JP6330555B2 - 液体噴射装置及びメンテナンス方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット式プリンターなどの液体噴射装置及び同液体噴射装置のメンテナンス方法に関する。
従来から、液体噴射装置の一種として、液体噴射部のノズルから用紙などの媒体に液体を噴射して、画像などを印刷するインクジェット式のプリンターが知られている。こうしたプリンターには、液体噴射部の液体噴射特性を良好に維持するために、液体噴射部においてノズルが開口する開口面に付着したインクミスト等を除去するワイパーユニット(ワイプユニット)を備えたものがある(例えば、特許文献1)。
このワイパーユニットでは、液体噴射部の開口面に布からなるインク吸収部材を押しつけた状態で液体噴射部を移動させることによって、開口面に付着したインクミストをインク吸収部材によって拭き取るワイピングを行っている。また、インクの拭取速度が遅いほど拭取性能が向上することから、インクの付着量が多いと予想されるときには液体噴射部の移動速度を遅くしている。
国際公開第2011/99230号
ところで、ワイピングの際に液体噴射部とインク吸収部材との相対移動速度を遅くすると、ワイピングに要する時間が長くなってしまうという問題が生じる。そのため、拭取性能を向上させる一方で、ワイピングに要する時間が過度に長くならないように、ワイピングを効率よく行うことを要する、という課題がある。
なお、このような課題は、インクを噴射して印刷を行うプリンターの液体噴射部を布で拭き取るワイピングに限らず、液体噴射装置において液体噴射部のワイピングを行う場合には、概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率よくワイピングを行うことができる液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、媒体に対して液体を噴射する複数のノズルが開口する開口面を有する液体噴射部と、前記開口面を払拭可能な払拭部材を保持する保持部と、前記液体噴射部と前記払拭部材が接触可能な接触領域と、前記液体噴射部と前記払拭部材が接触不能な非接触領域と、を含む移動領域において、前記液体噴射部と前記払拭部材とを払拭方向に相対移動させる移動機構と、前記移動機構の制御により、前記接触領域において前記液体噴射部と前記払拭部材とを相対移動させて前記開口面の払拭を行う払拭動作と、前記非接触領域において前記液体噴射部と前記払拭部材とを相対移動させる移動動作と、を連続して実行させることでワイピングを行う制御部と、を備え、記払拭動作として、前記相対移動を第1速度で実行させる第1払拭動作と、前記相対移動を前記第1速度より遅い第2速度で実行させる第2払拭動作と、を選択可能であり、前記移動動作を前記第2速度より速い速度で実行可能であり、前記制御部は、前記相対移動を前記第1速度で実行させる前記第1払拭動作と、前記相対移動を前記第1速度で実行させる前記移動動作とを連続して実行させることで第1ワイピングを行い、前記相対移動を前記第2速度で実行させる前記第2払拭動作と、前記相対移動を前記第2速度より速い速度で実行させる前記移動動作とを連続して実行させることで第2ワイピングを行う。
この構成によれば、第2払拭動作を選択した場合には、第1速度よりも遅い第2速度で払拭部材と液体噴射部とが相対移動するので、第1払拭動作を選択した場合よりも払拭性能を向上させることができる。一方、液体噴射部の払拭を伴わない移動動作は第2速度より速い速度で行うことにより、移動動作を第2速度で行う場合よりも、ワイピングに要する時間を短くすることができる。したがって、払拭性能を向上させる一方で、ワイピングに要する時間が過度に長くならないように、ワイピングを効率よく行うことができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記相対移動を前記第1速度で実行させる前記第1払拭動作と、前記相対移動を前記第1速度で実行させる前記移動動作とを連続して実行させることで第1ワイピングを行い、前記相対移動を前記第2速度で実行させる前記第2払拭動作と、前記相対移動を前記第1速度で実行させる前記移動動作とを連続して実行させることで第2ワイピングを行う。
この構成によれば、第2ワイピングを選択した場合には、払拭動作において第1速度よりも遅い第2速度で払拭部材と液体噴射部とが相対移動するので、第1ワイピングを選択した場合よりも払拭性能を向上させることができる。また、第2ワイピングの移動動作においては、液体噴射部と払拭部材とが第1速度で相対移動するので、移動機構の制御を簡素化することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記相対移動を前記第1速度で実行させる前記第1払拭動作と、前記相対移動を前記第1速度よりも速い移動速度で実行させる前記移動動作とを連続して実行させることで第1ワイピングを行い、前記相対移動を前記第2速度で実行させる前記第2払拭動作と、前記相対移動を前記第1速度よりも速い移動速度で実行させる前記移動動作とを連続して実行させることで第2ワイピングを行う。
この構成によれば、第2ワイピングを選択した場合には、払拭動作において第1速度よりも遅い第2速度で払拭部材と液体噴射部とが相対移動するので、第1ワイピングを選択した場合よりも払拭性能を向上させることができる。また、第1ワイピング及び第2ワイピングの移動動作においては、液体噴射部と払拭部材とが第1速度よりも速い移動速度で相対移動するので、移動動作を第1速度または第2速度で行う場合よりも、ワイピングに要する時間を短くすることができる。
上記液体噴射装置において、前記払拭部材は液体を吸収可能であり、前記制御部は、前記払拭動作において前記払拭部材と前記ノズルとの接触が終了した後に、前記相対移動の速度を速くする。
この構成によれば、払拭動作において払拭部材とノズルとが接触しているときの相対移動速度が、払拭部材とノズルの接触が終了した後の相対移動速度よりも遅いので、払拭部材によってノズル開口付近の液体を確実に吸収することができる。また、払拭部材とノズルの接触が終了した後に相対移動の速度を速くすることによって、ワイピングに要する時間を短くすることができる。
上記液体噴射装置は、前記媒体を支持可能な支持部材と、前記液体噴射部と前記支持部材の距離を変更することにより、前記ノズルから前記媒体に噴射される液体の飛翔距離を調整可能な調整機構と、を備え、前記飛翔距離が第1距離であった場合には前記第1払拭動作を選択し、前記飛翔距離が前記第1距離より長い第2距離であった場合には前記第2払拭動作を選択する。
液体の飛翔距離が第1距離より長い第2距離であった場合には、液体の飛翔距離が第1距離であった場合よりも、液体の噴射に伴うミストがより多く発生し、開口面に付着する液体の量が多くなる可能性が高い。その点、上記構成によれば、飛翔距離が第2距離であった場合には、第1払拭動作よりも相対移動速度が遅い第2払拭動作を行うので、開口面に多くの液体が付着している場合にも、より確実に液体を払拭することができる。
上記液体噴射装置において、前記払拭部材は長尺状の液体吸収部材からなり、前記保持部は、繰出ローラーと、押圧ローラーと、巻取ローラーと、を回転可能に保持し、前記払拭部材は、前記ワイピングに際して、長手方向の始端が前記巻取ローラーに巻き掛けられる一方で前記長手方向の終端が繰出ローラーに巻き掛けられた状態で、前記繰出ローラーと前記巻取ローラーとの間に設定される払拭部が前記押圧ローラーによって前記開口面に向かう方向に付勢され、前記制御部は、前記払拭動作を実行する間に前記巻取ローラーを巻取方向に回転させることにより、前記払拭部を前記巻取ローラーに巻き取る巻取動作を行う。
この構成によれば、払拭動作を実行する間に巻取ローラーを巻取方向に回転させることによって、開口面に接触する払拭部の位置が変更されるので、液体吸収部材からなる払拭部材による液体吸収力の低下を抑制することができる。
上記液体噴射装置は、前記媒体を支持可能な支持部材と、前記液体噴射部と前記支持部材の距離を変更することにより、前記液体噴射部から前記媒体に噴射される液体の飛翔距離を調整可能な調整機構と、を備え、前記制御部は、前記飛翔距離が長かった場合ほど、前記払拭動作を実行する間の前記巻取ローラーの回転量を多くする。
液体噴射部が噴射する液体の飛翔距離が長くなると、液体の噴射に伴うミストがより多く発生し、開口面に付着する液体の量が多くなる可能性が高い。その点、上記構成によれば、液体の飛翔距離が長かった場合ほど、払拭動作を実行する間の巻取ローラーの回転量が多くなるので、液体吸収部材からなる払拭部材による液体吸収力の低下を抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記巻取動作時に前記払拭部が前記払拭方向に移動する。
この構成によれば、巻取動作時に払拭部が払拭方向に移動するので、巻取動作時に払拭部が移動する方向が払拭方向と交差する場合や、巻取動作時に払拭部が移動する方向が払拭方向の反対方向となる場合よりも、払拭部材が開口面を払拭するときに生じる摩擦力を低減することができる。
上記課題を解決するメンテナンス方法は、液体噴射部において液体を噴射する複数のノズルが開口する開口面と、前記開口面を払拭可能な払拭部材とを接触させた状態で、前記払拭部材と前記液体噴射部とを第1速度で相対移動させて前記開口面を払拭する第1払拭動作と、前記開口面と前記払拭部材とが離れた状態で、前記払拭部材と前記液体噴射部とを前記第1速度で相対移動させる移動動作とを連続して実行させる第1ワイピングと、前記開口面と前記払拭部材とを接触させた状態で、前記払拭部材と前記液体噴射部とを前記第1速度より遅い第2速度で相対移動させて前記開口面を払拭する第2払拭動作と、前記開口面と前記払拭部材とが離れた状態で、前記払拭部材と前記液体噴射部とを前記第2速度より速い速度で相対移動させる移動動作とを連続して実行させる第2ワイピングと、を備える。
この構成によれば、上記液体噴射装置と同様の作用効果を得ることができる。
液体噴射装置の第1実施形態を示す斜視図。 図1の液体噴射装置が備える液体噴射部の構成を示す底面図。 図1の液体噴射装置が備えるワイパーユニットの概略構成を示す側面図。 (a),(b),(c)は、図3のワイパーユニットが移動する様子を示す模式図。 図1の液体噴射装置の電気的構成を示すブロック図。 払拭部材に液体が吸収される様子を模式的に示す側面図。 (a),(b)は、ギャップが異なる状態を説明する模式図。 (a),(b)は、第1実施形態のワイピング動作を説明する模式図。 第2実施形態におけるギャップと移動速度の関係を示すグラフ。 第3実施形態のワイパーユニットの概略構成を示す正面図。 (a)〜(c)は、第3実施形態のワイピング動作を説明する模式図。 (a)は第3実施形態におけるギャップと移動速度の関係を示すグラフで、(b)は第3実施形態におけるギャップと払拭部材の巻取量の関係を示すグラフ。 ワイパーユニットの第1変更例を模式的に示す平面図。 ワイパーユニットの第2変更例を模式的に示す平面図。 ワイパーユニットの第3変更例を模式的に示す側面図。
以下、液体噴射装置の実施形態について、図を参照して説明する。液体噴射装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを噴射することによって記録(印刷)を行うインクジェット式のプリンターである。
(第1実施形態)
図1に示すように、液体噴射装置11は、略矩形箱状をなすフレーム12と、フレーム12内において媒体Pを支持可能な支持部材13と、フレーム12の長手方向に沿って架設されたガイド軸16と、ガイド軸16の両端を保持して、ガイド軸16の支持部材13に対する相対位置を調整可能な調整機構15と、を備える。
また、液体噴射装置11は、ガイド軸16の軸線方向となる走査方向Xに沿って往復移動可能な状態でガイド軸16に支持されたキャリッジ17と、キャリッジ17に保持された液体噴射部22を備える。キャリッジ17には、液体噴射部22に供給する液体(例えば、インク)を収容した複数(本実施形態では5つ)の液体収容体23が着脱可能に装着される。
5つの液体収容体23には、一例としてシアン、マゼンタ、イエロー、黒、及び白のインクがそれぞれ収容されている。各液体収容体23から供給される液体を液体噴射部22から噴射することにより、カラー印刷などを行うことが可能である。
フレーム12の長手方向に延びる壁部には、駆動プーリー18及び従動プーリー19が回転自在な状態で支持されている。駆動プーリー18には、キャリッジ17を往復移動させる際の動力源となるキャリッジモーター20の出力軸が連結されている。また、これら一対のプーリー18,19の間には、一部がキャリッジ17に連結された無端状のタイミングベルト21が掛装されている。そして、キャリッジ17は、キャリッジモーター20の駆動力によりタイミングベルト21が一方向とその逆方向とに交互に周回移動することで、ガイド軸16にガイドされながら走査方向Xに沿って往復移動する。
媒体Pは、フレーム12に保持された搬送モーター14の動力により駆動される搬送ローラー(図示略)の回転力によって、支持部材13上を走査方向Xと交差(好ましくは、直交)する搬送方向Yに搬送される。
そして、液体噴射装置11は、搬送モーター14を所定時間駆動させて媒体Pを搬送させる搬送処理と、キャリッジモーター20を駆動させて液体噴射部22を移動領域において往復移動させながら支持部材13に支持された媒体Pに対して液滴を噴射させる印刷処理とを交互に行うことによって、媒体P全体に対して印刷を行う。本実施形態において、液体噴射部22が液体を噴射する噴射方向Zは、走査方向X及び搬送方向Yの双方と交差(好ましくは、直交)する方向である。
キャリッジ17の走査方向Xに沿う移動領域において、支持部材13が配置された領域を印刷領域といい、印刷領域の外側の領域を非印刷領域という。そして、印刷処理の実行時に、キャリッジ17は印刷領域において等速で移動した後、非印刷領域において減速、方向転換及び加速する。すなわち、非印刷領域は、往復移動するキャリッジ17が方向転換するための領域でもある。
調整機構15は、媒体Pの厚さや種類などに応じて、ガイド軸16の支持部材13に対する相対位置を調整することによって、液体噴射部22と支持部材13の距離を変更する。液体噴射部22から支持部材13に支持された媒体Pの表面までの距離をギャップPGとすると、調整機構15は、媒体Pの厚さや種類が変更されたときに、その厚さや種類に応じて液体噴射部22と支持部材13の距離を変更することによってギャップPGを調整する。
そして、調整機構15がギャップPGを調整することにより、液体噴射部22から媒体Pに噴射される液体の飛翔距離が調整される。そのため、本実施形態の液体噴射装置11においては、厚さの異なる媒体Pや、例えば紙、布、フィルムなど、種類の異なる媒体Pを印刷対象とした場合にも、適切な印刷品質を保持することができる。
フレーム12内において、キャリッジ17の移動領域における一端部となる非印刷領域には、液体噴射部22のメンテナンスを行なうためのメンテナンス装置26が設けられている。メンテナンス装置26は、キャッピングを行うためのキャップ27と、キャップ27内を吸引可能な吸引機構28と、液体噴射部22に付着した液体や塵埃などを払拭するワイピングを行うためのワイパーユニット30と、を備える。
本実施形態では、液体噴射部22の走査方向Xに延びる移動領域において、キャップユニットが配置された位置をホーム位置という。また、本実施形態では、ホーム位置から印刷領域に向かう方向を走査方向Xとしている。
図2に示すように、液体噴射部22は、液体を噴射する複数のノズル24が開口する開口面22aを有する。複数のノズル24は、搬送方向Yに沿って並ぶことによってノズル列25を形成する。なお、本実施形態では、液体の種類に対応して設けられた複数(5つ)のノズル列25が走査方向Xに一定の間隔で並設されている。
キャップ27は、液体噴射部22がホーム位置に配置されたときに液体噴射部22に近づく方向に相対移動して開口面22aに接触することによって、ノズル24が開口する閉空間を形成するキャッピングを行う。そして、電源オフ時などには、液体噴射部22をホーム位置に配置してキャッピングすることにより、ノズル24の乾燥による目詰まりが抑制される。
また、液体噴射部22のメンテナンス動作として、キャップ27が液体噴射部22から離れた位置にあるときに、液体噴射部22からキャップ27に向けて液体を噴射する(うち捨てる)フラッシングを行うこともできる。
さらに、キャッピングをした状態で吸引機構28が駆動することによって、ノズル24を通じて液体噴射部22内にある気泡などの異物を液体とともに排出する吸引クリーニングが実行される。なお、吸引クリーニングの実行後には、開口面22aにノズル24から排出された液滴が付着していることがあるので、ワイピングによって開口面22aを払拭することが好ましい。
また、液体噴射部22から媒体Pに向かって液体を噴射して印刷を行う場合、媒体Pに向かって噴射された液体の一部は霧状化し、ミストとなって開口面22aと媒体Pとの間で浮遊することがある。こうしたミストは、キャリッジ17の往復移動や液体の噴射などによって生じる気流に流され、液体噴射部22の開口面22aに付着することがある。なお、噴射された液体の一部が霧状化し、ミストとして浮遊するのは、媒体Pに向かって噴射された液体に対し、空気抵抗などの反力が噴射方向と逆方向に作用するためである。
そして、このように開口面22aに液体が付着して液滴となると、その液滴がノズル24から噴射された液滴と接触して、噴射された液滴の飛翔方向が変化して、印刷品質が悪化するおそれがある。そのため、印刷動作や吸引クリーニングなどによって開口面22aに液体が付着した場合には、ワイパーユニット30によるワイピングを行って、開口面22aに付着した液体を除去する。
また、ワイピングを行うと、ノズル24内に形成されたメニスカス(凹状に湾曲した液面)が乱れることがあるので、ワイピングの実行後にはフラッシングを行ってノズル24内のメニスカスを整えることが好ましい。
次に、ワイパーユニット30の構成について詳述する。
図3に示すように、ワイパーユニット30は、開口面22aを払拭可能な長尺状の液体吸収部材からなる払拭部材40を保持する保持部37と、保持部37を搬送方向Yに沿って移動させるための移動機構38と、を備える。
払拭部材40は、例えば合成樹脂などの不織布によって構成され、液体が付着した開口面22aに払拭部材40が接触すると、開口面22aに付着した液体が払拭部材40を構成する繊維と繊維の隙間(空隙)に吸収される。なお、払拭部材40は、液体を吸収可能であれば、合成繊維の織布であってもよいし、天然繊維の織布または不織布であってもよい。
移動機構38は、搬送方向Yに延びるレール部33と、駆動モーター34と、駆動モーター34の動力を伝達する動力伝達機構35とを備え、動力伝達機構35を介して伝達される駆動モーター34の駆動力によって、保持部37を払拭方向(図3に白抜き矢印で示す方向)に沿って移動させる。本実施形態では、払拭方向は保持部37の移動方向であって、搬送方向Yの反対方向である。
保持部37は、搬送方向Yが長手方向となり、ワイパーホルダー31と、ワイパーホルダー31に着脱自在に装着されるワイパーカセット41と、を備える。ワイパーホルダー31は、その下部に固定されたガイド部32を介してレール部33と係合している。
ワイパーホルダー31の側壁には、ラック・アンド・ピニオン機構36が設けられている。ラック・アンド・ピニオン機構36は、ワイパーホルダー31の側面に固定された払拭方向に延びるラック36aと、このラック36aと噛合するとともに動力伝達機構35を介して伝達される動力で回転するピニオン36bとを有している。
そして、駆動モーター34が第1方向に駆動されると、その駆動力が動力伝達機構35及びピニオン36bを介してラック36aに伝達されることで、ラック36aとともに保持部37が払拭方向に移動する。また、駆動モーター34が第1方向の反対方向となる第2方向に駆動されると、その駆動力が動力伝達機構35及びピニオン36bを介してラック36aに伝達されることで、ラック36aとともに保持部37が搬送方向Yに移動する。
ワイパーカセット41は、払拭方向に距離をおいて順番に並ぶ巻取ローラー43と、押圧ローラー44と、繰出ローラー42と、を回転可能に保持するとともに、押圧ローラー44を軸支する支軸44aを付勢する付勢部材45を保持する。付勢部材45は、例えば圧縮ばねであるコイルばねや板ばね、弾性変形可能な弾性体などによって構成することができる。また、押圧ローラー44が弾性変形可能な周面を有して、押圧ローラー44によって支軸44aを付勢することができれば、付勢部材45を備えなくてもよい。
本実施形態では、ワイパーカセット41がワイパーホルダー31に装着された状態において、ワイパーカセット41が軸支するローラー42,43,44の軸線方向が走査方向Xとなる。また、ワイピングを行う際の液体噴射部22と払拭部材40の相対的な移動方向である払拭方向は、液体噴射部22の各ノズル列25が延びる方向(ノズル列方向)に沿う方向となっている。
払拭部材40は、長手方向の始端が巻取ローラー43に巻き掛けられる一方で長手方向の終端が繰出ローラー42に巻き掛けられた状態で、繰出ローラー42と巻取ローラー43との間に設定される払拭部40aが押圧ローラー44によってワイパーカセット41の外側に向けて付勢されている。
ワイパーカセット41がワイパーホルダー31に装着されると、払拭部材40の払拭部40aは、開口面22aに向かう方向に付勢された状態で、ワイパーカセット41及びワイパーホルダー31に設けられた図示しない開口部を通じて保持部37から突出する。
そして、液体噴射部22が走査方向Xにおいてワイパーユニット30と対応する位置に停止した状態で、保持部37が払拭方向に移動すると、払拭部40aが開口面22aに付着した液体を吸収しつつ開口面22aを払拭することによって、ワイピングが行われる。このように、液体噴射部22の走査方向Xに延びる移動領域において、液体噴射部22が払拭部材40と接触可能な位置をワイピング位置という。
払拭部40aが液体を吸収した場合などには、巻取ローラー43が巻取方向(図3における時計方向)に回転する巻取動作時を行うことにより、払拭部材40を巻取ローラー43に巻き取る。これにより、払拭部40aが払拭方向に移動すると同時に、巻き取られた長さ分の払拭部材40が繰出ローラー42から巻き出されるので、液体を吸収した使用済みの部分が巻取ローラー43に巻き取られ、未使用の部分が新たな払拭部40aとなる。
なお、ワイパーカセット41には、巻取ローラー43が払拭部材40を巻き取るときには繰出ローラー42が繰出方向(図3における時計方向)に回転することを許容する一方、そうでないときには繰出ローラー42が繰出方向に回転することを規制するラチェット46を設けることが好ましい。このようにすれば、巻取ローラー43と繰出ローラー42の間において払拭部材40のたるみを抑制することができるためである。
図4に示すように、保持部37は、ワイピング時に、払拭方向に延びる移動領域の一端部(図4では右端部)に設定される移動開始位置Psから、同移動領域の他端部(図4では左端部)に設定される移動終了位置Peに向けて往路移動する過程で、ワイピングを行う。また、ワイピングが終了すると、移動終了位置Peから移動開始位置Psに向けて復路移動して、次のワイピングまで待機する。
ここで、液体噴射部22がワイピングに先だってワイピング位置に移動したり、ワイピングを終えてワイピング位置から他の位置に移動したりするときには、液体噴射部22と払拭部40aとの接触を回避することが好ましい。
そこで、移動機構38は、液体噴射部22と払拭部材40が接触可能な接触領域Acと、液体噴射部22と払拭部材40が接触不能な非接触領域Ads,Adeと、を含む移動領域において、液体噴射部22と払拭部材40とを払拭方向に相対移動させる。そして、液体噴射部22がワイピング位置に対して移動するときには、払拭部材40を非接触領域Adsまたは非接触領域Adeに配置して、移動する液体噴射部22と払拭部材40の接触を回避させる。
払拭方向に延びる払拭部材40の移動領域において、相対移動する液体噴射部22と払拭部材40が接触し始める位置を接触開始位置Pc、液体噴射部22と払拭部材40が離れる位置を接触終了位置Pdとする。この場合、払拭方向において移動開始位置Psから接触開始位置Pcまでが非接触領域Ads、接触開始位置Pcから接触終了位置Pdまでが接触領域Ac、接触終了位置Pdから移動終了位置Peまでが非接触領域Adeとなる。
そして、払拭部40aが移動開始位置Ps(図4(a)に二点鎖線で示す位置)から接触開始位置Pc(図4(a)に実線で示す位置)まで移動する動作を、先の移動動作という。また、払拭部40aが開口面22aに接触しながら接触開始位置Pcから接触終了位置Pd(図4(c)に二点鎖線で示す位置)まで移動する動作を、払拭動作という。さらに、払拭部40aの接触終了位置Pdから移動終了位置Pe(図4(c)に実線で示す位置)まで移動する動作を、後の移動動作という。
本実施形態において、液体噴射部22がワイピングに先だって走査方向Xに沿ってワイピング位置に移動したり、ワイピングを終えてワイピング位置から他の位置に移動したりするときには、保持部37が非接触領域Adsの端となる移動開始位置Psに配置される。
次に、ワイパーユニット30の制御に関連する液体噴射装置11の電気的構成について説明する。
図5に示すように、液体噴射装置11は、液体噴射部22のメンテナンス制御などを司る制御部50を備えている。制御部50の入出力インターフェースには、キャリッジモーター20と、駆動モーター34とが電気的に接続されている。また、制御部50の入出力インターフェースには、液体噴射部22の開口面22aから支持部材13に支持された媒体Pの表面までのギャップPGを検出するギャップセンサー51が電気的に接続されている。
そして、制御部50は、ギャップセンサー51で検出されたギャップPGの大小に応じて、キャリッジモーター20及び駆動モーター34などの駆動を制御する。例えば、制御部50が、駆動モーター34を介して移動機構38を制御することにより、接触領域Acにおいて液体噴射部22と払拭部材40とを相対移動させて開口面22aの払拭を行う払拭動作と、非接触領域Ads,Adeにおいて液体噴射部22と払拭部材40とを相対移動させる移動動作と、を連続して実行させることでワイピングが行われる。
また、制御部50は、接触領域Acにおける払拭動作として、液体噴射部22と払拭部材40との相対移動を第1速度VW1で実行させる第1払拭動作と、同相対移動を第1速度VW1より遅い第2速度VW2で実行させる第1払拭動作と、を選択可能である。また、制御部50は、非接触領域Ads,Adeにおける移動動作を、第1速度VW1及び第2速度VW2より速い移動速度VW0(VW0>VW1>VW2)で実行可能である。
次に、払拭部材40によるインクの吸収態様について説明する。
図6に示すように、払拭動作において払拭部材40が液体噴射部22の開口面22aと接触すると、開口面22aに付着している液体は、開口面22aに接触する払拭部40aに吸収される。すなわち、払拭部40aは、払拭動作時に開口面22aと直接接触して液体を吸収する。
払拭部40aに吸収された液体は、その繰り出し上流側(図6では左側)と巻き取り下流側(図6では右側)に位置する部位に浸透する。このように、払拭部40aと長手方向に隣接する部位は、払拭動作時に開口面22aに直接接触はしないが、払拭部40aが液体を吸収した場合に、その吸収した液体が浸透するので、浸透部40bという。
すなわち、払拭部材40は、巻取ローラー43による巻き取りを行わなくても、払拭部40aで吸収された液体が浸透部40bに浸透することで、開口面22aと接触する払拭部40aで吸収可能な液体の量、すなわち払拭部40aの空隙に相当する容量以上の液体を吸収することができる。
そのため、開口面22aに付着する液体の量が払拭部40aで吸収可能な液体量未満である場合では、払拭部40aから浸透部40bへの液体の浸透速度以上の速度で払拭部材40を移動させても、開口面22aに付着した液体を除去しきることができる可能性が高い。
一方で、開口面22aに付着する液体の量が払拭部40aで吸収可能な液体量以上である場合では、払拭部40aから浸透部40bへの液体の浸透速度以上の速度で払拭部材40を移動させると、開口面22aに付着した液体を除去しきれない可能性が高い。さらに、この場合には、限界まで液体を吸収した状態の払拭部40aが開口面22aに接触することで、開口面22aに付着した液体や気泡をノズル24に押し込み、液体噴射部22の液体噴射特性が悪化するおそれがある。
したがって、開口面22aに付着する液体の量が多い場合には、払拭部材40の移動速度VWを相対的に遅くすることで、浸透部40bへの液体の浸透を促すことが好ましい。あるいは、液体を限界まで吸収した状態の払拭部40aの位置を変更するために、払拭部材40を巻取ローラー43に巻き取って、未だ液体を吸収していない払拭部材40の部分を新たな払拭部40aとすることが好ましい。
次に、液体噴射部22の開口面22aに付着する液体の量が少量であるか多量であるかの判定について説明する。
本実施形態の液体噴射装置11では、種類の異なる媒体Pや厚さの異なる媒体Pを印刷対象とする。そして、媒体Pの種類や厚さが異なる場合には、液体噴射部22から液体を噴射するときの開口面22aと支持部材13上に配置された媒体Pの表面との距離、すなわちギャップPGを適宜変更することによって、各媒体Pに適した印刷を行う。
そして、図7(a)に示すように、支持部材13に支持された媒体Pに液体を噴射するときのギャップPGが相対的に小さい場合(例えば、第1距離PG1の場合)には、液体の飛翔距離が短くなるので、液体噴射部22から噴射された液体は空気抵抗などの影響を受けにくく、ミストの発生量は少ない。
一方、図7(b)に示すように、液体を噴射するときのギャップPGが相対的に大きい場合(例えば、第2距離PG2の場合、PG2>PG1)には、液体の飛翔距離が長くなるので、液体噴射部22から噴射された液体は空気抵抗などの影響を受けやすく、ミストの発生量が多くなる。なお、図7では、媒体Pの厚さが異なることによってギャップPGに大小関係が生じているが、媒体Pの厚さが同じ場合でも開口面22aと支持部材13との間の距離が変更された場合には、同様にギャップPGに大小関係が生じることがある。
こうして、液体を噴射するときのギャップPGが大きい場合には、ギャップPGが小さい場合に比べ、発生するミストの量が多くなり、開口面22aに付着する液体の量も多くなる傾向がある。そして、液体噴射部22の開口面22aに付着する液体の量が多い場合には、開口面22aに付着する液体の量が少ない場合に比べ、払拭動作を行う際の払拭部材40の移動速度を遅くすることが好ましい。
そのため、本実施形態では、液体の飛翔距離が第1距離PG1であった場合には、液体噴射部22に付着する液体が相対的に少ないと判断して、接触領域Acにおける払拭部材40の移動速度を第1速度VW1とする第1ワイピングを行う。すなわち、払拭動作として、第1払拭動作を選択する。一方、液体の飛翔距離が第1距離PG1より長い第2距離PG2であった場合には、液体噴射部22に付着する液体が相対的に多いと判断して、接触領域Acにおける払拭部材40の移動速度を第1速度VW1より遅い第2速度VW2(VW1>VW2)とする第2ワイピングを行う。すなわち、払拭動作として、第2払拭動作を選択する。
なお、第2ワイピングは、液体噴射部22への液体の付着量が多い場合に実行される。そのため、液体の飛翔距離が長かった場合の他、例えば、印刷時間が長かった場合や、単位時間あたりの液体の噴射量が多かった場合などにも、第2ワイピングを実行することが好ましい。
ただし、ワイピングを行うのに要する時間は短い方がよい。そこで、本実施形態では、ワイピングのために払拭部材40が移動する場合に、非接触領域Adsにおける払拭部材40の移動速度を、接触領域Acにおける払拭部材40の相対移動速度以上とする。例えば、第1ワイピング及び第2ワイピングにおいて、非接触領域Adsでの払拭部材40の移動速度は、接触領域Acにおける移動速度である第1速度VW1及び第2速度VW2より速い移動速度VW0(VW0>VW1>VW2)とする。
次に、液体噴射部22のメンテナンス方法として、液体噴射装置11が実行するワイピングについて説明する。
媒体Pに対する印刷処理が終了すると、その印刷処理に伴って開口面22aに付着した液体を除去するために、液体噴射部22を払拭部材40で払拭するワイピングを行う。
ワイピングを行う際には、まず、保持部37を図4(a)に示す移動開始位置Psに停止させた状態で、キャリッジ17をワイピング位置に移動させる。続いて、移動開始位置Psから保持部37を払拭方向に移動させるために、制御部50が駆動モーター34を第1方向に駆動させる。
すると、図8(a)に示すように、駆動モーター34の駆動力が動力伝達機構35及びピニオン36bを介してラック36aに伝達されることで、ラック36aとともに保持部37が同図に白抜き矢印で示す払拭方向に移動する。そして、払拭部40aが図8(a)に示す接触開始位置Pcに至ると、払拭部40aが液体噴射部22の開口面22aの端部と接触し、付勢部材45によって付勢された押圧ローラー44によって開口面22aに押し付けられる。なお、保持部37が払拭方向への移動を開始して、払拭部40aが開口面22aに接触するまでが、先の移動動作となる。
図8(b)に示すように、払拭部材40が開口面22aに押付けられた状態で、保持部37が同図に白抜き矢印で示す払拭方向に移動することで、払拭部40aが開口面22aを払拭する。このように、払拭部40aが開口面22aに接触した状態で保持部37が払拭方向に移動することにより、払拭動作が行われる。
払拭動作においては、払拭部材40の払拭部40aに、開口面22aと接触することによる摩擦力が払拭方向と反対方向に作用する。そして、この摩擦力は、繰出ローラー42に巻装された払拭部材40を繰り出す方向に作用することとなるが、繰出ローラー42の回転をラチェット46によって規制することにより、払拭部材40が不要に繰り出されることが抑制される。
払拭動作は、図4(c)に二点鎖線で示す接触終了位置Pdにおいて払拭部40aが液体噴射部22から離れることによって終了し、その後、引き続き保持部37が払拭方向に移動することにより、後の移動動作が行われる。そして、払拭部40aが図4(c)に実線で示す移動終了位置まで移動すると、後の移動動作が終了する。
そして、後の移動動作によって払拭部40aが移動終了位置Peまで移動すると、ラチェット46による繰出ローラー42の回転規制が解除され、駆動モーター34から動力伝達機構35を介して伝達された駆動力により巻取ローラー43が回転する。すると、繰出ローラー42から払拭部材40の液体を未吸収の部分が繰り出されるとともに、巻取ローラー43に払拭部材40の液体を吸収済みの部分が巻き取られる。
続いて、キャリッジ17がワイピング位置から移動した後に、制御部50が駆動モーター34を第2方向に駆動させると、保持部37が移動終了位置Peから移動開始位置Psに向けて、搬送方向Yに復路移動する。こうして、ワイパーユニット30による液体噴射部22のメンテナンス動作の一つであるワイピングが完了する。
次に、液体の飛翔距離が第1距離PG1であった液体噴射の後に液体噴射装置11が行うワイピングである第1ワイピングについて説明する。
第1ワイピングでは、制御部50が、保持部37を移動速度VW0で移動させる先の移動動作と、保持部37を第1速度VW1で移動させる第1払拭動作と、保持部37を移動速度VW0で移動させる後の移動動作とを連続して実行させる。
まず、先の移動動作では、液体噴射部22と払拭部材40とが離れた状態で、払拭部40aを移動開始位置Psから接触開始位置Pcまで移動させることによって、払拭部材40と液体噴射部22とが移動速度VW0で相対移動する(移動工程)。
次に、第1払拭動作として、図4(b)に示すように、液体噴射部22と払拭部材40とを接触させた状態で、払拭部40aを接触開始位置Pcから接触終了位置Pdまで移動させることによって、払拭部材40と液体噴射部22とが第1速度VW1で相対移動する(第1払拭工程)。
そして、後の移動動作では、液体噴射部22と払拭部材40とが離れた状態で、払拭部40aを接触終了位置Pdから移動終了位置Peまで移動させることによって、払拭部材40と液体噴射部22とが移動速度VW0で相対移動する(移動工程)。
次に、液体の飛翔距離が第2距離PG2であった液体噴射の後に液体噴射装置11が行うワイピングである第2ワイピングについて説明する。
第2ワイピングでは、制御部50が、保持部37を移動速度VW0で移動させる先の移動動作と、保持部37を第2速度VW2で移動させる第2払拭動作と、保持部37を移動速度VW0で移動させる後の移動動作とを連続して実行させる。
まず、先の移動動作では、液体噴射部22と払拭部材40とが離れた状態で、払拭部40aを移動開始位置Psから接触開始位置Pcまで移動させることによって、払拭部材40と液体噴射部22とが移動速度VW0で相対移動する(移動工程)。
次に、第2払拭動作として、図4(b)に示すように、液体噴射部22と払拭部材40とを接触させた状態で、払拭部40aを接触開始位置Pcから接触終了位置Pdまで移動させることによって、払拭部材40と液体噴射部22とが第2速度VW2で相対移動する(第2払拭工程)。
そして、後の移動動作では、液体噴射部22と払拭部材40とが離れた状態で、払拭部40aを接触終了位置Pdから移動終了位置Peまで移動させることによって、払拭部材40と液体噴射部22とが移動速度VW0で相対移動する(移動工程)。
次に、以上のように構成された液体噴射装置11の作用について説明する。
ワイピングを行う前の液体の飛翔距離が相対的に短かった場合(第1距離PG1の場合)、制御部50は第1ワイピングを選択する。すると、保持部37は接触領域Acにおいて比較的速い速度(第1速度VW1)で移動するため、開口面22aと払拭部40aとが第1速度VW1で相対移動しながら払拭動作が実行される。
一方、ワイピングを行う前の液体の飛翔距離が長かった場合(第2距離PG2の場合)、制御部50は第2ワイピングを選択する。すると、保持部37は接触領域Acにおいて比較的遅い速度(第2速度VW2)で移動するため、開口面22aと払拭部40aとが第1速度VW1より遅い第2速度VW2で相対移動しながら払拭動作が実行される。すなわち、液体噴射部22の開口面22aに付着する液体の量が多いと予期される場合には、より低速で払拭動作が行われる。そのため、開口面22aに付着した液体が多い場合にも、払拭動作によって確実に液体を吸収することが可能になる。
また、このような払拭動作の前後に連続して行われる非接触領域Ads,Adeでの移動動作では、払拭部40aが第1速度VW1及び第2速度VW2より速い移動速度VW0で移動するので、接触領域Acと非接触領域Ads,Adeとで払拭部40aの移動速度が変化しない場合よりも、ワイピングに要する時間を短縮することが可能になる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第2払拭動作を選択した場合には、第1速度VW1よりも遅い第2速度VW2で払拭部材40と液体噴射部22とが相対移動するので、第1払拭動作を選択した場合よりも払拭性能を向上させることができる。一方、液体噴射部22の払拭を伴わない移動動作は第2速度VW2より速い移動速度で行うことにより、移動動作を第2速度VW2で行う場合よりも、ワイピングに要する時間を短くすることができる。したがって、払拭性能を向上させる一方で、ワイピングに要する時間が過度に長くならないように、ワイピングを効率よく行うことができる。
(2)第2ワイピングを選択した場合には、払拭動作において第1速度VW1よりも遅い第2速度VW2で払拭部材40と液体噴射部22とが相対移動するので、第1ワイピングを選択した場合よりも払拭性能を向上させることができる。また、第1ワイピング及び第2ワイピングの移動動作においては、液体噴射部22と払拭部材40とが第1速度VW1よりも速い移動速度VW0で相対移動するので、移動動作を第1速度VW1または第2速度VW2で行う場合よりも、ワイピングに要する時間を短くすることができる。
(3)液体の飛翔距離が第1距離PG1より長い第2距離PG2であった場合には、液体の飛翔距離が第1距離PG1であった場合よりも、液体の噴射に伴うミストがより多く発生し、開口面22aに付着する液体の量が多くなる可能性が高い。その点、上記実施形態によれば、飛翔距離が第2距離PG2であった場合には、第1払拭動作よりも相対移動速度が遅い第2払拭動作を行うので、開口面22aに多くの液体が付着している場合にも、より確実に液体を払拭することができる。
(4)液体の飛翔距離が長かった場合には、液体の飛翔距離が短かった場合よりも、払拭動作における液体噴射部22と払拭部材40の相対的な移動速度VWが遅くなる。すなわち、液体噴射部22の開口面22aに付着する液体の量が多いと予期される場合には、少ないと予期される場合よりも、払拭動作を行う際の開口面22aと払拭部材40との相対的な移動速度VWが遅くなる。そのため、液体噴射部22の開口面22aに多量の液体が付着している場合でも、開口面22aから吸収した液体が、開口面22aとの接触部位である払拭部40aから非接触部位である浸透部40bに浸透しやすくなる。その結果、開口面22aに付着した液体の量が多い場合でも、払拭部材40が払拭動作時にノズル24内へ液体や異物を押し込んでしまうことを抑制できる。
(5)液体の飛翔距離が短かった場合には、液体の飛翔距離が長かった場合よりも、払拭動作を行う際の液体噴射部22と払拭部材40との相対的な移動速度VWが速くなる。すなわち、液体噴射部22の開口面22aに付着する液体の量が少ないと予期される場合には、多いと予期される場合よりも、払拭動作を行う際の開口面22aと払拭部材40との相対的な移動速度VWが速くなる。そのため、液体噴射部22の開口面22aに少量の液体しか付着していない場合には、払拭動作に要する時間を短くすることができる。
(第2実施形態)
次に、液体噴射装置の第2実施形態について、図を参照して説明する。
以降の第2実施形態の説明では、上記第1実施形態と同じ構成要素については同符号を付して説明を省略し、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
本実施形態の液体噴射装置11では、媒体Pの種類や厚さに応じて、液体噴射部22から液体を噴射するときの液体の飛翔距離(ギャップPG)が三段階(第1距離PG1,第2距離PG2,第3距離PG3、PG1<PG2<PG3)に変更される。
また、図9に示すように、液体噴射部22から液体を噴射するときのギャップPG(PG1,PG2,PG3)に応じて、液体の噴射後に行うワイピングにおいて、払拭動作における液体噴射部22と払拭部材40の相対的な移動速度VWが三段階(第1速度VW1,第2速度VW2,第3速度VW3、VW1>VW2>VW3)に設定される。そして、接触領域Acにおける払拭動作を第1速度VW1,第2速度VW2,第3速度VW3で行うワイピングを、それぞれ第1ワイピング、第2ワイピング及び第3ワイピングという。
すなわち、第1ワイピングの払拭動作においては、開口面22aと払拭部材40とを接触させた状態で、払拭部材40と液体噴射部22とを第1速度VW1で相対移動させて開口面22aを払拭する(第1払拭工程)。また、第2ワイピングの払拭動作においては、開口面22aと払拭部材40とを接触させた状態で、払拭部材40と液体噴射部22とを第1速度VW1より遅い第2速度VW2で相対移動させて開口面22aを払拭する(第2払拭工程)。さらに、第3ワイピングの払拭動作においては、開口面22aと払拭部材40とを接触させた状態で、払拭部材40と液体噴射部22とを第1速度VW1及び第2速度VW2より遅い第3速度VW3で相対移動させて開口面22aを払拭する(第3払拭工程)。
また、第1ワイピング、第2ワイピング及び第3ワイピングでは、非接触領域Ads,Adeでの移動動作において、保持部37を、第2速度VW2及び第3速度VW3よりも速い第1速度VW1で払拭方向に移動させる(移動工程)。
すなわち、制御部50は、払拭部材40と液体噴射部22の相対移動を第1速度VW1で実行させる先の移動動作と、同相対移動を第1速度VW1で実行させる第1払拭動作と、同相対移動を第1速度VW1で実行させる後の移動動作とを連続して実行させることで第1ワイピングを行う。また、制御部50は、払拭部材40と液体噴射部22の相対移動を第1速度VW1で実行させる先の移動動作と、同相対移動を第2速度VW2で実行させる第2払拭動作と、同相対移動を第1速度VW1で実行させる後の移動動作とを連続して実行させることで第2ワイピングを行う。さらに、制御部50は、払拭部材40と液体噴射部22の相対移動を第1速度VW1で実行させる先の移動動作と、同相対移動を第3速度VW3で実行させる第3払拭動作と、同相対移動を第1速度VW1で実行させる後の移動動作とを連続して実行させることで第3ワイピングを行う。
次に、第2実施形態の液体噴射装置11の作用について説明する。
ワイピングを行う前の液体の飛翔距離が最小の第1距離PG1である場合、保持部37は接触領域Acにおいて比較的速い速度(第1速度VW1)で移動するため、払拭部40aは第1速度VW1で移動しながら開口面22aを払拭する。
一方、ワイピングを行う前の液体の飛翔距離が最大の第3距離PG3である場合、保持部37は接触領域Acにおいて比較的遅い速度(第3速度VW3)で移動するため、払拭部40aは第3速度VW3で移動しながら開口面22aを払拭する。すなわち、液体噴射部22の開口面22aに付着する液体の量が多いと予期される場合には、より低速で払拭動作が行われる。
なお、ワイピングを行う前の液体の飛翔距離が第2距離PG2である場合、払拭部40aは接触領域Acにおいて第1速度VW1と第3速度VW3の間の第2速度VW2で移動しながら開口面22aを払拭する。
そのため、開口面22aに付着した液体が多い場合にも、払拭部40aによる払拭動作によって確実に液体を吸収することができる。また、このような払拭動作の前後に連続する非接触領域Ads,Adeでの移動動作では、払拭部40aが速い第1速度VW1で移動するので、接触領域Acと非接触領域Ads,Adeとで払拭部40aの移動速度が変化しない場合よりも、ワイピングに要する時間を短縮することが可能になる。
そして、本実施形態によれば、上記(1),(3)〜(5)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(6)第2ワイピングを選択した場合には、払拭動作において第1速度VW1よりも遅い第2速度VW2で払拭部材40と液体噴射部22とが相対移動するので、第1ワイピングを選択した場合よりも払拭性能を向上させることができる。また、第2ワイピングの移動動作においては、液体噴射部22と払拭部材40とが第1速度VW1で相対移動するので、移動機構38の制御を簡素化することができる。
(7)第3ワイピングを選択した場合には、払拭動作において第1速度VW1及び第2速度VW2よりも遅い第3速度VW3で払拭部材40と液体噴射部22とが相対移動するので、第1ワイピング及び第2ワイピングを選択した場合よりも払拭性能を向上させることができる。また、第3ワイピングの移動動作においては、液体噴射部22と払拭部材40とが第1速度VW1で相対移動するので、移動機構38の制御を簡素化することができる。
(第3実施形態)
次に、液体噴射装置の第3実施形態について、図を参照して説明する。
以降の第3実施形態の説明では、上記第1実施形態と同じ構成要素については同符号を付して説明を省略し、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図10に示すように、第3実施形態のワイパーユニット30が備える保持部37は、その長手方向が走査方向Xに沿うように配置され、液体噴射装置11のフレーム12に固定配置されたワイパーホルダー31と、ワイパーホルダー31に着脱自在に装着されるワイパーカセット41と、を有している。そして、ワイパーカセット41がワイパーホルダー31に装着された状態で、ワイパーカセット41が軸支する各ローラー42,43,44の軸線方向は、搬送方向Yに沿う。
保持部37には、繰出ローラー42が繰出方向(図10では時計方向)に回転することを規制したり許容したりする制動装置61が設けられている。この制動装置61は、制御部50の入出力インターフェースに接続され、制御部50は、制動装置61が繰出ローラー42に付与する制動力の大きさを調整する。
巻取ローラー43は、巻取モーター62の駆動力によって巻取方向(図10では時計方向)に回転可能な構成となっている。巻取モーター62は、制御部50の入出力インターフェースに接続され、制御部50は巻取モーター62の回転量を変更する。
そして、本実施形態では、キャリッジ17が、走査方向Xにおいて保持部37よりも反ホーム位置側(図10では左側)に設定される移動開始位置Ps(図10に実線で示す位置)から、保持部37よりもホーム位置側(図10では右側)に設定される移動終了位置Pe(図10に二点鎖線で示す位置)まで移動する過程で、ワイピングが行われる。
ワイピングでは、液体噴射部22を非接触領域Adsにおいて移動させる先の移動動作と、液体噴射部22を接触領域Acにおいて移動させる払拭動作と、液体噴射部22を非接触領域Adeにおいて移動させる後の移動動作と、が連続して実行される。
本実施形態において、非接触領域Adsは図11(a)に二点鎖線で示す移動開始位置Psから図11(a)に実線で示す接触開始位置Pcまでの領域であり、接触領域Acは接触開始位置Pcから図11(b)に二点鎖線で示す接触終了位置Pdまでの領域である。また、非接触領域Adeは、接触終了位置Pdから図10に二点鎖線で示す移動終了位置Peまでの領域である。
本実施形態において、ワイピングを行う際の液体噴射部22と払拭部材40の相対的な移動方向(図10及び図11において白抜き矢印で示す払拭方向)は、液体噴射部22の各ノズル列25の形成方向(ノズル列方向)と交差する方向、すなわち走査方向Xに沿う方向である。
また、本実施形態では、移動しない保持部37に対してキャリッジ17を移動させることで払拭部材40と液体噴射部22を相対移動させるため、プーリー18,19と、キャリッジモーター20と、タイミングベルト21とによって、「移動機構」が構成される。
なお、ワイピングを行わないときには、キャリッジ17の移動に伴って液体噴射部22が払拭部材40と接触しないように、例えば付勢部材45による付勢を解除するなどして、払拭部40aを液体噴射部22と接触しない位置に退避させることが好ましい。あるいは、調整機構15によって液体噴射部22の高さ位置を調整することによって、液体噴射部22と払拭部40aが接触しないようにしてもよい。
さて、開口面22aに付着する液体の量が多い場合には、払拭動作を行う際の移動速度VWを遅くするか、払拭動作の間に払拭部材40を巻き取ることで、液体を吸収済みの払拭部40aを移動させて、液体を吸収していない払拭部材40の部分を新たな払拭部40aとすることが好ましい。
そこで、本実施形態では、液体の飛翔距離が長かった場合には、払拭動作における液体噴射部22の移動を低速で行うだけでなく、巻取ローラー43を巻取方向(図10及び図11における時計方向)に回転させることにより、払拭部40aを巻取ローラー43に巻き取る巻取動作を行う。
また、液体の飛翔距離が特に長かった場合には、液体噴射部22が接触領域Acを移動する間の巻取ローラー43の回転量を多くして、払拭動作を行うときの払拭部材40の巻取量QWを多くする。なお、本実施形態において、払拭部材40の巻取量QWは、例えば押圧ローラー44の回転量をロータリーエンコーダーなどの回転量検出機器で検出して、その検出値に応じて算出すればよい。
図12(a)に示すように、本実施形態の液体噴射装置11では、媒体Pの種類や厚さに応じて、液体噴射部22から液体を噴射するときのギャップPGが四段階(第1距離PG1,第2距離PG2,第3距離PG3,第4距離PG4、PG1<PG2<PG3<PG4)に変更される。
また、液体噴射部22から液体を噴射するときのギャップPGに応じて、液体の噴射後に行うワイピングにおいて、払拭動作における液体噴射部22と払拭部材40の相対的な移動速度VWが四段階(第1速度VW1,第2速度VW2,第3速度VW3,第4速度VW4、VW1>VW2>VW3>VW4)で選択可能である。そして、接触領域Acにおける払拭動作を第1速度VW1,第2速度VW2,第3速度VW3,第4速度VW4で行うワイピングを、それぞれ第1ワイピング、第2ワイピング、第3ワイピング及び第4ワイピングという。
そして、本実施形態では、制御部50が、接触領域Acにおける払拭動作において、払拭部材40とノズル24との接触が終了した後に、相対移動の速度を速くする。すなわち、キャリッジの移動速度VWは先の移動動作のときと払拭動作のときとで等しいが、払拭部材40とノズル24との接触が終了する払拭動作の最後の部分でキャリッジ17が加速を開始するので、キャリッジ17の移動速度VWは払拭動作のときよりも後の移動動作のときの方が速くなる。
その結果、第1ワイピング、第2ワイピング、第3ワイピング及び第4ワイピングにおいて、後の移動動作は、払拭動作におけるキャリッジ17の移動速度VWである第1速度VW1,第2速度VW2,第3速度VW3,第4速度VW4よりも、それぞれ速い速度で実行される。
なお、キャリッジ17の移動速度VWは、払拭部材40とノズル24との接触が終了して加速をし始めた後、液体噴射部22が払拭部材40と離れた後も加速を続けてもよいし、液体噴射部22が払拭部材40と離れた後は、払拭動作における移動速度VWよりも速い一定の移動速度VWで等速移動するようにしてもよい。
さらに、図12(b)に示すように、本実施形態では、液体噴射時のギャップPGに応じて、その後の払拭動作における払拭部材40の巻取量QW(QW1,QW2,QW3,QW4)を変化させる。具体的には、ギャップPGが第1距離PG1または第2距離PG2であった場合には巻き取りを行わず(QW1=QW2=0)、ギャップPGが第3距離PG3であった場合には巻取量QWをQW3(QW3>0)とし、ギャップPGが第4距離PG4であった場合には巻取量QWをQW4(QW4>QW3)とする。
このように、本実施形態では、液体の飛翔距離が長かった場合ほど、払拭動作を実行する間の巻取ローラー43の回転量を多くする。なお、液体噴射時のギャップPGが第1距離PG1または第2距離PG2であった場合には、払拭動作において払拭部材40の繰り出しを規制するために、制動装置61によって繰出ローラー42に制動力が付与する。
次に、第3実施形態の液体噴射装置11が実行するワイピングについて説明する。
本実施形態の液体噴射装置11においてワイピングを行う際には、まずキャリッジモーター20を駆動させて、キャリッジ17を図11(a)に二点鎖線で示す移動開始位置Psに配置する。
そして、図11(a)に示すように、キャリッジ17を移動開始位置Psから同図に実線で示す接触開始位置Pcまで移動させることにより、先の移動動作を行う。キャリッジ17が接触開始位置Pcに至ると、キャリッジ17に支持された液体噴射部22の開口面22aの端部が、払拭部材40の払拭部40aに接触する。このとき、払拭部材40は、付勢部材45によって付勢された押圧ローラー44によって、開口面22aに押付けられる。
続いて、キャリッジ17が接触開始位置Pcから図11(b)に二点鎖線で示す接触終了位置Pdまで移動することによって、払拭部40aによって開口面22aを払拭する払拭動作を行う。すなわち、キャリッジ17に支持された液体噴射部22の開口面22aが、接触領域Acにおいて払拭部材40と接触することによって、開口面22aに付着した液体が払拭される。
なお、キャリッジ17は、払拭部40aとノズル24との接触が終了する位置(図11(b)に実線で示す位置)に至ると、その移動速度VWを徐々に速めながら、移動終了位置Peまで移動する。その結果、後の移動動作における液体噴射部22と払拭部材40との相対移動は、払拭動作における液体噴射部22と払拭部材40の相対移動よりも速い速で実行される。
そして、キャリッジ17が移動終了位置Peに到達した後には、払拭部40aを退避させるとともにキャリッジ17をホーム位置などに移動させて、ワイパーユニット30による液体噴射部22のメンテナンスが完了する。
続いて、液体の飛翔距離がそれぞれ第1距離PG1と第2距離PG2であった液体噴射の後に液体噴射装置11が行う第1ワイピングと第2ワイピングについて説明する。
第1ワイピングと第2ワイピングでは、制御部50が、キャリッジ17を移動開始位置Psからそれぞれ第1速度VW1と第2速度VW2で移動させる。そして、液体噴射部22の開口面22aが払拭部40aと接触した後も、引き続き第1速度VW1と第2速度VW2でキャリッジ17の移動を継続させて、接触領域Acにおける払拭動作として、払拭部40aによる開口面22aの払拭を行う(第1払拭工程及び第2払拭工程)。
なお、第1ワイピングと第2ワイピングの払拭動作において、繰出ローラー42の回転は制動装置61によって規制されているため、払拭部材40の巻取量QW1は「0(零)」である。
そして、図11(b)に実線で示す位置において払拭部40aとノズル24との接触が終了すると、キャリッジ17は移動速度VWを速めて、第1速度VW1または第2速度VW2よりも速い速度で速やかに後の移動動作を行う(移動工程)。
次に、液体の飛翔距離がそれぞれ第3距離PG3と第4距離PG4であった液体噴射の後に液体噴射装置11が行う第3ワイピングと第4ワイピングについて説明する。
第3ワイピングと第4ワイピングでは、制御部50が、キャリッジ17を移動開始位置Psからそれぞれ第3速度VW3と第4速度VW4で移動させる。そして、液体噴射部22の開口面22aが払拭部40aと接触した後も、引き続き第3速度VW3と第4速度VW4でキャリッジ17の移動を継続させて、接触領域Acにおける払拭動作として、払拭部40aによる開口面22aの払拭を行う(第3払拭工程及び第4払拭工程)。
第3ワイピングと第4ワイピングの払拭動作の間には、制御部50が巻取モーター62を制御して巻取ローラー43を巻取方向に回転させることにより、払拭部40aを巻取ローラー43に巻き取る巻取動作を行う。なお、払拭動作の間における払拭部材40の巻取量QWは、第4ワイピングにおける巻取量QW4のほうが、第3ワイピングにおける巻取量QW3よりも多い。
すると、図11(c)に矢印で示すように、液体を吸収した払拭部40aが払拭方向と同じ方向に移動しながら巻取ローラー43に巻き取られ、払拭部材40の未使用の部分が新たな払拭部40aとなる。このように、払拭部材40の巻き取りを行うことで、払拭動作の当初に開口面22aと当接していた払拭部40aよりも広い面積の払拭部材40で液体の吸収を行うことが可能になる。
なお、この払拭動作の間、巻取ローラー43の回転に伴う払拭部材40の繰り出しは許容しつつ、開口面22aとの接触に伴う払拭部材40の繰り出しを規制するために、繰出ローラー42に制動装置61によって制動力が付与される。このため、開口面22aとの接触によって付与される摩擦力によって、払拭部材40が不用意に繰り出されることが抑制される。なお、制動装置61が繰出ローラー42に付与する制動力とは、開口面22aとの接触に伴って払拭部材40に付与される摩擦力よりは大きく、巻取ローラー43の回転により払拭部材40に付与される張力よりは小さい制動力である。
そして、図11(b)に実線で示す位置において払拭部40aとノズル24との接触が終了すると、キャリッジ17は移動速度VWを速めて、第3速度VW3または第4速度VW4よりも速い速度で速やかに後の移動動作を行う(移動工程)。
次に、本実施形態の液体噴射装置11の作用について説明する。
本実施形態では、印刷時の液体の飛翔距離が四段階に設定され、その飛翔距離に応じて、液体噴射部22の開口面22aに付着する液体の量が多いと予期される場合には、より低速で払拭動作が行われるように、液体噴射部22と払拭部材40との相対移動速度が変更される。そのため、開口面22aに付着した液体が多い場合にも、払拭部40aによる払拭動作によって確実に液体を吸収することができる。
このような払拭動作において、払拭部40aとノズル24との接触が終了した後は、キャリッジ17が移動速度VWを徐々に速めて、移動終了位置Peまで移動する。そのため、ノズル24の開口付近に付着した液体や、ノズル24内の液体を払拭部材40に吸収させた後は、速やかにキャリッジ17を移動終了位置Peまで移動させることにより、ワイピングに要する時間を短縮することが可能になる。
なお、先の移動動作において、キャリッジ17は払拭動作時と同じ移動速度VWで移動するため、非接触領域Adsにおけるキャリッジ17の移動速度VWが接触領域Acにおける移動速度VWよりも速いときよりも、液体噴射部22が払拭部材40と接触するときの衝撃を低減することができる。
また、制御部50は、払拭動作の間に巻取ローラー43を巻取方向に回転させることにより、払拭部40aを巻取ローラー43に巻き取る巻取動作を行う。また、このとき、液体の飛翔距離が長いほど、払拭動作の間における巻取ローラー43の回転量を多くする。
これにより、開口面22aと接触する払拭部40aが限界まで液体を吸収する前に、払拭部40aから、開口面22aと接触しない浸透部40bに液体が浸透しやすくなる。そのため、限界まで液体を吸収した状態の払拭部40aで開口面22aが払拭されることが抑制される。すなわち、開口面22aに付着した液体の量が多い場合でも、払拭部材40がワイピングを行う際にノズル24内へ液体や液体中の異物を押し込むことが抑制される。
また、払拭部材40の巻き取りに伴って、払拭動作の間に払拭部40aが移動する移動方向は、保持部37に対する液体噴射部22の相対的な移動方向(払拭方向)と等しい。このため、液体噴射部22の開口面22aと払拭部材40との相対的な接触に伴って生じる摩擦力は小さくなり、開口面22aと払拭部材40とに作用する摩擦力が低減される。
上述した第3実施形態によれば、上記(1),(3)〜(5)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(8)液体噴射部22が噴射する液体の飛翔距離が長くなると、液体の噴射に伴うミストがより多く発生し、開口面22aに付着する液体の量が多くなる可能性が高い。その点、上記実施形態によれば、液体の飛翔距離が長かった場合ほど、払拭動作を実行する間の巻取ローラー43の回転量が多くなるので、液体吸収部材からなる払拭部材40による液体吸収力の低下を抑制することができる。
(9)払拭動作において払拭部材40とノズル24とが接触しているときの相対移動速度が、払拭部材40とノズル24の接触が終了した後の相対移動速度よりも遅いので、払拭部材40によってノズル24開口付近の液体を確実に吸収することができる。また、払拭部材40とノズル24の接触が終了した後に相対移動の速度を速くすることによって、ワイピングに要する時間を短くすることができる。
(10)払拭動作を実行する間に巻取ローラー43を巻取方向に回転させることによって、開口面22aに接触する払拭部40aの位置が変更されるので、液体吸収部材からなる払拭部材40による液体吸収力の低下を抑制することができる。
(11)巻取動作時に払拭部40aが払拭方向に移動するので、巻取動作時に払拭部40aが移動する方向が払拭方向と交差する場合や、巻取動作時に払拭部40aが移動する方向が払拭方向の反対方向となる場合よりも、払拭部材40が開口面22aを払拭するときに生じる摩擦力を低減することができる。
(12)先の移動動作においては払拭動作と同じ相対移動速度とすることによって、液体噴射部22と払拭部40aが接触するときの衝撃を低減することができる。
(13)液体の飛翔距離が第1距離PG1及び第2距離PG2よりも長い第3距離PG3及び第4距離PG4である場合、すなわち、開口面22aに付着する液体の量が多いと予期される場合には、払拭動作の間に払拭部材40の巻き取りを行うようにした。そのため、液体の飛翔距離が長かった場合には、開口面22aと接触する払拭部材40の接触面積を広くできる。したがって、液体の飛翔距離が比較的長く、開口面22aに多量の液体が付着した場合にも、液体を適切に払拭して液体噴射部22の液体噴射特性を良好に維持することができる。
なお、上記実施形態は以下に示す変形例のように変更してもよい。
・図13に示す第1変更例のように、ワイパーユニット30の移動機構38が、払拭部材40を保持する保持部37を走査方向Xに沿って移動させるようにしてもよい。この場合には、キャリッジ17をワイピング位置に停止した状態で、移動機構38が保持部37を走査方向Xに沿って移動させることによってワイピングを行うようにしてもよいし、キャリッジ17及び保持部37の両方を走査方向Xに沿って移動させることによってワイピングを行うようにしてもよい。
・図13に示す第1変更例のように、ワイパーユニット30において、保持部37に払拭方向(図13に白抜き矢印で示す方向)が長手方向となる大きな開口部31aを設け、この開口部31aを通じて払拭部材40を露出させてもよい。この場合には、開口部31aを通じて露出した払拭部材40に向けて液体を噴射するフラッシングを行うことができる。この構成によれば、払拭動作の前後の移動動作においてフラッシングを行うことが可能になる。また、払拭動作の後の移動動作においてフラッシングを行えば、払拭動作に伴ってノズル24内のメニスカスが乱れた場合にも、その後のフラッシングにおいて速やかにメニスカスを整えることができる。
・図14に示す第2変更例のように、払拭部材40を板状の部材によって構成してもよい。板状の払拭部材40は、例えば液体を吸収しないエラストマーなどから構成してもよいし、液体を吸収可能な多孔質材からなるが液体を保持しないようにその孔の大きさが設定された多孔質材であってもよい。また、このような板状の払拭部材40は、移動機構38によって走査方向Xに沿って移動可能な構成にしてもよいし、搬送方向Yに沿って移動可能な構成にしてもよい。
・図15に示す第3変更例のように、ワイパーユニット30において、払拭部材40を払拭方向における開口面22aに対応する長さで張設し、その帳設された払拭部材40を開口面22aとの間に挟んだ状態で、押圧ローラー44を払拭方向に移動させて払拭動作を行うようにしてもよい。あるいは、このような第3変更例のワイパーユニット30において、ローラーではない移動体を払拭部材40に沿って払拭方向に移動させることによって、払拭動作を行うようにしてもよい。
・液体の噴射後(印刷の実行後)には第2ワイピングを選択する一方で、吸引クリーニングの実行後には第1ワイピングを選択するようにしてもよい。吸引クリーニングの実行後には、ノズル24の開口付近を中心とする一部の領域に液体が付着していることが多いが、印刷の実行後には、開口面22aの全体に液体が付着していることが多い。そのため、開口面22a全体では、吸引クリーニングの実行後よりも印刷の実行後の方が液体の付着量が多いことが多い。したがって、液体の付着量の多い印刷の実行後に第2ワイピングを行うことにより、より確実に液体を払拭することができる。
・一の媒体Pに対する印刷の実行中に、キャリッジ17が方向転換のために非印刷領域に移動したときに、ワイピングを行うようにしてもよい。そして、このように印刷の実行途中に行うワイピングを第1ワイピングとし、一の媒体Pに対する印刷が終了した後に、払拭動作における移動速度が遅い第2ワイピングを実行するようにしてもよい。特に、一の媒体Pに対する液体の噴射量が多い場合には、印刷実行中に開口面22aに対する液体の付着量が多くなり、付着した液体が媒体Pに垂れ落ちることがある。そのため、一の媒体Pに対する印刷の実行中に第1ワイピングを行うことで開口面22aから液体が垂れ落ちないようにしつつ、印刷の終了後に第2ワイピングを行うことで開口面22aの液体をより確実に払拭することができる。
ただし、印刷の実行中にワイピングを行うためにキャリッジ17がワイピング位置において所定時間以上停止すると、その前の印刷処理とその後の印刷処理で媒体Pに受容された液体の浸透時間や乾燥時間が変化して、発色が変化するなど、印刷品質に影響を及ぼすおそれがある。そのため、印刷の実行中にワイピングを行うためにキャリッジ17を停止させる場合にはその停止時間を印刷品質が変化する時間よりも短くするか、払拭方向を走査方向Xと一致させてキャリッジ17を停止させることなくワイピングを行うことが好ましい。
・第1実施形態において、移動速度VW0を第1速度VW1と等しい速度としてもよい。
・第1実施形態及び第2実施形態において、払拭方向を搬送方向Yと一致させてもよい。
・第1実施形態及び第2実施形態において、第3実施形態のように、払拭動作の間に払拭部材40を巻き取るようにしてもよい。この場合、第3実施形態における制動装置61と巻取モーター62に相当する構成を備えることが好ましい。
・第2実施形態において、移動動作における移動速度VWを、第1速度VW1,第2速度VW2及び第3速度VW3よりも速い移動速度VW0としてもよい。
・第3実施形態において、払拭方向を走査方向Xと一致させてもよい。
・第3実施形態において、液体の飛翔距離が第1距離PG1または第2距離PG2であった液体噴射後に行うワイピングの払拭動作の間に、払拭部材40を巻き取るようにしてもよい。
・第3実施形態において、液体の飛翔距離が第3距離PG3と第4距離PG4であった液体噴射後に行う第3ワイピング及び第4ワイピングにおいて、払拭動作における移動速度VWを等しくしてもよい。
・第3実施形態において、液体の飛翔距離が第3距離PG3,第4距離PG4であった液体噴射後に行う第3ワイピング及び第4ワイピングにおいて、移動速度VWをさらに速くしたり、巻取量QWをさらに多くしたりしてもよい。例えば、第3ワイピングでは、第3距離PG3に対応する第3速度VW3よりも速い速度VW3Fと、第3距離PG3に対応する巻取量QW3よりも多い巻取量QW3Fでワイピングを行うようにしてもよい。この場合には、移動速度VW3,VW3F及び巻取量QW3,QW3Fは次式(式1)を満たすことが好ましい。
VW3・QW3F=VW3F・QW3 (式1)
なお、上式(式1)は、払拭動作を行う際の払拭部材40の巻取量QWを多くすれば、移動速度VWを速くしてもよいことを意味する。これによれば、払拭部材40の巻取量QWを多くすることでワイピングに要する時間を短縮したり、移動速度VWを低速とすることで払拭部材40の巻取量QWを少なくしたりすることができる。
・第3実施形態において、第3ワイピング及び第4ワイピングの払拭動作の際に、液体噴射部22の払拭方向へ移動する速度と、払拭部材40の払拭部40aの移動する速度が略等速となるように、払拭部材40の巻取量QWを設定してもよい。
・第3実施形態において、印刷の実行中に、キャリッジ17が方向転換のために非印刷領域に移動して、加速または減速しながら移動しているときにワイピングを行ってもよい。なお、ワイピングをキャリッジ17の減速移動中に行なう場合、払拭動作を行う時の移動速度は、先の移動動作を行う時の移動速度より遅く、また、払拭動作中に徐々に遅くなる。
また、非印刷領域におけるキャリッジ17の加速移動中または減速移動中にワイピングを行う場合、図14に示す第2変更例のように、払拭部材40を走査方向Xに沿って移動させる移動機構38を用いて、第2ワイピングを行う時と第1ワイピングを行う時とで、走査方向Xにおいて払拭部材40を停止させる位置を変化させてもよい。例えば、第2ワイピングを行う時には、払拭部材40を停止させる位置を、第1ワイピングを行う時に払拭部材40を停止させる位置よりも、印刷領域から離れた位置にする。
この場合には、第2ワイピングの払拭動作における相対移動速度が第1ワイピングの払拭動作における相対移動速度より遅くなる。また、キャリッジ17の減速移動中に第1ワイピング及び第2ワイピングを行う場合、各ワイピングにおいて、キャリッジ17の先の移動動作は払拭動作よりも速い速度で実行される。一方、キャリッジ17の加速移動中に第1ワイピング及び第2ワイピングを行う場合、各ワイピングにおいて、キャリッジ17の後の移動動作は払拭動作よりも速い速度で実行される。
・第3実施形態において、制動装置61の代わりに巻取モーター62と同様のモーターを配置してもよい。
・先の移動動作における相対移動速度を払拭動作における相対移動速度よりも速くする一方で、後の移動動作における相対移動速度を払拭動作における相対移動速度と同じにしてもよい。この場合には、液体噴射部22が払拭部40aから離れるときの液体の飛散を抑制することができる。
・開口面22aにおいて、ノズル24が開口する領域(図4(b)に二点鎖線で示す位置から、同図に実線で示す位置までの領域)をノズル開口領域とし、ノズル開口領域の外側の領域を周辺領域とする場合、ノズル開口領域における相対移動速度を、周辺領域における相対移動速度よりも遅くすることが好ましい。
この構成によれば、ノズル24が開口するノズル開口領域において、払拭部40aと開口面22aとの相対移動速度を遅くすることによって、ノズル24の開口付近にある液体やノズル24内にある増粘した液体などが払拭部材に接触する時間が長くなるので、液体等の付着物をより確実に除去することができる。また、ノズル24の開口付近において乾燥により増粘した液体を払拭部40aによって吸収し、除去することができる。これに対して、開口面22aにおいてノズル24が開口しない周辺領域においては、開口面22aの表面に付着した液体を吸収する時間を確保すればよいため、ノズル開口領域よりも短い接触時間でも、液体を吸収することができる。
・液体を吸収可能な払拭部材40は、長尺状でなくてもよく、例えば、払拭部材40を矩形状としてもよいし、払拭部材40をローラー状にしてもよい。この場合、払拭部材40には、払拭部40aから液体が浸透するように、浸透部40bが設けられていることが好ましい。
・ワイピングを行う際における開口面22aと払拭部材40の相対的な移動方向(払拭方向)は、開口面22aと沿う方向であれば何れの方向であってもよい。例えば、払拭方向が走査方向X(媒体の幅方向)及び搬送方向Yと斜めに交差する方向であってもよい。
・液体噴射部22と払拭部材40との相対移動速度VWは、五段階以上に設定してもよいし、ギャップPGの大きさに対して、例えば、線形関係などの連続した関係としてもよい。また、払拭部材40の巻取量QWについても同様に、二段階のギャップPGに応じて設定してもよいし、四段階以上のギャップPGに応じて設定してもよいし、ギャップPGの大きさに対して、例えば、線形関係などの連続した関係としてもよい。
・液体噴射部22が噴射する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などであってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射して記録を行う構成にしてもよい。
・液体噴射装置11は、液体収容体23をキャリッジ17に装着する所謂オンキャリッジタイプに限らず、液体収容体23をフレーム12に設けられた装着部に装着する所謂オフキャリッジタイプでもよい。
・液体収容体23は、剛性を有するケースの中に、液体を収容した可撓性を有するパックが収容された構成としてもよいし、剛性を有するケースの中に直接液体を収容する構成としてもよい。
・液体収容体23に液体を注入可能な注入口を設けて、この注入口を通じて液体を注入したり補充したりすることができるようにしてもよい。この構成によれば、液体収容体23を着脱することなく液体を補充することができる。
・液体収容体23をフレーム12の外側に配置して、この液体収容体23に収容された液体をキャリッジ17に接続された供給チューブ等を介して液体噴射部22に供給する構成にしてもよい。この場合には、液体収容体23をフレーム12の外面に固定してもよいし、液体収容体23をフレーム12から離れた位置に配置してもよい。この構成によれば、液体収容体23の大きさがフレーム12の容積に制限されないために、液体収容体23を大型化して、より多くの印刷を連続して行うことができる。
なお、フレーム12の外側から供給チューブを介して液体噴射部22に液体を供給する場合には、供給チューブを通すための孔や切り欠きをフレーム12に設けてもよい。この構成によれば、フレーム12の外側から液体噴射部22に液体を供給する供給チューブが剛性の低い材料によって構成されている場合にも、供給チューブの潰れを抑制して、フレーム12の外側に配置された液体収容体23から液体噴射部22への流路を確保することができる。
・媒体Pは用紙に限らず、プラスチックフィルム、薄い板材やパネルなどでもよいし、捺染装置などに用いられる布帛や、Tシャツなどの衣料であってもよい。
・媒体Pは、必ずしも搬送ローラーの回転力によって搬送しなくてもよく、例えば媒体Pを載置した台を移動することで、媒体Pを搬送方向Yに搬送するようにしてもよい。あるいは、移動しない媒体Pに対して、液体噴射部22を保持するフレーム12を搬送方向Yに移動させることによって、印刷を行うようにしてもよい。
11…液体噴射装置、13…支持部材、15…調整機構、22…液体噴射部、22a…開口面、24…ノズル、37…保持部、38…移動機構、40…払拭部材、40a…払拭部、42…繰出ローラー、43…巻取ローラー、44…押圧ローラー、50…制御部、P…媒体、Ac…接触領域、Ade,Ads…非接触領域、PG1…第1距離、PG2…第2距離、VW0…移動速度、VW1…第1速度、VW2…第2速度。

Claims (9)

  1. 媒体に対して液体を噴射する複数のノズルが開口する開口面を有する液体噴射部と、
    前記開口面を払拭可能な払拭部材を保持する保持部と、
    前記液体噴射部と前記払拭部材が接触可能な接触領域と、前記液体噴射部と前記払拭部材が接触不能な非接触領域と、を含む移動領域において、前記液体噴射部と前記払拭部材とを払拭方向に相対移動させる移動機構と、
    前記移動機構の制御により、前記接触領域において前記液体噴射部と前記払拭部材とを相対移動させて前記開口面の払拭を行う払拭動作と、前記非接触領域において前記液体噴射部と前記払拭部材とを相対移動させる移動動作と、を連続して実行させることでワイピングを行う制御部と、
    を備え、
    記払拭動作として、前記相対移動を第1速度で実行させる第1払拭動作と、前記相対移動を前記第1速度より遅い第2速度で実行させる第2払拭動作と、を選択可能であり、前記移動動作を前記第2速度より速い速度で実行可能であり、
    前記制御部は、前記相対移動を前記第1速度で実行させる前記第1払拭動作と、前記相対移動を前記第1速度で実行させる前記移動動作とを連続して実行させることで第1ワイピングを行い、前記相対移動を前記第2速度で実行させる前記第2払拭動作と、前記相対移動を前記第2速度より速い速度で実行させる前記移動動作とを連続して実行させることで第2ワイピングを行う
    液体噴射装置。
  2. 前記制御部は、前記相対移動を前記第2速度で実行させる前記第2払拭動作と、前記相対移動を前記第1速度で実行させる前記移動動作とを連続して実行させることで前記第2ワイピングを行う
    請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記払拭部材は液体を吸収可能であり、
    前記制御部は、前記払拭動作において前記払拭部材と前記ノズルとの接触が終了した後に、前記相対移動の速度を速くする
    請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記媒体を支持可能な支持部材と、
    前記液体噴射部と前記支持部材の距離を変更することにより、前記ノズルから前記媒体に噴射される液体の飛翔距離を調整可能な調整機構と、
    を備え、
    前記飛翔距離が第1距離であった場合には前記第1払拭動作を選択し、
    前記飛翔距離が前記第1距離より長い第2距離であった場合には前記第2払拭動作を選択する
    請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記払拭部材は長尺状の液体吸収部材からなり、
    前記保持部は、繰出ローラーと、押圧ローラーと、巻取ローラーと、を回転可能に保持し、
    前記払拭部材は、前記ワイピングに際して、長手方向の始端が前記巻取ローラーに巻き掛けられる一方で前記長手方向の終端が繰出ローラーに巻き掛けられた状態で、前記繰出ローラーと前記巻取ローラーとの間に設定される払拭部が前記押圧ローラーによって前記開口面に向かう方向に付勢され、
    前記制御部は、前記払拭動作を実行する間に前記巻取ローラーを巻取方向に回転させることにより、前記払拭部を前記巻取ローラーに巻き取る巻取動作を行う
    請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記媒体を支持可能な支持部材と、
    前記液体噴射部と前記支持部材の距離を変更することにより、前記液体噴射部から前記媒体に噴射される液体の飛翔距離を調整可能な調整機構と、
    を備え、
    前記制御部は、前記飛翔距離が長かった場合ほど、前記払拭動作を実行する間の前記巻取ローラーの回転量を多くする
    請求項に記載の液体噴射装置。
  7. 前記巻取動作時に前記払拭部が前記払拭方向に移動する
    請求項または請求項に記載の液体噴射装置。
  8. 液体噴射部において液体を噴射する複数のノズルが開口する開口面と、前記開口面を払拭可能な払拭部材とを接触させた状態で、前記払拭部材と前記液体噴射部とを第1速度で相対移動させて前記開口面を払拭する第1払拭動作と、前記開口面と前記払拭部材とが離れた状態で、前記払拭部材と前記液体噴射部とを前記第1速度で相対移動させる移動動作とを連続して実行させる第1ワイピングと、
    前記開口面と前記払拭部材とを接触させた状態で、前記払拭部材と前記液体噴射部とを前記第1速度より遅い第2速度で相対移動させて前記開口面を払拭する第2払拭動作と、前記開口面と前記払拭部材とが離れた状態で、前記払拭部材と前記液体噴射部とを前記第2速度より速い速度で相対移動させる移動動作とを連続して実行させる第2ワイピングと、
    を備えるメンテナンス方法。
  9. 前記第2払拭動作と、前記開口面と前記払拭部材とが離れた状態で、前記払拭部材と前記液体噴射部とを前記第1速度で相対移動させる移動動作とを連続して実行させる前記第2ワイピングと、
    を備える請求項8に記載のメンテナンス方法。
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