JP6334318B2 - 防曇性フィルムおよび積層物 - Google Patents
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Description
十分な防曇性が得られないと、結露した水滴が流れ落ちず表面に残り、透光性不足による視認性の不良や、農業用フィルムにおいては水滴の落下による病害が発生する等、種々の問題が生じるおそれがあった。
[1]無機化合物と合成樹脂を含有する防曇層を備えるフィルムであって、前記合成樹脂は、少なくともフッ素系樹脂を含有し、かつ前記防曇層の表面は、Si原子存在率が10%以上であることを特徴とする、該フィルム。
[2]前記防曇層の表面は、Si原子存在率とフッ素原子存在率の比が7:1〜1:3であることを特徴とする[1]に記載のフィルム。
[3]前記合成樹脂は、アクリル系樹脂を含有することを特徴とする[1]または[2]に記載のフィルム。
[4]前記無機化合物は、Si原子を含有することを特徴とする[1]ないし[3]のいずれか1項に記載のフィルム。
[5]基材フィルムを備え、前記防曇層が前記基材フィルムの少なくとも片面側に設けられたことを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のフィルム。
[6]前記基材フィルムがポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする[5]に記載のフィルム。
[7]農業用途であることを特徴とする[5]または[6]に記載のフィルム。
[8]無機化合物と合成樹脂を含有する防曇層及び基材を備え、前記合成樹脂は、少なくともフッ素系樹脂を含有し、かつ前記防曇層の表面は、Si原子存在率が10%以上である、積層物。
を、提供するものである。
本発明におけるフッ素系樹脂は、その連鎖中に、重合のために開鎖可能なビニル基を含む化合物から選択された少なくとも1つのモノマーを有し、かつこのビニル基に直接付着した状態で、少なくとも1つのフッ素原子、少なくとも1つのフルオロアルキル基または少なくとも1つのフルオロアルコキシ基を含む任意のポリマーを表わす。フッ素樹脂に用いるモノマー構成単位の構造例としては、フッ化ビニル(VF);フッ化ビニリデン(VDF);トリフルオロエチレン(VF3);クロロトリフルオロエチレン(CTFE);1,2−ジフルオロエチレン;テトラフルオロエチレン(TFE);ヘキサフルオロプロピレン(HFP);ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル類、例えばペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)およびペルフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE);ペルフルオロ(1,3−ジオキソール);ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)(PDD)等があげられるが、この中でも、フッ化ビニリデンからなるポリフッ化ビニリデン(PVDF)は代表的なフッ素樹脂として使用されており、入手のしやすさから好ましく使用することができる。
フッ化ビニリデンのコポリマー、ターポリマーおよびさらに高次のポリマーは、フッ化ビニル、トリフルオロエテン、テトラフルオロエテン、1つ以上の部分的または完全にフッ素化されたアルファオレフィン、例えば3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、3,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、およびヘキサフルオロプロペン、部分的にフッ素化されたオレフィンヘキサフルオロイソブチレン、ペルフッ素化ビニルエーテル、例えばペルフルオロメチルビニルエーテル、ペルフルオロエチルビニルエーテル、ペルフルオロ−n−プロピルビニルエーテル、およびペルフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル、フッ素化ジオキソール、例えばペルフルオロ(1,3−ジオキソール)およびペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アリルモノマー、部分的にフッ素化されたアリルモノマーまたはフッ素化アリルモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアリルエーテルまたは3−アリルオキシプロパンジオール、およびエテンまたはプロペンからなる群からの1つ以上のモノマーとフッ化ビニリデンを反応させることによって製造されてよい。
好ましいコポリマーまたはターポリマーは、フッ化ビニル、トリフルオロエテン、テトラフルオロエテン(TFE)、およびヘキサフルオロプロペン(HFP)を用いて形成される。
本発明に使用できるアクリル系樹脂としては、(a)親水性アクリル系重合体からなるもの、(b)疎水性アクリル系重合体からなるもの、または(a)と(b)を含む共重合体からなるものが挙げられる。
ここで、核となるフッ素樹脂としては、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)が挙げられる。また、アクリルモノマーとしては、メチルメタクリレートモノマーが挙げられる。
本発明に使用する無機化合物の平均粒子径は、0.1nm〜200nmが好ましく、1nm〜100nmがより好ましく、3nm〜80nmが更に好ましい。無機化合物の平均粒子径を0.1nm以上とすることで、分散性に優れ、200nm以下とすることで被膜の透明性に優れるため好ましい。
なお、本発明の平均粒子径とは、BET法と呼ばれる窒素ガス吸着法により測定される比表面積(m2/g)から常法により平均粒子径として算出される比表面積径のことを言う。
また、Si原子の存在率の上限は特に限定することはないが、30%以下とすることが好ましい。Si原子の存在率を30%以下とすることで、バインダーとして使用する樹脂に対するシリカの割合が多すぎることなく、またSi原子の脱落が生じることを抑制することができ、経時変化における防曇性低下を抑制することができる。
また、防曇層のみからなるフィルムは、例えば、剥離剤が塗布されたPET等の支持フィルムの表面に防曇剤組成物を塗布等により形成し、乾燥させた後、防曇層を引き剥がすことにより得ることができる。
中でも好ましく用いられるのは、コロイダルシリカであり、無機質コロイド状物質を、コロイダルシリカとすることで、より高い親水性が得ることができ、同時にSi原子を含有させることもできる。
また、加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法、及び紫外線硬化法等適宜方法を採用すればよく、乾燥速度、安定性を勘案すれば熱風乾燥法を採用するのが好ましい。
防曇層については、前記で詳述した通りである。
また、これらの樹脂を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の積層物について使用することができる無機化合物、合成樹脂、フッ素系樹脂等については、本発明の防曇性フィルムについて説明したのと同様のものを用いることができる。
3層インフレーション成形装置として3層ダイに100mmφ((株)プラ工研製)を用い、押出機はチューブ外内層を30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40mmφ((株)プラ技研製)として、外内層押出し機温度180℃、中間層押し出し機温度170℃、ダイス温度180〜190℃、ブロー比2.0〜3.0、引取り速度3〜7m/分、の加工条件で、外層/中間層/内層が30/90/30の厚み比となる、厚さ0.15mmの3層の積層フィルムを作製した。なお、これらのフィルムは、ハウス展張時にチューブの端部を切り開いて使用するため、展開した際に製膜時のチューブ外層が展張時にはハウスの内層(内面)となる。
・低密度ポリエチレン(LDPE):宇部丸善ポリエチレン社製「F022NH」(MFR:0.8g/10分、密度0.922)
・メタロセンPE(Me−PE):日本ポリエチレン社製カーネル「KF270」(MFR:2g/10分、密度0.907)
・エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA1):(酢酸ビニル含有量5重量%、MFR2g/10分)
・エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA2):(酢酸ビニル含有量15重量%、MFR2g/10分)
・紫外線吸収剤A:サイテック社製「トリアリールトリアジン系紫外線吸収剤UV1164」
・合成ハイドロタルサイトA:協和化学社製「DHT4A」
・光安定剤A:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製光安定剤 「chimassorb944」
・エチレン・環状アミノビニル共重合体:日本ポリエチレン社製「ノバテックLD・XJ100H」(MFR=3g/10分、密度=0.931g/cm3、 融点=111℃)
内層:LDPE(10質量部)、Me−PE(90質量部)、エチレン・環状アミノビニル共重合体(6質量部)
中間層:LDPE(2質量部)、EVA1(98質量部)、合成ハイドロタルサイトA(6質量部)、紫外線吸収剤A(0.06質量部)、光安定剤A(0.4質量部)
外層:LDPE(10質量部)、EVA2(90質量部)、エチレン・環状アミノビニル共重合体(6質量部)
得られた基材フィルムのハウス内層側にあたる表面(外層)を、放電電圧120V、放電電流4.7A、ラインスピード10m/minでコロナ放電処理を行った。濡れ指数は、46dyn/cmとした(JIS−K6768)。
分散媒として水とイソプロピルアルコールを用いて、無機質コロイド状物質と合成樹脂を表1のように配合し、固形分濃度10質量%、水:イソプロピルアルコール=70:30(質量比)となるよう調整し、分散液を調製した。
尚、無機質コロイド状物質の配合量は無機質粒子量で示し、合成樹脂の配合量は重合体固形分量で示す。
<合成樹脂>
・合成樹脂A:東日本塗料(株)製水性フッ素樹脂エマルション「VINYCOAT PVDF AQ 360」
・合成樹脂B:日本合成化学工業(株)製水性エマルション「モビニール7720」
<無機質コロイド状物質>
・無機質コロイド状物質A:日産化学工業(株)製コロイダルシリカ「スノーテックス20L」(平均粒子径:40〜50nm)
(1)の基材フィルムを(2)の方法で表面処理し、(3)の防曇剤組成物分散液をそれぞれ#8バーコーターを用いて塗布した。塗布したフィルムを80℃のオーブン中に1分間保持して、液状分散媒を揮発させ防曇層を形成した。
初期の防曇性には塗布原料に含まれる界面活性剤の影響がでることがあるため、水をいれた水槽の上部に、成形品の塗膜を形成した表面を水槽内部に向けて配置し、外気温を23℃、水槽内水温を50℃に保持し、1ヶ月養生した後、防曇性の評価を行った。
<評価方法>
水をいれた水槽の上部に、基材フィルムに塗膜を形成した表面を水槽内部に向けて地表水平面に対して10度の角度で配置し、外気温を12℃、水槽内気温を22℃に保持し、水滴が流れ始める迄の時間を測定した結果を表1に示す。
また、得られた結果の評価は以下の基準で実施した。
◎:水滴が流れ始める迄の時間が180分以下。
○:水滴が流れ始める迄の時間が180分より長く240分以下。
△:水滴が流れ始める迄の時間が240分より長く300分以下。
×:水滴が流れ始める迄の時間が300分より長いもの。
得られたサンプルの防曇層の表面側を、アルバックファイ社製「ESCA−5100」を使用し、X線源(MgKα):15kV×33mA、真空度:6.7×10−6Pa(5×10−8torr)、光電子取出し角:45°、分析面積:1.1mmφとして各原子の存在率を測定した。結果は表1に示す。
Claims (8)
- 無機化合物と合成樹脂を含有する防曇層を備えるフィルムであって、前記合成樹脂は、少なくともフッ素系樹脂を含有し、前記フッ素系樹脂は、ポリフッ化ビニリデン又はポリフッ化ビニリデンを核とするアクリル変性フッ素樹脂であり、かつ前記防曇層の表面は、Si原子存在率が10%以上であることを特徴とする、該フィルム。
- 前記防曇層の表面は、Si原子存在率とフッ素原子存在率の比が7:1〜1:3であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
- 前記合成樹脂は、アクリル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム。
- 前記無機化合物は、Si原子を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフィルム。
- 基材フィルムを備え、前記防曇層が前記基材フィルムの少なくとも片面側に設けられたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム。
- 前記基材フィルムがポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項5に記載のフィルム。
- 農業用途であることを特徴とする請求項5または6に記載のフィルム。
- 無機化合物と合成樹脂を含有する防曇層及び基材を備え、前記合成樹脂は、少なくともフッ素系樹脂を含有し、前記フッ素系樹脂は、ポリフッ化ビニリデン又はポリフッ化ビニリデンを核とするアクリル変性フッ素樹脂であり、かつ前記防曇層の表面は、Si原子存在率が10%以上である、積層物。
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