JP3642363B2 - 結晶化促進剤及びそれを含む樹脂組成物 - Google Patents

結晶化促進剤及びそれを含む樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶化促進剤に関し、更に詳しくは、特定の分子量、酸価、水酸基価、かつ特定の揮発減量、特定形態を示すポリエステルからなる主にポリエステル樹脂の成形用途において、樹脂自体の分子量低下による物性低下を引き起こすことなく成形性が良好で、かつ優れた耐熱性及び均一な外観を与える結晶化促進剤及びそれを含む樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレートは、機械的性質、耐熱性、耐薬品性、電気特性に優れ、繊維、フィルムとして通常延伸処理して多くの製品に使用されている。しかしながら射出成形品としてプラスチック用途に使用しようとする場合には、ポリエチレンテレフタレートの結晶化速度が小さいために、通常の射出条件下では満足な成形品が得られない。従来よりこのような欠点を補うために種々の結晶化促進剤が提案されている。例えば ステアリン酸ナトリウムのような高級脂肪酸のアルカリ金属塩(特開昭54−158452号公報)、ネオペンチルグリコールジベンゾエート(特公昭55−47058号公報)、アジピン酸ジベンジルエステル(特開昭63−258948号公報)やアジピン酸ジオクチルエステル(特開昭53−65354号公報)のようなジエステルなどである。ところが高級脂肪酸のアルカリ金属塩は高温加熱成形条件下でポリエステル樹脂の分子切断をおこしやすい。また低分子量のジエステルも成形時に揮発しやすく、発生したガスが成形品の機械的特性を著しく損なう欠点がある。高温加熱成形時のガス発生を防ぐために、分子量4000以上のポリエステルを使用する方法(特開昭58−210957号公報)が提案されており、揮発性防止効果は認められるが室温での粘度が高いために流動性が悪く扱いにくい。
【0003】
ポリエステル樹脂は、一般に溶融成形温度が250℃〜300℃と高く、押出機で可塑剤や着色剤、充填剤等の添加剤を混練してペレット化する時に加水分解やエステル交換反応により分子量低下や変色をきたしやすい。押出機内での添加剤によるポリエステル樹脂の劣化を防止するために押出機のシリンダー途中から液状添加する方法が採用されてきている。ところが分子量の高い高粘度ポリエステルは流動性が悪く、液状添加には極めて生産効率が悪い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記ポリエステル樹脂の欠点を改良し、ポリエステル樹脂のもつ優れた物性を発揮する易結晶化性、耐熱性、離型性、引張特性、外観を与える結晶化促進剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先にポリエステル樹脂用可塑剤(特開平7−292223号)、溶融粘度低下剤(特開平8−34904号)を提出している。その検討の中で、上述の従来法の欠点を解決する手段として、ポリエステル樹脂に対し、特定の分子量、酸価、水酸基価、かつ特定の揮発減量、特定の形態を示すポリエステル化合物を結晶化促進剤として添加することにより、上記の目的を達成することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、(1)酸成分とアルコール成分とから得られる数平均分子量500〜10000のポリエステル化合物であり、その酸価が0.7以下、水酸基価が5.0以下、揮発減量(300℃)が2.5重量%以下で、かつ低粘度(25℃)の液状もしくは高融点の固体であることを特徴とする結晶化促進剤、(2)好ましくは酸成分とアルコール成分とから得られるエステル化合物が、(a)炭素数2〜25の二価アルコール、(b)炭素数4〜14の脂肪族二塩基酸 、(c)炭素数4〜18の一価アルコールまたは、および炭素数2〜22の一塩基酸からなること、(3)好ましくは酸成分とアルコール成分とから得られるエステル化合物が、(a)炭素数2〜25の二価アルコール、(b)炭素数8〜18のカルボン酸基が2個以上の芳香族多塩基酸、(c)炭素数4〜18の一価アルコールまたは、および炭素数2〜22の一塩基酸からなること、(4)好ましくは粘度が25℃で500〜3000cpsの液状であること、(5)融点が100〜250℃の固形であること、(6)ポリエステル樹脂用であること、(7)さらに結晶化促進剤を含むことを特徴とするポリエステル樹脂組成物、(8)その用途が射出成形であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
本発明を詳しく説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、酸成分とアルコール成分とから得られる数平均分子量500〜10000、好ましくは700〜8000のポリエステル化合物からなり、酸価が0.7以下、好ましくは0.5以下で、水酸基価が5.0以下、好ましくは3.5以下で、揮発減量(300℃)2.5重量%以下で、かつ3000cps(25℃)以下の低粘度の液体もしくは100℃以上の高融点の固体の形態のものである。この範囲をはずれると樹脂の分子量を低下することなく結晶化速度を増加させることができない。特にポリエステル樹脂で顕著である。
【0009】
このポリエステル化合物からなる結晶化促進剤の分子量は、数平均分子量で500〜10000である。特に好ましくは700〜8000である。500より小さい場合、揮発減量がひどく、又10000を越える場合、ポリエステル樹脂中での分散性に劣る為にポリエステル樹脂の分子量を低下することなく目的の効果を得ることができない。
【0010】
結晶化促進剤のポリエステル化合物高融点の固体の形態の場合の融点は、100〜250℃が好ましい。250℃を越えるとポリエステル樹脂との混合時に結晶化促進剤が十分に溶融混合されない。100℃より低いと押出し機のホッパー上で結晶化促進剤が融けてブリッジングし、作業性が悪いといった問題がある。
【0011】
本発明の結晶化促進剤を構成するために使用されるアルコール成分としては、好ましくは炭素数2〜25の二価アルコール(a)で、より好ましくは炭素数2〜23の二価アルコールで、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオールなどの脂肪族グリコール及びジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールおよび水添ビスフェノールA、ビスフェノールAまたはビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼンなどの環状または芳香環含有二価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、1種または2種以上の混合物として使用される。
【0012】
本発明の結晶化促進剤に使用される酸成分としては、好ましくは炭素数4〜14の脂肪族二塩基酸及び/又は炭素数8〜18のカルボン酸基が2個以上の芳香族多塩基酸(b)である。
【0013】
炭素数4〜14の脂肪族二塩基酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸等が挙げられる。
【0014】
又、炭素数8〜18のカルボン酸基が2個以上の芳香族多塩基酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、α,β−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸などが挙げられる。また、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂環式多塩基酸も使用できる。勿論、これらの多塩基酸は1種または2種以上の混合物で使用しても良い。
【0015】
本発明の結晶化促進剤を構成するために使用されるアルコール成分としては、好ましくは炭素数4〜18の一価アルコールまたは、および炭素数2〜22の一塩基酸(c)である。
【0016】
炭素数4〜18の1価アルコールとしては、例えば、ブタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、イソノナノール、2−メチルオクタノール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノールなどの脂肪族アルコール、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコール、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール、1−フェニルエタノール、2−フェノキシエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、2−ヒドロキシエチルベンジルエーテルなどの芳香族アルコールが挙げられ1種または2種以上の混合物として使用できる。
【0017】
また、炭素数2〜22の一塩基酸としては、ヤシ油、パーム油、パーム核油、カカオ脂、木ロウ、オリーブ油、カポック油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ナタネ油、米ヌカ油、綿実油、大豆油、サフラワー油、アマニ油、桐油、牛脂、豚脂及びタラ油などの動植物油脂類またはその硬化油から誘導される炭素数6〜22の脂肪族一塩基酸または酢酸、酪酸、イソ酪酸、ヘプタン酸、イソオクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸及びイソステアリン酸など炭素数2〜18の合成一塩基酸が挙げられ1種または2種以上の混合物として使用できる。
【0018】
この様に結晶化促進剤を構成する成分として使用される各原料およびその使用量は、最終的に得られる製品の性能に応じて選択される。
【0019】
また、かかる結晶化促進剤は、公知の種々のエステル化方法で製造することができる。例えば、前記結晶化促進剤構成成分を一括もしくは二種ないし三種を反応させて後、ついで残りの成分を反応させて目標とするエステルを得ることができる。
【0020】
本発明のエステル化反応は、触媒が用いられ、例えばパラトルエンスルホン酸、リン酸などの酸触媒、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、塩化亜鉛などの金属触媒により促進されるので通常、これらの触媒の存在下、反応させるのが望ましい。また、通常その反応は100〜250℃、好ましくは130〜250℃に加熱して得られる。
【0021】
本発明におけるポリエステル樹脂とは、好ましくは芳香環を連鎖単位に有する芳香族系ポリエステル樹脂で、芳香族ジカルボン酸あるいはそのエステル誘導体とジオールあるいはそのエステル誘導体とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体である。
【0022】
本発明におけるポリエステル樹脂とは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート 、ポリブチレン−2,6−ナフタレート等が挙げられる。
【0023】
ここでいう芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、α,β−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸あるいはこれらのエステル誘導体等が挙げられる。なお酸成分として10モル%以下の範囲であれば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸およびそれらのエステル誘導体等の芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸で置換しても良い。
【0024】
また、ジオールとしては、好ましくは炭素数2〜10の脂肪族ジオールで、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、少量であれば数平均分子量400〜6000の長鎖グリコール、すなわち、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を共重合せしめたものでもよい。
【0025】
本発明の結晶化促進剤は、あらかじめポリエステル樹脂にヘンシェルミキサー等を用いて混合した後に押出機に供給しても良いし、液体用フィーダーを用いて押出機内の溶融状態のポリエステル樹脂に供給しても良い。更にポリエステル樹脂に吸油性の多孔質または微粉無機充填剤、例えばゼオライト、シリカ、ハイドロタルサイトなどに含浸させて供給することができる。
【0026】
本発明の結晶化促進剤をポリエステル樹脂に配合する場合の使用量は、通常ポリエステル樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.5 〜10重量部が適する。この範囲を外れるとポリエステル樹脂の分子量低下を阻止し、結晶化を促進することができない。
【0027】
本発明の樹脂組成物には、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状強化材、タルク、マイカ、クレー、硫酸バリウム、フェライト、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、酸化亜鉛、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカなどの無機充填材を必要に応じて配合してもよい。さらに、これらのほかに、離型剤、滑剤、着色剤、安定剤などを配合してもよい。
【0028】
かくすることにより、特定の分子量、酸価、水酸基価、揮発減量及び特定の形態を有するポリエステル化合物により、分子量を低下させずにその結晶化速度を増加させ得る結晶化促進剤を提供することができる。特に、ポリエステル樹脂の加水分解やエステル交換反応による、高温溶融時の分子量低下を抑えることができるため、耐熱性および均一な外観をもった射出成形用途等のポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
【0029】
【実施例】
次に、本発明を実施例、比較例により詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下において部および%は特に断りのないかぎりすべて重量基準であるものとする。
【0030】
(比較例10)<結晶化促進剤の合成>
1リットル4ツ口フラスコに無水トリメリット酸192g、1,6−ヘキサンジオール59g、2−フェノキシエタノール317.4gを仕込み、窒素ガス気流中140℃に昇温後、オクチル錫オキサイド0.05g添加した後、6時間で230℃まで昇温して水を留出した。更に過剰アルコールを5mmHg減圧下で除去し、比較化合物V510gを得た。
【0031】
比較例11)<結晶化促進剤の合成>
比較例10の1,6−ヘキサンジオールのかわりにネオペンチルグリコール52gを用いる以外は比較例10と全く同様にして比較化合物 VI505gを得た。
【0032】
比較例12)<結晶化促進剤の合成>
比較例10の無水トリメリット酸のかわりに無水ピロメリット酸219g、2−フェノキシエタノールのかわりに2−エチルヘキサノール468gを用いる以外は比較例10と全く同様にして比較化合物 VII660gを得た。
【0033】
比較例13)<結晶化促進剤の合成>
アジピン酸314g、プロピレングリコール152g、1,3−ブタンジオール81g、ラウリン酸181gを用い比較例10と同様にして比較化合物 VIII595gを得た。
【0034】
(実施例5)<結晶化促進剤の合成>
1リットル4ツ口フラスコにジメチルテレフタレート194g、1,4−ブタンジオール81g、2−フェノキシエタノール97gを仕込み、窒素ガス気流中130℃に昇温後、オクチル錫オキサイド0.05g添加した後、4時間で230℃まで昇温してメタノールを留出した。更に4時間ホールド後、過剰アルコールを5mmHg減圧下で除去し、本発明のエステル化合物▲5▼330gを得た。
【0035】
(実施例6)<結晶化促進剤の合成>
実施例5の1,4−ブタンジオールのかわりに1,6−ヘキサンジオール106gを用いる以外は実施例5と全く同様にして本発明エステル化合物▲6▼355gを得た。
【0036】
(実施例7)<結晶化促進剤の合成>
実施例5のジメチルテレフタレートのかわりにジメチルテレフタレート135.8g及びジメチルイソフタレート58.2gを用いる以外は実施例5と全く同様にして本発明エステル化合物▲7▼335gを得た。
【0037】
(実施例8)<結晶化促進剤の合成>
実施例5のジメチルテレフタレートのかわりにジメチルテレフタレート135.8g及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸51.6gを用いる以外は実施例5と全く同様にして脱メタノール脱水反応により本発明エステル化合物▲8▼325gを得た。
【0038】
(比較例1)
市販のDOA(ジオクチルアジペート)を比較化合物▲1▼として用いた。
【0039】
(比較例2)
市販のネオペンチルグリコールジベンゾエートを比較化合物▲2▼として用いた。
【0040】
(比較例3)
アジピン酸146g、1,4−ブタンジオール85.5g,2−エチルヘキサノール44.2gを仕込み、窒素ガス気流中130℃に昇温後、オクチル錫オキサイド0.05g添加した後、6時間で230℃まで昇温して水を留出した。更に過剰アルコールを20mmHg減圧下で除去して得た、ポリエステル化合物を比較化合物▲3▼として用いた。
【0041】
(比較例4)
セバシン酸303g、プロピレングリコール136.8gを仕込み、窒素ガス気流中140℃に昇温後、オクチル錫オキサイド0.05g添加した後、4時間で220℃まで昇温して水を留出した。更に4時間ホールド後、5mmHg減圧下で脱グリコール化し、分子量約8000のポリエステル化合物を比較化合物▲4▼として用いた。
【0042】
上記実施例の本発明化合物の結晶化促進剤及び比較エステル化合物の酸価、水酸基価、揮発減量率、粘度の測定結果を表1、2に示した。
【0043】
【表1】
Figure 0003642363
【0044】
[測定方法および条件]
揮発減量:熱重量分析(TGA)、昇温スピード10℃/min(air中)300℃での重量減量を測定。
粘度:25℃、デジタル回転粘度計
融点:示差熱分析(DSC)、昇温スピード5℃/min(窒素中)
【0045】
<結晶化促進剤配合ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造>
実施例7〜13、比較例1〜8,14〜19)直径40mmのベント式押出機をバレル温度280℃(但しフィーダー部220℃)、ダイス温度230℃に設定した。150℃で15時間乾燥させた粉末状のポリエチレンテレフタレート(固有粘度、30℃フェノール/四塩化エタン、重量比1:1中、0.7)100重量部に、3mm長のチョプドストランドガラス繊維45重量部および表1記載の各種サンプルを表2、表3に示す割合で配合し、150℃に設定されたヘンシェルミキサー中で均一混合した。得られたブレンド物を押出機に供給し溶融混練して、ペレタイザーを通してペレットを得た。
【0046】
<結晶化促進剤配合ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造>
(実施例14、比較例9)
直径40mmのベント式押出機をバレル温度280℃(但しフィーダー部220℃)、ダイス温度230℃に設定した。150℃で15時間乾燥させた粉末状のポリエチレンテレフタレート(固有粘度、30℃フェノール/四塩化エタン、重量比1:1中、0.7)100重量部に、120℃で4時間乾燥させたポリブチレンテレフタレート(分子量25000)2.5重量部、3mm長のチョプドストランドガラス繊維46重量部および表1記載の各種サンプルを表3に示す割合で配合し、150℃に設定されたヘンシェルミキサー中で均一混合した。得られたブレンド物を押出機に供給し溶融混練して、ペレタイザーを通してペレットを得た。
【0047】
上記で得られた結晶化促進剤配合強化ポリエチレンテレフタレート樹脂のペレットを射出成形機(金型温度80℃)にて試片を作成し、各種の物性を評価した。結果を表2、表3に示した。
【0048】
物性評価の測定法は、次のとおりである。
熱的特性:示差熱量計で、あらかじめ溶融、急冷操作を行って得た試料 を用い、窒素気流中において昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の条件で行い、昇温時の結晶化温度Tchと降温時の結晶化温度Tccを測定した。なお、Tcc−Tchの値が高いほど結晶化速度は大きく なる。
【0049】
引張特性:ASTM D638に準拠して測定した。
【0050】
耐熱性 :ASTM D648に準拠して荷重1.82MPaで測定した。
【0051】
離型性 :金型からの成形品の型離れで判定した。
【0052】
外観 :成形品の表面光沢および平滑性を目視で判断した。
【0053】
[離型性、外観の評価] ○:良好 △:やや不良 ×:不良
【0054】
【表2】
Figure 0003642363
【0055】
【表3】
Figure 0003642363
Figure 0003642363
【0056】
【発明の効果】
本発明は、特定の分子量、酸価、水酸基価、かつ特定の揮発減量、特定形態を示すポリエステルからなる易結晶化性、耐熱性、離型性、引張特性、外観を与える結晶化促進剤により、主にポリエステル樹脂の成形用途において、樹脂自体の分子量低下による物性低下を起こすことなく成形性が良好で、かつ優れた耐熱性及び均一な外観を有する樹脂組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. 酸成分とアルコール成分とから得られる数平均分子量500〜10000のポリエステル化合物であり、その酸価が0.7以下、水酸基価が5.0以下、揮発減量(300℃)が2.5重量%以下で、かつ100℃〜250℃の融点を有する固体であることを特徴とする結晶化促進剤。
  2. 酸成分とアルコール成分とが(a)炭素数2〜25の二価アルコール(b)炭素数4〜14の脂肪族二塩基酸(c)炭素数4〜18の一価アルコールまたは、および炭素数2〜22の一塩基酸とからなることを特徴とする請求項1記載の結晶化促進剤。
  3. 酸成分とアルコール成分とが、(a)炭素数2〜25の二価アルコール(b)炭素数8〜18のカルボン酸基が2個以上の芳香族多塩基酸(c)炭素数4〜18の一価アルコールまたは、および炭素数2〜22の一塩基酸とからなることを特徴とする請求項1記載の結晶化促進剤。
  4. ポリエステル樹脂用であることを特徴とする請求項1〜いずれかに記載の結晶化促進剤。
  5. 請求項1〜いずれかに記載の結晶化促進剤を含むことを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  6. 射出成形用途であることを特徴とする請求項記載のポリエステル樹脂組成物。
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