JPH11197249A - カテーテルチューブの製造方法 - Google Patents

カテーテルチューブの製造方法

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JPH11197249A
JPH11197249A JP10006733A JP673398A JPH11197249A JP H11197249 A JPH11197249 A JP H11197249A JP 10006733 A JP10006733 A JP 10006733A JP 673398 A JP673398 A JP 673398A JP H11197249 A JPH11197249 A JP H11197249A
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JP
Japan
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catheter tube
thermoplastic resin
layer
fluororesin
coated
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Application number
JP10006733A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Kato
善久 加藤
Hideyuki Suzuki
秀幸 鈴木
Hiroyuki Ito
宏幸 伊藤
Koichi Nakajima
光一 中島
Masao Shirato
正夫 白土
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 最内層にフッ素系樹脂層を有すると共に、そ
のフッ素系樹脂層の外周に被覆され、かつ、フッ素系樹
脂層と強固に密着した編組及び/又は被覆層を有したカ
テーテルチューブの製造方法を提供するものである。 【解決手段】 連続心線の表面にフッ素系樹脂を被覆し
てフッ素系樹脂層14を形成すると共に、そのフッ素系
樹脂層14の表面に熱可塑性樹脂を被覆して熱可塑性樹
脂層を形成した後、上記連続心線の引き抜きを行うカテ
ーテルチューブの製造方法において、上記フッ素系樹脂
層14の表面に、コロナ放電処理を施しながら熱可塑性
樹脂A,Bの被覆11,12を行うものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテーテルチュー
ブの製造方法に係り、特に、チューブ内面に潤滑層を有
したカテーテルチューブの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】病院などの医療機関においては、外部か
ら患者の生体内の所定部位に薬液や造影剤を注入した
り、患者の生体から体液などを排出するために、カテー
テルと称される可撓性を有するチューブ状の医療器具が
用いられている。
【0003】一般に、このカテーテルチューブは、細い
血管や尿道などを利用して生体内に挿入されるようにな
っていることから、特にカテーテルチューブの挿入時に
おいて、カテーテルチューブが挿入途中の血管壁や生体
器官などを傷付けることがないようにすると共に、カテ
ーテルチューブの先端を正確に生体内の所定部位に到達
させることができるようにするために、高い操作性・安
全性が要求されている。また、薬液や造影剤の注入、他
のカテーテルチューブの挿入がスムーズに行えることが
望まれている。
【0004】そのため、このカテーテルチューブは、血
管壁や生体器官などを傷付けることがないと共に、曲げ
やすく弾力性に富んだ先端部と、この先端部を生体内の
所定部位に確実に到達させるためのトルク伝達性を保持
したトルク伝達部とで構成されている。
【0005】従来のカテーテルチューブの製造方法とし
て、先ず、可撓性プラスチックからなるチューブ体(内
層)の内部に丸線(連続心線)を挿入した後、そのチュ
ーブ体の外周に耐食性の金属線からなる編組(以下、ブ
レードと呼ぶ)を被覆する。
【0006】その後、チューブ体を加熱した金型に通過
させてブレードをチューブ体内に埋め込ませ、チューブ
体外周部に補強層を有したトルク伝達部を形成する。
【0007】次に、チューブ体の先端部分における金属
ブレードを、電気化学的金属除去法によって除去し、弾
力性に富んだ先端部を形成する。
【0008】その後、先端部およびトルク伝達部から構
成されるチューブ体の外周に、可塑性プラスチックを押
出して可塑性プラスチック層を一括被覆すると共に、実
際のカテーテルチューブの長さとなるように切断する。
【0009】最後に、丸線を延伸させてチューブ体から
引抜き、カテーテルチューブを作製する。
【0010】このような構成・構造を有したカテーテル
チューブにおいて、チューブ内面に潤滑(低摩擦抵抗)
層を有した構造のものが開発されている。
【0011】カテーテルチューブ内面に潤滑層を形成す
る方法としては、フッ素系樹脂であるポリテトラフルオ
ロエチレン(以下、PTFEと呼ぶ)のチューブ体を用
いてPTFE層を最内層に配置する方法、シリコン系塗
料をカテーテルチューブの内面にコーティングして潤滑
性を得る方法などが知られている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たPTFE層を最内層に配置する方法においては、PT
FE層の外周にブレードまたは可塑性プラスチック層を
被覆した場合、PTFE層とブレードまたは可塑性プラ
スチック層との密着(接着)性が良好でないことによる
剥離が生じやすく、トルク伝達性などの操作性が安定し
ないという問題があった。
【0013】また、シリコン系塗料をカテーテルチュー
ブ内面にコーティングする方法においては、カテーテル
チューブ内部に別のカテーテルチューブやガイドワイヤ
などを挿入する場合、その挿入によってコーティング層
が摩耗するおそれがあり、カテーテルチューブ内面の潤
滑性が挿入中において変化しやすいという問題があっ
た。
【0014】そこで本発明は、上記課題を解決し、最内
層にフッ素系樹脂層を有すると共に、そのフッ素系樹脂
層の外周に被覆され、かつ、フッ素系樹脂層と強固に密
着した編組及び/又は被覆層を有したカテーテルチュー
ブの製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、連続心線の表面にフッ素系樹脂を
被覆してフッ素系樹脂層を形成すると共に、そのフッ素
系樹脂層の表面に熱可塑性樹脂を被覆して熱可塑性樹脂
層を形成した後、上記連続心線の引き抜きを行うカテー
テルチューブの製造方法において、上記フッ素系樹脂層
の表面に、コロナ放電処理を施しながら熱可塑性樹脂の
被覆を行うものである。
【0016】請求項2の発明は、連続心線の表面にフッ
素系樹脂を被覆してフッ素系樹脂層を形成すると共に、
そのフッ素系樹脂層の表面に熱可塑性樹脂を被覆して熱
可塑性樹脂層を形成した後、上記連続心線の引き抜きを
行うカテーテルチューブの製造方法において、上記フッ
素系樹脂層の表面に、コロナ放電処理を施しながら編組
の被覆を行い、その編組の表面に熱可塑性樹脂の被覆を
行うものである。
【0017】請求項3の発明は、上記フッ素系樹脂層の
表面に上記コロナ放電処理を施した後、接着剤を塗布乾
燥させながら上記熱可塑性樹脂の被覆を行う請求項1記
載のカテーテルチューブの製造方法である。
【0018】請求項4の発明は、上記編組の表面に、接
着剤を塗布乾燥させながら上記熱可塑性樹脂の被覆を行
う請求項2記載のカテーテルチューブの製造方法であ
る。
【0019】請求項5の発明は、上記フッ素系樹脂層の
表面に、上記コロナ放電処理を施すと共に、接着剤を塗
布乾燥させながら編組の被覆を行う請求項2記載のカテ
ーテルチューブの製造方法である。
【0020】請求項6の発明は、上記熱可塑性樹脂層
を、硬度が異なる2種類以上の熱可塑性樹脂の押出量を
調整して2層以上に形成する請求項1乃至請求項5記載
のカテーテルチューブの製造方法である。
【0021】請求項7の発明は、上記熱可塑性樹脂層を
構成する各熱可塑性樹脂の層厚に、所定の間隔で勾配を
持たせる請求項6記載のカテーテルチューブの製造方法
である。
【0022】請求項8の発明は、硬度が低い上記熱可塑
性樹脂の層厚を、カテーテルチューブの長手方向一端側
で厚くする請求項6又は請求項7記載のカテーテルチュ
ーブの製造方法である。
【0023】請求項9の発明は、硬度が低い上記熱可塑
性樹脂の層厚を、カテーテルチューブの長手方向に亘っ
て一定にすると共に、硬度が高い上記熱可塑性樹脂の層
厚を、カテーテルチューブの長手方向一端側で薄くする
請求項6又は請求項7記載のカテーテルチューブの製造
方法である。
【0024】以上の構成によれば、連続心線の表面にフ
ッ素系樹脂を被覆してフッ素系樹脂層を形成すると共
に、そのフッ素系樹脂層の表面に熱可塑性樹脂を被覆し
て熱可塑性樹脂層を形成した後、上記連続心線の引き抜
きを行うカテーテルチューブの製造方法において、上記
フッ素系樹脂層の表面に、コロナ放電処理を施しながら
熱可塑性樹脂の被覆を行うため、最内層にフッ素系樹脂
層を有すると共に、そのフッ素系樹脂層の外周に被覆さ
れ、かつ、フッ素系樹脂層と強固に密着した編組及び/
又は被覆層を有したカテーテルチューブを得ることがで
きる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0026】本発明のカテーテルチューブの製造方法の
流れ図を図1に示す。図1における押出装置の拡大横断
面図を図2に示す。
【0027】図1に示すように、先ず、連続心線の表面
にフッ素系樹脂を被覆してなるフッ素樹脂被覆線1を窒
素ガス雰囲気のコロナ放電装置2内に導入する。コロナ
放電装置2内に導入されたフッ素樹脂被覆線1は、その
表面にコロナ放電処理が施され、その後、接着剤塗布装
置3内に導入される。ここで、フッ素樹脂被覆線1の表
面を処理するコロナ放電装置2としては、線状体の表面
を均一に処理できる電極を有する装置であれば特に限定
するものではない。
【0028】次に、接着剤塗布装置3内に導入されたフ
ッ素樹脂被覆線1は、その表面に接着剤が塗布され、そ
の後、押出装置4内に導入される。ここで、接着剤塗布
装置3は、必要に応じて配置されるものであり、フッ素
系樹脂と後述する熱可塑性樹脂との接着性(密着性)が
良好である場合などにおいては配置しなくてもよい。
【0029】図2に示すように、押出装置4は、樹脂押
出部とダイスホルダー8とで構成されている。樹脂押出
部は、フッ素樹脂被覆線1をダイスホルダー8に導入す
るための管状のニップル5と、ニップル5を囲繞すると
共に、ダイス9に臨んで設けられる内層ホルダー6と、
内層ホルダー6を囲繞すると共に、ダイス9に嵌合して
設けられる外層ホルダー7とで構成されるものである。
【0030】押出装置4におけるニップル5内に導入さ
れたフッ素樹脂被覆線1は、先ず、内層ホルダー6内に
おいて、内層ホルダー6内に供給された内層用熱可塑性
樹脂Aによって表面被覆され、その表面に熱可塑性樹脂
内層11が形成される。
【0031】その後、表面に熱可塑性樹脂内層11が形
成されたフッ素樹脂被覆線1は、ダイス9内において、
外層ホルダー7内に供給された外層用熱可塑性樹脂Bに
よって表面被覆され、その表面に熱可塑性樹脂外層12
を形成する。
【0032】この時、各熱可塑性樹脂A,Bを用いて形
成される各熱可塑性樹脂層11,12の層厚に、所定の
間隔で勾配を持たせるようにする。
【0033】例えば、硬度が低い内層用熱可塑性樹脂A
を用いて形成した熱可塑性樹脂内層11の層厚を、カテ
ーテルチューブ13の長手方向一端側で厚くすると共
に、他端側で薄くし、硬度が高い外層用熱可塑性樹脂B
を用いて形成した熱可塑性樹脂外層12の層厚を、カテ
ーテルチューブ13の長手方向一端側で薄くすると共
に、他端側で厚くする。尚、各熱可塑性樹脂層11,1
2の層厚の勾配の付け方は、特に限定するものではな
く、硬度が低い内層用熱可塑性樹脂Aを用いて形成した
熱可塑性樹脂内層11の層厚を、カテーテルチューブ1
3の長手方向に亘って一定にすると共に、硬度が高い外
層用熱可塑性樹脂Bを用いて形成した熱可塑性樹脂外層
12の層厚を、カテーテルチューブ13の長手方向一端
側で薄くし、他端側で厚くしてもよいことは言うまでも
ない。
【0034】ここで、内層用熱可塑性樹脂Aおよび外層
用熱可塑性樹脂Bのそれぞれの供給量は、ギヤポンプな
どの供給量制御手段(図示せず)によって制御されてお
り、内層用熱可塑性樹脂Aと外層用熱可塑性樹脂Bは、
硬度がそれぞれ異なるものである。
【0035】本発明のカテーテルチューブの製造方法を
用いて作製したカテーテルチューブの縦断面図を図3お
よび図4に、横断面図を図5に示す。尚、図2と同様の
部材には同じ符号を付している。
【0036】最後に、ダイス押出口10から連続カテー
テルチューブ13を押出し、図3および図4に示すよう
に、実際のカテーテルチューブの長さLとなるように連
続カテーテルチューブ13を切断し、連続心線を延伸さ
せてフッ素樹脂チューブ体14の内部から引抜き、図5
に示すようなカテーテルチューブ15,25を得る。
【0037】フッ素系樹脂としては特に限定するもので
はないが、例えば、PTFE、エチレンテトラフルオロ
エチレン(ETFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素
樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオ
ロプロピレンコポリマ(FEP)などが挙げられ、適
宜、2種類以上のフッ素系樹脂を組み合わせて用いても
よい。尚、カテーテルチューブ最内面の潤滑性を特に重
視する場合は、PTFEが最も好ましい。
【0038】接着剤としては特に限定するものではない
が、例えば、シアヌレート系、エポキシ系、ウレタン
系、ポリエーテル系、ポリエステル系の樹脂などが挙げ
られる。
【0039】内層用熱可塑性樹脂Aおよび外層用熱可塑
性樹脂Bは、特に限定するものではないが、例えば、ポ
リウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエチ
レン系、ポリ塩化ビニル系、フッ素樹脂系の熱可塑性樹
脂などが挙げられ、適宜、熱可塑性樹脂に、造影剤とし
て硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステンカーバイ
トなどを添加してもよい。また、内層用熱可塑性樹脂A
および外層用熱可塑性樹脂Bの組み合わせは、特に限定
するものではなく、硬度が異なる2層の熱可塑性樹脂層
11,12を形成できるものであれば、同一樹脂系の組
み合わせ、または異なる樹脂系の組み合わせであっても
よい。
【0040】尚、本発明においては、硬度が異なる2種
類の熱可塑性樹脂を用いて2層の熱可塑性樹脂層を形成
しているが、硬度が異なる3種類以上の熱可塑性樹脂を
用いて3層以上の熱可塑性樹脂層を形成してもよいこと
は言うまでもない。
【0041】すなわち、本発明のカテーテルチューブの
製造方法によれば、硬度の異なる各熱可塑性樹脂を用い
て形成する各熱可塑性樹脂層の層厚に、所定の間隔で勾
配を持たせると共に、各熱可塑性樹脂層の厚さを、カテ
ーテルチューブの長手方向において変化させているた
め、カテーテルチューブの長手方向における可撓性を変
化させることができると共に、カテーテルチューブのト
ルク伝達性などの操作性を大幅に向上させることができ
る。
【0042】また、カテーテルチューブの最内層である
フッ素樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後に、熱
可塑性樹脂層を形成しているため、フッ素樹脂層と熱可
塑性樹脂層とが強固に密着すると共に剥離が生じにくく
なり、トルク伝達性などの操作性が格段に安定する。
【0043】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。
【0044】第1の実施の形態のカテーテルチューブの
製造方法を用いて作製したカテーテルチューブの横断面
図を図6に示す。尚、図3乃至図5と同様の部材には同
じ符号を付している。
【0045】本実施の形態のカテーテルチューブの製造
方法は、先ず、連続心線の表面にフッ素系樹脂を被覆し
てなるフッ素樹脂被覆線を、窒素ガス雰囲気のコロナ放
電装置内に導入する。コロナ放電装置内に導入されたフ
ッ素樹脂被覆線は、その表面にコロナ放電処理が施され
た後、ブレード被覆装置内に導入される。
【0046】次に、ブレード被覆装置内に導入されたフ
ッ素樹脂被覆線は、その表面にブレードが被覆された
後、押出装置内に導入される。
【0047】その後、押出装置内に導入されたフッ素樹
脂被覆線は、その表面に熱可塑性樹脂内層および熱可塑
性樹脂外層が形成された後、ダイス押出口から連続カテ
ーテルチューブとして押出される。
【0048】最後に、実際のカテーテルチューブの長さ
となるように連続カテーテルチューブを切断し、連続心
線を延伸させてフッ素樹脂チューブ体の内部から引抜
き、図6に示すようなフッ素樹脂チューブ体14の外周
に、ブレード16、熱可塑性樹脂内層11、および熱可
塑性樹脂外層12が順次被覆されたカテーテルチューブ
35を得る。
【0049】ブレード16の材質としては特に限定する
ものではないが、例えば、ステンレス、Pt、Au、形
状記憶合金などの金属線が挙げられ、金属線以外として
は高強度繊維などの線状体を用いてもよい。
【0050】第2の実施の形態のカテーテルチューブの
製造方法を用いて作製したカテーテルチューブの横断面
図を図7に示す。尚、図3乃至図6と同様の部材には同
じ符号を付している。
【0051】本実施の形態のカテーテルチューブの製造
方法は、先ず、連続心線の表面にフッ素系樹脂を被覆し
てなるフッ素樹脂被覆線を、窒素ガス雰囲気のコロナ放
電装置内に導入する。コロナ放電装置内に導入されたフ
ッ素樹脂被覆線は、その表面にコロナ放電処理が施され
た後、ブレード被覆装置内に導入される。
【0052】次に、ブレード被覆装置内に導入されたフ
ッ素樹脂被覆線は、その表面にブレードが被覆された
後、接着剤塗布装置内に導入される。尚、接着剤塗布装
置を、ブレード被覆装置の後段にではなく、前段に配置
してもよいことは言うまでもない。
【0053】その後、接着剤塗布装置内に導入されたフ
ッ素樹脂被覆線は、その表面に接着剤が塗布された後、
押出装置内に導入される。
【0054】その後、押出装置内に導入されたフッ素樹
脂被覆線は、その表面に熱可塑性樹脂内層および熱可塑
性樹脂外層が形成された後、ダイス押出口から連続カテ
ーテルチューブとして押出される。
【0055】最後に、実際のカテーテルチューブの長さ
となるように連続カテーテルチューブを切断し、連続心
線を延伸させてフッ素樹脂チューブ体の内部から引抜
き、図7に示すようなフッ素樹脂チューブ体14の外周
に、ブレード16、接着剤層17、熱可塑性樹脂内層1
1、および熱可塑性樹脂外層12が順次被覆されたカテ
ーテルチューブ45を得る。
【0056】第1及び第2の実施の形態のカテーテルチ
ューブの製造方法を用いて作製したカテーテルチューブ
においても、本発明のカテーテルチューブの製造方法を
用いて作製したカテーテルチューブと同等の作用効果を
発揮することは言うまでもない。
【0057】
【実施例】(実施例1)ラム押出機を用いて、外径が
1.45mmの銀メッキ軟銅線の外周にPTFEを押出
焼結し、銀メッキ軟銅線の外周に厚さ0.05mmのP
TFEチューブ体を形成する。
【0058】次に、このPTFEチューブ体をコロナ放
電処理装置の電極炉(窒素雰囲気下、5個のリング電
極、総出力が120W、線速15m/分)内に挿通させ
て、PTFEチューブ体の表面にコロナ放電処理を施し
ながら、その外周に厚さ0.15mmのポリウレタン
(ペレセン2363−55DE;造影剤として30wt
%の酸化ビスマスを含む)層を形成する。
【0059】その後、このチューブ体を1.5mの長さ
に切断し、銀メッキ軟銅線を延伸させると共に、除去し
てカテーテルチューブを得た。
【0060】(実施例2)ラム押出機を用いて、外径が
1.45mmの銀メッキ軟銅線の外周にETFEを押出
焼結し、銀メッキ軟銅線の外周に厚さ0.05mmのE
TFEチューブ体を形成する。
【0061】次に、このETFEチューブ体をコロナ放
電処理装置の電極炉(窒素雰囲気下、5個のリング電
極、総出力が60W、線速5m/分)内に挿通させて、
ETFEチューブ体の表面にコロナ放電処理を施しなが
ら、その外周に直径0.05mm、2×16本のステン
レス線を、ピッチ7.4mmで巻き付けてブレードを被
覆し、その後、厚さ0.1mmのポリアミドエラストマ
(ペバックス5533SAOO;造影剤として30wt
%の酸化ビスマスを含む)層を形成する。
【0062】その後、このチューブ体を1.5mの長さ
に切断し、銀メッキ軟銅線を延伸させると共に、除去し
てカテーテルチューブを得た。
【0063】(比較例1)ラム押出機を用いて、外径が
1.45mmの銀メッキ軟銅線の外周にPTFEを押出
焼結し、銀メッキ軟銅線の外周に厚さ0.05mmのP
TFEチューブ体を形成する。
【0064】次に、このPTFEチューブ体の外周に厚
さ0.15mmのポリウレタン(ペレセン2363−5
5DE;造影剤として30wt%の酸化ビスマスを含
む)層を形成する。
【0065】その後、このチューブ体を1.5mの長さ
に切断し、銀メッキ軟銅線を延伸させると共に、除去し
てカテーテルチューブを得た。
【0066】(比較例2)ラム押出機を用いて、外径が
1.45mmの銀メッキ軟銅線の外周にPTFEを押出
焼結し、銀メッキ軟銅線の外周に厚さ0.05mmのP
TFEチューブ体を形成する。
【0067】次に、このPTFEチューブ体をコロナ放
電処理装置の電極炉(大気雰囲気下、5個のリング電
極、総出力が120W、線速15m/分)内に挿通させ
て、PTFEチューブ体の表面にコロナ放電処理を施し
ながら、その外周に厚さ0.15mmのポリウレタン
(ペレセン2363−55DE;造影剤として30wt
%の酸化ビスマスを含む)層を形成する。
【0068】その後、このチューブ体を1.5mの長さ
に切断し、銀メッキ軟銅線を延伸させると共に、除去し
てカテーテルチューブを得た。
【0069】実施例1、2および比較例1、2の各カテ
ーテルチューブに、屈曲試験およびトルク伝達性試験を
行った。
【0070】屈曲試験に用いた屈曲試験装置の模式図を
図8に、トルク伝達性試験に用いたトルク伝達性試験装
置の模式図を図9に示す。
【0071】屈曲試験は、図8に示すように、各カテー
テルチューブ41を任意の部位で直径10mmφの2本
のマンドレル42,42間に挟み、各カテーテルチュー
ブ41をマンドレル42,42に巻き付けるようにして
屈曲させるという工程を交互に計100回繰り返した
後、屈曲部付近を長手方向に切断し、各カテーテルチュ
ーブ41におけるフッ素系樹脂層(図示せず)とブレー
ド(図示せず)又は熱可塑性樹脂層(図示せず)との剥
離の進行状況を観察した。
【0072】また、トルク伝達性試験は、ねじり処理を
施した各カテーテルチューブ51を、図9に示すよう
に、先端の20cmが40Rに曲げられた長さ1m、内
径10mmのガラス管52内に挿入すると共に、ガラス
管52の先端から各カテーテルチューブ51の一端を突
出させ、各カテーテルチューブ51の一端に小さな旗5
3を取り付ける。その後、各カテーテルチューブ51の
他端を2回転ねじることによって、トルクがどれくらい
伝達されるかを、ねじり処理前後において比較した。
尚、ねじり処理は、各カテーテルチューブ51の一端を
固定し、他端を時計廻りに5回転させて戻した後、反時
計廻りに5回転させて戻すものである。
【0073】屈曲試験およびトルク伝達性試験の評価を
表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】表1に示すように、実施例1、2の各カテ
ーテルチューブは、屈曲試験後におけるフッ素系樹脂層
とブレード又は熱可塑性樹脂層との剥離が無いと共に、
ねじり処理前後におけるトルク伝達性の低下も全く無か
った。
【0076】これに対して、比較例1、2の各カテーテ
ルチューブは、屈曲試験後におけるフッ素系樹脂層とブ
レード又は熱可塑性樹脂層との剥離が観察された。ま
た、ねじり処理後のトルク伝達性は、それぞれ、ねじり
処理前のトルク伝達性の1/3、3/4に低下してい
た。
【0077】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、硬度の異
なる2種類以上の熱可塑性樹脂を用いて形成する2層以
上の熱可塑性樹脂層の層厚に、所定の間隔で勾配を持た
せると共に、各熱可塑性樹脂層の厚さを、カテーテルチ
ューブの長手方向において変化させることで、カテーテ
ルチューブの長手方向における可撓性を変化させること
ができると共に、カテーテルチューブのトルク伝達性な
どの操作性を大幅に向上させることができるという優れ
た効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカテーテルチューブの製造方法の流れ
図である。
【図2】図1における押出装置の拡大横断面図である。
【図3】本発明のカテーテルチューブの製造方法を用い
て作製したカテーテルチューブの縦断面図である。
【図4】本発明のカテーテルチューブの製造方法を用い
て作製したカテーテルチューブの縦断面図である。
【図5】本発明のカテーテルチューブの製造方法を用い
て作製したカテーテルチューブの横断面図である。
【図6】第1の実施の形態のカテーテルチューブの製造
方法を用いて作製したカテーテルチューブの横断面図で
ある。
【図7】第2の実施の形態のカテーテルチューブの製造
方法を用いて作製したカテーテルチューブの横断面図で
ある。
【図8】屈曲試験に用いた屈曲試験装置の模式図であ
る。
【図9】トルク伝達性試験に用いたトルク伝達性試験装
置の模式図である。
【符号の説明】
11 熱可塑性樹脂内層 12 熱可塑性樹脂外層 13 連続カテーテルチューブ(カテーテルチューブ) 14 フッ素樹脂チューブ体(フッ素系樹脂層) 15,25,35,45 カテーテルチューブ 16 ブレード(編組) 17 接着剤層 A,B 熱可塑性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 光一 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 白土 正夫 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続心線の表面にフッ素系樹脂を被覆し
    てフッ素系樹脂層を形成すると共に、そのフッ素系樹脂
    層の表面に熱可塑性樹脂を被覆して熱可塑性樹脂層を形
    成した後、上記連続心線の引き抜きを行うカテーテルチ
    ューブの製造方法において、上記フッ素系樹脂層の表面
    に、コロナ放電処理を施しながら熱可塑性樹脂の被覆を
    行うことを特徴とするカテーテルチューブの製造方法。
  2. 【請求項2】 連続心線の表面にフッ素系樹脂を被覆し
    てフッ素系樹脂層を形成すると共に、そのフッ素系樹脂
    層の表面に熱可塑性樹脂を被覆して熱可塑性樹脂層を形
    成した後、上記連続心線の引き抜きを行うカテーテルチ
    ューブの製造方法において、上記フッ素系樹脂層の表面
    に、コロナ放電処理を施しながら編組の被覆を行い、そ
    の編組の表面に熱可塑性樹脂の被覆を行うことを特徴と
    するカテーテルチューブの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記フッ素系樹脂層の表面に上記コロナ
    放電処理を施した後、接着剤を塗布乾燥させながら上記
    熱可塑性樹脂の被覆を行う請求項1記載のカテーテルチ
    ューブの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記編組の表面に、接着剤を塗布乾燥さ
    せながら上記熱可塑性樹脂の被覆を行う請求項2記載の
    カテーテルチューブの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記フッ素系樹脂層の表面に、上記コロ
    ナ放電処理を施すと共に、接着剤を塗布乾燥させながら
    編組の被覆を行う請求項2記載のカテーテルチューブの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 上記熱可塑性樹脂層を、硬度が異なる2
    種類以上の熱可塑性樹脂の押出量を調整して2層以上に
    形成する請求項1乃至請求項5記載のカテーテルチュー
    ブの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記熱可塑性樹脂層を構成する各熱可塑
    性樹脂の層厚に、所定の間隔で勾配を持たせる請求項6
    記載のカテーテルチューブの製造方法。
  8. 【請求項8】 硬度が低い上記熱可塑性樹脂の層厚を、
    カテーテルチューブの長手方向一端側で厚くする請求項
    6又は請求項7記載のカテーテルチューブの製造方法。
  9. 【請求項9】 硬度が低い上記熱可塑性樹脂の層厚を、
    カテーテルチューブの長手方向に亘って一定にすると共
    に、硬度が高い上記熱可塑性樹脂の層厚を、カテーテル
    チューブの長手方向一端側で薄くする請求項6又は請求
    項7記載のカテーテルチューブの製造方法。
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