JP7138940B2 - セルロースエステル樹脂用改質剤、セルロースエステル樹脂組成物及び光学用フィルム - Google Patents
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Description
項1.
下記式(1)で表される芳香族多価カルボン酸エステル化合物を含む、セルロースエステル樹脂用改質剤。
項2.
前記式(1)において、nが1又は2である、上記項1に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
項3.
前記式(1)において、nが1である、上記項2に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
項4.
前記式(1)において、mが0である、上記項1~3のいずれか一項に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
項5.
前記式(1)において、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して炭素数1以上3以下の直鎖のアルキレン基である、上記項1~4のいずれか一項に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
項6.
上記項1~5のいずれか一項に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤を含む、セルロースエステル樹脂組成物。
項7.
上記項6に記載のセルロースエステル樹脂組成物を含む、光学用フィルム。
本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤は、下記式(1):
で表される芳香族多価カルボン酸エステル化合物を含む。
前記式(1)で表される芳香族多価カルボン酸エステル化合物(以下、「芳香族多価カルボン酸エステル化合物」、又は単に「エステル化合物」という場合もある)は、3価以上の芳香族多価カルボン酸とフェノキシ基を有するアルキルアルコールとの反応生成物である。すなわち、前記エステル化合物は、芳香族多価カルボン酸に含まれるカルボキシル基とフェノキシ基を有するアルキルアルコールの水酸基とを反応させて得られる、エステル結合を有する化合物である。前記エステル化合物は、芳香族多価カルボン酸に含まれるすべてのカルボキシル基がフェノキシ基を有するアルキルアルコールによって封止された構造を有する。
前記エステル化合物は、前記芳香族多価カルボン酸又はその無水物と前記フェノキシ基を有するアルキルアルコールとを反応させることにより得ることができる。エステル化反応の温度、時間等の条件は特に限定されず、適宜設定することができる。具体的には、前記芳香族多価カルボン酸又はその無水物と前記フェノキシ基を有するアルキルアルコールを、必要に応じてエステル化触媒の存在下で、例えば100~250℃の温度範囲内で、5~25時間程度、周知慣用の方法でエステル化反応させることによって前記エステル化合物を製造することができる。
本発明のセルロースエステル樹脂組成物は、セルロースエステル樹脂及び前記セルロースエステル樹脂用改質剤を含む樹脂組成物である。本発明のセルロースエステル樹脂組成物は、セルロースエステル樹脂100質量部に対して前記セルロースエステル樹脂用改質剤を3~30質量部程度含むことが好ましく、4~25質量部程度含むことがより好ましく、5~20質量部程度含むことが特に好ましい。上記範囲の組成の樹脂組成物であれば弾性率及び耐透湿性に優れたフィルムを作成することができる。
本発明の光学用フィルムは、前記セルロースエステル樹脂組成物を含むフィルムである。
(a)芳香族多価カルボン酸エステル化合物の酸価
三角フラスコにTHF/エタノール=5/1(質量比)の溶媒を60g入れる。そこにフェノールフタレインを指示薬として加え0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液で微紅色が確認されるまで滴定する。この中に任意の量の試料を秤取し、完全に溶解させた後、0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液で微紅色が確認されるまで滴定する。滴定結果より、以下の計算式にて酸価を求める。
試験片及び操作はJIS Z0218に準拠する。
但し、促進試験として温度条件は50℃とし、試験開始1時間目と3時間目とのカップの質量差を12倍した値を透湿度(g/m2/24hr)とした。
JIS K7127に準拠する。
使用機器:AUTOGRAPH AG-1(SHIMADZU製)
セルロースエステル樹脂:株式会社ダイセル製 LT-35(酢酸セルロース)
リン酸エステル系可塑剤1:トリフェニルホスフェート
リン酸エステル系可塑剤2:ビフェニリルジフェニルホスフェート
芳香族多価カルボン酸エステル化合物A:後述する合成例1で合成した、芳香族多価カルボン酸エステル化合物
芳香族多価カルボン酸エステル化合物B:トリメリット酸トリメチル
芳香族多価カルボン酸エステル化合物C:トリメリット酸トリ-n-ブチル
芳香族多価カルボン酸エステル化合物D:トリメリット酸トリス(2-エチルヘキシル)
芳香族多価カルボン酸エステル化合物E:エチルフタリルエチルグリコラート
合成例1
撹拌機、温度計、及び精留装置を備え付けた500mlのガラス製4つ口丸底フラスコに、芳香族多価カルボン酸無水物として無水トリメリット酸115g(0.6mol)、フェノキシ基を有するアルキルアルコールとして2-フェノキシエタノール323g(2.3mol)、並びに触媒としてテトラブチルチタネート0.02gを仕込んだ後、200℃まで常圧で10時間かけて昇温し、その後200℃を4時間維持した。反応中、流出してくるガスは精留装置を通して凝縮させ、反応で生成する水とその他の溶媒とに分けて、水は回収し、その他の溶媒はフラスコ内に戻した。その後、精留装置を外して、ト字管を取り付け、さらにそこに、冷却管、アダプター、100mLナスフラスコの順に器具を取り付け、再び200℃まで常圧で4時間かけて昇温し、200℃を維持したまま圧力を8kPaまで6.5時間かけて下げた。この間、反応で生成してくる水及び過剰の2-フェノキシエタノールはナスフラスコに回収した。その後、200℃で2kPaまで2.5時間かけて減圧し、過剰の2-フェノキシエタノールを回収した。その後、水蒸気発生装置を丸底フラスコに取り付け、140℃、2kPaまで0.5時間かけて昇温した後、フラスコ内質量の2分の1の量の水蒸気を2時間かけて吹き込んだ。その結果、酸価0.2mgKOH/gである、下記式の化合物が主成分である高粘稠液体338gが得られた。
実施例1
塩化メチレン30.6g、メタノール4.3g及びブタノール1.1gの混合溶媒に、セルロースエステル樹脂4g、及び、セルロースエステル樹脂用改質剤として合成例1で製造した芳香族多価カルボン酸エステル化合物A 0.48gを溶解した。得られた溶液を、卓上コーター(TC-3:三井電気精機製)にて、アプリケータースリット幅0.6mm、コーティング速度10mm/sec、コーティング距離255mmの条件でガラス板に塗布した後、50℃にて0.5時間、その後100℃にて2時間乾燥させることで、厚さ46μmのフィルムを得た。得られたフィルムの透湿度及び弾性率を前記方法で測定し、得られた結果を表1に示す。
芳香族多価カルボン酸エステル化合物Aの代わりに、芳香族多価カルボン酸エステル化合物Bをセルロースエステル樹脂用改質剤として用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ46μmのフィルムを得た。得られたフィルムの透湿度及び弾性率を前記方法で測定し、得られた結果を表1に記す。
芳香族多価カルボン酸エステル化合物Aの代わりに、芳香族多価カルボン酸エステル化合物Cをセルロースエステル樹脂用改質剤として用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ47μmのフィルムを得た。得られたフィルムの透湿度及び弾性率を前記方法で測定し、得られた結果を表1に記す。
芳香族多価カルボン酸エステル化合物Aの代わりに、芳香族多価カルボン酸エステル化合物Dをセルロースエステル樹脂用改質剤として用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ45μmのフィルムを得た。得られたフィルムの透湿度及び弾性率を前記方法で測定し、得られた結果を表1に記す。
芳香族多価カルボン酸エステル化合物Aの代わりに、リン酸エステル系可塑剤1を0.32gと、リン酸エステル系可塑剤2を0.16g用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ45μmのフィルムを得た。得られたフィルムの透湿度及び弾性率を前記方法で測定し、得られた結果を表1に記す。
芳香族多価カルボン酸エステル化合物Aの代わりに、リン酸エステル系可塑剤1を0.32gと、芳香族多価カルボン酸エステル化合物Eを0.16g用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ45μmのフィルムを得た。得られたフィルムの透湿度及び弾性率を前記方法で測定し、得られた結果を表1に記す。
改質剤を添加しなかった以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ45μmのフィルムを得た。得られたフィルムの透湿度及び弾性率を前記方法で測定し、得られた結果を表1に記す。
Claims (7)
- 前記式(1)において、nが1又は2である、請求項1に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
- 前記式(1)において、nが1である、請求項2に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
- 前記式(1)において、mが0である、請求項1~3のいずれか一項に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
- 前記式(1)において、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して炭素数1以上3以下の直鎖のアルキレン基である、請求項1~4のいずれか一項に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤を含む、セルロースエステル樹脂組成物。
- 請求項6に記載のセルロースエステル樹脂組成物を含む、光学用フィルム。
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