JP6330635B2 - 医療用ガイドワイヤの製造方法 - Google Patents

医療用ガイドワイヤの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6330635B2
JP6330635B2 JP2014240966A JP2014240966A JP6330635B2 JP 6330635 B2 JP6330635 B2 JP 6330635B2 JP 2014240966 A JP2014240966 A JP 2014240966A JP 2014240966 A JP2014240966 A JP 2014240966A JP 6330635 B2 JP6330635 B2 JP 6330635B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer material
guide wire
wire
medical guide
coating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014240966A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016101311A (ja
Inventor
真 川原
真 川原
藤川 佳之
佳之 藤川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gunze Ltd filed Critical Gunze Ltd
Priority to JP2014240966A priority Critical patent/JP6330635B2/ja
Publication of JP2016101311A publication Critical patent/JP2016101311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6330635B2 publication Critical patent/JP6330635B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Description

本発明は、医療用ガイドワイヤの製造方法に関する。
従来、心臓血管系内や胆管内等にカテーテルを導入する際に、そのカテーテルの挿入を安全確実にするために、医療用ガイドワイヤが用いられている。この医療用ガイドワイヤは、その先端をカテーテルの先端より突出させた状態で、血管や胆管に挿入し、体外に位置する手元部を回転させながら押し引き操作して血管等内を進行させ、カテーテルとともに目的部位付近まで挿入される。そして、この状態で、医療用ガイドワイヤに沿ってカテーテルを移動させ、カテーテルの先端部を目的部位付近まで誘導する。したがって、医療用ガイドワイヤには、高度の柔軟性・可撓性、血管等内及びカテーテル内での高摺動性等を備えた高品質が要求される。
このような医療用ガイドワイヤとしては、例えば、特許文献1に示されるもの等種々知られており、高摺動性を付与するために、その外周には潤滑性の被覆層が形成されている。このような被覆層は、例えば、液状のフッ素系樹脂等をガイドワイヤの外周部に吹き付けることにより、或いは、液状のフッ素系樹脂等が貯留される貯留槽にガイドワイヤを浸漬することによってコーティング層として形成されている。或いは、フッ素系樹脂等から形成された別体としてのチューブをガイドワイヤに外装し、その後熱処理を施すことにより、チューブを熱収縮させて形成される。
特開2004−089305号公報
上述のように、従来の医療用ガイドワイヤにおいては、摺動性を高めるために設けられる被覆層は、コーティングにより形成される、或いは、外装されたチューブにより形成されており、以下のような問題を有していた。すなわち、コーティング層として被覆層を形成する場合、医療用ガイドワイヤとカテーテルとの摺接によって、医療用ガイドワイヤの被覆層(コーティング層)の一部が剥離してしまい耐久性に欠けるという問題があった。
また、チューブにより被覆層を形成する場合、医療用ガイドワイヤとカテーテルとの摺接によってチューブの一部が剥離するということは発生しにくいが、コーティング層として被覆層を形成する場合の肉厚に比して、チューブの肉厚を大きく形成せざるを得ないという理由から、医療用ガイドワイヤの柔軟性が損なわれるという問題があった。また、チューブにより被覆層を形成する場合、チューブをガイドワイヤに固定する必要から、チューブを熱収縮させる必要があり、このときの熱処理により、チューブが被覆されるガイドワイヤに熱衝撃を与えてしまうおそれもあった。
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであって、耐久性に優れ、また、良好な柔軟性を有する医療用ガイドワイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、医療用ガイドワイヤの製造方法であって、可撓性を有する長尺なワイヤ本体の表面に、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートから選択される熱可塑性を有するセルロース系高分子材料を溶融押出して被覆層を形成する被覆層形成ステップと、前記熱可塑性を有するセルロース系高分子材料の少なくとも表面を強アルカリ性溶液で処理して非熱可塑性化するステップとを備える医療用ガイドワイヤの製造方法により達成される
この医療用ガイドワイヤの製造方法において、被覆層の表面に、凹凸、又は、凸条を形成するように構成してもよい。
また、本発明の上記目的は、医療用ガイドワイヤの製造方法であって、可撓性を有する長尺なワイヤ本体の表面に、第1の熱可塑性を有する高分子材料及び前記第1の高分子材料とは種類の異なる第2の熱可塑性を有する高分子材料を溶融押出して、前記各高分子材料からそれぞれ形成される複数の領域を備えた被覆層を形成する被覆層形成ステップを備えており、前記第1の高分子材料は、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートから選択されるセルロース系高分子材料であり、前記セルロース系高分子材料の少なくとも表面を強アルカリ性溶液で処理して非熱可塑性化するステップを更に備える医療用ガイドワイヤの製造方法により達成される。ここで、前記第2の高分子材料は、疎水性を有していることが好ましい

また、前記第1の熱可塑性を有する高分子材料及び前記第2の熱可塑性を有する高分子材料からそれぞれ形成される複数の領域を備えた前記被覆層は、乾燥状態においては、前記第2の高分子材料から形成される領域の表面が、前記第1の高分子材料から形成される領域の表面よりも外側に張り出すと共に、前記第1の高分子材料から形成される領域が水分を含んで膨潤した状態においては、前記第1の高分子材料から形成される領域の表面が、前記第2の高分子材料から形成される領域の表面よりも外側に張り出すように構成してもよい。
本発明によれば、耐久性に優れ、また、良好な柔軟性を有する医療用ガイドワイヤの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る医療用ガイドワイヤにおける軸線方向に沿った概略構成要部拡大断面図である。 図1のA−A断面を示す概略構成断面図である。 本発明に係る医療用ガイドワイヤの製造過程を示す説明図である。 本発明に係る医療用ガイドワイヤの製造方法を説明するためのブロック図である。 本発明に係る医療用ガイドワイヤの変形例を示す概略構成要部拡大側面図及び断面図である。 (a)は、本発明に係る医療用ガイドワイヤの他の変形例を示す概略構成要部拡大側面図及び断面図であり、(b)は、そのB−B断面図である。 本発明に係る医療用ガイドワイヤの変形例を示す概略構成要部拡大側面図及び断面図である。 本発明に係る医療用ガイドワイヤの変形例を示す概略構成断面図である。 (a)(b)共に、本発明に係る医療用ガイドワイヤの変形例を説明するための概略構成断面図である。
以下、本発明の実施形態にかかる医療用ガイドワイヤについて添付図面を参照して説明する。なお、各図は、構成の理解を容易ならしめるために部分的に拡大・縮小している。図1は、本発明の一実施形態に係る医療用ガイドワイヤ1における軸線方向(医療用ガイドワイヤ1の長手方向)に沿った概略構成要部拡大断面図である。また、図2は、図1のA−A断面を示す概略構成断面図である。この医療用ガイドワイヤ1は、例えば、カテーテルに挿入して用いられる医療用ガイドワイヤ1であって、図1及び図2に示すように、ワイヤ本体2と、当該ワイヤ本体2の表面に配置される被覆層3とを備えている。
ワイヤ本体2は、可撓性を有する長尺な線材状部材である。このワイヤ本体2としては、従来からある医療用ガイドワイヤの芯材として使用される種々の材料を用いて構成することができる。例えば、ステンレス鋼、ピアノ線、コバルト系合金、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む)などの各種金属材料を使用してワイヤ本体2を形成することができる。特に、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む)が好ましく、より好ましくは超弾性合金である。
コバルト系合金を用いてワイヤ本体2を構成した場合、その弾性率が高く、かつ適度な弾性限度を有するため、コバルト系合金で構成されたワイヤ本体2は、トルク伝達性に優れ、座屈等の問題が極めて生じ難い。コバルト系合金としては、構成元素としてCoを含むものであれば、いかなるものを用いてもよいが、Coを主成分として含むもの(Co基合金:合金を構成する元素中で、Coの含有率が重量比で最も多い合金)が好ましく、Co−Ni−Cr系合金を用いるのがより好ましい。このような組成の合金を用いることにより、前述した効果がさらに顕著なものとなる。また、このような組成の合金は、弾性係数が高く、かつ高弾性限度としても冷間成形可能で、高弾性限度であることにより、座屈の発生を十分に防止しつつ、小径化することができ、所定部位に挿入するのに十分な柔軟性と剛性を備えるものとすることができる。
また、超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに、復元性があり、曲がり癖が付き難いので、ワイヤ本体2を超弾性合金で構成することにより、医療用ガイドワイヤ1は、高い柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、複雑に湾曲・屈曲する血管等に対する追従性が向上し、より優れた操作性が得られる。また、医療用ガイドワイヤ1が、湾曲・屈曲変形を繰り返しても、ワイヤ本体2の復元性により曲がり癖が付かないので、医療用ガイドワイヤ1の使用中に曲がり癖が付くことによる操作性の低下を防止することができる。
また、ワイヤ本体2の形態としては種々の形態を採用することができる。例えば、金属線材によりワイヤ本体2を構成する場合、一本の金属線によってワイヤ本体2を形成してもよく、或いは、一本の金属線を折り合わせた後撚り合わせてワイヤ本体2を形成してもよい。また、複数の金属線を撚り合わせてワイヤ本体2を形成してもよく、金属線及び高分子線状部材を撚り合わせて形成してもよい。更には、中心部分と表面部分とが異なる材料から形成されているもの等、種々の構成を採用することができる。また、ワイヤ本体2の表面全体に高分子材料のコーティングを施してもよい。
また、ワイヤ本体2は、その外径がほぼ一定となるように構成してもよく、或いは、部分的に拡径或いは縮径するように構成してもよい。例えば、ワイヤ本体2の先端部分が、先端方向に向かってその外径が減少するテーパ状となるように構成した場合、ワイヤ本体2の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、医療用ガイドワイヤ1の先端部に良好な柔軟性を付与することができ、折れ曲がり等を防止することができる。
また、先端部分を構成する第1ワイヤ本体部と、中間部分及び手元部分を構成する第2ワイヤ本体部とを溶接等により連結することによりワイヤ本体2を構成してもよい。第1ワイヤ本体部と第2ワイヤ本体部とによりワイヤ本体2を構成する場合、第1ワイヤ本体部の径が、第2ワイヤ本体部の径よりも小さくなるように設定することが好ましい。また、連結部分は、第1ワイヤ本体部と第2ワイヤ本体部とが滑らかに連結するようにテーパ状となるように構成することが好ましい。このようにワイヤ本体2を構成した場合も、ワイヤ本体2の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、医療用ガイドワイヤ1は、先端部に良好な狭窄部の通過性および柔軟性を得て、折れ曲がり等を防止することができる。
被覆層3は、ワイヤ本体2の表面に配置される円筒状の被膜であり、熱可塑性を有し、溶融押出し可能な高分子材料を、例えばクロスヘッド押出法等の押出被覆法により、押出被覆させてワイヤ本体2の表面に融着して形成されている。
以下、本発明に係る医療用ガイドワイヤ1の製造方法について、図3の製造過程を示す説明図及び図4のブロック図を用いて説明する。図3に示すように、本発明に係る医療用ガイドワイヤ1は、クロスヘッドダイ51を有する溶融押出機5によりワイヤ本体2の表面に連続的に所定厚みの被覆層3を形成することにより製造される。本発明の医療用ガイドワイヤ1の製造方法は、図4のブロック図に示すように、セッティングステップS1と、予熱ステップS2と、被覆層形成ステップS3とを備えている。
具体的に説明すると、まず、図示しない第1ワイヤドラムからワイヤ本体2の先端部側を引き出して、ワイヤ本体2をクロスヘッドダイ51の後部から、クロスヘッドダイ51に形成される貫通孔52内に送り込んで挿通させ、ワイヤ本体2の先端を図示しない第2ワイヤドラムに固定する(セッティングステップS1)。第2ワイヤドラムにはモータ等の駆動装置が接続しており、当該駆動装置によりワイヤ本体2が第2ワイヤドラムに巻き取り可能に構成されている。
押出部53においては、熱可塑性の高分子材料を予め加熱して流動化させ(予熱ステップS2)、当該流動化された熱可塑性の高分子材料が内部に貯留されている。
次いで、第2ワイヤドラムを回転させてワイヤ本体2を牽引して巻き取りながら、ワイヤ本体2の所定個所を貫通孔52に通過させつつ、流動化された熱可塑性の高分子材料を押出部53からクロスヘッドダイ51に形成される供給孔54に供給する。供給された流動化高分子材料は、供給孔54と貫通孔52とを連通する流路55を介して、貫通孔52内に導かれ、当該貫通孔52内に挿通されるワイヤ本体2の表面に円筒状に連続的に押出被覆され融着される(被覆層形成ステップS3)。この被覆層形成ステップS3を経ることにより被覆層3が形成される。ここで、流路55は、環状に形成されており、高分子材料の押し出し方向の先端部551では、流路径が円錐状に縮小して形成されている。被覆層3が形成されたワイヤ本体2は、第2ワイヤドラムと溶融押出機5との間に配置される冷却手段(図示せず)により冷却される。この冷却により、被覆層3の温度が低下して固化し、ワイヤ本体2と一体化した医療用ガイドワイヤ1が形成され、第2ワイヤドラムに巻き取られる。ここで、冷却手段としては、クロスヘッドダイ51を通過し被覆層3が形成されたワイヤ本体2の温度を低下させることができる方法であればどのような方法を採用してもよい。例えば、送風することにより冷却してもよく、或いは、水が貯留された水槽内を通過させることにより冷却してもよい。また、自然冷却により被覆層3の温度低下を図る場合には、冷却手段を設けなくてもよい。なお、溶融押出機5におけるクロスヘッドダイ51は、押出機の押出方向と直角に(クロスする方向に)、左右あるいは上下に流れ方向を転回させる方式のダイをいい、ワイヤ本体2の表面に被覆層3を形成する際に好ましく用いることができるが、このクロスヘッドダイ51の代わりに、クロスヘッドダイの一種であるオフセットダイ(押出物の流れを2回方向転換させるダイ;別名ダブルクロスヘッドダイ)を用いて、押出被覆法(オフセットダイを用いる場合は、オフセット押出法と一般的にいわれる)によりワイヤ本体2の表面に被覆層3を形成することもできる。
ここで、被覆層3を形成する熱可塑性の高分子材料としては、押出被覆ができる種々の親水性或いは疎水性の高分子材料を用いることができる。親水性を有する高分子材料としては、例えば、セルロースアセテート(セルロースジアセテートやセルローストリアセテート等)やセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートといったセルロースエステル類のセルロース系高分子材料を挙げることができる。これらの高分子材料は押出被覆が可能である上に後処理で加水分解することによって非熱可塑性化されたセルロース系高分子材料とできるため好ましい。非熱可塑性化処理は被覆層3の少なくとも表面を苛性ソーダ水(限定されるものではなく強アルカリ性を呈する溶液であればよい)等のアルカリで処理する等の方法を用いることができ、非熱可塑性化されたセルロース系高分子材料とすることで親水性が強く発現し、易滑性が向上するため好ましい。また非熱可塑性化されることにより、熱に対する形状安定性が向上し好ましい。たとえば医療用ガイドワイヤが熱処理される場合であっても形状維持しやすく、形状に基づく易滑性を発揮しやすい。また、非熱可塑性化されたセルロース系高分子材料はカルボキシアルキル化等公知の方法により親水性が向上されていてもよく、好ましいといえる。
また、疎水性を有する高分子材料としては、例えば、易滑性のフッ素系高分子を挙げることができる。このようなフッ素系高分子としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA、融点300〜310℃)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、融点330℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP、融点250〜280℃)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE、融点260〜270℃)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、融点160〜180℃)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE、融点210℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE、融点290〜300℃)等、及び、これらのポリマーを含むコポリマー等のフッ素系高分子から形成した疎水性高分子を挙げることができる。また、フッ素系高分子材料の他、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ウレタン、シリコーン、ポリエチレンやポリプロピレン等の疎水性高分子材料から被覆層3を形成してもよい。
本発明に係る医療用ガイドワイヤ1においては、被覆層3は、熱可塑性の高分子材料を押出被覆によりワイヤ本体2の表面に融着されて形成されているため、被覆層3のワイヤ本体2への密着強度が高く、ワイヤ本体2の外周部にコーティング材を吹き付けたり、コーティング材の貯留槽に浸漬して形成される従来の被覆層3(コーティング層)と比べて、剥離が発生しにくく、耐久性が高いものとなる。
また、例えば、押出被覆法において用いられるクロスヘッドダイ51における貫通孔52の内径を適宜変更することにより、或いは、貫通孔52の内部を通過するワイヤ本体2の速度(牽引速度)を適宜変更することにより、又は、押出部53からの高分子材料の供給量等を適宜変更すること等により、被覆層3の厚みを種々変更することができ、チューブをワイヤ本体2に外装し熱処理を加えて製造される従来の医療用ガイドワイヤ1よりも、被覆層3の厚みを薄くすることができる。これにより、医療用ガイドワイヤ1の柔軟性を良好なものとすることができる。
更に、チューブをワイヤ本体2に外装して形成される従来の医療用ガイドワイヤ1においては、その製造過程において、外装されたチューブを熱収縮させるために高い加熱温度での所定時間の処理が必要となり、製造された医療用ガイドワイヤのワイヤ本体2に熱衝撃によるダメージが蓄積するおそれが高いが、本発明に係る医療用ガイドワイヤ1においては、その製造過程において、ワイヤ本体2に対する加熱処理を行う必要がなく、熱が加えられるタイミングは、被覆層3を形成する高分子材料がワイヤ本体2に接触するタイミングのみであり、熱衝撃によるダメージの蓄積が大幅に低減されることとなる。特に、超弾性合金からワイヤ本体2を形成する場合、このワイヤ本体2に熱によるダメージが蓄積されると、その柔軟性や曲げに対する復元性が大きく劣化するおそれが高いが、本発明に係る医療用ガイドワイヤ1においては、熱によるダメージがワイヤ本体2にほとんど与えられないため、柔軟性や曲げに対する復元性が劣化することが抑制され、医療用ガイドワイヤ1の使用中に曲がり癖が付くことによる操作性の低下が効果的に防止される。
以上、本発明に係る医療用ガイドワイヤ1について説明したが、具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、第2ワイヤドラムによるワイヤ部材の巻き取り速度を一定ではなく脈動させることにより、図5に示すように、医療用ガイドワイヤ1の長手方向に沿って表面凹凸が形成される被覆層3を形成されるように構成してもよい。
また、例えば、押出被覆法において用いられるクロスヘッドダイ51における環状の流路55の吐出口形状を種々変更することにより、医療用ガイドワイヤ1の長手方向に沿った凸条を有する被覆層3を形成することもできる。具体的には、ワイヤ本体2の挿通方向に沿う方向の流路55の吐出口幅において、幅広部と幅狭部とを形成するようにクロスヘッドダイ51を構成することにより、ワイヤ本体2の表面に供給される高分子材料の量をワイヤ本体2の周方向に沿って変化させることで、図6(a)の概略構成要部拡大側面図及び断面図や、このB−B断面図である図6(b)に示すように、医療用ガイドワイヤ1の長手方向に沿った凸条31を有する被覆層3を形成することができる。
また、上述のように、ワイヤ本体2の挿通方向に沿う方向の流路55の吐出口幅において、幅広部と幅狭部とを形成するようにクロスヘッドダイ51を構成すると共に、ワイヤ本体2をその軸線周りに回転させながらクロスヘッドダイ51の貫通孔52を通過させることにより、図7の概略構成要部拡大側面図及び断面図に示すように、医療用ガイドワイヤ1の長手方向に沿う螺旋状の凸条31を形成することもできる。
図5、図6、図7に示すように、表面に、凹凸や凸条31が形成される被覆層3を有するように医療用ガイドワイヤ1を構成する場合、例えば、カテーテル内に挿入される際に、カテーテルの内壁と接触する部分は、被覆層3の凹凸における凸部や凸条31となるため、医療用ガイドワイヤ1とカテーテルとの接触面積を大幅に減じることが可能となり、高い摺動性を確保することが可能となる。
また、上記実施形態において、ワイヤ本体2に形成される被覆層3が、図8の断面図に示すように、種類の異なる熱可塑性の高分子材料からそれぞれ形成される複数の領域35,36を備えるように構成してもよい。図8においては、2種類の高分子材料からそれぞれ形成される各領域35,36が、ワイヤ本体2の周方向に沿って交互に配置されている。このような医療用ガイドワイヤ1は、例えば、一の種類の高分子材料が供給される第1流路と、他の種類の高分子材料が供給される第2流路とが形成され、各流路の吐出口が、貫通孔52内に挿通されるワイヤ本体2の周方向に沿う方向に並ぶように配置されたクロスヘッドダイを用いることにより形成することができる。なお、各流路は、異なる押出部から種類の異なる高分子材料がそれぞれ供給されるように構成されている。また、各押出部においては、予熱ステップS2として、各高分子材料を予め加熱して流動化し、内部に貯留している。このようなクロスダイヘッドを有する溶融押出機により、上記被覆層形成ステップS3において、流動化された各高分子材料をワイヤ本体2の表面にそれぞれ融着させて、種類の異なる高分子材料からそれぞれ形成される複数の領域35,36を有する被覆層3が形成される。
上述のように、種類の異なる高分子材料からそれぞれ形成される複数の領域を備えるように被覆層3を形成する場合、易滑性を有する疎水性の高分子材料と、親水性の高分子材料(例えば、非熱可塑性化されたセルロース系高分子材料)とを組み合わせることが好ましい。このような組み合わせを採用することにより、医療用ガイドワイヤ1が体液や造影剤等によって濡れていない環境、つまり乾燥環境(ドライ環境)でカテーテル内に挿入されて使用される場合には、疎水性の高分子材料から形成される領域35が高い摺動性を発揮することとなり、施術者が行う医療用ガイドワイヤ1の回転操作や押し引き操作を円滑にスムーズに行うことが可能となる。一方、医療用ガイドワイヤ1が体液や造影剤等によって濡れた環境、つまり湿潤環境(ウェット環境)でカテーテル内に挿入されて使用される場合には、親水性の高分子材料(例えば、非熱可塑性化されたセルロース系高分子材料)からなる領域36が水分を含むことにより高い摺動性を発揮し、医療用ガイドワイヤ1の回転操作や押し引き操作を円滑にスムーズに行うことが可能となる。
なお、疎水性の高分子材料と親水性の高分子材料とを組み合わせて被覆層3を形成する場合、図9(a)に示すように、乾燥状態においては(親水性の高分子材料から形成される領域36が水分を含んでいない状態においては)、疎水性の高分子材料から形成される領域35の表面の方が、親水性の高分子材料から形成される領域36の表面よりも外側に張り出すように構成する一方、図9(b)に示すように、親水性の高分子材料からなる領域36が水分を含んで膨潤した状態においては、親水性の高分子材料から形成される領域36の表面の方が、疎水性の高分子材料から形成される領域35の表面よりも外側に張り出すように、疎水性の高分子材料からなる領域35と、親水性の高分子材料からなる領域36との各厚みを適宜設定することが好ましい。
また、種類の異なる高分子材料からそれぞれ形成される複数の領域35,36を備えるように被覆層3を形成する場合において、例えば、ワイヤ本体2をその軸線周りに回転させながらクロスヘッドダイ51の貫通孔52を通過させることにより、種類の異なる高分子材料からそれぞれ形成される領域35,36が、医療用ガイドワイヤ1の長手方向に沿って螺旋状に巻回される形態を有するように被覆層3を形成してもよい。
1 医療用ガイドワイヤ
2 ワイヤ本体
3 被覆層
31 凸条
35 一の種類の高分子材料から形成される領域
36 他の種類の高分子材料から形成される領域
5 溶融押出機
51 クロスヘッドダイ
52 貫通孔
53 押出部
54 供給孔
55 流路
551 流路の先端部

Claims (5)

  1. 医療用ガイドワイヤの製造方法であって、
    可撓性を有する長尺なワイヤ本体の表面に、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートから選択される熱可塑性を有するセルロース系高分子材料を溶融押出して被覆層を形成する被覆層形成ステップと、
    前記熱可塑性を有するセルロース系高分子材料の少なくとも表面を強アルカリ性溶液で処理して非熱可塑性化するステップとを備える医療用ガイドワイヤの製造方法。
  2. 前記被覆層の表面に、凹凸、又は、凸条を形成することを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤの製造方法。
  3. 医療用ガイドワイヤの製造方法であって、
    可撓性を有する長尺なワイヤ本体の表面に、第1の熱可塑性を有する高分子材料及び前記第1の高分子材料とは種類の異なる第2の熱可塑性を有する高分子材料を溶融押出して、前記各高分子材料からそれぞれ形成される複数の領域を備えた被覆層を形成する被覆層形成ステップを備えており、
    前記第1の高分子材料は、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートから選択されるセルロース系高分子材料であり、
    前記セルロース系高分子材料の少なくとも表面を強アルカリ性溶液で処理して非熱可塑性化するステップを更に備える医療用ガイドワイヤの製造方法。
  4. 前記第2の高分子材料は、疎水性を有していることを特徴とする請求項3に記載の医療用ガイドワイヤの製造方法。
  5. 前記第1の熱可塑性を有する高分子材料及び前記第2の熱可塑性を有する高分子材料からそれぞれ形成される複数の領域を備えた前記被覆層は、乾燥状態においては、前記第2の高分子材料から形成される領域の表面が、前記第1の高分子材料から形成される領域の表面よりも外側に張り出すと共に、前記第1の高分子材料から形成される領域が水分を含んで膨潤した状態においては、前記第1の高分子材料から形成される領域の表面が、前記第2の高分子材料から形成される領域の表面よりも外側に張り出すように構成される請求項4に記載の医療用ガイドワイヤの製造方法。
JP2014240966A 2014-11-28 2014-11-28 医療用ガイドワイヤの製造方法 Active JP6330635B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014240966A JP6330635B2 (ja) 2014-11-28 2014-11-28 医療用ガイドワイヤの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014240966A JP6330635B2 (ja) 2014-11-28 2014-11-28 医療用ガイドワイヤの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016101311A JP2016101311A (ja) 2016-06-02
JP6330635B2 true JP6330635B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=56087872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014240966A Active JP6330635B2 (ja) 2014-11-28 2014-11-28 医療用ガイドワイヤの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6330635B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6831955B2 (ja) * 2016-10-20 2021-02-24 株式会社八光 分岐管

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60259269A (ja) * 1984-06-04 1985-12-21 テルモ株式会社 医療用具およびその製造方法
US6458867B1 (en) * 1999-09-28 2002-10-01 Scimed Life Systems, Inc. Hydrophilic lubricant coatings for medical devices
US20070014945A1 (en) * 2005-07-12 2007-01-18 Boston Scientific Scimed, Inc. Guidewire with varied lubricity
JP3806139B1 (ja) * 2005-09-26 2006-08-09 朝日インテック株式会社 医療用ガイドワイヤ、および医療用ガイドワイヤとカテーテルとの組立体
US7737060B2 (en) * 2006-03-31 2010-06-15 Boston Scientific Scimed, Inc. Medical devices containing multi-component fibers

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016101311A (ja) 2016-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5696659B2 (ja) カテーテルの製造方法
JP5862801B2 (ja) 医療用ガイドワイヤ
JP6149855B2 (ja) 医療機器
JP4553010B2 (ja) 医療用カテーテルチューブならびにその製造方法
WO2011155491A1 (ja) 医療用チューブ、およびその製造方法
WO2010073646A1 (ja) カテーテル
JP2011062354A (ja) カテーテル
JP5233156B2 (ja) 医療用カテーテルチューブ
US10589060B2 (en) Extrusion with preferential bend axis
JP2008092969A (ja) 医療用マルチルーメンチューブ
JP5990907B2 (ja) 医療機器および医療機器の製造方法
JP6078271B2 (ja) カテーテル
JP6330635B2 (ja) 医療用ガイドワイヤの製造方法
JP2005081100A (ja) 内視鏡の可撓管
JP4801434B2 (ja) 内視鏡用可撓管
JPH0994296A (ja) カテーテル
JP6928203B2 (ja) 分岐血管挿入用カテーテル
JP4269456B2 (ja) カテーテルチューブの製造方法
JPH09313613A (ja) 拡張体付カテーテル
JPH11197249A (ja) カテーテルチューブの製造方法
JP4827301B2 (ja) 内視鏡用カテーテル
JP2005329063A (ja) ダイレータ
WO2014203343A1 (ja) 医療機器および医療機器の製造方法
JP2008104658A (ja) 医療用バルーンカテーテル
JP6137380B2 (ja) 医療機器の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170315

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180105

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180320

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180409

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6330635

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250