JP2019118310A - 農業用フッ素系樹脂フィルム及びその溶着方法 - Google Patents

農業用フッ素系樹脂フィルム及びその溶着方法 Download PDF

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淳也 田辺
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Abstract

【課題】耐候性や耐久性に優れるフッ素系樹脂フィルムであって、しかも、適切な引張伸度と引張弾性率とを有し、ビニールハウス等の施設に施工することができるフィルムを提供する。【解決手段】ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とフッ化ビニリデン(VDF)との共重合樹脂を樹脂成分の80質量%以上含有する農業用フッ素系樹脂フィルム1、2であって、HFPとVDFとの合計量に対しHFPを15質量%以上含有することを特徴とする農業用フッ素系樹脂フィルム1、2を使用する。共重合樹脂は、耐候性や耐久性に優れると共に、適切な引張伸度と引張弾性率とを有している。このため、ビニールハウス等の施設に施工することができ、しかも、こうして施工された際には、長期間に渡って使用することができる。【選択図】図1

Description

本発明は農業用樹脂フィルムに関するもので、このフィルムは、内部で植物栽培が行なわれる施設(例えば、ビニールハウス等の農業ハウス)の屋根や側壁を構成する農業用被覆資材として使用できる。
農業用樹脂フィルムは、次のような方法で丸型屋根のビニールハウス等に施工される。すなわち、まず、ビニールハウス等の骨組みに農業用樹脂フィルムの一端を仮固定する。次に、この農業用樹脂フィルムを引き伸ばして張力を掛けながら、ビニールハウス等の屋根及び側壁に展張して被せる。なお、農業用樹脂フィルムは複数枚のフィルムの端部同士を繋ぎ合わせて構成されていることがあるから、この場合には、ビニールハウスの峰にあたる直管パイプの上をなぞるように、その繋ぎ目(中継ぎ)をかぶせる。次に、ビニペットスプリング等の固定治具で農業用樹脂フィルムの端部を固定する。最後に、被せた農業用樹脂フィルムを補強するため、バンドの一端を前記固定治具に固定し、農業用樹脂フィルムの上を掛け渡して、他端を前記固定治具に固定する。
この施工方法においては、農業用樹脂フィルムをビニールハウス等の屋根及び側壁に被せる際に、これを引き伸ばして張力を掛ける必要があることから、この農業用樹脂フィルムには一定の引張伸度と引張弾性率とが求められている。従来、適切な引張伸度と引張弾性率とを有する農業用樹脂フィルムとして、ポリオレフィン系樹脂を素材とするフィルムが使用されてきた。
このように、ポリオレフィン系樹脂フィルムは適切な引張伸度と引張弾性率とを有しており、このため、農業用樹脂フィルムとして使用されてきたが、農業用樹脂フィルムはこれが外気に露出して使用されるため、適切な引張伸度や引張弾性率に加えて、さらに耐候性や耐久性等の性質が求められている。しかし、ポリオレフィン系樹脂フィルムは引張伸度と引張弾性率とに優れているものの、耐候性や耐久性には劣るのである。
そこで、耐候性や耐久性に優れる農業用樹脂フィルムとして、特許文献1,2は、フッ素樹脂を素材とするフィルムを提案している。例えば、テトラフルオロエチレンモノマー(TFE)の重合体(ETFE)あるいはTFEと他のフッ素系モノマーとの共重合体を素材とするフィルムである。
しかしながら、ETFをモノマーとするフッ素系樹脂フィルムは、耐候性や耐久性に優れるものの、引張伸度が低く、また、引張弾性率が高いため、ポリオレフィン系樹脂フィルムと同様に施工することが困難であるという問題があった。
特許第3952020号公報 特許第4063049号公報
そこで、本発明は、耐候性や耐久性に優れるフッ素系樹脂フィルムであって、しかも、適切な引張伸度と引張弾性率とを有し、このため、ポリオレフィン系農業用樹脂フィルムと同様にビニールハウス等の施設に施工することができるフィルムを提供することを目的
とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とフッ化ビニリデン(VDF)との共重合樹脂を樹脂成分の80質量%以上含有する農業用フッ素系樹脂フィルムであって、前記HFPとVDFとの合計量に対しHFPを15質量%以上含有することを特徴とする農業用フッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項2に記載の発明は、樹脂成分の残部として、アクリル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の農業用フッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項3に記載の発明は、引張伸度が300%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の農業用フッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項4に記載の発明は、引張弾性率が100MPa以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の農業用フッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項5に記載の発明は、融点が130℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の農業用フッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項6に記載の発明は、片面又は両面に親水層が塗工されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の農業用フッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項7に記載の発明は、一部に未塗工部を有することを特徴とする請求項6に記載の農業用フッ素系樹脂フィルムである。
次に、請求項8に記載の発明は、2枚の農業用フッ素系樹脂フィルムを重ね、その重ね合わせ部分を高周波誘電加熱して溶着する溶着方法であって、
前記農業用フッ素系樹脂フィルムが、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とフッ化ビニリデン(VDF)との共重合樹脂を樹脂成分の80質量%以上含有する農業用フッ素系樹脂フィルムであって、前記HFPとVDFとの合計量に対しHFPを15質量%以上含有すると共に、その融点が130℃以下であることを特徴とする農業用フッ素系樹脂フィルムの溶着方法である。
次に、請求項9に記載の発明は、前記農業用フッ素系樹脂フィルムが片面又は両面に親水層が塗工されていると共に、その一部に未塗工部を有しており、この未塗工部を前記重ね合わせ部分とすることを特徴とする請求項8に記載の農業用フッ素系樹脂フィルムの溶着方法である。
本発明の農業用樹脂フィルムは、樹脂成分の80質量%以上をヘキサフルオロプロピレン(HFP)とフッ化ビニリデン(VDF)とのフッ素系共重合樹脂であって、HFPとVDFとの合計量に対しHFPを15質量%以上含有する樹脂としており、この樹脂は、後述する実施例及び比較例から理解できるように、耐候性や耐久性に優れると共に、適切な引張伸度と引張弾性率とを有している。このため、ポリオレフィン系農業用樹脂フィルムと同様に施工することができ、しかも、こうして施工された際には、長期間に渡って使用することができる。
なお、前記フッ素系共重合樹脂の構成単位のうち、HFPとVDFとの合計量に対しHFPが15質量%に満たない場合(比較例1)には引張伸度が小さく、引張弾性率が大き
く、また、フッ素系共重合樹脂が樹脂成分の80質量%に満たない場合(比較例2)には、引張弾性率が大きく、このため、いずれの場合にも、ビニールハウス等へ展張する際にシワを発生するため、その施工が困難である。
図1は高周波誘電加熱による接合方法を示す説明図である。 図2は高周波誘電加熱による接合方法を示す説明図である。
本発明の農業用フッ素系樹脂フィルムは、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とフッ化ビニリデン(VDF)とを共重合させたフッ素系共重合樹脂を主成分とするものである。このフッ素系共重合樹脂は、HFPに由来する構成単位を、このHFPに由来する構成単位とVDFに由来する構成単位との合計量に対して15質量%以上含有している必要がある。また、このフッ素系共重合樹脂は、農業用フッ素系樹脂フィルムに含まれる樹脂成分の80質量%以上をHFPに由来する構成単位が占める必要がある。前記フッ素系共重合樹脂の構成単位のうち、HFPに由来する構成単位が15質量%に満たない場合には引張伸度が小さく、フッ素系共重合樹脂が樹脂成分の80質量%に満たない場合には、引張弾性率が大きく、このため、いずれの場合にも、ビニールハウス等への施工が困難である。これに対し、HFPに由来する構成単位が80質量%以上のフッ素系共重合樹脂が樹脂成分の80質量%以上を占める農業用フッ素系樹脂フィルムは、300%以上の引張伸度と100MPa以下の引張弾性率とを有し、このため、例えば、丸型屋根のビニールハウス等に展張することができる。
なお、このフッ素系共重合樹脂が農業用フッ素系樹脂フィルムの樹脂成分の100%を占めたものであってもよいが、このフッ素系共重合樹脂は紫外線吸収剤との親和性に乏しく、このため、前記フッ素系共重合樹脂を樹脂成分の100%として、これに紫外線吸収剤を配合すると、経時的に紫外線吸収剤がブリードアウトする。このため、紫外線吸収剤との親和性に優れた樹脂を配合することが望ましい。このような樹脂としては、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)等のアクリル系樹脂が例示できる。その配合量は、農業用フッ素系樹脂フィルムの樹脂成分の20%以下である。また、紫外線吸収剤としては、添加するアクリル系樹脂に相溶するものであれば特に限定されないが、例えばベンゾトリアゾール、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系などの有機系紫外線吸収剤を用いることができる。
本発明の農業用フッ素系樹脂フィルムは、これをそのままビニールハウス等への施工に適用してもよいが、その際には広幅のフィルムを必要とする。この要請に応えるため、複数枚の農業用フッ素系樹脂フィルムの端部同士を接合して、広幅のフィルムを製造することができる。この農業用フッ素系樹脂フィルムの接合はさまざまな方法で行うことができる。例えば、2枚のフッ素系樹脂フィルムの端部同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を熱圧して溶着する方法である。また、2枚のフッ素系樹脂フィルムの端部同士を突き合わせ、この突き合わせ部分を跨ぐようにフッ素系樹脂テープを重ね、熱圧して溶着する方法も採用できる。また、2枚のフッ素系樹脂フィルムの端部同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を高周波誘電加熱して溶着する方法も採用することが可能である。中でも、高周波誘電加熱によって接合する方法によれば、極めて短時間の内部発熱によって溶着することができるため、溶着の際にはこれらフィルムに対する負荷が小さく、溶着した重ね合わせ部分の強度が低下することがない。また、同じ理由から、溶着の後に強制冷却する必要がなく、自然冷却で接合することが可能である。
図1はこの高周波誘電加熱による接合方法を示す説明図で、2枚のフッ素系樹脂フィルム1,2の端部同士を重ね合わせ、この重ね合わせ部分を挟んで上下の電極a1,a2の
間に高周波電界を与えることにより、この重ね合わせ部分でフィルム1,2自体を発熱させて、この発熱によって溶融して接合することができる。なお、高周波電界の周波数は10〜10Hzでよい。また、溶着に要する時間は、通常、数秒である。
ところで、このような高周波誘電加熱によって接合するためには、農業用フッ素系樹脂フィルムの融点が130℃以下であることが望ましい。融点130℃以下の農業用フッ素系樹脂フィルムは、前述のフッ素系共重合樹脂を構成するHFPとVDFとの割合や、このフッ素系共重合樹脂と共に農業用フッ素系樹脂フィルムを構成するその他の樹脂の種類と配合量を調整することにより製造することが可能である。
次に、この農業用フッ素系樹脂フィルムには、親水性の塗布膜(親水層)を設けることができる。この親水層としては、例えば、竹本油脂(株)製TPP−001、丸昌産業(株)製S40、NCC(株)製NC−2等を塗工して形成すればよい。
なお、この親水層は、農業用フッ素系樹脂フィルムの両面又は片面に設けることができるが、前述のように、複数枚の農業用フッ素系樹脂フィルムを接合して広幅のフィルムを製造する場合には、その接合部分を未塗工として、農業用フッ素系樹脂フィルムを露出させ、こうして農業用フッ素系樹脂フィルムが露出した未塗工部を前記重ね合わせ部分として接合することが望ましい。図2は、農業用フッ素系樹脂フィルム1の片面に親水層11を設けると共に、その端部を未塗工部12とし、この未塗工部12に他方の農業用フッ素系樹脂フィルム2の未塗工面を重ねて、高周波誘電加熱によって接合する方法を示す説明図である。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明する。これら実施例及び比較例は、2つの実験群に分けることができる。
第1の実験群は、フッ素系共重合樹脂の種類及びその配合量を変えて農業用フッ素系樹脂フィルムを製造し、その引張伸度と引張弾性率とを評価したもので、この第1の実験群により、フッ素系共重合樹脂を構成するHFPの割合とフッ素系共重合樹脂によって引張伸度と引張弾性率とがどのように変わるかという点について評価することができる。
また、第2の実験群は、第1の実験群で高評価を得た農業用フッ素系樹脂フィルム(実施例2のフィルム)に親水層を設け、この親水層付きフィルムについて、高周波誘電加熱による接合を行ったもので、この実験により、接合が可能か否かを評価できる。
<第1の実験群>
(実施例1−1)
HFPとVDFとの共重合樹脂をフッ素系共重合樹脂として使用し、このフッ素系共重合樹脂に紫外線吸収剤を配合して、二軸押出し機で押出し、厚さ80μmの農業用フッ素系樹脂フィルムを製造した。このフッ素系共重合樹脂に含まれるHFPに由来する構成単位とVDFに由来する構成単位との合計量に対するHFPに由来する構成単位の割合(HFP含有率)は18質量%である。なお、PMMA及び紫外線吸収剤は配合しなかった。
(実施例1−2)
HFPとVDFとの共重合樹脂をフッ素系共重合樹脂として使用し、このフッ素系共重合樹脂にトリアジン系紫外線吸収剤を含むPMMAを混練し、二軸押出し機で押出して、厚さ80μmの農業用フッ素系樹脂フィルムを製造した。HFP含有率は18質量%である。また、農業用フッ素系樹脂フィルムの樹脂成分のうち、前記フッ素系共重合樹脂が占める割合(フッ素系樹脂含有率)は95質量%であり、PMMAが占める割合(PMMA
含有率)は5質量%である。紫外線吸収剤の配合量は農業用フッ素系樹脂フィルムの2質量%である。
(実施例1−3)
HFPとVDFとの共重合樹脂をフッ素系共重合樹脂として使用し、このフッ素系共重合樹脂にトリアジン系紫外線吸収剤を含むPMMAを混練し、二軸押出し機で押出して、厚さ80μmの農業用フッ素系樹脂フィルムを製造した。HFP含有率は15質量%である。フッ素系樹脂含有率95質量%、PMMA含有率は5質量%である。紫外線吸収剤の配合量は農業用フッ素系樹脂フィルムの2質量%である。
(実施例1−4)
HFPとVDFとの共重合樹脂をフッ素系共重合樹脂として使用し、このフッ素系共重合樹脂にトリアジン系紫外線吸収剤を含むPMMAを混練し、二軸押出し機で押出して、厚さ80μmの農業用フッ素系樹脂フィルムを製造した。HFP含有率は18質量%である。フッ素系樹脂含有率90質量%、PMMA含有率は10質量%である。紫外線吸収剤の配合量は農業用フッ素系樹脂フィルムの2質量%である。
(実施例1−5)
HFPとVDFとの共重合樹脂をフッ素系共重合樹脂として使用し、このフッ素系共重合樹脂にトリアジン系紫外線吸収剤を含むPMMAを混練し、二軸押出し機で押出して、厚さ80μmの農業用フッ素系樹脂フィルムを製造した。HFP含有率は18質量%である。フッ素系樹脂含有率80質量%、PMMA含有率は20質量%である。紫外線吸収剤の配合量は農業用フッ素系樹脂フィルムの2質量%である。
(比較例1−1)
この例は、HFP含有率を15質量%未満とした例である。
すなわち、HFPとVDFとの共重合樹脂をフッ素系共重合樹脂として使用し、このフッ素系共重合樹脂にトリアジン系紫外線吸収剤を含むPMMAを混練し、二軸押出し機で押出して、厚さ80μmの農業用フッ素系樹脂フィルムを製造した。HFP含有率は10質量%である。フッ素系樹脂含有率95質量%、PMMA含有率は5質量%である。紫外線吸収剤の配合量は農業用フッ素系樹脂フィルムの2質量%である。
(比較例1−2)
この例は、フッ素系樹脂含有率を80質量%未満とした例である。
HFPとVDFとの共重合樹脂をフッ素系共重合樹脂として使用し、このフッ素系共重合樹脂にトリアジン系紫外線吸収剤を含むPMMAを混練し、二軸押出し機で押出して、厚さ80μmの農業用フッ素系樹脂フィルムを製造した。HFP含有率は18質量%である。フッ素系樹脂含有率70質量%、PMMA含有率は30質量%である。紫外線吸収剤の配合量は農業用フッ素系樹脂フィルムの2質量%である。
(評価)
実施例1−1〜1−5及び比較例1−1〜1−2の農業用フッ素系樹脂フィルムについて、引張伸度、引張弾性率、剥離強度及び紫外線遮断性のそれぞれについて評価した。
なお、引張伸度については、JIS K6781の「農業用ポリエチレンフィルム」の試験方法に従い、標線間距離を25mm、引張速度を500mm/minの条件で測定した。
また、引張弾性率は以下の方法で測定した。すなわち、各実施例及び比較例の農業用フッ素系樹脂フィルムを、それぞれ、長さ200mm、幅15mmの短冊状に切り出して試験片とし、引張試験機(JIS K7127に準ずる試験機)の固定つかみ具と可動つかみ具とに、つかみ具間距離150mmで取り付けて、可動つかみ具を引張り速度10mm/分で移動させ、引張比例限度内における引張応力とこれに対応するひずみの比の値を求め、試験片三本における平均値を引張弾性率とした。
また、紫外線遮断性については、紫外可視分光光度計UV−2450(島津製)で実施例及び比較例に係る農業用フッ素樹脂フィルムの300〜350nmの全光線透過率を測定し、全光線透過率が60%以下を○、60%を超えたものを×と評価した。
この結果を表1に示す。
Figure 2019118310
この結果から、HFP含有率が15質量%に満たない場合(比較例1−1)には、引張伸度が小さく、引張弾性率が大きい。また、フッ素系樹脂含有率が80質量%に満たない場合(比較例1−2)には、引張伸度は比較的大きいものの、引張弾性率が大きい。このため、いずれの場合にも、これを引き伸ばして張力を掛けながらビニールハウス等に展張すると、シワを発生する等の不具合を生じる。これに対し、HFP含有率が15質量%以上で、かつ、フッ素系樹脂含有率が80質量%以上の場合(実施例1−1〜1−5)には、引張伸度が300%以上、引張弾性率が100MPa以下で、ビニールハウス等に良好に施工できる。このため、フッ素系樹脂フィルムの耐候性や耐久性を生かして、ビニールハウス等に良好に展張するためには、HFPを15質量%以上含有するHFPとVDFとの共重合樹脂をフッ素系樹脂として使用し、しかも、このフッ素系樹脂を80質量%以上含有するフィルムを使用すればよいことが理解できる。
なお、紫外線吸収剤を配合した場合であっても、PMMA含有率が0%の実施例1−1では、紫外線遮断性に劣ることから、紫外線遮断性を高めるためには、PMMAを混練する必要があることが理解できる。その配合率は5質量%でよい。
<第2の実験群>
第2の実験群は、前述の実施例2の農業用フッ素系樹脂フィルムを使用し、この片面に部分的に親水層を形成して、高周波誘電加熱による接合が可能か否かを調べたものである。なお、この農業用フッ素系樹脂フィルムの融点は125℃である。
まず、実施例2の農業用フッ素系樹脂フィルムの片面に、竹本油脂(株)製TPP−001を塗布して、親水層を形成した。親水層の厚みは0.25μmで、端部に未塗工部を残した。
(実施例2−1)
こうして親水層を形成したフィルムを農業用フッ素系樹脂フィルム1,2とし、図2に示すように、その一方のフィルム1の未塗工部12に他方のフィルム2の未塗工の裏面を重ね、この重ね合わせ部分を挟んで上下の電極a1,a2の間に高周波電界を与えて両フィルム1,2を溶着することにより、広幅のフィルムを製造した。その出力は1.1A、圧着時間は4秒、冷却時間は3秒である。なお、重ね合わせ部分、すなわち、溶着した部分は、フィルム1,2の端部からそれぞれ幅30mmの範囲である。
(実施例2−2)
一方のフィルムの親水層塗工部11に他方のフィルム2の未塗工の裏面を重ねた点を除き、実施例2−1と同様にて両フィルム1,2を溶着した。
(評価)
これら実施例2−1及び実施例2−2のフィルムについて、接合部の破断点応力と剥離強度とを測定した。
まず、破断点応力については、溶着した部分に垂直な方向に幅15mmで切断してサンプル片を作製し、500mm/minの引張速度で垂直方向に引っ張って測定した。
また、剥離強度は以下の方法で測定した。すなわち、各実施例及び比較例の農業用フッ素系樹脂フィルムを、それぞれ、長さ100mm、幅15mmの短冊状に切り出して試験片とし、JIS−K−7127に準拠して、引張り速度300mm/minでT字剥離を行い、融着部分の剥離強度(N/15mm)を測定した。
この結果を表2に示す。
Figure 2019118310
この結果から、未塗工部同士を重ねて溶着した場合(実施例2−2)には強固に接合できるが、親水層塗工部を重ねて溶着した場合(実施例2−2)には接合できないことが理解できる。このため、このフィルムを接合することなく農業用樹脂フィルムとして使用する場合には、そのまま良好に施工することができるが、接合して広幅のフィルムを作製して使用する場合には、未塗工部同士を重ねて接合することが必要であると理解できる。
1:農業用フッ素系樹脂フィルム 11:親水層 12:親水層未塗工部
2:農業用フッ素系樹脂フィルム 21:親水層
a1:電極 a2:電極

Claims (9)

  1. ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とフッ化ビニリデン(VDF)との共重合樹脂を樹脂成分の80質量%以上含有する農業用フッ素系樹脂フィルムであって、前記HFPとVDFとの合計量に対しHFPを15質量%以上含有することを特徴とする農業用フッ素系樹脂フィルム。
  2. 樹脂成分の残部として、アクリル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の農業用フッ素系樹脂フィルム。
  3. 引張伸度が300%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の農業用フッ素系樹脂フィルム。
  4. 引張弾性率が100MPa以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の農業用フッ素系樹脂フィルム。
  5. 融点が130℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の農業用フッ素系樹脂フィルム。
  6. 片面又は両面に親水層が塗工されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の農業用フッ素系樹脂フィルム。
  7. 一部に未塗工部を有することを特徴とする請求項6に記載の農業用フッ素系樹脂フィルム。
  8. 二枚の農業用フッ素系樹脂フィルムを重ね、その重ね合わせ部分を高周波誘電加熱して溶着する溶着方法であって、
    前記農業用フッ素系樹脂フィルムが、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とフッ化ビニリデン(VDF)との共重合樹脂を樹脂成分の80質量%以上含有する農業用フッ素系樹脂フィルムであって、前記HFPとVDFとの合計量に対しHFPを15質量%以上含有すると共に、その融点が130℃以下であることを特徴とする農業用フッ素系樹脂フィルムの溶着方法。
  9. 前記農業用フッ素系樹脂フィルムが片面又は両面に親水層が塗工されていると共に、その一部に未塗工部を有しており、この未塗工部を前記重ね合わせ部分とすることを特徴とする請求項8に記載の農業用フッ素系樹脂フィルムの溶着方法。
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