JP7287023B2 - 紙容器用ラミネートフィルム及びラミネート紙容器 - Google Patents

紙容器用ラミネートフィルム及びラミネート紙容器 Download PDF

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Description

本発明は、紙容器用ラミネートフィルム及びラミネート紙容器に関する。
近年、包装材料の環境問題から、使用済容器の易廃棄性や、リサイクル適正が求められている。この点において、紙容器は、容器を展開して折り畳むことが可能なため、嵩張らず、また軽量で、易燃焼性であるため、易廃棄性やリサイクル適正に優れており、例えば、乳飲料、果実飲料、酒等の液体用容器として広く用いられている。
これらの紙容器には、内容物の保存性を保つため、水蒸気や酸素に対するバリア性を有するフィルムが紙容器の内面側にラミネートされている。この紙容器用ラミネートフィルムとしては、水蒸気や酸素に対するバリア性の他、容易成形性を有するものが提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
特開2004-268441号公報 特開2006-205593号公報 特開2003-334893号公報
紙容器用ラミネートフィルムの場合、紙容器と加熱密着させて成形するが、紙容器用ラミネートフィルムの成形性が悪いと、紙容器用ラミネートフィルムと紙容器との密着性が悪く、紙容器の角部等にフィルムが密着しなかったり、フィルムにピンホールが発生したりするという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、成形性に優れた紙容器用ラミネートフィルムと、これを用いたラミネート紙容器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 外層(A)、ガスバリア層(B)及び内層(C)がこの順に積層されて構成された紙容器用ラミネートフィルムであって、
前記外層(A)は、融点が110℃以上の樹脂を含み、
前記内層(C)は、極性基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を含み、
前記紙容器用ラミネートフィルムを、その前記内層(C)側を前記紙容器に相対させて配置し、前記紙容器用ラミネートフィルム及び紙容器を、216℃で加熱ラミネートすることにより、前記紙容器用ラミネートフィルム及び紙容器を成形及び密着させた後、前記内層(C)と紙容器との剥離強度を測定したとき、前記剥離強度が1N/15mm以上となる、紙容器用ラミネートフィルム。
[2] 前記外層(A)と前記内層(C)との間に、さらに、アイオノマー樹脂、エチレン-メタクリル酸共重合体、及びエチレン-酢酸ビニル共重合体からなる群より選択される1種又は2種以上を含む中間層(D)が積層されている、[1]に記載の紙容器用ラミネートフィルム。
[3] 前記変性ポリオレフィン系樹脂が、カルボキシ基、又は2個のカルボキシ基が無水物化された基、を有するモノマーから誘導された構成単位を有する、[1]または[2]に記載の紙容器用ラミネートフィルム。
[4] 前記中間層(D)の厚さが、前記紙容器用ラミネートフィルム全体の厚さの10%以上50%以下である、[2]に記載の紙容器用ラミネートフィルム。
[5] [1]~[4]のいずれか一項に記載の紙容器用ラミネートフィルム中の内層(C)と、紙容器と、がラミネートされて構成された、ラミネート紙容器。
本発明によれば、成形性に優れた紙容器用ラミネートフィルムと、これを用いたラミネート紙容器を提供することができる。本発明の紙容器用ラミネートフィルムは成形性に優れるため、これを用いた紙容器は、紙容器用ラミネートフィルムと紙容器との密着性が高く、また、ピンホールの発生が抑制される。
本発明の一実施形態に係る紙容器用ラミネートフィルムを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る紙容器用ラミネートフィルムを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る紙容器用ラミネートフィルムを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る紙容器用ラミネートフィルムを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る紙容器用ラミネートフィルムを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るラミネート紙容器を模式的に示す断面図である。
<<紙容器用ラミネートフィルム>>
本発明の一実施形態に係る紙容器用ラミネートフィルムは、外層(A)、ガスバリア層(B)及び内層(C)がこの順に積層されて構成され、前記外層(A)は、融点が150℃以上の樹脂を含み、前記内層(C)は、極性基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を含み、前記紙容器用ラミネートフィルムを、その前記内層(C)側を前記紙容器に相対させて配置し、前記紙容器用ラミネートフィルム及び紙容器を、216℃で加熱ラミネートすることにより、前記紙容器用ラミネートフィルム及び紙容器を成形及び密着させた後、前記内層(C)と紙容器との剥離強度を測定したとき、前記剥離強度が1N/15mm以上となる。
本実施形態の紙容器用ラミネートフィルムは、その前記内層(C)側を前記紙容器に相対させて配置し、前記紙容器用ラミネートフィルム及び紙容器を、216℃で加熱ラミネートすることにより、前記紙容器用ラミネートフィルム及び紙容器を成形及び密着させた後、前記内層(C)と紙容器との剥離強度を測定したとき、前記剥離強度が1N/15mm以上、好ましくは2N/15mm以上となるため、紙容器用ラミネートフィルムと紙容器を加熱ラミネートして得られたラミネート紙容器に、内容物を充填して、蓋材を熱シールした包装体において、前記蓋材を前記ラミネート紙容器から剥離した際に、前記内層Cと紙容器とが剥離することを防止することができる。
前記剥離強度は、以下のようにして測定することができる。
前記紙容器用ラミネートフィルム及び紙容器を、216℃で加熱ラミネートし、得られた紙容器から、幅15mmの試験片を切り取る。得られた試験片から紙容器と前記内層Cとが180°の角度を成すように引き剥がして、このとき生じた剥離面の両方の端部を、引張試験機の両つかみ具に取り付ける。その後、速度200mm/分で引張応力を加えることにより、紙容器と前記内層Cとをさらに引き剥がして、前記内層Cと紙容器とを完全に剥離させて、その間の最大応力を求め、これを剥離強度とした。
本実施形態の紙容器用ラミネートフィルムは、前記紙容器用ラミネートフィルムの内層(C)と、紙容器と、をラミネートすることによりラミネート紙容器を構成できる。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。なお、以降の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態に係る紙容器用ラミネートフィルムを模式的に示す断面図である。
ここに示す紙容器用ラミネートフィルム1は、外層13、ガスバリア層12及び内層11がこの順に積層されて構成されている。紙容器用ラミネートフィルム1において、外層13は一方の最表層であり、内層11は他方の最表層である。内層11は、紙容器とラミネートされる。
また、紙容器用ラミネートフィルムは、外層13と内層11の間にさらに、中間層14が積層されていてもよい。例えば、図2に示す紙容器用ラミネートフィルム2は、中間層14が、ガスバリア層12と外層13との間に積層されている。また、図3に示す紙容器用ラミネートフィルム3は、中間層14が、ガスバリア層12と内層11との間に積層されている。さらに、各層の間には接着層が積層されていてもよい。例えば、図4に示す紙容器用ラミネートフィルム4は、内層11とガスバリア層12との間と、ガスバリア層12と中間層14との間と、に接着層15がそれぞれ積層されている。図5に示す紙容器用ラミネートフィルム5は、中間層14とガスバリア層12との間と、ガスバリア層12と外層13との間と、に接着層15がそれぞれ積層されている。
<外層>
外層13は、紙容器の内容物と直接接する層であり、融点が110℃以上、好ましくは、135℃以上、さらに好ましくは、150℃以上である樹脂を含む。紙容器用ラミネートフィルムは、加圧成型によりラミネート紙容器を製造するに際して、熱板で加熱軟化させた後に、加圧成型し、紙との接着を行うが、熱板に隣接する外層13の加熱軟化時のドローダウンによる熱板の接触を防止するため、耐熱性は高いことが好ましい。また、昨今、内容物を加熱するに当たり、紙容器ごと電子レンジで加熱することが主流となっているため、内容物に接する外層13は、電子レンジ加熱時に耐熱性が高いことが好ましい。外層13の融点が上記下限値以上であることにより、外層13は耐熱性に優れる。
外層13に用いることが可能な樹脂としては融点が150℃以上の樹脂であれば特に制限はされないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂は、少なくとも、オレフィンから誘導された構成単位を有する樹脂であり、オレフィンから誘導された構成単位のみを有していてもよいし、オレフィンから誘導された構成単位と、それ以外の構成単位と、をともに有していてもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(以下、LDPE樹脂と記載する。)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下、LLDPE樹脂と記載する。)、中密度ポリエチレン樹脂(以下、MDPE樹脂と記載する。)、高密度ポリエチレン樹脂(以下、HDPE樹脂と記載する。)、ポリプロピレン樹脂(以下、PP樹脂と記載する。)等のポリオレフィン樹脂、及び、エチレン共重合体である、エチレン-酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA樹脂」と記載する。)、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(以下、「EMMA樹脂」と記載する。)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(以下、「EEA樹脂」と記載する。)、エチレン-メチルアクリレート共重合体(以下、「EMA樹脂」と記載する。)、エチレン-エチルアクリレート-無水マレイン酸共重合体(以下、「E-EA-MAH樹脂」と記載する。)、エチレン-アクリル酸共重合体(以下、「EAA樹脂」と記載する。)、エチレン-メタクリル酸共重合体(以下、「EMAA樹脂」と記載する。)、アイオノマー(以下、「ION樹脂」と記載する。)等のポリオレフィン系樹脂が好適である。外層13は、ポリオレフィン樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上を含んでいても良い。なかでも、LLDPE樹脂、又はPP樹脂を用いることで、前記紙容器用ラミネートフィルム又はラミネート紙容器の耐熱性をより良好にすることができる。とくに、PP樹脂は、電子レンジでの加熱において耐熱性を有するため好ましい。ここで言うLLDPE樹脂は、メタロセン触媒にて製造されたメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(mLLDPE樹脂)も含む。前記ION樹脂とは、エチレンと少量のアクリル酸又はメタクリル酸との共重合体を、酸部分と金属イオンとの塩形成によってイオン橋かけ構造にしたものを意味する。ION樹脂の分子鎖間を架橋する金属陽イオンとしてはNa+、Zn2+等があるがいずれのタイプでも良い。
外層13が含む融点が150℃以上の樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
外層13は、融点が150℃以上の樹脂のみを含んでいてもよい(すなわち、融点が150℃以上の樹脂からなるものであってもよい)し、融点が150℃以上の樹脂と、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、融点が150℃以上の樹脂と、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
外層13が含む前記他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、例えば、樹脂成分及び非樹脂成分のいずれであってもよい。
樹脂成分である前記他の成分は、融点が150℃未満の樹脂である。
非樹脂成分である前記他の成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤が挙げられる。
前記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
外層13が含む他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
外層13における、外層13の全質量に対する、融点が150℃以上の樹脂の含有量の割合は、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、65質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、外層13の耐熱性がより高くなる。
外層13は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。外層12が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
外層13の厚さは、10μm以上110μm以下であることが好ましく、15μm以上90μm以下であることがより好ましく、50μm以上75μm以下であることがさらに好ましい。外層13の厚さが前記下限値以上であることで、紙容器に蓋材を熱シールした時に十分なシール強度を得ることができる。外層13の厚さが前記上限値以下であることで、外層13が過剰な厚さとなることが抑制される。
ここで、「外層13の厚さ」とは、外層13全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる外層13の厚さとは、外層13を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
紙容器用ラミネートフィルム1~5全体の厚さに対する、外層13の厚さの割合は、特に限定されないが、10%以上であることが好ましく、12%以上88%以下であることがより好ましく、40%以上70%以下であることがさらに好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、紙容器に蓋材を熱シールした時に十分なシール強度を得ることができる。一方、前記割合が前記上限値以下であることで、外層13が過剰な厚さとなることが抑制される。
<ガスバリア層>
紙容器用ラミネートフィルム1~5は、ガスバリア層12を含む。紙容器用ラミネートフィルム1~5がガスバリア層12を含むことにより、紙容器用ラミネートフィルム1~5に強い酸素バリア性(換言すると、酸素ガスの透過を抑制する性質)を付与することができる。
ガスバリア層12は、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(本明細書においては、「EVOH」と略記することがある)を含むことが好ましい。
ガスバリア層12は、EVOHのみを含んでいてもよい(すなわち、EVOHからなるものであってもよい)し、EVOHと、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、EVOHと、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
ガスバリア層12が含む前記他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、例えば、樹脂成分及び非樹脂成分のいずれであってもよい。
樹脂成分である前記他の成分は、EVOH以外の樹脂である。
非樹脂成分である前記他の成分としては、例えば、外層13が含む他の成分として先に挙げた添加剤と同じものが挙げられる。
ガスバリア層12が含む他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
ガスバリア層12における、ガスバリア層12の全質量に対する、EVOHの含有量の割合は、3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、4質量%以上24質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上23質量%以下であることがさらに好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、紙容器用ラミネートフィルム1~5により強い酸素バリア性を付与することができる。前記割合が前記上限値以下であることで、紙容器とのラミネート時の追随性低下を抑制できる。
ガスバリア層12は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。ガスバリア層12が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
ガスバリア層12の厚さは、2μm以上100μm以下であることが好ましく、3μm以上90μm以下であることがより好ましく、4μm以上80μm以下であることがさらに好ましい。ガスバリア層12の厚さが前記下限値以上であることで、紙容器用ラミネートフィルム1~5により強いガスバリア性を付与することができる。ガスバリア層12の厚さが前記上限値以下であることで、ガスバリア層12が過剰な厚さとなることが抑制される。
ここで、「ガスバリア層12の厚さ」とは、ガスバリア層12全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなるガスバリア層12の厚さとは、ガスバリア層12を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
(内層)
内層11は、極性基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を含む。内層11は、紙容器と接着する層であり、紙との接着性を有する。内層11が変性ポリオレフィン系樹脂を含むことによって、紙容器との接着性に優れる。
変性ポリオレフィン系樹脂は、カルボキシ基、又は2個のカルボキシ基が無水物化された基、を有するモノマーから誘導された構成単位を有することが好ましい。
カルボキシ基、又は2個のカルボキシ基が無水物化された基、を有するモノマーから誘導された構成単位を有する変性ポリオレフィン系樹脂としては、変性ポリプロピレン系樹脂、変性ポリエチレン系樹脂が好ましい。変性ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレン-α-オレフィン共重合体、プロピレンとエチレンとα-オレフィンとの3元共重合体等のポリプロピレン系樹脂に、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸又はその酸無水物を、グラフト共重合した変性重合体等が挙げられる。変性ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-αオレフィン共重合体等のポリエチレン系樹脂に、マレイン酸、フマル酸等の不飽和刈るボン酸又はその酸無水物を、グラフト共重合した変性重合体等が挙げられる。
内層11は、変性ポリオレフィン系樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上を含んでいても良い。
内層11は、極性基を有する変性ポリオレフィン系樹脂のみを含んでいてもよい(すなわち、極性基を有する変性ポリオレフィン系樹脂からなるものであってもよい)し、極性基を有する変性ポリオレフィン系樹脂と、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、極性基を有する変性ポリオレフィン系樹脂と、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
内層11が含む前記他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、例えば、樹脂成分及び非樹脂成分のいずれであってもよい。
樹脂成分である前記他の成分は、極性基を有する変性ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂である。
非樹脂成分である前記他の成分としては、例えば、外層13が含む他の成分として先に挙げた添加剤と同じものが挙げられる。
内層11が含む他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
内層11における、内層11の全質量に対する、極性基を有する変性ポリオレフィン系樹脂の含有量の割合は、85質量%以上100質量%以下であることが好ましく、90質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、紙容器用ラミネートフィルム1~5と紙容器との接着性がより高くなる。
紙容器用ラミネートフィルム1~5全体の厚さに対する、内層11の厚さの割合は、特に限定されないが、5%以上であることが好ましく、7%以上50%以下であることがより好ましく、10%以上30%以下であることがさらに好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、紙との接着強度をより向上させることができる。一方、前記割合が前記上限値以下であることで、内層11が過剰な厚さとなることが抑制される。内層11の厚さは、紙容器用ラミネートフィルム1~5全体の厚さに対する、内層11の厚さの割合が上記範囲内であれば、特に制限はないが、5~25μmが好ましく、5~20μmがより好ましい。
<中間層>
中間層14は、紙容器用ラミネートフィルム1~5に成形加工性を付与し、また、紙容器用ラミネートフィルム1~5においてピンホールの発生を抑制する。
中間層14は、その構成材料として、低温で成形できる樹脂を含むことが好ましい。
前記樹脂としては、例えば、ION樹脂、EMAA樹脂、EVA樹脂等が挙げられるが、ION樹脂がより好ましい。これらの樹脂は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ION樹脂としては、例えば、外層13が含むものとして先に説明したION樹脂と、同様のものが挙げられる。
中間層14が含む前記樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
紙容器用ラミネートフィルムは、加圧成型によりラミネート紙容器を製造するに際して、熱板で加熱軟化させた後に、加圧成型し、紙との接着を行うため、高温で紙と接着させると紙が焼ける可能性がある。そのため、中間層としては、低温で成形できる上述の樹脂が好ましい。
中間層14は、その効果を損なわない範囲で、前記樹脂以外に、他の成分を含有していてもよい。
中間層14が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
中間層14において、中間層14の総質量に対する、前記樹脂の含有量の割合は、50~100質量%であることが好ましく、70~100質量%であることがより好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、低温で成形できる効果が、より高くなる。
中間層14が含有する前記他の成分としては、例えば、酸化防止剤等が挙げられる。
中間層14は、1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。中間層14が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
紙容器用ラミネートフィルム1~5全体の厚さに対する、中間層14の厚さの割合は、特に限定されないが、10%以上50%以下であることが好ましく、12%以上45%以下であることがより好ましく、14%以上40%以下であることがさらに好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、紙容器用ラミネートフィルム1~5が中間層14を備えていることにより得られる効果が、より高くなる。一方、前記割合が前記上限値以下であることで、中間層14が過剰な厚さとなることが抑制される。中間層14の厚さは、紙容器用ラミネートフィルム1~5全体の厚さに対する、中間層14の厚さの割合が上記範囲内であれば、特に限定されないが、3~40μmであることが好ましく、5~30μmであることがより好ましく、10~25μmであることが特に好ましい。
中間層14が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の好ましい中間層14の厚さとなるようにするとよい。
<接着層>
接着層15は、接着剤を含む。
接着層15は、その両面に隣接する2層を接着する。紙容器用ラミネートフィルム4において、内層11とガスバリア層12との間に積層されている接着層15は、内層11とガスバリア層12とを接着し、ガスバリア層12と中間層14との間に配置されている接着層15は、ガスバリア層12と中間層14とを接着し、紙容器用ラミネートフィルム5において、ガスバリア層12と中間層14との間に配置されている接着層15は、ガスバリア層12と中間層14とを接着し、外層13とガスバリア層12との間の接着層15は、外層13とガスバリア層12とを接着している。
これら2箇所の接着層15は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
接着層15が含む前記接着剤は、接着対象の2層を十分な強度で接着できるものであれば、特に限定されない。
前記接着剤としては、例えば、オレフィン系樹脂(すなわち、1種又は2種以上のモノマーであるオレフィンの重合体)等の接着樹脂が挙げられる。
前記オレフィン系樹脂として、より具体的には、例えば、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、ブテン系共重合体等が挙げられる。
前記エチレン系共重合体とは、エチレンと、エチレン以外のモノマーと、の共重合体である。
前記プロピレン系共重合体とは、プロピレンと、プロピレン以外のモノマーと、の共重合体である。
前記ブテン系共重合体とは、ブテンと、ブテン以外のモノマーと、の共重合体である。
前記エチレン系共重合体としては、例えば、エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。
エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体としては、例えば、無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン、EVA樹脂、EMMA樹脂、EEA樹脂、EMA樹脂、E-EA-MAH樹脂、EAA樹脂、EMAA樹脂、ION樹脂、エチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
接着層15は、接着剤のみを含んでいてもよい(すなわち、接着剤からなるものであってもよい)し、接着剤と、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、接着剤と、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
接着層15が含む接着剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
接着層15が含む前記他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、例えば、樹脂成分及び非樹脂成分のいずれであってもよい。
接着層15が含む前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
接着層15における、接着層15の全質量に対する、接着剤の含有量の割合は、例えば、50質量%以上100質量%以下であってもよい。
接着層15は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。接着層15が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
接着層15の厚さは、4μm以上96μm以下であることが好ましく、7μm以上93μm以下であることがより好ましく、10μm以上90μm以下であることがさらに好ましい。接着層15の厚さが前記下限値以上であることで、接着対象の2層の接着強度がより高くなる。接着層15の厚さが前記上限値以下であることで、接着層15が過剰な厚さとなることが抑制される。
ここで、「接着層15の厚さ」とは、接着層15全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる接着層15の厚さとは、接着層15を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
紙容器用ラミネートフィルム1~5は、吸収線量20kGy以上130kGy以下の条件で電子線照射されていてもよい。紙容器用ラミネートフィルム1を20kGy以上130kGy以下で電子線照射することにより、紙容器用ラミネートフィルム1の架橋密度を向上させることができる。その結果、フィルムの耐熱性が向上し、より高温短時間で加熱ラミネートが可能となる。
<他の層>
紙容器用ラミネートフィルム1~5は、本発明の効果を損なわない範囲内において、内層11と、ガスバリア層12と、外層13と、中間層14と、接着層15と、のいずれにも該当しない、他の層を備えていてもよい。
前記他の層は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
前記他の層は、1層(単層)でもよいし、2層以上の複数層でもよい。前記他の層が複数層である場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。また、これら複数層は、連続して積層されていてもよいし、前記他の層以外の層を間に挟んで互いに離間して積層されていてもよい。
また、紙容器用ラミネートフィルム1~5は、前記他の層を備えている場合、前記他の層をそれ以外の層と接着するための接着層(例えば、接着層15等)をさらに備えていてもよい。
紙容器用ラミネートフィルム1~5全体の厚さは、30μm以上であることが好ましく、70μm以上300μm以下であることがより好ましく、100μm以上220μm以下であることがさらに好ましい。紙容器用ラミネートフィルム1~5全体の厚さが前記下限値以上であることで、紙容器用ラミネートフィルム1~5の強度を向上させることができる。紙容器用ラミネートフィルム1~5全体の厚さが前記上限値以下であることで、紙容器用ラミネートフィルム1~5が過剰な厚さとなることが抑制される。
本実施形態の紙容器用ラミネートフィルムは、上述のものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
<<紙容器用ラミネートフィルムの製造方法>>
本実施形態の紙容器用ラミネートフィルムは、例えば、数台の押出機を用いて、各層の形成材料となる樹脂や樹脂組成物等を溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法等により、製造できる。
また、本実施形態の紙容器用ラミネートフィルムは、その中のいずれかの層の形成材料となる樹脂や樹脂組成物等を、紙容器用ラミネートフィルムを構成するための別の層の表面にコーティングして、必要に応じて乾燥させることにより、紙容器用ラミネートフィルム中の積層構造を形成し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。
また、本実施形態の紙容器用ラミネートフィルムは、そのうちのいずれか2層以上を構成するための2枚以上のフィルムをあらかじめ別々に作製しておき、接着剤を用いてこれらフィルムを、ドライラミネート法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネート法及びウェットラミネート法のいずれかによって貼り合わせて積層し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。このとき、接着剤として、前記接着層を形成可能なものを用いてもよい。
また、本実施形態の紙容器用ラミネートフィルムは、上記のように、あらかじめ別々に作製しておいた2枚以上のフィルムを、接着剤を用いずに、サーマル(熱)ラミネート法等によって貼り合わせて積層し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。
本実施形態の紙容器用ラミネートフィルムを製造するときには、ここまでに挙げた、紙容器用ラミネートフィルム中のいずれかの層(フィルム)の形成方法を、2以上組み合わせてもよい。
<<ラミネート紙容器>>
本発明の一実施形態に係るラミネート紙容器は、上述の本発明の一実施形態に係る紙容器用ラミネートフィルムを備えたものである。
図6は、本発明の一実施形態に係るラミネート紙容器を模式的に示す断面図である。
なお、図6において、図1~図5に示すものと同じ構成要素には、図1~図5の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここに示すラミネート紙容器10は、図1~図5に示す紙容器用ラミネートフィルム1~5と、紙容器6と、を備えて構成されている。
紙容器用ラミネートフィルム1~5が成形性に優れるため、ラミネート紙容器10においては、紙容器用ラミネートフィルム1~5と紙容器6との密着性が高く、また、ピンホールの発生が抑制される。
なお、図6においては、紙容器用ラミネートフィルム1~5中の各層の表示を省略している。
紙容器6を製造する際の基材としては、古紙パルプでもバージンパルプでもよく、これらを適宜混合したパルプを使用してもよく、例えば、カード紙、パルプモールド等が挙げられる。紙容器6は、例えば、板紙を、所望の形状となるように切込みを入れ、組み立てたものであってもよく、所望の形状になるように型に入れて成形したものであってもよい。
紙容器6の坪量は、200~500g/mであることが好ましく、250g~450g/mであることがより好ましく、300~400g/mであることがさらに好ましい。紙容器用の坪量が前記下限値以上であることで、紙容器の強度を向上させることができる。紙容器の坪量が前記上限値以下であることで、紙容器6が過剰な厚さとなることが抑制される。
本実施形態のラミネート紙容器は、上述のものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
<<ラミネート紙容器の製造方法>>
本実施形態のラミネート紙容器は、前記紙容器を成形型にセットし、紙容器の上部に前記紙容器用ラミネートフィルムを、その内層側が紙容器に相対するように配置し、熱板で紙容器用ラミネートフィルムを205~216℃で加熱軟化させ、圧力1.0~2.5kgf、好ましくは、1.5~2.0kgfで加圧して、紙容器用ラミネートフィルムを紙容器に密着させ、その状態で5~10秒間保持することにより、紙容器用ラミネートフィルムと紙容器とを接着することにより、製造できる。
紙容器の重量に対する紙容器用ラミネートフィルムの重量の比率(紙容器用ラミネートフィルム重量/紙容器重量;以下プラ率と称する)は、50%以下、好ましくは、25%以下である。プラ率が上限値以下であると、本紙容器の材質を紙材として分別廃棄が可能となる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<<紙容器用ラミネートフィルム及びラミネート紙容器の製造>>
[実施例1]
以下に示す手順で、図4又は図5に示す構造の紙容器用ラミネートフィルム、及び、図6に示す構造のラミネート紙容器を製造した。
<紙容器用ラミネートフィルムの製造>
内層を構成する樹脂として、エチレン系コポリマー(日本ポリエチレン社製、レクスパールET220X)を準備した。
外層を構成する樹脂として、ホモポリプロピレン(住友化学社製、ノーブレンFS2011DG2)を準備した。
中間層を構成する物質として、アイオノマー(三井デュポンポリケミカル株式会社製、1601)を準備した。
ガスバリア層を構成する樹脂として、EVOH(日本合成株式会社製、GH3804B)を準備した。
接着層1を構成する樹脂として、変性ポリオレフィン樹脂(三井化学株式会社製、NF536)を準備した。
接着層2を構成する樹脂として、変性ポリオレフィン樹脂(三井化学株式会社製、QF551)を準備した。
次いで、内層、中間層、接着層1、ガスバリア層、接着層2、及び外層を、この順で共押出成形することにより、紙容器用ラミネートフィルムを製造した。
得られた紙容器用ラミネートフィルムは、内層(厚さ=17μm)、中間層(厚さ=17μm)、接着層1(厚さ=8μm)、ガスバリア層(厚さ=10μm)、接着層2(厚さ=8μm)、及び外層(厚さ=60μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さが120μmのものである。
<ラミネート紙容器の製造>
310g/mのカード紙を折り曲げ成形して、142mm×183mm、高さ20mm、の紙容器を作成した。この紙容器を金型にセットし、上記で得られた紙容器用ラミネートフィルムを、その内層が紙容器に相対するように配置し、紙容器用ラミネートフィルムと紙容器を、205~216℃にて加熱し、圧力1.5kgfで加圧成形することにより、紙容器用ラミネートフィルムを紙容器に密着させ、8秒間保持することにより、紙容器用ラミネートフィルムと紙容器とを接着し、ラミネート紙容器を製造した。このラミネート紙容器のプラ率は17%であった。
[実施例2]
<紙容器用ラミネートフィルムの製造>
内層、中間層、接着層、ガスバリア層、接着層、及び外層を、この順で共押出成形すること以外は、実施例1の場合と同じ方法で、紙容器用ラミネートフィルムを製造した。
得られた紙容器用ラミネートフィルムは、内層(厚さ=33μm)、中間層(厚さ=46μm)、接着層1(厚さ=8μm)、ガスバリア層(厚さ=30μm)、接着層2(厚さ=8μm)、及び外層(厚さ=75μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さが200μmのものである。
<ラミネート紙容器の製造>
上記で得られた紙容器用ラミネートフィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、ラミネート紙容器を製造した。このラミネート紙容器のプラ率は25%であった。
[実施例3]
<ラミネート紙容器の製造>
実施例1で得られた紙容器用ラミネートフィルムを用い、紙容器として、上部内径が130mmで高さが43mmのパルプモールド容器を用いる以外は実施例1と同じ方法で、ラミネート紙容器を製造した。このラミネート紙容器のプラ率は14%であった。
[実施例4]
<ラミネート紙容器の製造>
実施例2で得られた紙容器用ラミネートフィルムを用い、紙容器として、上部内径が130mmで高さが43mmのパルプモールを用いる以外は実施例1と同じ方法で、ラミネート紙容器を製造した。このラミネート紙容器のプラ率は19%であった。
[比較例1]
<紙容器用ラミネートフィルムの製造>
エチレン系コポリマー(日本ポリエチレン社製、レクスパールET220X)の代わりに、直鎖状低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン製ユメリット1520F)を用いた以外は、実施例1の場合と同じ方法で、紙容器用ラミネートフィルムを製造した。
<ラミネート紙容器の製造>
上記で得られた紙容器用ラミネートフィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、ラミネート紙容器を製造した。このラミネート紙容器のプラ率は17%であった。
<<剥離強度の測定>>
ラミネート紙容器の剥離強度は、以下のようにして測定した。
前記紙容器用ラミネートフィルム及び紙容器を、216℃で加熱ラミネートし、得られた紙容器から、幅15mmの試験片を切り取った。得られた試験片から紙容器と内層とが180°の角度を成すように引き剥がして、このとき生じた剥離面の両方の端部を、引張試験機の両つかみ具に取り付けた。その後、速度200mm/分で引張応力を加えることにより、紙容器と内層とをさらに引き剥がして、内層と紙容器とを完全に剥離させて、その間の最大応力を求め、これを剥離強度とした。
<<密着性の評価>>
ラミネート紙容器の密着性を評価した。評価基準は下記のとおりである。
3:紙器とラミネートフィルムが隙間なく密着しておりピンホールも認められない。
2:紙器とラミネートフィルムは隙間なく密着しているが角部にてピンホールが認められる。
1:紙器とラミネートフィルムの密着が不十分で隙間が開いている。
実施例1~4及び比較例1のラミネート紙容器について、剥離強度及び密着性を評価した結果を以下の表1に示す。
Figure 0007287023000001
上記結果から明らかなように、実施例1~4のラミネート紙容器では、紙容器用ラミネートフィルムが成形性に優れ、前記剥離強度が1N/15mm以上であり、紙容器用ラミネートフィルムと紙容器との密着性が高かった。
これに対して、比較例1のラミネート紙容器では、紙容器用ラミネートフィルムの成形性、接着性が劣っていたため、剥離強度が1N/15mm未満であり、実施例1~4よりも紙容器用ラミネートフィルムと紙容器との密着性が劣っていた。
本発明の紙容器用ラミネートフィルムは、成形性に優れ、紙容器との密着性に優れていることから、乳飲料、果実飲料、酒等の飲料や食品等の広い分野のラミネート紙容器として利用可能である。
1、2、3、4、5・・・紙容器用ラミネートフィルム
6・・・紙容器
10・・・ラミネート紙容器
11・・・内層
12・・・ガスバリア層
13・・・外層
14・・・中間層
15・・・接着層

Claims (5)

  1. 外層(A)、ガスバリア層(B)及び内層(C)がこの順に積層されて構成された紙容器用ラミネートフィルムであって、
    前記外層(A)は、融点が150℃以上の樹脂を含み、
    前記内層(C)は、極性基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を含み、
    前記紙容器用ラミネートフィルムを、その前記内層(C)側を前記紙容器に相対させて配置し、前記紙容器用ラミネートフィルム及び紙容器を、216℃で加熱ラミネートすることにより、前記紙容器用ラミネートフィルム及び紙容器を成形及び密着させた後、前記内層(C)と紙容器との剥離強度を測定したとき、前記剥離強度が1N/15mm以上となる、紙容器用ラミネートフィルム。
  2. 前記外層(A)と前記内層(C)との間に、さらに、アイオノマー樹脂、エチレン-メタクリル酸共重合体、及びエチレン-酢酸ビニル共重合体からなる群より選択される1種又は2種以上を含む中間層(D)が積層されている、請求項1に記載の紙容器用ラミネートフィルム。
  3. 前記変性ポリオレフィン系樹脂が、カルボキシ基、又は2個のカルボキシ基が無水物化された基、を有するモノマーから誘導された構成単位を有する、請求項1または2に記載の紙容器用ラミネートフィルム。
  4. 前記中間層(D)の厚さが、前記紙容器用ラミネートフィルム全体の厚さの10%以上50%以下である、請求項に記載の紙容器用ラミネートフィルム。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の紙容器用ラミネートフィルム中の内層(C)と、紙容器と、がラミネートされて構成された、ラミネート紙容器。
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