JP2002114965A - 徐溶化剤 - Google Patents

徐溶化剤

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JP2002114965A
JP2002114965A JP2001232923A JP2001232923A JP2002114965A JP 2002114965 A JP2002114965 A JP 2002114965A JP 2001232923 A JP2001232923 A JP 2001232923A JP 2001232923 A JP2001232923 A JP 2001232923A JP 2002114965 A JP2002114965 A JP 2002114965A
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ester
aromatic
solid
residue
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JP2001232923A
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Masao Fukuda
政雄 福田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水洗トイレの固形芳香洗浄剤や台所流し排水
口ヌメリ防止剤などに使用できる固形の徐溶化剤であっ
て、従来のものと異なり環境を汚染することがなく、保
形性と、芳香、殺菌剤、農薬等の徐放性などの効果の長
期持続性に優れる徐溶化剤を提供すること。 【解決手段】 融点50℃以上の特定のカルボン酸エス
テルと、脂肪酸アルカノールアミドおよび/または20
℃で固状またはペースト状の高分子量ポリオキシアルキ
レン化合物からなることを特徴とする徐溶化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、徐溶化剤に関し、更に
詳しくは水洗トイレ用固形芳香洗浄剤、台所流し排水口
ヌメリ防止剤等に有用な徐溶化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】徐溶化剤は、それ自体が水に徐々に溶解
することにより香料や殺菌剤を少しずつ放出する薬剤で
あり、水洗トイレ用固形芳香洗浄剤、台所流し排水口の
ヌメリ防止剤等に使用されている。このような徐溶化剤
のうち、保形性に優れ効果の長期持続性に優れるものと
しては、融点50℃以上のオキシエチレン基含有芳香族
化合物(ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物な
ど)とグリセリンなどの水溶性脂肪族化合物との併用系
(特開平8−319472号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近に
なってビスフェノールAに内分泌攪乱物質(環境ホルモ
ン)としての疑いがかけられ、その使用は自粛の動きに
あり、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物から
なる徐溶化剤に替わる保形性と効果の長期持続性に優れ
る新規徐溶化剤の出現が待望されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち
本発明は、一般式(1)、(2)または(3)で表され
る融点50℃以上のカルボン酸エステル(A)と、脂肪
酸アルカノールアミド(B)および/または20℃で固
状またはペースト状の高分子量ポリオキシアルキレン化
合物(C)からなることを特徴とする徐溶化剤。 X〔-(AO)m[CO-Q2-CO(OA)mX2(AO)m]k-CO-Q1x (1) Q〔-CO[(OA)mX2(AO)mCO-Q2-CO]k(OA)mX1y (2) Q1-CO[(OA)mX2(AO)mCO-Q2-CO]k(OA)mX1 (3) 但し、 Q1:-Q(-COOH)y-1で示される1価の残基 ;y≧1 Q2:-Q(-COOH)y-2-で示される2価の残基 ;y≧2 X1:-X[-(AO)mH]x-1で示される1価の残基 ;x≧1 X2:-X[-(AO)mH]x-2-で示される2価の残基 ;x≧2 〔式中、Xはx個の活性水素原子を有する化合物の残基
(x個の活性水素原子を除いた残基)または−O−、x
は1〜8の整数(XがOのときはx=2);Aは炭素数
2〜4のアルキレン基で、Aの少なくとも一部はエチレ
ン基を有する、mはmの合計が1〜20となる同一また
は異なる0または1以上の整数、kは0または1〜4の
整数;Qはy価のカルボン酸の残基(y個のカルボキシ
ル基を除いた残基)、yは1〜5の整数;XまたはQの
少なくとも一部は芳香族を有する;複数個のX、Q、
A、m、k、x、yはそれぞれ同一でも異なっていても
よい。〕;および該徐溶化剤を含有させてなることを特
徴とする徐放性製剤である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における一般式(1)〜
(3)においてXで表される残基で構成されるx(1〜
8)個の活性水素原子を有する化合物としては、下記の
ものが挙げられる。 ・ モノオール〔脂肪族(炭素数1〜20、例えばメタ
ノール、n−ブタノール、ラウリルアルコール、ステア
リルアルコール)、脂環式(炭素数6〜16、例えばシ
クロヘキサノール、シクロペンタノール)、芳香脂肪族
(炭素数8〜16、例えばベンジルアルコール、シンナ
ミルアルコール)、など〕 ・ ジオール〔脂肪族(炭素数3〜12、例えばプロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール)、脂環式
(炭素数6〜16、例えばシクロヘキサン−1,2−、
−1,3−および−1,4−ジオノール、シクロペンタ
ン−1,2−および−1,3−ジオール)、芳香脂肪族
(炭素数8〜16、例えばジヒドロキシメチルベンゼ
ン)など〕 ・ 多価(3〜8価)アルコール〔脂肪族(炭素数3〜
20、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ジ
グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソル
ビトール、シュークロース)〕 ・ フェノール〔単環フェノール[炭素数6〜20、例
えば1価(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール
など)、2価(レゾルシン、カテコールなど)];多環
フェノール[炭素数13〜20、例えば1価(ナフトー
ル、フェニルフェノールなど)、2価(1,4−ナフタ
レンジオール、ジヒドロキシフェニルメタンなど)、3
価(トリヒドロキシフェニルメタンなど)など]など〕
【0006】本発明における一般式(1)〜(3)にお
いてQで表される残基で構成されるy(1〜5)価のカ
ルボン酸としては、下記のものが挙げられる。 ・ モノカルボン酸〔脂肪族(炭素数12〜24、例え
ばラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸)、脂環式
(炭素数7〜13、例えばシクロヘキサンカルボン
酸)、芳香脂肪族(炭素数7〜16、例えばフェニル酢
酸、p−メトキシフェニル酢酸)、芳香族(炭素数7〜
16、例えば安息香酸、サリチル酸、2−ナフタレンカ
ルボン酸)〕 ・ ジカルボン酸〔脂肪族(炭素数2〜12、例えばフ
マル酸、アジピン酸、1,10−デカンジカルボン
酸)、脂環式(炭素数8〜18、例えばシクロヘキサン
ジカルボン酸)、芳香脂肪族(炭素数10〜18、例え
ばベンゼンジ酢酸)、芳香族(炭素数8〜16、例えば
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸)など〕 ・ 3価〜4価のポリカルボン酸〔脂肪族(炭素数7〜
16、例えば1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,
2,5−ヘキサントリカルボン酸)、脂環式(炭素数9
〜16、例えば1,2,4−シクロヘキサントリカルボ
ン酸)、芳香脂肪族(炭素数12〜18、例えばベンゼ
ントリ酢酸)、芳香族(炭素数9〜16、例えば1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸)な
ど〕などが挙げられる。
【0007】xは通常1〜8の整数であり、好ましくは
1〜4である。xが8を超えると保形性が悪くなる。m
は通常0または1〜20の整数であり、好ましくは1〜
5である。mが20を超えると効果の持続性が悪くな
る。kは通常0または1〜4の整数であり、好ましくは
0または1〜2である。kが4を超えると保形性が悪く
なる。yは通常1〜5の整数であり、好ましくは1〜3
である。yが5を超えると保形性が悪くなる。
【0008】一般式(1)、(2)または(3)で表さ
れるカルボン酸エステルを得るに際して、カルボン酸成
分とアルコール成分とのエステル化反応における反応当
量比は通常1/5〜5/1、保形性および効果の持続性
の観点から好ましくは1/2〜2/1、得られるカルボ
ン酸エステルの末端は通常OH末端、COOH末端のい
ずれでもよいが、保形性の観点から好ましいのはOH末
端である。本発明において一般式(1)、(2)または
(3)で表されるカルボン酸エステル(A)のうち好ま
しいのは、k=0の場合であり、下記の一般式
(1)’、(2)’または(3)’で表されるものであ
る。 X〔-(AO)m-CO-Q1x (1)’ Q〔-CO(OA)mX1y (2)’ Q1-CO(OA)mX1 (3)’
【0009】一般式(1)’、(2)’または(3)’
で表されるカルボン酸エステルとしては、下記の、カル
ボン酸成分にのみ芳香族基を含有するもの(A1)、ア
ルコール成分(活性水素原子を有する化合物)にのみ芳
香族基を含有するもの(A2)およびカルボン酸/アル
コール成分のいずれにも芳香族基を含有するもの(A
3)が挙げられる。 (A1) QまたはQ1が芳香族基含有カルボン酸残
基、XまたはX1が芳香族基を含有しない活性水素原子
を有する化合物の残基である場合のカルボン酸エステル (A2) QまたはQ1が芳香族基を含有しないカルボ
ン酸の残基、XまたはX1が活性水素原子を有する芳香
族基含有化合物の残基、である場合のカルボン酸エステ
ル (A3) QまたはQ1が芳香族基含有カルボン酸残
基、XまたはX1が活性水素原子を有する芳香族基含有
化合物の残基である場合のカルボン酸エステル
【0010】(A1)の具体例としては、下記のものが
挙げられる。 ・ 芳香(脂肪)族モノカルボン酸とモノオールとのエ
ステル(2−ブトキシエトキシナフタレンカルボン酸エ
ステルなど) ・ 芳香(脂肪)族モノカルボン酸とジオールとのエス
テル(または芳香族モノカルボン酸のEO付加物)〔2
−(2−ヒドロキシエチル)ナフタレンカルボン酸エス
テル、2−ナフタレンカルボン酸のEO2モル付加物な
ど〕 ・ 芳香(脂肪)族モノカルボン酸と多価(3〜8価)
のアルコールとのエステル(2−ナフタレンカルボン酸
とトリメチロールプロパンのEO2モル付加物とのエス
テル化物、2−ナフタレンカルボン酸とソルビトールの
EO5モル付加物とのエステル化物など) ・ 芳香(脂肪)族ジカルボン酸とモノオールとのエス
テル〔ビス(2−メトキシエチル)イソフタレート、ビ
ス(2−メトキシエチル)テレフタレートなど)〕 ・ 芳香(脂肪)族ジカルボン酸とジオールとのエステ
ル(又は芳香族ジカルボン酸のEO付加物)〔ビス(2
−ヒドロキシエチル)イソフタレート、ビス(2−ヒド
ロキシエチル)テレフタレートなど〕 ・ 芳香(脂肪)族ジカルボン酸と多価(3〜8価)の
アルコールとのエステル(テレフタル酸とトリメチロー
ルプロパンのEO3モル付加物とのエステル化物、イソ
フタル酸とソルビトールのEO5モル付加物とのエステ
ル化物など) ・ 芳香(脂肪)族ポリ(3価〜4価またはそれ以上)
カルボン酸とモノオールとのエステル〔1,2,4−ト
リス(2−メトキシエチル)ベンゼントリカルボキシレ
ートなど〕 ・ 芳香(脂肪)族ポリ(3価〜4価またはそれ以上)
カルボン酸とジオールとのエステル(又は芳香族ポリカ
ルボン酸のEO付加物)〔1,2,4−トリス(2−ヒ
ドロキシエチル)ベンゼントリカルボキシレートなど〕 ・ 芳香(脂肪)族ポリ(3価〜4価またはそれ以上)
カルボン酸と多価(3〜8価)のアルコールとのエステ
ル(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸とトリメチロ
ールプロパンのEO3モル付加物とのエステル化物) ・およびこれらの混合物
【0011】これら(A1)のうち、徐溶化剤の保形性
および効果の長期持続性のバランスの観点から好ましい
のは、芳香(脂肪)族ジ−またはポリ(3価〜4価また
はそれ以上)−カルボン酸とジオールとのエステル〔ま
たは芳香(脂肪)族ジ−またはポリ(3価〜4価または
それ以上)−カルボン酸のEO付加物〕、芳香(脂肪)
族ジ−またはポリ(3価〜4価またはそれ以上)−カル
ボン酸と多価(3〜8価)アルコールとのエステル、さ
らに好ましいのは芳香(脂肪)族ジカルボン酸とジオー
ルとのエステル〔または芳香(脂肪)族ジカルボン酸の
EO付加物〕、芳香(脂肪)族ジカルボン酸と多価(3
〜8価)アルコールとのエステル、とくに好ましいのは
テレフタル酸および/またはイソフタル酸のエチレング
リコールエステル〔またはテレフタル酸および/または
イソフタル酸のEO付加物〕、最も好ましいのはビス
(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよび/また
はビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレートであ
る。
【0012】(A2)の具体例としては、下記のものが
挙げられる。 ・ 単環フェノールEO付加物とモノカルボン酸とのモ
ノエステル(フェノキシエチルミリスチレート、フェノ
キシエチルステアレートなど) ・ 単環フェノールEO付加物とジカルボン酸とのジエ
ステル〔ビス(2−フェノキシエチル)フマレート、ビ
ス(2−フェノキシエチル)アジペート、ビス(2−フ
ェノキシエチル)フマレート、ベンゼンジ(酢酸−2−
フェノキシエチレート)など〕 ・ 単環フェノールEO付加物とトリカルボン酸とのト
リエステル〔1,2,4−ブタントリカルボン酸トリ
(2−フェノキシエチレート)、1,2,5−ヘキサン
トリカルボン酸トリ(2−フェノキシエチレート)な
ど〕 ・ 多環フェノールEO付加物とモノカルボン酸とのジ
エステル〔ビス(2−ヒドロキシエチル)ナフタリンジ
ラウレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)ナフタリン
ジステアレートなど〕 ・ 多環フェノールEO付加物とジカルボン酸とのジま
たはポリエステル〔ビス(2−ヒドロキシエチル)ナフ
タリンフマレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)ナフ
タリンアジペートなど〕 ・ 多環フェノールEO付加物とトリカルボン酸とのト
リまたはポリエステル〔ビス(2−ヒドロキシエチル)
ナフタリンと1,2,4−ブタントリカルボン酸とのエ
ステル化物、ビス(2−ヒドロキシエチル)ナフタリン
と1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸とのエス
テル化物など〕 ・ 芳香脂肪族アルコールとカルボン酸(上記例示のモ
ノ−、ジ−およびトリ−カルボン酸など)とのエステル
〔ベンジルステアレート、ジベンジルフマレート、1,
2,4−ブタントリベンジルカルボキシレートなど〕 ・ およびこれらの混合物
【0013】これら(A2)のうち、保形性と効果の持
続性の観点から好ましいのは、単環フェノールEO付加
物と脂肪族カルボン酸とのエステル、さらに好ましいの
は脂肪族ジ−またはトリカルボン酸とのジ−またはトリ
エステル、とくに好ましいのはトリカルボン酸とのトリ
エステル、最も好ましいのは1,2,4−ブタントリカ
ルボン酸トリ(2−フェノキシエチレート)である。
【0014】(A3)の具体例としては、下記のものが
挙げられる。 ・ 芳香(脂肪)族モノカルボン酸と単環フェノールE
O付加物とのエステル〔2−ナフタレンカルボン酸とフ
ェノキシエタノールとのエステルなど〕 ・ 芳香(脂肪)族モノカルボン酸と多環フェノールE
O付加物とのエステル〔安息香酸とビス(2−ヒドロキ
シエチル)ナフタリンとのエステルなど〕 ・ 芳香(脂肪)族モノカルボン酸と芳香脂肪族アルコ
ールとのエステル〔安息香酸とベンジルアルコールとの
エステルなど〕 ・ 芳香(脂肪)族ジカルボン酸と単環フェノールEO
付加物とのエステル〔フタル酸とフェノキシエタノール
とのエステル、イソフタル酸とフェノキシエタノール、
テレフタル酸とフェノキシエタノール、ナフタレンジカ
ルボン酸とフェノキシエタノールとのエステルなど〕 ・ 芳香(脂肪)族ジカルボン酸と多環フェノールEO
付加物とのエステル〔フタル酸とビス(2−ヒドロキシ
エチル)ナフタリンとのエステル、イソフタル酸とビス
(2−ヒドロキシエチル)ナフタリンとのエステル、テ
レフタル酸とビス(2−ヒドロキシエチル)ナフタリン
とのエステル、ナフタレンジカルボン酸とビス(2−ヒ
ドロキシエチル)ナフタリンとのエステルなど〕 ・ 芳香(脂肪)族ジカルボン酸と芳香脂肪族アルコー
ルとのエステル〔フタル酸とベンジルアルコールとのエ
ステル、イソフタル酸とベンジルアルコールとのエステ
ル、テレフタル酸とベンジルアルコールとのエステル、
ナフタレンジカルボン酸とベンジルアルコールとのエス
テルなど〕 ・ 芳香(脂肪)族ポリ(3価〜4価またはそれ以上)
カルボン酸と単環フェノールEO付加物とのエステル
〔1,2,4−ベンゼントリカルボン酸とフェノキシエ
タノールとのエステル、ピロメリット酸とフェノキシエ
タノールとのエステルなど〕 ・ 芳香(脂肪)族ポリ(3価〜4価またはそれ以上)
カルボン酸と多環フェノールEO付加物とのエステル
〔1,2,4−ベンゼントリカルボン酸とビス(2−ヒ
ドロキシエチル)ナフタリンとのエステルなど〕 ・ 芳香(脂肪)族ポリ(3価〜4価またはそれ以上)
カルボン酸と芳香脂肪族アルコールとのエステル〔1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸とベンジルアルコール
とのエステルなど〕 ・ およびこれらの混合物
【0015】これら(A3)のうち、保形性と効果の持
続性の観点から好ましいのは、芳香(脂肪)族モノカル
ボン酸と芳香脂肪族アルコールとのエステル、芳香(脂
肪)族ジカルボン酸と芳香脂肪族アルコールとのエステ
ル、芳香(脂肪)族ポリ(3価〜4価またはそれ以上)
カルボン酸と芳香脂肪族アルコールとのエステル、さら
に好ましいのは、芳香(脂肪)族ジカルボン酸と芳香脂
肪族アルコールとのエステル、とくに好ましいのはイソ
フタル酸とベンジルアルコールとのエステルおよび/ま
たはテレフタル酸とベンジルアルコールとのエステルで
ある。
【0016】(A)の融点(測定法:微量融点計)は通
常50℃以上、好ましくは50〜200℃、さらに好ま
しくは60〜150℃である。(A)の融点が50℃未
満では徐溶化剤がべたつきやすく、取り扱いにくくな
る。また、20℃での溶解度(g/100gH2O)
は、効果の長期持続性の観点から、好ましくは少なくと
も0.01、さらに好ましくは0.01〜10、とくに
好ましくは0.03〜3である。
【0017】本発明における一般式(1)、(2)また
は(3)において、AO(またはOA)で表されるオキ
シアルキレン基のうち、オキシエチレン基の含量は、融
点および溶解度の観点からカルボン酸エステル(A)の
重量に基づいて好ましくは20〜70%、さらに好まし
くは25〜60%である。また、カルボン酸エステル
(A)中の芳香族基の含量は、融点と保形性の観点から
カルボン酸エステル(A)の重量に基づいて好ましくは
15〜60%、さらに好ましくは20〜45%である。
カルボン酸エステル(A)の数平均分子量(以下Mnと
略記)は融点および溶解度の観点から好ましくは200
〜1,000、さらに好ましくは250〜600、酸価
は保形性と溶解度の観点から好ましくは0〜400、さ
らに好ましくは0〜200、水酸基価は保形性の観点か
ら好ましくは30〜1,500、さらに好ましくは50
〜600である。
【0018】脂肪酸アルカノールアミド(B)として
は、脂肪酸(b1)とモノ−またはジアルカノールアミ
ン(ヒドロキシアルキルの炭素数2〜3)(b2)との
アミドおよびその(ポリ)オキシアルキレンエーテル
(非イオン界面活性剤)が挙げられる。(b1)として
は、炭素数6〜30の直鎖もしくは分岐の飽和または不
飽和の脂肪酸およびそれらの混合物、例えばカプロン
酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン
酸、オレイン酸および牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パー
ム油脂肪酸などの天然油脂由来の脂肪酸などが挙げられ
る。(b2)としては、炭素数2〜16のもの、例えば
モノ−およびジ−エタノールアミン、モノ−およびジ−
イソプロパノールアミン、N−メチル−、エチル−、イ
ソプロピル、およびブチルエタノールアミン、N−(2
−アミノエチル)エタノールアミンおよびそれらのEO
(1〜6モル)付加物などが挙げられる。(B)の洗浄
性などの観点から好ましいのは、(b1)の中では、炭
素数12〜24の直鎖もしくは分岐の飽和または不飽和
の高級脂肪酸およびそれらの混合物(ヤシ油脂肪酸、パ
ーム油脂肪酸などの天然油脂由来の脂肪酸など)であ
り、(b2)の中では、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミンである。また、徐溶化剤の融点が低すぎな
いことおよび後述する成型法の多くを適用できることの
観点から、(B)の性状として好ましいのは、5〜35
℃で固状であることである。
【0019】20℃で固状の高分子量ポリオキシアルキ
レン化合物(C)としては、アルキレン基の炭素数が2
〜4のもの、例えばポリエチレングリコール、ポリ[エ
チレン/プロピレン[エチレンオキシド(以下EOと略
記)/プロピレンオキシド(以下POと略記)重量比=
99/1〜20/80、付加形式はブロック、ランダム
いずれでもよい)]グリコール、ポリ[エチレン/ブチ
レン(EO/1,2−、2,3−および1,4−ブチレ
ンオキシド重量比=99/1〜20/80、付加形式は
ブロック、ランダムいずれでもよい)]グリコール、並
びにこれらの化合物の末端を疎水基[例えば、炭化水素
基(炭素数8〜30)、アルキロイル基(炭素数8〜3
0)]で封鎖した化合物、ジイソシアネート(炭素数8
〜20、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
など)および/またはジカルボン酸(炭素数2〜18、
例えばシュウ酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など)で結
合した化合物が挙げられる。これらの中で徐溶化剤の保
形性および効果の長期持続性のバランスの観点から好ま
しいのはポリエチレングリコール、ポリ[エチレン−プ
ロピレン−エチレン(ブロック付加)]グリコール、こ
れらの化合物の末端を疎水基で封鎖した化合物およびこ
れらの化合物の末端をジイソシアネートおよび/または
ジカルボン酸で結合した化合物、さらに好ましいのはポ
リエチレングリコール、ポリ[エチレン−プロピレン−
エチレン(ブロック付加)]グリコールおよびこれらの
化合物の末端をジイソシアネートで結合した化合物であ
る。
【0020】本発明における(C)は20℃で通常固状
またはペースト状(好ましくは固状)であり、Mnは保
形性の観点から好ましくは4,000〜500,00
0、さらに好ましくは6,000〜100,000であ
る。(C)が20℃で液状の場合は保形性と効果の持続
性が悪くなる。
【0021】本発明において、(B)と(C)は通常各
々単独で用いても、また併用してもどちらでもよい。併
用する場合の(B)/(C)の重量比は、徐溶化剤の長
期持続性の観点から、好ましくは10/90〜90/1
0、さらに好ましくは30/70〜70/30である。
【0022】本発明において、徐溶化剤を構成する
(A)と、(B)および/または(C)の使用割合は、
徐溶化剤の長期持続性の観点から、(A)/(B+C)
の重量比で、好ましくは90/10〜10/90、さら
に好ましくは80/20〜20/80である。
【0023】本発明においては、上記成分に加えてさら
に、20℃で固状かつ、溶解度(g/100gH2O)
が少なくとも0.1であるカルボン酸(D)および/ま
たは分子量62〜Mn3,000のポリオール(E)を
使用してもよい。
【0024】(D)としては、炭素数2〜10の脂肪族
飽和ジカルボン酸(D1)(シュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸など)、炭素数4〜10
の脂肪族不飽和ジカルボン酸(D2)(マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸など)、炭素数2〜6の脂肪族オキ
シ酸(D3)(グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸など)、炭素数7〜14の芳香族カルボン酸(D
4)(安息香酸、フタル酸など)および炭素数7〜14
の芳香族オキシ酸(D5)(サリチル酸、DL−マンデ
ル酸など)などが挙げられる。これらの中で、表面が滑
らかな状態で徐溶化剤が溶解する観点から、好ましいの
は(D1)、およびさらに好ましいのは(D2)、(D
3)である。(D)の使用量は、効果の長期持続性と表
面が滑らかな状態で徐溶化剤が溶解する観点から、
(A)〜(C)の合計重量に対して、好ましくは1〜2
0%、さらに好ましくは3〜10%である。
【0025】(E)としては、脂肪族ポリオール、例え
ば炭素数2〜6のアルキレングリコール(E1)(エチ
レングリコール、プロピレングリコール、トリメチレン
グリコール、1,2−、1,3−、2,3−および1,
4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコー
ルなど)、3価〜4価またはそれ以上の多価アルコール
(E2)(グリセリン、ジグリセリン、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパンなど)、分子量100
〜Mn3,000のポリアルキレン(炭素数2〜3)グ
リコール(E3)〔ポリプロピレングリコール(Mn2
50以下)、ポリエチレングリコール(Mn3,000
以下)など〕が挙げられる。これらの中で好ましいの
は、(A)〜(C)との相溶性の観点から、(E2)お
よび(E3)である。(E)の使用量は、効果の長期持
続性と表面が滑らかな状態で徐溶化剤が溶解する観点か
ら(A)〜(C)の合計重量に対して好ましくは3〜3
0%、さらに好ましくは5〜20%である。
【0026】本発明の徐溶化剤には、界面活性剤、着色
剤、香料、消臭剤、漂白剤、増量剤、ビルダー、除菌
剤、殺菌剤、殺虫剤、化学農薬、化学肥料および紫外線
吸収剤などの添加剤(F)を必要によりさらに加えるこ
とができる。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤
〔但し、前記の(B)、並びに(C)の中で非イオン界
面活性剤に該当するものは除く〕、アニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げら
れる。
【0027】非イオン界面活性剤としては、例えば、ア
ルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加型非イオン界面
活性剤[高級アルコール(炭素数8〜18)、アルキル
フェノール(炭素数10〜24)、高級脂肪酸(炭素数
12〜24)または高級アルキルアミン(炭素数8〜2
4)等に直接アルキレンオキシド(炭素数2〜4)を付
加させたもの(分子量158〜Mn6,000);グリ
コールにアルキレンオキシドを付加させて得られるポリ
アルキレングリコール(分子量150〜Mn6,00
0)に高級脂肪酸などを反応させたもの;多価アルコー
ル(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなどの2価
〜8価またはそれ以上の多価アルコール)に高級脂肪酸
を反応させて得られたエステル化物並びにこれらにアル
キレンオキシドを付加させたもの(分子量250〜Mn
6,000)、多価(2価〜8価またはそれ以上)アル
コールアルキル(炭素数3〜60)エーテルにアルキレ
ンオキシドを付加させたもの(分子量120〜Mn6,
000)など]、および多価アルコールアルキル(炭素
数3〜60)エーテルなどが挙げられる。
【0028】アニオン界面活性剤としては、例えば、カ
ルボン酸(炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸)
またはその塩(ナトリウム、カリウム、アンモニウム、
アルカノールアミンなどの塩)、カルボキシメチル化物
の塩(炭素数8〜16の脂肪族アルコールおよび/また
はそのEO(1〜10モル)付加物などのカルボキシメ
チル化物の塩など)、硫酸エステル塩[高級アルコール
硫酸エステル塩(炭素数8〜16の脂肪酸アルコールの
硫酸エステル塩など)]、高級アルキルエーテル硫酸エ
ステル塩[炭素数8〜18の脂肪酸アルコールのEO
(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油
(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸
化して中和したもの)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和
脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和した
もの)、硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフ
ィンを硫酸化して中和したもの)、スルホン酸塩[アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、スルホコハク酸ジエステル型、α−オレフィン
(炭素数12〜18)スルホン酸塩、イゲポンT型な
ど]およびリン酸エステル塩[高級アルコール(炭素数
8〜60)EO付加物リン酸エステル塩、アルキル(炭
素数4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩
など]が挙げられる。
【0029】カチオン界面活性剤としては、第4級アン
モニウム塩型[テトラアルキル(炭素数4〜100)ア
ンモニウム塩、例えばラウリルトリメチルアンモニウム
クロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライ
ド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステ
アリルトリメチルアンモニウムブロマイド;トリアルキ
ル(炭素数3〜80)ベンジルアンモニウム塩、例えば
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩
化ベンザルコニウム);アルキル(炭素数2〜60)ピ
リジニウム塩、例えばセチルピリジニウムクロライド;
ポリオキシアルキレン(炭素数2〜4)トリアルキルア
ンモニウム塩、例えばポリオキシエチレントリメチルア
ンモニウムクロライド;サパミン型第4級アンモニウム
塩、例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニ
ウムメトサルフェート]、アミン塩型[脂肪族高級アミ
ン(炭素数12〜60、例えばラウリルアミン、ステア
リルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジンア
ミンなど)無機酸塩または有機酸塩;脂肪族アミン(炭
素数1〜30)のEO付加物などの無機酸塩または有機
酸塩;3級アミン(トリエタノールアミンモノステアレ
ート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールア
ミンなど)の無機酸塩または有機酸塩など]などが挙げ
られる。
【0030】両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性
界面活性剤[高級アルキルアミン(炭素数12〜18)
のプロピオン酸ナトリウムなど]、ベタイン型両性界面
活性剤[アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベタイ
ン]、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[高級アルキル
(炭素数8〜18)アミンの硫酸エステルナトリウム
塩、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナトリ
ウム塩など]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(ペンタ
デシルスルフォタウリン、イミダゾリンスルホン酸な
ど)、リン酸エステル塩型両性界面活性剤[グリセリン
高級脂肪酸(炭素数8〜22)エステル化物のリン酸エ
ステルアミン塩]などが挙げられる。
【0031】これらの中で、(A)〜(E)との混和性
の観点から好ましいのは、非イオン性界面活性剤であ
り、徐溶化剤のべたつきがない観点から凝固点が40℃
以上の固状の非イオン界面活性剤(ソルビタンモノステ
アレート、グリセリントリステアレートなど)がとくに
好ましい。界面活性剤の使用量は、(A)〜(E)の合
計重量に対し通常300%以下、好ましくは0〜200
%、さらに好ましくは5〜100%である。
【0032】着色剤としては、例えばメチレンブルー、
シアニンブルー、青色1号、青色2号およびこれらのア
ルミレーキ品、赤色1号、赤色2号等が挙げられる。着
色剤の使用量は、(A)〜(E)の合計重量に対し通常
10%以下、好ましくは0〜5%、さらに好ましくは
0.1〜2%である。
【0033】香料としては、例えばラベンダー、レモン
油、ローズ油、グリーン油などの植物精油;ムスク、シ
ベット等の動物性香料;アルデヒド類、エステル類、ケ
トン類などの合成香料及びこれらの調合香料等が挙げら
れる。香料の使用量は、(A)〜(E)の合計重量に対
し通常30%以下、好ましくは0〜20%、さらに好ま
しくは0.1〜15%である。
【0034】消臭剤としては、例えばグリオキザールな
どのアルデヒド化合物;硫酸亜鉛、乳酸亜鉛などの金属
化合物;植物抽出油などの公知の消臭剤が挙げられる。
消臭剤の使用量は、(A)〜(E)の合計重量に対し通
常50%以下、好ましくは0〜20%、さらに好ましく
は1〜10%である。
【0035】漂白剤としては、例えば過硼酸ソーダ、過
硫酸ソーダなどの酸素系漂白剤;塩素化イソシアヌル酸
などの塩素系漂白剤が挙げられる。漂白剤の使用量は、
(A)〜(E)の合計重量に対し通常50%以下、好ま
しくは0〜20%、さらに好ましくは2〜10%であ
る。
【0036】増量剤としては、例えば芒硝、無水芒硝、
硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン
酸カルシウム、ほう酸、タルク、コロイダルシリカなど
の無機塩;尿素などの有機化合物が挙げられる。増量剤
の使用量は、(A)〜(E)の合計重量に対し通常20
0%以下、好ましくは0〜100%、さらに好ましくは
5〜50%である。
【0037】また、その他の添加剤としては、 ビルダ
ー(トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム、ケイ酸ナトリウムなど)、除菌剤(キトサン、ヒノ
キチオール、茶カテキンなど)、殺菌剤(塩素系、ヨウ
素系、第四級アンモニウム塩系、イミダゾール系、グア
ニジン系など)、殺虫剤(ピペトリン、アルドリンな
ど)、化学農薬(3−アリロキシ−1,2−ベンゾイソ
チアゾールなど)、化学肥料(リン酸カルシウム、尿素
など)、紫外線吸収剤(サリチル酸系、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系)等が挙げられ、これら添加
剤のそれぞれの使用量は、(A)〜(E)の合計重量に
対し通常50%以下、好ましくは0〜20%、さらに好
ましくは0.1〜10%である。
【0038】本発明の徐溶化剤および徐溶化剤を含有さ
せてなる徐放性製剤は、概略次のような方法により製造
できる。 1.徐溶化剤の製法 (1)加熱できる混合槽中で(A)と(B)および/ま
たは(C)、および必要により(E)成分を加えて、7
0〜150℃で溶融・混合後、金属製トレイに取り出
し、室温で静置して固化させる。24時間以上経過後、
適当な大きさ(塊状または粉状)に粉砕する。 (2)加熱できる混合槽中で(A)と(B)および/ま
たは(C)、および必要により(E)成分を加えて、7
0〜150℃で溶融・混合後、さらに(D)成分を加え
て混合して、(1)と同様の方法で自然冷却により固化
させる。24時間以上経過後、適当な大きさ(塊状また
は粉状)に粉砕する。上記のようにして得られる徐溶化
剤は、5〜35℃で固状であり、またその融点は、通常
50℃以上、好ましくは50〜120℃、さらに好まし
くは55〜90℃である。
【0039】2.徐放性製剤の製法 (1)加熱混合槽中で(A)と(B)および/または
(C)、および必要により(E)成分を加えて、70〜
150℃で溶融・混合した後、70〜100℃に温調す
る。次に、(D)および(F)成分の中から選んだ必要
成分を加えてさらに混合した後、プラスチックカップな
どの適当な容器に注型して(液体注型法)、自然冷却に
より固化させる。24時間以上経過後、脱型して固形薬
剤を得る。 (2)上記1で得られた塊状または粉状の徐溶化剤に、
(D)および(F)成分の中から選んだ必要成分を加え
てリボンミキサーなどの混合機で充分混合後、さらに2
本ロール混合機で混合する。次に押出成型機を用いて、
20〜60℃で成型して棒状の製剤を得る(押出成型
法)。次に、カッターで所定の大きさに切断して所望の
固形製剤を得る。 (3)上記1で得られた粉状の徐溶化剤に、(D)およ
び(F)成分の中から選んだ必要成分(とくに粉状のも
のが好ましい)を加えてリボンミキサーなどの混合機で
混合する。次に、ロータリー式打錠成型機を用いて、混
合粉体を常温で圧縮成型(圧力:0.1〜1トン/cm
2)後、脱型 して円盤状の固形製剤を得る(圧
縮成型法または打錠成型法)。 上記のようにして得られる徐放性製剤は、5〜35℃で
固状であり、その重量は、通常2g以上、好ましくは1
5〜500gであり、またその融点は、通常40℃以
上、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは55
〜90℃である。
【0040】上記のように、本発明においては、液体注
型法、押出成型法、圧縮成型法(打錠成型法)など公知
の多彩な成型方法が適用できるので、水洗トイレ用固形
芳香洗浄剤、台所流し排水口のヌメリ防止剤、プール用
徐放性殺菌剤、徐放性農薬および徐放性肥料などの徐放
性製剤(固形)を容易に製造することができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、部および%は重量部、重量%を示す。はじめに、
実施例で使用した原材料について組成を次に示す。 (1)A1−1:ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフ
タレート(融点110℃) (2)B−1:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(融
点65℃) (3)B−2:ステアリン酸モノエタノールアミド(融
点92℃) (4)C−1:ポリプロピレングリコール(Mn3,0
00)にエチレンオキシドを付加させて得た高分子量ポ
リオキシアルキレン化合物(Mn15,000、融点5
5℃) (5)C−2:上記C−1を2モルとジフェニルメタン
ジイソシアネート1モルとを反応させて得たウレタン結
合で変性した高分子量ポリオキシアルキレン化合物(M
n約30,000、融点57℃) (6)D2−1:フマル酸(粉末)(溶解度:1g) (7)D3−1:リンゴ酸(粉末)(溶解度:160
g) (8)E2−1:トリメチロールプロパン (9)F−1 :ソルビタンモノステアレート(融点4
9℃) (10)F−2:グリセリントリステアレート(融点5
2℃) (11)F−3:ローズ油(香料;液状) (12)F−4:青色1号アルミレーキ(着色剤:粉
末) (13)F−5:無水芒硝(増量剤;粉末)
【0042】実施例および比較例で行った試験方法を次
に示す。 (1)融点 微量融点計(柳本製作所社製)で測定した。 (2)溶解性(溶解時間および保形性) 円柱状(直径30mm、高さ40mm)に成型した固形
製剤(30g)をステンレス製円筒網カゴ(直径40m
m、高さ60mm)に入れて、水洗トイレの貯水槽(容
量:12L;水温:16〜20℃)の排水孔の反対側の
底部に紐で吊し、投入して1日に20回排水した。試験
開始前および5日毎の固形製剤の(残存)重量を測定し
た後、固形製剤の保形性(亀裂、膨潤等の有無)を観察
した。溶解時間は、重量が5gとなる日数を経過時間と
(残存)重量の関係グラフから読みとって求めた。 (3)芳香持続性 (2)の重量測定後の固形製剤を1Lメスシリンダーの
底部に置いて5分後に、メスシリンダーの上部から5c
m下の点の香気(臭気指数)を臭気測定器(ポータブル
型ニオイセンサXP−329;新コスモス電機社製)で
測定した。芳香持続性は、経過時間と臭気指数の(2)
と同様の関係グラフから、下記の式(比率)より求め
た。なお、芳香持続性は臭気指数とほぼ比例し、上記比
率が大きいほど芳香持続性がよい。 芳香持続性(FR;%)=〔(SM−T)/(SM−
I)〕×100 ここで、(SM−T)は溶解時間での臭気指数、(SM
−I)は試験開始前の臭気指数をそれぞれ示す。
【0043】実施例1〜4、比較例1 表1記載の配合成分のうち、先ず着色剤、増量剤および
香料を除く成分を100〜115℃に加熱して均一に溶
解後、冷却して約80℃に温調し、さらに着色剤を加え
て同温度で混合、溶解した。次に、増量剤と香料を加え
て30秒間同温度で攪拌、混合後、混合スラリーを30
mlのポリプロピレン製カップの中に注いだ。室内(約
20℃)で24時間放置して冷却後、脱型して固形製剤
を得た。その評価結果を表1に示す。
【0044】比較例2 市販の固形芳香洗浄剤(ポリエチレングリコール系)に
ついて上記実施例と同様の評価を行った。その結果を表
1に示す。 実施例5 B−1成分を10部に減らし、E2−1成分10部を用
いて実施例1と同様にして固形製剤を得た。得られた固
形製剤の性能評価を行ったところ、溶解過程において固
形製剤の表面が滑らかである点以外は実施例1と同等で
あった。その結果を表1に示す。 実施例6 B−1成分を10部に減らし、D2−1成分10部を用
いて実施例1と同様にして固形製剤を得た。ただし、D
2−1成分は香料と同時に系に投入した。得られた固形
製剤の性能評価を行ったところ、溶解過程において固形
製剤の表面が滑らかである点以外は実施例1と同等であ
った。その結果を表1に示す。 実施例7 F−2成分を20部に減らし、D3−1成分5部を用い
て実施例3と同様にして固形製剤を得た。ただし、D3
−1成分は香料と同時に系に投入した。得られた固形製
剤の性能評価を行ったところ、溶解過程において固形製
剤の表面が滑らかである点以外は実施例3と同等であっ
た。その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、本発明の徐溶化
剤から得られる固形製剤は保形性が良好で、芳香徐放性
などの効果の持続性においても優れている。また、実施
例5、6、7に示したように、少量の脂肪族ポリオール
または固状カルボン酸を併用した本発明の徐溶化剤から
得られる固形製剤は、保形性が良好であるだけでなく、
表面が滑らかな状態で水に徐々に溶解する特徴を有して
いる。
【0047】
【発明の効果】本発明の徐溶化剤は、水と長時間接触し
ても膨潤、泥状化せずに保形性が良好である。また、芳
香徐放性などの効果の長期持続性においても優れてい
る。さらに、少量の固状カルボン酸またはポリオールを
併用することで、表面が滑らかな状態で溶解する固形製
剤が得られ、美観上も好ましい。従って、水洗トイレ用
の芳香洗浄剤等の従来用途だけでなく、台所流し排水口
のヌメリ防止剤、プール用徐放性殺菌剤、徐放性農薬、
徐放性肥料等その他の用途にも展開が可能で、その有用
性は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 1/04 C11D 1/04 1/52 1/52 3/20 3/20 3/37 3/37 17/06 17/06 E03D 9/00 E03D 9/00 B C Fターム(参考) 2D038 AA01 BA00 BC01 4H003 AB03 AC03 AC13 AC23 DA05 DA06 EA12 EB04 EB07 EB08 EB09 EB34 EB38 FA26 FA32 4H011 AA01 AA02 AB01 AC01 BA01 BB02 BB04 BB09 BB10 BB11 BB15 BC06 BC19 DA03 DF02 DH03 4H061 AA02 DD04 EE21 FF06 HH02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)、(2)または(3)で表
    される融点50℃以上のカルボン酸エステル(A)と、
    脂肪酸アルカノールアミド(B)および/または20℃
    で固状またはペースト状の高分子量ポリオキシアルキレ
    ン化合物(C)からなることを特徴とする徐溶化剤。 X〔-(AO)m[CO-Q2-CO(OA)mX2(AO)m]k-CO-Q1x (1) Q〔-CO[(OA)mX2(AO)mCO-Q2-CO]k(OA)mX1y (2) Q1-CO[(OA)mX2(AO)mCO-Q2-CO]k(OA)mX1 (3) 但し、 Q1:-Q(-COOH)y-1で示される1価の残基 ;y≧1 Q2:-Q(-COOH)y-2-で示される2価の残基 ;y≧2 X1:-X[-(AO)mH]x-1で示される1価の残基 ;x≧1 X2:-X[-(AO)mH]x-2-で示される2価の残基 ;x≧2 〔式中、Xはx個の活性水素原子を有する化合物の残基
    (x個の活性水素原子を除いた残基)または−O−、x
    は1〜8の整数(XがOのときはx=2);Aは炭素数
    2〜4のアルキレン基で、Aの少なくとも一部はエチレ
    ン基を有する、mはmの合計が1〜20となる同一また
    は異なる0または1以上の整数、kは0または1〜4の
    整数;Qはy価のカルボン酸の残基(y個のカルボキシ
    ル基を除いた残基)、yは1〜5の整数;XまたはQの
    少なくとも一部は芳香族基を有する;複数個のX、Q、
    A、m、k、x、yはそれぞれ同一でも異なっていても
    よい。〕
  2. 【請求項2】 さらに、20℃で固状かつ、溶解度(g
    /100gH2O)が少なくとも0.1であるカルボン
    酸(D)および/または分子量62〜3,000(数平
    均分子量)の脂肪族ポリオール(E)を含有する請求項
    1記載の徐溶化剤。
  3. 【請求項3】 (A)が芳香族基含有カルボン酸のエス
    テルおよび/または芳香族基含有アルコールのエステル
    である請求項1または2記載の徐溶化剤。
  4. 【請求項4】 (A)がテレフタル酸および/またはイ
    ソフタル酸のエチレングリコールエステル、またはテレ
    フタル酸および/またはイソフタル酸のエチレンオキシ
    ド付加物である請求項1〜3いずれか記載の徐溶化剤。
  5. 【請求項5】 水洗トイレ用固形芳香洗浄剤、台所流し
    排水口のヌメリ防止剤、プール用徐放性殺菌剤、徐放性
    農薬および徐放性肥料からなる群から選ばれる薬剤に、
    請求項1〜4いずれか記載の徐溶化剤を含有させてなる
    ことを特徴とする徐放性製剤。
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