JP6105281B2 - アルミニウム顔料組成物及びその製造方法 - Google Patents
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〔1〕
アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルとを含む溶媒中において、前記オルガノシリカ
ゾルを縮合触媒存在下で縮合し、前記アルミニウム粒子と前記オルガノシリカゾルの縮合
物を混合処理する混合処理工程を有し、当該混合処理工程において水を使用しない、アルミニウム顔料組成物の製造方法。
本実施形態のアルミニウム顔料組成物は、オルガノシリカゾルの縮合物と、アルミニウム粒子とを含有する。このような本実施形態のアルミニウム顔料組成物は、アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルとを含む溶媒中において、オルガノシリカゾルを縮合触媒存在下で縮合し、アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルの縮合物を混合処理したものであってもよい。このようなアルミニウム顔料組成物であることにより、オルガノシリカゾルの縮合物の少なくとも一部はアルミニウム粒子上に付着し、これにより、より優れた貯蔵安定性を有し、色調により優れる塗膜を与えるアルミニウム顔料組成物となる。
本実施形態に用いるアルミニウム粒子としては、特に限定されないが、表面光沢性、白度、光輝性等のメタリック用顔料に要求される性質を発揮しうる形状、平均粒径、平均厚み、平均アスペクト比、及び表面性状を有するものが好ましい。このようなアルミニウム粒子の形状としては、鱗片状のものが好ましい。また、アルミニウム粒子の平均粒径(d50)は、2〜40μmの範囲であることが好ましく、3〜30μmの範囲であることがより好ましい。さらに、アルミニウム粒子の平均厚み(t)は0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、0.05〜2μmの範囲であることがより好ましい。またさらに、アルミニウム粒子の平均アスペクト比は1〜2500の範囲であることが好ましく、10〜300の範囲であることがより好ましい。ここで、「平均アスペクト比」とは、金属粒子の平均粒径(d50)を平均厚み(t)で割った値をいう。また、アルミニウム粒子の表面性状としては、平滑が好ましい。
オルガノシリカゾルの縮合物の少なくとも一部は、アルミニウム粒子上に付着していることが好ましい。本実施形態に用いるオルガノシリカゾルとしては、特に限定されないが、例えば、有機溶剤中にSiO2やその水和物を主成分とした粒子径10〜300nmの不定形粒子が分散したものが挙げられる。より具体的には、Siの4つの結合部位の一部(主にシリカ微粒子表面に存在する結合部位)がSi−OHであり、その他が、Si−O−Si、塩、又はSi−アルコキシ基等であるオルガノシリカの不定形粒子が、有機溶剤中にSiO2濃度で10%〜30%となるように分散されているものが挙げられる。ここで有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール、n−プロピルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン等が挙げられる。
本実施形態のアルミニウム顔料組成物の製造方法は、アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルとを含む溶媒中において、オルガノシリカゾルを縮合触媒存在下で縮合し、アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルの縮合物を混合処理する工程を有する。
R3Si−OH+R3Si−OH→R3Si−O−SiR3+H2O
(式中、Rは、特に限定されず、一価の基を示す。)
本実施形態のアルミニウム顔料組成物を、水を主とする媒体中に塗膜形成成分である樹脂類が溶解若しくは分散している、水性塗料又は水性インキに加えることにより、メタリック水性塗料又はメタリック水性インキを製造することができる。また、本実施形態のアルミニウム顔料組成物を樹脂等と混練して耐水性のバインダー、フィラーとして用いることもできる。
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3100(平均
粒径10.5μm、不揮発分74質量%)」)67gに、エチレングリコールモノブチルエーテルを350g加えスラリー状態とした。次にオルガノシリカゾルとしてHAS−1(コルコート製 シリカ分21質量%)24gを添加した後、縮合触媒としてモルホリン12gを添加し、40℃で6時間攪拌した。その後、スラリーを濾過し、不揮発分60質量%を含む、実施例1のアルミニウム顔料組成物を得た。
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3100(平均
粒径10.5μm、不揮発分74質量%)」)67gに、エチレングリコールモノブチルエーテルを350g加えスラリー状態とし、18gのテトラエトキシシラン(シリカ分28質量%)を添加した後、2gの25%アンモニア水と100gの精製水を添加し、40℃で2時間攪拌した。その後、100℃に昇温し、4時間攪拌を行った。反応終了後、冷却してからスラリーを濾過し、不揮発分60質量%を含む、比較例1のアルミニウム顔料組成物を得た。
市販のアルミペーストGX−3100と、実施例1で得られたアルミニウム顔料組成物、及び比較例1で得られたアルミニウム顔料組成物を用いて、下記の組成で水性メタリック塗料を作製した。作製した水性メタリック塗料を用いて、貯蔵安定性評価を行った。また、作製した水性メタリック塗料を用いて、塗装して塗膜を作製し、輝度、フリップフロップ感、隠蔽性の評価を行った。結果を表1に示す。
(水性メタリック塗料の組成)
アルミニウム顔料組成物:アルミニウム分として :10.5g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル :6.8g
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(非イオン性界面活性剤)
(松本油脂製薬株式会社製、商品名「アクチノールL5」) :2.1g
精製水 :42g
水溶性アクリル樹脂
(オリジン電気株式会社製、商品名「水性プラミーズ#300」) :175g
増粘剤(共栄社化学株式会社製、商品名「チクゾールK−130B」):5.0g
水性メタリック塗料200gをフラスコに採取し、40℃の恒温水槽で168時間、水素ガス累積発生量を観察した。ガスの発生量に応じて下記のように評価し、塗料中の貯蔵安定性の指標とした。
○:1.0ml未満
△:1.0以上5.0ml未満
×:5.0ml以上
輝度は、関西ペイント株式会社製のレーザー式メタリック感測定装置アルコープLMR−200を用いて評価した。入射角45度のレーザー光源と受光角0度と−35度に受光器を設置した光学的条件で、レーザーの反射光のうち、塗膜表面で反射する鏡面反射領域の光を除いて最大光強度が得られる受光角−35度でIV値を測定した。IV値は塗膜からの正反射光強度に比例するパラメーターであり、光輝度の大小を表す。判定方法は以下の通りとした。
○:GX−3100(IV値:350cd・m-2)との差異が10未満のもの
×:GX−3100より10以上低いもの
フリップフロップ感は、スガ試験機株式会社製の変角測色計を用いて評価した。入射角45度の光源に対して観察角度(受光角)30度と80度における反射光強度(L値)の対数の傾きからF/F値を求めた。F/F値は、金属顔料の配向度合いに比例するパラメーターであり、顔料のフリップフロップ感の大小を表す。判定方法は以下の通りとした。
○:GX−3100(1.6)との差異が0.05未満のもの
×:GX−3100より0.05以上低いもの
隠蔽性は、目視で観察した。判定方法は以下の通りとした。
○:GX−3100より良好なもの
×:GX−3100より劣るもの
Claims (1)
- アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルとを含む溶媒中において、前記オルガノシリカ
ゾルを縮合触媒存在下で縮合し、前記アルミニウム粒子と前記オルガノシリカゾルの縮合
物を混合処理する混合処理工程を有し、当該混合処理工程において水を使用しない、アルミニウム顔料組成物の製造方法。
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JP2012284753A JP6105281B2 (ja) | 2012-12-27 | 2012-12-27 | アルミニウム顔料組成物及びその製造方法 |
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FR2845390B1 (fr) * | 2002-10-03 | 2006-02-24 | Centre Nat Rech Scient | Compositions pigmentaires de particules d'aluminium metallique |
DE102010007147A1 (de) * | 2010-02-05 | 2011-08-11 | Eckart GmbH, 91235 | Mit SiO2 beschichtete Metalleffektpigmente, Verfahren zur Herstellung dieser Metalleffektpigmente und Verwendung |
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2012
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