下、
モノマー(a−4)に由来する構成単位の割合が1質量%以上10質量%以下、であり、
前記多官能イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数(NCO)と、前記共重合体に含まれる水酸基の数および前記ポリオール化合物に含まれる水酸基の数を足し合わせた総量(OH)との比(NCO)/(OH)が、0.15以上0.55以下である、
塗料組成物。
(一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基で、R及びRは水素原子又は炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、R及びRはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
(一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基で、nは1〜5の整数である。)
(一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基で、Rは2価の有機基、nは0又は1以上の整数である。)
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタアクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
また、本明細書中、モノマー(a−1)に由来する構成単位を、「構成単位(a−1)」、モノマー(a−2)に由来する構成単位を、「構成単位(a−2)」、モノマー(a−3)に由来する構成単位を、「構成単位(a−3)」、モノマー(a−1)に由来する構成単位を、「構成単位(a−4)」と呼ぶこともある。
<塗料組成物>
本実施形態の塗料組成物は、
塗料組成物であって、
下記一般式(1)で表されるモノマー(a−1)に由来する構成単位、下記一般式(2)
で表されるモノマー(a−2)に由来する構成単位、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a−3)に由来する構成単位、および、下記一般式(3)で表されるモノマー(a−4)に由来する構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)、
ポリオール化合物(B)、
および、
多官能イソシアネート化合物(C)、を含み、
前記共重合体は、当該共重合体を構成する全モノマー100質量%に対し、
モノマー(a−1)に由来する構成単位の割合が20質量%以上65質量%以下、
モノマー(a−2)に由来する構成単位の割合が10質量%以上40質量%以下、
モノマー(a−3)に由来する構成単位の割合が1質量%以上10質量%以下、であり、
前記多官能イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数(NCO)と、前記共重合体に含まれる水酸基の数および前記ポリオール化合物に含まれる水酸基の数を足し合わせた総量(OH)との比(NCO)/(OH)が、0.15以上0.55以下である。
(一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基で、R及びRは水素原子又は炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、R及びRはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
(一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基で、nは1〜5の整数である。)
(一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基で、Rは2価の有機基、nは0又は1以上の整数である。)
本実施形態の塗料組成物により、摩擦抵抗が低く、耐擦傷性および耐溶剤性に優れ、かつ、防曇性能が良好な硬化膜を形成可能な理由は、必ずしも全てが明らかではないが、以下のように説明することができる。
まず、硬化膜の防曇性能について説明する。
樹脂(A)に含まれる構成単位(a−1)はアミド基を有しており、親水性が大きく、水分を抱え込みやすい。このため、湿気がある場所では、アミド基が存在していることにより、硬化膜表面に付着した水分は、硬化内部へと吸収され、その結果として、硬化膜表面での曇り発生が生じ難くなる。すなわち、樹脂(A)中に適切な範囲の量の構成単位(a−1)が含まれることにより、硬化膜に防曇性が付与されると考えられる。
ただし、硬化膜の架橋密度があまり高すぎると、水分が入り込む隙間が小さくなってしまい、水分が吸収されにくくなって硬化膜の防曇性能は低下してしまう。このため、単に樹脂(A)が構成単位(a−1)を有していれば良いというものではなく、硬化膜中に適切な大きさの空間が存在することが必要と考えられる。そこで、樹脂(A)に対し、多官能イソシアネート化合物(C)のみを配合して硬化膜を形成させるのではなく、さらにポリオール化合物(B)を配合することで、硬化膜として必要な架橋密度を保ちつつ、水分が十分に吸収されるような隙間を存在させることができると考えられる。
これはポリオール化合物(B)が、樹脂(A)と多官能イソシアネート化合物との間に入り込んで反応し、要するに、ポリオール化合物(B)が橋渡し的な役割を担うことで、上記のような効果を生み出していると推測される。
次に、硬化膜の耐擦傷性について説明する。
樹脂(A)に含まれる構成単位(a−2)は、いわゆるポリカプロラクトン構造を有する構成単位であるが、このポリカプロラクトン構造は、その柔軟な化学骨格により硬化膜の柔軟性・弾力性の向上に寄与する。一方で、構成単位(a−4)が有するポリジメチルシロキサン鎖は、硬化膜に対して滑り性の向上に寄与する。
そうすると、硬化膜に外力が加わった際には、硬化膜の柔軟性・弾力性によって外力を吸収しつつ、滑り性によって外力を硬化膜外へ逃がすという、上記の2つの効果が相乗的に発現し、その結果として硬化膜には傷が付きにくくなる、すなわち耐擦傷性に優れた硬化膜となると考えられる。
なお、構成単位(a−2)はその末端に水酸基を有しているため、多官能イソシアネート化合物(C)と架橋反応を起こし、硬化膜の形成に寄与するものであるが、樹脂(A)と多官能イソシアネート化合物(C)との架橋反応を、構成単位(a−2)の有する水酸基のみに依存してしまうと、硬化膜が柔らかくなりすぎてしまい、硬化膜としては柔軟性はあるものの弾力性が失われてしまう。このため、樹脂(A)としては、構成単位(a−2)のみならず、構成単位(a−2)よりも“硬い”構成単位(a−3)(水酸基を含むもの)を含むことにより、柔軟性と弾力のバランスの取れた性能を発揮する硬化膜を形成することができると考えられる。
続いて、硬化膜の摩擦抵抗を低くすること(滑り性の向上)について説明する。
樹脂(A)は、形成される硬化膜に耐擦傷性を付与するため、前述したようにポリカプロラクトン構造が組み込まれることを必要とする。しかし、このポリカプロラクトン構造は、硬化膜に柔軟性が付与する一方、硬化膜の摩擦抵抗は高めてしまうと考えられる。要するに、人の指等で硬化膜上を撫でたりすると、抵抗感(指が引っかかるような感触)を感じやすくなる。
一方、前述したとおり、樹脂(A)に含まれる構成単位(a−4)はポリジメチルシロキサン鎖を有しているために、硬化膜に対して滑り性を与え、硬化膜の摩擦抵抗を低減する方向へ働く。しかし、構成単位(a−4)は、構成単位(a−2)よりも樹脂(A)中の存在比率が低いため、前述したように耐擦傷性は満足したとしても、摩擦抵抗を低くするのには十分ではないと考えられる。つまり、硬化膜に対する抵抗感を減らすためには、滑り性だけではなく、ある程度の硬さが必要であると考えられる。
そこで、樹脂(A)中の、水酸基を有する構成単位(a−2)および構成単位(a−3)のバランス(量比)を取りつつ、当量比(NCO/OH)を1よりも小さい特定の範囲に設定することによって、摩擦抵抗が向上する程度にまで硬化膜の硬さ上げることができると考えられる。当量比(NCO/OH)が1よりも小さいというのは、水酸基よりもイソシアネート基が少ないことを意味する。
これは、水酸基よりもイソシアネート基の数を少なくすることで、架橋に関与しないイソシアネート基は減少することになる。つまり、硬化膜は架橋密度が高くなり、結果として硬化膜としては硬さが向上し、摩擦抵抗が小さくなると考えられる。ただし、あまりにも当量比を小さくしすぎると、硬化膜形成の基礎となる架橋点そのものが少なくなりすぎて、硬化膜そのものの強度が低下してしまうと考えられる。このため、当量比としては、1よりも小さく、かつ、特定の適切な範囲であることが必要と考えられる。
以上説明したとおり、当量比を1よりも小さく、かつ、適切な範囲に設定することで、硬化膜としては柔軟性を持ちつつも、硬さが向上し、硬化膜としては耐擦傷性を有するだけでなく、摩擦抵抗の低減を可能としていると推測される。
最後に、硬化膜の耐溶剤性について説明する。
これは前述の摩擦抵抗の低くすることと同様の手法、つまり、硬化膜の架橋密度を高くすることで耐溶剤性が発揮されると考えられる。すなわち、樹脂(A)中の、水酸基を有する構成単位(a−2)および構成単位(a−3)の構成バランスを取りつつ、かつ、当量比(NCO/OH)を1よりも小さい特定の範囲に設定することで、硬化膜の架橋密度を高くすることが可能となる。これにより溶剤分子が硬化膜中に入り込む隙間が減り、硬化膜は耐溶剤性が向上すると考えられる。
なお、前述したとおり、硬化膜が防曇性能を発揮するためには、水を吸収するための隙間を必要としつつも、その隙間としては、溶剤分子が入り込みにくくするという、相反するものでなければならない。本実施形態の塗料組成物では、前記の通り、樹脂(A)の組成や、ポリオール化合物(B)を必要としつつ、さらに当量比を1よりも小さくしつつ適切な範囲とすることなど、極めて緻密な構成要件とすることで、水を吸収しつつも溶剤分子を排除するような緻密な隙間が形成されていると推測される。
以上の説明についてまとめると以下のようになる。
防曇性能を向上させるためには、硬化膜中に水が入り込むことができるような適切な隙間を必要とするが、これはすなわち硬化膜の架橋密度を高くしすぎないことが必要と考えられる。一方で、摩擦抵抗を低くすることと、耐溶剤性を向上させることはいずれも硬化膜の架橋密度を高めることにより達成されると考えられる。つまり、防曇性能と、摩擦抵抗の低減および耐溶剤性の向上とは、トレードオフの関係に立つ。
このため、本実施形態では上記課題を全て満足させるべく、樹脂(A)に含まれる各構成単位の構成比率の選択や、適切なポリオール化合物の選定、さらには当量比(NCO/OH)の適切な範囲の設定など、塗料組成物全体としてバランスを取ることにより、全ての課題を万遍なく解決できる組成物が得られていると考えられる。
本実施形態の塗料組成物の含有成分について、以下説明する。
[(メタ)アクリル系樹脂(A)]
本実施形態の塗料組成物は、(メタ)アクリル系樹脂、すなわち、下記一般式(1)で表されるモノマー(a−1)に由来する構成単位、下記一般式(2)で表されるモノマー(a−2)に由来する構成単位、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a−3)に由来する構成単位、および、下記一般式(3)で表されるモノマー(a−4)に由来する構成単位を有する(メタ)アクリル樹脂を含む。
前述したように、構成単位(a−1)が主として水(湿気)の吸収に関与しているものと考えられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、典型的には、モノマー(a−1)、モノマー(a−2)、モノマー(a−3)およびモノマー(a−4)を重合させることで得ることができる。重合方法の詳細については後に述べる。
なお、本実施形態においては、(メタ)アクリル系樹脂(A)を構成する構成単位の100%が、(メタ)アクリル系のモノマーに由来する構成単位でなくてもよい。すなわち、(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系ではないモノマーに由来する構成単位を一部(全部ではない)含んでいてもよい。
ただし、(メタ)アクリル構造に由来する効果を十二分に得るためには、(メタ)アクリル系樹脂(A)は、全構成単位中の50質量%以上が、(メタ)アクリル系のモノマーに由来する構成単位であることが好ましい。より好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂の全構成単位中の80質量%以上が、(メタ)アクリル系のモノマーに由来する構成単位である。さらに好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂の全て(100%)の構成単位が、(メタ)アクリル系のモノマーに由来する構成単位である。
モノマー(a−1)は、前述の一般式(1)の構造を持つものであれば特に限定されない。具体的には、(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
モノマー(a−1)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、上記に挙げたモノマーのうち2種以上を用いて重合反応を行うことで(メタ)アクリル系樹脂を得てもよい。
モノマー(a−1)は、硬化膜の呼気防曇性能の向上や、スチーム試験における曇りの発生を抑制する効果が高い観点から、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドを含むことが特に好ましい。
本実施形態において、(メタ)アクリル系樹脂中のモノマー(a−1)に由来する構成単位は、当該樹脂の全構成単位に対して、20〜65質量%含む。好ましくは35〜60質量%、より好ましくは40〜55質量%である。モノマー(a−1)に由来する構成単位が20質量%未満では、実用に適した防曇性能を発揮する硬化膜を形成することが困難であり、一方で65質量%を越えると、相対的に他のモノマーに由来する構成単位の比率が低下するために組成物全体としてのバランスを欠くことになり、適切ではない。
モノマー(a−2)は、前述の一般式(2)の構造を持つものであれば特に限定されない。一般式(2)によって表される化合物としては、例えば、株式会社ダイセルの商品名「プラクセルF」シリーズが挙げられる。
モノマー(a−2)に由来する構成単位は、前述のとおり硬化膜に柔軟性・弾力性を付与するという点で、本実施形態では必須の構成要素となる。
本実施形態において、(メタ)アクリル系樹脂は、モノマー(a−2)に由来する構成単位を、当該樹脂の全構成単位に対して、10〜40質量%含む。好ましくは20〜38質量%、特に好ましくは25〜35質量%である。
モノマー(a−2)に由来する構成単位が10質量%未満では、硬化膜の柔軟性が不十分となり、一方で40質量%を越えると、硬化膜の弾力性が不十分なものとなる。
(メタ)アクリル系樹脂は、モノマー(a−2)に由来する繰り返し単位を複数種含んでいてもよい。例えば、上記に挙げた「プラクセルF」シリーズのうち2種以上を用いて重合反応を行うことで(メタ)アクリル系樹脂を得てもよい。
モノマー(a−3)はヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートである。この具体例としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。本実施形態においては、これらの中でもヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
本実施形態において、(メタ)アクリル系樹脂中のモノマー(a−3)に由来する構成単位は、(メタ)アクリル系樹脂の全構成単位に対して、1〜30質量%含むことが好ましい。より好ましくは2〜20質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。
なお、モノマー(a−3)は、モノマー(a−2)と同様に水酸基を有し、後述する多官能イソシアネート化合物と架橋反応を起こし、硬化膜を形成する。
本実施形態においては、モノマー(a−2)だけで架橋反応を生じさせ、硬化膜を形成するのではなく、モノマー(a−3)とともに多官能イソシアネート化合物と架橋反応を生じさせることで種々の物性を兼ね備えた硬化膜とすることができる。
前述したように、(メタ)アクリル系樹脂は、モノマー(a−2)およびモノマー(a−3)に由来する構成単位を含むため、全体として水酸基を有する、すなわち水酸基価を有する樹脂である。このため、後述のポリオール化合物とともに、後述の多官能イソシアネート化合物と反応し、架橋構造を形成することができる。
(メタ)アクリル系樹脂の水酸基価は、40〜150mgKOH/gであることが好ましく、70〜140mgKOH/gであることがより好ましく、90〜130mgKOH/gであることが特に好ましい。
この数値範囲とすることで、ポリオール化合物(後述)とともに、多官能イソシアネート化合物(後述)と反応し、架橋構造が適切に制御される。そのため、硬化膜の柔軟性・弾力性を維持しつつ、硬化膜を硬くすることが可能となる。よって、硬化膜の耐擦傷性、摩擦抵抗の低減、および耐溶剤性との、より高度な両立が図れると考えられる。
なお、水酸基価とは、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数のことである。
であるためである。
モノマー(a−4)は、前述の一般式(3)の構造を持つものであれば特に限定されない。一般式(4)によって表される化合物としては、例えば市販されているものとして、JNC株式会社製:サイラプレーン:FM−0711、FM−0721、FM−0725等、信越化学工業株式会社製:X−22−174DX、X−22−2426等、及び、東亞合成株式会社製:AK−5、AK−32等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、モノマー(a−4)に由来する繰り返し単位を複数種含んでいてもよい。例えば、上記に挙げたモノマーのうち2種以上を用いて重合反応を行うことで(メタ)アクリル系樹脂を得てもよい。
本実施形態において、(メタ)アクリル系樹脂中のモノマー(a−4)に由来する構成単位は、当該樹脂の全構成単位に対して、1〜10質量%含む。好ましくは2〜8質量%、より好ましくは3〜7質量%である。
モノマー(a−4)に由来する構成単位が1質量%未満では耐擦傷性を満足する硬化膜を得ることができない。一方で10質量%を越える場合は、均質な樹脂(A)を合成することが難しくなる。これは、モノマー(a−1)がアミド基という、極めて水になじみやすい親水性のモノマーであることに対し、モノマー(a−4)は比較的疎水性に強いモノマーであるため、お互いに混ざり難いためである。
(メタ)アクリル系樹脂は、構成単位(a−1)、構成単位(a−2)、構成単位(a−3)、および構成単位(a−4)以外の任意の構成単位(構成単位(a−5))を含んでもよいし、含まなくてもよい。構成単位(a−5)としては、例えば、以下で表されるモノマーに由来する構成単位が挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂にこのような構成単位を含めることで、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度や、硬化膜の物性(硬化膜の硬さ、柔らかさなど)の調整・最適化をすることができる。
構成単位(a−5)としては、一般式CH=CR−COO−R’において、Rが水素原子またはメチル基であり、R’が、アルキル基、単環または多環のシクロアルキル基、アリール基、またはアラルキル基であるモノマー由来の構成単位であることが挙げられる。
このモノマーの具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、R’が炭素数1〜8のアルキル基であるものが好ましく、R’が1〜6のアルキル基であるものがより好ましく、R’が1〜4のアルキル基であるものがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂は、構成単位(a−5)に該当する繰り返し単位を複数種含んでいてもよい。例えば、上記で具体例として挙げられたモノマーのうち2種以上を用いて重合反応を行うことで(メタ)アクリル系樹脂を得てもよい。
(メタ)アクリル系樹脂が構成単位(a−5)を含む場合、その含有量は、(メタ)アクリル系樹脂の全構成単位に対して、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは3〜30質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。
(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定はされないが、10,000〜100,000であることが好ましく、20,000〜70,000であることがより好ましく、30,000〜60,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が10,000以上であれば、得たい防曇性能を得られやすい傾向があり、100,000以下であれば、被塗物に塗装する際の塗装適性に優れる傾向がある。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準物質としてポリスチレンを用いることで求めることができる。
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、特に限定されないが、好ましくは20〜120℃、より好ましくは30〜110℃、さらに好ましくは35〜100℃である。
なお、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、種々の方法で求めることが可能であるが、例えば以下のフォックス(Fox)の式に基づいて求めることができる。
1/Tg=(W/Tg)+(W/Tg)+(W/Tg)+・・・・+(W/Tg
〔式中、Tgは、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度(K)、W、W、W・・・Wは、それぞれのモノマーの質量分率、Tg、Tg、Tg・・・・Tgは、それぞれ各モノマーの質量分率に対応するモノマーからなる単独重合体のガラス転移温度(K)を示す。〕
本明細書において、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度(硬化膜のガラス転移温度ではなく、(メタ)アクリル系樹脂単独のガラス転移温度)は、上記式に基づいて求められたガラス転移温度を意味する。なお、特殊モノマー、多官能モノマーなどのようにガラス転移温度が不明のモノマーについては、ガラス転移温度が判明しているモノマーのみを用いてガラス転移温度が求められる。
(メタ)アクリル系樹脂は、典型的には重合反応により得ることができる。重合反応としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合などの各種方法であればよく、この中でもラジカル重合が好ましい。また、重合は、溶液重合、懸濁重合、および乳化重合などのいずれであってもよい。これらのうち、重合の精密な制御等の観点から、溶液重合が好ましい。
ラジカル重合の重合開始剤としては、公知のものを用いることができる。たとえば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、および2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクタノエート、ジイソブチルパーオキサイド、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシピバレート、デカノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、およびt−ブチルパーオキシベンゾエートなどの過酸化物系開始剤、過酸化水素と鉄(II)塩、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなど、酸化剤と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の配合量は、特に限定されないが、重合するモノマーの混合液全体を100質量部とした場合に、0.001〜10質量部とすることが好ましい。
また、重合反応に際しては、適宜、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤、分子量調整剤などを用いてもよい。さらに、重合反応は、1段階で行ってもよいし、2段階以上で行ってもよい。重合反応の温度は特に限定されないが、典型的には50℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃の範囲内である。
[ポリオール化合物(B)]
本実施形態の塗料組成物は、ポリオール化合物を含む。ポリオール化合物は、(メタ)アクリル系樹脂とともに後述の多官能イソシアネート化合物と反応し、硬化膜を形成する。
ポリオール化合物が1分子中に有する水酸基の個数は2以上で、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4である。
ポリオール化合物は、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびポリエーテルポリオールからなる群より選択される少なくとも1種以上のポリオール化合物を含むことが好ましい。これらの化学構造は、適度に柔軟で、かつ弾力性を有している。このため、硬化膜の柔軟性・弾力性をより高めることができる。
ポリカプロラクトンポリオールは、一分子中に、カプロラクトンの開環構造および2以上の水酸基を有する化合物であれば特に制限なく使用可能であるが、具体的には、以下の一般式(P−1)〜(P−3)のいずれかで表されるポリオールが挙げられる。
一般式(P−1)において、
Rは、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、例えば、−CH−や−C−などの直鎖アルキレン基、−CH−C(CH−CH−などの分岐アルキレン基、−C−O−C−などのエーテル含有基、などが挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、直鎖または分岐のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6である。
mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。mおよびnは、それぞれ、2〜20の整数であることが好ましい。また、mとnの和が4〜35であることが好ましい。
一般式(P−2)において、
Rは、3価の有機基を表す。3価の有機基としては、例えば、直鎖または分岐アルカンから水素原子を3つ取り除いた構造などが挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、直鎖または分岐のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6である。
l、mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。l、mおよびnは、それぞれ、2〜20の整数であることが好ましい。また、l、mおよびnの和が3〜40であることが好ましい。
一般式(P−3)において、
Rは、4価の有機基を表す。4価の有機基としては、例えば、直鎖または分岐アルカンから水素原子を4つ取り除いた構造などが挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、直鎖または分岐のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6である。
k、l、mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。k、l、mおよびnは、それぞれ、2〜20の整数であることが好ましい。また、k、l、mおよびnの和が4〜50であることが好ましい。
ポリカプロラクトンポリオールの市販品としては、例えば、株式会社ダイセルの、プラクセル200シリーズ、プラクセル300シリーズ、プラクセル400シリーズなどが利用可能である。
ポリカーボネートポリオールは、一分子中に、−O−(C=O)−O−で表されるカーボネート基および2以上の水酸基を有する化合物であれば、特に制限なく使用可能である。
ポリカーボネートポリオールは、1種以上のポリオール原料(多価アルコール)と、炭酸エステルやホスゲンとを反応させることにより得ることができる。
ポリオール原料としては、特に制限されないが、例えば、脂肪族ポリオール、脂環構造を有するポリオール、芳香族ポリオール等が挙げられる。本実施形態においては、硬化膜の柔軟性の観点から、脂環構脂を有しない脂肪族ポリオールが好ましい。
炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の脂肪族炭酸エステル、ジフェニルカーボネート等の芳香族炭酸エステル、エチレンカーボネート等の環状炭酸エステルが挙げられる。中でも、入手や製造のしやすさから、脂肪族炭酸エステルが好ましく、ジメチルカーボネートが特に好ましい。
ポリカーボネートポリオールの市販品としては、例えば、株式会社ダイセル製のプラクセルシリーズ、旭化成株式会社製のデュラノール(商品名)シリーズ等が利用可能である。
ポリエーテルポリオールは、一分子中に、エーテル結合(−O−)および2個以上の水酸基を有する化合物であれば特に制限なく使用可能である。
具体的な化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエーテルポリオールの市販品としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製のPTMGシリーズ、旭硝子株式会社製の「エクセノール」シリーズ等が利用可能である。
なお、本実施形態において、ポリオール化合物は、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびポリエーテルポリオールのうち、複数に該当する化合物であってもよい。例えば、ポリオール化合物は、エーテル結合とエステル結合とを有するポリエーテルポリエステルポリオール等であってもよい。
また、ポリオール化合物は、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびポリエーテルポリオールのうち、複数種を含んでいてもよい。
ポリオール化合物の水酸基価は、50〜500mgKOH/gであることが好ましく、100〜350mgKOH/gであることがより好ましく、150〜250mgKOH/gであることが特に好ましい。適度な水酸基の量とすることで、下記の多官能イソシアネート化合物との反応による架橋構造が制御され、硬化膜の柔軟性・弾力性等を一層高めることが期待できる。
本実施形態において、ポリオール化合物の重量平均分子量(Mw)としては、好ましくは450〜2,500、より好ましくは、500〜1,500、特に好ましくは500〜700である。適度な分子量とすることで、柔軟性・弾力性向上による硬化膜の外観変化の抑制と、ガソリン耐性等の硬化膜の耐久性とのより高度な両立が期待できる。
塗料組成物中のポリオール化合物の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂100質量部に対して通常5〜200質量部、好ましくは15〜180質量部、より好ましくは20〜150質量部である。この数値範囲とすることで、ポリオール化合物に由来する性能を十分得ることができるとともに、他成分とのバランスを取ることができる。
本実施形態において、ポリオール化合物としては、前述したポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびポリエーテルポリオールのうち、ポリカプロラクトンポリオールを含むことが好ましく、ポリカプロラクトンポリオールの中でもポリカプロラクトンジオール(カプロラクトン構造を持ち、かつ、2つの水酸基を持つ化合物)を含むことが特に好ましい。
これは、本実施形態の塗料組成物に含まれる(メタ)アクリル系樹脂が前述の一般式(2)の構造、すなわちカプロラクトン構造を持つため、ポリオール化合物としては当該樹脂との相溶性が良好となりやすい傾向があるということと、架橋密度を上げ過ぎずに防曇性能を向上させやすい傾向があるためである。
[多官能イソシアネート化合物(C)]
本実施形態の塗料組成物は、多官能イソシアネート化合物を含む。
多官能イソシアネート化合物は、(メタ)アクリル系樹脂に含まれる構成単位(a−2)および構成単位(a−3)が有する水酸基、ならびにポリオール化合物の水酸基と架橋反応を起こす。
多官能イソシアネート化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基(脱離性基で保護されたイソシアネート基を含む)を有する化合物である。好ましくは、多官能イソシアネート化合物は、その官能基数は、より好ましくは1分子あたり2〜6個、更に好ましくは1分子あたり2〜4個である。
多官能イソシアネート化合物としては、リジンイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は2,6)−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)及び1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の環状脂肪族ジイソシアネート、並びに、リジントリイソシアネート等の3官能以上のイソシアネートが挙げられる。
なお、多官能イソシアネート化合物としては、上記列挙したものに加え、その多量体として、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型などが知られている。本実施形態においては、いずれも用いることができるが、この中でも、ビウレット型の多官能イソシアネート化合物を用いることが特に好ましい。
これはビウレット型の持つ構造が、ヌレート型よりも柔らかく、一方で、アダクト型よりも硬く、本発明の解決課題に対して適切な“硬さ”バランスを持った構造であるためである。
多官能イソシアネート化合物は、いわゆるブロックイソシアネートであってもよい。換言すると、多官能イソシアネート化合物のイソシアネート基の一部又は全部は、保護基によりブロックされた、ブロックイソシアネート基の形態であってもよい。例えば、アルコール系、フェノール系、ラクタム系、オキシム系、及び活性メチレン系などの活性水素化合物によってイソシアネート基がブロックされてブロックイソシアネート基が形成される。特に、本実施形態の塗料組成物が一液型である場合は、保存性(経時安定性)の観点から、ブロックイソシアネート基を有する多官能イソシアネート化合物が好ましい。
多官能イソシアネート化合物の市販品としては、例えば、旭化成株式会社製のデュラネート(商品名)シリーズ、住化バイエルウレタン株式会社製のスミジュール(商品名)シリーズ、日本ポリウレタン株式会社製のコロネート(商品名)シリーズ等を用いることができる。
本実施形態において、塗料組成物中における多官能イソシアネート化合物の含有量は、後述する当量比(NCO)/(OH)に従って配合されれば特に制限はないが、通常、(メタ)アクリル系樹脂100質量部に対して5〜100質量部、好ましくは7〜75質量部、より好ましくは10〜100質量部である。この数値範囲とすることで、硬化膜内で必要十分な架橋がなされると考えられる。
(その他成分)
本実施形態の塗料組成物は、必要に応じて、他の成分を更に含んでもよい。例えば、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤など、塗料組成物を製造するうえで一般的に使われる添加剤等を含んでもよい。
(溶剤)
本実施形態の塗料組成物は、典型的には、各成分を溶剤に溶解または分散させた状態で用いる。
溶剤は、一態様として有機溶剤である。有機溶剤の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤が挙げられる。
溶剤の使用量は、特に限定されないが、固形分(不揮発成分)の濃度が、例えば5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%となるような量で用いることができる。
(各成分の比率)
本実施形態の塗料組成物は、前述した(メタ)アクリル系樹脂、ポリオール化合物および多官能イソシアネート化合物の各成分の量比を適切に調整することで、硬化膜の柔軟性・弾力性を一層向上させ、各種物性に優れた硬化膜を形成することが期待できる。
特に本発明においては、組成物中の水酸基の量と、イソシアネート基の量比を適切に調整することが、最終的に得られる硬化膜の物性(耐擦傷性、耐擦傷性、耐溶剤性)をより良化させるために重要である。
すなわち、本発明においては、(メタ)アクリル系樹脂およびポリオール化合物が有する水酸基に対する、多官能イソシアネート化合物が含有するイソシアネート基(ブロックイソシアネート基を含む)のモル量(すなわち、当量比(NCO)/(OH))が、0.15〜0.55の範囲であることが必須となる。
この理由としては、まず、当量比(NCO)/(OH)が0.15未満では、組成物に含まれる全てのイソシアネート基(NCO)が架橋反応を生じたとしても、その架橋密度が硬化膜として必要なレベルにまで到達することができないということがある。すなわち架橋密度が不十分となる。
その一方で、当量比(NCO)/(OH)が0.55を超えても、水酸基(OH)に対するイソシアネート基(NCO)の数が相対的に高くなりすぎて、硬化膜全体として必要な架橋密度を得ることができない。この理由としては、以下のように推測される。水酸基(OH)に対するイソシアネート基(NCO)の数が相対的に高いと、例えば、1分子の多官能イソシアネート化合物に着目した場合、その分子内で反応に関与するイソシアネート基と反応に関与しないイソシアネート基が生じたり、(メタ)アクリル系樹脂の有する水酸基とのみ、もしくはポリオール化合物の有する水酸基とのみ反応してしまう可能性が高くなるなどの不具合を生じやすくなると考えられる。その結果として、架橋密度が低下し、硬化膜としての防曇性や耐溶剤性などの機能が不十分なものとなる。
なお、当量比(NCO)/(OH)は、0.15〜0.55の範囲の中でも、0.25〜0.50であることがより好ましく、0.35〜0.45の範囲であることが特に好ましい。
また、本実施形態において、(メタ)アクリル系樹脂とポリオール化合物をあわせた成分((メタ)アクリル系樹脂とポリオール化合物の均一な混合物)の水酸基価は、80〜190mgKOH/gの範囲であることが好ましい。より好ましくは100〜150mgKOH/g、特に好ましくは110〜140mgKOH/gである。この範囲とすることで、硬化膜の柔軟性・弾力性を一層向上させ、各種物性に優れた硬化膜を形成することが期待できる。
加えて、本実施形態の塗料組成物における、下記の式で表されるP値が15以上40以下であることが好ましい。より好ましくは20以上38以下であり、特に好ましくは25以上35以下である。この範囲とすることで、本実施形態の塗料組成物から形成される硬化膜は、実用に適した防曇機能を発揮することができる。
(塗料組成物の形態)
本実施形態の塗料組成物は、1液型、すなわち、溶剤以外の全成分が、溶剤に実質的に均一に混合(溶解または分散)された状態であってよい。
多官能イソシアネート化合物がブロックイソシアネートである場合には、1液型が好ましい。
また、別の態様として、本実施形態の塗料組成物は、2液型であってもよい。2液型にすることで、塗料組成物の保存性を高めることができる。
例えば、本実施形態の塗料組成物は、(1)(メタ)アクリル系樹脂および/またはポリオール化合物を含み、多官能イソシアネート化合物を含まないA液と、(2)多官能イソシアネート化合物を含み、(メタ)アクリル系樹脂およびポリオール化合物を含まないB液とから構成され、A液とB液は別々の容器で保存され、使用(塗工)直前にA液とB液を混合する形態であってもよい。
この場合、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオール化合物、および多官能イソシアネート化合物以外の成分(添加剤など)は、A液に含まれていても、B液に含まれていても、あるいはその他の容器で準備されていてもよい。
特に、多官能イソシアネート化合物が、ブロックイソシアネートではない場合(すなわち、系中でイソシアネート基が−NCOの形で存在している場合)には、塗料組成物は2液型であることが好ましい。
<硬化膜、硬化膜を備えた物品>
本実施形態の硬化膜は、典型的には、上記の各成分を溶媒に溶解または分散させた塗料組成物(2液型の場合は、2液を混合したもの)を、対象物(被塗物)の一部または全部に塗工することで得ることができる。
塗工方法は特に限定されず、例えばエアスプレー法、エアレススプレー法、静電塗装法、ロールコーター法、フローコーター法、スピンコート法、浸漬法などが挙げられる。
塗工後、20〜160℃で10〜120分間、好ましくは60〜120℃で20〜90分間硬化し、そして常温で放冷することで、最終的な硬化膜を得ることができる。なお、硬化の温度や時間は、対象物(被塗物)の耐熱性などを踏まえて適宜調整すれば良い。
対象物(被塗物)の物品は、特に限定されないが、例えば、以下のような物品が挙げられる。
・携帯電話、スマートフォン、パソコン、パソコン周辺機器(キーボード、プリンタ、外付けディスク等)、腕時計、オーディオ機器、各種OA機器等の電気・電子機器。
・洗面所鏡、浴室鏡、ゴーグル、保護メガネ、メガネレンズ、カメラレンズ。
・店舗等のショーケース、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ等の家電製品。
・階段、床、机、椅子、タンス、その他の家具等の木工製品。
・建物の窓、建物の外装材、農業用ハウスの被覆材料。
・自動車やオートバイ等の車両またはその部品:より具体的には、車両のボディ、窓、サイドミラー、ルームミラー、内装品(メーターパネル、ダッシュボード、ハンドル等)、バンパー、スポイラー、ドアノブ、ヘッドライト、テールライト、アルミホイール、オートバイのガソリンタンク。
・カーブミラー、道路反射鏡などの道路資材。
なお、対象物(被塗物)には、塗工前に、脱脂や表面処理等を施してもよい。さらに、密着性向上等のために下塗り等を行ってもよい。
また、本実施形態においては、合成樹脂製のフィルム上に塗工し、形成された硬化膜を、当該フィルムごと物品に貼りつけるなどして、硬化膜を有する物品を得てもよい。
さらに、本実施形態においては、合成樹脂製のフィルムに硬化膜を形成後、適当な転写プロセスにより、フィルム状に形成された硬化膜を物品に転写後、フィルムを剥がして、硬化膜を有する物品を得てもよい。
硬化膜は、最終的な膜厚が、1〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。膜厚を適切に調整することで、良好な外観と、膜としての柔軟性・弾力性をより高度に両立することが期待できる。
<実施例1>
[(メタ)アクリル系樹脂の合成]
撹拌基、温度計、コンデンサーおよび窒素ガス同入管を備えた500ml形のフラスコにプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMAC)150質量部を仕込み、110℃まで昇温した。
これとは別に、ジメチルアクリルアミド(DMAA)25質量部、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製、プラクセルFA2D)35質量部、、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート(HEMA)10質量部、片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−0721、分子量5000)5質量部、メタクリル酸メチル25質量部、および、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(和光純薬工業株式会社製、V−40)1質量部を混合した。この混合モノマーを撹拌しながら2時間かけて、上記の500ml形のフラスコに滴下し、5時間反応させた。
加熱を止めて室温まで冷却し、(メタ)アクリル系樹脂を含む樹脂溶液(固形分比率:約40質量%)を得た。
得られた(メタ)アクリル系樹脂の水酸基価、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)は、後掲の表1に示すとおりであった。また、前述のフォックス(Fox)の式に基づいて、使用したモノマーの配合比から計算した(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は32.8℃であった。
[塗料組成物の作成]
上記で得た(メタ)アクリル系樹脂、ポリカプロラクトンジオール(株式会社ダイセル製、プラクセル205U、分子量530、水酸基価207〜217mgKOH/g)、および、多官能イソシアネート化合物(旭化成株式会社製、24A−100、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットタイプ、イソシアネート基含有率23.5質量%、固形分100質量%)を、表1に示す量(単位:質量部)で混合した。そして、PGMACで固形分濃度を調整し、固形分30質量%の塗料組成物を調製した。
なお、表において、(メタ)アクリル系樹脂の量は、樹脂溶液(固形分比率:約40質量%)としての量ではなく、樹脂溶液中に含まれる樹脂(固形分)の量を表し、多官能イソシアネート化合物の量も固形分としての量を表している。
また、水酸基価の項目「A+B」は、(メタ)アクリル系樹脂とポリオール化合物とを、表1で示した量で均一に混合したときの混合物の水酸基価の測定値を示している(実施例2以降についても全て同じ)。
ここで、得られた各(メタ)アクリル系樹脂の水酸基価、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)は、以下の方法により求めた。
[水酸基価]
JIS K 0070「化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」の、「7.1 中和滴定法」に規定された方法に準じて測定および算出した。
なお、水酸基価の算出に際しては、酸価の値も必要である。酸価の値についても、同JIS規格の「3.1 中和滴定法」に規定された方法に準じて測定および算出した。
[数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、多分散度(Mw/Mn)]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定、算出した。用いた装置、条件等は以下の通りである。
使用機器:HLC8220GPC(株式会社東ソー製)
使用カラム:TSKgel SuperHZM−M、TSKgel GMHXL−H、TSKgel G2500HXL、TSKgel G5000HXL(株式会社東ソー製)
カラム温度:40℃
標準物質:TSKgel 標準ポリスチレンA1000、A2500、A5000、F1、F2、F4、F10(株式会社東ソー製)
検出器:RI(示差屈折)検出器
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1ml/min
<実施例2〜36、比較例1〜14>
表1〜表9に示す配合に従い、実施例1と同様にして、実施例2〜36、比較例1〜14の塗料組成物を作製した。
なお、実施例35および実施例36については、(メタ)アクリル系樹脂を合成する際の「1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)」の使用量が、実施例35では2質量部、実施例36では0.5質量部とした点が、他の実施例・比較例と異なっている。
<硬化膜の作製>
各実施例、比較例で得られた各塗料組成物を、それぞれ、ポリカーボネート板(縦150mm×横70mm×厚さ2mm)にスプレー塗装した。塗装物を120℃、90分の条件で硬化させ、その後室温で放冷した。これにより、硬化膜(膜厚10μm)を備えたポリカーボネート板(以下、試験板という)を得た。得られた試験板を用いて、以下の評価を行なった。
<評価>
[呼気防曇性]
室温25℃、湿度40%の条件下で、試験板に10秒間呼気を吹きかけた。呼気を吹きかけ始めから、吹きかけ終わるまでの硬化膜の状態について目視観察を行い、以下の評価基準に従って評価を行なった。
◎:曇りが全く認められない(実用レベル)
○:5秒以上の呼気吹きかけで曇りが生じる(実用レベル)
□:3秒以上の呼気吹きかけで曇りが生じる(実用下限レベル)
△:曇りが認められるが、呼気の吹きかけ終了後、すぐに曇りが解消する(実用不適)
×:曇りが認められ、曇りが解消されるのに10秒以上かかる(実用不適)
[耐スチーム性]
50℃に保った温水浴の水面から5cm上方に、硬化膜面が下向きになるように試験板を設置し、温水浴からのスチームを硬化膜に連続照射した。スチームを照射し始めてから硬化膜が曇り始める時間までの時間を測定し、以下の評価基準に従って評価を行なった。
◎:20秒以上曇ることがない(実用レベル)
○:15秒以上20秒未満で曇る(実用レベル)
□:10秒以上15秒未満で曇る(実用下限レベル)
△:5秒以上10秒未満で曇る(実用不適)
×:0秒以上5秒未満(実用不適)
[耐擦傷性]
乾燥した脱脂綿を硬化膜上に置き、脱脂綿の上から5Nの力を掛けた(力の掛かっている面積は1cm四方)。そして、力が掛かった状態の脱脂綿を50往復ラビング(ラビング距離は5cm)させた。その後、硬化膜の状態(付いた傷の数)を目視で確認し、以下の評価基準で評価を行なった。
◎:傷が全く付かない(実用レベル)
○:傷1本以上5本未満(実用レベル)
□:傷が5本以上10本未満(実用下限レベル)
△:傷が10本以上15本未満(実用不適)
×:傷が15本以上20本未満(実用不適)
[耐溶剤性]
イソプロパノールが十分に浸み込んだ脱脂綿を硬化膜上に置き、脱脂綿の上から1Nの力を掛けた(力の掛かっている面積は1cm四方)。そして、力が掛かった状態の脱脂綿を20往復ラビング(ラビング距離は5cm)させた。その後、硬化膜の状態を目視で確認し、以下の評価基準で評価を行なった。
◎:まったく跡がない(実用レベル)
○:僅かに跡があるが消える(実用レベル)
□:目立つ跡があるが消える(実用下限レベル)
△:50%未満の面積の硬化膜が剥離して、基材が見える(実用不適)
×:50%以上の面積の硬化膜が剥離して、基材が見えた(実用不適)
[摩擦抵抗]
被験者20名を利用して、次のような評価を行なった。ティッシュペーパーを親指、人差し指、および中指の3本の指でつまみ、そのつまんだティッシュペーパーを硬化膜に押し付けた状態で、硬化膜表面と平行に横方向に10回往復(距離は約10cmで、ティシュペーパーで硬化膜上の汚れをふき取るような動き)をさせた。このとき、被験者がそれぞれ感じた、ティッシュペーパーと硬化膜表面との摩擦による触感について、下記数値判定基準により数値化を行ない、得られた数値について被験者20名の平均値を算出した。この平均値をもって、以下の評価基準で評価を行なった。
(数値判定基準)
5点:ティッシュペーパーを滑らかに動かすことが可能で、引っかかり感が全くない
4点:ティッシュペーパーを滑らかに動かすことが可能だが、わずかに引っかかり感がある
3点:ティッシュペーパーを動かすことに支障はないが、若干の引っかかり感がある
2点:ティッシュペーパーを動かすことは可能だが、指に対する引っかかり感が大きい
1点:ティッシュペーパーを動かすのに支障を来たすほどの引っかかり感がある
(評価基準)
◎:4.5点以上(実用レベル)
○:4.0以上4.5点未満(実用レベル)
□:3.0以上4.0点未満(実用下限レベル)
△:2.0以上3.0点未満(実用不適)
×:2.0点未満(実用不適)
[HAZE]
全自動ヘーズメーター(TC−HIIIDPK;東京電色技術センター製)を用いて試験板、およびポリカーボネート板(硬化膜を備えていないもの)のHAZE値をそれぞれ測定した。得られた試験板のHAZE値から、ポリカーボネート板のHAZE値を差し引いたものを硬化膜のHAZE値とし、以下の評価基準に従って評価を行なった。
◎:0.3未満(実用レベル)
○:0.3以上0.5未満(実用レベル)
□:0.5以上0.7未満(実用下限レベル)
△:0.7以上1未満(実用不適)
×:1.0以上(実用不適)
なお、各表中で使用されている各種原料については以下の通り。
(A)メタアクリル系樹脂の合成に使用したモノマー
DMAA:ジメチルアクリルアミド
DEAA:ジエチルアクリルアミド
FA1:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート、プラクセルFA1(カプロラクトン1モル付加物、分子量230、水酸基価244mgKOH/g)
FA2D:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート、プラクセルFA2D(カプロラクトン2モル付加物、分子量344、水酸基価163mgKOH/g)
FA5:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート、プラクセルFA5(カプロラクトン5モル付加物、分子量689、水酸基価74〜84mgKOH/g)
FM−0711:JNC株式会社製、片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン、サイラプレーンFM−0711(分子量1000)
FM−0721:JNC株式会社製、片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン、サイラプレーンFM−0721(分子量5000)
FM−0751:JNC株式会社製、片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン、サイラプレーンFM−0725(分子量10000)
AK−32:東亞合成株式会社製、片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン、マクロモノマーAK−32(分子量20000)
(B)ポリオール化合物
プラクセル205U:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトンジオール(分子量530、水酸基価207〜217mgKOH/g)
プラクセル220:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトンジオール(分子量2000、水酸基価53〜59mgKOH/g)
プラクセル305:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトントリオール(分子量500、水酸基価300〜310mgKOH/g)
プラクセル405:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトンテトラオール(分子量500、水酸基価440〜450mgKOH/g)
プラクセル410D:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトンテトラオール(分子量1000、水酸基価216〜232mgKOH/g)
CD205PL:株式会社ダイセル製 ポリカーボネートジオール(分子量500、水酸基価215〜235mgKOH/g)
PTMG−650:三菱ケミカル株式会社製、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量650、水酸基価160〜187mgKOH/g)
(C)多官能イソシアネート化合物
TPA−100:旭化成株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートタイプ(イソシアネート基含有率23質量%、固形分100質量%)
24A−100:旭化成株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットタイプ(イソシアネート基含有率23.5質量%、固形分100質量%)
P301−75E:旭化成株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクトタイプ(イソシアネート基含有率12.5質量%、固形分75質量%)
表2〜7に示されるように、特定の(メタ)アクリル系樹脂(A)、ポリオール化合物(B)、および、多官能イソシアネート化合物(C)の全てを含む実施例1〜36の組成物により形成された硬化膜は、各成分の組合せ(相乗効果)により、防曇性能が良好というだけでなく、膜としての性能(耐擦傷性、耐溶剤性、摺動性、HAZE)が良好で、全体としてバランスの取れた硬化膜であることがわかった。
一方、(メタ)アクリル系樹脂として、モノマー(a−1)に由来する構成単位を含まない比較例1の組成物により形成された硬化膜は、防曇性能(呼気防曇およびスチーム試験)が実施例に比べて大きく劣っており、実用上望ましくない結果であった。また、モノマー(a−1)に由来する構成単位を含むものであっても、その量が少ない場合(比較例2)には、当該組成物から形成された硬化膜はスチーム試験に耐えうるものではなくなり、逆に多すぎる場合(比較例3)には、防曇性能は満足するものの、他の性能(耐擦傷性、耐溶剤性)が低下していまい、実用上望ましくない結果であった。
また、モノマー(a−2)に由来する構成単位を含まない比較例4および比較例5の組成物により形成された硬化膜は、スチーム試験および耐擦傷性が実施例よりも劣る結果となった。モノマー(a−2)を含む(メタ)アクリル系樹脂であっても、その量が少なすぎたり、多すぎる場合(比較例6および比較例7)には、耐擦傷性や摺動性に乏しく、実用上望ましくない結果であった。また、モノマー(a−3)に由来する構成単位を含まない場合(比較例8および比較例9)には、耐溶剤性や防曇性能にも乏しく、実用上望ましくない結果であった。さらにモノマー(a−4)に由来する構成単位を含まないか、逆に含んでも多すぎる場合(比較例10、比較例11)には、摺動性が乏しいか、HAZE(透明性)が悪化するなどの不具合を生じることがわかる。
さらに、ポリオール化合物を含まない比較例12の塗料組成物により形成された硬化膜では、防曇性能は良好ではあるものの、スチーム試験と耐擦傷性および耐溶剤性についてバランスを取ることができないことがわかる。
加えて、塗料組成物として、当量比(NCO/OH)が0.15〜0.55の範囲から外れてしまうと(比較例13、比較例14)、たとえ他の要件((メタ)アクリル系樹脂の構成や、ポリオールの有無等)を満たしていたとしても、全体としてバランスが取れた硬化膜が得られないという結果であった。
実施例においては、表1より、(メタ)アクリル系樹脂中のモノマー(a−1)に由来する構成単位が50質量%前後(実施例3、実施例4、実施例5)で、また表2からは、当量比(NCO/OH)としては、0.45前後(実施例10、実施例4、実施例11)、さらに表3からは、(メタ)アクリル系樹脂の水酸基価としては、90〜130mgKOH/g(実施例4、実施例16、実施例17)で、それぞれの塗料組成物から得られる硬化膜は特にバランスの取れた性能を示す傾向があることがわかる。
ポリオール化合物(B)としては、水酸基価が150〜250mgKOH/g(実施例4、実施例22、実施例23、実施例24)で、さらに多官能イソシアネート化合物(C)としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型(実施例4と、実施例31および実施例32との比較)を用いた場合、塗料組成物から得られる硬化膜は特にバランスの取れた性能を示す傾向があることがわかる。

Claims (8)

  1. 塗料組成物であって、
    下記一般式(1)で表されるモノマー(a−1)に由来する構成単位、下記一般式(2)で表されるモノマー(a−2)に由来する構成単位、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a−3)に由来する構成単位、および、下記一般式(3)で表されるモノマー(a−4)に由来する構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)、
    ポリオール化合物(B)、
    および、
    多官能イソシアネート化合物(C)、を含み、
    前記樹脂は、当該樹脂を構成する全構成単位100質量%に対し、
    モノマー(a−1)に由来する構成単位の割合が20質量%以上65質量%以下、
    モノマー(a−2)に由来する構成単位の割合が10質量%以上40質量%以下、
    モノマー(a−4)に由来する構成単位の割合が1質量%以上10質量%以下、であり、
    前記多官能イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数(NCO)と、前記樹脂(A)に含まれる水酸基の数および前記ポリオール化合物(B)に含まれる水酸基の数を足し合わせた総量(OH)との比(NCO)/(OH)が、0.15以上0.55以下であり、
    下記の数式で表されるP値が15以上40以下である、
    塗料組成物。
    (一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基で、R及びRは水素原子又は炭素数
    1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、R及びRはそれぞれ同一でもよく、
    異なっていてもよい。)
    (一般式(2)中、R4は水素原子又はメチル基で、nは1〜5の整数である。)
    (一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基で、Rは2価の有機基、nは0又は1
    以上の整数である。)
  2. 前記ポリオール化合物(B)は、
    ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびポリエーテルポリ
    オールからなる群より選択される少なくとも1種以上のポリオール化合物を含む、請求項
    1記載の塗料組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル系樹脂(A)は、
    その水酸基価が40mgKOH/g以上150mgKOH/g以下である、請求項1または2記載の塗料組成物。
  4. 前記ポリオール化合物(B)は、
    その水酸基価が50mgKOH/g以上500mgKOH/g以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  5. 前記塗料組成物中における前記樹脂(A)と前記ポリオール化合物(B)の総量の水酸基価は、
    80mgKOH/g以上190mgKOH/g以下である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  6. 前記多官能イソシアネート化合物は、ビウレット型である請求項1乃至5のいずれか1項
    に記載の塗料組成物。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項記載の塗料組成物から形成された硬化膜。
  8. 請求項記載の硬化膜を備えた物品。
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