JP2007000392A - カテーテルチューブ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた薬液注入性や手術時の操作性を維持しつつ、トルク伝達性、耐キンク性、耐伸び性を向上させたカテーテルの提供。
【解決手段】潤滑性に優れた含フッ素エチレン性重合体からなる内層の表面に反応性官能基を導入することにより、それを被覆している補強層ならびに熱可塑性樹脂からなる外層との接着性を高めて層間剥離を防止する。
【効果】優れた薬液注入性や手技時の操作性を維持しつつ、トルク伝達性、耐キンク性、耐伸び性を向上させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は病院などの医療機関で用いられているカテーテルチューブに関するものである。
経皮的に血管内にカテーテル を挿入して血管病変の治療を行う低侵襲の血管内手術が近年主流となっており、例えば、肝細胞癌、或いは動静脈奇形腫瘍に対し施される塞栓術と呼ばれる血管内手術は、カテーテル 先端を患部またはその近傍まで選択的に挿入した後、血管造影剤を注入し、ゼラチンスポンジやポリビニルアルコールの顆粒等の粒状の塞栓物質または金属コイルを注入して患部を塞栓し、腫瘍を壊死させる術技である。このように細い血管への造影剤の投与および塞栓物質または金属コイルの注入には、それに応じた細径の可撓性を有するカテーテル が用いられる。
特に挿入時において、途中の血管壁や生体器官などを傷つけることなく正確に生体内の所定の箇所まで到達できるような高い操作性と安全性の要求に加え、造影剤や塞栓物質の注入が正しくできることが望まれている。
具体的には、血管内等を挿入、引き出しなど、術者の操作が基部から先端部に確実に伝達されるための位置調節性や、造影剤や塞栓物質注入時の耐圧性が要求される。
この位置調節性にはカテーテルが伸びないという特性が必要である。またカテーテルの基部で加えられた回転力が確実に伝達されるためのトルク伝達性が必要である。さらに屈曲した血管等を先行するガイドワイヤーに沿って、血管内壁等を損傷することなく円滑に挿入、引き出しが行えるようなガイドワイヤー追随性と血液、組織に対する親和性が必要となる。加えて目的とする位置までカテーテル先端が到達し、ガイドワイヤーを引き抜いた状態でも、血管の湾曲部、屈曲部でカテーテルに折れ曲がりが生じない耐キンク性と、血管を傷つけずに血管形状に応じた形状を保つ先端部の柔軟性が必要となる。
そのため、この種のカテーテルにおいては柔軟性に富んだ先端部と、比較的剛直な本体部とからなり、先端部から本体部にかけて剛性傾斜を有した構造に構成されている。
また、こうしたカテーテルの構成において、術技時における高粘度の造影剤や塞栓物質及び金属コイルの投入を容易に実施すべく、カテーテル内層に潤滑性に優れた層を有した構造のものが多く開発されている。
内層に用いられるに優れた潤滑性を有する材料として、主に含フッ素エチレン性重合体(フッ素樹脂)があげられ、特に耐薬品性、低摩擦性、電気絶縁性に優れているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が多く使用されている。
前記樹脂材料から成る内層チューブ上に耐食性に優れた金属素線或いは合成樹脂素線からなる補強層を形成することでトルク伝達性を付与し、さらに補強層の上に熱可塑性樹脂層を被覆することで、カテーテルに柔軟性を付与している。即ち、前記積層構造によりカテーテルの機能として要求される内層潤滑性、剛性及びトルク伝達性、柔軟性を具備させることが可能となる。これらの機能を確実に具備させるためには、各層間の接着性を向上させることが重要となる。
接着性向上の方法として例えば、特許文献1では、可撓性を有するフッ素樹脂からなる内層と、その外側に設けられたコイル層、前記コイル層の外側に設けられた可撓性を有する外層とからなるカテーテルチューブにおいて、前記コイル層のコイルの隙間、前記コイル層と前記内層との隙間、前記コイル層と前記外層との隙間の少なくともいずれかに接着剤を流入させ、コイル層と内層及び外層とを固着させることにより、耐キンク性、押し込み性、トルク伝達性を高めることが開示されている。
しかしながら、この方法では、フッ素樹脂と接着剤との親和性が良好でなく、コイル層と内層が十分に固着していないことがあり、それにより十分な耐キンク性が得られないことがあった。
特許文献2では、連続芯線の上にフッ素樹脂層を被覆した後、そのフッ素樹脂層表面に熱可塑性樹脂を被覆、芯線を引き抜くカテーテルの製造方法において、前記フッ素樹脂層表面にコロナ放電処理及び接着剤を塗布乾燥させることで、層間の接着性を高めトルク伝達性を向上させることが開示されている。しかしながら、この方法では、工程が複雑であり、接着剤使用による製造コストの上昇や設備導入の観点からも経済的ではない。
特許文献3では、内層のPTFE樹脂チューブ層上にブレード層が設けられており、ブレード層の上層に外層樹脂層が被覆されて成る内層PTFE複合カテーテルチューブにおいて、前記ブレード層の上にPTFE樹脂分散液を塗布、焼き付け、焼結することで前記内層と前記ブレード層の接着性を高める方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、ブレード被覆後に塗布、焼き付け、焼結といった工程の増加及び焼結後にPTFE樹脂分散液に使用されている界面活性剤の除去が必要になる等、工程が複雑となり、生産効率に欠ける。
また特許文献4では、フッ素樹脂からなる内層チューブ上に補強層を被覆形成した後、その補強層上に熱可塑性樹脂からなる外層を被覆したカテーテルの製造方法において、フッ素樹脂内層の表面に脱フッ素処理液を表面処理し、その表層部のフッ素成分を除去することで補強層及び外層樹脂層間の接着性を高めトルク伝達性を向上させることが開示されている。しかしながら、この方法では、接着性に関する機構がフッ素成分の除去のみであり、カテーテルの品質という観点で信頼性に欠ける。また層間の接着性の向上において、先端部の耐キンク性、耐伸び性の機能向上については明記されていない。
特開平8−71157 特開平11−197249 特開2000−24114 特開2001−178814
上記に鑑み、本発明の課題は、フッ素樹脂内層に対して補強層及び熱可塑性樹脂からなる外層との層間接着力を向上させることで、補強層及び外層樹脂の剥離を未然に防止されることによって、トルク伝達性及び耐キンク性、耐伸び性の低下を抑えることが可能となり、薬液注入性、手術時の操作性、トルク伝達性、耐キンク性に優れたカテーテルを提供することにある。
かかる状況に鑑み本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、フッ素樹脂を含む内層の表面に特定の反応性官能基、例えばヒドロキシル基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩基、アミン基のいずれかを付与した後に、所望により金属素線および/または合成樹脂素線を含む補強層を被覆し、さらに熱可塑性樹脂を含む外層を被覆することにより、優れた薬液注入性や手技時の操作性を維持しつつ、トルク伝達性、耐キンク性、耐伸び性に優れたカテーテルが得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明(1)は、含フッ素エチレン性重合体を含む内層(A)と、(A)を被覆している熱可塑性樹脂を含む外層(C)とを備えたカテーテルチューブであって、前記含フッ素エチレン性重合体は、表面に反応性官能基を有する含フッ素エチレン性重合体であることを特徴とするカテーテチューブに関する。
また、本発明(2)は、前記内層(A)を被覆している、金属素線および/または合成樹脂素線を含む補強層(B)とをさらに備え、前記外層(C)が前記補強層(B)を被覆していることを特徴とする、(1)記載のカテーテルチューブ。
また、本発明(3)は、前記含フッ素エチレン性重合体の反応性官能基が、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩基、およびアミンから選ばれるすくなくとも一種である(1)または(2)に記載のカテーテルチューブに関する。
また、本発明(4)は、前記含フッ素エチレン性重合体が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、およびエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)から選ばれる少なくとも1種である、(1)ないし(3)いずれかに記載のカテーテルチューブに関する。
また、本発明(5)は、前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、およびフッ素系樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のカテーテルチューブに関する。
また、本発明(6)は、さらに、前記内層(A)、補強層(B)および外層(C)が一体化されていることを特徴とする、(2)ないし(5)いずれか記載のカテーテルチューブに関する。
また、本発明(7)は、(1)〜(6)いずれか記載のカテーテルチューブの製造方法であって、反応性官能基を、含フッ素エチレン性重合体の表面に、表面処理工程によって付与することを特徴とする、製造方法に関する。
以上の通り、本発明のカテーテルは、潤滑性に優れたフッ素樹脂内層に反応性官能基を導入することにより、フッ素樹脂内層に対して補強層及び熱可塑性樹脂からなる外層との層間接着力を向上させることができる。従って、補強層及び外層樹脂の剥離を未然に防止することにより、トルク伝達性及び耐キンク性、耐伸び性の低下を抑えることが可能となり、薬液注入性、手術時の操作性、トルク伝達性、耐キンク性に優れたカテーテルを提供することができる。
以下本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係るカテーテル1の実施の一形態を示す模式図である。含フッ素エチレン性重合体を含む内層4、その上にコイルおよび/または編組を含む補強層3、および熱可塑性樹脂を含む外層2が順次被覆された3層構造を有している。
本発明において各層の厚みは特に規定されるものではないが、含フッ素エチレン性重合体を含む内層(A)の厚みは例えば1〜50[μm]、好ましくは3〜40[μm]、更に好ましくは5〜30[μm]である。含フッ素エチレン性重合体を含む内層(A)の厚みが小さすぎると潤滑性表面の摩擦を受けた場合の耐久性が低く、大きすぎるとカテーテルの柔軟性を損ない好ましくない。
また補強層(B)の厚みは例えば1〜60[μm]、好ましくは5〜50[μm]、更に好ましくは 10〜40[μm]である。補強層(B)の厚みが小さすぎるとトルク伝達性が劣り、大きすぎると柔軟性を損ない好ましくない。
加えて熱可塑性樹脂を含む外層(C)の厚みは例えば1〜60[μm]、好ましくは5〜 50[μm]、更に好ましくは10〜40 [μm]である。熱可塑性樹脂を含む外層(C)の厚みが小さすぎると柔軟性が劣り、大きすぎるとカテーテルの挿入性が劣り好ましくない。
前記含フッ素エチレン性重合体の反応性官能基は特に限定されないが、ヒドロキシル基(−OH)、エポキシ基(−C2O)、カルボキシル基(−COOH)、カルボン酸エステル基(−COOR)、カルボン酸塩基(−COONa)、アミン基(−NH2)が表面処理により容易に生成することから好ましい。
この内層の含フッ素エチレン性重合体としては特に限定するものではないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(EFEP)、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(THV)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FKM)等があげられ、適宜、2種類以上のブレンドを実施してもよい。
反応性官能基を、含フッ素エチレン性重合体表面に、表面処理工程によって付与する工程は、例えば、ナトリウム塩―アンモニア溶液といった化学処理液を用いるナトリウムエッチング処理工程や、含フッ素エチレン性重合体の表面を溶融させる火炎処理工程、コロナ放電工程、プラズマ処理工程、エキシマーレーザー処理工程のような自体公知の方法によって達成される。
尚、優れた潤滑性を得る観点からは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)で構成することが好ましい。
この含フッ素エチレン性重合体に反応性官能基を付与する表面処理の方法としては、特に限定するものではないが、例えばナトリウムエッチング処理、コロナ、プラズマ処理、エキシマーレーザー処理、火炎処理などがあげられる。
補強層の形態としては、特に限定するものではないが、コイル或いは編組から形成されるか、これらの組み合わせであってもよい。
補強層において、素線は金属素線および/または合成樹脂素線を用いうる。
金属素線として用いられるものとしては、ステンレス、銅、タングステン、ニッケル、チタン、ピアノ線、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Al合金、Cu−Zn合金、Cu−Zn−X合金(例えば、X=Be、Si、Sn、Al、Ga)のような超弾性合金、アモルファス合金等の各種金属素線が用いられる。これらの材料のうち、加工性、経済性、毒性がないこと等の理由から、ステンレス、銅の使用が好ましい。金属素線は、直径5〜30μm程度とするのが好ましい。
また内層との接着性をさらに向上させることを目的として、金属素線表面をリン酸塩、硫酸、クロム酸、シュウ酸などによる化成処理を施したり、サンドブラスト、ショットブラスト、グリットブラスト、ホーニング、ペーパースクラッチ、ワイヤースクラッチ、ヘアーライン処理などの表面粗面化処理を施してもよい。
合成樹脂素線として用いられるものとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリオキシメチレン、高張力ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−酢酸ビニルケン化物、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ケブラーに代表される芳香族ポリアラミドなど、これらのうちのいずれかを含むポリマーアロイ、カーボンファイバー、グラスファイバーが挙げられる。好適に用いられる合成樹脂素線の直径として好ましくは5〜50μmのものを用いるのが好ましい。
前記金属素線ならびに合成樹脂素線は、素線単独で用いてもよいし、または素線の集合体(例えば、素線を撚ったものや束ねたもの、さらには並列したもの)のいずれでもよい。本発明においては、合成樹脂素線のみを用いてもよいし、金属素線のみを用いてもいいが、合成樹脂素線と金属素線を併せて用いてもよい。
また外層を形成する樹脂としてはポリアミドエラストマーに代表されるポリアミド系樹脂、ポリウレタンエラストマーに代表されるポリウレタン系樹脂、ポリオレフィンエラストマーに代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリスチレンエラストマーに代表されるポリスチレン系樹脂、ポリエステルエラストマーに代表されるポリエステル系樹脂、シリコーンゴムに代表されるシリコーン系樹脂、フッ素系エラストマーに代表されるフッ素系樹脂等の各種樹脂、またはこれらのうちの2以上を組み合わせたものが使用可能である。
ここで、ポリアミドエラストマーとは、例えば、ナイロン6、ナイロン64、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、N−アルコキシメチル変性ナイロン、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸縮重合体、メタキシロイルジアミン−アジピン酸縮重合体のような各種脂肪族または芳香族ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエステル、ポリエーテル等のポリマーをソフトセグメントとするブロック共重合体が代表的であり、その他、前記ポリアミドと柔軟性に富む樹脂とのポリマーアロイ(ポリマーブレンド、グラフト重合、ランダム重合等)や、前記ポリアミドを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
また、ポリエステルエラストマーとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステルと、ポリエーテルまたはポリエステルとのブロック共重合体が代表的であり、その他、これらのポリマーアロイや前記飽和ポリエステルを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
好適に用いられる材料としては、その加工性、柔軟性の観点からポリアミドエラストマー(PAE)が好ましく、例えばArkema社製のPEBAXなどがその代表としてあげられる。
また、外層の被覆方法としては特に限定されず、例えば通常の押出被覆による方法や加熱することによりその径が縮小する性質を有するシュリンクチューブで覆い、ヒーターで加熱融着させるか、高周波電磁波を加えて加熱融着する方法が好適に用いられる。これらにより内層、補強層、外層が相互に密着一体化することが可能となる。
また、術技におけるX線透視下でのカテーテルの視認性を向上させるために、前記樹脂に対してX線不透過性を有する物質を含んでいてもよい。X線不透過物質としては、十分なX線不透過性を有するものであればいかなるものでもよく、例えば、硫酸バリウム、三酸化ビスマス、次炭酸ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、タングステン酸ビスマス、粉末状タングステン、粉末状タンタルあるいはこれらを組み合わせたものがあげられる。
また、カテーテルの外面には、血管内或いはガイドカテーテル内への挿入を容易にする為に親水性のコーティングを施すことができる。但し、親水性のコーティングを施す長さについてはカテーテルの使用目的に応じて決定できる。親水性のコーティングの種類は本発明の効果を制限するものではなく、セルロース系高分子物質(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリエチレンオキサイド系高分子物質(ポリエチレングリコール)、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド)、水溶性ナイロン等の親水性ポリマーが好適に使用でき、コーティング方法も限定されない。
以下に本発明に係る具体的な実施例及び比較例について詳説するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
(実施例1)
0.52mmΦの銀メッキ軟銅線上に肉厚0.03mmになるようPTFEを被覆し、内層チューブを作成した。その表面に、ナトリウム金属溶液(株式会社テクノス製 商品名フロロボンダー)を用いてナトリウム塩処理を施した後、0.02mmΦのSUS304素線16本(1本持ち)をピッチ2.0mmで編組処理した。このチューブ上にショア硬度D25のPAE(Arkema製 PEBAX2533)からなる外層チューブを被覆し、その後、銀メッキ軟銅線を引き抜いて外径0.72mmΦ(全肉厚0.10mm)のチューブを得た。
(実施例2)
0.02mmΦのSUS304素線16本(1本持ち)をピッチ4.0mmで編組処理する以外は実施例1と同様。
(実施例3)
ショア硬度D40のPAE(PEBAX4033)からなる外層チューブを被覆する以外は実施例1と同様。
(実施例4)
硫酸バリウム50wt%を含むショア硬度D40のPAE(PEBAX4033)からなる外層チューブを被覆する以外は実施例1と同様。
(実施例5)
0.52mmΦの銀メッキ軟銅線上に肉厚0.03mmになるようPFAを被覆し、内層チューブを作成する以外は、実施例1と同様。
(比較例1)
0.52mmΦの銀メッキ軟銅線上に肉厚0.03mmになるようPTFEを被覆し、内層チューブを作成した。その表面に、ナトリウム塩処理を施さずに、実施例1と同様に編組処理及びショア硬度D25のPAE(PEBAX2533)からなる外層チューブを被覆し、銀メッキ軟銅線を引き抜いて外径0.72mmΦのチューブを得た。
(比較例2)
0.02mmΦのSUS304素線16本(1本持ち)をピッチ4.0mmで編組処理する以外は比較例1と同様。
(比較例3)
ショア硬度D40のPAE(PEBAX4033)からなる外層チューブを被覆する以外は比較例1と同様。
(比較例4)
硫酸バリウム50wt%を含むショア硬度D40のPAE(PEBAX4033)からなる外層チューブを被覆する以外は比較例1と同様。
(比較例5)
0.52mmΦの銀メッキ軟銅線上に肉厚0.03mmになるようPFAを被覆し、内層チューブを作成する以外は、比較例1と同様。
そして、このようにして得られたチューブを下記の方法にて試験実施した。
(赤外スペクトルによる内層表面の官能基同定)
実施例1〜5、比較例1〜5より得られた内層チューブの表面に反射法により赤外スペクトルを測定した。
赤外スペクトルは1780cm-1
Figure 2007000392
基、2800〜3400cm-1、3532cm-1に−OH基の特性吸収を観測する。官能基同定として、前記いずれかの特性吸収の存在するチューブは有、いずれも存在しないチューブは無しと判定した。
(トルク伝達性試験)
株式会社プロテック製 PT−1950を用い、チャック間距離150mm、回転数5rpmにてトルク伝達性を評価した。トルク値として前記チューブを360°回転させた時の最大値(mN・m)を採用した。
(耐キンク試験)
株式会社島津製作所製 E−Zテストを用い、ロードセル1N、チャック間距離120mm、チャックスピード50mm/minにて耐キンク試験を実施した。キンク長さは下記式より算出される。(キンク長さ/mm)=(初期ループ長さ/mm)―(キンク時の引張り長さ/mm)
キンク時は目視で判定した。キンク長さが短いほど、耐キンク性に優れる。
(耐伸び試験)
株式会社東洋精機製作所製 ストログラフEIIを用い、ロードセル50N、チャック間距離50mm、チャックスピード100mm/minにて耐伸び試験を実施した。耐伸び荷重として、前記チューブを1.0mm伸ばしたときの荷重値(N)を採用した。
各チューブの構成及び評価結果を表1に示した。
Figure 2007000392
表1における各実施例と比較例の結果から、フッ素樹脂内層に反応性官能基を導入することにより、トルク伝達性及び耐キンク性、耐伸び性の低下を抑えることにつながっていることが分かる。特に耐キンク性においては官能基導入による効果が大きい。即ち、各層の層間接着力向上によって、外力に対して大きな強度を示すような層構成を有することになり、耐キンク性 が向上するからである。なお、本発明では、比較例と比較して、キンク長さが小さいことを、カテーテルの内層(A)、補強層(B)および外層(C)が一体化されているとして、評価した。
本発明に係るカテーテルの実施の一形態を示す模式図である。
符号の説明
1 カテーテル
2 外層
3 補強層
4 内層

Claims (7)

  1. 含フッ素エチレン性重合体を含む内層(A)と、(A)を被覆している熱可塑性樹脂を含む外層(C)とを備えたカテーテルチューブであって、
    前記含フッ素エチレン性重合体は、表面に反応性官能基を有する含フッ素エチレン性重合体であることを特徴とするカテーテチューブ。
  2. 前記内層(A)を被覆している、金属素線および/または合成樹脂素線を含む補強層(B)とをさらに備え、前記外層(C)が前記補強層(B)を被覆していることを特徴とする、請求項1記載のカテーテルチューブ。
  3. 前記含フッ素エチレン性重合体の反応性官能基が、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩基、およびアミンから選ばれるすくなくとも一種である請求項1または2に記載のカテーテルチューブ。
  4. 前記含フッ素エチレン性重合体が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、およびエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)のから選ばれる少なくとも1種である、請求項1ないし3いずれかに記載のカテーテルチューブ。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、およびフッ素系樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカテーテルチューブ。
  6. さらに、前記内層(A)、補強層(B)および外層(C)が一体化されていることを特徴とする、請求項2ないし5いずれか記載のカテーテルチューブ。
  7. 請求項1〜6いずれか記載のカテーテルチューブの製造方法であって、
    反応性官能基を、含フッ素エチレン性重合体の表面に、表面処理工程によって付与することを特徴とする、製造方法。
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