JP6610390B2 - 車両用窓ガラス及びガラスアンテナ - Google Patents

車両用窓ガラス及びガラスアンテナ Download PDF

Info

Publication number
JP6610390B2
JP6610390B2 JP2016075295A JP2016075295A JP6610390B2 JP 6610390 B2 JP6610390 B2 JP 6610390B2 JP 2016075295 A JP2016075295 A JP 2016075295A JP 2016075295 A JP2016075295 A JP 2016075295A JP 6610390 B2 JP6610390 B2 JP 6610390B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna element
antenna
glass
window glass
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016075295A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016220196A (ja
Inventor
彰一 竹内
直樹 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to US15/148,524 priority Critical patent/US9985333B2/en
Priority to EP16001037.7A priority patent/EP3096397B1/en
Priority to CN201610342147.8A priority patent/CN106169642B/zh
Publication of JP2016220196A publication Critical patent/JP2016220196A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6610390B2 publication Critical patent/JP6610390B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Aerials (AREA)

Description

本発明は、通信波を送受信するガラスアンテナを備える車両用窓ガラス、及びガラスアンテナに関する。
近年、通信技術の発展に伴い、車両に携帯機器等を持ち込み、車両と携帯機器との間及び車両と外部との間で通信を行うことがある。
また、車両自体が外部から情報を収集する機能と情報を配信する機能とを備える、所謂コネクテッドカーの技術が提案されている。コネクテッドカーでは、車両が発信する位置情報、車両コンディション、及び路面状況等のデータと、外部から収集される、地図情報、交通情報、及び天候情報等とを双方向通信することで、車両の効率性や安全性を高める渋滞緩和、運転支援等のテレマティクスサービスが提供される。さらに、コネクテッドカーでは、音楽・動画配信サービスなど、利用者の利便性を高める道具(デバイス)としてのソリューション/サービス等の提供をすることも期待されている。
このような双方向の通信に用いる通信波は、国ごとに規定される利用周波数が異なり、また1つの国においてもキャリアごとに利用される周波数帯が異なる。従って、複数の通信波を受信できるように広帯域に対応するアンテナが好ましい。
ここで、車両と外部との双方向の通信機能が実現できるように、図1に示すように、車両のルーフに通信用アンテナを搭載する技術が提案されている。
図1に示した例では、車両90のルーフ91上に、車両90の前後方向に離間して、地板83上に立設された第1アンテナ81及び第2アンテナ82を有するダイバーシティ構造のアンテナユニット80が搭載されている。これらのアンテナ81,82はケース84に内蔵されている。
また、車両には、ラジオやテレビ等を受信するために、窓ガラスにアンテナ機能を備えたガラスアンテナの技術が各種提案されている。例えば、図2に示す特許文献2のガラスアンテナ70は、デジタルオーディオ放送を受信可能である。
特開2012−054915号公報 国際公開2014−104365号公報
しかし、特許文献1の例では、ルーフ91からアンテナユニット80が突出しているため、車両のデザインや車両の空力特性に影響を与えるおそれがあった。
また、特許文献2のように、現在一般的に搭載されているガラスアンテナは放送波を受信することを前提としており、通信波を利用していなかった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、見栄えを向上させ、広帯域で通信することができる、ガラスアンテナを備えた窓ガラス及び該通信用アンテナの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、通信波を送受信するガラスアンテナを備える、車両用窓ガラスであって、前記ガラスアンテナは、アース側電極及び給電用電極からなる一対の電極と、前記給電用電極と接続される第1のアンテナエレメントと、前記給電用電極に接続され、略下方へ延在し、前記第1のアンテナエレメントよりも長い、第2のアンテナエレメントと、前記給電用電極に接続され、前記第2のアンテナエレメントよりも短く、前記第2のアンテナエレメントと異なる方向へ延在する、第3のアンテナエレメントと、一端が前記第3のアンテナエレメントの端部と接続され、他端が上方へ延在する、第4のアンテナエレメントと、一端が前記第3のアンテナエレメントの端部と前記第4のアンテナエレメントの一端に接続され、他端が下方へ延在する、第5のアンテナエレメントと、を備えことを特徴とする車両用窓ガラス及びガラスアンテナを提供するものである。
一態様によれば、ガラスアンテナを備えた車両用窓ガラスにおいて、見栄えを向上させ、広帯域で通信することができる。
従来の通信用アンテナが設置された車両の全体図である。 従来の放送用アンテナが設置された車両用窓ガラスの図である。 本発明の実施形態である通信用ガラスアンテナが設置された前方窓ガラスの全体平面図である。 本発明の第1実施形態である通信用のガラスアンテナの拡大図である。 図4に示す通信用ガラスアンテナに抵抗及びコネクタを設置した拡大図である。 図4の抵抗及びコネクタをアンテナ上へ設置した状態の斜視図である。 抵抗及びコネクタをアンテナ上へ設置した別の例の斜視図である。 周波数が0.7GHzのときの電流の大きさを示す模式図である。 周波数が0.8GHzのときの電流の大きさを示す模式図である。 周波数が0.9GHzのときの電流の大きさを示す模式図である。 周波数が1.71及び2GHzのときの電流の大きさを示す模式図である。 周波数が2.5GHzのときの電流の大きさを示す模式図である。 周波数が2.69GHzのときの電流の大きさを示す模式図である。 図4で示すガラスアンテナ及びカメラ、及びレインセンサがカバーで覆われて設置された前方窓ガラスの全体模式図である。 本発明の第2実施形態に係るガラスアンテナ、カメラ、及びレインセンサがカバーで覆われて設置された前方窓ガラスの一部の平面図である。 本発明の第3実施形態に係るアンテナ、カメラ、及びレインセンサがカバーで覆われて設置された前方窓ガラスの一部の平面図である。 本発明の第4実施形態に係るアンテナ、カメラ、及びレインセンサがカバーで覆われて設置された前方窓ガラスの一部の平面図である。 本発明の第5実施形態に係るアンテナ、カメラ、及びレインセンサがカバーで覆われて設置された前方窓ガラスの一部の平面図である。 測定に用いた車両及び送信用アンテナの状態を説明する図である。 ガラスアンテナのリターンロスを示すグラフである。 ガラスアンテナの垂直偏波の利得特性を示すグラフである。 ガラスアンテナの水平偏波の利得特性を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。なお、形態を説明するための図面において、方向について特に記載しない場合には図面上での方向をいうものとする。また、それらの図面は、窓ガラスの面を対向して見たときの図であって、窓ガラスが車両に取り付けられた状態での車内視(又は、車外視)の図であり、図面上での左右方向(横方向)が水平方向に相当し、上下方向が垂直方向に相当する。
しかし、これらの図を車外視の図として参照してもよい。例えば、窓ガラスが車両の前部に取り付けられるフロントガラスである場合、図面上での左右方向が車幅方向に相当する。また、本発明に係る窓ガラスは、フロントガラスに限定されず、車両の後部に取り付けられるリアガラス、車両の側部に取り付けられるサイドガラスであってよい。また、平行、直角などの方向は、本発明の効果を損なわない程度のズレを許容するものである。
また、本発明において、窓ガラスは車両筐体の開口部を覆う窓板の一例である。窓板は、素材はガラスに限られず、樹脂、フィルム等であってもよい。窓ガラス11は、車両筐体(車体開口部、ボディーフランジ)30に形成されたボディフランジに取り付けられている。窓ガラス11の外周縁11a,11b,11c,11dは図3の破線で図示されている。車両筐体30は、車体の窓開口部を形成する車体フランジの縁部30a,30b,30c,30dを有している。
図3は、本発明の一実施形態であるガラスアンテナ(車両用ガラスアンテナの一例)100の平面図である。車両用ガラスアンテナ(窓板にプリント、埋め込み、貼り付け等により組み込まれたアンテナ)100は、車両用の窓ガラス(窓板、フロントガラス)11に平面的な導体パターンとして設けられる電極及びアンテナ導体を含んで構成される。
図4は、車両用窓ガラスに設置される第1実施形態であるガラスアンテナ100の拡大図である。ガラスアンテナ100は、一対の電極(給電用電極6,アース側電極7)と該給電用電極6に接続された第1のアンテナエレメント1(アンテナ導体α)と、該給電用電極6に接続され、第1のアンテナエレメント1よりも長く略下方方向へ延在(延伸)する第2のアンテナエレメント2(アンテナ導体β)と、該給電用電極に接続され、3つの線条エレメントを備えるアンテナ導体γとを備えている。
アンテナ導体γは、前記給電用電極6に接続され、前記第2のアンテナエレメント2と異なる方向へ延在する線条エレメント3(第3のアンテナエレメント)と、一端が線条エレメント3の端部に接続され、他端が略上方方向へ延在する線条エレメント4(第4のアンテナエレメント)と、一端が前記線条エレメント3の端部及び線条エレメント4の端部に接続され、他端が略下方方向へ延在する線条エレメント5(第5のアンテナエレメント)とを備えている。
ここで、略上方は、他の端部よりも相対的に上方向になることを意味し、垂直方向上方及び斜め上方を含む、略下方は、他の端部よりも相対的に下方向になることを意味し、垂直方向下方及び斜め下方を含む。
なお、アンテナ導体の角は曲率を有して折れ曲がっていてもよい。また端部とは、アンテナエレメント1〜5の延在する終端であってもよいし、その端部手前の導体部分である終端近傍であってもよい。
図3において、フロントガラス用の窓ガラス11の面上の周縁領域に黒色又は茶色等の遮蔽膜14を形成し、この遮蔽膜14の上にアンテナ導体の一部分又は全体を設けてもよい。遮蔽膜14は黒色セラミックス膜等のセラミックスが挙げられる。
また、遮蔽膜14は後述するカメラ21等(図13〜17参照)を配置するため、一点鎖線で図示される窓ガラス11の幅方向の中心線12の近傍に突出部(遮蔽膜突出部)15を備えている。突出部15の両側辺は、例えば、窓ガラス11の面内に向けて両側辺間の距離が小さくなるように斜め方向に形成されている。本願において、フロントガラスである窓ガラス11の中心線12と、側辺の延長線がなす角度は0°以上85°以下とする。
突出部15は下記遮蔽ドット部16,17も含めて窓ガラス11の全幅に対して、例えば、1/3程度、具体的に下に凸の台形状の突出部15の上辺は260mm〜660mm程度、下辺は140mm〜540mm程度、突出部15の高さは130mm〜260mmに形成される。
さらに、遮蔽膜14の縁部の下部には、左右方向に延在する遮蔽ドット部16、及び突出部15の面内側の縁部(側方)には、上下方向に延在する遮蔽ドット部17が形成されている。遮蔽ドット部16,17は、複数のドット(dot)で形成され、突出部15の中央部から外側に向けて(上から下に)、ドットの大きさを徐々に小さく、及び/又はドットの間隔を徐々に広くすることで、徐々に薄く(グラデーションになるように)なるように、所定の幅を備えている。例えば、左右方向に延在する遮蔽ドット部16の幅W16は、3mm〜20mm程度、水平方向に延在する遮蔽ドット部17の幅W17は、15mm〜30mm程度に形成される。
なお、ガラスアンテナ100及び後述するカバー等を設置しない側の突出部15の片側半分(図3では右半分)は、遮蔽部14の突出部15を全体的にドット部で形成してもよい。
本願において、窓ガラス11の車外側から見ると、車内視において遮蔽膜14上に設けられている電極及びアンテナ導体の部分は、遮蔽膜14により車外から見えなくなり、デザインの優れた窓ガラスとなる。図示の構成において、一対の電極6,7と第1のアンテナエレメント1及び、第2のアンテナエレメント2及び第3のアンテナエレメント3の少なくとも一部を遮蔽膜14の突出部15上に形成することで、車外視において導体(アンテナ導体γの一部)の細い直線部分のみを視認されることになり、デザイン上好ましい。
ガラスアンテナ100は、車両筐体30、例えば金属製の車両筐体の上縁部30aの近傍に給電用電極6が配置される場合に好適な形態である。
図4では、長方形状の給電用電極6を示している。給電用電極6の下辺の両端端部に第1のアンテナエレメント1との接続点a及び第2のアンテナエレメント2との接続点cが位置する。あるいは、詳細は後述するが、図17のように、第1及び第2アンテナエレメント1D,2Dは給電用電極6Dの右辺に接続してもよい。あるいは、水平方向であれば、左辺と右辺とから第1のアンテナエレメント1と第2のアンテナエレメント2とで反対の方向に延在してもよい。
後述する本発明の実施形態において、アンテナ導体からなる導体層を合成樹脂製フィルムの内部又はその表面に設け、導体層付き合成樹脂製フィルムを窓ガラスの車内側表面又は車外側表面に設置してガラスアンテナとしてもよい。さらに、アンテナ導体が形成された誘電体製フレキシブル回路基板を窓ガラス板の車内側表面又は車外側表面に設置してガラスアンテナとしてもよい。
また、エレメントの「端部」は、エレメントの延在の始点又は終点であってもよいし、その始点又は終点手前の導体部分である始点近傍又は終点近傍であってもよい。また、エレメント同士の接続部は、曲率を有して接続されていてもよい。
アンテナ導体は、銀ペースト等の、導電性金属を含有するペーストを窓ガラスの車内側表面にプリントし、焼付けて形成される。しかし、この形成方法に限定されず、銅等の導電性物質からなる、線状体又は箔状体を、窓ガラスの車両側表面又は車外側表面に形成してもよく、窓ガラスに接着剤等により形成してもよく、窓ガラス自身の内部に設けてもよい。給電用電極6及びアース側電極7についても同様である。
ここで、車両筐体30が金属製である場合、窓ガラス11上において、アンテナの放射エレメントを車両筐体30に近い位置に設けるほど、金属との干渉により、アンテナの受信利得が低下する傾向がある。
本発明において、図13〜17に示すいずれの実施形態を用いたとしても、最も長い線条エレメントである第2のアンテナエレメント2は、給電用電極6の下辺(下方)と接続されている。したがって、ガラスアンテナ100のアンテナ導体内で最も性能に関与する最も長い第2のアンテナエレメント2は、車両筐体30の上縁部30aから所定距離は離間することになる。
詳しくは、車両用アンテナを配置する領域は、窓ガラス11の上縁部11aの周辺であって、開口部の上縁部30aから垂直方向の長さの25%以内の範囲であり、250mm以内が好ましく、100mm以内がより好ましく、70mm以内がさらに好ましい。
さらに、ガラスアンテナ100は、車両筐体30との金属の干渉を避けるため、車両筐体30の上縁部30aとともに、側縁部30bからも所定距離、離れて設置するとより好適であるため、窓ガラス11の中心線12の近傍に配置されている。
<第1実施形態>
図4で示す第1実施形態において、ガラスアンテナ100は、給電用電極6から延在するアンテナ導体α、アンテナ導体β、及びアンテナ導体γを備えている。
本発明の第1実施形態において、アンテナ導体αを構成する第1のアンテナエレメント1は、給電用電極6との接続点aを起点に、上縁部30aから離れる方向に、略垂直方向に終点である下端bまで延在される。アンテナ導体βを構成する第2のアンテナエレメント2は、給電用電極6との接続点cを起点に、上縁部30aから離れる方向に、略垂直方向に終点である下端dまで延在される。
またアンテナ導体γにおいて、線条エレメント(第3のアンテナエレメント)3は給電用電極6との接続点eを起点に、アース側電極7より離れる方向に端部fまで延在する。線条エレメント(第4のアンテナエレメント)4は線条エレメント3の端部fと接続され、上方向、即ち上縁部30aに近接する方向へ端部gまで延在する。線条エレメント(第5のアンテナエレメント)5は線条エレメント3及び4の端部(即ち、線条エレメント3と線条エレメント4との接続部)fと接続され、下方向、即ち、上縁部30aから離れる方向へ端部hまで延在する。
このように、本実施形態において、アンテナ導体を構成する複数のアンテナエレメントの中で、第1のアンテナエレメント1及び第2のアンテナエレメント2が、地平面(特には、水平面)に対して垂直方向のベクトル成分を有するように窓ガラス11に設けられることによって、通信波の垂直偏波の電波を一層受信しやくなる。車両に対する窓ガラス11の取り付け角度は、例えば、地平面に対し、15°〜90°が好ましい。
図5は、図4に示すガラスアンテナ100に抵抗8及びコネクタ9を設置した拡大図である。
本発明の対象である通信用のアンテナでは、テレマティクスサービスを含む情報の送受信を行う。テレマティクスサービスの性質として、リアルタイム性や緊急性が求められることから、ネットワークの接続状態が維持されている必要がある。そこで、本発明の実施形態では、少なくともアンテナが接続されていること検知するために接続検出用の抵抗8を設けている。
本発明の実施形態では、さらに、コネクタ9を設けている。この構成により、アンテナエレメントと接続された給電用電極6と、アース側電極7と、コネクタ9と、抵抗8と同軸ケーブルの内部導体と編組線等の外部導体で繋ぐルートで閉回路を形成するように構成する。このような構成において、車両に設けられ、同軸ケーブルに接続される通信機器(図示しない)により抵抗8を含む回路による所定の範囲の抵抗値が得られない場合、アンテナが接続されていないことを検知し、通信が行えないことを検出する。
図6Aは、図5の抵抗8及びコネクタ9の設置状態の斜視図である。図6Aにおいて、抵抗8(抵抗モジュール素子)及びコネクタ9を、銀プリントで構成されるガラスアンテナ100の対の電極6,7上に、別々にはんだ付けして設置した例を示す。
図6Bは、抵抗8及びコネクタ9をアンテナ100上へ設置した別の例の斜視図である。図6Bにおいて、予め抵抗8(アキシャルリード抵抗)とコネクタ9との脚部を溶接またははんだ付けにより接続させ、その脚部を銀プリントで構成される対の電極6,7上にはんだ付けして設置した例を示している。
ここで、給電用電極6は、受信機に接続される同軸ケーブルの内部導体が電気的に接続される給電点(給電部)である。
窓ガラス11において、給電用電極6(正極側給電部、給電側電極部)と同軸ケーブルの内部導体(芯線)とが電気的に接続され、アース側電極7(負極側給電部、グランド電極部)と同軸ケーブルの外部導体とが電気的に接続される。同軸ケーブルと給電用電極6及びアース側電極7とを電気的に接続するためのコネクタ9(図5参照)を給電用電極6及びアース側電極7に実装する構成にすることによって、同軸ケーブルを給電用電極6及びアース側電極7に取り付けしやすくなる。
アース側電極7は、給電用電極6及び給電用電極6に電気的に接続されるアンテナ導体α〜γに接しないように、給電用電極6の周辺に近接して配置されていればよい。図4、図13〜16の場合、アース側電極7は、給電用電極6の右側に、給電用電極6から離間して配置されている。アース側電極7は、給電用電極6の上側に、給電用電極6から離間して配置されていてもよい(例えば、図17の実施形態のとき)。または、窓ガラス11の中心線12よりも右側に設置する場合は、アース側電極7は、給電用電極6の左側に、給電用電極6から離間して配置されていてもよい。
給電用電極6の形状は、給電用電極6に直接取り付けられる給電線の先端形状又は給電用電極6と給電線とを接続するための接続部材の形状(例えば、コネクタ9の実装面や接触端子の形状)に応じて決めるとよい。例えば、正方形、略正方形、長方形、略長方形などの方形状や多角形状が実装上好ましい。なお、円、略円、楕円、略楕円などの円状でもよい。
アース側電極7の形状についても、給電用電極6と同様にどのような形状であってもよい。また、給電用電極6とアース側電極7との離間距離についても、給電用電極6及びアース側電極7に直接取り付けられる給電線の先端形状又は給電用電極6及びアース側電極7と給電線とを接続するための接続部材の形状(例えば、コネクタ9の実装面や接触端子の形状)に応じて決めるとよい。
ここで、通信波は、国ごとに規定される利用周波数が異なり、また1つの国においてもキャリアごとに利用される周波数帯が異なる。従って、複数の通信波を受信できるように広帯域に対応するアンテナが好ましい。
通信に用いられるUHF(Ultra High frequency)波において、本発明のガラスアンテナは、例えばLTE(Long Term Evolution)に用いられる帯域のうち、3つの帯域0.698〜0.894GHz、1.71〜1.995GHz、2.496〜2.69GHz)において、通信できるように設定される。ガラスアンテナとして一対の電極6,7と、複数のアンテナエレメント1〜5を備えることで複数の周波数に対応している。
図7〜図12を用いて、各周波数帯に対応する場合の電流のシミュレーションを下記説明する。
図7〜図9は0.698〜0.894GHzの帯域(本発明においてBand1とする)に対応するシミュレーション図である。図7は、周波数が0.7GHzのときの電流の大きさを示す模式図である。周波数が0.7GHzのときは、第2のアンテナエレメント2に電流が流れ、放射している。
図8は、周波数が0.8GHzのときの電流の大きさを示す模式図である。周波数が0.8GHzのとき、第2のアンテナエレメント2と、線条エレメント4及び線条エレメント5に電流が流れ、放射している。このとき第2のアンテナエレメント2と線条エレメント4及び線条エレメント5との近接による容量結合又は電磁界結合も用いて放射している。
図9は、周波数が0.9GHzのときの電流の大きさを示す模式図である。周波数が0.9GHzのとき、線条エレメント4及び線条エレメント5に電流が流れ、放射している。
図10は1.71〜1.995GHzの帯域(本発明においてBand2とする)に対応するシミュレーション図であって、周波数が1.71GHzのときも、周波数が2GHzのときも、電流はほぼ同じ大きさを示す。1.71GHz及び2GHzでは第2の周波数帯(Band2)であり、第1の周波数帯(Band1)よりもバンドの周波数が高く、波長が短いので、アース側電極7と給電用電極6との間のカップリングにより電流が流れる。
図11〜図12は2.496〜2.69GHzの帯域(本発明においてBand3とする)に対応するシミュレーション図である。図11は、周波数が2.5GHzのときの電流の大きさを示す模式図である。主に電極6,7間のカップリング、及び、短い第1のアンテナエレメント1、第2のアンテナエレメント2に電流が流れる。
図12は、周波数が2.69GHzのときの電流の大きさを示す模式図である。主に電極間のカップリング、及び、アンテナエレメント1〜5全てに電流が流れる。
図7〜図12からわかるように、複数のエレメントを組み合わせて用いることで、広い周波数帯域に対して、アンテナとして通信することができる。
なお、上記のシミュレーションより、本発明の実施形態で受信する通信波の内、もっとも低い周波数帯の第1のバンド帯域は、長い第2のアンテナエレメント2、及び線条エレメント4及び線条エレメント5で受信することがわかる。
具体的には、0.7GHz付近では、第2のアンテナエレメント2が主に受信する。よって、周波数0.7GHzにおける空気中の波長をλ01とし、窓ガラス11の波長短縮率をkとし、窓ガラス上での波長をλg1=λ01・kとして、このとき、給電用電極6から第2のアンテナエレメント2の先端までの最長経路長(即ち、アンテナエレメント2の導体長)L2が、(3/10)・λg1を狙い値として、(29/100)・λg1以上(4/10)・λg1以下であれば、0.7GHz付近の周波数帯において、共振することでアンテナ利得向上の点で好ましい結果が得られる。
したがって、0.7GHz付近での周波数について、アンテナ利得を向上させたい場合、電波の速さを3.0×10m/sとし、波長短縮率kを0.61とすると、経路長Laである第2のアンテナエレメント2の導体長を、76mm以上105mm以下に調整するとよい。
また、0.9GHz付近では、線条エレメント4及び線条エレメント5で構成される直線が主に受信する。よって、周波数0.9GHzにおける空気中の波長をλ02とし、窓ガラス11の波長短縮率をkとし、窓ガラス11上での波長をλg2=λ02・kとして、このとき、線条エレメント4の上端gから線条エレメント5の下端hまでの経路長Lbが、(4/10)・λg2を狙い値として、(35/100)・λg2以上(45/100)・λg2以下であれば、0.9GHz付近の周波数帯において、共振することでアンテナ利得向上の点で好ましい結果が得られる。
したがって、0.9GHz付近での周波数で、アンテナ利得を向上させたい場合、電波の速さを3.0×10m/sとし、波長短縮率kを0.58とすると、導体長L45である線条エレメント4の導体長L4と線条エレメント5との導体長L5の合計値を、68mm以上87mm以下に調整するとよい。
なお、第2のアンテナエレメント2の導体長L2と、線条エレメント4及び線条エレメント5からなる直線の導体長L45は、広帯域の確保するため、異なる長さであることが望ましい。本例では、第2のアンテナエレメント2の導体長が線条エレメント4及び線条エレメント5からなる直線の導体長L45よりも長く、長い方の第2のアンテナエレメント2が低周波側の0.7GHz付近を通信可能としているが、長さL2、L45は逆であってもよい。即ち、第2のアンテナエレメント2の導体長L2は、前記直線の導体長L45より短くてもよく、その場合、短い方の第2のアンテナエレメント2が0.9GHz周辺の周波数、長い方の直線が0.7GHzの周波数を受信する。
なお、第2のアンテナエレメント2の導体長と、第4のアンテナエレメント及び第5のアンテナエレメントからなる直線の導体長L45とのどちらを長く設定するとしても、異なる波長と通信可能にするため、エレメント同士は所定距離離間して配置されている。図4の場合、線条エレメント5の下端hが第2のアンテナエレメント2と最近接するが、その距離は3mm以上離れていると好ましい。
また、2.5GHz及び2.69GHz付近では、第1のアンテナエレメント1が主にアンテナのインピーダンス特性に影響を与える。このとき、波長短縮率k=0.5、λg3=60mmとなり、通信に電極6,7も関与し、主に給電の整合調整のため、アンテナエレメント1の導体長L1が調整される。よって、第1のアンテナエレメント1がアース側電極7の一部と近接して並設されているためカップリングし、2.5GHz及び2.69GHz付近での整合(リターンロス)を決定している。よって、第1のアンテナエレメント1の導体長L1を2mm以上6mm以下に調整するとよい。
また、本発明のガラスアンテナ100は、電極6,7において、幅の広いベタ部(塗りつぶし部)を備えるので、広い帯域に対応することができる。
しかし、ベタ部の面積が広すぎると、その部分が車両用ガラスとして強度が不足したり、ガラスと金属との熱吸収や応力の違いによりひずみが生じたりする恐れがある。そこで、ガラスの強度を保ちながら、電極の幅を広くできるように、アース側電極7において、抵抗8及びコネクタ9を設置しない場所に、切り欠き部7Nを形成している(図4、図5参照)。なお、アース側電極7だけなく、給電用電極6においても、コネクタ9を設置しない場所に、切り欠き部を形成してもよい。
このように、本発明のガラスアンテナ100は、長さの異なる複数のアンテナエレメントを備えているため、図7〜図12のシミュレーション図でわかるように、車両のデザインや空力特性に影響を与えなくても、複数の帯域であって広帯域に対応することができる。
ここで、車両は移動体であるため、複数のアンテナを設け、場所によって受信感度の良い何れか一方のアンテナに切り替え可能な電波選択能を備えると好ましい。または、複数のアンテナにより通信容量を増加する機能であるMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)構成とするとさらに好ましい。
そのため、本発明において、窓ガラス11の幅方向の中心線12で概略線対称に本発明のアンテナ100と同様構成の広帯域のアンテナを設けることもできる。この際、複数のアンテナは互いに干渉を避けるため、所定距離(例えば、0.7GHzの0.2波長である86mm以上)離れて設置すると好ましい。このように、窓ガラス11に複数のガラスアンテナを設置して、アンテナ切り替えにより通信性能を向上させる、またはMIMO構成とすることで移動体である車両においても広帯域で通信容量の向上の効果を得られる。
図13は、本発明の実施形態のガラスアンテナ100、カメラ21、及びレインセンサ22がカバー20で覆われて設置された車両用の前方窓ガラス11の全体の模式図である。
近年、車両の安全性を向上させるため、前方の窓に距離測定用の二眼のステレオカメラが搭載されることが多くなっている。搭載されたカメラにおいて、複数台のカメラを用いて同一の対象物を撮影したときの二つの画像(基準画像と参照画像)から画像のずれを算出し、その画像のずれに基づいて対象物(人、車、信号機等)までの距離を測定する。そのため、車両前の対象物を左右均等に検出可能にするように、フロントガラスの水平方向の略中央部付近の上部に設置される傾向にある。
さらに、ワイパースイッチの操作からドライバーを解放させながら、雨天時の視界をより向上させることができるように、ワイパーを自動制御させるために、ガラスに当たる雨の状態を検知するレインセンサも、フロントガラスに設置されることが増えている。
このようなカメラ及び/又はレインセンサを設置する場合、誤動作を避けるとともに、見栄えを向上させるカバーに覆われることがある。本発明の実施形態に係るガラスアンテナ100は、窓ガラス11において、カバー20に隠れるように、即ち、できるだけカバー内部に収まるように設置されると好ましい。
ただし、カバー20は必ずしもガラスアンテナ100全体を覆わなくてもよく、美観に大きな影響を与える、窓ガラス11から空間方向へ突出して設置される抵抗8及びコネクタ9を覆い、並びに、ベタ部を構成するアース側電極7と給電用電極6は少なくとも一部を覆うようにカバー20を設置してもよい。アンテナエレメント1〜5は窓ガラス11内に組み込まれて設けられ、細い線状であるため、カバー20の外に設けられた場合であっても、目立ちにくい。
ここで、図4の第1実施形態のガラスアンテナ100に対応するカバー20は、図13に示すように、上辺が長く下辺が短い台形状に形成される。このような台形状のカバー20が設置される遮蔽膜14の、遮蔽ドット部17を含む突出部15も、上辺が長く下辺が短い台形状であり、突出部15の側辺付近にある遮蔽ドット部17の側辺は直線である。
この構成において、図13に示すように、線条エレメント4と線条エレメント5とは直線状を成しており、遮蔽膜14の突出部15の側辺及びカバー20の側辺に沿って平行であると好ましい。
例えば、「側辺に沿う」とは一例として、突出部15の一辺(側辺)から、内側又は外側に15mm以内、好ましくは10mm以内であると好ましい。
この場合、線条エレメント4と線条エレメント5とで構成された直線の上端gは、第2のアンテナエレメント2及び第2のアンテナエレメント2の上方の仮想延長線に対して、直線の下端hよりも離間しているように配置される。即ち、該直線の下端hが第2のアンテナエレメント2と最近接し、該直線は上になるほど前記第2のアンテナエレメント2から離れるように、非平行に延在している。
このように形成することで、上縁部30aから窓ガラス11の面内方向に突出して、離れる下側では、スペースを取らず、見栄えを向上させることができる。
なお、LTEの通信波は、ラジオやテレビ等の放送波を受信するアンテナシステムよりも、ノイズ耐性が強いシステムであるため、図13〜図17で示すようにカメラ21やレインセンサ22の近傍に配置しても、送受信する通信波はノイズからの影響を受けにくい。
なお、図13〜17において符号23はルームミラー配線支持部を示し、符号24は、ルームミラー支持部であるミラーベースを示す。ルームミラー配線支持部23及びミラーベース24は、カバー20の外側に配置される。
<第2実施形態>
本発明のガラスアンテナはカバー及び突出部の形状に合わせて、変形させてもよい。図14は、本発明の第2実施形態のガラスアンテナ100、カメラ21、及びレインセンサ22がカバー20−1で覆われて設置された車両用の前方窓ガラス11の一部の模式図である。
本実施形態において、カバー20−1の側面(左側側面)は、膨らむ方向に湾曲している(曲線である)。あるいは、膨らむ方向に所定の角で折れ曲がっていてもよい。
従って、本実施形態のガラスアンテナ100−1において、線条エレメント4Aと線条エレメント5Aとは直線状を成しておらず、接続部fが外側に屈曲するように形成されている。このように、形成した場合であっても、上記と同様の効果がある。
なお、窓ガラス11の周辺領域に形成された遮蔽膜14の面内方向に突出する突出部15の側辺の形状及び遮蔽ドット部17−1の側辺に沿う形状も、台形に限られず、図14に示すように、側辺が膨らむように湾曲していてもよい。
<第3実施形態>
本発明のガラスアンテナはカバー及び突出部の形状に合わせて、変形させてもよい。図15は、本発明の第3実施形態のガラスアンテナ100−2、カメラ21、及びレインセンサ22がカバー20−2で覆われて設置された車両用の前方窓ガラス11の一部の模式図である。
本実施形態において、カバー20−2の側面(左側側面)は、窪む方向に湾曲している。あるいは、窪む方向に所定の角度で折れ曲がっていてもよい。
従って、本実施形態のガラスアンテナ100−2において、線条エレメント4Bと線条エレメント5Bとは直線状を成しておらず、接続部fが内側に入り込むように折れ曲がるように形成されている。このように形成した場合であっても、上記と同様の効果を奏する。
なお、窓ガラス11の周辺領域に形成された遮蔽膜14の面内方向に突出する突出部15の側辺の形状及び遮蔽ドット部17−2の側辺に沿う形状も、台形に限られず、側辺が凹むように湾曲していてもよい。
<第4実施形態>
本発明のガラスアンテナはカバー及び突出部の形状に合わせて、変形させてもよい。図16は、本発明の第4実施形態のガラスアンテナ100−3、カメラ21、及びレインセンサ22がカバー20−3で覆われて設置された車両用の前方窓ガラス11の一部の模式図である。
本実施形態において、図13の構成と比較して、突出部15の垂直方向の長さ(高さ)が短く、突出部15の側辺及び該側辺に隣接する遮蔽ドット部17−3の傾きが緩やかである(水平方向に近い)。このような突出部15に設置するカバー20−3は、第1〜3実施形態と比較して、垂直方向の長さ(高さ)が短い。
このようにカバー20−3を構成する場合は、第2のアンテナエレメント2Cは、金属製の車両筐体30の上縁部30aから離れる方向であれば、垂直方向に延在しなくてもよく、略下方方向であれば、傾いた方向へ延在してもよい。
また、線条エレメント3Cの延在方向も水平方向に限られず、第2のアンテナエレメント2Cの延在方向とは異なる方向であれば、どの方向に延在してもよい。
このように、形成した場合であっても、上記と同様の効果を奏する。
<第5実施形態>
本発明のガラスアンテナはカバー及び突出部の形状に合わせて、変形させてもよい。図17は、本発明の第5実施形態のガラスアンテナ100−4、カメラ21、及びレインセンサ22がカバー20−4で覆われて設置された車両用の前方窓ガラス11の一部の模式図である。
本実施形態において、図13の構成と比較して、突出部15の垂直方向の長さ(高さ)が長く、突出部15の側辺及び該側辺に隣接する遮蔽ドット部17−4の傾きが鋭い(垂直方向に近い)。このような突出部15に設置するカバー20−4は、第1〜3実施形態と比較して、垂直方向の長さ(高さ)が長い。
この場合、一対の電極6D,7Dは、左右方向に限られず、上下方向へ並設配置してもよい。その場合は、第1のアンテナエレメント1Dはアース側電極7Dの一辺と近接して平行になるように水平方向に給電用電極6Dから延在する。この構成では、第2のアンテナエレメント2Dは、車両筐体30の上縁部30aから離れる方向であれば、垂直方向に延在しなくてもよく、略下方方向であれば、傾いた方向へ延在してもよい。
また、第3のアンテナエレメント3Dの延在方向も水平方向に限られず、第2のアンテナエレメント2Dの延在方向とは異なる方向であれば、どの方向に延在してもよい。このとき、第4のアンテナエレメント4D,第5のアンテナエレメント5Dからなる直線は下端hが第2のアンテナエレメント2Dと最近接し、該直線は上になるほど第2のアンテナエレメント2Dから離れるように、非平行に延在している。尚、第4のアンテナエレメント4Dと第5のアンテナエレメント5Dとの形状は直線に限られず、図14に示す第2実施形態のように、接続部fが外側に屈曲するように形成されてもよい。このように、形成した場合であっても、上記と同様の効果を奏する。
なお、上述の実施形態は、右ハンドルの車両において、助手席側に設置する例を想定して、左側にアンテナを設置する構成を示したが、左ハンドルにおいて上述のガラスアンテナと左右対称のアンテナを助手席側になる右側に設置してもよく、或いは運転席側に設置してもよい。
以上、ガラスアンテナ及び窓ガラスを複数の実施形態例により説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではない。他の実施形態例の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
上述したガラスアンテナの形態を実際の車両用窓ガラス(フロントガラス)に取り付けて作製された車両用ガラスアンテナについて、そのアンテナ利得の実測結果について説明する。
図18は、実験条件を示す概略図であって、測定に用いた車両40及び送信用アンテナTxの状態を説明する図である。アンテナ利得は、ガラスアンテナが形成された車両用窓ガラスを、ターンテーブル上の車両の窓枠に組みつけて実測された。このとき窓ガラスは水平面に対して約27°傾いた状態となる。
ガラスアンテナが形成された車両用窓ガラスを組みつけた車両40の左右、前後車軸中央をターンテーブル中心に合わせて、車両40を水平方向θrに360°回転させて行った。
アンテナ利得のデータは、回転角度2°毎に、通信波の周波数範囲において10MHz毎に測定された。さらに送信用アンテナTxを地面と平行な面を仰角=0°、天頂方向を仰角=90°とする場合、仰角θeを0°〜30°まで2°毎で動作させ、仰角方向の測定も行った。アンテナ利得は、測定系をあらかじめ標準利得アンテナによる校正を行い絶対利得で標記した。
図19に、通信に用いる周波数帯(Frequency)における、図3及び図4で示すガラスアンテナ100のリターンロスを示す。
図20に、送信アンテナTxからの垂直偏波をガラスアンテナ100で受信したときの利得(全周及び仰角平均利得測定結果)を示し、図21に、送信アンテナTxからの水平偏波をガラスアンテナ100で受信したときの利得を示す。詳しくは、送信アンテナTxを仰角θe=0°〜30°まで2°毎とし、各仰角θeにおいて、車両90を360°回転(θr=0〜360°(全周)、2°毎)させ、測定したデータの平均利得特性を示す。
本発明における、図19〜図21の測定で用いた、図4(図5)で示した実施形態のガラスアンテナ100の形状において寸法は、単位をmmとして
L1:4.0
L2:82.0
L3:16.8
L4:28.1
L5:49.8
L6:30.0
L7:20.0
L8:30.0
L9:40.0
D12:11.0
D67:2.0
なお、アンテナエレメントの線幅は1mm、切り欠け部7Nの夫々の大きさは4x4mm、θ(L3とL5とがなす角度)は69°とする。
ガラスアンテナ100を配置する位置として、給電用電極6及びアース側電極7の上端と車両筐体30の上縁部30aまでの距離は27mmとする。
本実施例において、一例として、抵抗8は、抵抗値=+10kΩ、誤差±10%の抵抗器(抵抗モジュール素子)を用いた。また、コネクタ9はガラス面へ直接接続可能な、日本航空電子工業株式会社製の同軸ケーブル用オンガラスコネクタ、CE2を用いた。ただし 、抵抗8の抵抗値はシステム側仕様により適宜変更が可能であり、またコネクタも同様の機能を有するオンガラスコネクタであれば限定はされない。
通信に用いる周波数帯において、リターンロスは、一般的に−7dB以下、好ましくは−10dB以下であると好ましい。図19のグラフからわかるように、本発明のガラスアンテナ100では、通信に用いる周波数帯である上記Band1、Band2、Band3において、−7dB以下の良好なリターンロスであることがわかる。
表1は図20について、通信波、例えばLTE(Long Term Evolution)としていられる帯域のうち、3つの帯域0.698〜0.894GHz(Band1)、1.71〜1.995GHz(Band2)、2.496〜2.69GHz(Band3)において、ガラスアンテナ100が受信する垂直偏波の平均利得(Average Gain)、及び3つの帯域の利得の平均値(算術平均値)(3Band Average)を示す。表2は、図21について、上記3つの帯域の通信波について、ガラスアンテナ100が受信する水平偏波の平均利得、及び3つの帯域の平均値を示す。
Figure 0006610390
Figure 0006610390
図20、図21、表1、及び表2からわかるように、本発明のガラスアンテナ100では、上記Band1、Band2、Band3の全帯域の平均利得、即ち、3つの帯域の平均値は−9dBi以上であり、垂直偏波及び水平偏波を受信する、良好な平均利得が得られることがわかる。
なお、通信波は通常、ノイズ耐性が強く、用いる周波数が放送波よりも高く、ノイズ源となるカメラ21や、レインセンサ22、さらには、テレビやラジオ等の放送波アンテナを近接して配置しても、通信にはあまり影響を受けない。
1 第1のアンテナエレメント
2 第2のアンテナエレメント
3 線条エレメント(第3のアンテナエレメント)
4 線条エレメント(第4のアンテナエレメント)
5 線条エレメント(第5のアンテナエレメント)
6 給電用電極
7 アース側電極
7N 切り欠き部
8 抵抗
9 コネクタ
11 窓ガラス(フロントガラス)
11a,11b,11c,11d 窓ガラスの外周縁
12 中心線
14 遮蔽膜
15 突出部
16 遮蔽ドット部
17 遮蔽ドット部
20,20−1,20−2,20−3,20−4 カバー
21 カメラ
22 レインセンサ
23 ルームミラー配線支持部
24 ミラーベース
30 車両筐体
30a,30b,30c,30d 車体フランジの縁部
40 車両
100,100−1,100−2,100−3,100−4 ガラスアンテナ
α アンテナ導体
β アンテナ導体
γ アンテナ導体

Claims (11)

  1. 通信波を送受信するガラスアンテナを備える、車両用窓ガラスであって、
    前記ガラスアンテナは、
    アース側電極及び給電用電極からなる一対の電極と、
    前記給電用電極と接続される第1のアンテナエレメントと、
    前記給電用電極に接続され、略下方へ延在し、前記第1のアンテナエレメントよりも長い、第2のアンテナエレメントと、
    前記給電用電極に接続され、前記第2のアンテナエレメントよりも短く、前記第2のアンテナエレメントと異なる方向へ延在する、第3のアンテナエレメントと、
    一端が前記第3のアンテナエレメントの端部と接続され、他端が上方へ延在する、第4のアンテナエレメントと、
    一端が前記第3のアンテナエレメントの端部と前記第4のアンテナエレメントの一端に接続され、他端が下方へ延在する、第5のアンテナエレメントと、を備える、
    車両用窓ガラス。
  2. 当該車両用窓ガラスの周縁領域に形成され、該周縁領域のうち前記車両用窓ガラスの上辺に沿った領域から面内方向へ突出する突出部を備えている遮蔽膜を備えており、
    前記ガラスアンテナの前記一対の電極の少なくとも一部は前記遮蔽膜上に設けられている、
    請求項1記載の車両用窓ガラス。
  3. 前記遮蔽膜の前記突出部は上辺が長く下辺が短く、側辺が直線又は曲線の形状であり、
    前記第3のアンテナエレメントは前記遮蔽膜の前記突出部の一方の側辺に向かって延在する、
    請求項2記載の車両用窓ガラス。
  4. 前記遮蔽膜の前記突出部は上辺が長く下辺が短い台形状であり、
    前記第4のアンテナエレメントと前記第5のアンテナエレメントとが直線状を成し、該直線が、前記遮蔽膜の前記台形状の前記突出部の一方の側辺と平行である、
    請求項2又は3に記載の車両用窓ガラス。
  5. 前記第4のアンテナエレメント及び前記第5のアンテナエレメントが直線状を成し、該直線の下端が前記第2のアンテナエレメントと最近接し、該直線は上になるほど前記第2のアンテナエレメントから離れるように、延在している、
    請求項2から4のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  6. 前記一対の電極が水平方向に並設され、前記アース側電極は前記給電用電極よりも大きく、
    前記第1のアンテナエレメントが前記アース側電極の一部と近接して並設されている、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  7. 前記アース側電極と前記給電用電極とを接続する抵抗が設けられている、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  8. 前記アース側電極において、又は前記アース側電極及び前記給電用電極の両方において、切り欠き部が、前記抵抗が接触しない位置に、形成される、
    請求項7記載の車両用窓ガラス。
  9. 前記ガラスアンテナの前記一対の電極の少なくとも一部、及び、該一対の電極を接続する抵抗を覆う、カバーが設けられる、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  10. 前記ガラスアンテナが所定距離離れて複数設けられる、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の車両用窓ガラス。
  11. アース側電極及び給電用電極からなる一対の電極と、
    前記給電用電極と接続される第1のアンテナエレメントと、
    前記給電用電極に接続され、略下方へ延在し、前記第1のアンテナエレメントよりも長い、第2のアンテナエレメントと、
    前記給電用電極に接続され、前記第2のアンテナエレメントよりも短く、前記第2のアンテナエレメントと異なる方向へ延在する、第3のアンテナエレメントと、
    前記給電用電極に接続され、第2のアンテナエレメントよりも短く、第2のアンテナエレメントと異なる向きに接続する、第3のアンテナエレメントと、
    一端が第3のアンテナエレメントの端部と接続され、他端が上方へ延在する、第4のアンテナエレメントと、
    一端が前記第3のアンテナエレメントの端部と前記第4のアンテナエレメントの一端に接続され、他端が下方へ延在する、第5のアンテナエレメントと、を備える、
    ガラスアンテナ。
JP2016075295A 2015-05-22 2016-04-04 車両用窓ガラス及びガラスアンテナ Active JP6610390B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/148,524 US9985333B2 (en) 2015-05-22 2016-05-06 Window glass for vehicle and glass antenna
EP16001037.7A EP3096397B1 (en) 2015-05-22 2016-05-06 Window glass for vehicle and glass antenna
CN201610342147.8A CN106169642B (zh) 2015-05-22 2016-05-20 车辆用窗玻璃和玻璃天线

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015104922 2015-05-22
JP2015104922 2015-05-22

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016220196A JP2016220196A (ja) 2016-12-22
JP6610390B2 true JP6610390B2 (ja) 2019-11-27

Family

ID=57578753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016075295A Active JP6610390B2 (ja) 2015-05-22 2016-04-04 車両用窓ガラス及びガラスアンテナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6610390B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7231851B2 (ja) * 2018-04-13 2023-03-02 セントラル硝子株式会社 ガラスアンテナエレメントを備えるウィンドシールド
JPWO2022163447A1 (ja) * 2021-01-29 2022-08-04

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016220196A (ja) 2016-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106169642B (zh) 车辆用窗玻璃和玻璃天线
JP6614237B2 (ja) ガラスアンテナ及びガラスアンテナを備える車両用窓ガラス
JP4803004B2 (ja) 自動車用高周波ガラスアンテナ及び窓ガラス板
JP6503842B2 (ja) 車両用アンテナ及び車両用アンテナを備えた窓板
US10290932B2 (en) Glass antenna and vehicle window glass provided with glass antenna
JPH0563425A (ja) 車両窓
JP2017005354A (ja) 車両用ガラスアンテナ及び車両用アンテナを備えた後部窓ガラス
JP7103370B2 (ja) アンテナ及び車両用窓ガラス
JP5115359B2 (ja) 車両用ガラスアンテナ及び車両用窓ガラス板
US9379430B2 (en) Multiband antenna
JP6610390B2 (ja) 車両用窓ガラス及びガラスアンテナ
WO2014104365A1 (ja) ガラスアンテナ付き車両用フロントガラス
JP6436159B2 (ja) ガラスアンテナ及びアンテナを備える窓ガラス
EP2355237A1 (en) Glass antenna and vehicular window glass including the same
JP5003627B2 (ja) 車両用ガラスアンテナ及び車両用窓ガラス
JP7103471B2 (ja) アンテナ付き窓ガラス
JP5867416B2 (ja) ガラスアンテナ及びそれを備える車両用窓ガラス
JP2020053930A (ja) アンテナ及び窓ガラス組立体
JP5929904B2 (ja) ガラスアンテナ及び窓ガラス
JP2007174513A (ja) 自動車用高周波ガラスアンテナ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191014

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6610390

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250