JP6338057B2 - 血液濾過フィルタ - Google Patents

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本発明は、採取した血液の濾過等に用いられる血液濾過フィルタに関する。
従来から、採取した血液を濾過する血液濾過フィルタが知られている。例えば、血栓等で閉塞した血管の閉塞部位に対して血栓吸引カテーテルを挿し入れて採取した血液を、血液濾過フィルタを用いて濾過し、分離された血栓を含む残留物を観察や分析等することが行われている。
かかる血液濾過フィルタは、一般に特開2013−141456号公報(特許文献1)に記載のセルストレーナのように、フィルタが骨組みで支えられて上方に開口する構造とされている。そして、濾液を収容するための収容容器の開口部に血液濾過フィルタを設置し、採取した血液を上方から注ぎ入れることで、血液濾過フィルタの底壁や周壁に配されたフィルタにより濾過されて血栓等が分離される。
ところで、血液濾過フィルタを載置して濾液を収容するための収容容器は、濾過する血液の量やフィルタサイズ、作業性などに応じて、異なる容量や形状のものを用いることがある。
ところが、特許文献1に開示された従来の血液濾過フィルタは、フィルタを支える骨組みを収容容器の開口部から嵌め入れ、骨組みの上端周縁に突設された狭幅鍔状の保持部を収容容器の開口部上面に重ね合わせて装着するようになっていた。そのために、装着可能な収容容器の開口部サイズが極めて限定されてしまい、容量や形状が異なる収容容器に応じて、それぞれサイズが異なる血液濾過フィルタを準備して用いることが必要とされることから、作業が煩雑で利便性も悪い等という問題があった。
特開2013−141456号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、開口部サイズが異なる複数種類の収容容器に対しても装着可能とされた、新規な構造の血液濾過フィルタを提供することにある。
本発明の第1の態様は、底壁部と周壁部とを備えたカップ状本体における該底壁部に血液濾過膜で覆われた透孔が設けられていると共に、該底壁部における該透孔よりも外周側において下方に向かって突出して周方向に延びる位置決め突起が形成されており、該血液濾過膜で濾過された濾過血液の収容容器の開口部に対する位置決め部として、該位置決め突起の内周面および該位置決め突起の内周側の該底壁部の下面とによる第1の位置決め部と、該位置決め突起の外周面および該位置決め突起の外周側の該底壁部の下面とによる第2の位置決め部とが設けられて、該第1の位置決め部と該第2の位置決め部が該収容容器の開口部サイズに応じて選択的に該収容容器の開口部に位置決めされ得るようになっていることを、特徴とする血液濾過フィルタである。
本態様に従う構造とされた血液濾過フィルタによれば、第1の位置決め部と第2の位置決め部とが設けられており、収容容器における開口部のサイズに応じて、第1の位置決め部と第2の位置決め部とが選択的に適合して位置決めされる。それ故、開口部のサイズの異なる収容容器に対しても、共通の血液濾過フィルタを装着して用いることが可能となる。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係る血液濾過フィルタであって、前記位置決め突起が周上で部分的に形成されており、該位置決め突起が設けられていない領域において、前記底壁部における該位置決め突起の内周側の下面を外周側に開放する開放部が設けられているものである。
本態様に従う構造とされた血液濾過フィルタによれば、例えば、収容容器の開口部の内周面や外周面に対して位置決め突起が略密接して嵌め合わされる場合でも、周上で位置決め突起が形成されていない開口部を通じて、収容容器の内部と外部空間との連通状態が維持されることとなり、血液濾過時における収容容器の内圧の上昇に伴う血液のフィルタ通過抵抗の増大などの問題が回避される。
また、収容容器の開口部に、ビーカーの注ぎ口の如き外周への突出部分が形成されていても、当該突出部分と開放部を位置合わせすることで、突出部分の位置決め突起への干渉が回避される。それ故、収容容器の開口部に突出部分等が設けられている場合でも、血液濾過フィルタを収容容器に対して傾くことなく正規状態で安定して装着することが可能になる。
本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の態様に係る血液濾過フィルタにおいて、前記周壁部から外周側に突出して広がるプレート状部が形成されて、該プレート状部から下方に突出する該周壁部の外周面と該プレート状部の下面とによって第3の位置決め部が構成されており、前記収容容器の開口部に対する位置決め部が該第3の位置決め部を含んで構成されて、前記第1の位置決め部と該第2の位置決め部と該第3の位置決め部が該収容容器の開口部サイズに応じて選択的に該収容容器の開口部に位置決めされ得るようになっているものである。
本態様に従う構造とされた血液濾過フィルタによれば、第1及び第2の位置決め部に加えて第3の位置決め部が設けられており、収容容器の開口部サイズに応じて、これら第1〜第3の位置決め部が選択的に収容容器に適合して機能し得ることから、より多種類の収容容器に対しても血液濾過フィルタを安定して装着することが可能になる。
本発明の第4の態様は、前記第3の態様に係る血液濾過フィルタにおいて、前記プレート状部が、前記周壁部の周方向の全周に亘って連続的に形成され且つ該周壁部からの突出寸法が周上で異ならされることによって実質的に多角形の板形状とされているものである。
本態様に従う構造とされた血液濾過フィルタによれば、プレート状部が周方向の全周に亘って連続的に形成されることから、把持が容易とされると共に、プレート状部が補強リブとして作用してカップ状本体における強度や剛性の向上が図られ得る。また、周方向で突出寸法が異ならされて、実質的に多角形の板形状とされていることから、突出寸法を全周で一定とした円形の板形状に比してサイズを全体的にコンパクトに抑え得ると共に、意匠的にもまとまったデザインとすることができる。
本発明に従う構造とされた血液濾過フィルタによれば、複数の位置決め部が設けられることで、サイズの異なる収容容器の開口部に対して、それらの位置決め部を選択的に利用することができる。これにより、開口部のサイズの異なる収容容器に対しても血液濾過フィルタを安定して装着して用いることが可能となる。
本発明の1実施形態としての血液濾過フィルタを示す平面方向からの斜視図。 図1に示される血液濾過フィルタの底面方向からの斜視図。 図1に示される血液濾過フィルタの平面図。 図3におけるIV−IV断面図。 図1に示される血液濾過フィルタにおける収容容器への取付状態を説明するための説明図であって、図3におけるV−V断面図。 図1に示される血液濾過フィルタにおける別のサイズの収容容器への取付状態を説明するための説明図であって、図5に相当する図。 図1に示される血液濾過フィルタにおける更に別のサイズの収容容器への取付状態を説明するための説明図であって、図5に相当する図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1〜4には、本発明の1実施形態としての血液濾過フィルタ10が示されている。この血液濾過フィルタ10は、全体として円形の略カップ形状を呈しており、図5〜7に示されるように、ビーカー等の収容容器(図中に仮想線で図示)の開口部に装着されて、血液の濾過に用いられる。なお、以下の説明中の上下方向は、原則として、血液濾過フィルタ10の使用状態で略鉛直上下方向とされる、図4中の上下方向をいう。
より詳細には、本実施形態の血液濾過フィルタ10は、円形の略カップ形状の骨格を構成するカップ状本体としての本体部12を備えている。この本体部12は、円板形状の底壁部14と、底壁部14の外周縁部から上方に立ち上がる円筒形状の周壁部16を備えている。なお、本体部12の材質は、強度や耐久性、成形性などを考慮して、例えばポリプロピレンやABS、ポリアミド等の合成樹脂材が好適に採用される。
また、底壁部14には、厚さ方向に貫通する透孔18が、底壁部の上面20と下面22とに開口して形成されている。なお、本実施形態では、90度近い中心角の扇形状を有する透孔18が、底壁部14の中心軸回りで等間隔に4つ形成されている。これにより、底壁部14は、4つの透孔18,18,18,18を周方向で仕切る十字形状の格子部24と、各格子部24の外周端を相互に接続する外周の円環状部26から構成されている。
そして、これら格子部24と円環状部26で囲まれた4つの透孔18,18,18,18をそれぞれ覆うようにして、血液濾過膜としてのフィルタ28が設けられている。
かかるフィルタ28としては、濾過に要求される物性とメッシュ径を有するものが採用される。例えば、一般的な血栓濾過用途としては、ポリアミドやポリスルホン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート等の合成樹脂材のメッシュシートであって、50〜200μm程度のメッシュ口径が好適に採用される。なお、各図におけるフィルタ28は、見やすさを優先しており、メッシュの構造や大きさは正しく示されていない。また、図3では、フィルタ28の図示自体を省略している。
このようなフィルタ28は、4つの透孔18,18,18,18よりも一回り大きな平面形状とされており、各透孔18の外周枠を構成する格子部24や円環状部26に対して周囲を固着されることにより、各透孔18を展張状態で覆っている。
例えば、本体部12の透孔18と略同じ形状の扇形シート状のフィルタ28を用い、本体部12の成形後に底壁部14の上面20に重ね合わせて、格子部24や円環状部26に対して溶着等で固着することによって、フィルタ28が本体部12に取り付けられる。或いは、底壁部14と略同じ外径の円形シート状のフィルタ28を、本体部12の成形型の成形キャビティ内にセットした状態で本体部12を樹脂成形することにより、本体部12の成形と同時に、フィルタ28を底壁部14の上面20に対して一体的に取り付けることもできる。このようにすれば、1枚のフィルタ28で、全ての透孔18を覆うことができる。
さらに、本体部12の底壁部14には、透孔18よりも外周に位置する円環状部26から下方に向かって突出する位置決め突起30が設けられている。この位置決め突起30は、円環状部26の内周近くを周方向に延びる略円筒形状とされており、下端が僅かに内周側に湾曲している。そして、この位置決め突起30の内周面および外周面が、それぞれ透孔18の外周に位置して周方向に広がる突起内周面32および突起外周面34とされている。
なお、本実施形態では、かかる位置決め突起30が周上で分断されて部分的に形成されている。そして、それぞれ半周に満たない周方向長さで延びる一対の位置決め突起30a,30bが、互いに径方向で対向位置して設けられており、これら一対の位置決め突起30a,30bによって位置決め突起30が構成されている。また、位置決め突起30aと位置決め突起30bの周方向端部間は、位置決め突起30が設けられていない領域として開放部36,36とされている。かかる開放部36では、底壁部14の下面22が、透孔18の外周縁部から底壁部14の外周縁部に至るまで平坦な面で広がっている。
なお、位置決め突起30を周上で分断構造をもって構成するに際して、その分断数や周方向の長さなどは何等限定されるものではない。尤も、後述する収容容器の注ぎ口のように収容容器への装着に支障がでる場合には、注ぎ口等との干渉が回避されるように、少なくとも一つの開放部36において、周方向で対向する位置決め突起30a,30bの端縁部間の距離が、かかる注ぎ口の大きさなどに応じて設定されることが望ましい。
また、位置決め突起30a,30bは、底壁部14の外周端縁よりも所定距離だけ内周側に位置して形成されている。これにより、底壁部14の下面22において、位置決め突起30a,30bよりも内周側に位置する内周側下面38と、位置決め突起30a,30bよりも外周側に位置する外周側下面40とが設けられている。なお、外周側下面40は、円環状部26の下面によって構成されている一方、内周側下面38は、格子部24の下面を含んで構成されている。そして、これら外周側下面40と内周側下面38は、何れも、略水平方向に広がっている。即ち、位置決め突起30a,30bの形成位置では、底壁部14の下面22が、位置決め突起30a,30bにより内周側下面38と外周側下面40とに分断される一方、位置決め突起30a,30bが設けられていない開放部36,36では、内周側下面38が、開放部36,36を通じて外周側に開放されている。
一方、底壁部14の外周縁部から立ち上がる周壁部16が上方に向かって開放されていることにより、本体部12の上方開口部42が構成されている。そして、周方向に広がる内周側の内周面44と外周側の外周面46とにより筒状の周壁部16が構成されている。なお、周壁部16には、軸方向上方に向かって拡開する僅かなテーパが付されていても良い。また、この周壁部16にはフィルタを備えた透孔が設けられておらず、本体部12内に注ぎ入れられた血液を、周壁部16を通じての外部漏出を阻止して周壁部16で囲まれた内部領域48へ保持しつつ、底壁部14のフィルタ28付きの透孔18へ導くようになっている。
さらに、周壁部16で囲まれた内部領域48には、仕切壁50が設けられている。この仕切壁50は、十字形の平面形状をもって底壁部14から上方に向かって立ち上がっており、周壁部16の中心軸上から外周側に向かって放射状に四方へ広がる各平板状の壁部の外周端が、周壁部16に対して一体的に連結されている。
本実施形態では、底壁部14において、4つの透孔18,18,18,18が設けられることで十文字形の格子部24とされていることから、かかる格子部24がそのまま上方に向かって立ち上がるようにして、格子部24と仕切壁50が一体的に形成されている。これにより、周壁部16で囲まれた本体部12の内部領域48が仕切壁50によって仕切られて、4つの分割領域52,52,52,52が画成されている。
これらの分割領域52,52,52,52は、それぞれ略四半分の扇形の立体形状で、互いに略同じ容積とされている。そして、各分割領域52は、上方開口部42において各別に上方に開口していると共に、各分割領域52の底壁部には、それぞれフィルタ28で覆われた透孔18が設けられており、各別にフィルタ28を通じて下方に開口している。これにより、本実施形態の血液濾過フィルタ10には、実質的に独立した4つの濾過領域が設けられている。
また、仕切壁50は、内部領域48の隔壁として機能する他、周壁部16や底壁部14(格子部24および円環状部26)と連結されることにより、周壁部16や底壁部14に対する補強片としても機能している。その結果、周壁部16や底壁部14において、肉厚等を過度に大きくせずとも、強度や変形剛性が確保されるようになっている。
また一方、周壁部16には、上端部分から外周側に突出して広がるプレート状部54が設けられている。このプレート状部54は、全体として略薄板形状とされており、その上面56と下面58とが、何れも、周壁部16の中心軸に直交する水平方向に広がる略平坦面とされている。
また、プレート状部54は、周壁部16の外周面から周方向の全周に亘って連続的に突出しており、径方向外方への突出寸法が周上で異ならされることで、全体として多角形の外周形状とされている。特に、本実施形態では、略正方形状とされており、各分割領域52の外周壁の周方向中央付近に、最も突出寸法が大きい角部が位置して設けられることで、使用者が手指で把持するための把持部60が構成されている。また、各角部は、周方向に円弧状の角取りデザインが施されて、引っ掛かり等の防止も図られている。
なお、4つの把持部60,60,60,60の上面には、目視可能で相互に異なる4種類の目印62a,62b,62c,62dの各1つが付されており、4つの分割領域52,52,52,52を各別に識別できるようになっている。また、各把持部60の下面には、把持の際の滑り止めとしても機能する凹部64が形成されている。このような目印62a,62b,62c,62dが付されていることにより、本実施形態の血液濾過フィルタ10の1つで、最大4つの異なる血液に対して各別に濾過を行う際に、識別や確認を容易に行うことが可能とされている。
上記の如き構造とされた血液濾過フィルタ10は、使用に際して、フィルタ28により濾過された濾液が収容される収容容器の開口部に位置決めされて装着されることとなる。
使用する収容容器としては、何等限定されるものではないが、例えばJIS R 3503の規格に従うガラスビーカーが挙げられる。図3,5に、例えば収容容器として上記規格に従うビーカー100mlを想定して、当該収容容器66の開口部68に、血液濾過フィルタ10を装着した状態を示す。なお、図3,5では、収容容器66は、2点鎖線で示されている。また、収容容器66の開口部68の周縁には外周側に拡径するリップが付されていると共に、周上の一箇所には、外周に向かって嘴状に突出した注ぎ口70が設けられている。
このような収容容器66への血液濾過フィルタ10の装着状態では、図5に示されているように、収容容器66の開口部68に対して、血液濾過フィルタ10の位置決め突起30a,30bが外嵌される。これにより、収容容器66の開口部68の外周面に対して、血液濾過フィルタ10の突起内周面32,32が、水平方向で近接または当接される。それと共に、収容容器66の開口部68の上端面に対して、血液濾過フィルタ10における底壁部14の格子部24の下面38が、上下方向で当接される。
これにより、収容容器66に対して血液濾過フィルタ10が、水平方向及び上下方向で位置決めされて、収容容器66の上に血液濾過フィルタ10が載置された状態で装着され得る。即ち、図5に示された装着状態では、血液濾過フィルタ10において、位置決め突起30a,30bの突起内周面32,32と当該位置決め突起30a,30bよりも内周側における底壁部14の下面38とが共働して、収容容器66に対する位置決め機能を発揮しており、これら突起内周面32,32と内周側下面38とにより第1の位置決め部が構成されている。
また、かかる装着状態では、収容容器66の注ぎ口70が、位置決め突起30a,30bの周方向間の開放部36,36の何れか一方に位置合わせされることで、位置決め突起30a,30bが注ぎ口70を逃げて相互干渉が回避されている。これにより、収容容器66の注ぎ口70の上に位置決め突起30a,30bが乗って収容容器66に対して血液濾過フィルタ10が傾く不具合が防止されている。
次に、例えば収容容器として前述のJIS R 3503の規格に従うビーカー200mlおよびビーカー300mlを想定して、これらの収容容器72,74の開口部68に、血液濾過フィルタ10を装着した状態を、図6,7に示す。
すなわち、図6に示されているように、例えば収容容器としてJIS R 3503の規格に従うビーカー200mlが採用される場合には、収容容器72の開口部68に対して、血液濾過フィルタ10の位置決め突起30a,30bが内嵌される。これにより、開口部68の内周面と突起外周面34,34とが水平方向で近接または当接している。それと共に、底壁部14の円環状部26の下面40と収容容器72の開口部68とが上下方向で当接している。この結果、収容容器72に対して血液濾過フィルタ10が水平及び上下方向で位置決めされている。従って、位置決め突起30a,30bの突起外周面34,34と当該位置決め突起30a,30bよりも外周側における底壁部14の下面40とが共働して位置決め機能を発揮しており、これら突起外周面34,34と外周側下面40とにより第2の位置決め部が構成されている。
さらに、図7に示されているように、例えば収容容器としてJIS R 3503の規格に従うビーカー300mlが採用される場合には、収容容器74の本体部分に対して血液濾過フィルタ10の周壁部16が内嵌されることにより、収容容器74の開口部68に血液濾過フィルタ10が装着される。これにより、収容容器74本体部分の内周面と周壁部16の外周面46とが水平方向で近接または当接している。それと共に、プレート状部54の下面58と収容容器74の開口部68とが上下方向で当接している。この結果、収容容器74に対して血液濾過フィルタ10が水平及び上下方向で位置決めされている。従って、周壁部16の外周面46とプレート状部54の下面58とが共働して位置決め機能を発揮しており、これらにより第3の位置決め部が構成されている。
すなわち、図5〜7に示されているように、本実施形態の血液濾過フィルタ10には、位置決め部が第1〜第3の位置決め部を含んで構成されており、収容容器の開口部の大きさに応じて何れかの位置決め部を選択的に採用して、収容容器と血液濾過フィルタとの位置決めを行うことが可能となっている。
具体的には、図5に示されるように、収容容器66における開口部68の外径寸法が位置決め突起30a,30bの内径寸法よりも小さい場合には、第1の位置決め部が選択されて、収容容器66の開口部68に対して血液濾過フィルタ10の位置決め突起30a,30bが外嵌状態で装着される。また、図6に示されるように、位置決め突起30a,30bの外径寸法が、収容容器72における本体部分の内径寸法よりも大きく、収容容器72における開口部68の外径寸法よりも小さい場合には、第2の位置決め部が選択されて、収容容器72の開口部68に対して血液濾過フィルタ10の位置決め突起30a,30bが内嵌状態で装着される。更に、図7に示されるように、血液濾過フィルタ10の周壁部16の外径寸法が収容容器74における本体部分の内径寸法よりも僅かに小さい場合には、第3の位置決め部が選択されて、収容容器74の本体部分に対して血液濾過フィルタ10の周壁部16が内嵌状態で装着される。
なお、例えばJIS R 3503の規格に従うビーカー500mlのように、血液濾過フィルタ10の周壁部16の外径寸法が収容容器本体部分の内径寸法よりも十分に小さく、血液濾過フィルタ10のプレート状部46の最大幅寸法(本実施形態ではW)が収容容器の開口部における外径寸法よりも大きい場合には、プレート状部54の下面58と収容容器の開口部とが上下方向で当接すると共に、周壁部16の外周面46と収容容器本体部分の内周面とが水平方向で離隔した状態で、血液濾過フィルタ10が収容容器の開口部に装着される。即ち、血液濾過フィルタ10が、収容容器に対して、上下方向で位置決めされて装着される。
かかる状態で収容容器の開口部に装着された血液濾過フィルタ10に対して上方開口部42から濾過対象である血液を注入することにより、当該血液が底壁部14の各透孔18に設けられたフィルタ28を通過することで、血栓や血塊等を血液から分離し得るようになっている。
上記の如き構造とされた本実施形態の血液濾過フィルタ10では、複数の位置決め部が設けられており、収容容器の開口部のサイズに応じて、位置決め部が適宜選択されることから、開口部のサイズの異なる複数の収容容器に対して、血液濾過フィルタ10を設置することができる。
なお、本実施形態では、血液濾過フィルタ10において各位置決め部を構成する各部位のサイズとして、例えば以下に例示する寸法範囲が好適に採用され、それによって、過度の大形化を回避しつつ、前述のJIS規格に従う各サイズのビーカー100ml〜500mlに対して、何れも、良好に装着可能とされる。
すなわち、位置決め突起30a,30bの内径寸法φA(図5参照)は、好適には50mm≦φA≦70mmとされ、より好適には61mm≦φA≦63mmとされる。また、位置決め突起30a,30bの外径寸法φB(図6参照)は、好適には55mm≦φB≦75mmとされ、より好適には64mm≦φB≦66mmとされる。更にまた、周壁部14の最大外径寸法φCは、好適には60mm≦φC≦80mmとされ、より好適には71mm≦φC≦73mmとされる。
また、位置決め突起30a,30bの高さ寸法T(図4参照)は、好適には3.0mm≦T≦4.0mmとされ、より好適には3.3mm≦T≦3.7mmとされる。更にまた、正方形状とされたプレート状部46の対角線方向における端部間の距離W(図3参照)は、好適には90mm≦W≦130mmとされ、より好適には109mm≦W≦111mmとされる。
特に、本実施形態では、位置決め突起30a,30bが周上で部分的に形成されており、周上において当該位置決め突起30a,30bが設けられていない部分が開放部36,36とされていることから、前述のビーカーの注ぎ口70の如き開口部68における周上の一部が突出している形状であっても、かかる突出部分に開放部36,36を位置合わせすることにより、位置決め突起30a,30bが突出部分に乗り上げることが回避されて、収容容器に対して血液濾過フィルタ10が傾くことなく載置され得る。これにより、血液濾過フィルタ10と収容容器の開口部との間に隙間が生じることが回避されて、血液濾過の際の血液の漏出が防止され得る。
さらに、位置決め突起30a,30bを周上で部分的に形成して、開放部36,36を設けることにより、位置決め突起30a,30bまたは周壁部16が収容容器の開口部に対して略密接状態で嵌め入れられて血液の濾過が実施される場合において、収容容器内の空気を安定して逃がすことができて、濾過に伴う収容容器内の圧力上昇等により濾過作業が阻害されるおそれが軽減される。
また、本実施形態では、周壁部16の上端から外周側に突出して、全周に亘って連続して広がるプレート状部54が形成されており、周方向で突出寸法が異ならされて全体として多角形状とされている。特に、突出寸法を大きくした部分により把持部60を構成して把持のし易さを向上させると共に、把持部60以外の部分では突出寸法が小さくされることから、プレート状部54、ひいては血液濾過フィルタ10全体のサイズが小さく抑えられる。また、プレート状部54が全周に亘って連続して形成されていることから、血液濾過フィルタ10の強度や剛性の向上が図られ得る。
さらに、把持部60の下面には、それぞれ凹部64が設けられており、その凹凸構造をもって、使用者が把持部60を把持した際の滑り止めの効果が発揮される。これにより、使用者が把持部60を一層把持し易いようにされている。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明は上述の具体的な記載によって何等限定的に解釈されるものでない。
例えば、前記実施形態では、収容容器としてJIS R 3503の規格に従うガラスビーカーを例示したが、これに限定されるものではない。即ち、上記規格に従わないガラスビーカーや合成樹脂製のビーカー、フラスコ、チューブや試験管、紙コップ等、収容容器の形状、材質、大きさ等は何等限定されるものではない。
また、本発明において、プレート状部は必須なものではなく、第3の位置決め部は設けられなくてもよい。即ち、血液濾過フィルタにおける位置決め部として少なくとも第1の位置決め部と第2の位置決め部とが設けられていれば、本発明の課題は解決され得る。
さらに、前記実施形態では、位置決め突起30a,30bが円周上で部分的に設けられて、当該位置決め突起30a,30bが設けられていない部分が、開放部36,36とされていたが、かかる態様に限定されない。即ち、開放部は必須なものではなく、位置決め突起は、周上の全周に亘って連続して延びて形成されてもよい。
また、位置決め突起は、周方向に連続して延びる円弧状に限定されるものでなく、例えばピン状の突起を、半周を越える円周上の領域で3点以上の複数箇所に設けても良いし、全体として多角形状に、連続してまたは断続的に形成される直線的な突条の如き形状とされて、収容容器の開口部に対して内嵌または外嵌されることにより、水平方向で位置決めされるようにしてもよい。
なお、血液濾過フィルタ10の収容容器への装着状態において、位置決め突起30の内周面や外周面、周壁部の外周面と、それらが径方向で位置決めされる収容容器の開口部外周面や内周面、収容容器本体部分の内周面とは、互いに径方向で隙間無く当接された嵌合状態とされても良いが、着脱作業の容易さや、部材の寸法誤差等を考慮して、僅かな隙間をもって装着される寸法設定が好適である。
また、血液濾過フィルタに設けられる分割領域の数は前記実施形態の如き4つに限定されない。更に、前記実施形態では、各分割領域52の外周壁の周方向中央付近に、それぞれ把持部60が形成されていたが、分割領域の数と把持部の数は一致しなくてもよい。即ち、例えば分割領域の数が4つであっても、把持部が周方向で3カ所や5カ所以上設けられてもよい。また、プレート状部は、全体として三角形や五角形以上の多角形状などとされもよい。なお、各分割領域を識別する目印は、角部以外の周壁部や底壁部などに付することも可能であり、各分割領域を構成する周壁部を多色成形等で色分けして目印とすることも可能である。
更にまた、プレート状部は全周に亘って設けられる必要はなく、周方向の複数カ所において舌片状やロッド状で突出する突片や突起等であってもよい。また、周方向の全周に亘って一定の突出寸法で延び出した円環形状であってもよい。
さらに、前記実施形態では、周壁部16は円筒形状とされていたが、これに限定されない。即ち、周壁部の水平断面において、周壁部内周面と周壁部外周面の少なくとも一方が、例えば楕円や半円、扇形、多角形状等であってもよい。
また、前記実施形態では、周壁部16の上端からプレート状部46が外周側に突出していたが、例えば周壁部の高さ方向の中間部分からプレート状部が外周側に突出していてもよい。
なお、前記実施形態のように、周壁部16の内周面44においては、周上で離隔した複数の位置を相互に連結する補強片が設けられることが好適である。このような補強片を設けることにより、周壁部16の強度や剛性の向上を図ることができる。例えば、周壁部16で囲まれた内部領域48の中心から放射状に延びて各先端が周壁部16の内周面44に一体的に固着された補強片として前記実施形態における仕切壁50の如き構造が採用され得る。また、かかる補強片は、仕切壁50のように、周壁部16で囲まれた内部領域48において底面から深さ方向に立ち上がる隔壁とされていてもよい。その場合には、仕切壁50のように、底壁部14を放射形状をもって、補強片と一体形成することも可能である。このような隔壁で内部領域48を分割領域52に仕切ることにより、複数の分割領域52を相互に独立して形成することが可能となるのである。
10:血液濾過フィルタ、12:本体部(カップ状本体)、14:底壁部、16:周壁部、18:透孔、22:下面(底壁部)、30,30a,30b:位置決め突起、32:突起内周面、34:突起外周面、36:開放部、38:内周側下面、40:外周側下面、46:外周面(周壁部)、54:プレート状部、58:下面(プレート状部)、66,72,74:収容容器、68:開口部

Claims (4)

  1. 底壁部と周壁部とを備えたカップ状本体における該底壁部に血液濾過膜で覆われた透孔が設けられていると共に、該底壁部における該透孔よりも外周側において下方に向かって突出して周方向に延びる位置決め突起が形成されており、該血液濾過膜で濾過された濾過血液の収容容器の開口部に対する位置決め部として、該位置決め突起の内周面および該位置決め突起の内周側の該底壁部の下面とによる第1の位置決め部と、該位置決め突起の外周面および該位置決め突起の外周側の該底壁部の下面とによる第2の位置決め部とが設けられて、該第1の位置決め部と該第2の位置決め部が該収容容器の開口部サイズに応じて選択的に該収容容器の開口部に位置決めされ得るようになっていることを特徴とする血液濾過フィルタ。
  2. 前記位置決め突起が周上で部分的に形成されており、該位置決め突起が設けられていない領域において、前記底壁部における該位置決め突起の内周側の下面を外周側に開放する開放部が設けられている請求項1に記載の血液濾過フィルタ。
  3. 前記周壁部から外周側に突出して広がるプレート状部が形成されて、該プレート状部から下方に突出する該周壁部の外周面と該プレート状部の下面とによって第3の位置決め部が構成されており、前記収容容器の開口部に対する位置決め部が該第3の位置決め部を含んで構成されて、前記第1の位置決め部と該第2の位置決め部と該第3の位置決め部が該収容容器の開口部サイズに応じて選択的に該収容容器の開口部に位置決めされ得るようになっている請求項1又は2に記載の血液濾過フィルタ。
  4. 前記プレート状部が、前記周壁部の周方向の全周に亘って連続的に形成され且つ該周壁部からの突出寸法が周上で異ならされることによって実質的に多角形の板形状とされている請求項3に記載の血液濾過フィルタ。
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