JP5108560B2 - 医療用チューブ - Google Patents

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本発明は、血管に挿入して使用されるカテーテルに用いられる医療用チューブに関するものである。
経皮的に血管内に挿入したカテーテルを脳や心臓、腹部等の臓器に導き、治療薬、塞栓物質、造影剤等の投与、注入や、血栓等を吸引する医療行為は従来から行われている。近年、医学の進歩により、更に細い末梢血管への治療薬、塞栓物質、造影剤等の注入や血栓等の吸引が必要となり、様々な操作性がカテーテルには求められている。この操作性には、術者の押込み力をカテーテルの先端まで確実に伝達する押込み性(プッシャビリティー)、術者により加えられた回転力をカテーテルの先端まで確実に伝達するトルク伝達性、カテーテルの内腔を通っているガイドワイヤーに沿って、曲がった血管内を進むガイドワイヤー追随性、そして血管の屈曲部や湾曲部でもカテーテルが折れ曲がりを生じない耐キンク性などがあげられる。これらの操作性を実現するためにマイクロカテーテルの先端部を柔軟な材料、基端側を硬質な材料で構成することがよく知られている。また耐キンク性やプッシャビリティーを確保するために、編組構造やコイル構造をとった補強層を構成することも多くのカテーテルで行われている。
コイル構造はその優れた耐キンク性や高屈曲時の内腔維持性により、特にカテーテル先端側における柔軟部でその特性を発揮する。しかし、柔軟であればあるほど、コイル部材以外の内層及び/または外層を構成する部材の引張に対する強度は弱いため、先端部が伸びやすく、また破断しやすいといった問題点があり、適用用途が限られていた。
カテーテルシャフトの引張強度を向上させる方法として、カテーテルの長手方向に軸方向部材を使用する方法が提案されている。例えば特許文献1では、ブレードからなる補強層に沿って延伸する軸方向部材を更に有する脈管カテーテルを記載している。軸方向部材を入れることにより、シャフトの伸長を防止できるとしている。また軸方向部材はブレードに隣接するあらゆるポリマー層にも固定されない構造である。しかしながら、この方法では確かに軸方向への伸長が防止されるが、より高い引張力に対しては軸方向部材の素線強度を高めていく必要があり、曲げ剛性の異方向性がでてしまう可能性がある。また螺巻きされたコイル構造への軸方向部材については、該文献にて懸念されているようにカテーテルの長さ方向に沿った突起が形成されてしまう。
またコイル構造の引張強度を向上させる方法として、コイル構造の外側に編組構造を付与する方法が提案されている。例えば特許文献2では、金属製平板密巻コイルの外側に金属製平角編組と更にその外側に樹脂被覆層が構成されている。コイル構造による屈曲時の耐圧縮力と編組構造による耐引張力を両立させることを目的としているが、高引張力に対して編組を構成する素線の厚さもしくは幅を大きくすると、コイル構造により得られる屈曲時の耐圧縮力が低減されてしまうため、柔軟性かつ高耐引張力が求められるカテーテル先端側への適用は難しい。
特表2002−535049号 特許2541872号
本発明の目的は、柔軟性、耐キンク性が良好でかつ耐引張力のある医療用チューブを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに
至った。
すなわち本発明は、
少なくとも補強層、外層からなる医療用チューブであり、補強層は第1補強層、第1補強層の外側にある第2補強層からなり、
第1補強層は一方向へ螺巻きされた少なくとも1本の素線からなるコイルからなり、
第2補強層は、第1補強層が螺巻きされた方向とは関係なく一方向へ螺巻きされた少なくとも1本の素線からなるコイルからなり、
該第2補強層を構成するコイルは、該第2補強層が存在する領域全長において、第1補強層を構成するコイルの巻回ピッチより大きな巻回ピッチでまかれおり、
第2補強層を構成するコイルの軸方向に対する巻回角度が13度以上、79度以下で、
第1補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の断面積の和が、第2補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の断面積の和よりも大きいことを特徴とする医療用チューブに関する。
また、本発明は、
少なくとも補強層、外層からなる医療用チューブであり、補強層は第1補強層、第1補強層の外側にある第2補強層からなり、
第1補強層は一方向へ螺巻きされた少なくとも1本の素線からなるコイルからなり、
第2補強層は、第1補強層が螺巻きされた方向とは関係なく一方向へ螺巻きされた少なくとも1本の素線からなるコイルからなり、
該第2補強層を構成するコイルは、該第2補強層が存在する領域全長において、第1補強層を構成するコイルの巻回ピッチより大きな巻回ピッチでまかれおり、
第2補強層を構成するコイルの軸方向に対する巻回角度が13度以上、79度以下で、
第1補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の引張における絶対強度の和が、第2補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の引張における絶対強度の和よりも大きいことを特徴とする医療用チューブに関する。
また本発明は、第1補強層を構成するコイルの巻回ピッチがコイル素線の幅の2倍以下
であることを特徴とする医療用チューブに関する。
また本発明は、第1補強層の内側に少なくとも1層からなる内層を有することを特徴とする医療用チューブに関する。
また本発明は、第1補強層がステンレス鋼、タングステンのいずれかからなるコイルで構成されることを特徴とする医療用チューブに関する。
また本発明は、第2補強層が金属素線から構成されることを特徴とする医療用チューブに関する。
また本発明は、第2補強層が樹脂素線から構成されることを特徴とする医療用チューブに関する。
また本発明は、前記医療用チューブが少なくとも1部分に適用されていることを特徴とするカテーテルに関する。
上述のごとく構成されることにより、本発明によれば、第1の補強層のコイルにより良好な柔軟性と耐キンク性が提供され、第2の補強層のコイルによって柔軟性と耐キンク性を維持し、かつ曲げ特性に異方向性を持たずに、耐引張力のある医療用チューブが提供される。また前記医療用チューブは、カテーテルの少なくとも一部分に好適に使用することが出来る。
以下、本発明の医療用チューブについて添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明を適用した医療用チューブの概略図を示す。本実施例の医療用チューブは、第1補強層1、第2補強層2及び外層3からなる。
第1補強層を構成する素線としては、金属であれば特に限定はしないが、例えば
ステンレス鋼、又は放射線不透過性が高い材料、例えばタングステン、白金、イリジウム、金などがあげられる。特に素線の引張弾性率の高いステンレス鋼のバネ鋼やタングステンなどが好ましい。
第2補強層を構成する素線としては、特に限定されないが、樹脂もしくは金属が挙げられる。樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリアミドエラストマー等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマー等のポリエステル類、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、アラミド、ポリアリレートなどがあげられ、金属の例としてはステンレス鋼、又は放射線不透過性が高い材料、例えばタングステン、白金、イリジウム、金などがあげられ、望ましい機械特性及び放射線不透過性によってこれらの材料を組み合わせてもよい。
第1補強層は一方向へ螺巻きされた少なくとも1本のコイルからなる。第1補強層を構成する少なくとも1本のコイルによりカテーテルシャフトの耐キンク性を高めることができる。第1補強層を構成するコイルの形状については特に限定されるものではないが、巻回されたコイルの素線間の幅で示されるピッチはあまりに大きいとコイルの素線が該医療用チューブの軸方向に近い角度になるため曲げ剛性は向上し、また耐キンク性は低下することから、コイル素線の幅に対し、コイルのピッチはコイル素線の幅の2倍より小さいことが好ましい。ここでいうコイルの素線の幅は、素線が2本以上の複数の場合は、各素線の幅の合計をいい、複数本で並行かつ隣接して巻回されている素線の幅の合計を示す。コイルのピッチとは、コイル素線の間の隙間のことをいい、素線が2本以上の複数本からなる場合は、複数本で並行かつ隣接して巻回されている素線の集団ごとの隙間をいう。第1補強層を構成するコイル素線の断面形状は特には限定しなく、円形、平角形、楕円形などをとることができるが、耐キンク性を向上させ、かつ薄肉な医療用チューブを提供するためには平角形や楕円形が好ましい。第1補強層の素線寸法については特には限定されないが、コイル素線の断面形状が円形の場合は、該素線径は0.15mm以下が好ましく、0.10mm以下であることが更に好ましい。コイル素線の断面形状が平角形もしくは楕円形の場合は、該医療用チューブの厚さ方向の長さで示される素線の厚さが0.15mm以下が好ましく、0.10mm以下であることが更に好ましい。
第2補強層は第1補強層の外側に隣接する、第1の補強層が螺巻きされた方向とは関係なく一方向へ螺巻きされた少なくとも1本の素線からなるコイルからなる。ここで、「第1補強層が螺巻きされた方向とは関係なく一方向へ螺巻きされた」とは、第1補強層と巻回の方向が同方向でも、逆方向でも巻回の角度が異なっていても構わないことを示す。図1には第1補強層を構成するコイルと同じ方向に螺巻きされたコイルからなる第2補強層を例示し、図2には第1補強層を構成するコイルと反対の方向に螺巻きされたコイルからなる第2補強層を例示している。第2補強層を構成するコイルによりカテーテルシャフトの耐引張力を高めることができる。第2補強層を構成するコイルは、該第2補強層が存在する領域全長において、第1の補強層を構成するコイルの巻回ピッチより大きく、かつ軸方向に対する巻回角度が13度以上、79度以下で巻かれる。第2の補強層を構成するコイルが第1の補強層を構成するコイルよりも大きく、かつ軸方向に対する巻回角度が13度以上、79度以下で巻かれることにより、第2の補強層を構成するコイルの素線が該医療用チューブの軸方向に近い角度になるため、耐引張力が向上する。軸方向に対する巻回角度とは該チューブの長尺方向を軸方向とし、軸方向と巻回されたコイル素線との交点で作成される角度のうち0度〜90度の範囲にあるものをいう。カテーテルの使用方法にもよるが、一般的に少なくとも引張強度として5N以上を保持することが望ましい。
第2補強層を構成するコイル素線の断面形状は特には限定しなく、円形、平角形、楕円形などをとることができるが、耐引張力を向上させ、かつ薄肉な医療用チューブを提供するためには、平角形や楕円形が好ましい。第2補強層を構成するコイル素線の寸法については特には限定されないが、内径が0.4mmから2.0mm、外径が0.65mmから3.0mmの医療用チューブでは、該コイル素線の断面形状が円形の場合は、該素線径は0.10mm以下が好ましく、0.05mm以下であることが更に好ましい。該コイル素線の断面形状が平角形もしくは楕円形の場合は、該医療用チューブの厚さ方向の長さで示される素線の厚さが0.10mm以下が好ましく、0.05mm以下が更に好ましい。
第1補強層及び第2補強層それぞれを構成するコイルは、1本の素線から構成されていても2本以上の複数の素線から構成されていてもよい。第2補強層を構成するコイルの素線の断面形状が円形である場合は、該医療用チューブの厚さを厚くせずかつ耐引張力を高めるために、2本以上の複数の素線を並行かつ隣接して巻回することが好ましい。図3には複数の素線を並行かつ隣接して巻回した第1補強層を示し、図4には複数の素線を並行かつ隣接して巻回した第2補強層を示している。ここでいう2本以上の複数の素線を並行かつ隣接して巻回するとは、当該技術者間で一般的にいわれている多数本持ちで巻回することであり、2本の素線を並行かつ隣接して巻回することを2本持ち、3本の素線を並行かつ隣接して巻回することを3本持ちと呼ぶことは当該技術者には容易に理解できることであろう。
第1補強層は該医療用チューブの柔軟性、耐キンク性を向上させる作用をもつため、曲げや圧縮に対して素線が折れ曲がらない強度が必要となる。これに対し、第2補強層は引張強度を向上させる作用をもち、該医療用チューブの内径、外径はその操作性より限定されてしまう。第1補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の断面積の和は、第2補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の断面積の和よりも小さい場合は、第2補強層のコイルの巻回ピッチが大きいことによる耐キンク性の低下への影響がでることがあるため、第1補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の断面積の和は、第2補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の断面積の和よりも大きいことが好ましい。同じ理由で第1補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの引張における絶対強度の和が、第2補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の引張における絶対強度の和よりも大きいことが好ましい。ここでいう、「引張における絶対強度」とは、素線の太さに関係することなくその最大引張力で表される引張強さのことをいう。ここでいう引張強さとはJIS Z2201で測定される引張強さに引張前のチューブの原断面積を乗じたものである。引張強さの測定方法はJIS Z2241に準ずる。
該医療用チューブは第1補強層の内側に内層を設けてもかまわない。内層を構成する樹脂は特に限定されないが、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体などのフッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリアミドエラストマー等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミドなどがあげられる。内層の厚さについては特に限定をしないが、第1補強層が内層を破ってカテーテル内面へ露出しない厚さであり、かつカテーテルとしての柔軟性を損なわない厚さであることが好ましい。具体的には0.005mm〜0.050mmの厚さであることが好ましい。
外層を構成する樹脂は特に限定されないが、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリアミドエラストマー等のポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、変性ポリオレフィン等のオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマー等のポリエステル類、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミドあるいはこれらのポリマーブレンド、ポリマーアロイ等があげられる。また樹脂材料中には、重合時に使用される重合助剤のほかに造影剤、可塑剤、補強剤、顔料等の各種添加剤が含まれていてもよい。
該医療用チューブは各種カテーテルに適用できる。特に適用部位は限定されないが、柔軟で耐キンク性が優れ、柔軟な外層樹脂では引張強度が確保できないカテーテル先端部に適用することが好ましい。もちろんカテーテル全長にわたり適用できることはいうまでもない。
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明するが、本発明を以下の実施例に限定するものでない。
(実施例1)
第1補強層をステンレス鋼SUS304WPBの平角細線1本(素線厚さ0.07mm、素線幅0.14mm、絶対強度25.5N)により、内径1.0mm、ピッチ0.01mmでコイルを作製した。コイルの内側に外径0.99mmのステンレス芯材を通し、コイルの外側に第2補強層として、ステンレス鋼SUS304WPBの平角細線(素線厚さ0.007mm、素線幅0.047mm、絶対強度0.86N)により、ピッチ5.0mmでコイルを作製した。第2補強層の軸方向に対する巻回角度をマイクロスコープで測定したところ25度であった。作製されたコイルの上に、ポリアミドエラストマーであるPEBAX3533(Arkema社)に硫酸バリウムを40%混練してなる樹脂からなる中空チューブを被覆した。芯材を抜去後、作製されたチューブの内外径を測定すると、内径0.99mm、外径1.30mmであった。得られたチューブの耐キンク性を評価すると、高屈曲下でも内腔のつぶれが発生せず、良好な耐キンク性を示した。次に引張試験を実施した。引張試験は、引張圧縮試験機ストログラフE−II(東洋精機社製)を用い、チャック間距離50mm、引張速度100mm/minで測定した。第1補強層は最後まで破断せず、実用範囲と考える500%以下の伸びの範囲ではほとんど抗引張力がないため、外層が切断した時点で測定を終了し、測定中の最大荷重を破断強度とした。作製したチューブの引張試験の結果により、破断強度は9.5Nであり、良好な抗引張力を示した。
(実施例2)
第1補強層を構成するコイルのピッチを0.25mmとした以外は実施例1と同様にして、内径0.99mm、外径1.30mmのチューブを作製した。第2補強層の軸方向に対する巻回角度をマイクロスコープで測定したところ25度であった。得られたチューブの耐キンク性を評価すると、高屈曲下でもほとんど内腔のつぶれが発生せず、良好な耐キンク性を示した。作製したチューブの引張試験の結果により、破断強度は6.0Nであり、良好な抗引張力を示した。
(実施例3)
第1補強層をステンレス鋼SUS304WPBの丸細線1本(素線径0.10mm、絶対強度20.4N)により、内径1.0mm、ピッチ0.01mmでコイルを作製した以外は実施例1と同様にして、内径0.99mm、外径1.30mmのチューブを作製した。第2補強層の軸方向に対する巻回角度をマイクロスコープで測定したところ26度であった。得られたチューブの耐キンク性を評価すると、高屈曲下でも内腔のつぶれが発生せず、良好な耐キンク性を示した。作製したチューブの引張試験の結果により、破断強度は9.5Nであり、良好な抗引張力を示した。
(実施例4)
銀メッキ軟銅線(直径1.0mm)上にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を0.02mm被覆した芯線上に、第1補強層をステンレス鋼SUS304WPBの平角細線(素線厚さ0.07mm、素線幅0.14mm、絶対強度25.5N)により、内径1.0mm、ピッチ0.01mmでコイルを作製した。コイルの外側に第2補強層として、ステンレス鋼SUS304WPBの平角細線(素線厚さ0.007mm、素線幅0.047mm、絶対強度0.86N)により、ピッチ5.0mmでコイルを作製した。作製されたコイルの上に、ポリアミドエラストマーであるPEBAX3533(Arkema社)に硫酸バリウムを40%混練してなる樹脂からなる中空チューブを被覆した。芯材を抜去後、作製されたチューブの内外径を測定すると、内径0.99mm、外径1.30mmであった。第2補強層の軸方向に対する巻回角度をマイクロスコープで測定したところ26度であった。得られたチューブの耐キンク性を評価すると、高屈曲下でも内腔のつぶれが発生せず、良好な耐キンク性を示した。作製したチューブの引張試験の結果により、破断強度は10.5Nであり、良好な抗引張力を示した。
(比較例1)
第2補強層を作製しないこと以外は実施例1と同様にして、内径0.99mm、外径1.29mmのチューブを作製した。得られたチューブの耐キンク性を評価すると、高屈曲下でも内腔のつぶれが発生せず、良好な耐キンク性を示した。作製したチューブの引張試験の結果により、破断強度は3.5Nと小さく、抗引張力は不十分であった。
(比較例2)
第2補強層としてピッチ0.4mmでコイルを作製したこと以外は実施例1と同様にして、内径0.99mm、外径1.30mmのチューブを作製した。第2補強層の軸方向に対する巻回角度をマイクロスコープで測定したところ80度であった。得られたチューブの耐キンク性を評価すると、高屈曲下でも内腔のつぶれが発生せず、良好な耐キンク性を示した。作製したチューブの引張試験の結果により、破断強度は4.0と小さく、抗引張力は不十分であった。
(比較例3)
第1補強層としてピッチ2.0mmでコイルを作製し、第2補強層としてピッチ1.5mmでコイルを作製したこと以外は実施例1と同様にして、内径0.99mm、外径1.30mmのチューブを作製した。第2補強層の軸方向に対する巻回角度をマイクロスコープで測定したところ57度であった。得られたチューブの耐キンク性を評価すると、屈曲時にチューブ内腔のつぶれが発生し、耐キンク性が不良となった。
本発明の医療用チューブの概略図である。 本発明の別の形態の医療用チューブの概略図である。 本発明の別の形態の医療用チューブの概略図である。 本発明の別の形態の医療用チューブの概略図である。
符号の説明
1 第1補強層
2 第2補強層
3 外層
4 内層
A 第1補強層のコイルのピッチ
B 第2補強層のコイルのピッチ
C 第1補強層のコイルの幅
D 第2補強層のコイルの幅

Claims (8)

  1. 少なくとも補強層、外層からなる医療用チューブであり、補強層は第補強層、第1補強層の外側にある第2補強層からなり、
    第1補強層は一方向へ螺巻きされた少なくとも1本の素線からなるコイルからなり、
    第2補強層は、第1補強層が螺巻きされた方向とは関係なく一方向へ螺巻きされた少なくとも1本の素線からなるコイルからなり、
    該第2補強層を構成するコイルは、該第2補強層が存在する領域全長において、第1補強層を構成するコイルの巻回ピッチより大きな巻回ピッチでまかれており、
    第2補強層を構成するコイルの軸方向に対する巻回角度が13度以上、79度以下で
    第1補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の断面積の和が、第2補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の断面積の和よりも大きいことを特徴とする医療用チューブ。
  2. 少なくとも補強層、外層からなる医療用チューブであり、補強層は第1補強層、第1補強層の外側にある第2補強層からなり、
    第1補強層は一方向へ螺巻きされた少なくとも1本の素線からなるコイルからなり、
    第2補強層は、第1補強層が螺巻きされた方向とは関係なく一方向へ螺巻きされた少なくとも1本の素線からなるコイルからなり、
    該第2補強層を構成するコイルは、該第2補強層が存在する領域全長において、第1補強層を構成するコイルの巻回ピッチより大きな巻回ピッチでまかれており、
    第2補強層を構成するコイルの軸方向に対する巻回角度が13度以上、79度以下で、
    第1補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の引張における絶対強度の和が、第2補強層を構成する少なくとも1本の素線からなるコイルの素線の引張における絶対強度の和よりも大きいことを特徴とする医療用チューブ。
  3. 第1補強層を構成するコイルの巻回ピッチがコイル素線の幅の2倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用チューブ。
  4. 第1補強層の内側に少なくとも1層からなる内層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
  5. 第1補強層がステンレス鋼、タングステンのいずれかからなるコイルで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
  6. 第2補強層が金属素線から構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
  7. 第2補強層が樹脂素線から構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
  8. 請求項1〜7記載の医療用チューブが少なくとも1部分に適用されていることを特徴と
    するカテーテル。
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