JP6338638B2 - 携帯用マルノコ - Google Patents

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本発明は、携帯用マルノコに関する。
携帯用マルノコは、駆動源として、小型で耐久性の良いブラシレスモータを用いるものが知られており(非特許文献1参照)、IGBTモジュールやマイコン、コンデンサ等を搭載した制御回路基板は、ブラシレスモータの側方に配置されている。
マキタ総合カタログ2013−4、[平成25年11月6日検索]、インターネット<http://www.makita.co.jp/product/ecatalog/sougou/index.html#56>
しかし、この携帯用マルノコにおいては、制御回路基板によって幅寸法が大きくなり、コンパクト化を阻害するものとなっている。また、制御回路基板の位置によってはグリップが設けられるモータハウジング上側のスペースが小さくなって操作性が悪くなるおそれがあった。
そこで、本発明は、操作性が良好となる携帯用マルノコを提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングと、ハウジングの下方で前後方向に延び、ハウジングに連結されるベースと、ハウジングの上方で前後方向に延びるグリップ部と、グリップ部を挟んだ左右何れか一方側でハウジングに設けられた鋸刃と、他方側でハウジングに設けられ、鋸刃を回転させるブラシレスモータを、回転軸が左右方向へ延びるように収容して他方側へ突出するブラシレスモータ収容部と、他方側に向かって突出するようにハウジングに設けられ、ブラシレスモータを制御するスイッチング素子を有するコントローラを、回転軸の軸方向と平行に延びるように収容して、後端がブラシレスモータ収容部の後端を越えた位置となるコントローラ収容部と、ブラシレスモータ収容部よりも後方でハウジングに接続され、ブラシレスモータに電源を供給するための電源コードと、を備え、グリップ部の後端は、ブラシレスモータ収容部よりも後方においてハウジングに連結され、ブラシレスモータ収容部の他方側への突出端とコントローラ収容部の他方側への突出端とが、上下及び前後方向で規定される平面に対して同時に当接可能な位置にあると共に、回転軸の軸方向から見て、全体の重心が、ブラシレスモータ収容部の中心よりも後方に位置しており、ブラシレスモータ収容部の突出端とコントローラ収容部の突出端とを下にした姿勢で平坦面に載置可能であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、ブラシレスモータの回転軸にはファンが設けられ、ブラシレスモータ収容部の突出端側の外面と、コントローラ収容部の突出端側の外面とには、ファンにより生じる冷却用空気の通気口がそれぞれ形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ブラシレスモータの収容部の突出端とコントローラの収容部の突出端とを下にして平坦面に載置可能となるので、操作性が良好となる。
携帯用マルノコの側面図である。 携帯用マルノコの平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 変更例の携帯用マルノコの平面図である。 図5のC−C線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、携帯用マルノコ(以下単に「マルノコ」という。)の一例を示す側面図、図2はその平面図、図3は図1のA−A線断面図、図4は図2のB−B線断面図である。マルノコ1は、平面視矩形状のベース2の上方に、ブラシレスモータ5によって回転駆動する円板状の鋸刃4を備えた本体3を設けてなる。本体3は、ブラシレスモータ5を収容したモータハウジング6と、モータハウジング6の右側(図1の右側を前方(切断方向)とする。)に連結されるギヤハウジング7と、ギヤハウジング7の右側に連結されて鋸刃4の上部を覆うブレードケース8とから形成され、ギヤハウジング7の上方には、ループ状のグリップハウジング9が設けられている。
ブレードケース8は、前方側が、平面視U字状の連結板10にネジ11によって上下方向へ回転可能に軸着されており、その連結板10が、ベース2上に立設されて円弧状のガイド溝を有する左右方向のガイド板12に、前後方向のピンによって回転可能且つツマミネジ13によってガイド溝に沿った任意の位置で固定可能に連結されている。一方、ブレードケース8の後方側でも、円弧状のガイド溝を有する左右方向のガイド板14がベース2上に立設されており、そのガイド板14に、ブレードケース8の側方で前方へ向かって円弧状にカーブするデプスガイド15が、前後方向のピンによって回転可能且つツマミネジ16によってガイド溝に沿った任意の位置で固定可能に連結されている(但し、ツマミネジ13,16の一方は回転軸のみとしてもよい。)。このデプスガイド15に、ブレードケース8の側面に設けたネジ軸17が貫通して、ネジ軸17の端部に設けたレバー18の操作によって任意にクランプ操作可能となっている。
よって、本体3は、デプスガイド15に沿ったブレードケース8のクランプ位置(但し、モータハウジング6にクランプされてもよい。)を変更することで、ネジ11を中心として回転させて、ベース2に設けた角穴19を通して下方へ突出する鋸刃4の突出量(切込量)が調整可能となる。また、前後のガイド板12,14における連結板10とデプスガイド15との固定位置を変更することで、本体3を、鋸刃4がベース2と直交する直角位置から、右側へ倒伏して鋸刃4がベース2と45°(45°以上(例えば56°)でもよい。)の角度で傾斜する最大傾斜位置までの任意の傾斜角度で固定可能となる。但し、この傾斜切断機能がないものでも差し支えない。なお、ベース2の前端には、鋸刃4の直角(0°)位置と45°位置で側縁がそれぞれ鋸刃4の延長上に位置する切込み20,20が形成されており、被切断材の上面に表記した墨線に切込み20の側縁を合わせることで、墨線に沿った切断が容易に可能となっている。
一方、グリップハウジング9は、モータハウジング6に連設(別体でネジ固定されるような構造でも可)される左側の半割ハウジング9aと、右側の半割ハウジング9bとをネジ21,21・・によって組み付けて形成され、後側がグリップ部22となっている。グリップ部22の前側には、トリガ24を下方へ突出させたスイッチ23が収容されて、グリップ部22の後側には、電源コード25が接続されている。
そして、ブラシレスモータ5は、ステータ26とロータ27とを有するインナーロータ型で、まずステータ26は、複数の積層鋼板からなる固定子鉄心28と、固定子鉄心28の前後に設けられる前絶縁部材29及び後絶縁部材30(なお、図3に示す本体3の内部の説明では、便宜上鋸刃4側を前方、ブラシレスモータ5側を後方とする。)と、前絶縁部材29及び後絶縁部材30を介して固定子鉄心28に巻回される6つのコイル(図示略)とを有する。また、ロータ27は、軸心に位置する回転軸31と、回転軸31の周囲に配置される筒状の回転子鉄心32と、回転子鉄心32の外側に配置され、筒状で周方向に極性を交互に変えた永久磁石33と、これらの後側において放射状に配置された複数のセンサ用永久磁石(図示略)とを有する。後絶縁部材30の後端(前端でもよい)には、ロータ27のセンサ用永久磁石の位置を検出して回転検出信号を出力する3つの回転検出素子を搭載したセンサ回路基板34が固定されている。
回転軸31は、モータハウジング6の後部に保持された軸受35と、ギヤハウジング7に保持された軸受36とによって回転可能に支持されて、第1ギヤ37を形成した前端をギヤハウジング7内に突出させている。回転軸31における軸受36より後方には、モータ冷却用の遠心ファン38が固着され、モータハウジング6の後面には、複数の吸気口39,39・・が形成されて、ステータ26の前方には、回転軸31に貫通されて遠心ファン38の周囲を囲む皿状のバッフルプレート40が設けられている。
また、回転軸31の前方には、回転軸31と平行な中間軸41が、後端をギヤハウジング7に保持された軸受42で、前端を、ブレードケース8に組み付けられるベアリングリテーナ43に保持された軸受44でそれぞれ軸支されており、中間軸41の後部に設けた大径の第2ギヤ45を回転軸31の第1ギヤ37と噛合させている。46は、軸受44の前方でベアリングリテーナ43に保持されて軸受44のスラスト荷重を受けるリングである。中間軸41の前部には第2ギヤ45より小径の第3ギヤ47が形成されている。
さらに、中間軸41の前方には、中間軸41と平行な出力軸48が、後端をブレードケース8に保持された軸受49で、前端をベアリングリテーナ43に保持された軸受50でそれぞれ軸支されて、ベアリングリテーナ43を貫通させた前端をブレードケース8内に突出させている。出力軸48の後部には、中間軸41の第3ギヤ47と噛合する第4ギヤ51が設けられている。この出力軸48の前端に、鋸刃4が、アウターフランジ52とインナーフランジ53とによって挟持されると共に、前方から出力軸48の軸心にねじ込まれるボルト54によって固定されている。55は、ブレードケース8内でベアリングリテーナ43に回転可能に装着される安全カバーで、常態では図1のように鋸刃4の下側を覆う位置に回転付勢されている。64は、鋸刃4の着脱の際に本体3内に押し込むことで回転軸31を回り止めするシャフトロックである。
一方、図3,4に示すように、モータハウジング6の下方には、張出ハウジング56がベース2と平行に連設されて、張出ハウジング56内にコントローラ57を収容している。このコントローラ57は、マイコンの他、ダイオードや平滑コンデンサ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュール等を搭載して整流回路やインバータ回路を形成した制御回路基板58を、上面が開放したケース(例えばアルミニウム製)59に収容したものである。
また、張出ハウジング56の内部は、モータハウジング6と連通しており、張出ハウジング56の左端面にも、吸気口60が形成されている。
さらに、コントローラ57は、切断方向ではモータハウジング6の前端と略同じ位置となり、切断方向と反対側ではモータハウジング6の後端を大きく越えた位置となる長さで形成されており、左右方向では、左端がブラシレスモータ5の回転軸31を軸支する軸受35の下方となり、右端が遠心ファン38の前端の下方となる長さで形成されている。この配置で、鋸刃4と制御回路基板58との間に第2ギヤ45が位置するようになっている。
以上の如く構成されたマルノコ1においては、トリガ24を上方へと引き操作すると、スイッチ23がONして商用電源が供給され、コントローラ57で整流された直流電源によってブラシレスモータ5が駆動する。すなわち、コントローラ57のマイコンが、センサ回路基板34の回転検出素子から出力されるロータ27のセンサ用永久磁石の位置を示す回転検出信号を得てロータ27の回転状態を取得し、取得した回転状態に応じてIGBTモジュールのON/OFFを制御し、ステータ26の各コイルに対し順番に電流を流すことでロータ27を回転させる。よって、回転軸31が回転して第1ギヤ37から第2ギヤ45を介して中間軸41が回転し、第3ギヤ47から第4ギヤ51を介して出力軸48が回転するため、鋸刃4が回転し、被切断材を切断可能となる。
この回転軸31の回転に伴う遠心ファン38の回転により、吸気口39からモータハウジング6内に吸い込まれた冷却用空気は、ブラシレスモータ5を通過してブラシレスモータ5を冷却した後、バッフルプレート40によってギヤハウジング7側へ送られる。また、張出ハウジング56の吸気口60から吸い込まれた冷却用空気は、コントローラ57を通過して制御回路基板58を冷却した後、モータハウジング6内に移動して同じくバッフルプレート40によってギヤハウジング7側へ送られる。制御回路基板58はケース59に収容されているので、制御回路基板58で発生した熱はケース59を介して放熱されると共に、冷却用空気によって効果的に冷却される。ギヤハウジング7側へ送られた冷却用空気の大部分は、ブレードケース8内に吹き出し、鋸刃4の回転に伴って発生する空気流と合流してブレードケース8の右側面に形成された排気口62(図1)から排出される。但し、吸気口と排気口とを逆にしてもよい。冷却用空気の残りの一部は、ブレードケース8の左側面に設けられたダクト63を通ってブレードケース8の前端に送られ、ベース2の前端に吹き付けられる。よって、墨線が切粉で隠れることが防止される。
このように、上記形態のマルノコ1によれば、制御回路基板58があっても幅寸法が大きくなることがなく、コンパクト化を維持できる。また、グリップ部22が設けられるモータハウジング6上側のスペースに制御回路基板58が張り出さないので、操作性が良好となる。
なお、制御回路基板の配置は、ブラシレスモータの下方に限らず、図5,6に示すマルノコ1Aに示すように、モータハウジング6に、切断方向前方へ突出する箱状の張出ハウジング56を筒状の連通部65を介して連設し、その張出ハウジング56内にコントローラ57を縦向きに収容するようにしてもよい。この場合もブラシレスモータ5の前方のスペースを利用してコントローラ57を配置することができる。
また、ブラシレスモータの下方のみ、或いは前方のみにコントローラを設置する場合に限らず、ブラシレスモータの下方から前方へ掛けて傾斜状に配置したり、分割した2つの制御回路基板の一方をブラシレスモータの下方に、他方をブラシレスモータの前方にそれぞれ配置したり(この場合、2枚の基板が角度をもって配置され、リード線等により信号伝達や電源供給が行われる。)することも可能である。
さらに、上記形態では、回転軸と出力軸との間に中間軸を介在させているが、この中間軸は二本以上あってもよいし、逆に中間軸を省略して回転軸の第1ギヤを出力軸に設けた第2ギヤに噛合させてもよい。
その他、ブラシレスモータとしては、S−Rモータや高周波モータ等も採用できる。また、ロータの極数も6極以下で適宜変更できる。なお、6極以下とすることにより、コントローラで駆動しなければならないコイルの数を少なくすることができる。このため、より容易にブラシレスモータを制御することができる。
また、商用電源で駆動する携帯用マルノコに限らず、バッテリーを電源とする携帯用マルノコや、カッタ等の携帯用切断機、往復動機構部により往復動する切断刃を有するジグソーであっても本発明は適用可能である。
1,1A・・携帯用マルノコ、2・・ベース、3・・本体、4・・鋸刃、5・・ブラシレスモータ、6・・モータハウジング、7・・ギヤハウジング、8・・ブレードケース、26・・ステータ、27・・ロータ、31・・回転軸、37・・第1ギヤ、41・・中間軸、45・・第2ギヤ、47・・第3ギヤ、48・・出力軸、51・・第4ギヤ、56・・張出ハウジング、57・・コントローラ、58・・制御回路基板、59・・ケース。

Claims (2)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングの下方で前後方向に延び、前記ハウジングに連結されるベースと、
    前記ハウジングの上方で前後方向に延びるグリップ部と、
    前記グリップ部を挟んだ左右何れか一方側で前記ハウジングに設けられた鋸刃と、
    他方側で前記ハウジングに設けられ、前記鋸刃を回転させるブラシレスモータを、回転軸が左右方向へ延びるように収容して前記他方側へ突出するブラシレスモータ収容部と、
    前記他方側に向かって突出するように前記ハウジングに設けられ、前記ブラシレスモータを制御するスイッチング素子を有するコントローラを、前記回転軸の軸方向と平行に延びるように収容して、後端が前記ブラシレスモータ収容部の後端を越えた位置となるコントローラ収容部と、
    前記ブラシレスモータ収容部よりも後方で前記ハウジングに接続され、前記ブラシレスモータに電源を供給するための電源コードと、を備え
    前記グリップ部の後端は、前記ブラシレスモータ収容部よりも後方において前記ハウジングに連結され、
    前記ブラシレスモータ収容部の前記他方側への突出端と前記コントローラ収容部の前記他方側への突出端とが、上下及び前後方向で規定される平面に対して同時に当接可能な位置にあると共に、前記回転軸の軸方向から見て、全体の重心が、前記ブラシレスモータ収容部の中心よりも後方に位置しており、
    前記ブラシレスモータ収容部の前記突出端と前記コントローラ収容部の前記突出端とを下にした姿勢で平坦面に載置可能であることを特徴とする携帯用マルノコ。
  2. 前記ブラシレスモータの回転軸にはファンが設けられ、前記ブラシレスモータ収容部の前記突出端側の外面と、前記コントローラ収容部の前記突出端側の外面とには、前記ファンにより生じる冷却用空気の通気口がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用マルノコ。
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