JP2019199576A - フッ素系樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Junya Tanabe
淳也 田辺
勇輝 菊池
Yuki Kikuchi
勇輝 菊池
信彦 福原
Nobuhiko Fukuhara
信彦 福原
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Abstract

【課題】耐候性と展張性とに優れたポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムを使用して、その紫外線遮断性を改善すること。【解決手段】ポリフッ化ビニリデン樹脂、アクリル系樹脂及び紫外線吸収剤を含有させ、そのアクリル系樹脂の割合を5〜30質量%とすると共に、紫外線吸収剤をトリアジン系紫外線吸収剤で構成する。ポリフッ化ビニリデン樹脂を使用するため、耐候性と展張性とに優れており、紫外線吸収剤と親和性の高いアクリル系樹脂の割合が5〜30質量%で、しかも、紫外線吸収剤がトリアジン系であるため、この紫外線吸収剤がブリードアウトすることがなく、長期間使用しても高い紫外線遮断性を維持することができる。【選択図】図1

Description

本発明はフッ素系樹脂フィルムに関するもので、例えば、ビニールハウス等の屋根や側壁を構成する農業用フィルムとして好適なフッ素系樹脂フィルムに関するものである。
このような農業用フィルムとしては、一般にポリオレフィン系樹脂フィルムやフッ素系樹脂フィルムが使用されている。
ポリオレフィン系樹脂フィルムは柔軟性が高く、展張して使用できるという性質を有しており、これに紫外線吸収剤を配合することによって紫外線の透過を防止し、栽培する果実、花、野菜等の色、糖度、収穫量を向上させ、あるいは害虫の活動を防止することができる。一方、このポリオレフィン系樹脂フィルムは耐候性に劣るという欠点を有している。
一方、フッ素系フィルムは、耐候性に優れているものの、柔軟性が低く、展張して使用することが困難であるという欠点を有している。また、フッ素系樹脂フィルムは紫外線透過率が高く、しかも、これに紫外線吸収剤を配合しても、この紫外線吸収剤がブリードアウトし易いため、長期間に渡って紫外線を遮断することが困難である。フッ素系樹脂フィルムの中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)から成るフィルムは比較的展張性に優れているが、このフィルムにおいても、紫外線透過率が高く、紫外線吸収剤を配合しても長期間の紫外線遮断性を維持することが困難である。
ところで、ビニールハウスは、丸型屋根ハウスと三角型屋根ハウスとに大別することができる。丸型屋根ハウスにおいては、ハウスのフレームに断面凹状のビニバーを固定する。そして、ハウスの屋根を構成する農業用フィルムを張る際には、このビニバーの凹部に嵌合するジグザグ形状のスプリングを使用して、これらビニバーとスプリングとの間に農業用フィルムの一方端部を挟みこんで固定する。次に、農業用フィルムを引っ張って十分に展張させ、反対側端部をビニバーとスプリングとの間に固定することによってハウスの屋根を形成する。このように、丸型屋根ハウスにおいては農業用フィルムを引っ張って十分に展張させる必要があることから、農業用フィルムとして柔軟性の高いポリオレフィン系樹脂フィルムを使用することが通常である。耐候性を向上させるため、フッ素系樹脂フィルムの中で展張性に優れたPVDFフィルムを使用することも不可能ではないが、前述のように長期間の紫外線遮断性を維持することができない。
一方、三角型屋根ハウスにおいては、ハウスの頂部にフレームが設置されているから、ハウスの屋根を構成する農業用フィルムを張る際にも引っ張る必要がなく、フィルムはビスを使用してそれぞれのフレームに固定する。そして、このため、このような三角型屋根ハウスにおいては展張性が低く耐候性の高いフッ素系樹脂フィルムを使用することができる。しかし、この場合でも、長期間の紫外線遮断性を維持することは困難である。
特許第3952020号公報 特許第4063049号公報
本発明はこのような事情のもとでなされたもので、耐候性と展張性とに優れたPVDFフィルムを使用して、その紫外線遮断性を改善することを目的とするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、ポリフッ化ビニリデン樹脂、アクリル系樹脂及び紫外線吸収剤を含有するフッ素系樹脂フィルムであって、
アクリル系樹脂の割合が5〜30質量%であり、
かつ、紫外線吸収剤がトリアジン系紫外線吸収剤から成ることを特徴とするフッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項2に記載の発明は、85℃,85%RHの条件下で1000時間保管したとき、その保管前後における波長320nmの紫外線の透過率の差が3%以下であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項3に記載の発明は、引張破断伸度が300%以上、弾性率が20MPa以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項4に記載の発明は、ゴム系成分を含有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項5に記載の発明は、全光線透過率が92%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項6に記載の発明は、片面又は両面に親水層が塗工されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のフッ素系樹脂フィルムの製造方法であって、
紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配合してマスターバッチを製造し、次に、ポリフッ化ビニリデン樹脂と混練して製膜することを特徴とするフッ素系樹脂フィルムの製造方法である。
本発明のフッ素系樹脂フィルムはポリフッ化ビニリデン樹脂を使用するため、耐候性と展張性とに優れており、三角型屋根ハウスのフィルムとして用いることができるだけでなく、丸型屋根ハウスのフィルムとしても使用することができる。しかも、このフッ素系樹脂フィルムは、紫外線吸収剤と親和性の高いアクリル系樹脂を含有しているため、紫外線吸収剤がブリードアウトすることがなく、長期間使用しても高い紫外線遮断性を維持することができる。
なお、後述する比較例1〜4から分かるように、アクリル系樹脂を含有しない場合には、配合された紫外線吸収剤がブリードアウトするため、長期間の使用によって紫外線遮断性が低下する。一方、アクリル系樹脂の割合が30質量%を越える場合(比較例11)には、展張性が低下して、丸型屋根ハウスに適用することが困難である。
また、アクリル系樹脂の割合が5〜30質量%であっても、紫外線吸収剤がトリアジン系ではない場合(比較例7〜10)には、長期間の使用によって紫外線遮断性が低下する。
これに対し、アクリル系樹脂の割合が5〜30質量%で、しかも、紫外線吸収剤がトリ
アジン系である場合(実施例1〜4)の場合には、長期間使用しても紫外線遮断性が高く維持される。また、その引張破断伸度が大きいため、丸型屋根ハウスへの適用に十分な展張性を発揮する。
図1は高周波誘電加熱による接合方法を示す説明図である。 図2は高周波誘電加熱による接合方法を示す説明図である。
本発明のフッ素系樹脂フィルムは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アクリル系樹脂及び紫外線吸収剤を混合して製膜したものである。PVDFはフッ化ビニリデンモノマー(VDF)の単独重合体であってもよいが、その他のフッ素系モノマーとの共重合体であってもよい。例えば、VDFとヘキサフルオロプロピレンモノマー(HFP)との共重合体である。
アクリル系樹脂は、紫外線吸収剤のブリードアウトを防止するために配合するものである。アクリル系樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸あるいはメタアクリル酸エステルをモノマーとして重合したものが使用できる。単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。これらアクリル系樹脂は住友化学(株)からスミペックスの商品名で市販されており、そのいずれのグレードを使用することもできる。もっとも、住友化学(株)から市販されているアクリル系樹脂の中には、耐衝撃性の改善のためにゴム成分を配合したものがあるが、このようにゴム成分を配合したものは避けることが望ましい。ゴム成分を配合したアクリル系樹脂を使用すると、フッ素系樹脂フィルムの光透過率が低下するため、農業用フィルムとしての性能が劣る結果となる。
なお、このアクリル系樹脂の割合は、フッ素系樹脂フィルムの5〜30質量%であることが必要である。5質量%に満たない場合には、紫外線吸収剤のブリードアウトを十分に防止することができない。一方、30質量%を越える場合には、フッ素系樹脂フィルムが十分な展張性を発揮しない。
また、紫外線吸収剤はトリアジン系紫外線吸収剤から成ることが必要である。紫外線吸収剤がトリアジン系ではない場合には、長期間の使用によって紫外線吸収剤がブリードアウトするため、その紫外線遮断性が低下する。この紫外線吸収剤は、アクリル系樹脂100重量部に対して、0.1〜5.0重量部の割合で配合すればよい。
本発明のフッ素系樹脂フィルムは、これをそのままビニールハウス等への施工に適用してもよいが、その際には広幅のフィルムを必要とする。この要請に応えるため、複数枚のフッ素系樹脂フィルムの端部同士を接合して、広幅のフィルムを製造することができる。このフッ素系樹脂フィルムの接合はさまざまな方法で行うことができる。例えば、2枚のフッ素系樹脂フィルムの端部同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を熱圧して溶着する方法である。また、2枚のフッ素系樹脂フィルムの端部同士を突き合わせ、この突き合わせ部分を跨ぐようにフッ素系樹脂テープを重ね、熱圧して溶着する方法も採用できる。また、2枚のフッ素系樹脂フィルムの端部同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を高周波誘電加熱して溶着する方法も採用することが可能である。中でも、高周波誘電加熱によって接合する方法によれば、極めて短時間の内部発熱によって溶着することができるため、溶着の際にはこれらフィルムに対する負荷が小さく、溶着した重ね合わせ部分の強度が低下することがない。また、同じ理由から、溶着の後に強制冷却する必要がなく、自然冷却で接合することが可能である。
図1はこの高周波誘電加熱による接合方法を示す説明図で、2枚のフッ素系樹脂フィル
ム1,2の端部同士を重ね合わせ、この重ね合わせ部分を挟んで上下の電極a1,a2の間に高周波電界を与えることにより、この重ね合わせ部分でフィルム1,2自体を発熱させて、この発熱によって溶融して接合することができる。なお、高周波電界の周波数は10〜10Hzでよい。また、溶着に要する時間は、通常、数秒である。
次に、このフッ素系樹脂フィルムには、親水性の塗布膜(親水層)を設けることができる。例えば、この親水層がビニールハウスの内側に向くようにビニールハウスを施工することにより防曇効果を発揮して光透過率の低下を防止し、また、結露による水滴の滴下を防止することができる。親水層がビニールハウスの外側に向くように施工した場合にも防曇効果を発揮して光透過率の低下を防止することができる。この親水層としては、シリカ粒子やアルミナ粒子等の無機粒子を含む塗料を塗布して形成すればよい。また、例えば、竹本油脂(株)製TPP−001、丸昌産業(株)製S40、NCC(株)製NC−2等を塗工して形成することも可能である。
この親水層は、フッ素系樹脂フィルムの両面又は片面に設けることができるが、前述のように、複数枚の農業用フッ素系樹脂フィルムを接合して広幅のフィルムを製造する場合には、その接合部分を未塗工として、フッ素系樹脂フィルムを露出させ、こうして農業用フッ素系樹脂フィルムが露出した未塗工部を前記重ね合わせ部分として接合することが望ましい。図2は、フッ素系樹脂フィルム1の片面に親水層11を設けると共に、その端部を未塗工部12とし、この未塗工部12に他方のフッ素系樹脂フィルム2の未塗工面を重ねて、高周波誘電加熱によって接合する方法を示す説明図である。
次に、本発明のフッ素系樹脂フィルムは、紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配合してマスターバッチを製造し、次に、ポリフッ化ビニリデン樹脂と混練して製膜することができる。例えば、アクリル系樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部の紫外線吸収剤を配合して、二軸混練押出機中で溶融混練することにより、まず、紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配合したマスターバッチを製造する。次に、このマスターバッチとポリフッ化ビニリデン樹脂とを混練押出機中で溶融混練し、フィルム状に押出して製膜することにより、本発明のフッ素系樹脂フィルムを製造することができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を説明する。なお、これら実施例及び比較例で使用した樹脂及び紫外線吸収剤は次のとおりである。
(A)フッ素系樹脂
アルケマ(株)製Kynar2500−20 PVDF樹脂。
(B)アクリル系樹脂
住友化学(株)製スミペックスLG2 ゴム成分を含まないポリメチルメタクリレート樹脂。
住友化学(株)製スミペックスHT22Y ゴム成分を含むポリメチルメタクリレート樹脂。
住友化学(株)製スミペックスHT72Y ゴム成分を含むポリメチルメタクリレート樹脂。
(C)紫外線吸収剤
BASF社製Tinuvin1577 トリアジン系紫外線吸収剤。
BASF社製Tinuvin1600 トリアジン系紫外線吸収剤。
BASF社製Tinuvin234 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤。
BASF社製Tinuvin384−2 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤。
(実施例1)
アクリル系樹脂としてスミペックスLG2を使用し、また、紫外線吸収剤としてトリアジン系紫外線吸収剤のTinuvin1577を使用した。そして、このアクリル系樹脂に対して紫外線吸収剤が3.0質量%となるように配合し、二軸混練押出機中で溶融混練することにより、紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配合したマスターバッチを製造した。
次に、このマスターバッチをKynar2500−20に配合し、単軸混練押出機中で溶融混練し、フィルム状に押出して製膜することにより、厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。なお、Kynar2500−20とマスターバッチとの配合比は、Kynar2500−20が95質量%、マスターバッチが5質量%である。
(実施例2)
アクリル系樹脂としてスミペックスLG2を使用し、また、紫外線吸収剤としてトリアジン系紫外線吸収剤のTinuvin1600を使用した。そして、このアクリル系樹脂に対して紫外線吸収剤が1.0質量%となるように配合し、二軸混練押出機中で溶融混練することにより、紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配合したマスターバッチを製造した。
次に、このマスターバッチをKynar2500−20に配合し、実施例1と同様に、厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。
(実施例3)
アクリル系樹脂としてスミペックスLG2を使用し、また、紫外線吸収剤としてトリアジン系紫外線吸収剤のTinuvin1600を使用した。そして、このアクリル系樹脂に対して紫外線吸収剤が0.33質量%となるように配合し、二軸混練押出機中で溶融混練することにより、紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配合したマスターバッチを製造した。
次に、このマスターバッチをKynar2500−20に配合し、単軸混練押出機中で溶融混練し、フィルム状に押出して製膜することにより、厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。なお、Kynar2500−20とマスターバッチとの配合比は、Kynar2500−20が85質量%、マスターバッチが15質量%である。
(実施例4)
アクリル系樹脂としてスミペックスLG2を使用し、また、紫外線吸収剤としてトリアジン系紫外線吸収剤のTinuvin1600を使用した。そして、このアクリル系樹脂に対して紫外線吸収剤が0.17質量%となるように配合し、二軸混練押出機中で溶融混練することにより、紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配合したマスターバッチを製造した。
次に、このマスターバッチをKynar2500−20に配合し、単軸混練押出機中で溶融混練し、フィルム状に押出して製膜することにより、厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。なお、Kynar2500−20とマスターバッチとの配合比は、Kynar2500−20が70質量%、マスターバッチが30質量%である。
(比較例1)
この例は、アクリル系樹脂を使用せず、フッ素系樹脂に紫外線吸収剤を配合したフィルムの例である。なお、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤のTinuvin234を使用した。
すなわち、Kynar2500−20に対して紫外線吸収剤が0.15質量%となるように配合し、単軸混練押出機中で溶融混練し、フィルム状に押出して製膜することにより、厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。
(比較例2)
この例も、アクリル系樹脂を使用せず、フッ素系樹脂に紫外線吸収剤を配合したフィルムの例である。すなわち、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤のTinuvin384−2を使用した点を除き、比較例1と同様に厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。
(比較例3)
この例も、アクリル系樹脂を使用せず、フッ素系樹脂に紫外線吸収剤を配合したフィルムの例である。なお、紫外線吸収剤としてトリアジン系紫外線吸収剤のTinuvin1577を使用した。
すなわち、Kynar2500−20に対して紫外線吸収剤が0.05質量%となるように配合し、単軸混練押出機中で溶融混練し、フィルム状に押出して製膜することにより、厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。
(比較例4)
この例も、アクリル系樹脂を使用せず、フッ素系樹脂に紫外線吸収剤を配合したフィルムの例である。すなわち、紫外線吸収剤としてトリアジン系紫外線吸収剤のTinuvin1600を使用した点を除き、比較例3と同様に厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。
(比較例5)
この例は、フッ素系樹脂と紫外線吸収剤を配合したアクリル系樹脂とを別の層として構成した多層フィルムの例である。すなわち、紫外線吸収剤を配合したアクリル系樹脂を中央に配置し、その両側にフッ素系樹脂層を配置して、2種3層構造としたものである。なお、アクリル系樹脂としてはスミペックスLG2を使用し、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤のTinuvin234を使用した。
すなわち、まず、アクリル系樹脂に対して紫外線吸収剤が0.5質量%となるように配合し、二軸混練押出機中で溶融混練することにより、紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配合したマスターバッチを製造した。
次に、このマスターバッチとKynar2500−20とを溶融共押出機に投入して、前述の2種3層構造のフィルムを製膜した。厚みは100μmであり、各層の厚みは、中心層のアクリル系樹脂の厚みが30μm、両側のKynar2500−20の厚みがそれぞれ35μmである。
(比較例6)
この例も、フッ素系樹脂と紫外線吸収剤を配合したアクリル系樹脂とを別の層として構成した多層フィルムの例である。すなわち、紫外線吸収剤を配合したアクリル系樹脂を中央に配置し、その両側にフッ素系樹脂層を配置して、2種3層構造としたものである。なお、アクリル系樹脂としてはスミペックスLG2を使用し、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤のTinuvin234を使用した。
すなわち、まず、アクリル系樹脂に対して紫外線吸収剤が1.5質量%となるように配合し、二軸混練押出機中で溶融混練することにより、紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配
合したマスターバッチを製造した。
次に、このマスターバッチとKynar2500−20とを溶融共押出機に投入して、前述の2種3層構造のフィルムを製膜した。厚みは100μmであり、各層の厚みは、中心層のアクリル系樹脂の厚みが10μm、両側のKynar2500−20の厚みがそれぞれ45μmである。
(比較例7)
この例は、アクリル系樹脂としてゴム成分を含むポリメチルメタクリレート樹脂を使用し、かつ、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用した例である。アクリル系樹脂としてはスミペックスHT22Yを使用し、かつ、紫外線吸収剤としてTinuvin234を使用した。
そして、このアクリル系樹脂に対して紫外線吸収剤が3.0質量%となるように配合し、二軸混練押出機中で溶融混練することにより、紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配合したマスターバッチを製造した。
次に、このマスターバッチをKynar2500−20に配合し、単軸混練押出機中で溶融混練し、フィルム状に押出して製膜することにより、厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。なお、Kynar2500−20とマスターバッチとの配合比は、Kynar2500−20が95質量%、マスターバッチが5質量%である。
(比較例8)
この例も、アクリル系樹脂としてゴム成分を含むポリメチルメタクリレート樹脂を使用し、かつ、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用した例である。アクリル系樹脂としてはスミペックスHT72Yを使用した点を除き、比較例7と同様に厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。
(比較例9)
この例は、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用した例である。すなわち、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤のTinuvin234を使用した点を除き、実施例1と同様に厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。
(比較例10)
この例も、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用した例である。すなわち、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤のTinuvin384−2を使用した点を除き、実施例1と同様に厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。
(比較例11)
この例は、アクリル系樹脂を30質量%を越える割合で配合した例である。すなわち、実施例1と同様に、アクリル系樹脂としてスミペックスLG2を使用し、紫外線吸収剤としてトリアジン系紫外線吸収剤のTinuvin1577を使用した。
そして、アクリル系樹脂に対して紫外線吸収剤が0.11質量%となるように配合し、二軸混練押出機中で溶融混練することにより、紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配合したマスターバッチを製造した。
次に、このマスターバッチをKynar2500−20に配合し、単軸混練押出機中で
溶融混練し、フィルム状に押出して製膜することにより、厚さ100μmのフッ素系樹脂フィルムを製造した。なお、Kynar2500−20とマスターバッチとの配合比は、Kynar2500−20が55質量%、マスターバッチが45質量%である。
(評価)
実施例1〜4及び比較例1〜11の各フィルムについて、全光線透過率、経時的な紫外線遮断性能及び引張強度の観点から評価した。なお、全光線透過率は、農業用フィルムとして使用したとき、十分な太陽光がビニールハウス内部に到達するか否かを評価したものであり、農業用フィルムとして必要な基本的性能に関するものである。また、経時的な紫外線遮断性能は、長期間の使用によっても紫外線遮断性が維持されるか否かを評価したものであり、引張強度は、これらのフィルムを丸型屋根ハウスに適用するのに必要な展張性の有無を評価したものである。
まず、全光線透過率は、各フィルムを3.5cm角に切り出してサンプルとし、日本電色(株)製ヘイズメーターNDH2000で測定した。
経時的な紫外線遮断性能は次のような方法で測定した。すなわち、まず、各フィルムを3.5cm角に切り出してサンプルとし、(株)島津製作所製分光光度計を使用して、波長320nmの紫外線の透過率を測定した。
次に、これら各サンプルを環境試験機中で85℃、85%RHの環境下に1000時間保管し、この保管後の前記紫外線の透過率を測定した。
そして、保管前後の紫外線透過率の差dTを算出して紫外線透過率の変化量とした。
また、引張強度は、各フィルムをダンベル状(Type5)に型抜きし、引張試験機を使用して、引張破断測定を実施した。試験速度は500mm/minで、標線間距離を25mmとして破断時の伸びを破断点伸度とした。また、引張応力0N〜10N時の弾性率を引張弾性率とした。
この結果を表1に示す。
Figure 2019199576
(考察)
この結果から次のことが理解できる。
すなわち、まず、比較例1〜4から、フィルムがアクリル系樹脂を含有しない場合には、配合された紫外線吸収剤がブリードアウトするため、長期間の使用によって紫外線遮断性が低下することが分かる。一方、アクリル系樹脂の割合が30質量%を越える場合(比較例11)には、展張性が低下して、丸型屋根ハウスに適用することが困難である。
また、アクリル系樹脂の割合が5〜30質量%であっても、紫外線吸収剤がトリアジン系ではない場合(比較例7〜10)には、長期間の使用によって紫外線遮断性が低下する。
これに対し、アクリル系樹脂の割合が5〜30質量%で、しかも、紫外線吸収剤がトリアジン系である場合(実施例1〜4)の場合には、長期間使用しても紫外線遮断性が高く維持される。また、その引張破断伸度が大きいため、丸型屋根ハウスへの適用に十分な展張性を発揮する。
なお、紫外線吸収剤を配合したアクリル系樹脂とポリフッ化ビニリデン樹脂とを別の層として多層構造のフィルムとした場合(比較例5〜6)には、展張性が低下して、丸型屋根ハウスに適用することが困難である。
また、アクリル系樹脂としてゴム成分を含むアクリル系樹脂を使用した場合(比較例7〜8)には、全光線透過率が低く、農業用フィルムとしての基本性能が低いことが分かる。
1:農業用フッ素系樹脂フィルム 11:親水層 12:親水層未塗工部
2:農業用フッ素系樹脂フィルム 21:親水層
a1:電極 a2:電極

Claims (7)

  1. ポリフッ化ビニリデン樹脂、アクリル系樹脂及び紫外線吸収剤を含有するフッ素系樹脂フィルムであって、
    アクリル系樹脂の割合が5〜30質量%であり、
    かつ、紫外線吸収剤がトリアジン系紫外線吸収剤から成ることを特徴とするフッ素系樹脂フィルム。
  2. 85℃,85%RHの条件下で1000時間保管したとき、その保管前後における波長320nmの紫外線の透過率の差が3%以下であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素系樹脂フィルム。
  3. 引張破断伸度が300%以上、弾性率が20MPa以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフッ素系樹脂フィルム。
  4. ゴム系成分を含有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素系樹脂フィルム。
  5. 全光線透過率が92%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフッ素系樹脂フィルム。
  6. 片面又は両面に親水層が塗工されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフッ素系樹脂フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のフッ素系樹脂フィルムの製造方法であって、
    紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に配合してマスターバッチを製造し、次に、ポリフッ化ビニリデン樹脂と混練して製膜することを特徴とするフッ素系樹脂フィルムの製造方法。
JP2018096288A 2018-05-18 2018-05-18 フッ素系樹脂フィルム及びその製造方法 Pending JP2019199576A (ja)

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WO2023063297A1 (ja) * 2021-10-13 2023-04-20 ダイキン工業株式会社 組成物、回路基板、及び、組成物の製造方法

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