JP2010077239A - セルロースエステル改質用樹脂組成物及びそれを含むセルロースエステルフィルム - Google Patents

セルロースエステル改質用樹脂組成物及びそれを含むセルロースエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、高レターデーションかつ低透湿性を維持し、かつセルロースエステルフィルムの製造工程での揮発成分を低減できるセルロースエステル改質用樹脂組成物及びそれを含むセルロースエステルフィルムの提供にある。
【解決手段】 (A)芳香環を2個以上有するエポキシ化合物、(B)芳香族一塩基酸またはその誘導体、(C)芳香族二塩基酸またはその誘導体、(D)グリコール、前記(A)と(B)、あるいは前記(A)と(B)と、(C)及び/又は(D)とを反応して得られる酸価3mgKOH/g以下で、エポキシ価15000以上の生成物であり、数平均分子量1500未満のエポキシエステル樹脂を含むことを特徴とするセルロースエステル改質用樹脂組成物およびこれを含むセルロースエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セルロースエステルフィルムの製造工程での揮発成分を低減できるセルロースエステル改質用樹脂組成物及びそれを含むセルロースエステルフィルムに関する。
セルロースエステルフィルムは透明性、光学的等方性、強靭性であることから、写真用フィルムとして使用されてきた。近年では、上記性質に加えてポリビニルアルコール(PVA)との接着性が良好なことから、テレビ、ノートパソコン等、液晶表示装置の偏光板を構成する偏光膜保護フィルムとしての需要が飛躍的に伸長している。
一般に液晶表示装置用偏光板は、PVAフィルムに二色性分子を配向させた偏光膜の両側に偏光膜保護フィルムを貼付した構造となっており、液晶セルの両側にクロスニコルの状態で配置されている。偏光膜保護フィルムにはセルロースエステル、シクロオレフィン系等が使用されているが、セルロースエステルを使用する場合、透湿性が高く、外部からの湿気の透過により偏光膜保護フィルムと偏光膜が剥離するため、持続的な接着性を確保する必要がある。そこで、偏光膜保護用に使用されるセルロースエステルフィルムには、フィルムの透湿度を下げるためにトリフェニルホスフェート(TPP)等の燐酸エステル系可塑剤が添加されてきた。
また、近年の要求の高まりから、液晶表示装置は斜め方向から見た場合の光漏れによるコントラスト低下を防止する視野角拡大機能、及び軽量化・薄型化の両立を実現するため、液晶セルの両側または光源側に隣接する偏光膜保護フィルムに安息香酸フェニルエステルや、エステル重合体と液晶性化合物等のレターデーション調整剤を併用することで位相差機能を付与し、従来機能別に保護フィルム/位相差フィルムの構成で2枚使用してきたフィルムを1枚にする検討がなされている。(特許文献1、2)さらに、偏光膜保護フィルムの膜厚を薄くするために芳香族エステル樹脂を添加しフィルムの機械強度向上が検討されてきた。(特許文献3)
一方、セルロースエステルフィルムは生産性を向上させる観点から、製造工程の加熱条件が従来よりも高温化しており、従来使用可能であった可塑剤およびエステル樹脂でも、残留低分子の揮発によって製造装置を汚染する頻度が高まっている。製造装置の汚染頻度が高まるとそれに比例して連続生産ラインのメンテナンス回数も増加するため、結果として生産効率が低下する問題がある。従って、セルロースエステルフィルム改質用樹脂は、厳しい温度条件下で揮発性を低減することが要求されている。
従来から検討されてきたTPP等の燐酸エステル系可塑剤は、低透湿性であるが、分子量が低いため、揮発性が高く問題がある。
また、特許文献1、2に記載のエステル系可塑剤は、高レターデーションかつ低透湿性を達成できるが、残留グリコール、アルコール、モノカルボン酸が揮発成分となるため、厳しい温度条件下で揮発性を抑えることは困難である。
また、特許文献3に記載のエステル系可塑剤は、フィルム強度向上かつ低透湿性を達成できるが、残留グリコール、アルコール、モノカルボン酸が揮発成分となるため、厳しい温度条件下で揮発性を抑えることは困難である。
特開2006−96023 特開2007−119737 特開2007−3767
本発明の課題は、高レターデーションかつ低透湿性を維持し、かつセルロースエステルフィルムの製造工程での揮発成分を低減できるセルロースエステル改質用樹脂組成物及びそれを含むセルロースエステルフィルムの提供にある。
本発明者らは、高レターデーションかつ低透湿性を維持し、セルロースエステルフィルムからの揮発性成分の低減について、鋭意研究の結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)芳香環を2個以上有するエポキシ化合物、(B)芳香族一塩基酸またはその誘導体、(C)芳香族二塩基酸またはその誘導体、(D)脂肪族グリコール、前記(A)と(B)、あるいは前記(A)と(B)と、(C)及び/又は(D)とを反応して得られる酸価3mgKOH/g以下で、エポキシ価15000以上の生成物であり、数平均分子量1500未満のエポキシエステル樹脂を含むことを特徴とするセルロースエステル改質用樹脂組成物およびこれを含むセルロースエステルフィルムを提供する。
本発明のエポキシエステル樹脂を主に含むセルロースエステル改質用樹脂組成物をセルロースエステルへ添加することにより、高レターデーションかつ低透湿性を維持しつつ、かつセルロースエステルフィルムの製造工程での揮発成分を低減できるので、光学フィルムに使用できる優れたセルロースエステルフィルムを提供できる。
本発明で使用する芳香環を2個以上有するエポキシ化合物(A)とは、好ましくは芳香環を2個有するエポキシ化合物である。例えば、エピクロルヒドリンと、ビスフェノールAないしはビスフェノールFないしはビスフェノールSないしはビフェノールとの反応によって得られる、実質的に一分子中に2個のエポキシ基を有するグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂;またはメチルエピクロルヒドリンとビスフェノールAないしはビスフェノールFないしはビスフェノールSないしはビフェノールとの反応によって得られるジメチルグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂;あるいは、ビスフェノールAないしはビスフェノールFないしはビスフェノールSないしはビフェノールのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂などが挙げられる。好ましくは分子量300〜800、エポキシ当量150〜400のビスフェノールAのから誘導されるエポキシ樹脂を使用することが、製造工程での揮発成分の低減に効果的であり、本発明の組成物のセルロースエステルへの相溶性が良好になる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロン840S(エポキシ当量180−190、DIC株式会社製)エピクロン850S(エポキシ当量183〜193、DIC株式会社製)、jER−828(エポキシ当量184〜194、ジャパンエポキシレジン株式会社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロン830S(エポキシ当量165〜177、DIC株式会社製)、エピクロン835(エポキシ当量165〜180、DIC株式会社製)、jER−806(エポキシ当量160〜170、ジャパンエポキシレジン株式会社製)、jER−807(エポキシ当量160〜175、ジャパンエポキシレジン株式会社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、YX−4000(エポキシ当量180〜192、ジャパンエポキシレジン株式会社製)、YL−6121(エポキシ当量170〜180、ジャパンエポキシレジン株式会社製)YL−6640(エポキシ当量188〜198、ジャパンエポキシレジン株式会社製)、YL−6677(エポキシ当量158〜170、ジャパンエポキシレジン株式会社製)等のビフェノール型エポキシ樹脂等が使用できる。
本発明で使用する芳香族一塩基酸またはその誘導体(B)とは、例えば安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、テトラメチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、ブチル安息香酸、クミン酸、t−ブチル安息香酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、ナフトエ酸、ニコチン酸、フロ酸、アニス酸、1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸等や、これらのメチルエステル、フェニルエステル及び酸塩化物等誘導体及び酸無水物を単独で使用又は2種以上併用することができる。前記芳香族一塩基酸(B)としては、安息香酸を使用するのが、セルロースエステル樹脂に優れた耐透湿性を付与でき、且つ高レターデーションのセルロースエステルフィルムを得られるため好ましい。
本発明で使用する芳香族二塩基酸またはその誘導体(C)とは、例えばオルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸等や、これらのエステル化物、及び酸塩化物、1,8−ナフタレンジカルボン酸の酸誘導体等を使用することができ、これらを単独で使用又は2種以上併用できる。
前記芳香族二塩基酸またはその誘導体(C)とは、酸無水物、エステル化物を含むもので、例えば、無水フタル酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びテレフタル酸ジメチルからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。無水フタル酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びテレフタル酸ジメチルからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用して得られるエポキシエステル樹脂を含んでいるセルロースエステル改質用樹脂組成物は、セルロースエステルに優れた耐透湿性を付与でき、且つ高レターデーションのセルロースエステルフィルムが得られるので好ましい。
前記グリコール(D)とは、芳香環を有さないグリコールで、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等を使用することができ、これらを単独で使用又は2種以上併用することができる。前記グリコール(D)としては、プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを使用することが、セルロースエステルとの相溶性に優れ、また耐透湿性を向上させることが可能なセルロースエステル改質用樹脂組成物を得ることができるため好ましい。
本発明のセルロースエステル改質用樹脂組成物に主に含まれるエポキシエステル樹脂の製造は、前記(A)のエポキシ基と前記(B)の酸基あるいは無水酸基との反応、あるいは前記(A)のエポキシ基と前記(B)の酸基あるいは無水酸基、及び前記(C)の酸基あるいは無水酸基及び/又は前記(D)の水酸基とを常法によって反応して行われる。前記(A)のエポキシ基と前記(B)の酸基あるいは無水酸基との反応、あるいは前記(A)のエポキシ基と前記(B)の酸基あるいは無水酸基及び前記(C)の酸基あるいは無水酸基との反応、あるいは前記(A)のエポキシ基と前記(B)の酸基あるいは無水酸基及び前記(D)の水酸基との反応は、必要に応じて触媒の存在下に80℃〜130℃好ましくは100℃〜115℃の温度範囲で10〜25時間反応をすることで製造される。また、前記(A)〜(D)を反応する際には、前記(B)(C)(D)の混合物を必要に応じて触媒の存在下に180℃〜250℃の温度範囲で10〜25時間エステル化反応した後に、前記(A)及び必要に応じて(D)を添加し、必要に応じて触媒の存在下に80℃〜130℃好ましくは100℃〜115℃の温度範囲で10〜25時間カルボン酸−エポキシ反応及び水酸基−エポキシ反応する2段法が好ましい。前記(A)と(B)あるいは(A)と(B)と(C)あるいは(A)と(B)と(D)の仕込量は、(A)のエポキシ基のモル数と、(B)、(C)のカルボン酸基及び(D)の水酸基の合計モル数の比が((A)のエポキシ基モル数)/((B)及び(C)のカルボン酸基モル数+Dの水酸基モル数)=1/0.9〜1.0であることが好ましい。さらに、(A)〜(D)を反応する際には、前記(A)のエポキシ基のモル数と、前記一段目で(B)、(C)、(D)のエステル化反応で得た片末端酸エステルのカルボン酸基及び必要に応じ2段目で添加する(B)のカルボン酸基の合計モル数の比が、((A)のエポキシ基モル数)/(片末端エステルのカルボン酸基モル数+(B)のカルボン酸基モル数)=1/0.9〜1.0となるように仕込み反応させるのが好ましい。
本発明のセルロースエステル改質用樹脂組成物は、前記のモル比で反応することで、エポキシエステル樹脂として前記(B)−(A)−(B)を80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上含有するものであるが、残りは20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下は(A)−(B)からなるものである。同様に前記(A)、(C)を反応して(B)を反応した際には、(B)−[(A)−(C)]m1−(A)−(B)<但し、m1は0〜3である。>が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上有するものであるが、残りは20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり、それらは、例えば[(C)−(A)]n1−(C)−(A)−(B)、[(C)−(A)]n1−(C)−(A)−(C)<但し、n1は0〜3である。>等の混合物である。同様に前記(A)、(D)を反応して(B)を反応した際には、(B)−[(D)−(A)]m2−(D)−(A)−(B)、(B)−[(D)−(A)]m2−(D)−(B)、(B)−(A)−[(D)−(A)]m2−(B)、<但し、m2は0〜3である。>の合計が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上有するものであるが、残りは20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり、それらは、例えば[(D)−(A)]n2−(D)−(A)−(B)、[(D)−(A)]n2−(D)−(A)−(D)<但し、n2は0〜3である。>等の混合物である。同様に前記(A)、(C)、(D)を反応して(B)を反応した際には、(B)−[(D)−(C)]m3−(A)−[(C)−(D)]n3−(B)<但し、m3、n3は各々独立して0〜5である。>が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上有するものであるが、残りは20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり、それらは、例えば
(A)−(B)、
[(C)−(A)]j3−(C)−(A)−(C)、
[(D)−(A)]k3−(D)−(A)−(B)、
[(D)−(A)]k3(D)−(A)−(D)、
(B)−[(D)−(A)]l3−(D)−(A)−(B)、
(B)−[(D)−(A)]l3−(D)−(B)、
(B)−(A)−[(D)−(A)]l3−(B)、
[(D)−(C)]m3−(A)−[(C)−(D)]n3−(B)、
(C)−[(D)−(C)]m3−(A)−[(C)−(D)]n3−(B)、
<但し、j3、k3、l3は各々独立して0〜3である。m3、n3は各々独立して0〜5である。>等の混合物である。
本発明のエポキシエステル樹脂は、数平均分子量1500以下、好ましくは1000以下のものである。数平均分子量の値(Mn)は、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液として使用し、ポリスチレン換算によるゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)により測定した値である。
前記カルボン酸−エポキシ反応及び水酸基−エポキシ反応の触媒としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−フェニル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリアミルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリアチレンジアミン、ジメチルフェニルアミン、ジメチルベンジルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の3級アミン、ジメチルアミノピリジン等のピリジン化合物等を使用することができる。
また、(A)〜(D)の二段反応を行う場合、一段目のエステル化反応の触媒としては、例えばテトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、p−トルエンスルホン酸、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫オキサイド等を使用することができる。
前記カルボン酸−エポキシ反応及び水酸基−エポキシ反応の触媒は、前記(A)、前記(B)もしくは前記(A)、前記(B)、前記(C)、前記(D)の全量100質量部に対して0.05〜1質量部使用することが好ましい。
前記エステル化触媒は、前記(B)、前記(C)、前記(D)の全量100質量部に対して0.001〜0.1質量部使用することが好ましい。
本発明のセルロースエステル改質用樹脂組成物を構成するエポキシエステル樹脂は、3mgKOH/g以下の酸価を有することが好ましく、1mgKOH/g以下の酸価を有することがより好ましい。
また、エポキシエステル樹脂の酸価は、前記(A)及び(B)、あるいは前記(A)、前記(B)、前記(C)及び/又は前記(D)が反応した際に生成しうる、末端にカルボキシル基を有するポリエステル及び未反応の(B)に由来するものである。フィルムに優れた耐透湿性を付与し、かつ該セルロースエステル改質用樹脂組成物自身の安定性を維持するうえで、前記セルロースエステル改質用樹脂組成物中に含まれる前記末端にカルボキシル基を有するポリエステル及び未反応の(B)の含有量は、できる限り少ないことが好ましく、目安として酸価が前記範囲内であることが好ましい。
さらに、エポキシエステル樹脂の水酸基価は、135mgKOH/g以下であることが好ましく、前記(A)と前記(B)、あるいは前記(A)、前記(B)、前記(C)、前記(D)が反応した際に生成しうるポリエステルの末端に存在する水酸基うち、前記芳香族一塩基酸(B)によって封鎖されていない水酸基に由来するもの、または前記(A)と前記(B)が反応した際に生成しうる、末端に水酸基を1個有するエポキシエステル樹脂に由来するものである。水酸基は水との親和性が高いため、得られるフィルムの耐透湿性を維持するうえで、水酸基価は前記範囲内であることが好ましい。
生成したエポキシエステル樹脂含有樹脂組成物のエポキシ当量は、15000以上であり、好ましくは30000以上である。前記の酸価、水酸基価、エポキシ価の場合、生成物として得られたエポキシエステル樹脂とそれ以外の未反応物、前記構造の副生成物等を含んだ組成物の酸価、水酸基価、及びエポキシ価を意味するものである。本発明は、前記のごとくエポキシエステル樹脂を主たる成分とした組成物を含むものである。
前記セルロースエステル改質用樹脂組成物は、構成するエポキシエステル樹脂の数平均分子量及び組成によって異なるが、常温(25℃)で液体又は固体状である。
次に、セルロースエステル及び前記セルロースエステル改質用樹脂組成物を含有するフィルムについて説明する。
本発明のフィルムは、セルロースエステル、前記セルロースエステル改質用樹脂組成物、及び必要に応じてその他の各種添加剤等を含有してなるフィルムである。
本発明のフィルムは、使用される用途によって異なるが、一般に10〜200μm程度の膜厚を有するものである。前記フィルムは、光学異方性や光学等方性等の特性を有していても良く、該フィルムを偏光板用保護フィルムに使用する場合には、光の透過を阻害しない、光学等方性のフィルムを使用することが好ましい。
本発明のフィルム中に含まれるセルロースエステルは、綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等から得られるセルロースの有する水酸基の一部又は全部がエステル化された樹脂状物である。なかでも、綿花リンターから得られるセルロースをエステル化して得られるセルロースエステルを使用して得られるフィルムは、フィルムの製造装置を構成する金属支持体から剥離しやすく、フィルムの生産効率を向上させることが可能となるため好ましい。
前記セルロースエステルとしては、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート及び硝酸セルロース等を使用することができ、これらを単独で使用又は2種以上を併用することが可能である。本発明のフィルムを偏光板用保護フィルムとして使用する場合には、セルロースアセテートを使用することが、機械的物性及び透明性に優れたフィルムを得ることができるため好ましい。
前記セルロースアセテートとしては、重合度が250〜400、酢化度が55.0質量%〜62.5質量%を有するものを使用することが好ましく、酢化度が58.0質量%〜62.5質量%の範囲である、いわゆるセルローストリアセテートを使用することがより好ましい。前記範囲内の重合度及び酢化度を有するセルロースアセテートを使用することによって、得られるフィルムの機械的物性を向上させることができる。なお、酢化度は、セルロースアセテートの全量に対する、該セルロースアセテートをケン化することによって生成する酢酸の質量割合である。
本発明のフィルムは、前記セルロースエステル、前記セルロースエステル改質用樹脂組成物、及び必要に応じてその他の各種添加剤等を含有してなるセルロースエステル樹脂組成物をフィルム状に成形することにより得ることができる。
本発明のフィルムは、例えば前記セルロースエステル樹脂組成物に、必要に応じてその他の各種添加剤等を押出機等で溶融混練し、Tダイ等を用いることでフィルム状に成形することによって得られる。
また、本発明のフィルムは、前記成形方法の他に、例えば前記セルロースエステルと前記セルロースエステル改質用樹脂組成物を有機溶剤中に均一に溶解、混合して得られた溶液を、金属支持体上に流延し乾燥させる、いわゆるソルベントキャスト法で成形することによって得ることができる。ソルベントキャスト法によれば、成形途中でのフィルム中における前記セルロースエステルの配向を抑制することができるため、得られるフィルムは、実質的に光学等方性を示す。前記光学等方性を示すフィルムは、例えば液晶ディスプレイなどの光学材料に使用することができ、なかでも偏光板の保護フィルムに使用することができる。また、前記方法によって得られたフィルムは、その表面に凹凸が形成されにくく、表面平滑性に優れる。
前記ソルベントキャスト法は、主に前記セルロースエステルと前記セルロースエステル改質用樹脂組成物とを有機溶剤中に溶解させ、得られた樹脂溶液を金属支持体上に流延させる第1の工程、流延させた前記樹脂溶液中に含まれる有機溶剤を乾燥させフィルムを形成する第2の工程、及び金属支持体上に形成されたフィルムを金属支持体から剥離し加熱乾燥させる第3の工程からなる。
第1の工程で使用する金属支持体としては、無端ベルト状又はドラム状の金属、例えばステンレス製で、その表面が鏡面仕上げの施されたものを使用することができる。
前記金属支持体上に、前記樹脂溶液を流延させる際には、得られるフィルムに異物が混入することを防止するために、フィルターで濾過した樹脂溶液を使用することが好ましい。
第2の工程における乾燥方法としては、例えば30〜50℃の温度範囲の風を前記金属支持体の上面及び下面に当てることで、流延した前記樹脂溶液中に含まれる有機溶剤のおよそ50質量%〜80質量%程度を蒸発させ、前記金属支持体上にフィルムを形成させる方法がある。
第3の工程は、前記第2の工程で形成されたフィルムを金属支持体上から剥離し、前記第2の工程よりも高温で加熱乾燥させる工程である。前記加熱乾燥方法としては、例えば100〜160℃の温度範囲で段階的に温度を上昇させる方法が好ましい。前記温度範囲で加熱乾燥することによって、前記第2の工程で得られたフィルム中に残存する有機溶剤をほぼ完全に除去することができる。
前記セルロースエステルと前記セルロースエステル改質用樹脂組成物とを有機溶剤に混合、溶解する際に使用できる有機溶剤としては、それらを溶解できるものであれば限定されないが、例えば、セルロースエステルとしてセルロースアセテートを使用する場合は、セルロースアセテートの良溶媒として、例えばメチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類を使用することができる。また、前記良溶媒に対して、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等の貧溶媒を併用することが、フィルムの生産効率を向上させるうえで好ましい。良溶媒と貧溶媒とを混合して使用する場合の質量割合は、良溶媒/貧溶媒=75/25〜95/5の範囲であることがより好ましい。
前記フィルム中に含まれる前記セルロースエステル改質用樹脂組成物は、前記セルロースエステル100質量部に対して、3〜30質量部の範囲内であることが好ましく、5〜20質量部の範囲内であることがより好ましい。前記範囲の前記セルロースエステル改質用樹脂組成物を使用することによって、耐透湿性、及び高温多湿下におけるセルロースエステルフィルムの製造工程での揮発成分を低減できるセルロースエステル改質用樹脂組成物及びそれを用いたセルロースエステルフィルムを得ることができる。
本発明のフィルムには、本発明の目的を損なわない範囲内で、各種添加剤を使用することができる。
前記添加剤としては、例えば本発明のセルロースエステル改質用樹脂組成物以外のその他の改質剤、紫外線吸収剤、熱可塑性樹脂、マット剤等や、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤等)、染料などを使用することができる。これらは、前記有機溶剤中に前記セルロースエステル樹脂及び前記セルロースエステル改質用樹脂組成物を溶解、混合する際に、併せて使用することができる。
前記セルロースエステル改質用樹脂組成物以外のその他の改質剤としては、例えばトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等のフタル酸エステル、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリメチロールプロパントリベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラアセテート等を使用することができる。
前記紫外線吸収剤としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を使用することができる。前記紫外線吸収剤は、前記セルロースエステル100質量部に対して0.01〜2質量部の範囲内であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル、ポリエステルエーテル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、トルエンスルホンアミド樹脂等を使用することができる。
前記マット剤としては、例えば酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク等を使用することができる。前記マット剤は、前記セルロースエステル100質量部に対して、0.1〜0.3質量部の範囲内で使用することが好ましい。
前記染料としては、通常使用されている公知慣用のものを用いることができ、その配合量は本発明の目的を阻害しない範囲であれば、特に限定しない。
本発明のフィルムは、耐透湿性、透明性、セルロースエステルフィルムの製造工程での揮発成分を低減できることから、例えば液晶表示装置の光学フィルムやハロゲン化銀写真感光材料の支持体等に使用できる。なかでも前記したような優れた特性に加えて、光学特性に優れたフィルムは、偏光板用保護フィルムとして使用することが可能である。
前記液晶表示装置の光学フィルムとは、例えば、偏光板用保護フィルム、位相差板、反射板、視野角向上フィルム、防眩フィルム、無反射フィルム、帯電防止フィルム、カラーフィルター等である。
本発明のフィルムは、10〜100μmの膜厚を有することが好ましく、15〜80μmの膜厚を有することがより好ましい。かかるフィルムを偏光板用保護フィルムとして使用する場合には、15〜80μm程度の膜厚を有するフィルムであれば、液晶表示装置の薄型化を図ることが可能で、かつ優れた耐透湿性を維持することができる。
次に、本発明を実施例、比較例等を挙げ、詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。尚、実施例および比較例の中で記載される「部」、「%」は「質量部」、「質量%」を意味するものとする。
[揮発性測定法]
TG−DTA(示差熱熱重量同時測定装置):セイコーインスツルメンツ社製DMS6100を使用して、25℃→130℃(10℃/min)昇温後、130℃×60分ホールド中の加熱減量を質量%で算出。
[耐透湿性]
JIS Z 0208に記載の方法に従い、セルロースエステルフィルムの透湿度を測定した。測定条件は、温度40℃、相対湿度90%である。
[レターデーション測定法]
位相差測定装置(大塚電子株式会社製RETS−100)を用いて検光子回転法により、面内レターデーション(Re)、厚み方向レターデーション(Rth)を自動測定した。
[ヘイズ]
500mm×500mmサイズのセルロースエステルフィルムを濁度計(日本電色株式会社製NDH−300A)にセットし、JIS K 7105に準拠し測定した。
[実施例1]
2L四つ口フラスコ中でエピクロン850S(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量189、DIC株式会社製)756質量部と安息香酸488質量部に触媒トリフェニルホスフィン2.5質量部を加えて、35mmHg減圧下、110℃で20時間反応し、エポキシエステル樹脂A(酸価0.6、水酸基価123、エポキシ当量34300、平均分子量560)を得た。エポキシエステル樹脂AをTG−DTAで130℃×60分加熱時の質量変化を記録し、揮発性試験を行った。130℃加熱前後の質量減量は0.05%であった。
次にトリアセチルセルロース(製品名L−35、ダイセル化学工業製)10質量部、エポキシエステル樹脂Aを1質量部に対し、メチレンクロライド81質量部、メタノール9質量部を加えて溶解し、ドープAを得た。ドープAをガラス板上に厚み0.9mmとなるように流延し、室温で16時間放置後、50℃で30分、100℃で30分乾燥し、膜厚80μmのフィルムを得た。透湿度(40℃×90%RH、JIS Z 0208)は650g/m2/24hrs、面内レターデーションReは0.4nm、厚み方向レターデーションRthは108nm、ヘイズ0.1であった。
[実施例2]
2L四つ口フラスコ中でエピクロン850S(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量189、DIC株式会社製)756質量部と無水安息香酸905質量部に触媒トリフェニルホスフィン2.5質量部を加えて110℃で15時間反応し、エポキシエステル樹脂B(酸価0.9、水酸基価18、エポキシ当量48600、平均分子量750)を得た。エポキシエステル樹脂BをTG−DTAで130℃×60分加熱時の質量変化を記録し、揮発性試験を行った。130℃加熱前後の質量減量は0.01%であった。
次に実施例1と同様の方法でエポキシエステル樹脂Bを添加したドープBから膜厚80μmのフィルムを得た。透湿度(40℃×90%RH、JIS Z 0208)は590g/m2/24hrs、面内レターデーションReは0.4nm、厚み方向レターデーションRthは117nm、ヘイズ0.1であった。
[実施例3]
2L四つ口フラスコ中でエピクロン850S(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量189、DIC株式会社製)756質量部と安息香酸439質量部に触媒トリフェニルホスフィン2.5質量部を加えて、35mmHg減圧下、110℃で20時間反応したのち、1,6−ヘキサメチレングリコール47質量部と触媒2−エチル−4−メチルイミダゾール1質量部を加えて100℃で8時間反応し、エポキシエステル樹脂C(酸価0.7、水酸基価130、エポキシ当量38800、平均分子量600)を得た。エポキシエステル樹脂CをTG−DTAで130℃×60分加熱時の質量変化を記録し、揮発性試験を行った。130℃加熱前後の質量減量は0.08%であった。
次に実施例1と同様の方法でエポキシエステル樹脂Cを添加したドープCから膜厚80μmのフィルムを得た。透湿度(40℃×90%RH、JIS Z 0208)は660g/m2/24hrs、面内レターデーションReは0.3nm、厚み方向レターデーションRthは61nm、ヘイズ0.1であった。
[実施例4]
2L四つ口フラスコ中で3−メチル−1,5−ペンタンジオール236質量部、イソフタル酸166質量部、テレフタル酸166質量部、と安息香酸244質量部に触媒テトラブチルチタネート0.05質量部を加えて220℃で20時間脱水縮合した後に、110℃まで冷却した。110℃になってから、エピクロン850S(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量189、DIC株式会社製)756質量部と安息香酸244質量部に触媒トリフェニルホスフィン3.0質量部を加えて、35mmHg減圧下、110℃で12時間反応し、エポキシエステルD(酸価0.3、水酸基価121、エポキシ当量37500、平均分子量780)を得た。エポキシエステルDをTG−DTAで130℃×60分加熱時の質量変化を記録し、揮発性試験を行った。130℃加熱前後の質量減量は0.09%であった。
次に実施例1と同様の方法でエポキシエステルDを添加したエポキシDから膜厚80μmのフィルムを得た。透湿度(40℃×90%RH、JIS Z 0208)は690g/m2/24hrs、面内レターデーションReは0.4nm、厚み方向レターデーションRthは62nm、ヘイズ0.1であった。
[実施例5]
2L四つ口フラスコ中で1,4−ブチレングリコール180質量部、無水フタル酸296質量部gとトルイル酸274質量部に触媒テトラブチルチタネート0.05質量部を加えて220℃で20時間脱水縮合した後に、110℃まで冷却した。110℃になってから、エピクロン850S(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量189、DIC株式会社製)756質量部とトルイル酸274質量部に触媒トリフェニルホスフィン3.0質量部を加えて110℃で12時間反応し、エポキシエステルE(酸価0.4、水酸基価118、エポキシ当量40700、平均分子量780)を得た。エポキシエステルEをTG−DTAで130℃×60分加熱時の質量変化を記録し、揮発性試験を行った。130℃加熱前後の質量減量は0.10%であった。
次に実施例1と同様の方法でエポキシエステルEを添加したエポキシEから膜厚80μmのフィルムを得た。透湿度(40℃×90%RH、JIS Z 0208)は690g/m2/24hrs、面内レターデーションReは0.6nm、厚み方向レターデーションRthは72nm、ヘイズ0.1であった。
[比較例1]
2L四つ口フラスコ中でエチレングリコール518質量部とアジピン酸982質量部に触媒テトラブチルチタネート0.1質量部を加えて220℃で16時間重縮合し、ポリオールF(酸価0.3、水酸基価112、平均分子量1000)を得た。ポリオールF をTG−DTAで130℃×60分加熱時の質量変化を記録し、揮発性試験を行った。130℃加熱前後の質量減量は0.48%であった。
次に実施例1と同様の方法でポリオールFを添加したドープFから膜厚80μmのフィルムを得た。透湿度(40℃×90%RH、JIS Z 0208)は810g/m2/24hrs、面内レターデーションReは1.2nm、厚み方向レターデーションRthは24nm、ヘイズ0.1であった。
[比較例2]
2L四つ口フラスコ中で3−メチル−1,5−ペンタンジオール733質量部とテレフタル酸647質量部に触媒テトラブチルチタネート0.1質量部を加えて220℃で10時間重縮合した後に安息香酸464質量部を加えさらに220℃で20時間重縮合し、エステル樹脂G(酸価0.3、水酸基価13、平均分子量800)を得た。エステル樹脂GをTG−DTAで130℃×60分加熱時の質量変化を記録し、揮発性試験を行った。130℃加熱前後の質量減量は0.75%であった。
次に実施例1と同様の方法でエステル樹脂Gを添加したドープGから膜厚80μmのフィルムを得た。透湿度(40℃×90%RH、JIS Z 0208)は730g/m2/24hrs、面内レターデーションReは0.9nm、厚み方向レターデーションRthは122nm、ヘイズ0.1であった。
[比較例3]
2L四つ口フラスコ中でエチレングリコール240質量部、2−メチル−1,3−プロパンジオール342質量部と無水フタル酸397質量部とアジピン酸391質量部に触媒テトライソプロピルチタネート0.1質量部を加えて220℃で10時間重縮合した後に安息香酸464質量部を加えさらに220℃で20時間重縮合し、エステル樹脂H(酸価0.3、水酸基価15、平均分子量800)を得た。エステル樹脂HをTG−DTAで130℃×60分加熱時の質量変化を記録し、揮発性試験を行った。130℃加熱前後の質量減量は0.54%であった。
次に実施例1と同様の方法でエステル樹脂Hを添加したドープHから膜厚80μmのフィルムを得た。透湿度(40℃×90%RH、JIS Z 0208)は720g/m2/24hrs、面内レターデーションReは0.6nm、厚み方向レターデーションRthは61nm、ヘイズ0.2であった。
[比較例4]
トリフェニルホスフェート(TPP)をTG−DTAで130℃×60分加熱時の質量変化を記録し、揮発性試験を行った。130℃加熱前後の質量減量は1.3%であった。
次に実施例1と同様の方法でTPPを添加したドープIから膜厚80μmのフィルムを得た。透湿度(40℃×90%RH、JIS Z 0208)は650g/m2/24hrs、面内レターデーションReは1.1nm、厚み方向レターデーションRthは68nm、ヘイズ0.3であった。

Claims (5)

  1. (A)芳香環を2個以上有するエポキシ化合物、
    (B)芳香族一塩基酸またはその誘導体、
    (C)芳香族二塩基酸またはその誘導体、
    (D)脂肪族グリコール、
    前記(A)と(B)、あるいは前記(A)と(B)と、(C)及び/又は(D)とを反応して得られる酸価3mgKOH/g以下で、エポキシ価15000以上の生成物であり、数平均分子量1500未満のエポキシエステル樹脂を含むことを特徴とするセルロースエステル改質用樹脂組成物。
  2. 芳香族一塩基酸またはその誘導体(B)が、安息香酸またはその誘導体である請求項1記載のセルロースエステル改質用樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ化合物(A)が、ビスフェノールA系エポキシ樹脂である請求項1記載のセルロースエステル改質用樹脂組成物。
  4. 前記エポキシエステル樹脂が、芳香族一塩基酸またはその誘導体(B)を片末端にのみ付加する化合物を0.1〜5質量%含有する請求項1記載のセルロースエステル改質用樹脂組成物。
  5. セルロースエステルと請求項1〜4いずれか記載のセルロースエステル改質用樹脂組成物とを含むセルロースエステルフィルム。
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