JP2019094468A - 塗料組成物、硬化膜、硬化膜を備えた物品 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、市場においては、その使用用途に応じた防曇用の塗料組成物の更なる改良が求められている。
下記一般式(1)で表されるモノマー(a−1)に由来する構成単位、下記一般式(2)で表されるモノマー(a−2)に由来する構成単位、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a−3)に由来する構成単位、および、下記一般式(3)で表されるモノマー(a−4)に由来する構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)、
ポリオール化合物(B)、
および、
多官能イソシアネート化合物(C)、を含み、
前記樹脂(A)は、当該樹脂を構成する全構成単位100質量%に対し、
モノマー(a−1)に由来する構成単位の割合が20質量%以上65質量%以下、モノマー(a−2)に由来する構成単位の割合が10質量%以上40質量%以下、
モノマー(a−4)に由来する構成単位の割合が1質量%以上10質量%以下、であり、
前記多官能イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数(NCO)と、前記共重合体に含まれる水酸基の数および前記ポリオール化合物に含まれる水酸基の数を足し合わせた総量(OH)との比(NCO)/(OH)が、0.15以上0.55以下である、
塗料組成物。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタアクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
また、本明細書中、モノマー(a−1)に由来する構成単位を、「構成単位(a−1)」、モノマー(a−2)に由来する構成単位を、「構成単位(a−2)」、モノマー(a−3)に由来する構成単位を、「構成単位(a−3)」、モノマー(a−1)に由来する構成単位を、「構成単位(a−4)」と呼ぶこともある。
本実施形態の塗料組成物は、
塗料組成物であって、
下記一般式(1)で表されるモノマー(a−1)に由来する構成単位、下記一般式(2)で表されるモノマー(a−2)に由来する構成単位、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a−3)に由来する構成単位、および、下記一般式(3)で表されるモノマー(a−4)に由来する構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)、
ポリオール化合物(B)、
および、
多官能イソシアネート化合物(C)、を含み、
前記共重合体は、当該共重合体を構成する全モノマー100質量%に対し、
モノマー(a−1)に由来する構成単位の割合が20質量%以上65質量%以下、モノマー(a−2)に由来する構成単位の割合が10質量%以上40質量%以下、
モノマー(a−3)に由来する構成単位の割合が1質量%以上10質量%以下、であり、
前記多官能イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数(NCO)と、前記共重合体に含まれる水酸基の数および前記ポリオール化合物に含まれる水酸基の数を足し合わせた総量(OH)との比(NCO)/(OH)が、0.15以上0.55以下である。
樹脂(A)に含まれる構成単位(a−1)はアミド基を有しており、親水性が大きく、水分を抱え込みやすい。このため、湿気がある場所では、アミド基が存在していることにより、硬化膜表面に付着した水分は、硬化内部へと吸収され、その結果として、硬化膜表面での曇り発生が生じ難くなる。すなわち、樹脂(A)中に適切な範囲の量の構成単位(a−1)が含まれることにより、硬化膜に防曇性が付与されると考えられる。
これはポリオール化合物(B)が、樹脂(A)と多官能イソシアネート化合物との間に入り込んで反応し、要するに、ポリオール化合物(B)が橋渡し的な役割を担うことで、上記のような効果を生み出していると推測される。
樹脂(A)に含まれる構成単位(a−2)は、いわゆるポリカプロラクトン構造を有する構成単位であるが、このポリカプロラクトン構造は、その柔軟な化学骨格により硬化膜の柔軟性・弾力性の向上に寄与する。一方で、構成単位(a−4)が有するポリジメチルシロキサン鎖は、硬化膜に対して滑り性の向上に寄与する。
そうすると、硬化膜に外力が加わった際には、硬化膜の柔軟性・弾力性によって外力を吸収しつつ、滑り性によって外力を硬化膜外へ逃がすという、上記の2つの効果が相乗的に発現し、その結果として硬化膜には傷が付きにくくなる、すなわち耐擦傷性に優れた硬化膜となると考えられる。
樹脂(A)は、形成される硬化膜に耐擦傷性を付与するため、前述したようにポリカプロラクトン構造が組み込まれることを必要とする。しかし、このポリカプロラクトン構造は、硬化膜に柔軟性が付与する一方、硬化膜の摩擦抵抗は高めてしまうと考えられる。要するに、人の指等で硬化膜上を撫でたりすると、抵抗感(指が引っかかるような感触)を感じやすくなる。
これは前述の摩擦抵抗の低くすることと同様の手法、つまり、硬化膜の架橋密度を高くすることで耐溶剤性が発揮されると考えられる。すなわち、樹脂(A)中の、水酸基を有する構成単位(a−2)および構成単位(a−3)の構成バランスを取りつつ、かつ、当量比(NCO/OH)を1よりも小さい特定の範囲に設定することで、硬化膜の架橋密度を高くすることが可能となる。これにより溶剤分子が硬化膜中に入り込む隙間が減り、硬化膜は耐溶剤性が向上すると考えられる。
防曇性能を向上させるためには、硬化膜中に水が入り込むことができるような適切な隙間を必要とするが、これはすなわち硬化膜の架橋密度を高くしすぎないことが必要と考えられる。一方で、摩擦抵抗を低くすることと、耐溶剤性を向上させることはいずれも硬化膜の架橋密度を高めることにより達成されると考えられる。つまり、防曇性能と、摩擦抵抗の低減および耐溶剤性の向上とは、トレードオフの関係に立つ。
このため、本実施形態では上記課題を全て満足させるべく、樹脂(A)に含まれる各構成単位の構成比率の選択や、適切なポリオール化合物の選定、さらには当量比(NCO/OH)の適切な範囲の設定など、塗料組成物全体としてバランスを取ることにより、全ての課題を万遍なく解決できる組成物が得られていると考えられる。
[(メタ)アクリル系樹脂(A)]
本実施形態の塗料組成物は、(メタ)アクリル系樹脂、すなわち、下記一般式(1)で表されるモノマー(a−1)に由来する構成単位、下記一般式(2)で表されるモノマー(a−2)に由来する構成単位、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a−3)に由来する構成単位、および、下記一般式(3)で表されるモノマー(a−4)に由来する構成単位を有する(メタ)アクリル樹脂を含む。
(メタ)アクリル系樹脂は、典型的には、モノマー(a−1)、モノマー(a−2)、モノマー(a−3)およびモノマー(a−4)を重合させることで得ることができる。重合方法の詳細については後に述べる。
ただし、(メタ)アクリル構造に由来する効果を十二分に得るためには、(メタ)アクリル系樹脂(A)は、全構成単位中の50質量%以上が、(メタ)アクリル系のモノマーに由来する構成単位であることが好ましい。より好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂の全構成単位中の80質量%以上が、(メタ)アクリル系のモノマーに由来する構成単位である。さらに好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂の全て(100%)の構成単位が、(メタ)アクリル系のモノマーに由来する構成単位である。
モノマー(a−2)に由来する構成単位は、前述のとおり硬化膜に柔軟性・弾力性を付与するという点で、本実施形態では必須の構成要素となる。
本実施形態において、(メタ)アクリル系樹脂は、モノマー(a−2)に由来する構成単位を、当該樹脂の全構成単位に対して、10〜40質量%含む。好ましくは20〜38質量%、特に好ましくは25〜35質量%である。
(メタ)アクリル系樹脂は、モノマー(a−2)に由来する繰り返し単位を複数種含んでいてもよい。例えば、上記に挙げた「プラクセルF」シリーズのうち2種以上を用いて重合反応を行うことで(メタ)アクリル系樹脂を得てもよい。
本実施形態において、(メタ)アクリル系樹脂中のモノマー(a−3)に由来する構成単位は、(メタ)アクリル系樹脂の全構成単位に対して、1〜30質量%含むことが好ましい。より好ましくは2〜20質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。
本実施形態においては、モノマー(a−2)だけで架橋反応を生じさせ、硬化膜を形成するのではなく、モノマー(a−3)とともに多官能イソシアネート化合物と架橋反応を生じさせることで種々の物性を兼ね備えた硬化膜とすることができる。
この数値範囲とすることで、ポリオール化合物(後述)とともに、多官能イソシアネート化合物(後述)と反応し、架橋構造が適切に制御される。そのため、硬化膜の柔軟性・弾力性を維持しつつ、硬化膜を硬くすることが可能となる。よって、硬化膜の耐擦傷性、摩擦抵抗の低減、および耐溶剤性との、より高度な両立が図れると考えられる。
なお、水酸基価とは、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数のことである。
であるためである。
本実施形態において、(メタ)アクリル系樹脂中のモノマー(a−4)に由来する構成単位は、当該樹脂の全構成単位に対して、1〜10質量%含む。好ましくは2〜8質量%、より好ましくは3〜7質量%である。
このモノマーの具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、R’が炭素数1〜8のアルキル基であるものが好ましく、R’が1〜6のアルキル基であるものがより好ましく、R’が1〜4のアルキル基であるものがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂が構成単位(a−5)を含む場合、その含有量は、(メタ)アクリル系樹脂の全構成単位に対して、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは3〜30質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準物質としてポリスチレンを用いることで求めることができる。
なお、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、種々の方法で求めることが可能であるが、例えば以下のフォックス(Fox)の式に基づいて求めることができる。
1/Tg=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+(W3/Tg3)+・・・・+(Wn/Tgn)
〔式中、Tgは、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度(K)、W1、W2、W3・・・Wnは、それぞれのモノマーの質量分率、Tg1、Tg2、Tg3・・・・Tgnは、それぞれ各モノマーの質量分率に対応するモノマーからなる単独重合体のガラス転移温度(K)を示す。〕
重合開始剤の配合量は、特に限定されないが、重合するモノマーの混合液全体を100質量部とした場合に、0.001〜10質量部とすることが好ましい。
本実施形態の塗料組成物は、ポリオール化合物を含む。ポリオール化合物は、(メタ)アクリル系樹脂とともに後述の多官能イソシアネート化合物と反応し、硬化膜を形成する。
ポリオール化合物が1分子中に有する水酸基の個数は2以上で、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4である。
Rは、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、例えば、−CH2−や−C2H4−などの直鎖アルキレン基、−CH2−C(CH3)2−CH2−などの分岐アルキレン基、−C2H4−O−C2H4−などのエーテル含有基、などが挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、直鎖または分岐のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6である。
mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。mおよびnは、それぞれ、2〜20の整数であることが好ましい。また、mとnの和が4〜35であることが好ましい。
Rは、3価の有機基を表す。3価の有機基としては、例えば、直鎖または分岐アルカンから水素原子を3つ取り除いた構造などが挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、直鎖または分岐のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6である。
l、mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。l、mおよびnは、それぞれ、2〜20の整数であることが好ましい。また、l、mおよびnの和が3〜40であることが好ましい。
Rは、4価の有機基を表す。4価の有機基としては、例えば、直鎖または分岐アルカンから水素原子を4つ取り除いた構造などが挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、直鎖または分岐のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6である。
k、l、mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。k、l、mおよびnは、それぞれ、2〜20の整数であることが好ましい。また、k、l、mおよびnの和が4〜50であることが好ましい。
ポリカーボネートポリオールは、1種以上のポリオール原料(多価アルコール)と、炭酸エステルやホスゲンとを反応させることにより得ることができる。
ポリオール原料としては、特に制限されないが、例えば、脂肪族ポリオール、脂環構造を有するポリオール、芳香族ポリオール等が挙げられる。本実施形態においては、硬化膜の柔軟性の観点から、脂環構脂を有しない脂肪族ポリオールが好ましい。
炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の脂肪族炭酸エステル、ジフェニルカーボネート等の芳香族炭酸エステル、エチレンカーボネート等の環状炭酸エステルが挙げられる。中でも、入手や製造のしやすさから、脂肪族炭酸エステルが好ましく、ジメチルカーボネートが特に好ましい。
ポリカーボネートポリオールの市販品としては、例えば、株式会社ダイセル製のプラクセルシリーズ、旭化成株式会社製のデュラノール(商品名)シリーズ等が利用可能である。
具体的な化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエーテルポリオールの市販品としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製のPTMGシリーズ、旭硝子株式会社製の「エクセノール」シリーズ等が利用可能である。
また、ポリオール化合物は、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびポリエーテルポリオールのうち、複数種を含んでいてもよい。
これは、本実施形態の塗料組成物に含まれる(メタ)アクリル系樹脂が前述の一般式(2)の構造、すなわちカプロラクトン構造を持つため、ポリオール化合物としては当該樹脂との相溶性が良好となりやすい傾向があるということと、架橋密度を上げ過ぎずに防曇性能を向上させやすい傾向があるためである。
本実施形態の塗料組成物は、多官能イソシアネート化合物を含む。
多官能イソシアネート化合物は、(メタ)アクリル系樹脂に含まれる構成単位(a−2)および構成単位(a−3)が有する水酸基、ならびにポリオール化合物の水酸基と架橋反応を起こす。
これはビウレット型の持つ構造が、ヌレート型よりも柔らかく、一方で、アダクト型よりも硬く、本発明の解決課題に対して適切な“硬さ”バランスを持った構造であるためである。
本実施形態の塗料組成物は、必要に応じて、他の成分を更に含んでもよい。例えば、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤など、塗料組成物を製造するうえで一般的に使われる添加剤等を含んでもよい。
本実施形態の塗料組成物は、典型的には、各成分を溶剤に溶解または分散させた状態で用いる。
溶剤は、一態様として有機溶剤である。有機溶剤の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤が挙げられる。
本実施形態の塗料組成物は、前述した(メタ)アクリル系樹脂、ポリオール化合物および多官能イソシアネート化合物の各成分の量比を適切に調整することで、硬化膜の柔軟性・弾力性を一層向上させ、各種物性に優れた硬化膜を形成することが期待できる。
特に本発明においては、組成物中の水酸基の量と、イソシアネート基の量比を適切に調整することが、最終的に得られる硬化膜の物性(耐擦傷性、耐擦傷性、耐溶剤性)をより良化させるために重要である。
すなわち、本発明においては、(メタ)アクリル系樹脂およびポリオール化合物が有する水酸基に対する、多官能イソシアネート化合物が含有するイソシアネート基(ブロックイソシアネート基を含む)のモル量(すなわち、当量比(NCO)/(OH))が、0.15〜0.55の範囲であることが必須となる。
本実施形態の塗料組成物は、1液型、すなわち、溶剤以外の全成分が、溶剤に実質的に均一に混合(溶解または分散)された状態であってよい。
多官能イソシアネート化合物がブロックイソシアネートである場合には、1液型が好ましい。
例えば、本実施形態の塗料組成物は、(1)(メタ)アクリル系樹脂および/またはポリオール化合物を含み、多官能イソシアネート化合物を含まないA液と、(2)多官能イソシアネート化合物を含み、(メタ)アクリル系樹脂およびポリオール化合物を含まないB液とから構成され、A液とB液は別々の容器で保存され、使用(塗工)直前にA液とB液を混合する形態であってもよい。
特に、多官能イソシアネート化合物が、ブロックイソシアネートではない場合(すなわち、系中でイソシアネート基が−NCOの形で存在している場合)には、塗料組成物は2液型であることが好ましい。
本実施形態の硬化膜は、典型的には、上記の各成分を溶媒に溶解または分散させた塗料組成物(2液型の場合は、2液を混合したもの)を、対象物(被塗物)の一部または全部に塗工することで得ることができる。
塗工方法は特に限定されず、例えばエアスプレー法、エアレススプレー法、静電塗装法、ロールコーター法、フローコーター法、スピンコート法、浸漬法などが挙げられる。
塗工後、20〜160℃で10〜120分間、好ましくは60〜120℃で20〜90分間硬化し、そして常温で放冷することで、最終的な硬化膜を得ることができる。なお、硬化の温度や時間は、対象物(被塗物)の耐熱性などを踏まえて適宜調整すれば良い。
・携帯電話、スマートフォン、パソコン、パソコン周辺機器(キーボード、プリンタ、外付けディスク等)、腕時計、オーディオ機器、各種OA機器等の電気・電子機器。
・洗面所鏡、浴室鏡、ゴーグル、保護メガネ、メガネレンズ、カメラレンズ。
・店舗等のショーケース、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ等の家電製品。
・階段、床、机、椅子、タンス、その他の家具等の木工製品。
・建物の窓、建物の外装材、農業用ハウスの被覆材料。
・自動車やオートバイ等の車両またはその部品:より具体的には、車両のボディ、窓、サイドミラー、ルームミラー、内装品(メーターパネル、ダッシュボード、ハンドル等)、バンパー、スポイラー、ドアノブ、ヘッドライト、テールライト、アルミホイール、オートバイのガソリンタンク。
・カーブミラー、道路反射鏡などの道路資材。
なお、対象物(被塗物)には、塗工前に、脱脂や表面処理等を施してもよい。さらに、密着性向上等のために下塗り等を行ってもよい。
さらに、本実施形態においては、合成樹脂製のフィルムに硬化膜を形成後、適当な転写プロセスにより、フィルム状に形成された硬化膜を物品に転写後、フィルムを剥がして、硬化膜を有する物品を得てもよい。
[(メタ)アクリル系樹脂の合成]
撹拌基、温度計、コンデンサーおよび窒素ガス同入管を備えた500ml形のフラスコにプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMAC)150質量部を仕込み、110℃まで昇温した。
これとは別に、ジメチルアクリルアミド(DMAA)25質量部、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製、プラクセルFA2D)35質量部、、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート(HEMA)10質量部、片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−0721、分子量5000)5質量部、メタクリル酸メチル25質量部、および、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(和光純薬工業株式会社製、V−40)1質量部を混合した。この混合モノマーを撹拌しながら2時間かけて、上記の500ml形のフラスコに滴下し、5時間反応させた。
加熱を止めて室温まで冷却し、(メタ)アクリル系樹脂を含む樹脂溶液(固形分比率:約40質量%)を得た。
上記で得た(メタ)アクリル系樹脂、ポリカプロラクトンジオール(株式会社ダイセル製、プラクセル205U、分子量530、水酸基価207〜217mgKOH/g)、および、多官能イソシアネート化合物(旭化成株式会社製、24A−100、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットタイプ、イソシアネート基含有率23.5質量%、固形分100質量%)を、表1に示す量(単位:質量部)で混合した。そして、PGMACで固形分濃度を調整し、固形分30質量%の塗料組成物を調製した。
なお、表において、(メタ)アクリル系樹脂の量は、樹脂溶液(固形分比率:約40質量%)としての量ではなく、樹脂溶液中に含まれる樹脂(固形分)の量を表し、多官能イソシアネート化合物の量も固形分としての量を表している。
また、水酸基価の項目「A+B」は、(メタ)アクリル系樹脂とポリオール化合物とを、表1で示した量で均一に混合したときの混合物の水酸基価の測定値を示している(実施例2以降についても全て同じ)。
JIS K 0070「化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」の、「7.1 中和滴定法」に規定された方法に準じて測定および算出した。
なお、水酸基価の算出に際しては、酸価の値も必要である。酸価の値についても、同JIS規格の「3.1 中和滴定法」に規定された方法に準じて測定および算出した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定、算出した。用いた装置、条件等は以下の通りである。
使用機器:HLC8220GPC(株式会社東ソー製)
使用カラム:TSKgel SuperHZM−M、TSKgel GMHXL−H、TSKgel G2500HXL、TSKgel G5000HXL(株式会社東ソー製)
カラム温度:40℃
標準物質:TSKgel 標準ポリスチレンA1000、A2500、A5000、F1、F2、F4、F10(株式会社東ソー製)
検出器:RI(示差屈折)検出器
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1ml/min
表1〜表9に示す配合に従い、実施例1と同様にして、実施例2〜36、比較例1〜14の塗料組成物を作製した。
なお、実施例35および実施例36については、(メタ)アクリル系樹脂を合成する際の「1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)」の使用量が、実施例35では2質量部、実施例36では0.5質量部とした点が、他の実施例・比較例と異なっている。
各実施例、比較例で得られた各塗料組成物を、それぞれ、ポリカーボネート板(縦150mm×横70mm×厚さ2mm)にスプレー塗装した。塗装物を120℃、90分の条件で硬化させ、その後室温で放冷した。これにより、硬化膜(膜厚10μm)を備えたポリカーボネート板(以下、試験板という)を得た。得られた試験板を用いて、以下の評価を行なった。
[呼気防曇性]
室温25℃、湿度40%の条件下で、試験板に10秒間呼気を吹きかけた。呼気を吹きかけ始めから、吹きかけ終わるまでの硬化膜の状態について目視観察を行い、以下の評価基準に従って評価を行なった。
◎:曇りが全く認められない(実用レベル)
○:5秒以上の呼気吹きかけで曇りが生じる(実用レベル)
□:3秒以上の呼気吹きかけで曇りが生じる(実用下限レベル)
△:曇りが認められるが、呼気の吹きかけ終了後、すぐに曇りが解消する(実用不適)
×:曇りが認められ、曇りが解消されるのに10秒以上かかる(実用不適)
50℃に保った温水浴の水面から5cm上方に、硬化膜面が下向きになるように試験板を設置し、温水浴からのスチームを硬化膜に連続照射した。スチームを照射し始めてから硬化膜が曇り始める時間までの時間を測定し、以下の評価基準に従って評価を行なった。
◎:20秒以上曇ることがない(実用レベル)
○:15秒以上20秒未満で曇る(実用レベル)
□:10秒以上15秒未満で曇る(実用下限レベル)
△:5秒以上10秒未満で曇る(実用不適)
×:0秒以上5秒未満(実用不適)
乾燥した脱脂綿を硬化膜上に置き、脱脂綿の上から5Nの力を掛けた(力の掛かっている面積は1cm四方)。そして、力が掛かった状態の脱脂綿を50往復ラビング(ラビング距離は5cm)させた。その後、硬化膜の状態(付いた傷の数)を目視で確認し、以下の評価基準で評価を行なった。
◎:傷が全く付かない(実用レベル)
○:傷1本以上5本未満(実用レベル)
□:傷が5本以上10本未満(実用下限レベル)
△:傷が10本以上15本未満(実用不適)
×:傷が15本以上20本未満(実用不適)
イソプロパノールが十分に浸み込んだ脱脂綿を硬化膜上に置き、脱脂綿の上から1Nの力を掛けた(力の掛かっている面積は1cm四方)。そして、力が掛かった状態の脱脂綿を20往復ラビング(ラビング距離は5cm)させた。その後、硬化膜の状態を目視で確認し、以下の評価基準で評価を行なった。
◎:まったく跡がない(実用レベル)
○:僅かに跡があるが消える(実用レベル)
□:目立つ跡があるが消える(実用下限レベル)
△:50%未満の面積の硬化膜が剥離して、基材が見える(実用不適)
×:50%以上の面積の硬化膜が剥離して、基材が見えた(実用不適)
被験者20名を利用して、次のような評価を行なった。ティッシュペーパーを親指、人差し指、および中指の3本の指でつまみ、そのつまんだティッシュペーパーを硬化膜に押し付けた状態で、硬化膜表面と平行に横方向に10回往復(距離は約10cmで、ティシュペーパーで硬化膜上の汚れをふき取るような動き)をさせた。このとき、被験者がそれぞれ感じた、ティッシュペーパーと硬化膜表面との摩擦による触感について、下記数値判定基準により数値化を行ない、得られた数値について被験者20名の平均値を算出した。この平均値をもって、以下の評価基準で評価を行なった。
(数値判定基準)
5点:ティッシュペーパーを滑らかに動かすことが可能で、引っかかり感が全くない
4点:ティッシュペーパーを滑らかに動かすことが可能だが、わずかに引っかかり感がある
3点:ティッシュペーパーを動かすことに支障はないが、若干の引っかかり感がある
2点:ティッシュペーパーを動かすことは可能だが、指に対する引っかかり感が大きい
1点:ティッシュペーパーを動かすのに支障を来たすほどの引っかかり感がある
(評価基準)
◎:4.5点以上(実用レベル)
○:4.0以上4.5点未満(実用レベル)
□:3.0以上4.0点未満(実用下限レベル)
△:2.0以上3.0点未満(実用不適)
×:2.0点未満(実用不適)
全自動ヘーズメーター(TC−HIIIDPK;東京電色技術センター製)を用いて試験板、およびポリカーボネート板(硬化膜を備えていないもの)のHAZE値をそれぞれ測定した。得られた試験板のHAZE値から、ポリカーボネート板のHAZE値を差し引いたものを硬化膜のHAZE値とし、以下の評価基準に従って評価を行なった。
◎:0.3未満(実用レベル)
○:0.3以上0.5未満(実用レベル)
□:0.5以上0.7未満(実用下限レベル)
△:0.7以上1未満(実用不適)
×:1.0以上(実用不適)
(A)メタアクリル系樹脂の合成に使用したモノマー
DMAA:ジメチルアクリルアミド
DEAA:ジエチルアクリルアミド
FA1:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート、プラクセルFA1(カプロラクトン1モル付加物、分子量230、水酸基価244mgKOH/g)
FA2D:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート、プラクセルFA2D(カプロラクトン2モル付加物、分子量344、水酸基価163mgKOH/g)
FA5:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート、プラクセルFA5(カプロラクトン5モル付加物、分子量689、水酸基価74〜84mgKOH/g)
FM−0711:JNC株式会社製、片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン、サイラプレーンFM−0711(分子量1000)
FM−0721:JNC株式会社製、片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン、サイラプレーンFM−0721(分子量5000)
FM−0751:JNC株式会社製、片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン、サイラプレーンFM−0725(分子量10000)
AK−32:東亞合成株式会社製、片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン、マクロモノマーAK−32(分子量20000)
プラクセル205U:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトンジオール(分子量530、水酸基価207〜217mgKOH/g)
プラクセル220:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトンジオール(分子量2000、水酸基価53〜59mgKOH/g)
プラクセル305:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトントリオール(分子量500、水酸基価300〜310mgKOH/g)
プラクセル405:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトンテトラオール(分子量500、水酸基価440〜450mgKOH/g)
プラクセル410D:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトンテトラオール(分子量1000、水酸基価216〜232mgKOH/g)
CD205PL:株式会社ダイセル製 ポリカーボネートジオール(分子量500、水酸基価215〜235mgKOH/g)
PTMG−650:三菱ケミカル株式会社製、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量650、水酸基価160〜187mgKOH/g)
TPA−100:旭化成株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートタイプ(イソシアネート基含有率23質量%、固形分100質量%)
24A−100:旭化成株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットタイプ(イソシアネート基含有率23.5質量%、固形分100質量%)
P301−75E:旭化成株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクトタイプ(イソシアネート基含有率12.5質量%、固形分75質量%)
加えて、塗料組成物として、当量比(NCO/OH)が0.15〜0.55の範囲から外れてしまうと(比較例13、比較例14)、たとえ他の要件((メタ)アクリル系樹脂の構成や、ポリオールの有無等)を満たしていたとしても、全体としてバランスが取れた硬化膜が得られないという結果であった。
下記一般式(1)で表されるモノマー(a−1)に由来する構成単位、下記一般式(2)で表されるモノマー(a−2)に由来する構成単位、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a−3)に由来する構成単位、および、下記一般式(3)で表されるモノマー(a−4)に由来する構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)、
ポリオール化合物(B)、
および、
多官能イソシアネート化合物(C)、を含み、
前記樹脂(A)は、当該樹脂を構成する全構成単位100質量%に対し、
モノマー(a−1)に由来する構成単位の割合が20質量%以上65質量%以下、
モノマー(a−2)に由来する構成単位の割合が10質量%以上40質量%以下、
モノマー(a−4)に由来する構成単位の割合が1質量%以上10質量%以下、であり、
前記多官能イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数(NCO)と、前記共重合体に含まれる水酸基の数および前記ポリオール化合物に含まれる水酸基の数を足し合わせた総量(OH)との比(NCO)/(OH)が、0.15以上0.55以下である、
塗料組成物。
本実施形態の塗料組成物は、
塗料組成物であって、
下記一般式(1)で表されるモノマー(a−1)に由来する構成単位、下記一般式(2)
で表されるモノマー(a−2)に由来する構成単位、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a−3)に由来する構成単位、および、下記一般式(3)で表されるモノマー(a−4)に由来する構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)、
ポリオール化合物(B)、
および、
多官能イソシアネート化合物(C)、を含み、
前記共重合体は、当該共重合体を構成する全モノマー100質量%に対し、
モノマー(a−1)に由来する構成単位の割合が20質量%以上65質量%以下、
モノマー(a−2)に由来する構成単位の割合が10質量%以上40質量%以下、
モノマー(a−3)に由来する構成単位の割合が1質量%以上10質量%以下、であり、
前記多官能イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数(NCO)と、前記共重合体に含まれる水酸基の数および前記ポリオール化合物に含まれる水酸基の数を足し合わせた総量(OH)との比(NCO)/(OH)が、0.15以上0.55以下である。
Claims (9)
- 塗料組成物であって、
下記一般式(1)で表されるモノマー(a−1)に由来する構成単位、下記一般式(2)で表されるモノマー(a−2)に由来する構成単位、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(a−3)に由来する構成単位、および、下記一般式(3)で表されるモノマー(a−4)に由来する構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)、
ポリオール化合物(B)、
および、
多官能イソシアネート化合物(C)、を含み、
前記樹脂は、当該樹脂を構成する全構成単位100質量%に対し、
モノマー(a−1)に由来する構成単位の割合が20質量%以上65質量%以下、モノマー(a−2)に由来する構成単位の割合が10質量%以上40質量%以下、
モノマー(a−4)に由来する構成単位の割合が1質量%以上10質量%以下、であり、
前記多官能イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数(NCO)と、前記樹脂(A)に含まれる水酸基の数および前記ポリオール化合物(B)に含まれる水酸基の数を足し合わせた総量(OH)との比(NCO)/(OH)が、0.15以上0.55以下である、
塗料組成物。
- 前記ポリオール化合物(B)は、
ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびポリエーテルポリオールからなる群より選択される少なくとも1種以上のポリオール化合物を含む、請求項1記載の塗料組成物。 - 前記(メタ)アクリル系樹脂(A)は、
その水酸基価が40mgKOH/g以上150mgKOH/g以下である、請求項1または2記載の塗料組成物。 - 前記ポリオール化合物(B)は、
その水酸基価が50mgKOH/g以上500mgKOH/g以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗料組成物。 - 前記塗料組成物中における前記樹脂(A)と前記ポリオール化合物(B)の総量の水酸基価は、
80mgKOH/g以上190mgKOH/g以下である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗料組成物。 - 前記組成物中における、下記の式で表されるP値が15以上40以下である、請求項1乃至5記載のいずれか1項に記載の塗料組成物。
- 前記多官能イソシアネート化合物は、ビウレット型である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の塗料組成物。
- 請求項1乃至7のいずれか1項記載の塗料組成物から形成された硬化膜。
- 請求項8記載の硬化膜を備えた物品。
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