JP6282420B2 - オレフィン系樹脂フィルム - Google Patents
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Description
しかし、高周波ウェルダー加工は、塩化ビニル樹脂、エチレン−メタクリレート共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等の極性のある樹脂であれば、溶着できるものの、耐傷性に優れるポリエチレンやポリプロピレン等の極性のない樹脂を溶着することはできない。
そのため、名札ケースやクリアファイルに用いるオレフィン系樹脂フィルムとして、高周波ウェルダー適性に優れる極性を有する樹脂を中間層とし、該層の両面に耐傷性に優れる樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂)の層を設けることにより製造される、高周波ウェルダー適性に優れ且つ耐傷性を備える3層のオレフィン系樹脂フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような問題を受けて、石油由来の材料から再生可能なバイオマスを利用した産業体系への移行が求められている。
(1)バイオエタノールから合成されたポリエチレンからなる上下層と、エチレン系共重合体からなる中間層とから構成され、高周波ウェルダー溶着性を有することを特徴とするオレフィン系樹脂フィルム、
(2)前記上下層は、アイオノマー樹脂が1〜15重量%含有されてなることを特徴とする(1)記載のオレフィン系樹脂フィルム、
(3)前記中間層を構成するエチレン系共重合体の酸含有量が10重量%以上であることを特徴とする(1)または(2)記載のオレフィン系樹脂フィルム。
また、本発明のオレフィン系樹脂フィルムは、低温での強度に優れ、そのため、冬場においても割れを起こし難く、また、高温での寸法安定性に優れ、そのため、高温加工での使用に有利である。
さらに、本発明においては、バイオエタノールから合成されたポリエチレン、いわゆるバイオマスプラスチックをフィルムの構成材として使用する。バイオマスプラスチックは、焼却しても大気中に新たな二酸化炭素を発生することがないため、本発明により環境負荷が低減されたオレフィン系樹脂フィルムを提供することができる。
バイオエタノールから合成されたポリエチレンは、理由は定かではないが、他の汎用のポリエチレン、例えば石油の精製などにより得られたエチレンとコモノマー種のα−オレフィンとをメタロセン触媒の存在下で重合して得られる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などと比較して、高周波ウェルダー適性が優れる。
上記バイオエタノールから合成されたポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などが挙げられるが、融点が低く高周波ウェルダー性が特に優れることから直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。
上下層に含まれるアイオノマー樹脂の含量は、1重量%以上で効果が得られるものであり、その具体的な範囲は、1〜15重量%である。15重量%を超えると、透明性が損なわれる傾向にある。
また、アイオノマー樹脂は、エチレン系の2元共重合体または3元共重合体を金属イオンで架橋することにより調製されるものであるが、本発明においては、カリウムイオンによって架橋されたものが好ましく用いられる。カリウムイオンで架橋されたアイオノマーは、他の金属イオン(例えば、亜鉛イオン、ナトリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン等)で架橋された場合と比較して、得られるアイオノマー樹脂の誘電率が高いため、高周波ウェルダー性が高いものとなる。
エチレン系共重合体としては、高周波ウェルダー溶着性を有するエチレン系共重合体であれば特に限定されないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
好ましいエチレン系共重合体としては、柔軟で極性が高いエチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、酢酸ビニルの含量が10重量%以上のもの、特に10〜35重量%の範囲のものが好ましい。
アイオノマー樹脂としては、上記上下層で使用されるものと同様であり、2元共重合体としては、エチレン及び(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸アクリルエステルを重合体を構成するモノマー成分とする重合体が挙げられ、3元共重合体としては、エチレン、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸アクリルエステル及び(メチル)アクリル酸又は(メチル)アクリル酸アクリルエステルを重合体を構成するモノマー成分とする重合体が挙げられる。
金属イオンとしては、カリウムイオン、亜鉛イオン、ナトリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン等が挙げられるが、カリウムイオンが好ましい。
アイオノマー樹脂を添加する場合、その含有量は1〜15重量%の範囲である。
なお、上層と下層の厚さや樹脂組成は、必ずしも同じである必要はない。
表1に記載の配合処方よりなる樹脂組成物を、T−ダイ押出成形し、層比が上層:中間層:下層=1:8:1、厚さ200μmのフィルムを作製した。
なお、表1中の数値の単位は「重量%」である。
ポリエチレン1を90重量%、アイオノマー1を10重量%含有してなる樹脂組成物を、T−ダイ押出成形し、厚さ200μmの単層フィルムを作製した。
エチレン系共重合体1からなる樹脂組成物を、T−ダイ押出成形し、厚さ200μmの単層フィルムを作製した。
・ ポリエチレン1
Braskem社製 SLL218(サトウキビから作られたバイオエタノールから 合成された直鎖状低密度ポリエチレン)
・ ポリエチレン2
Braskem社製 SGF4950(サトウキビから作られたバイオエタノールか ら合成された高密度ポリエチレン)
・ ポリエチレン3
住友化学社製 スミカセンE FV401(石油由来の直鎖状低密度ポリエチレン)
・ アイオノマー1
酸含有量12重量%のエチレン−メタクリル酸共重合体をカリウムイオンで架橋した アイオノマー、MFR:5.0g/10min(230℃×2.16kgf)
・ アイオノマー2
酸含有量12重量%のエチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体を亜鉛 イオンで架橋したアイオノマー、MFR:1.0g/min(230℃×2.16k gf)
・ アイオノマー3
酸含有量7重量%のエチレン−メタクリル酸共重合体をナトリウムイオンで架橋した アイオノマー、MFR:0.9g/min(230℃×2.16kgf)
・ エチレン系共重合体1
三井デュポンポリケミカル社製 エバフレックスEV430RC(エチレン−酢酸ビ ニル共重合体 酢酸ビニル含有量:19重量%)
・ エチレン系共重合体2
宇部丸善ポリエチレン社製 UBEポリエチレンV206(エチレン−酢酸ビニル共 重合体 酢酸ビニル含有量:6重量%)
出力4Wの高周波ウェルダー装置を用いて、フィルムを二枚重ねにして溶着した際の同調率及び溶着時間を測定し、以下の基準で評価した。
◎ 同調率60、発信時間2秒で溶着
○ 同調率60、発信時間4秒で溶着
△ 同調率65、発信時間4秒で溶着
× 溶着しない
学振型摩擦試験機で、綿布を使用し、荷重500gで100回摩擦した後のフィルムの表面状態を目視により観察し、以下の基準で評価した。
○ 傷の発生がほとんどない
× 傷が目立つ
ヘイズメーターにてヘイズ値を測定し、以下の基準で評価した。
○ ヘイズ値が10%以下
× ヘイズ値が10%を超える
Claims (3)
- バイオエタノールから合成されたポリエチレンからなる上下層と、エチレン系共重合体からなる中間層とから構成され、高周波ウェルダー溶着性を有することを特徴とするオレフィン系樹脂フィルム。
- 前記上下層は、アイオノマー樹脂が1〜15重量%含有されてなることを特徴とする請求項1記載のオレフィン系樹脂フィルム。
- 前記中間層を構成するエチレン系共重合体の酸含有量が10重量%以上であることを特徴とする請求項1または2記載のオレフィン系樹脂フィルム。
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