JP6336315B2 - 有機無機ハイブリッド材料の製造方法及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

有機無機ハイブリッド材料の製造方法及びエポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、有機無機ハイブリッド材料の製造方法及びエポキシ樹脂組成物に関する。
有機材料は、加工の平易性、高い透過性という利点を有する反面、屈折率が低く、耐熱性や強度が不足することが欠点である。有機材料の利点を活かしつつ、これらの欠点を改善するために、従来より有機材料と高強度、高屈折率である無機材料とを複合化する技術が盛んに研究されている。
例えば、特許文献1では、酸化ジルコニウム微粒子にヘキサン酸及びメタクリル酸を用いて表面修飾を行った後、表面修飾した酸化ジルコニウム微粒子をスチレンに分散させ、重合させることで酸化ジルコニウム微粒子が分散したポリスチレン樹脂を得ることが開示されている。
このように、有機無機ハイブリッド材料を得る方法としては、樹脂等の有機材料中に無機微粒子等の無機材料を添加する方法が一般的である。しかしながら、有機化合物と無機化合物とは本来混合し得ないため、相溶性の観点より有機材料に多量に無機材料を添加することが困難であり、無機材料を添加するほど有機材料の特徴が損なわれ、材料が白濁や相分離をして、均一な材料を得ることができない問題がある。また、多量に無機材料を添加する場合、無機材料を修飾する修飾剤の含有量も増加するが、従来の修飾剤ではその含有量増加により無機材料の添加により得られる特性の向上を妨げる。特に、無機材料を多量に添加する場合、修飾剤を導入するが、修飾剤の影響により無機材料の高屈折率性を損なうことや、ハイブリッド化のプロセスが煩雑になることが問題となっている。
特開2011−105553号公報
本発明の目的は高透過性及び高屈折率を両立する有機無機ハイブリッド材料の製造方法及び有機無機ハイブリッド材料を提供することである。
本発明者等は、前記課題を達成するため、鋭意検討した結果、水酸基と、カルボキシル基、エステル基又はアミノ基を有する硬化剤を無機材料及び有機材料と混合して加熱する方法が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記項に記載の有機無機ハイブリッド材料の製造方法及び有機無機ハイブリッド材料に関する。
項1. (A)酸化チタンゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化チタン前駆体及び酸化ジルコニウム前駆体からなる群より選ばれる少なくとも一種、
(B)水酸基とカルボキシル基、エステル基又はアミノ基を有する硬化剤、
(C)エポキシ樹脂化合物、並びに
(D)溶媒
を含むエポキシ樹脂組成物
を加熱する工程を含む有機無機ハイブリッド材料の製造方法。
項2. 前記(B)が、水酸基を有する安息香酸又はその誘導体、水酸基を有するナフトエ酸又はその誘導体、水酸基を有するイソフタル酸又はその誘導体、マンデル酸又はその誘導体、ベンジル酸又はその誘導体、パモ酸又はその誘導体、カルミン酸又はその誘導体、及びこれらのエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種である、前記項1に記載の製造方法。
項3. 前記(C)が一般式(1):
Figure 0006336315
(式中、環Z及びZは同一又は異なって芳香族炭化水素環を示し、R1a、R1b、R2a及びR2bは同一又は異なって置換基を示し、R3a及びR3bは同一又は異なってアルキレン基を示す。k1及びk2は同一又は異なって0〜4の整数を示し、m1及びm2はそれぞれ0以上の整数を示し、n1及びn2は0以上の整数、q1及びq2は同一又は異なって0以上の整数である。ただし、n1+n2≧2である。)
で表されるフルオレンエポキシ樹脂化合物である、前記項1又は2に記載の製造方法。
項4. 前記エポキシ樹脂組成物を加熱する工程が、
(I)エポキシ樹脂組成物を20〜200℃で加熱(好ましくは加熱攪拌)する工程、及び
(II)前記(I)工程で得られた混合物を150〜300℃で加熱する工程
を含む、前記項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
項5. (A)酸化チタンゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化チタン前駆体及び酸化ジルコニウム前駆体からなる群より選ばれる少なくとも一種、
(B)水酸基と、カルボキシル基、エステル基又はアミノ基を有する硬化剤、
(C)エポキシ樹脂化合物、並びに
(D)溶媒
を含むエポキシ樹脂組成物。
項6. 前記項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法により得られた有機無機ハイブリッド材料。
本発明の方法によれば、無機材料を多量に添加することが可能であり、有機材料の屈折率又は強度をより向上することが可能である。また、本発明の方法によれば、簡便な方法により有機無機ハイブリッド材料を提供することが可能である。
本発明の方法は、
(A)酸化チタンゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化チタン前駆体及び酸化ジルコニウム前駆体からなる群より選ばれる少なくとも一種、
(B)水酸基と、カルボキシル基、エステル基又はアミノ基を有する硬化剤、
(C)エポキシ樹脂化合物、並びに
(D)溶媒
を含むエポキシ樹脂組成物を加熱する工程を含む有機無機ハイブリッド材料の製造方法に関する。
1.エポキシ樹脂組成物
本発明の方法では、前記(A)〜(D)を含むエポキシ樹脂組成物を加熱する工程を含む。
1−1.(A)成分
本発明において、無機材料としては、酸化チタンゾル若しくは酸化ジルコニウムゾル(以下、(A1)ゾルとすることもある)、又は酸化チタン前駆体若しくは酸化ジルコニウム前駆体(以下、(A2)前駆体とすることもある)を用いる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、目的とする有機無機ハイブリッド材料の特性に応じて設定すればよく、また、溶媒(D)の量によって適宜調節することができるが、例えば、エポキシ樹脂組成物全体の重量に対して5重量%以上(5〜45重量%)であればよい。
(A1)ゾル
本発明において用いる前記(A1)ゾル中の酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子の粒径としては、得られる有機無機ハイブリッド材料の透過性の観点より、平均一次粒子径 1〜30nmが好ましく、1〜10nmがより好ましい。平均一次粒子径は、例えば、電子顕微鏡観察(TEM等)により測定することができる。
これらのゾルにおける媒体は水、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、γ-ブチロラクトン等を例示することができる。
本発明のゾルにおける酸化チタン又は酸化ジルコニウムの含有量は、これらの酸化物が十分に分散されている限り特に限定されないが、例えば、ゾル全体に対する重量比で通常5〜70重量%、好ましくは5〜40重量%である。
本発明で用いる(A1)ゾル中の酸化チタン又は酸化ジルコニウムは、末端OH基に代表されるような一部金属酸化物の合成に起因する金属−酸素−金属以外の基を含んでいてもよいが、表面処理等を施していない未処理のものが好ましい。
本発明において、上記ゾルは、市販品をそのまま用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
本発明で用いる酸化チタン又は酸化ジルコニウムの結晶構造又は結晶層は今日までに知られている金属酸化物の結晶構造又は結晶層であればよいが、例えば、酸化チタンの場合はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型等が挙げられ、酸化ジルコニウムの場合は正方晶、立方晶、単斜晶等が挙げられる。
(A2)前駆体
本発明において、酸化チタン前駆体としては、チタンアルコキシド、オキシ脂肪酸チタン、水酸化チタン、塩化チタン、硫酸チタン、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン、チタンキレート等を挙げることができる。これらの中でも、前駆体の反応速度の調整が可能であることや腐食対策などの工程の安全性の観点からチタンブトキシド等のチタンC2−18アルコキシドが好ましく、チタンブトキシド等のチタンC4−10アルコキシドがより好ましい。
本発明において、酸化ジルコニウム前駆体としては、ジルコニウムアルコキシド、オキシ脂肪酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、ジルコニアキレート等を挙げることができる。これらの中でも、前駆体の反応速度の調整が可能であることや腐食対策などの工程の安全性の観点からジルコニウムブトキシド等のジルコニウムC2−10アルコキシド、オキシ酢酸ジルコニウム等のオキシC1−5脂肪酸ジルコニウム、ジルコニアキレートが好ましく、ジルコニウムブトキシド等のジルコニウムC2−5アルコキシド及びオキシ酢酸ジルコニウム等のオキシC1−3脂肪酸ジルコニウムがより好ましい。
これらの前駆体は、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等)、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、γ-ブチロラクトン等の溶液として用いることが好ましい。前記前駆体水溶液の濃度は、特に限定されないが、通常、重量比で通常5〜80重量%、好ましくは30〜80重量%である。
本発明の方法において、酸化チタン前駆体及び酸化ジルコニウム前駆体を用いた場合、これらの前駆体より酸化チタン及び酸化ジルコニウムが形成されると考えられる。下記2.に記載のとおり、(A2)前駆体を用いる本発明の方法によれば、強アルカリ及び高圧力を要する水熱合成等の方法により酸化チタン又は酸化ジルコニウムを事前に調整する必要がなく、より簡便な方法により有機無機ハイブリッド材料が得られる。
1−2.(B)水酸基とカルボキシル基、エステル基又はアミノ基を有する硬化剤
本発明における水酸基と、カルボキシル基、エステル基又はアミノ基を有する硬化剤(以下、単に(B)硬化剤とすることもある)は、水酸基とカルボキシル基、エステル基又はアミノ基を有する。カルボキシル基、エステル基又はアミノ基を有することで、上記(A1)ゾル中に含まれる酸化物又は(A2)前駆体により形成される各酸化物の表面に結合することができる。また、水酸基を有することにより、エポキシ樹脂の硬化剤として働きかつエポキシ樹脂と酸化チタン又は酸化ジルコニウムとが相分離することを防ぐことができると考えられる。
前記エステル基としては、メチルエステル等のアルキルエステル、フェニルエステル等のアリールエステルを挙げることができる。
前記アミノ基としては、無置換のアミノ基が好ましい。
本発明で用いる(B)硬化剤としては、芳香環を有することが好ましい。より具体的には、4−ヒドロキシ安息香酸、ゲンチシン酸、オルセリン酸、没食子酸(トリヒドロキシ安息香酸)、4−(3−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸等の水酸基を有する安息香酸若しくはその誘導体又はそれらのエステル;6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の水酸基を有するナフトエ酸若しくはその誘導体又はそれらのエステル;4−ヒドロキシイソフタル酸等の水酸基を有するイソフタル酸若しくはその誘導体又はそれらのモノ(若しくはジ)エステル;マンデル酸若しくはその誘導体又はそれらのエステル;ベンジル酸若しくはその誘導体又はそれらのエステル;パモ酸若しくはその誘導体又はそれらのモノ(又はジ)エステル;カルミン酸若しくはその誘導体又はそれらのエステル等を挙げることができる。各誘導体としては、各化合物に炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基等が置換された誘導体を例示することができる。
(B)硬化剤の含有量は、目的とする有機無機ハイブリッド材料の特性や(A)成分の含有量(TiO又はZrO換算)に応じて設定すればよく、また、溶媒(D)の量によって適宜調節することができるが、例えば、エポキシ樹脂組成物全体の重量に対して、通常0.1〜50重量%であり、好ましくは1〜50重量%である。
(B)硬化剤の(A)成分に対する含有割合は、(A)成分のTiO又はZrO換算での重量 1重量部に対して、通常0.02〜2重量部であり、好ましくは0.02〜0.3重量部である。
本発明の(B)硬化剤は、酸化チタン又は酸化ジルコニウムの表面を修飾する働きも有していると考えられ、別途これらの酸化物を分散するための表面修飾剤の添加を必要としない。そのため、脂肪族化合物等の表面修飾剤の添加による屈折率の低下を防ぐことができる。
1−3.(C)エポキシ樹脂化合物
本発明で用いるエポキシ樹脂化合物としては、エポキシ基を2以上有する公知のエポキシ樹脂化合物を用いることができる。例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、一般式(1):
Figure 0006336315
(式中、環Z及びZは同一又は異なって芳香族炭化水素環を示し、R1a、R1b、R2a及びR2bは同一又は異なって置換基を示し、R3a及びR3bは同一又は異なってアルキレン基を示す。k1及びk2は同一又は異なって0〜4の整数を示し、m1及びm2はそれぞれ0以上の整数を示し、n1及びn2は0以上の整数、q1及びq2は同一又は異なって0以上の整数である。ただし、n1+n2≧2である。)
で表されるフルオレンエポキシ樹脂化合物等を挙げることができる。これらの中でも、得られる樹脂硬化物自体の屈折率が高く、複屈折率が低い観点から、一般式(1)で表されるフルオレンエポキシ樹脂化合物であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、縮合多環式炭化水素環(例えば、縮合二環式炭化水素環(インデン、ナフタレン等のC8−20縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式炭化水素環(アントラセン、フェナントレン等)等)を挙げることができる。
前記置換基としては、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、炭化水素基(C1−6アルキル基、C6−10アリール基)等が挙げられる。
前記アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブタン−1,2−ジイル基等のC2−4アルキレン基が好ましい。
前記k1及びk2は通常0〜4の整数であり、好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
前記m1及びm2は、通常0以上の整数であり、好ましくは0〜8の整数であり、より好ましくは0〜4の整数であり、特に好ましくは0〜2の整数である。
前記n1及びn2は、通常n1+n2≧2を充足する0以上の整数であり、好ましくは1〜4の整数であり、さらに好ましくは1又は2である。
前記q1及びq2は、通常0以上の整数(例えば、0〜15程度の範囲から選択できる整数)であり、好ましくは0〜8の整数であり、より好ましくは0〜4の整数であり、更に好ましくは0〜2の整数である。
前記一般式(1)で表されるフルオレンエポキシ樹脂化合物としては、9,9−ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(モノ又はジC1−4アルキルグリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(モノ又はジC6−10アリールグリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(グリシジルオキシナフチル)フルオレン、及びこれらのC2−4アルキレンオキシド付加体から選択された少なくとも一種を挙げることができる。
前記エポキシ樹脂化合物は、市販品をそのまま用いてもよいし、公知の方法により別途合成したものを用いてもよい。例えば、一般式(1)で表されるフルオレンエポキシ樹脂化合物としては、オグソールEG−100、PG−100(共に大阪ガスケミカル株式会社製)を挙げることができる。
エポキシ樹脂化合物の含有量は、目的とする有機無機ハイブリッド材料の特性に応じて設定すればよく、また、溶媒(D)の量によって適宜調節することができるが、例えば、エポキシ樹脂組成物全体の重量に対して5〜50重量%であればよい。
エポキシ樹脂化合物の(A)成分に対する含有割合は、(A)成分のTiO又はZrO換算での重量 1重量部に対して通常0.1〜10重量部であり、好ましくは0.5〜3重量部である。
1−4.(D)溶媒
エポキシ樹脂組成物は、通常、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等)、N−メチルピロリドン、γ-ブチロラクトン等の溶媒を含有する。これらの溶媒は、樹脂と無機物の双方を分散する観点より用いることが好ましい。特に、エポキシ樹脂組成物は、通常、前記(A1)ゾルの分散媒又は(A2)前駆体を溶解している溶媒(好ましくは、水、アルコール等)や加熱工程のための高沸点溶媒(好ましくはN−メチルピロリドン等)を含む。
溶媒の含有量は、特に限定されず、適宜設定することができるが、通常、エポキシ樹脂組成物全体に対して5重量%以上(例えば、5重量%〜残部)である。特に、そのまま硬化させることができる点で、N−メチルピロリドン等の高沸点溶媒がエポキシ樹脂組成物全体に対して5重量%以上(例えば、5〜70重量%、好ましくは5〜20重量%)含まれていることが好ましい。
1−5.(E)その他の成分
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、その他のエポキシ樹脂硬化剤等を挙げることができる。
エポキシ樹脂化合物に対する(B)硬化剤の使用比率が少ない場合、その他のエポキシ樹脂硬化剤を添加してもよい。その他のエポキシ樹脂硬化剤としては、フェノールノボラック等を挙げることができる。
2.有機無機ハイブリッド材料の製造方法
本発明の方法は、前記エポキシ樹脂組成物を加熱する工程を含む。
前記エポキシ樹脂組成物を加熱する工程としては、好ましくは2段階で加熱を行うことがこのましい。
具体的には、
(I)エポキシ樹脂組成物を20〜200℃(好ましくは20〜150℃、さらに好ましくは20〜140℃)で加熱(好ましくは加熱撹拌)する工程、及び
(II)前記(I)工程で得られた混合物を150〜300℃で加熱する工程
の2段階の工程を含むことが好ましい。
前記(II)の工程を経ることで、エポキシ樹脂組成物が硬化し、有機無機ハイブリッド材料(本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物)が得られる。
前記(I)工程における加熱時間は特に限定されないが、通常30分以上(例えば、30分〜12時間程度、好ましくは30分〜5時間程度)である。
前記(I)工程では、エポキシ樹脂組成物を撹拌することが好ましい。また、(I)工程は常圧で行うことが可能であるが、加圧条件下行ってもよい。
前記(II)工程における加熱時間は特に限定されないが、通常1分以上(例えば、1分〜48時間程度、好ましくは1〜5時間程度)である。
工程(I)の後、目的とする有機無機ハイブリッド材料の形態によっては、得られた混合物を基板(ガラス、シリコン、金属、金属酸化物、樹脂等)上に塗布し、工程(II)に移ってもよい。塗布する方法としては、常法を用いればよいが、例えば、スピンコート、インクジェット、噴霧、ディップコート、スクリーン印刷等を採用できる。得られる塗膜の膜厚は、有機無機ハイブリッド材料の用途、目的等に合わせて適宜設定すればよい。例えば、光学材料として使用する場合、工程(II)を終えた後の膜厚が0.1〜10μm程度となるように設定すればよい。
このように本発明の方法によれば、酸化チタン前駆体又は酸化ジルコニウム前駆体を使用した場合であっても、強アルカリ及び高圧力での反応が必要な水熱合成により酸化チタン又は酸化ジルコニアを得る工程を経ずとも、有機無機ハイブリッド材料が得られる。
本発明の有機無機ハイブリッド材料は、その用途、求められる特性に応じて、前記(A)成分(TiO又はZrO換算)、前記(B)成分、及び前記(C)成分の重量を調整して、製造すればよい。例えば、これら3成分の重量和に対して、(A)成分(TiO又はZrO換算)の含有量は、5〜90重量%、(B)成分の含有量は0.1〜50重量%、(C)成分の含有量は9〜90重量%として、前記エポキシ樹脂組成物を調整して、有機無機ハイブリッド材料を製造することができる。
本発明の方法では、白濁や相分離を伴わず、多量の酸化チタン又は酸化ジルコニウムを含む有機無機ハイブリッド材料を得ることができる。そのため、透明度、強度及び屈折率の高い有機無機ハイブリッド材料が得られ、得られた材料は光学材料等の用途に適している。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例において、有機材料としてフルオレンエポキシ樹脂(PG−100、大阪ガスケミカル株式会社製)を用いた。
実施例1
オキシ酢酸ジルコニウム 20重量%水溶液 20g、トリヒドロキシ安息香酸1水和物 1g、フルオレンエポキシ樹脂 2g及びN−メチルピロリドン(NMP) 10gを混合し、80℃で5時間攪拌した。その後、得られた混合物を基板となるシリコン上に2000rpmで10分間スピンコートにて薄膜を形成した後、これを1時間 150℃で加熱することにより硬化させ、硬化物を得た。得られた硬化物の薄膜の膜厚は0.47μmであった。
実施例2
ジルコニウムブトキシド 80重量%ブタノール溶液 5g、トリヒドロキシ安息香酸1水和物 1g、フルオレンエポキシ樹脂 4g、NMP 10gを混合し、80℃で5時間攪拌した。その後、得られた混合物を基板となるシリコン上に2000rpmで10分間スピンコートにて薄膜を形成した後、これを1時間 150℃で加熱することにより硬化させ、硬化物を得た。得られた硬化物の薄膜の膜厚は0.44μmであった。
実施例3
ジルコニアゾル 30重量%水溶液(日産化学社製;ZR−30BF) 10g、トリヒドロキシ安息香酸1水和物 0.3g、フルオレンエポキシ樹脂 3g、NMP 10gを混合し、80℃で5時間攪拌した。その後、得られた混合物を基板となるシリコン上に2000rpmで10分間スピンコートにて薄膜を形成した後、これを1時間 150℃で加熱することにより硬化させ、硬化物を得た。得られた硬化物の薄膜の膜厚は0.57μmであった。
実施例4
トリヒドロキシ安息香酸1水和物 1gに代えてベンジル酸 1gを用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物の薄膜の膜厚は0.45μmであった。
実施例5
トリヒドロキシ安息香酸1水和物 1gに代えてマンデル酸 1gを用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物の薄膜の膜厚は0.47μmであった。
比較例1
ZrO換算のジルコニウム重量とフルオレン樹脂の重量との比が1:1となるように、オキシ酢酸ジルコニウム 20重量%水溶液 20g、フルオレンエポキシ樹脂 2g、及びNMP 10gを混合し、80℃で5時間攪拌した。その後、得られた混合物を基板となるシリコン上に2000rpmで10分間スピンコートにて薄膜を形成した後、これを1時間 150℃で加熱することにより硬化させ、硬化物を得た。得られた硬化物の薄膜の膜厚は0.44μmであった。
比較例2
ZrO換算のジルコニウム重量とフルオレン樹脂の重量との比が1:1となるように、ジルコニウムブトキシド 80重量%ブタノール溶液 5g、フルオレンエポキシ樹脂 1.28g、及びNMP 5gを混合し、80℃で5時間攪拌した。その後、得られた混合物を基板となるシリコン上に2000rpmで10分間スピンコートにて薄膜を形成した後、これを1時間 150℃で加熱することにより硬化させ、硬化物を得た。得られた硬化物の薄膜の膜厚は0.47μmであった。
比較例3
ZrO換算のジルコニウム重量とフルオレン樹脂の重量との比が1:1となるように、ジルコニアゾル 30重量%水溶液 10g、フルオレンエポキシ樹脂 3g、及びNMP 10gを混合し、80℃で5時間攪拌した。その後、得られた混合物を基板となるシリコン上に2000rpmで10分間スピンコートにて薄膜を形成した後、これを1時間 150℃で加熱することにより硬化させ、硬化物を得た。得られた硬化物の薄膜の膜厚は0.53μmであった。
比較例4
フルオレンエポキシ樹脂 5g及びNMP 10gを混合し、80℃で5時間攪拌した。その後、得られた混合物を基板となるシリコン上に2000rpmで10分間スピンコートにて薄膜を形成した後、これを1時間 150℃で加熱することにより硬化させ、硬化物を得た。得られた硬化物の薄膜の膜厚は0.41μmであった。
上記実施例及び比較例により得られた硬化物における外観(白濁の有無)を観察し、硬化物の屈折率を測定した。結果を表1に示す。なお、薄膜の屈折率は、フィルメトリクス社製 FILMETRICS F20を用いて、λ=589.3nmでの屈折率を分光反射法により測定した。
Figure 0006336315

Claims (4)

  1. (A)酸化チタンゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化チタン前駆体及び酸化ジルコニウム前駆体からなる群より選ばれる少なくとも一種、
    (B)水酸基を有する安息香酸又はその誘導体、水酸基を有するナフトエ酸又はその誘導体、水酸基を有するイソフタル酸又はその誘導体、マンデル酸又はその誘導体、ベンジル酸又はその誘導体、パモ酸又はその誘導体、カルミン酸又はその誘導体、及びこれらのエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の硬化剤、
    (C)一般式(1):
    Figure 0006336315
    (式中、環Z 及びZ は芳香族炭化水素環を示し、R 1a 、R 1b 、R 2a 及びR 2b は同一又は異なって置換基を示し、R 3a 及びR 3b は同一又は異なってアルキレン基を示す。k1及びk2は同一又は異なって0〜4の整数を示し、m1及びm2はそれぞれ0以上の整数を示し、n1及びn2は0以上の整数、q1及びq2は同一又は異なって0以上の整数である。ただし、n1+n2≧2である。)
    で表されるフルオレンエポキシ樹脂化合物、並びに
    (D)溶媒
    を含むエポキシ樹脂組成物
    を加熱する工程を含む有機無機ハイブリッド材料の製造方法。
  2. 前記エポキシ樹脂組成物を加熱する工程が、
    (I)エポキシ樹脂組成物を20〜200℃で加熱する工程、及び
    (II)前記(I)工程で得られた混合物を150〜300℃で加熱する工程
    を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. (A)酸化チタンゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化チタン前駆体及び酸化ジルコニウム前駆体からなる群より選ばれる少なくとも一種、
    (B)水酸基を有する安息香酸又はその誘導体、水酸基を有するナフトエ酸又はその誘導体、水酸基を有するイソフタル酸又はその誘導体、マンデル酸又はその誘導体、ベンジル酸又はその誘導体、パモ酸又はその誘導体、カルミン酸又はその誘導体、及びこれらのエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の硬化剤、
    (C)一般式(1):
    Figure 0006336315
    (式中、環Z 及びZ は芳香族炭化水素環を示し、R 1a 、R 1b 、R 2a 及びR 2b は同一又は異なって置換基を示し、R 3a 及びR 3b は同一又は異なってアルキレン基を示す。k1及びk2は同一又は異なって0〜4の整数を示し、m1及びm2はそれぞれ0以上の整数を示し、n1及びn2は0以上の整数、q1及びq2は同一又は異なって0以上の整数である。ただし、n1+n2≧2である。)
    で表されるフルオレンエポキシ樹脂化合物、並びに
    (D)溶媒
    を含むエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られた有機無機ハイブリッド材料。
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