JP6942692B2 - 農業用フッ素系樹脂フィルム及び農業用被覆資材 - Google Patents

農業用フッ素系樹脂フィルム及び農業用被覆資材 Download PDF

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Description

本発明は、大型ハウスだけでなくパイプハウスを含めた園芸施設全般に展張可能な柔軟性、及び自然災害に対して強い耐久性に優れた農業用フッ素系樹脂フィルムに関するものである。
従来からグリーンハウス等の施設園芸の主な被覆資材として、ポリ塩化ビニル樹脂を用いた農業用ポリ塩化ビニル系(農ビ)フィルム、低密度ポリエチレン樹脂やエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂を用いた農業用ポリオレフィン系(農PO)フィルムが使用されている。
しかしながら、農ビフィルムは、可塑剤により汚れやすく透過率が低下しやすい為、展張の期間が極めて短く、農POフィルムは、農ビフィルムよりも長期展張性があるものの5年を目途に張り替えている。農POフィルム以上に長期展張性に優れたフィルムとしては、フッ素系樹脂フィルムが挙げられ、10年以上もの長期展張性能を有している。
農業用被覆資材のパイプハウス等への展張方法として、張りが緩まないようにしながらハウスの骨格に固定用部材を用いて固定する施工方法が用いられる。しかしながら、一般的なフッ素樹脂フィルムの場合、弾性率が大きく柔軟性に劣るため、フィルムを大きな力で引張り固定しなければならなく、適切な展張技術が要求される。
これらの問題点を解決する目的で柔軟性が良好なフッ素系樹脂フィルムとして、以下のような技術が提案されている。
例えば特許文献1には、テトラフルオロエチレンに基づく単量体単位を5〜84モル%、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単量体単位を1〜45モル%、およびフッ化ビニリデンに基づく単量体単位を5〜90モル%、の割合で含有する含フッ素共重合体よりなるフッ素樹脂フィルムを用いる方法が提案されている。
また、特許文献2には、テトラフルオロエチレンに基づく単量体単位を5〜85モル%、プロピレンに基づく単量体単位を1〜50モル%、およびフッ化ビニリデンに基づく単量体単位を5〜70モル%、の割合で含有する含フッ素共重合体よりなるフッ素樹脂フィルムを用いる方法が提案されている。
特開平11−335422号公報 特開平11−343316号公報
しかしながら、特許文献1及び2で提案されているフィルムは動的弾性率が小さく柔軟性に優れており、展張作業性は良好であるが、機械強度(引張強度)が小さく、台風等の自然災害に対して弱いという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来のフッ素系樹脂フィルムと比較して、弾性率が小さく、柔軟性、機械特性に優れた農業用被覆資材を提供することを目的とする。
本発明者等は、グリーンハウスでの使用において弾性率が小さく、柔軟性及び機械特性に優れた農業用フッ素系樹脂フィルムの開発を鋭意検討し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、フッ化ビニリデンに基づく単量体単位を80〜90質量%、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単量体単位を10〜20質量%の割合で含有するランダム共重合体よりなるフッ素系樹脂フィルムの少なくとも一方の面に親水性能を有する流滴層を備えることを特徴とする農業用フッ素系樹脂フィルムを提供する。
前記流滴層が層状珪酸塩、高分子バインダー及び光安定剤を含有することが好ましく、動的弾性率が150〜750MPaであり、ヘーズが5%以下、全光線透過率が93%以上であることが好ましい。
本発明はまた、本発明に係る農業用フッ素系樹脂フィルムを用いてなる農業用被覆資材を提供する。
本発明の農業用フッ素系樹脂フィルムは、グリーンハウスの被覆材等に用いることができるフィルムであって、従来のフッ素系樹脂フィルムと比較して、弾性率が小さく、柔軟性、機械物性に優れている。
ウォーターバスを用いた流滴性を評価するための試験方法(自社法)を説明する図である。
本発明の一実施形態による農業用フッ素系樹脂フィルムは、フッ化ビニリデンに基づく単量体単位を80〜90質量%、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単量体単位を10〜20質量%の割合で含有するランダム共重合体よりなるフッ素樹脂フィルムの少なくとも一方の面に親水性能を有する流滴層を備える。
ヘキサフルオロプロピレンに基づく単量体単位の割合が10質量%より低くフッ化ビニリデンに基づく単量体単位の割合が90質量%より高いと得られるフッ素系樹脂フィルムの動的弾性率が高くなり、展張作業性が悪くフィルムもシワになりやすい。また、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単量体単位の割合が20質量%より高くフッ化ビニリデンに基づく単量体単位の割合が80質量%より低いと得られるフッ素系樹脂フィルムの引張強度が低く、台風等の自然災害時にフィルムが裂けるおそれがある。
好ましくは、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単量体単位の割合は15質量%以上であり、フッ化ビニリデンに基づく単量体単位の割合が85質量%以下である。このような割合であれば、耐自然災害性を保ったまま、展張作業性がより優れる。
本発明でいうランダム共重合体とは、共重合体の主な構成がブロック共重合により構成されていない共重合体であって、一部に同じ構成単位が連続した部分があってもよく、グラフト共重合や交互共重合を含んでもよいが、主にランダム共重合によって構成されてなる共重合体である。ブロック共重合体では、動的弾性率が高く、目的の柔軟性能が得られず、また、結晶化による物性低下が懸念される。
ランダム共重合体の重合方法としては、懸濁重合、乳化重合等、従来公知の重合方法を行うことにより調製することができる。
ランダム共重合体の単量体単位としては、柔軟性及び機械強度を満たせばフッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレン以外にその他の単量体単位を含んでもよいが、フッ化ビニリデンに基づく単量体単位を80〜90質量%、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単量体単位を10〜20質量%の割合で含有することが必要である。例えば、その他の単量体単位としてテトラフルオロエチレンを含んでもよいが、上記の割合を満たさない場合には引張強度が小さくなり耐自然災害性が低下する。より好ましくは、共重合体は単量体単位としてテトラフルオロエチレンを含まない。
本発明の一実施形態による農業用フッ素系樹脂フィルムの動的弾性率は通常150〜750MPaの範囲内、好ましくは200〜700MPaであり、より好ましくは220〜550MPaである。動的弾性率が150MPaより小さい場合、フィルムに適度な腰がなくなり、非常に展張しづらい。引張弾性率が750MPaより大きい場合、フィルムが固くハウスに展張する際にうまく施工できない。なお、上記動的弾性率は150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750MPaのうち任意の2つの数値の範囲内にあればよい。
本発明の農業用フッ素系樹脂フィルムの引張強度は通常35MPa以上、好ましくは50MPa以上である。引張強度が35MPaより小さい場合、フィルムに適度な機械強度がなくなり、台風等の自然災害に対して弱い。引張強度の上限は特にないが、大き過ぎる場合、動的弾性率も大きくなる傾向にありフィルムが固くハウスに展張する際にうまく施工できないため、例えば90MPa以下が好ましく、80MPa以下がより好ましい。なお、上記引張強度は35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90MPaのうち任意の2つの数値の範囲内にあればよい。
本発明の一実施形態による農業用フッ素系樹脂フィルムのヘーズは5%以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましい。ヘーズが5%を超えるとハウス外からの作物の視認性に劣り、作物にとっては太陽光の透過量が不足することがある。また、全光線透過率は93%以上であることが好ましく、94%以上であることがより好ましい。93%以上だと作物の育成が良好である。
本発明の一実施形態による農業用フッ素系樹脂フィルムの膜厚は30μm〜400μmである事が好ましく、更に好ましくは60〜200μmである。30μm未満では十分な耐久性能が得られない事がある。400μmを超えると、原料費の増大等コスト的に不利になると共に、展張の張りやすさやフィルムの切断、接合などにおける二次加工性が低下する場合がある。
<流滴層>
本発明の一実施形態による流滴層は、コロイド状の層状珪酸塩と、高分子バインダー、光安定剤あるいは有機系紫外線吸収剤を含有する流滴剤が塗布されてなる。層状珪酸塩はコロイド状であり、且つコロイドがナノメートルサイズであることから、透明な塗膜を形成することができる。流滴層を形成するための流滴剤は、白濁することなく透明であることが好ましい。層状珪酸塩の粒径は、通常は10〜1000nmであり、好ましくは10〜100nmである。
層状珪酸塩は、例えば、雲母及びスメクタイトから選ばれる少なくとも1種である。雲母としては、バーミキュライト等が挙げられる。スメクタイトとしては、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ノントロナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト及びソーコサイト等が挙げられる。層状珪酸塩は、好ましくは合成層状珪酸塩であり、特に好ましくは合成スメクタイトである。
高分子バインダーとしては、上記層状珪酸塩と混合した場合に透明になり、流滴層をフィルム上安定して固定できるものであれば特に制限はないが、アルコール可溶性のナイロン樹脂、アクリル樹脂フェノール樹脂等を用いることが可能であり、好ましくはアルコール可溶性のナイロン樹脂である。これらの高分子バインダーを用いた場合には、透明性を確保した上で、展張作業による摩擦でも剥がれ難い流滴層を形成することができる。
層状珪酸塩と高分子バインダーとの混合比は、透明性及び固定安定性が確保されていれば特に制限されるものではないが、高分子バインダー100質量部に対し層状珪酸塩を2〜60質量部含有させることでき、好ましくは5〜20質量部含有させることできる。2質量部未満の場合には水の接触角が高くなり流滴性が低く、60質量部を超える場合には透明性が低下する。
流滴層には耐候性付与の為、光安定剤を配合することが好ましく、公知のものが使用できる。上記光安定剤としては、樹脂中の光劣化開始の活性種を捕捉し、光酸化を防止するものを用いることができる。具体的には、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードピペリジン系化合物、およびその他等から選択される1種類または2種類以上を組み合わせたものを使用することができる。中でもヒンダードアミン系化合物を用いることが好ましい。これらの光安定剤はエマルジョンになりにくく塗膜作業性に優れている
<農業用フッ素系樹脂フィルムの製造方法>
次に本発明の農業用フッ素系樹脂フィルムの製造方法について説明する。
先ず、農業用フッ素系樹脂フィルムを製造する方法としては押出成形法が好適に採用される。その際の具体的な方法として、T型ダイスを用い製膜する方法や、インフレーションダイスを用い製膜する方法で、押出条件としては特に限定されるものではなく、一般的にフッ素系樹脂フィルムを形成するのに用いられている条件が使用できる。T型ダイスを使用する場合、T型ダイス下に金属冷却ロールとゴムロールを配し、T型ダイスのリップ口より押出された溶融樹脂を、前記のロール間でピンチし冷却固化しながらフィルムを製膜する方法と、ピンチロールを用いず金属冷却ロールのみで冷却固化し製膜する方法の何れかが採用できる。
こうして得られたフッ素系樹脂フィルムの少なくとも1表面上に、流滴剤を塗布し、乾燥することにより、流滴層を有する本発明の農業用フッ素系樹脂フィルムが得られる。
流滴層の塗工方法は公知の方法を用いることができる。例えば、かけ塗り、ローラー塗布、手塗り、回転塗布、各種印刷方式による塗布、バーコート、ダイコート、スプレーコート等が挙げられる。
流滴層を形成するとき、前記農業用フッ素系樹脂フィルムの表面上に表面処理を施すことが、塗布性が良化するのみならず、流滴層の密着性が改良される点で好ましい。表面処理の方法としては各種の方法、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、高周波スパッタエッチング処理等が用いられる。
乾燥後の流滴層の膜厚は0.2〜0.8μmであることが好ましく、0.3〜0.7μmであることがより好ましい。乾燥後の流滴層の膜厚が0.2μm未満であると、流滴性能が乏しく、0.8μmより厚い場合は、流滴性能自体に影響はない一方で生産性に劣るおそれがある。
乾燥のための加熱温度及び時間は特に限定されない。加熱温度は、例えば、60〜100℃とすることができる。時間は、例えば、1〜60分とすることができる。この加熱温度及び時間は、被塗装物の耐熱温度を考慮して設定されることが好ましい。
<農業用被覆資材>
本発明の一実施形態による農業用被覆資材は、本発明の農業用フッ素系樹脂フィルムを用いてなる。本発明の農業用フッ素系樹脂フィルムは柔軟性、及び自然災害に対して強い耐久性に優れ、また長期にわたって流滴性能を維持することができるので、それを用いてなる本発明の農業用被覆資材は、グリーンハウス等の被覆材に好適に使用することができる。流滴層は樹脂フィルムの両面に設けてもよく、一方の面のみに設けてもよいが、流滴層はグリーンハウス等の特に内側の面に設けられていることが重要である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例において使用した原料と、作製したフィルムの評価方法は次の通りである。
<使用原料>
(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)
(ランダム共重合体)
「カイナ−フレックス2850−00」(アルケマ株式会社製)ヘキサフルオロプロピレン比率5質量%、融点約157℃
「カイナ−フレックス2800−20」(アルケマ株式会社製)ヘキサフルオロプロピレン比率10質量%、融点約142℃
「カイナ−フレックス2750−01」(アルケマ株式会社製)ヘキサフルオロプロピレン比率15質量%、融点約133℃
「カイナ−フレックス2500−20」(アルケマ株式会社製)ヘキサフルオロプロピレン比率20質量%、融点約121℃
(ブロック共重合体)
「カイナ−フレックス3120−50」(アルケマ株式会社製)ヘキサフルオロプロピレン比率10質量%、融点約163℃
(ポリフッ化ビニリデン)
「カイナーK720」(アルケマ株式会社製)融点約170℃
(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデンの共重合体)
「THV200G」(3M社製)
(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体を原料とするフィルム)
「エフクリーン」(旭硝子株式会社製)膜厚100μm
(流滴剤)
「ラクレインB1」大和製罐株式会社製(コロイド状の層状珪酸塩として合成スメクタイト及び高分子バインダーとしてメトキシメチル化ナイロンを含み、高分子バインダー100質量部に対し層状珪酸塩を10質量部含有する)と、光安定剤(ヒンダードアミン系光安定剤)を含有する。
<評価方法>
(動的弾性率)
柔軟性の指標である動的弾性率は、「動的粘弾性測定装置 RSA−G2」(TAインスツルメント株式会社製)を用い、引張モード、周波数1Hz、昇温速度5℃/minにて測定した25℃での値である。
(引張強度)
引張強度は、JIS K7127に準拠して、「引張試験機 STROGRAPH VE1D」(株式会社東洋精機製作所製)を用いて測定した。
(光学物性)
(全光線透過率)
全光線透過率測定は、得られた農業用フッ素含有多層フィルムを5cm角に切り出し、JIS K6783に準拠して、日本電色工業株式会社製の「NDH2000」を用いて測定した。
(ヘーズ)
ヘーズ測定は、得られた農業用フッ素含有多層フィルムを5cm角に切り出し、JIS K7136に準拠して、日本電色工業株式会社製の「NDH2000」を用いて測定した。
(流滴性)
(自社法)
流滴性評価は、図1に示すように40℃の温水2を循環させたウォーターバス1の開口部に農業用フッ素含有多層フィルム3の評価対象とする面を水面に対し勾配15°で展張し、6ヶ月後のフィルム外観を目視で観察して、下記の通り評価した。
優:水滴の付着がなく均一に水膜状に濡れている。
良:フィルム全体の25%未満の面積に水滴が付着している。
可:フィルム全体の25%以上75%未満の面積に水滴が付着している。
不可:フィルム全体の75%以上の面積に水滴が付着している。
(静的接触角)
親水性の指標として水の静的接触角を測定した。サンプルの評価対象とする表面における水の接触角を、「自動接触角計 DM−501」(協和界面科学株式会社製)で測定した。測定は最表層表面の任意の異なる10つの箇所で行い、その平均値を算出した。
(展張作業性)
展張作業性については、フィルムを展張して骨組に固定用部位を使用して固定する施工の難易度として、下記の通り評価した。なお、評価対象である下記ポリオレフィン系フィルムは、テキナシ5(シーアイ化成株式会社製)を用いた。
優:施工が容易である。
可:ポリオレフィン系フィルムと比較して若干施工が難しい。
不可:施工は可能であるが固くて作業性が悪く、フィルムにシワが入りやすい。
(耐自然災害:UV照射後試験後の引張強度)
UV照射試験を、「ダイプラ・メタルウェザー」(ダイプラ・ウェンテス株式会社製)を用いて行った。
農業用フッ素系樹脂フィルムを、JIS K6783に準拠して、「引張試験機 STROGRAPH VE1D」(株式会社東洋精機製作所製)を用いて引張強度測定を行なった後、試験機に投入し、下記条件で耐久試験を実施した。
UV照射強度:132mW/cm
1サイクル:12時間(10時間照射、2時間暗黒シャワー)
湿度:51%
ブラックパネル温度:62℃
時間:500時間
試験後、農業用フッ素系樹脂フィルムをJIS K6783に準拠して、「引張試験機 STROGRAPH VE1D」(株式会社東洋精機製作所製)を用いて引張強度を測定した。
優:50MPa以上
可:30MPa以上50MPa未満
不可:30MPa以上
<実施例1>
フッ素系樹脂フィルムの原料として、前記のフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体「カイナ−フレックス2500−20」はφ65mmの単軸押出機を用いて、フィードブロック法により押出し、金属冷却ロールで引き取ることによりフィルムを得た。次に作製したフィルムの一方の面にコロナ処理を施した後、流滴層として前記の流滴剤を塗布して膜厚100μmのフィルムを作製した。作製したフッ素系樹脂フィルムの機械物性、光学物性、流滴層を設けた面の流滴性および展張作業性を評価した結果を表1に示す。
<実施例2>
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体種を「カイナ−フレックス2750−01」に変更した以外は、実施例1と同様にフッ素系樹脂フィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例3>
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体種を「カイナ−フレックス2800−20」に変更した以外は、実施例1と同様にフッ素系樹脂フィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例4>
流滴層中の層状珪酸塩の混合比率を高分子バインダー100質量部に対し層状珪酸塩を30質量部含有するようにした以外は、実施例1と同様にフッ素系樹脂フィルムを作製した。結果を表1に示す。
<比較例1>
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体種を「カイナ−フレックス2850−00」に変更した以外は、実施例1と同様にフッ素系樹脂フィルムを作製した。結果を表1に示す。
<比較例2>
比較例2のフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体は以下の手順に従って製造した。すなわち、600rpmで作動するスターラーを備えた10Lの横型オートクレーブに、脱気後、5.6Lの脱塩水を入れた。その後、オートクレーブを85℃に加熱し、反応の全期間その温度を維持した。48モル%のフッ化ビニリデンと52モル%のヘキサフルオロプロピレンとのモノマー気相混合物を、圧力が19barになるようにオートクレーブ中に導入した。その後、40gの過硫酸ジ−アンモニウムを、重合開始時に12g、変換率70%の時に28g、の2段階で添加した。フッ化ビニリデン67.5モル%とヘキサフルオロプロピレン25.5モル%とからなる混合物を供給することによって、重合中19barの設定圧力を一定に保った。77分後、オートクレーブを冷却し、ラテックスを取り出した。VDF74.8質量%とHFP25.2質量%のモノマー組成を有するフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を作製した。その重合体を用いて実施例1と同様にフッ素系樹脂フィルムを作製した。結果を表1に示す。
<比較例3>
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体種を「カイナ−フレックス3120−50」に変更した以外は、実施例1と同様にフッ素系樹脂フィルムを作製した。結果を表1に示す。
<比較例4>
フッ素系樹脂フィルムの原料を「カイナーK720」に変更した以外は、実施例1と同様にフッ素系樹脂フィルムを作製した。結果を表1に示す。
<比較例5>
テトラフルオロエチレン−エチレンの共重合体である市販の厚さ100μmのフィルム「エフクリーン自然光タイプ、AGCグリーンテック社製」を例1と同様にして測定し、評価した。結果を表1に示す。
<比較例6>
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデンの共重合体「THV200G」を180℃で押出した厚さ100μmのフィルムを例1と同様にして測定し、評価した。結果を表1に示す。
<比較例7>
流滴剤を塗布しない以外は、実施例1と同様にフッ素系樹脂フィルムを作製した。結果を表1に示す。
Figure 0006942692
1:ウォーターバス
2:温水
3:フィルム

Claims (5)

  1. フッ化ビニリデンに基づく単量体単位を80〜90質量%、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単量体単位を10〜20質量%の割合で含有するランダム共重合体よりなるフッ素樹脂フィルムの少なくとも一方の面に親水性能を有する流滴層を備えることを特徴とする農業用フッ素系樹脂フィルムであって、
    前記流滴層が層状珪酸塩、高分子バインダー及び、光安定剤あるいは有機系紫外線吸収剤を含有する、農業用フッ素系樹脂フィルム。
  2. 前記流滴層は、前記高分子バインダー100質量部に対し、前記層状珪酸塩2〜60質量部を含有する、請求項1に記載の農業用フッ素系樹脂フィルム。
  3. 動的弾性率が150〜750MPaであることを特徴とする請求項1又は2に記載の農業用フッ素系樹脂フィルム。
  4. ヘーズが5%以下であり、全光線透過率が93%以上であることを特徴とする請求項1〜3に何れか1項に記載の農業用フッ素系樹脂フィルム。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の農業用フッ素系樹脂フィルムを用いてなる農業用被覆資材。
JP2018510656A 2016-04-08 2017-04-06 農業用フッ素系樹脂フィルム及び農業用被覆資材 Active JP6942692B2 (ja)

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