JP6330811B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用ガラスアンテナに関する。
700MHz帯の電波を利用した高度道路交通システム(Intelligent Transport System:ITS)の一つとして検討されている車車間通信では、地表面に対して垂直な方向に偏波した垂直偏波が用いられている。車車間通信の送受信を効率良く行うためには、垂直偏波に対して高い受信感度を有し、かつ車両正面方向に対する利得を高める必要がある。
このような特性を示すアンテナは、例えば特許文献1に提案されている。特許文献1では、中央部に給電点を有する第1主線路と、第1の主線路と異なる設置位置に設けられる第2主線路と、二つの主線路の端部を繋ぐ二つの接続線で構成されるループ形状で、接続線路上にリアクタンス素子を有するアンテナが提案されている。
特開2009−100053号公報
しかしながら、特許文献1のアンテナでは、垂直偏波で高い送受信性能を得るための構成上、給電点を垂直偏波の送受信を担う主線路の中央部に設けなければならない。すなわち、アンテナを自動車用フロントガラスに配置した場合、給電点を自動車のピラーに近接して配置させるピラー給電が必須となる。そのため、車体の設計上、給電点を自動車のルーフ側に配置させるルーフ給電が必要な場合には採用できないなど設計の自由度に制限があった。また、垂直偏波を送受信するには、垂直方向に延伸した導体が好適であり、ルーフのように水平方向に延伸した導体の近くで給電する構成は、垂直偏波の送受信には不利である。
そこで本発明は、垂直偏波に対して高い受信感度を有し、車両正面方向に対する指向性が大きく、かつルーフ給電を可能とするアンテナ装置を提供する。
上記目的を達成するため、本発明の一観点によれば、窓ガラスに設けられたアンテナ導体と、前記アンテナ導体に設けられ互いに近接して配置される第1の給電部と第2の給電部とを有する給電点と、補助導体とを備えたアンテナ装置において、前記補助導体は、水平方向に直線状に設けられた水平導体と、前記水平導体と電気的に結合し垂直方向に直線状に設けられた垂直導体とを有し、前記アンテナ導体は、前記水平導体と前記垂直導体との結合部近傍に配設され、かつ一端が前記第1の給電部に接続される第1のエレメントと、一端が前記第2の給電部に接続される第2のエレメントとを有し、前記給電点は、前記アンテナ導体の前記水平導体に沿う部位に位置し、前記第1のエレメントと前記第2のエレメントとは、前記第1のエレメントの他端と前記第2のエレメントの他端とが近接されてループ形状の一部に切り欠き部を形成させるように半ループエレメントを構成し、前記半ループエレメントのうち、水平方向に延伸する第1の部分エレメントが前記水平導体の近傍に配置されるとともに、垂直方向に延伸する第2の部分エレメントが前記垂直導体の近傍に配置され、前記切り欠き部は、前記半ループエレメントで囲まれる領域の中心点を通る水平線に対して前記水平導体とは反対側かつ前記中心点を通る垂直線に対して前記垂直導体とは反対側に設けられ、前記第1のエレメントの長さは、所定の周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλとし、窓ガラスの波長短縮率をkとし、前記窓ガラス上での波長をλ=λ・kとして、0.2λ以上0.35λ以下であるアンテナ装置が提供される。
本発明によれば、垂直偏波に対して高い受信感度を有し、車両正面方向に対する指向性が大きく、かつルーフ給電を可能とするアンテナ装置を提供する。
ルーフ106を水平導体、ピラー105を垂直導体とした場合の、本発明の第1の実施形態のアンテナ101の実装位置を示した平面図である。 ルーフ106を水平導体、導電体108vを垂直導体とした場合の、本発明の第1の実施形態のアンテナ101の実装位置を示した平面図である。 導電体108hを水平導体、導電体108vを垂直導体とした場合の、本発明の第1の実施形態のアンテナ101の実装位置を示した平面図である。 ルーフ106を水平導体、ピラー105と導電体110を垂直導体とした場合の、本発明の第1の実施形態のアンテナ101の実装位置を示した平面図である。 本発明の第1の実施形態のガラスアンテナの平面図である。 本発明の第2の実施形態のガラスアンテナの平面図である。 本発明の第2の実施形態のガラスアンテナの変形例を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態のガラスアンテナの変形例を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態のガラスアンテナの平面図である。 ループエレメントでの電流の流れと電界の放射方向を示した模式図である。 半ループエレメントでの電流の流れと電界の放射方向を示した模式図である。 ループエレメントと半ループエレメントの指向性についての実測データである。 オーバーラップ部803を有した半ループエレメントを形成するガラスアンテナの平面図である。 オーバーラップ部803が指向性に与える影響についての実測データである。 交差点付近を上方から見た解析モデル図である。 切り欠き部205を設ける角度と受信率との関係を示した図である。 ケース1で第1のエレメントの長さと受信利得の関係を示した図である。 ケース2で第1のエレメントの長さと受信利得の関係を示した図である。 ケース3で第1のエレメントの長さと受信利得の関係を示した図である。 ピラー105からの距離と受信率との関係を示した図である。 ルーフ106からの距離と受信率との関係を示した図である。 半ループエレメントのアスペクト比と受信率との関係を示した図である。 半ループエレメントの周長と受信率との関係を示した図である。 アンテナ導体101,301b,301cを同一の条件で測定した場合のループ形成エレメント304及びオーバーラップ形成エレメント305と受信率との関係を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、線の平行、直角、角部の曲率などは、本発明の効果を損なわない程度のズレを許容するものである。また、それらの図面は、後述する自動車用窓ガラス102が車両に取り付けられた状態での車内視の図であるが、車外視の図として参照しても良い。また、図面上での左右方向が車幅方向に相当し、水平方向と称し、図面の上下方向が車高方向に相当し、垂直方向と称する。なお、以下の説明では、図内左下に矢印で座標を定義しており、必要があればこの座標を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置の平面図を示している。図1において、自動車用窓ガラス102は、車体に取り付けられた状態の車内視である。自動車用窓ガラス102は、車体の窓開口部を形成する金属フランジ103に設置される。また、自動車用窓ガラス102は、自動車用窓ガラスの外縁102aから所定の幅の領域にかけて、車体の金属フランジ103との接着部分を隠すために、接着剤劣化防止の点及び美観の点から黒色遮蔽膜104を設けている。図1においては黒色遮蔽膜104を設けた例を示すが、不要であれば設けなくても良い。
本実施形態のアンテナ装置は、自動車用窓ガラス102に設けられたアンテナ導体101と、アンテナ導体に設けられ互いに近接して配置される第1の給電部と第2の給電部とを有する給電点と、補助導体とを備えている。
補助導体は、水平方向に直線状に設けられた水平導体と、水平導体と電気的に結合し垂直方向に直線状に設けられた垂直導体とで構成される。水平導体と垂直導体とでT字状またはL字状または十字状を形成する。給電点及び補助導体については、図2以降とともにより詳細に説明する。
アンテナ導体101は、水平導体と垂直導体との結合部近傍に設けられる。給電点は、アンテナ導体の水平導体に沿う部位に位置する。結合部近傍とは、水平導体と垂直導体とが平面視で重なる部分である結合部の近傍である。アンテナ導体101の中で水平導体に最も近い部分と水平導体との距離a(以後、「水平導体からの距離a」と表記する)は、所定の周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλとし、自動車用窓ガラス102の波長短縮率をkとし、自動車用窓ガラス102上での波長をλ=λ・kとした場合に0.27λ以下であることが望ましい。
例えば、所望の周波数として車車間通信を設定した場合、その中心周波数は760MHzである。したがって、車車間通信のアンテナ利得を向上させたい場合、電波の速さを3.0×10m/sとし、波長短縮率kを0.64とすると、水平導体からの距離aは70mm以内が望ましい。
また、アンテナ導体101の中で垂直導体に最も近い部分と垂直導体との距離b(以後、「垂直導体からの距離b」と表記する)は0.19λ以下であることが垂直偏波の受信感度向上の点から望ましい。例えば、中心周波数が760MHzであるITSを想定した場合、垂直導体からの距離bは50mm以内が望ましい。
以下、図1A、図1B、図1C、及び図1Dにおいて、アンテナ導体101と水平導体、垂直導体の位置関係の実施例を示す。なお、本配置位置は、後述するアンテナ301a、301b、301c、401の配置位置にも同様に適用できるものとする。なお、本実施形態でいう水平導体は、本実施形態の効果を損なわない程度に水平のズレを許容するものであり、特に窓ガラスが設置される車体の窓開口部のルーフ側フランジの形状に沿って曲率を有していても良い。また、本実施形態でいう垂直導体は、本実施形態の効果を損なわない程度に垂直のズレを許容するものであり、特に窓ガラスが設置される車体の窓開口部のピラー側フランジの形状に沿って斜め方向に設けられていても良い。
図1Aでは、アンテナ導体101は、車両の金属フランジ103の上辺側を構成するルーフ側フランジ106と側辺側を構成するピラー側フランジ105とが所定角度で結合する結合部109a付近に配置される。以後図中の金属フランジ103の側辺をピラー105、上辺をルーフ106と称する。図1Aの実施形態においては、ルーフ106は水平導体に、ピラー105は垂直導体にそれぞれ相当する。ピラー105が垂直よりも大きい所定の角度で設けられている場合、アンテナ導体101の垂直導体からの距離bは、アンテナ導体101の右上端部からピラーまでの距離となる。
図1Bでは、図1Aのアンテナ導体101がX方向に鏡映された(Y方向を軸とした線対称の)パターンのアンテナ導体(以後、「アンテナ導体101b」と表記する)が、ルーフ106と自動車用窓ガラス102の重心を通る上下方向のセンターライン107上に設けられた導電体108vとの結合部109bの近傍に配置されている。ここでルーフ106は水平導体に、導電体108vは垂直導体にそれぞれ相当する。
導電体108vは、第1のガラス板と第2のガラス板とが中間膜を介して貼り合わされた合わせガラスである場合、合わせガラスの中間膜に設けられる構成でも良く、二枚のガラス板のいずれの表面に設けられる構成でも良い。中間膜に設けられる構成とは、合わせガラスの中間膜自体に導電体108vが設けられた構成でも良く、中間膜とは別体である導電体108vを二枚のガラス板の間に挟み込む構成でも良い。またガラス板の表面とは、合わせガラスの二枚のガラス板それぞれの内外面のいずれでも良い。導電体108vは特に、透明導電膜であると好ましい。
また、結合部109bにおいて、ルーフ106と導電体108vは電気的に結合している。電気的に結合しているとは、交流的な結合と直流的な結合のいずれであっても良いが、特に直流的に結合していることが好ましい。交流的な結合とは、例えば結合部109bにおいて、ルーフ106と導電体108vが自動車用窓ガラス102の厚み方向あるいは同一面上で絶縁物を介して容量結合している状態を指す。厚み方向で容量結合する場合は、ルーフ106と導電体108vは、図1Bのように結合部109bにおいて重なり合っていても良く、同一面上で容量結合する場合は、ルーフ106と導電体108vは結合部109bにおいて離間していても良い。
導電体108vのY方向の長さは、送受に用いる電波の波長と比べて長いことが望ましく、自動車用窓ガラス102の上端から下端までの全長にわたって設けなくても良い。また、導電体108vのX方向の長さは、垂直偏波が得られる電流容量が得られる範囲であれば特に限られないが、送受に用いる電波の波長と比べて短いことが望ましい。
図1Cは、図1Bの構成に加え、水平方向に導電体108hを配置した例である。アンテナ導体101bは、導電体108hと導電体108vとの結合部109cの近傍に配置される。ここで、導電体108hは水平導体に、導電体108vは垂直導体にそれぞれ相当する。導電体108hと導電体108vとは、第1のガラス板と第2のガラス板とが中間膜を介して貼り合わされた合わせガラスである場合、合わせガラスの中間膜に設けられる構成でも良く、二枚のガラス板のいずれの表面上に設けられる構成でも良い。導電体108hと導電体108vとは、特に、透明導電膜であると好ましい。また、導電体108hと導電体108vが同じ構成を取る必要はなく、どちらか一方が中間膜に設けられ、どちらか一方はガラス面上に設けられても良い。
結合部109cにおいて、導電体108hと導電体108vは電気的に結合している。電気的に結合しているとは、交流的な結合と直流的な結合のいずれであっても良いが、特に直流的に結合していることが好ましい。交流的な結合とは、例えば結合部109cにおいて、導電体108hと導電体108vが自動車用窓ガラス102の厚み方向あるいは同一面上で絶縁物を介して容量結合している状態を指す。厚み方向で容量結合する場合は、導電体108hと導電体108vは結合部109cにおいて重なり合っていても良く、同一面上で容量結合する場合は、導電体108hと導電体108vは結合部109bにおいて離間していても良い。
また、図1Cでは導電体108vと導電体108hが結合してT字状を構成しているが、本構成に限定されない。例えば、導電体108vと導電体108hの結合は、L字状、または十字状の構成としても良い。また、本実施形態のようにルーフ106以外の導電体を水平導体とみなす場合、導電体108hはルーフ106と電気的に結合していることがアンテナ利得を向上させる点で好ましい。導電体108hとルーフ106とが電気的に結合している位置関係にあることで、アンテナ導体101に対してルーフ給電が可能となる。
また、図1Dは、ピラー105よりも内側のガラス面上に導電体110を配置した例である。アンテナ導体101は、ルーフ106とピラー105との結合部109dの近傍に配置される。ここで、ルーフ106は水平導体に相当し、ピラー105と導電体110とは電気的に結合しているため、両者を一体として垂直導体とみなせる。導電体110は、第1のガラス板と第2のガラス板とが中間膜を介して貼り合わされた合わせガラスである場合、合わせガラスの中間膜に設けられる構成でも良く、二枚のガラス板の表面上に設けられる構成でも良い。導電体110は、透明導電膜であっても良いし、銅箔などの金属箔や導電ペーストの焼成体で形成された除雪用ないし曇り止め用のヒータ線やバスバーなどであっても良い。
また、図1Dに示すとおり、ルーフ106とピラー105が電気的に結合しており、かつ導電体110がピラー105と十分に容量結合している場合には、導電体110はルーフ106と間接的に電気的に結合することとなる。したがって、導電体110がルーフ106と直接的に電気的に結合していなくとも、導電体110は垂直導体の一部とみなせる。導電体110のY方向の長さは、送受に用いる電波の波長と比べて長いことが望ましい。また、導電体110のX方向の長さは、垂直偏波が得られる範囲であれば特に限られないが、送受に用いる電波の波長と比べて短いことが望ましい。
また、本実施形態ではアンテナ導体101は自動車用窓ガラス102の面内右上に設けられているが、本実施形態に限られない。自動車用窓ガラス102の重心を通る上下方向のセンターライン107を対象軸とした位置にアンテナ導体101bを設けても良い。
このように、アンテナ導体を水平方向に直線状に設けられた水平導体と、水平導体と電気的に結合し垂直方向に直線状に設けられた垂直導体との結合部近傍に設けることで、垂直偏波の到来によって垂直導体に生じる電流と、その垂直導体から水平導体に伝わる電流の両者から、垂直偏波を効率的に送受信することができる。
図2は、図1Aにおいてアンテナ導体101を補助導体であるルーフ106(水平導体)と側辺側を構成するピラー105(垂直導体)とが所定角度で結合する結合部109a付近に配置した場合のアンテナ装置を拡大した平面図を示している。図2では、図面が煩雑になることを避けるため、黒色遮蔽膜104の図示を省略している。また、ピラー105とルーフ106は垂直に交わるものとする。
図2に示すように、アンテナ導体101は、アンテナ導体の給電点(以下、給電点と表記する)と、第1のエレメント201と、第2のエレメント202とを備え、給電点は、第1の給電部203と、第2の給電部204を備える。
第1のエレメント201は、一端が第1の給電部203に接続され、図2中下方へ延伸する部分エレメント201aと、部分エレメント201aの終端部を起点に右方向に延伸する部分エレメント201bとを備える。部分エレメント201bは、第1のエレメント201の延伸の終端Aまで延伸する。終端Aが部分エレメント201aの途中に設けられる場合は、部分エレメント201bは形成されなくても良い。
ところで、本実施形態において第1のエレメント201の長さは、所定の周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλとし、自動車用窓ガラス102の波長短縮率をkとし、自動車用窓ガラス102上での波長をλ=λ・kとした場合に0.2λ以上0.35λ以下の範囲である。
例えば、所望の周波数として車車間通信を設定した場合、その中心周波数は760MHzである。したがって、車車間通信のアンテナ利得を向上させたい場合、電波の速さを3.0×10m/sとし、波長短縮率kを0.64とすると、第1のエレメント201の長さを50mm以上89mm以下とすることが望ましい。
第2のエレメント202は、一端が第2の給電部204に接続され、図2中右方向に延伸する部分エレメント202aと、部分エレメント202aの終端部を起点として下方に延伸する部分エレメント202bと、部分エレメント202bの終端部を起点として左方向に延伸する部分エレメント202cとを備える。部分エレメント202cは、第2のエレメント202の延伸の終端Bまで延伸する。
給電点は、アンテナ導体101のルーフ106に沿う部位、すなわち、アンテナ導体101のうちルーフ106に近い側のルーフ106に沿ったエレメントに位置し、図2においては、部分エレメント202aを含むルーフ106に沿った延長線上に設けられる。また、第2の給電部204は、第1の給電部203よりもピラー105側に配置される。
第1のエレメント201と第2のエレメント202とは、第1のエレメント201の他端である終端Aと第2のエレメント202の他端であると終端Bが近接されて配置されることにより、終端Aと終端Bとの間に切り欠き部205を形成される。したがって、アンテナ導体101の全体形状は、ループ形状の一部に切り欠き部205を有する半ループ形状となる。以後、第1のエレメント201と第2のエレメント202を一つのエレメントとみなして言及する場合は、「半ループエレメント」と表現する。
なお、部分エレメント201aが半ループエレメントの左辺部を形成し、部分エレメント201bが半ループエレメントの下辺部の一部を形成する。また、部分エレメント202aが半ループエレメントの上辺部を形成してルーフ106に沿って延伸し、部分エレメント202bが半ループエレメントの右辺部を形成してピラー105に沿って延伸し、部分エレメント202cが半ループエレメントの下辺部の一部を形成する。
また、本実施形態では、第1のエレメント201の終端Aと第2のエレメント202の終端Bとが同一のY座標上に存在するが、本実施形態に限定されない。すなわち、終端Aと終端Bが異なるY座標に存在し、アンテナ導体101は、全体形状として段差を有する半ループエレメントを形成しても良い。また、部分エレメント201bと部分エレメント202cとがY方向に離間して、重なっていても良い(以後、エレメント同士が重なることを「オーバーラップする」と表現する)。
また、部分エレメント202aと部分エレメント202bの接合部は、金属フランジ103のコーナー部の形状が円弧状である場合、その形状に合わせて円弧状としても良い。
また、本実施形態ではアンテナ導体101の全体形状が長方形の半ループエレメントを形成しているが、この形態に限定されない。すなわち、半ループエレメントは、平行四辺形、台形、正方形、円形、多角形、または扇形であっても良い。特に、部分エレメント201aと部分エレメント202bはピラー105と平行または略平行に形成され、部分エレメント201bと部分エレメント202cはルーフ106と平行または略平行に形成されていても良い。
切り欠き部205は、第1のエレメント201の終端Aと第2のエレメント202の終端Bとを離間させ、第1のエレメント201と第2のエレメント202とが実施的に電気的に結合しないように構成される。実質的に電気的に結合しないとは、直流的に結合しないだけでなく、アンテナ導体101の動作周波数で交流的にも結合しないことを意味する。例えば、後述する図8のように半ループエレメントが切り欠き部205において部分エレメント201bと部分エレメント202cとがY方向に離間してオーバーラップするように形成されていたとしても、そのオーバーラップ部の長さgが、第1のエレメント201と第2のエレメント202が高周波的に導通するために十分な長さではない場合、実質的に電気的に結合していないこととなる。本実施形態においては、オーバーラップ部の長さは0.06λ以下が望ましく、さらに好ましくは0.04λ以下が望ましい。例えば、中心周波数が760MHzであるITSを想定した場合、オーバーラップ部の長さは15mm未満が望ましく、さらに好ましくは10mm未満が望ましい。
切り欠き部205は、半ループエレメントで囲まれる領域の中心点eを通る水平線に対してルーフ106とは反対側かつ中心点を通る垂直線に対してピラー105とは反対側に設けられる。さらに、切り欠き部205は、中心点eと切り欠き部205の中間点fを結ぶ直線と、X軸と平行な水平線とがなす角度(以後、「切り欠き部205が設けられる角度」と表記する)が20°以上75°以下の範囲に位置するように設けられることが好ましく、30°以上65°以下の範囲に設けられることがより好ましい。さらに、切り欠き部205が設けられる角度は、35°以上60°以下の範囲に設けられることがなお好ましい。半ループエレメントで囲まれる領域の中心点eとは、半ループエレメントの切り欠き部205がないとみなした場合のループ形状の重心を指す。また、切り欠き部205の中間点fとは、第1のエレメント201の終端Aと第2のエレメント202の終端Bとを結んだ直線の中点を指す。
本実施形態では、切り欠き部205は半ループエレメントの下辺に設けられているが、これに限られない。すなわち、切り欠き部205が設けられる角度及び半ループエレメントのアスペクト比(半ループエレメントの高さを幅で除した値)によっては、切り欠き部205は半ループエレメントの左下頂点を含む位置に、もしくは半ループエレメントの左辺に設けられても良い。これについては後述する第3の実施形態とともに詳細に説明する。
また、切り欠き部205の長さは、第1のエレメント201と第2のエレメント202が直接結合しなければ特に限られないが、0.1mm〜5mmであることが好ましい。切り欠き部205の長さとは、切り欠き部において第1のエレメント201と第2のエレメント202とが最も近接している部分の間隔のことを指し、図2においては、第1のエレメント201の終端Aと第2のエレメント202の終端Bとを結んだ直線の長さに相当する。
第1の給電部203と第2の給電部204は、アンプ等の不図示の信号処理回路に所定の導電性部材を介して電気的にアンテナ導体101を接続するための部位である。導電性部材として、例えば、同軸ケーブルなどの給電線が用いられる。同軸ケーブルを用いる場合には、同軸ケーブルの内部導体を第1の給電部203と第2の給電部204の一方に電気的に接続し、同軸ケーブルの外部導体を他方に接続すれば良い。また、アンプ等の信号処理回路を給電点に電気的に接続するためのコネクタを、給電点に実装する構成を採用しても良い。このようなコネクタによって、同軸ケーブルを給電点に取り付けることが容易になる。また、給電点に突起状の導電性部材を設置し、自動車用窓ガラス102が取り付けられる車体の金属フランジ103に設けられた接続部にその突起状の導電性部材が接触、及び/または嵌合するような構成としても良い。また、給電点は、黒色遮蔽膜104からなる周縁領域に一部分もしくは全体が設けられても良い。
第1の給電部203及び第2の給電部204は、互いに近接して配置される。ここで、第1の給電部203は、図2中アンテナ導体101の左上角部付近に設けられる。前述の通り、第1のエレメント201の長さと、切り欠き部205が設けられる角度がある範囲に定まるため、両者によって第1の給電部203の位置も必然的に決定する。これについては後述する第2の実施形態とともに詳細に説明する。
また、半ループエレメントの垂直方向の高さをc、半ループエレメントの水平方向の幅をdとした場合、半ループエレメントの高さcを幅dで除したアスペクト比(c/d)は、0.3以上であれば十分な受信率を得ることができる。アスペクト比が0.3より小さくなると、半ループエレメントの下辺と第1の給電部203または第2の給電部204もしくはその両者と近接するため、容量結合して給電点からの影響を受ける可能性があり、好ましくない。
また、半ループエレメントの周長は、給電点の第1の給電部203と第2の給電部204との間の間隙と切り欠き部205とを有さない元のループ形状とみなした場合に1.05λ〜1.5λの長さとすることが送受信性能向上の点から望ましい。以後、「半ループエレメントの周長」と表現した場合は、給電点の第1の給電部203と第2の給電部204との間の間隙と切り欠き部205を有さないループ形状とみなした場合の外周の長さを表す。
このようなアンテナ装置とすることで、垂直偏波の車両正面方向に対する利得が高く、かつルーフ給電が可能となり、給電位置の設計自由度が高くなる。
なお、アンテナ導体、給電点及び導電体は、銀ペースト等の、導電性金属を含有するペーストを、例えば自動車用窓ガラス102の車内側表面にプリントし、焼付けて形成される。しかし、この形成方法に限定されず、銅等の導電性物質からなる、線状体または箔状体を、自動車用窓ガラス102の車外側表面に形成しても良く、自動車用窓ガラス102に接着剤等により貼付しても良く、自動車用窓ガラス102自身の内部に設けても良い。また、アンテナ導体からなる導体層を合成樹脂製フィルムの内部またはその表面に設け、導体層付き合成樹脂製フィルムを自動車用窓ガラス102の車内側表面または車外側表面に形成してアンテナ導体としても良い。さらに、アンテナ導体が形成されたフレキシブル回路基板を自動車用窓ガラス102の車内側表面に設置してアンテナ導体としても良い。
給電点の形状は、導電性部材またはコネクタの実装面の形状に応じて決めると良い。例えば、正方形、略正方形、長方形、略長方形などの方形状や多角形状が実装上好ましい。なお、給電点の形状は、円、略円、楕円、略楕円などの円状でも良い。
また、自動車用窓ガラス102は、ガラス板のみならず、透明樹脂板、あるいはガラス板と透明樹脂板との複合体からなる光透過部材も含まれる。
また、本実施形態ではアンテナ導体101を自動車用窓ガラス102に一箇所のみ設けたものであるが、同一窓ガラスに複数個所、あるいは複数の窓ガラスにそれぞれにアンテナ導体101を設けて、これらの複数個のアンテナ導体101を用いてダイバーシティ受信をしても良い。ダイバーシティ受信を行うことで、さらに受信感度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態のアンテナ装置のアンテナ導体301aは、図3Aに示すように第1の実施形態のアンテナ導体101の変形である。第2の実施形態は、第1の実施形態と第1のエレメント302が異なり、その他の点では同一である。そのため同じ構成には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。なお、下記では図1Aの配置位置の場合で説明するため、水平導体からの距離をルーフからの距離、垂直導体からの距離をピラーからの距離と表記する。
第2の実施形態では、アンテナ導体101のルーフ106からの距離、ピラー105からの距離、切り欠き部205が設けられる角度、半ループエレメントのアスペクト比、半ループエレメントの全長は変えずに、第1のエレメント302の長さを伸ばし、給電点の位置が異なっている例を示す。
第2の実施形態では、部分エレメント201aは第1の給電部203に直接接続せずに、第1の付設エレメント303を介して第1の給電部203と接続されている。この場合、第1の付設エレメント303、部分エレメント201a及び部分エレメント201bを合わせて第1のエレメント302とし、第1のエレメント302の長さはそれぞれの長さを足し合わせた全長とする。前述の通り、第1のエレメントの長さと、切り欠き部205が設けられる角度は所定の範囲に定まるため、それらの値によっては、第1の給電部203の位置は図3A中左上角部でなくても良い。しかし、この例では、ルーフ給電を可能とするために、アンテナ導体301aの上辺に位置するものとし、最も第1のエレメント201の長さが最も短い場合でも、第1の給電部203の位置は、左辺と上辺に接合する左上角部とする。
第2の実施形態のような変形であっても第1の実施形態と同様に良好な送受信性能が得られ、かつルーフ給電が可能であり、給電位置の設計自由度が高くなる。
また、他の付設エレメントの形成例を以下の図3B及び図3Cに示す。
図3Bでは、第1のエレメント201として部分エレメント201aのみを有し、第1の給電部203と部分エレメント201aとループを形成する、ループ形成エレメント304が設けられている。
このように、半ループエレメントのいずれかの辺をループ化することによって、さらに高い受信感度が得られる。なお、本明細書において「ループ化する」とは、閉ループを形成することに限られず、いずれか一辺が閉ざされていない、例えばU字型などの不完全なループ形状を形成することも含むものとする。
なお、図3Bでは部分エレメント201aの外側にループ形成エレメント304を形成して、アンテナ導体301bの一辺の外側にループを形成した例を示したが、これに限定されない。すなわち、アンテナ導体301bの一辺の内側にループを形成しても良い。
なお、図3Bでは部分エレメント202Cが第1のエレメント201の終端AのX座標の位置を越えて延伸されているが、第1のエレメント201の終端Aと同じX座標の位置に、第2のエレメント202の終端Bが設けられていても良い。
図3Cでは、第2の給電部204に接続され、部分エレメント202aに沿って延伸されたオーバーラップ形成エレメント305が設けられ、部分エレメント202aは、第2の給電部204と直接接合せず、オーバーラップ形成エレメント305とオーバーラップ部で容量結合している。このように、半ループエレメントのいずれかの辺のうち、切り欠き部205以外の部分でオーバーラップ部を有し、互いのエレメントが容量結合するように近接させることで、アンテナ導体301cに給電するケーブルとのインピーダンス整合が向上するため、さらに高い受信感度が得られる。このように、オーバーラップ形成エレメント305は、一端を第2の給電部204(または第1の給電部203)に接続し、一部が半ループエレメントのいずれかの辺に沿って延伸して重なることでオーバーラップ部を形成する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態のアンテナ装置のアンテナ導体401は、図4に示すように第1の実施形態のアンテナ導体101の変形である。第3の実施形態は、第1の実施形態と第1のエレメント402及び第2のエレメント403が異なり、その他の点では同一である。そのため同じ構成には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第3の実施形態では、アンテナ導体101のルーフ106からの距離、ピラー105からの距離、切り欠き部205が設けられる角度、半ループエレメントの全長、給電点の位置、第1のエレメント401の長さは変えずに、半ループエレメントのアスペクト比を変化させた例を示す。
第1のエレメント402は、第1の実施形態のように部分エレメント201aと部分エレメント201bを有さない。このように、半ループエレメントのアスペクト比と切り欠き部205が設けられる角度によっては、部分エレメント201bは形成されなくても良い。
また、第2のエレメント403は、部分エレメント202cの終端部から上方にむかって部分エレメント404を有している。切り欠き部205が設けられる角度によっては、このような部分エレメント404を設けても良い。
また、第3の実施形態では、第1のエレメント402の終端Aと第2のエレメント403の終端Bとが同一のX座標上に存在するが、本実施形態に限定されない。すなわち、終端Aと終端Bが異なるX座標に存在し、アンテナ導体全体として段差を有する半ループエレメントを形成しても良い。
第3の実施形態のような変形であっても、第1の実施形態と同様に良好な送受信性能が得られ、かつルーフ給電が可能であり、給電位置の設計自由度が高くなる。
<原理説明>
次に、本願発明の一実施形態の車車間通信の送受信原理について説明する。なお、アンテナを介した送信と受信の原理の可逆性から、ここでは相手車両から発せられた電波をアンテナで受信する立場で説明する。また、以下では水平導体をルーフ106、垂直導体をピラー105として説明するが、水平導体を108h、垂直導体を108v及び110とした場合の送受信原理も同様である。
車間通信で相手から発せられた垂直偏波の電波は、車体のピラー105に到達する。車体のピラー105は、水平線に対して所定の傾きを有しており、かつ送信電波の波長と比べ、ピラー105は幅が狭く、長さが長いため逆位相の電流が約半波長間隔で発生するアンテナ導体とみなせる。車両正面方向から電波が到来する場合、受信した電波によりピラー105に発生した電流は、複数生じている電流が強め合う関係になる。さらに、ピラー105に発生した電流は、ルーフ106へ伝播する。本実施形態のように、ピラー105とルーフ106の結合点付近にアンテナ導体101を配置すれば、ピラー105に発生した電流及びルーフ106へ伝播した電流とも、効率良く受信できるため、垂直偏波に対して高い受信感度を得ることができる。
次に、図5及び図6を用いて、第1の実施形態における切り欠き部205を設けることの意義について説明する。なお、図5と図6に示すアンテナパターンは、第1の実施形態と全く同一であるため、ここでは各部についての符号は省略する。また、アンテナを介した送信と受信の原理の可逆性から、ここではアンテナから情報を送信する際の電流の流れを用いて説明する。
図5のように、切り欠き部205を有しないループアンテナの場合、アンテナ導体上には、矢印503から矢印504の方向に流れる電流と、それとは逆に矢印505から矢印506の方向に流れる二つの電流が発生する。ループアンテナは、平衡性を維持しようとする特性を有するため、二つの電流は定在波のような挙動を示す。このような状態では、例えば、点501と点502などに常に電流の流れない電流の節が存在するため、電界の放射方向は常に矢印507と矢印508の方向に常に固定され、受信する相手が利得を得にくい角度が生じる。
一方で図6のように、切り欠き部205を有する半ループエレメントの場合、切り欠き部205を設けることにより、平衡性が維持されなくなる。この場合、切り欠き部205を起点として矢印603から矢印604、矢印605、矢印606、及び矢印607とアンテナ導体上を回転するように電流が流れる。このような状態では電流は点501にも流れ、電流は定在波の状態ではなくなるため、電界の放射方向も固定されない。すなわち、矢印507、矢印508だけでなく矢印609の方向など、より広範囲に電界が放射されるようになるため、受信する相手が利得を得にくい角度を生じにくくすることができる。
<アンテナ指向性の測定>
アンテナ導体を自動車用フロントガラスに設けたアンテナ付き自動車用フロントガラスを実際の自動車に取り付けて、そのアンテナ利得を実測した結果について説明する。
アンテナ利得は、アンテナ付き自動車用フロントガラスを、ターンテーブル上の自動車の窓枠に水平面に対して「約23°」傾けた状態で組みつけて実測した。給電点にはコネクタが取り付けられていて、フィーダ線を介してネットワークアナライザに接続される。水平方向から自動車用フロントガラスに対して全方向から電波が照射されるように、ターンテーブルが回転する。
アンテナの指向性の測定は、ターンテーブルの中心に、アンテナ導体101付き自動車用フロントガラスを組みつけた自動車の車両中心をセットして、自動車を360°回転させて行われる。アンテナの指向性のデータは、垂直偏波のアンテナ利得を各周波数において回転角度1°毎に360°回転させて、それぞれ測定した値として示す。電波の発信位置とアンテナ導体との仰角は略水平方向(地面と平行な面を仰角=0°、天頂方向を仰角=90°とする場合、仰角=0°の方向)で測定した。アンテナ利得は、半波長ダイポールアンテナに対する相対利得の測定値に対して、無指向性アンテナ(Isotropic antenna)で0dBとなるように標準化し、dBiとして算出した。なお、指向性の測定に際し、アンテナを図1Aの配置位置に設けて測定したため、水平導体からの距離をルーフ106からの距離、垂直導体からの距離をピラー105からの距離と表記する。
<切り欠き部205の有無による指向性変化>
切り欠き部205を有する図2で示したアンテナ導体101付き自動車用フロントガラス(図7において例1と表記する)と、アンテナ導体101の終端Aと終端Bとを結合させ、切り欠き部205を有さないループアンテナ付き自動車用フロントガラス(図7において例2と表記する)との指向性を測定し、比較した結果を図7に示す。図7を実測した時のアンテナ導体101の各部の寸法(単位はmm)は、
ピラー105からの距離b:10
ルーフ106からの距離a:15
半ループエレメントの周長:300
第1のエレメントの長さ:53
第1の給電部203と第2の給電部204の縦辺:15
第1の給電部203と第2の給電部204の横辺:17.5
第1の給電部203と第2の給電部204の距離:5
切り欠き部205の長さ:2
であった。
また、切り欠き部205が設けられる角度は40度で、半ループエレメントのアスペクト比は0.875とした。
また、例2の場合は、切り欠き部205を設けなかった場合を測定した。なお、第1の給電部203と第2の給電部204の大きさと距離及び切り欠き部205の長さは以下、実施例全てにおいて同様である。
図7に示すように、切り欠き部205を設けることで、太い実線で示す例2では、点線で示す例1と比較すると、45度方向の垂直偏波の利得が向上することが確認された。これは、前述の原理の通り、電流が回転するように流れることで電界の放射方向が固定されないため、利得が得にくい角度が生じづらくなっているためである。
<オーバーラップ部803の有無による指向性変化>
図8のように段差を有するように構成された半ループエレメントのアンテナ導体801において、終端Aと終端Bの位置を調整してオーバーラップ部803の長さgを調整し、それぞれの場合について指向性を測定し、比較した。オーバーラップ部803の長さgが50mm、30mm、10mmの3種類について測定し、それぞれ例3、例4、例5としてその結果を図9に示す。図9を測定した時のガラスアンテナ導体101の各部の寸法(単位はmm)は、
ピラー105からの距離b:10
ルーフ106からの距離a:15
半ループエレメントの周長:300
第1のエレメント802の長さ:50
オーバーラップ部803の長さg:10、30、50
であった。
また、切り欠き部205が設けられる角度は40度で、半ループエレメントのアスペクト比は0.875とした。
図9の結果より、切り欠き部205を有していても、オーバーラップ部803が設けられている場合には、細い実線で示す例3、破線で示す例4、及び点線で示す例5のいずれの場合も、太い実線で示す例1と比較すると、45度方向の垂直偏波の利得は減少することが確認された。これは、オーバーラップ部803を設けることで、オーバーラップ部803では逆相の電流で打ち消し合うため、利得が低下するためである。さらに、オーバーラップ部803の長さgが例えば例3のように長い場合、切り欠き部205の容量が高まり、容量結合されるため、切り欠き部205を有しないループエレメントと同等の挙動に近づき、電流の回転が消失するため、利得が得にくい角度が生じたと考えられる。したがって、オーバーラップ部803は形成されないことが好ましい。しかし、オーバーラップ部803が10mm未満の場合には、アンテナ導体101の動作周波数で、実質的に電気的に結合していないとみなせることから、10mm未満のオーバーラップは許容する。
<レイトレーシングシミュレーション>
次に、本発明の一実施形態のアンテナ装置が、本実施形態のアンテナ装置同士だけでなく、ルーフトップアンテナとも良好な通信性能を確保できる点について、レイトレーシングシミュレーション(Ray Tracing Simulation)の結果を示して説明する。
以下の実施形態では、本発明を車車間通信用アンテナとして用いて、見通し悪い交差点でのお互いの位置を相手に知らせる通信に適用した場合を想定している。
図10は、レイトレーシングシミュレーション上で設定された交差点付近の解析モデル図である。解析モデルは、交差点1001で直角に交差する2本の接続道路1002、1003と、接続道路1002、1003以外の4箇所の構造物1004、1005、1006、1007とを含むように構成されている。電波の反射回数を最大10回に設定し、電波の回折回数を1回に設定した。電波の反射面は、構造物1004、1005、1006、1007の壁面及び大地のみとした。構造物1004、1005、1006、1007の高さは無限大とし、屋根による回折はないものとした。
また、交差点1001に交差する接続道路1002側に電波の送信点1008を設定し、交差点1001に交差する接続道路1003側に受信点1009を設定した。送信点1008の現在地から交差点1001の接続道路1002側の進入口(交差点1001と接続道路1002との接続部分)までを送信点1008のアプローチ距離dtとし、交差点1001の接続道路1003側の進入口(交差点1001と接続道路1003との接続部分)から受信点1009までを距離drとした。ここでdt<drであり、交差点1001の近傍を送信、交差点遠方を受信とした。
接続道路1002上に設定された送信点1008は、電波を送信するアンテナを搭載する自車の存在地点を想定する。接続道路1003上に設定された受信点1009は、送信点1008(自車のアンテナ)から送信された電波を受信する通信相手(例えば、他車両)の存在地点を想定している。送信点1008と受信点1009との間の伝搬損失は、生成されるパスの伝達関数の複素合成により求められる。
その他のレイトレーシングシミュレーションの諸元として、送信点1008と受信点1009との間で送受される電波の周波数を720MHz、送信点1008及び受信点1009のアンテナ高さを1.3m、構造物1004、1005、1006、1007の材質をコンクリート(比誘電率6.77、導電率0.023)、大地面の比誘電率を3.0、大地面の導電率を0.0001に設定した。
また、図10のように伝搬経路中に複数の構造物があると、マルチパスフェージングが生ずるため、自車両及び通信相手が各接続道路上のどの車線や位置を走行しているのかによって、伝搬損失が大きく変化する。
そこで、接続道路1008の幅員wt及び接続道路1009の幅員wr、並びに交差点1001からの距離dt,drに応じて変化する伝搬特性を一意的に評価するための指標として、「受信率P」を導入する。
受信率Pを定義するために、まず、接続道路1002上にM個の送信点1008を幅員wtの方向に設定するとともに、接続道路1003上にN個の受信点1009を幅員wrの方向に設定する。これにより、M個の送信点1008とN個の受信点1009とを各々組み合わせることによって、(M×N)通りの送受信点間の伝搬特性データが得られる。そこで、損失が所定の閾値thよりも小さい伝搬特性データの数を、伝搬特性データの総数(=M×N)で除算した値を、「受信率P」と定義する。つまり、伝搬損失が小さく通信性能が良好な送受信条件ほど、受信率Pは高い値を示す。
受信率Pをシミュレーションするために、今回のレイトレーシングシミュレーションでは、送信点1008については、接続道路1002の道路幅中心位置から構造物1006側に1.5m離れた位置まで50cm間隔に4箇所設定した。また、受信点1009については、接続道路1003の道路幅中心位置から構造物1007まで10cm間隔に設定した。さらに、受信点1009が他車両である場合、距離drは、他車両が交差点1001に対し法定速度に10km/hを加えた速度で走行している状態で自車両からの信号を受信してからブレーキをかけて停止するのに必要な距離以上に設定されても良い。本実施形態では、接続道路1003の法定速度を60km/hに設定し、他車両の走行速度を70km/hとして、他車両がブレーキをかけて停止するのに必要な距離を約80mと想定し、それに10mの余裕を加えて、距離drを一定の90mに固定した。
また、今回のレイトレーシングシミュレーションでは、幅員wt,wr及びアプローチ距離dtを変化させて、受信率Pのシミュレーションを行った。具体的には、幅員wtを4mから12mまで2m間隔で5通り変化させ、幅員wrを4mから30mまで2m間隔で14通り変化させ、アプローチ距離dtを9mから11mまで1m間隔で3通り変化させた。また、受信率Pは、アプローチ距離dt毎に算出した受信率の平均値とした。
また、車車間通信で想定されるパターンとして、3つのケースを定めた。ケース1は送信点1008、受信点1009とも本実施形態のアンテナ装置の場合、ケース2は送信点1008が本実施形態のアンテナ装置であり、受信点1009がルーフトップアンテナ相当の特性を有する場合、ケース3は送信点1008がルーフトップアンテナ相当の特性を有し、受信点1009が本実施形態のガラスアンテナである場合とした。ここで、ケース1の場合は垂直偏波だけでなく、水平偏波とも受信率に加味される。また、ルーフトップアンテナ相当の特性とは、垂直偏波利得が0dBiで無指向性であり、水平偏波利得は−∞dBiとし、水平偏波では通信できない場合を想定した。また、アンテナ装置は、図1Aの配置位置に設けてシミュレーションを行ったため、水平導体からの距離をルーフ106からの距離、垂直導体からの距離をピラー105からの距離と表記する。
<切り欠き部205が設けられる角度>
図2で示したアンテナ導体101において、ピラー105からの距離、ルーフ106からの距離、第1の給電部203の位置、第2の給電部204の位置、半ループエレメントの周長を変えずに、第1のエレメントの長さと半ループエレメントのアスペクト比を変化させることで、切り欠き部205が設けられる角度が受信率に及ぼす影響について検討した。各場合の受信率の計算結果を図11に示す。
図11を計算した時のアンテナ導体101の各エレメントの長さ、各部の寸法及び設置位置は、単位をmmとすると、
ピラー105からの距離b:10
ルーフ106からの距離a:15
半ループエレメントの周長:300
であった。
また、第1の給電部203の位置は、半ループエレメントの左上角部に固定した。また、半ループエレメントのアスペクト比として、c/dの値を90mm/60mm、70mm/80mm、50mm/100mmの3種類に変化させた。また、第1のエレメント201の長さとして、長さの値を33mm、53mm、73mmの3種類に変化させた。
図11に示されるように、ケース1、ケース2及びケース3の全ての場合で切り欠き部205が設けられる角度が20°以上75°以下の範囲で望ましい特性が得られた。
<第1のエレメント201の長さ>
図2で示したアンテナ導体101において、ピラー105からの距離、ルーフ106からの距離、切り欠き部205が設けられる角度、半ループエレメントの周長を変えずに、第1のエレメント201の長さと半ループエレメントのアスペクト比を変化させることで、第1のエレメント201の長さが受信率に及ぼす影響について検討した。各ケース1、ケース2及びケース3の場合の受信率の計算結果を、それぞれ図12、図13、図14に示す。
図12、図13、図14計算した時のガラスアンテナ導体101の各エレメントの長さ及び設置位置は、単位をmmとすると、
ピラー105からの距離b:10
ルーフ106からの距離a:15
半ループエレメントの周長:300
であった。
また、切り欠き部205が設けられる角度は40度に固定した。また、半ループエレメントのアスペクト比として、c/dの値を90mm/60mm、70mm/80mm、50mm/100mmの3種類に変化させた(図の凡例ではmmを省略した表記とする)。また、第1のエレメント201の長さとして、長さの値を53mm、78mm、88mm、98mm、108mmの5種類に変化させた。
図12、図13、図14に示されるように、第1のエレメント201の長さが0.2λ以上0.35λ以下の範囲でケース1、ケース2及びケース3の全ての場合で望ましい特性が得られた。中心周波数が760MHzであるITSを想定した場合、第1のエレメント201の長さは50mm以上90mm以下の範囲が好ましい。なお、0.2λは第1の給電部203が半ループエレメントの左角部に設けられた状態であり、ルーフ106からの給電を可能とするため、この長さを第1のエレメントの最小値とした。
<アンテナ導体101の設置位置>
図2で示したアンテナ導体101において、切り欠き部205が設けられる角度、半ループエレメントの周長、半ループエレメントのアスペクト比、第1のエレメント201の長さを変えずにピラー105からの位置及びルーフ106からの位置を変え、それぞれの場合に受信率に及ぼす影響について検討した。各場合について、ケース1、ケース2及びケース3の受信率の計算結果を、図15及び図16に示す。
図15及び図16を計算した時のアンテナ導体101の各エレメントの長さ、各部の寸法及び設置位置は、単位をmmとすると、
半ループエレメントの周長:300
半ループエレメントのアスペクト比:70/80
第1のエレメント201の長さ:53
であった。
また、切り欠き部205が設けられる角度は40度に固定した。
図15に示されるように、ピラー105からの距離が50mm以下であればケース1、ケース2及びケース3の全ての場合で望ましい特性が得られた。
図16に示されるように、ルーフ106からの距離が70mm以下であればケース1、ケース2及びケース3の全ての場合で望ましい特性が得られた。
<半ループエレメントのアスペクト比>
図2で示したアンテナ導体101において、ピラー105からの距離、ルーフ106からの距離、半ループエレメントの周長、第1のエレメント201の長さ、切り欠き部205が設けられる角度を変えずに、半ループエレメントのアスペクト比のみを変え、受信率に及ぼす影響について検討した。各ケース1、ケース2及びケース3の場合の計算結果を図17に示す。
図17を計算した時のアンテナ導体101の各エレメントの長さ、各部の寸法及び設置位置は、単位をmmとすると、
ピラー105からの距離:10
ルーフ106からの距離:15
半ループエレメントの周長:300
第1のエレメント201の長さ:53
であった。また、切り欠き部205が設けられる角度は40度に固定した。
図17に示されるように、半ループエレメントのアスペクト比が0.3以上であればケース1、ケース2及びケース3の全ての場合で望ましい特性が得られた。
<半ループエレメントの周長>
図2で示したアンテナ導体101において、ピラー105からの距離、ルーフ106からの距離、第1の給電部の位置、第2の給電部の位置、切り欠き部205が設けられる角度、半ループエレメントのアスペクト比を変えずに、半ループエレメントの周長を変え、受信率に及ぼす影響について検討した。各ケース1、ケース2及びケース3の場合の計算結果を図18に示す。
図18を計算した時のアンテナ導体101の各エレメントの長さ、各部の寸法及び設置位置は、単位をmmとすると、
ピラー105からの距離:10
ルーフ106からの距離:15
であった。
また、切り欠き部205が設けられる角度は40度に固定し、半ループエレメントのアスペクト比は0.875で固定した。また、第1の給電部の位置は図2のように半ループエレメントの左上角部に固定とした。
なお、第1のエレメントの長さは、半ループ形状の全長の変化率を乗じ、切り欠き部205が設けられる角度が40度となるように対応させた。
図18に示されるように、半ループエレメントの全長が1.05λ以上1.5λ以下であればケース1、ケース2及びケース3の全ての場合で望ましい特性が得られた。中心周波数が760MHzであるITSを想定した場合、半ループエレメントの全長は265mm以上380mm以下の範囲が好ましい。
<付設エレメントの効果>
図2で示したアンテナ導体101と、図3Bで示したループ形成エレメント304を設けたアンテナ導体301b、図3Cで示したオーバーラップ形成エレメント305を設けたアンテナ導体301cとを同一の条件で測定し、ループ形成エレメント304及びオーバーラップ形成エレメント305の効果について検討した。各ケース1、ケース2及びケース3の場合の計算結果を図19に示す。
図19を計算した時のアンテナ導体101、301b及び301cの各エレメントの長さ、各部の寸法及び設置位置は、単位をmmとすると、
アンテナ導体101、301b及び301cの半ループエレメントの周長:300
アンテナ導体101、301b及び301cの半ループエレメントのアスペクト比:70/80
第1のエレメント201の長さ:53
ループ形成エレメント304の横の長さ:15
ループ形成エレメント304の縦の長さ:53
オーバーラップ形成エレメント305の長さ:38
オーバーラップ形成エレメント305が設けられた場合の部分エレメント202aの長さ:38
オーバーラップ形成エレメント305が設けられた場合の部分エレメント202aと第2の給電部204との距離:2
であった。
また、切り欠き部205が設けられる角度はアンテナ導体101、301b及び301cで約40度とした。
図19において、横軸はアンテナ導体101、301b、301cの各場合の受信率を示す。図19に示されるように、アンテナ導体101に比べて、ループ形成エレメント304を有して半ループエレメントの一辺をループ化させたアンテナ導体301bは、ケース1〜3の全ての場合において高い受信率が得られることが確認された。また、アンテナ導体101に比べて、オーバーラップ形成エレメント305を有して、半ループエレメントの切り欠き部205以外の部分でオーバーラップ部を有するアンテナ導体301cは、ケース1〜3の全ての場合において高い受信率が得られることが確認された。
本発明は、垂直偏波に対して高い受信感度を有するアンテナ装置であり、例えば、自動車の車車間の通信に好適に用いることができる。
本出願は、2013年7月31日に日本国特許庁に出願された特願2013−159258に基づくものであり、その出願を優先権主張するものであり、その出願の全ての内容を参照することにより包含するものである。
101、301a、301b、301c、401、801 アンテナ導体
101b アンテナ導体101をX方向に鏡映したパターン
102 自動車用窓ガラス
102a 自動車用窓ガラスの外縁
103 金属フランジ
104 黒色遮蔽膜
105 ピラー
106 ルーフ
107 自動車用窓ガラス102の重心を通る上下方向のセンターライン
108v、108h、110 導電体
109a、109b、109c、109d 結合部
201、302、402、802 第1のエレメント
201a、201b 部分エレメント
202、403 第2のエレメント
202a、202b、202c、404 部分エレメント
203 第1の給電部
204 第2の給電部
205 切り欠き部
303 第1の付設エレメント
304 ループ形成エレメント
305 オーバーラップ形成エレメント
501、502 点
503、504、505、506、603、604、605、606、607 電流の流れる方向
507、508、609 電界の放射方向
803 オーバーラップ部
1001 交差点
1002、1003 接続道路
1004、1005、1006、1007 構造物
1008 送信点
1009 受信点
a ガラスアンテナ101の中で水平導体に最も近い部分と水平導体との距離
b ガラスアンテナ101の中で垂直導体に最も近い部分と垂直導体との距離
c 半ループエレメントの高さ
d 半ループエレメントの幅
e 半ループエレメントで囲まれる領域の中心点
f 切り欠き部205の中心点
g オーバーラップ部の長さ

Claims (15)

  1. 窓ガラスに設けられたアンテナ導体と、前記アンテナ導体に設けられ互いに近接して配置される第1の給電部と第2の給電部とを有する給電点と、補助導体とを備えたアンテナ装置において、
    前記補助導体は、水平方向に直線状に設けられた水平導体と、前記水平導体と電気的に結合し垂直方向に直線状に設けられた垂直導体とを有し、
    前記アンテナ導体は、前記水平導体と前記垂直導体との結合部近傍に配設され、かつ一端が前記第1の給電部に接続される第1のエレメントと、一端が前記第2の給電部に接続される第2のエレメントとを有し、
    前記給電点は、前記アンテナ導体の前記水平導体に沿う部位に位置し、
    前記第1のエレメントと前記第2のエレメントとは、前記第1のエレメントの他端と前記第2のエレメントの他端とが近接されてループ形状の一部に切り欠き部を形成させるように半ループエレメントを構成し、
    前記半ループエレメントのうち、水平方向に延伸する第1の部分エレメントが前記水平導体の近傍に配置されるとともに、垂直方向に延伸する第2の部分エレメントが前記垂直導体の近傍に配置され、
    前記切り欠き部は、前記半ループエレメントで囲まれる領域の中心点を通る水平線に対して前記水平導体とは反対側かつ前記中心点を通る垂直線に対して前記垂直導体とは反対側に設けられ、
    前記第1のエレメントの長さは、所定の周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλとし、窓ガラスの波長短縮率をkとし、前記窓ガラス上での波長をλ=λ・kとして、0.2λ以上0.35λ以下である
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記切り欠き部は、前記中心点と前記切り欠き部の中間点を結ぶ直線と、水平線とがなす角度が20°以上75°以下の範囲に位置するように設けられた請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記水平導体または前記垂直導体の少なくともいずれか一方は、前記窓ガラスの表面に設けられた導体である請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記窓ガラスは、第1のガラス板と第2のガラス板とが中間膜を介して貼り合わされた合わせガラスであり、
    前記水平導体または前記垂直導体の少なくともいずれか一方は、前記合わせガラスの前記中間膜に設けられた導体である請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ装置。
  5. 前記水平導体は、前記窓ガラスが車体の窓開口部に設置される場合、前記車体の窓開口部のルーフ側フランジである請求項1から4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  6. 前記垂直導体は、前記窓ガラスが設置される車体の窓開口部のピラー側フランジである請求項1から4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  7. 前記水平導体は、前記窓ガラスが設置される車体の窓開口部のルーフ側フランジであり、前記垂直導体は、前記窓ガラスが設置される前記車体の窓開口部のピラー側フランジである請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  8. 前記アンテナ導体のうち、前記垂直導体に最も近接する部分は、前記垂直導体から0.19λ以内の位置に設けられ、
    前記アンテナ導体のうち、前記水平導体に最も近接する部分は、前記水平導体から0.27λ以内の位置に設けられる請求項1から7のいずれかに記載のアンテナ装置。
  9. 前記アンテナ導体のうち、前記垂直導体に最も近接する部分は、前記垂直導体から50mm以内の位置に設けられ、
    前記アンテナ導体のうち、前記水平導体に最も近接する部分は、前記水平導体から70mm以内の位置に設けられる請求項1から7のいずれかに記載のアンテナ装置。
  10. 前記半ループエレメントの前記垂直方向の高さを前記半ループエレメントの前記水平方向の幅で除した値は、0.3以上となる請求項1から9のいずれかに記載のアンテナ装置。
  11. 前記切り欠き部の長さは0.1mm〜5mmである請求項1から10のいずれかに記載のアンテナ装置。
  12. 前記半ループエレメントの周長は、1.05λ〜1.5λである請求項1から11のいずれかに記載のアンテナ装置。
  13. 前記半ループエレメントは、前記半ループエレメントのいずれかの辺をループ化するループ形成エレメントを有する請求項1から12のいずれかに記載のアンテナ装置。
  14. 前記半ループエレメントは、オーバーラップ形成エレメントをさらに有し、
    前記オーバーラップ形成エレメントは、一端を前記第1の給電部または前記第2の給電部に接続し、一部が前記半ループエレメントのいずれかの辺に沿って延伸して重なることでオーバーラップ部を形成し、
    前記オーバーラップ部は、前記切り欠き部が存在しない位置に設けられる請求項1から13のいずれかに記載のアンテナ装置。
  15. 垂直偏波を受信する請求項1から14のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
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