JP2014125593A - アルミニウム顔料組成物及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム顔料組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた貯蔵安定性を有し、色調に優れる塗膜となるアルミニウム顔料組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】オルガノシリカゾルの縮合物と、アルミニウム粒子とを含有する、アルミニウム顔料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム顔料組成物及びその製造方法に関する。
近年、塗料分野においては、省資源、無公害化対策として、有機溶剤を極めて少量しか含まないか、あるいは全く含まない水性塗料を使用することが益々多くなってきている。また、水性塗料の目覚ましい技術的進歩により、従来、溶剤型塗料でしか達し得なかった高級な仕上がり外観が、水性塗料でも実現可能な状況になってきた。しかしながら、アルミニウムや亜鉛等の金属顔料を含むメタリック塗料においては、未だ、実用可能な水性塗料の例は少ない。この理由として、金属顔料は水性塗料中で腐食しやすいという点がある。水性塗料中に金属粉末が存在する場合には、各種金属の性質に基づいて、酸性、中性、塩基性の少なくともいずれかの溶液中において水による腐食が起こり、水素ガスが発生する。これは塗料メーカーにおける塗料化工程や、自動車、家電メーカーにおける塗装工程において、安全上極めて重大な問題である。なお、以下では水や水性塗料中における金属顔料の耐腐食性を、「貯蔵安定性」と記載する。
特許文献1では、テトラエトキシシランを加水分解させて、得られたシリカでアルミニウム粒子を被覆したアルミニウム顔料が開示されている。しかし、テトラエトキシシランの加水分解のため、アルミニウムと反応する水を添加する必要があり、色調低下がみられる。
特許文献2では、アルミニウム粒子上にモリブデン被膜を有し、さらに該被膜を被覆する非晶質シリカからなる被膜を有するアルミニウム顔料が開示されている。また、特許文献3では、アルミニウム粒子上にモリブデン被膜を有し、さらに該被膜を被覆する非晶質シリカからなる被膜及び/又はシランカップリング剤から形成される被膜を有するアルミニウム顔料が開示されている。
特開2004−124069号公報 特開2003−147226号公報 国際出願WO2004/096921パンフレット
しかしながら、これらの先行文献に記載のいずれの方法も、貯蔵安定性が不十分であり、アルミニウム顔料の色調低下は避けられず、また工程が煩雑である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、優れた貯蔵安定性を有し、色調に優れる塗膜となるアルミニウム顔料組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、オルガノシリカゾルを縮合触媒存在下で縮合させた縮合物とアルミニウム粒子とを含むアルミニウム顔料組成物であれば、アルミニウム粒子の表面を処理する時に水を使う必要がないため、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
〔1〕
オルガノシリカゾルの縮合物と、アルミニウム粒子とを含有する、アルミニウム顔料組成物。
〔2〕
前記オルガノシリカゾルの縮合物の少なくとも一部が、前記アルミニウム粒子に付着している、前項〔1〕に記載のアルミニウム顔料組成物。
〔3〕
前記オルガノシリカゾルの縮合物を、前記アルミニウム粒子100質量部に対し、0.01〜50質量部含有する、前項〔1〕又は〔2〕に記載のアルミニウム顔料組成物。
〔4〕
アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルとを含む溶媒中において、前記オルガノシリカゾルを縮合触媒存在下で縮合し、前記アルミニウム粒子と前記オルガノシリカゾルの縮合物を混合処理する工程を有する、アルミニウム顔料組成物の製造方法。
本発明により、優れた貯蔵安定性を有し、色調に優れる塗膜となるアルミニウム顔料組成物及びその製造方法を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔アルミニウム顔料組成物〕
本実施形態のアルミニウム顔料組成物は、オルガノシリカゾルの縮合物と、アルミニウム粒子とを含有する。このような本実施形態のアルミニウム顔料組成物は、アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルとを含む溶媒中において、オルガノシリカゾルを縮合触媒存在下で縮合し、アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルの縮合物を混合処理したものであってもよい。このようなアルミニウム顔料組成物であることにより、オルガノシリカゾルの縮合物の少なくとも一部はアルミニウム粒子上に付着し、これにより、より優れた貯蔵安定性を有し、色調により優れる塗膜を与えるアルミニウム顔料組成物となる。
(アルミニウム粒子)
本実施形態に用いるアルミニウム粒子としては、特に限定されないが、表面光沢性、白度、光輝性等のメタリック用顔料に要求される性質を発揮しうる形状、平均粒径、平均厚み、平均アスペクト比、及び表面性状を有するものが好ましい。このようなアルミニウム粒子の形状としては、鱗片状のものが好ましい。また、アルミニウム粒子の平均粒径(d50)は、2〜40μmの範囲であることが好ましく、3〜30μmの範囲であることがより好ましい。さらに、アルミニウム粒子の平均厚み(t)は0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、0.05〜2μmの範囲であることがより好ましい。またさらに、アルミニウム粒子の平均アスペクト比は1〜2500の範囲であることが好ましく、10〜300の範囲であることがより好ましい。ここで、「平均アスペクト比」とは、金属粒子の平均粒径(d50)を平均厚み(t)で割った値をいう。また、アルミニウム粒子の表面性状としては、平滑が好ましい。
アルミニウム粒子として、より好ましくはメタリック用顔料として使用しうるアルミニウムフレークである。また、平均粒径(d50)が3〜30μm、平均厚み(t)が5〜50nmのいわゆるアルミニウム蒸着箔も使用可能である。
アルミニウム粒子としては、ペースト状態で市販されているものを用いてもよいし、予め有機溶剤等で表面に付着している脂肪酸等を除去したものを用いてもよい。
(オルガノシリカゾルの縮合物)
オルガノシリカゾルの縮合物の少なくとも一部は、アルミニウム粒子上に付着していることが好ましい。本実施形態に用いるオルガノシリカゾルとしては、特に限定されないが、例えば、有機溶剤中にSiO2やその水和物を主成分とした粒子径10〜300nmの不定形粒子が分散したものが挙げられる。より具体的には、Siの4つの結合部位の一部(主にシリカ微粒子表面に存在する結合部位)がSi−OHであり、その他が、Si−O−Si、塩、又はSi−アルコキシ基等であるオルガノシリカの不定形粒子が、有機溶剤中にSiO2濃度で10%〜30%となるように分散されているものが挙げられる。ここで有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール、n−プロピルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン等が挙げられる。
また、オルガノシリカゾルの縮合物としては、特に限定されず、公知の製法で作製されたものを用いることができる。公知の製法としては、例えば、オルガノシリカゾルを触媒により縮合し、硬化する方法が挙げられる。オルガノシリカゾルは、具体的には、テトラエトキシシランを有機溶剤中で、適度に加水分解・縮合させる方法、ケイ酸塩に希塩酸を作用させて、透析して得る方法等が挙げられる。すでにオルガノシリカゾルの製造過程で加水分解が行われているので、オルガノシリカゾルの縮合物の形成反応においてアルミニウム粒子と反応する水を使う必要はない。ここで、「加水分解」とは、Siの塩やSi−アルコキシ基を水と反応させて、Si−OHとすることをいう。加水分解により生じたSi−OHは、近くのSi−OHと反応して、今度は脱水縮合してSi−O−Siという結合をつくり、最終的にはSiO2となり、オルガノシリカゾルの縮合物となる。
本実施形態のアルミニウム顔料組成物は、オルガノシリカゾルの縮合物を、アルミニウム粒子100質量部に対し、0.01〜50質量部含有することが好ましく、0.5〜30質量部含有することがより好ましく。2〜20質量部含有することがさらに好ましい。含有量が上記範囲であることにより、より色調と貯蔵安定性のバランスが良好となる傾向にある。
〔アルミニウム顔料組成物の製造方法〕
本実施形態のアルミニウム顔料組成物の製造方法は、アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルとを含む溶媒中において、オルガノシリカゾルを縮合触媒存在下で縮合し、アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルの縮合物を混合処理する工程を有する。
上記製造方法においてオルガノシリカゾルは、原料アルミニウム粉をボールミルで粉砕してアルミニウム粒子にする時に添加してもよいし、アルミニウム粒子に溶媒を加えたスラリー状態に対して混合してもよいし、アルミニウム粒子により少量の溶媒を加えたペースト状態に対して混練してもよい。また、オルガノシリカゾルは予定添加量を一括して添加してもよいし、所定の時間をかけて連続的に添加してもよい。
オルガノシリカゾルとアルミニウム粒子の混合状態を均一とするためには、アルミニウム粒子を溶媒で予め希釈し、その後オルガノシリカゾルを加えることが好ましい。希釈に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、オクタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類;該エーテルアルコール類の誘導体であるエステル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3―ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレンプロピレングリコールのグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、デカリン、シクロヘキサン等の炭化水素溶剤;ミネラルスピリット、ソルベントナフサ等の工業用ガソリン;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルアセテート等のエステル類;ジメチルアセトアミド;鉱物油等;これらの混合溶剤が挙げられる。なかでも、エタノールや、2−プロパノールを用いるのが好ましい。
また、オルガノシリカゾルの縮合反応は、アルミニウム粒子に添加した後に行ってもよいし、添加する前から行っていてもよい。好ましくは、アルミニウム粒子に添加した後である。
オルガノシリカゾルの縮合物は、オルガノシリカゾルを、縮合触媒とともに攪拌混合することにより得られうる。その際、必要に応じて親水性溶剤を使用することもできる。縮合反応の時間は、オルガノシリカゾルの濃度、温度、縮合触媒の種類やその濃度に応じて適宜決定することができる。
オルガノシリカゾルの縮合触媒としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸類;安息香酸、酢酸、クロロ酢酸、サリチル酸、シュウ酸、ピクリン酸、フタル酸、マロン酸等の有機酸類;ビニルホスホン酸、2−カルボキシエタンホスホン酸、2−アミノエタンホスホン酸、オクタンホスホン酸等のホスホン酸類;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機アルカリ塩類;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、エチレンジアミン、ピリジン、アニリン、コリン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、グアニジン、モルホリン等のアミン類;蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、蟻酸モノメチルアミン、酢酸ジメチルアミン、乳酸ピリジン、グアニジノ酢酸、酢酸アニリン等の有機酸の塩類;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオレート、ジブチル錫ジアセテート、テトラブチルチタネート、オクタン酸第一錫等の錫化合物;ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、チタンテトラ(アセチルアセトナート)、ジオクタノキシチタンジオクタネート、及びジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のチタン系触媒;ジルコニウム系触媒を用いることもできる。これらの縮合触媒は、1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のオルガノシリカゾルは、縮合物形成反応において加水分解の必要がないので、アルミニウム粒子と反応する水を加える必要がない。ここで、「縮合物形成反応」とは、特に限定されないが、例えば、下記式で表される脱水縮合による高分子鎖(Si−O−Si)の形成反応等が挙げられる。
3Si−OH+R3Si−OH→R3Si−O−SiR3+H2
(式中、Rは、特に限定されず、一価の基を示す。)
本実施形態のアルミニウム顔料組成物を調製する際に用いられうる溶媒は、親水性溶剤でも疎水性溶剤でもよい。親水性溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、オクタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類;及びそのエステル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレンプロピレングリコールのグリコール類等が挙げられる。また、疎水性溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、LAWS(Low Aromatic White Spirit)、HAWS(High Aromatic White Spirit)、トルエン、キシレン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。アルミニウム顔料組成物を調製する際に用いられうる溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
アルミニウム顔料組成物をスラリー状態で調製する場合は、スラリー中のアルミニウム顔料の濃度は1〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。また、アルミニウム顔料組成物をペースト状態で調製する場合は、ペースト中のアルミニウム顔料の濃度は、50〜95質量%が好ましく、60〜85質量%がより好ましい。
本実施形態のアルミニウム顔料組成物は好ましくは10〜200℃、より好ましくは20〜70℃の温度で、好ましくは10分〜72時間、より好ましくは20分〜48時間の範囲で攪拌混合することができる。アルミニウム顔料組成物中の溶剤が多い場合は除去して、最終のアルミニウム顔料の含有量を40〜90質量%とすることが好ましい。得られたアルミニウム顔料組成物は好ましくは40℃〜120℃、より好ましくは50℃〜110℃で好ましくは6時間から3ヶ月間、より好ましくは1日から30日間エージングさせることができる。
〔用途〕
本実施形態のアルミニウム顔料組成物を、水を主とする媒体中に塗膜形成成分である樹脂類が溶解若しくは分散している、水性塗料又は水性インキに加えることにより、メタリック水性塗料又はメタリック水性インキを製造することができる。また、本実施形態のアルミニウム顔料組成物を樹脂等と混練して耐水性のバインダー、フィラーとして用いることもできる。
本実施形態のアルミニウム顔料組成物は、塗料やインキに用いる場合は、そのまま水性塗料、水性インキに加えてもよいが、予め溶媒に分散させてから加える方が好ましい。本実施形態のアルミニウム顔料組成物と一緒に混合する樹脂類としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂類、又はポリエステル樹脂類が好ましい。さらに、必要に応じて、メラミン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ウレタンディスパージョン等の樹脂を併用することができる。
さらには一般的に塗料に加えられるその他の添加剤も併せて使用することができる。その他の添加剤としては、特に限定されないが、例えば、無機顔料、有機顔料、体質顔料、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、分散剤、沈降防止剤、レべリング剤、増粘剤、消泡剤が挙げられる。また、塗料への分散性を良くするために、界面活性剤を含有してもよいし、塗料の保存安定性を良くするために、酸化防止剤、光安定剤、及び重合禁止剤を含有してもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3100(平均
粒径10.5μm、不揮発分74質量%)」)67gに、エチレングリコールモノブチルエーテルを350g加えスラリー状態とした。次にオルガノシリカゾルとしてHAS−1(コルコート製 シリカ分21質量%)24gを添加した後、縮合触媒としてモルホリン12gを添加し、40℃で6時間攪拌した。その後、スラリーを濾過し、不揮発分60質量%を含む、実施例1のアルミニウム顔料組成物を得た。
[比較例1]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3100(平均
粒径10.5μm、不揮発分74質量%)」)67gに、エチレングリコールモノブチルエーテルを350g加えスラリー状態とし、18gのテトラエトキシシラン(シリカ分28質量%)を添加した後、2gの25%アンモニア水と100gの精製水を添加し、40℃で2時間攪拌した。その後、100℃に昇温し、4時間攪拌を行った。反応終了後、冷却してからスラリーを濾過し、不揮発分60質量%を含む、比較例1のアルミニウム顔料組成物を得た。
[水性メタリック塗料の調整]
市販のアルミペーストGX−3100と、実施例1で得られたアルミニウム顔料組成物、及び比較例1で得られたアルミニウム顔料組成物を用いて、下記の組成で水性メタリック塗料を作製した。作製した水性メタリック塗料を用いて、貯蔵安定性評価を行った。また、作製した水性メタリック塗料を用いて、塗装して塗膜を作製し、輝度、フリップフロップ感、隠蔽性の評価を行った。結果を表1に示す。
(水性メタリック塗料の組成)
アルミニウム顔料組成物:アルミニウム分として :10.5g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル :6.8g
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(非イオン性界面活性剤)
(松本油脂製薬株式会社製、商品名「アクチノールL5」) :2.1g
精製水 :42g
水溶性アクリル樹脂
(オリジン電気株式会社製、商品名「水性プラミーズ#300」) :175g
増粘剤(共栄社化学株式会社製、商品名「チクゾールK−130B」):5.0g
[評価1(貯蔵安定性評価)]
水性メタリック塗料200gをフラスコに採取し、40℃の恒温水槽で168時間、水素ガス累積発生量を観察した。ガスの発生量に応じて下記のように評価し、塗料中の貯蔵安定性の指標とした。
○:1.0ml未満
△:1.0以上5.0ml未満
×:5.0ml以上
[輝度]
輝度は、関西ペイント株式会社製のレーザー式メタリック感測定装置アルコープLMR−200を用いて評価した。入射角45度のレーザー光源と受光角0度と−35度に受光器を設置した光学的条件で、レーザーの反射光のうち、塗膜表面で反射する鏡面反射領域の光を除いて最大光強度が得られる受光角−35度でIV値を測定した。IV値は塗膜からの正反射光強度に比例するパラメーターであり、光輝度の大小を表す。判定方法は以下の通りとした。
○:GX−3100(IV値:350cd・m-2)との差異が10未満のもの
×:GX−3100より10以上低いもの
[フリップフロップ感]
フリップフロップ感は、スガ試験機株式会社製の変角測色計を用いて評価した。入射角45度の光源に対して観察角度(受光角)30度と80度における反射光強度(L値)の対数の傾きからF/F値を求めた。F/F値は、金属顔料の配向度合いに比例するパラメーターであり、顔料のフリップフロップ感の大小を表す。判定方法は以下の通りとした。
○:GX−3100(1.6)との差異が0.05未満のもの
×:GX−3100より0.05以上低いもの
[隠蔽性]
隠蔽性は、目視で観察した。判定方法は以下の通りとした。
○:GX−3100より良好なもの
×:GX−3100より劣るもの
Figure 2014125593
本発明のアルミニウム顔料組成物は、塗料組成物又はインキ組成物、特に水性塗料組成物又は水性インキ組成物に使用可能である。本発明のアルミニウム顔料組成物は、塗料の貯蔵安定性に優れており、かつ耐水化処理時にアルミニウムと反応する水を使用しないため、塗膜にしたときの光輝性、隠蔽性、及びフリップフロップ感等の低下が少ないものである。

Claims (4)

  1. オルガノシリカゾルの縮合物と、アルミニウム粒子とを含有する、アルミニウム顔料組成物。
  2. 前記オルガノシリカゾルの縮合物の少なくとも一部が、前記アルミニウム粒子に付着している、請求項1に記載のアルミニウム顔料組成物。
  3. 前記オルガノシリカゾルの縮合物を、前記アルミニウム粒子100質量部に対し、0.01〜50質量部含有する、請求項1又は2に記載のアルミニウム顔料組成物。
  4. アルミニウム粒子とオルガノシリカゾルとを含む溶媒中において、前記オルガノシリカゾルを縮合触媒存在下で縮合し、前記アルミニウム粒子と前記オルガノシリカゾルの縮合物を混合処理する工程を有する、アルミニウム顔料組成物の製造方法。
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