JP3565335B2 - インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのワイピング制御方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのワイピング制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復移動されるキャリッジに搭載され、印刷デ−タに基づいてインク滴を吐出する記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置に関し、特にプラテンギャップ調整手段によるプラテンギャップの調整量に応じて、ワイピング動作の動作モードが変更されるようになされたインクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのワイピング制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、シリアルプリンティング方式のインクジェット式記録装置は、キャリッジに搭載されて主走査方向に移動するインクジェット式記録ヘッドと、前記主走査方向に直交する副走査方向に記録用紙を搬送させる紙送り手段が具備され、印刷データに基づいて記録ヘッドよりインク滴を吐出させることで、記録用紙に対して印刷が実行される。
【0003】
前記したインクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズル開口からインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からのインク溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着などによりノズル開口に目詰まりを発生させて、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
【0004】
このために、この種のインクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル形成面を封止するためのキャッピング手段を備えている。このキャッピング手段は、記録ヘッドにおけるノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋体として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、ノズル形成面を封止し、吸引ポンプからの負圧を作用させて、ノズル開口からインクを吸引排出させることで、ノズル開口の目詰まりを解消させるインク滴の吐出能力回復機能をも備えている。
【0005】
記録ヘッドの目詰まり解消のために行う強制的なインクの吸引排出処理は、クリーニング操作と呼ばれており、記録装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが印刷不良を認識して例えばクリーニングスイッチを操作した場合などに実行される。そして、前記したとおり吸引ポンプによる負圧を加えて記録ヘッドよりキャッピング手段内にインクを吸引排出させた後に、例えばゴム素材を短冊状に形成したワイピング部材により、ノズル形成面を払拭するワイピング操作が伴われる。
【0006】
このワイピング操作の実行により、前記したクリーニング操作によって記録ヘッドのノズル形成面に付着したインクを掻き取り、記録ヘッドからインク滴がボタ落ちするような問題を解消するようにしている。加えて、ワイピング操作の実行により、記録ヘッドのノズル開口付近に形成されたインクのメニスカスを整えることにより、記録ヘッドからの安定したインク滴の吐出動作を確保し、高精度な印刷動作が保証できるようになされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の記録装置においては、印刷に用いる記録用紙の厚さに対応させて、記録ヘッドと記録用紙をガイドするプラテンとの間のプラテンギャップを調整することができるプラテンギャップ調整手段が備えられている。そして、このプラテンギャップ調整手段の多くは、これを操作した場合において、固定位置に配置されたプラテンに対して、記録ヘッドの位置が変更されるように構成されている。
【0008】
特に昨今においては、印刷の多様化が求められ、相当な厚紙を印刷用紙として利用しようとする要求が高まっており、これに応じて前記したプラテンギャップ調整手段による調整可能な範囲も、従来に比べて大幅に増大させる必要に迫られている。したがって、プラテンギャップ調整手段の操作に伴う記録ヘッドの位置の変更範囲も益々拡大される状況にある。
【0009】
一方、前記したワイピング部材は、記録ヘッドの移動経路に対して、例えば水平方向に進退可能となるようにワイパホルダによって保持されている。そして、ワイピング操作時においては、記録ヘッドの移動経路に進出することにより、その先端部が記録ヘッドのノズル形成面に摺接して弾性変形し、記録ヘッドのノズル形成面を清掃する動作がなされる。したがって、記録ヘッドのノズル形成面に対するワイピング部材の摺接圧力は、前記したプラテンギャップ調整手段による調整度合いに応じて変化することになる。
【0010】
例えば、プラテンギャップが大きくなるように設定されている場合には、記録ヘッドのノズル形成面が、ワイピング部材から離れる方向に移動されるため、ワイピング部材によるノズル形成面への干渉量が低下し、ワイピング部材によるノズル形成面への摺接圧力は低下する。このために、プラテンギャップが大きく調整されている場合においては、ワイピング部材によるノズル形成面の拭き取り効率が低下するという問題が残される。
【0011】
一方、前記したワイピング操作により、記録ヘッドのノズル形成面よりインクを掻き取り、ノズル形成面に対するワイピング部材の摺接が解かれた瞬間に、ワイピング部材は弾性復帰するために、掻き取ったインクを記録装置内に飛び散らせるという問題を抱えている。このようなインクの飛び散りの度合いを低減させるために、ワイピング部材によるワイピング終端部の近傍において、キャリッジ(記録ヘッド)の移動速度を減速させることで、ワイピング部材の弾性復帰の度合いが低減できるような制御手段を採用した記録装置も提案されている。
【0012】
しかしながら、前記したようにプラテンギャップの調整度合いの大小に応じて、ノズル形成面への摺接状態におけるワイピング部材の変形(曲がり)度合いが異なるために、ワイピング部材によるワイピング終端部が実質的に変化し、ワイピング部材が弾性復帰する位置も変化することになる。このために、プラテンギャップの大小に応じてキャリッジを低速駆動させる開始位置を変更する制御がなされることが望まれる。
【0013】
この発明は、前記した技術的な課題に着目してなされたものであり、プラテンキャップの調整如何にかかわらず、ワイピング部材による安定したノズル形成面の払拭効果を得ることができ、また、ワイピング部材によるインクの飛び散り作用を効果的に低減させることができるインクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのワイピング制御方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装置における好ましい形態においては、往復移動されるキャリッジに搭載され、印刷デ−タに基づいてインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドの移動に伴い、ノズル形成面に摺接して当該ノズル形成面を清掃することができるワイピング部材とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記記録ヘッドの移動に伴う前記ワイピング部材によるノズル形成面に対するワイピング速度を、プラテンギャップ調整手段の調整情報に基づいて制御する制御手段を具備した構成とされる。
【0015】
この場合、好ましくは前記プラテンギャップ調整手段の調整情報が、プラテンギャップが大であることを示す場合においては、プラテンギャップが小であることを示す場合に比較して、前記ワイピング部材によるノズル形成面ヘのワイピング速度が低速度となるように制御される。
【0018】
また、本発明にかかるインクジェット式記録装置のさらに他の好ましい形態においては、前記記録ヘッドの移動に伴う前記ワイピング部材によるノズル形成面に対するワイピング速度が、ワイピング部材によるワイピング終端部の近傍において減速されるように制御されると共に、前記記録ヘッドの減速開始位置が、プラテンギャップ調整手段の調整情報に基づいて変更されるように制御する制御手段を具備した構成とされる。
【0019】
この場合、好ましくは前記プラテンギャップ調整手段の調整情報が、プラテンギャップが大であることを示す場合においては、プラテンギャップが小であることを示す場合に比較して、前記記録ヘッドの減速開始位置を、記録ヘッドの移動方向における手前側に設定するように制御される。加えて、前記記録ヘッドの減速開始位置を、ワイピング部材の先端部が記録ヘッドのノズル形成位置を外れた部分よりノズル形成面の端部に至る間をワイピングする範囲に設定するように制御することが望ましい。
【0020】
そして、好ましい実施の形態においては、前記減速開始位置の変更制御が、記録ヘッドの移動位置を検知するエンコーダからの情報に基づいて、キャリッジモータの駆動速度を減速させることにより実行される。
【0021】
一方、本発明にかかる記録ヘッドのワイピング制御方法の好ましい態様においては、往復移動されるキャリッジに搭載され、印刷デ−タに基づいてインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドの移動に伴い、ノズル形成面に摺接して当該ノズル形成面を清掃することができるワイピング部材とを備えたインクジェット式記録装置における記録ヘッドのワイピング制御方法であって、プラテンギャップ調整手段の調整情報を取得するプラテンギャップ調整情報取得ステップと、前記プラテンギャップ調整情報取得ステップにおいて取得したプラテンギャップ調整情報に基づいて、前記ワイピング部材によるノズル形成面に対するワイピング速度を設定するワイピング速度設定ステップと、前記ワイピング速度設定ステップにおいて設定されたワイピング速度に基づいて、記録ヘッドを移動させることで、前記ワイピング部材により記録ヘッドのノズル形成面をワイピングするワイピングステップとが実行されるようになされ、前記ワイピング速度設定ステップは、前記プラテンギャップ調整情報取得ステップにおいて取得したプラテンギャップ調整手段の調整情報が、プラテンギャップが大であることを示す場合においては、プラテンギャップが小であることを示す場合に比較して、前記ワイピング部材によるノズル形成面へのワイピング速度が低速度となるようにワイピング速度を設定するようになされる。
【0023】
また、本発明にかかるワイピング制御方法の好ましいさらに他の態様によると、プラテンギャップ調整手段の調整情報を取得するプラテンギャップ調整情報取得ステップと、前記プラテンギャップ調整情報取得ステップにおいて取得したプラテンギャップ調整情報に基づいて、前記記録ヘッドの減速開始位置を設定する減速開始位置設定ステップと、前記減速開始位置設定ステップにおいて設定された減速開始位置に基づいて、前記ワイピング部材がノズル形成面に摺接した状態における記録ヘッドの移動速度を減速する減速制御ステップとを実行するようになされる。
【0024】
以上のようなワイピング制御方法を採用した記録装置の一つの形態によると、プラテンギャップ調整手段からのギャップ調整情報が利用され、このギャップ調整情報に基づいて、記録ヘッドの移動に伴う前記ワイピング部材によるノズル形成面のワイピング速度が変更される。例えば、プラテンギャップが大きく調整されている場合においては、ノズル形成面に対するワイピング部材の干渉度合いが低下するため、ノズル形成面に対するワイピング部材の摺接圧力が低下する。したがって、ワイピング部材によるノズル形成面の払拭効率が低下するものの、前記ワイピング部材によるノズル形成面のワイピング速度をより低速度となるように制御することで、ワイピング部材による払拭効率の低下を補償することができる。
【0025】
また、前記したワイピング制御方法を採用した記録装置の他の形態によると、同様にプラテンギャップ調整手段からのギャップ調整情報が利用され、このギャップ調整情報に基づいて、記録ヘッドの移動に伴う前記ワイピング部材によるノズル形成面のワイピング回数が設定される。例えば、プラテンギャップが大きく調整されている場合においては、前記し同様にノズル形成面に対するワイピング部材の摺接圧力が低下し、ワイピング部材によるノズル形成面の払拭効率が低下する。しかしながら、複数回にわたってワイピング動作を実行することにより、ワイピング部材による払拭効果を向上させることができる。
【0026】
また、前記したワイピング制御方法を採用した記録装置のさらに他の形態によると、同様にプラテンギャップ調整手段からのギャップ調整情報が利用され、このギャップ調整情報に基づいて、記録ヘッドの減速開始位置が変更される。この場合、プラテンギャップの大小に応じて、記録ヘッドの減速開始位置を、記録ヘッドの移動方向における手前側または進行方向側に設定するように制御することで、記録ヘッドの減速開始位置をワイピング部材のワイピング終端部の直前の位置に調整することができ、ワイピング部材からのインクの飛び散りの程度を効果的に低減させることができる。
【0027】
換言すれば、前記した記録ヘッドの減速開始位置を、プラテンギャップに応じて制御することにより、記録ヘッドの減速移動範囲を短くすることも可能になり、ワイピング部材がワイピング終端部を過ぎた場合においては、記録ヘッドを迅速に印刷領域側に移動させることができる。したがって、実質的にスループットを向上させることにも寄与できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適用されたインクジェット式記録装置の基本構成を示すものである。図1において符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
【0029】
前記キャリッジ1の記録用紙6に対向する面(下側面)には、図1には現れていないが、後述するインクジェット式記録ヘッドが搭載されており、そのノズル形成面は記録用紙6に対して僅かな隙間をもって対峙するように構成されている。そして、キャリッジ1の上部には、前記記録ヘッドにインクを供給するブラックインクカートリッジ7、およびカラーインクカートリッジ8が着脱可能に装填されており、これら各カートリッジより前記記録ヘッドに対してインクが供給できるように構成されている。
【0030】
図中符号9は、非印刷領域(ホームポジション)に配置されたキャッピング手段であって、キャリッジ1に搭載された記録ヘッドが直上に移動した時に上昇して、記録ヘッドのノズル形成面を封止することができるように構成されている。そしてキャッピング手段9に隣接した位置には、キャッピング手段9の内部空間に負圧を与えるための吸引ポンプ10が配置されている。
【0031】
前記キャッピング手段9は、記録装置の休止期間中における記録ヘッドのノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、前記吸引ポンプ10からの負圧を記録ヘッドに作用させて、記録ヘッドよりインクを吸引排出させるクリーニング手段としての機能も備えている。
【0032】
そして、キャッピング手段9に隣接する印刷領域側には、ゴム素材を短冊状に成形したワイピング部材11が、水平方向に進退可能となるように配置されていて、キャリッジ1がキャッピング手段9側に往復移動する際に、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭することができるように構成されている。これにより、例えばクリーニング動作後においてノズル形成面に付着しているインクを掻き取ることができ、記録ヘッドからインクがボタ落ちするなどして、記録用紙等を汚染させるのを防止できるようになされている。
【0033】
次に図2および図3は、前記記録装置に搭載されたキャッピング手段9の駆動機構、吸引ポンプとしてのチューブポンプ10、およびワイピング部材11の駆動機構がユニット化された状態を示している。なお、図2はこれを斜視図で示しており、図3は平面図で示している。
【0034】
記録ヘッドのノズル形成面を封止することができるキャッピング手段9には、方形状に形成されたキャップホルダ21が具備され、このキャップホルダ21の開口周縁には、エラストマー等の可撓性素材によるキャップ部材22が形成されている。そして、このキャップ部材22によって、記録ヘッドのノズル形成面が封止できるように構成されている。
【0035】
前記キャップホルダ21は、昇降機構を構成するスライダ23上に搭載されており、このスライダ23には複数本のガイド部材24が水平方向に形成されている。そして、各ガイド部材24はスライダ23を摺動して保持するフレーム部材25に形成された長孔状の傾斜孔26内に収容されている。一方、スライダ23には係合突起27が直立した状態で一体に形成されている。この係合突起27は、前記したキャリッジ1がホームポジションに移動した時に、キャリッジ1の端部に配置された後述する当接部材1a(図5参照)に押されることにより、スライダ23をキャリッジ1の移動方向に移動させる機能を備えている。
【0036】
したがって、キャリッジ1のホームポジション側への移動動作に伴って、スライダ23に形成された各ガイド部材24は、フレーム部材25に形成された長孔状の傾斜孔26をせり上がるように動作する。したがって、キャップホルダ21に形成されたキャップ部材22によって、キャリッジ1に搭載された記録ヘッドのノズル形成面が封止される。また、キャリッジ1が印刷領域側に移動した場合には、図示せぬ戻しバネの作用を受けて、スライダ23は印刷領域側に移動し、これに伴い、キャップ部材22による記録ヘッドのノズル形成面への封止が解かれる。
【0037】
図2および図3には現れていないが、前記キャップホルダ21の内底部から下側面に向かって、インク排出口が形成されており、このインク排出口には前記した吸引ポンプとしてのチューブポンプ10の吸引側を構成するチューブが接続されている。このチューブポンプ10は、円弧状に配置された可撓性のチューブをローラによって順次押しつぶすことにより、負圧を発生させるものであり、図3に示された駆動輪31が一方向に回転駆動されることにより、ポンプ作用が発生し、また、駆動輪31が他方向に回転駆動されることによりレリース状態になされる。なお、この実施の形態においては前記駆動輪31は、前記記録用紙6をローディングおよび排紙するための紙送りモータの動力を、減速ギヤ列を介して駆動されるように構成されている。
【0038】
したがって、前記したキャッピング手段9を構成するキャップ部材22がノズル形成面を封止した状態で、前記チューブポンプ10が駆動されることで、記録ヘッドのノズル形成面に負圧を与えることができ、この負圧の作用により、記録ヘッドからインクを吸引し排出させることができる。そして、キャリッジ1を印刷領域側に若干移動させることで、キャップ部材22によるノズル形成面の封止が解かれる。この状態で再び前記チューブポンプ10を駆動することにより、キャッピング手段9内に排出されたインク廃液は、チューブポンプ10を介して、後述する廃液タンクに送り出すことができる。
【0039】
一方、前記駆動輪31の回転に伴って駆動されるクラッチ板35を介して、カム状部材36が回動されるように構成されている。このカム状部材36は、前記クラッチ板35に対して図示せぬバネ部材によって圧接されており、前記クラッチ板35の回転方向に引きずられて所定の回転角の範囲で回転駆動を受けるように構成されている。そして、前記カム状部材36には、水平方向に突出するように円柱状の駆動ピン36aが取り付けられている。
【0040】
前記ワイピング部材11は、水平方向に移動可能となるように構成されたワイパホルダ37の上部に直立状態となるように支持されている。そして、ワイパホルダ37には垂直方向に溝孔37aが形成されており、この長孔37aに対して前記円柱状の駆動ピン36aが挿入されている。したがって、前記したクラッチ板35と、カム状部材36とによる摩擦クラッチを介して円弧状軌跡をもって駆動される駆動ピン36aは、ワイパホルダ37に垂直方向に形成された溝孔37a内を摺動し、これによりワイパホルダ37を水平方向に移動させるように作用する。なお、図2および図3に示した状態は、前記ワイパホルダ37の上部に配置されたワイピング部材11は、記録ヘッドの移動領域から退避したリセット状態を示している。
【0041】
この実施の形態においては、前記紙送りモータの一方向への回転により、チューブポンプ10はポンプ作用が実行され、この時の回転動作の初期において、摩擦クラッチを介してワイパホルダ37は水平方向に駆動され、ワイピング部材11は、記録ヘッドの移動経路に進出したセット状態となるように構成されている。したがって、この時に記録ヘッドが主走査方向へ移動することで、そのノズル形成面はワイピング部材11によって払拭される。また、前記紙送りモータの他方向への回転により、チューブポンプ10はレリース状態とされ、この時の回転動作の初期において、摩擦クラッチを介してワイパホルダ37は水平方向に駆動され、ワイピング部材11は、記録ヘッドの移動経路から退避したリセット状態となされる。
【0042】
一方、図4は前記した記録装置に搭載されたプラテンギャップ調整手段の構成を示したものである。図4に示すようにキャリッジ1は、ガイド部材4に案内されて図4の紙面に直交する方向に移動されるように構成されている。そして、このガイド部材4内には中軸4aが回動可能となるように収納されており、さらにこの中軸4aは、その長手方向の左右端で記録装置における左右のフレームに軸支された偏心軸4bによって支持されている。前記中軸4aには摺動溝51aを備えた作動レバー51が結合されており、この作動レバー51に形成された摺動溝51aには、前記フレームにその中央部が軸支された操作レバー52における被作動端に配置された摺動子52aが摺動可能に挿入されている。
【0043】
前記操作レバー52の操作側の端部には、これを回動することができる操作部材53が取り付けられており、したがって、操作部材53を利用して操作レバー52を矢印方向に回動させることにより、記録ヘッド15を搭載したキャリッジ1は、上下方向に移動できるようになされる。すなわち、この実施の形態においては、操作レバー62を実線で示すように手前に引く(図4において左回転させる)ことにより、作動レバー51は図において右回転され、これにより前記偏心軸4bの作用によってキャリッジは若干降下し、この結果、記録ヘッド15が下方に移動して、図1に示したプラテン5とのギャップ間隔が狭められるように作用する。
【0044】
また、操作レバー52を鎖線で示すように直立状態に立てることにより、作動レバー51は図において左回転され、これにより前記偏心軸4bの作用によってキャリッジは上昇し、この結果、記録ヘッド15が上方に移動して、図1に示したプラテン5とのギャップ間隔が広げられるように作用する。
【0045】
図5は、前記したプラテンギャップ調整手段を操作した場合における記録ヘッド15のノズル形成面15aに摺接されるワイピング部材11の作用を説明するものである。なお、図5(A)はプラテンギャップが大の場合を、また図5(B)はプラテンギャップが小の場合を示しており、いずれもキャリッジ1が矢印X方向に移動し、ワイピング動作が実行されている状態を示している。
【0046】
この図5(A),(B)から理解できるように、プラテンギャップが大(図中G1)となるように操作した場合には、記録ヘッドのノズル形成面15aとワイピング部材11との相対距離が離れ、ノズル形成面15aに対するワイピング部材11の干渉量(L1)は小さくなる。したがって、ワイピング部材11のノズル形成面15aに対する摺接圧力は低下し、ワイピング部材11によるノズル形成面15aの清掃効率が低下する。また、プラテンギャップが小(図中G2)となるように操作した場合には、記録ヘッドのノズル形成面15aとワイピング部材11との相対距離は接近し、ノズル形成面15aに対するワイピング部材11の干渉量(L2)は大きくなる。したがって、ワイピング部材11のノズル形成面15aに対する摺接圧力は増大する。
【0047】
しかも、プラテンギャップが小となるように操作した場合には、図5(B)に示されたように、ワイピング部材11の先端部は、ノズル形成面15aへのワイピングによって大きく変形され、その先端部はキャリッジ1の移動方向である矢印X方向に移動する。したがって、キャリッジ1がさらに矢印X方向に移動して、ワイピング部材11の先端部がノズル形成面15aの端部から離れるワイピング終端部における記録ヘッド(キャリッジ)の位置は、図5(A)に比べて図5(B)の場合は、より印刷領域側(図5における左側)にずれることになる。
【0048】
一方、この実施の形態にかかる記録装置においては、記録ヘッドの移動に伴うワイピング部材11によるノズル形成面15aヘのワイピング速度は、ワイピング部材によるワイピング終端部の近傍において減速されるように制御される。この制御により、ワイピング部材11の弾性復帰によるインクの飛び散りの度合いを効果的に低減させることができる。この場合、ノズル形成面15aにおけるノズル形成位置Lnの範囲においては、等速度でワイピング動作を実行することが望ましい。そして、ノズル形成位置Lnを外れた部分よりノズル形成面の端部に至る間において、減速動作が実行されることが望まれる。
【0049】
しかしながら、プラテンギャップの大小に応じて、前記したようにワイピング部材11の先端部がノズル形成面15aの端部から離れるワイピング終端部の位置が変化するため、一義的に減速位置を定めた場合においては、ノズル形成位置Ln内においてワイピング部材11が摺接している状態で、減速が開始される状況が発生したり、または、減速が開始される以前にワイピング部材の先端部がノズル形成面15aの端部から離れる状態が発生し、多量のインクを飛び散らすという問題が発生する。
【0050】
図6は、前記したようにノズル形成面に対するワイピング部材の干渉量(L1)が小さい場合に発生するワイピング部材によるノズル形成面の払拭効率の低下を補償すると共に、ワイピング部材の先端部がノズル形成面の端部から離れるワイピング終端部の直前において、キャリッジの減速動作を実行することができる制御回路の例を示している。
【0051】
なお図6において、すでに説明したキャリッジ1、キャリッジモータ2、インクカートリッジ7,8、キャッピング手段9、吸引ポンプ10、およびワイピング部材11については同一符号で示している。そして、図6に示すようにキャッピング手段9には前記した吸引ポンプ10が接続されており、この吸引ポンプ10の排出側は廃液タンク12に接続されている。
【0052】
図6に示す符号61は印刷制御手段であり、この印刷制御手段61はホストコンピュータからの印刷データに基づいてビットマップデータを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段62により駆動信号を発生させて、キャリッジ1に搭載された記録ヘッド15からインク滴を吐出させる機能を備えている。このヘッド駆動手段62は、印刷データに基づく駆動信号の他に、フラッシング制御手段63からのフラッシング指令信号を受けてフラッシング操作のための駆動信号を記録ヘッド15に出力するようにも構成されている。
【0053】
符号64はクリーニング制御手段であり、このクリーニング制御手段64は、例えば、操作パネルに配置されたクリーニング指令スイッチ65のオン操作を受けたクリーニング指令検知手段66からの指令信号により、クリーニング動作を実行させる機能を備えている。また、クリーニング制御手段64は印刷制御手段61を介して、前記したホストコンピュータよりクリーニング指令を受けた場合においても、同様にクリーニング動作を実行させる機能を備えている。
【0054】
前記クリーニング制御手段64は、クリーニング指令を受けた場合において、ポンプ駆動手段67を制御し、吸引ポンプ10を駆動させる機能を備えている。そして、吸引ポンプ10の駆動動作によりキャッピング手段9の内部空間に負圧を与え、記録ヘッド15のノズル開口よりインクを吸引排出させるようになされる。また、キャッピング手段9によるノズル形成面の封止を解いた状態で、再び吸引ポンプ10を駆動動作させることにより、キャッピング手段9の内部空間に排出されたインク廃液を廃液タンク12に廃棄させることができる。
【0055】
前記印刷制御手段61より、動作モード制御手段68に対して制御信号が送出されるように構成されており、この動作モード制御手段68はキャリッジモータ制御手段69に制御信号を送出して、前記したキャリッジモータ2を駆動制御することができるようになされている。そして、前記動作モード制御手段68にはエンコーダ70からの信号が供給されるように構成されている。
【0056】
このエンコーダ70は、前記キャリッジの移動位置を例えば光学的に検知する機能を有している。このために、図には示されていないが、キャリッジの移動方向に沿って多数の光学的なスリットが配置され、キャリッジの走査にしたがって、前記各スリットを通過する光の断続数をカウントアップすることにより、キャリッジの移動位置が検出されるように構成されている。
【0057】
また、前記動作モード制御手段68に対しては、フラッシングタイマ71からの制御信号が送出されるように構成されている。このフラッシングタイマ71は、例えば印刷動作中において、所定時間(例えば10秒)の印刷が続行されたときに、制御信号を動作モード制御手段68に対して送出するように作用する。これに基づいて動作モード制御手段68は、キャリッジモータ制御手段69に制御信号を送出して、キャリッジ1をフラッシングポジションに移動させる動作が行なわれる。また、フラッシングタイマ71より、フラッシング制御手段63に対して制御信号が送出され、これに基づいてフラッシング制御手段63よりヘッド駆動手段62に対してフラッシング制御信号が送出されるようになされる。
【0058】
一方、前記動作モード制御手段68には、プラテンギャップ検出手段72よりプラテンギャップの情報が供給されるように構成されている。なお、この実施の形態においては、プラテンギャップが大またはプラテンギャップが小の情報が、動作モード制御手段68に供給されるように構成されている。このために、図4に示す操作レバー52の操作位置によって、図には示されていないが例えばマイクロスイッチをオンオフ制御され、このマイクロスイッチの二値の情報に基づく電気信号が動作モード制御手段68に供給されるようになされる。
【0059】
そして、前記動作モード制御手段68は、このプラテンギャップの情報および前記エンコーダ69から得られるキャリッジ(記録ヘッド)の位置情報を利用して、キャリッジモータ制御手段69に指令信号を送り、以下に説明するワイピング速度の変更制御、またはワイピング回数の変更制御を実行する。さらに、動作モード制御手段68は、プラテンギャップに対応した適正な位置でキャリッジ1の走査速度を減速させる制御指令をキャリッジモータ制御手段69に送出し、以下に説明するワイピング動作時のキャリッジ減速位置の変更制御を実行する。
【0060】
〔1.ワイピング速度の変更制御〕
前記動作モード制御手段68は、プラテンギャップ検出手段72よりプラテンギャップの情報を取得(プラテンギャップ調整情報取得ステップ)し、キャリッジモータ制御手段69に対してキャリッジの移動速度に関する指令信号を送出する(ワイピング速度設定ステップ)。また、動作モード制御手段68は、前記エンコーダ70からのキャリッジの位置情報を参照して、ワイピング動作が実行される位置において、プラテンギャップに対応した最適なワイピング速度が実行されるようにキャリッジモータ制御手段69に対して制御信号を送出する(ワイピングステップ)。
【0061】
この場合、例えば、プラテンギャップが大である場合においては、プラテンギャップが小である場合に比較して、ホームポジション側から印刷領域側に移動するキャリッジの移動速度が低速度に制御されるようになされる。一例として、プラテンギャップが大である場合においては、キャリッジの移動速度は40cps(character/sec)になされ、また、プラテンギャップが小である場合においては、キャリッジの移動速度は80cpsになされる。このような制御を実行することにより、プラテンギャップが大の場合には、ワイピング部材と記録ヘッドとの干渉量が少ないために、ワイピング部材によるノズル形成面の払拭能率が低下しがちであるが、ゆっくりとした速度で払拭操作を実行することで、払拭性を改善することができる。
【0062】
〔2.ワイピング回数の変更制御〕
前記動作モード制御手段68は、プラテンギャップ検出手段72よりプラテンギャップの情報を取得(プラテンギャップ調整情報取得ステップ)し、プラテンギャップ調整情報に基づいて、前記記録ヘッドの往復移動回数を設定する(移動回数設定ステップ)。そして、動作モード制御手段68は、前記エンコーダ70からのキャリッジの位置情報を参照し、ワイピング動作が実行される位置において、すでに設定された移動回数に基づき、記録ヘッドを往復移動させることで、前記ワイピング部材により記録ヘッドのノズル形成面をワイピングする(ワイピングステップ)。
【0063】
なお、前記したワイピング回数の変更制御を実行する場合においては、動作モード制御手段68より、クリーニング制御手段64に対して制御信号が送出され、ワイピング部材11をセットおよびリセットさせる動作も同時に実行される。これにより、記録ヘッド15がホームポジション側から印刷領域側に移動する場合において、ワイピング部材11がセット状態になされ、ワイピング部材11によるノズル形成面のワイピング動作がなされる。
【0064】
この場合、例えば、プラテンギャップが大である場合においては、プラテンギャップが小である場合に比較して、前記ワイピング回数が多くなるように制御される。一例として、プラテンギャップが大である場合においては、ワイピング回数が2回となるようになされ、プラテンギャップが小である場合には、ワイピング回数が1回となるように制御される。このような制御を実行することにより、プラテンギャップが大の場合は、ワイピング部材と記録ヘッドとの干渉量が少ないため、ワイピング部材によるノズル形成面の払拭能率が低下しがちであるが、複数回にわたってワイピング動作が実行されるので、払拭性を改善することができる。
【0065】
〔3.ワイピング動作時のキャリッジ減速位置の変更制御〕
前記動作モード制御手段68は、プラテンギャップ検出手段72よりプラテンギャップの情報を取得(プラテンギャップ調整情報取得ステップ)し、プラテンギャップ調整情報に基づいて、前記記録ヘッドの減速開始位置を設定する(減速開始位置設定ステップ)。そして、動作モード制御手段68は、前記エンコーダ70からのキャリッジの位置情報を参照しつつ、キャリッジモータ制御手段69に対して制御指令を送出し、キャリッジ1が既に設定された減速開始位置に到来した時にキャリッジモータ2の駆動を減速させるように制御する。これにより、ワイピング部材がノズル形成面に摺接した状態における記録ヘッドの移動速度を減速制御させることができる(減速制御ステップ)。
【0066】
図5は、前記した減速制御を実行する状態を示している。すなわち、プラテンギャップが大である場合においては、キャリッジ1に配置された当接部材1aの端部が、図5(A)に示すようにP1の位置に移動した時に、減速されるように制御される。このような減速制御を実行することにより、ワイピング部材11の先端部が記録ヘッドのノズル形成位置Lnを外れた部分より、ノズル形成面15aの端部に至る間をワイピングする範囲に、減速開始位置を設定することができる。
【0067】
また、プラテンギャップが小である場合においては、前記当接部材1aの端部が、図5(B)に示すようにP2の位置に移動した時に減速されるように制御される。すなわち、プラテンギャップが小である場合においては、ワイピング部材11は大きく変形されている。しかしながら、減速開始位置を記録ヘッドの進行方向側にずらすことにより、すなわち、P2の位置に変更することにより、ワイピング部材11の先端部が記録ヘッドのノズル形成位置Lnを外れた部分より、ノズル形成面15aの端部に至る間をワイピングする範囲において、減速動作を開始させることができる。
【0068】
前記したような減速制御の実行により、ワイピング部材11の先端部が記録ヘッドのノズル形成面15aから離れる瞬間には、必ず減速状態に制御することができ、これにより、ワイピング部材11からインク滴を飛散させる程度を低減させることができる。また、前記したような減速制御を実行することにより、記録ヘッドの減速移動範囲を短くすることも可能になり、ワイピング部材がワイピング終端部を過ぎた場合においては、記録ヘッドを迅速に印刷領域側に移動させることができる。したがって、実質的にスループットを向上させることにも寄与できる。
【0069】
なお、前記した実施の形態においては、プラテンギャップの大小の情報を得るために、図4に示す操作レバー52の操作位置によって、オンオフ制御されるマイクロスイッチを利用している。このようなマイクロスイッチによる二値の情報を利用しても実用上において十分に機能するが、例えば、図4に示す操作レバー52の回動角度に応じてリニアな電気信号を得られる例えばロータリエンコーダの情報を利用することもできる。この場合においては、プラテンギャップの調整度合いに応じて、前記したワイピング速度の変更制御、ワイピング回数の変更制御、並びにキャリッジ減速位置の変更制御を多段階に制御することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、この発明にかかる記録ヘッドのワイピング制御方法を採用したインクジェット式記録装置によると、プラテンギャップの調整如何にかかわらず、ワイピング部材による安定したノズル形成面の払拭効果を得ることができ、また、ワイピング部材によるインクの飛び散り作用を効果的に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用されたインクジェット式記録装置の基本構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置に搭載されたキャッピング手段駆動機構等のユニットを示した斜視図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】記録装置に搭載されたプラテンギャップ調整手段の例を示した側面図である。
【図5】ワイピング状態を示した側面図である。
【図6】記録装置に搭載された制御回路の例を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 キャリッジモータ
4 ガイド部材
4a 中軸
4b 偏心軸
5 プラテン
6 記録用紙
7 ブラックインクカートリッジ
8 カラーインクカートリッジ
9 キャッピング手段
10 吸引ポンプ
11 ワイピング部材
15 記録ヘッド
15a ノズル形成面
37 ワイパホルダ
52 操作レバー
53 操作部材
68 動作モード制御手段
69 キャリッジモータ制御手段
70 エンコーダ
72 プラテンギャップ検出手段
Ln ノズル形成位置

Claims (7)

  1. 往復移動されるキャリッジに搭載され、印刷デ−タに基づいてインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドの移動に伴い、ノズル形成面に摺接して当該ノズル形成面を清掃することができるワイピング部材とを備えたインクジェット式記録装置であって、
    前記記録ヘッドの移動に伴う前記ワイピング部材によるノズル形成面に対するワイピング速度を、プラテンギャップ調整手段の調整情報に基づいて制御する制御手段が具備され、前記制御手段は前記プラテンギャップ調整手段の調整情報が、プラテンギャップが大であることを示す場合においては、プラテンギャップが小であることを示す場合に比較して、前記ワイピング部材によるノズル形成面へのワイピング速度が低速度となるように制御することを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 往復移動されるキャリッジに搭載され、印刷デ−タに基づいてインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドの移動に伴い、ノズル形成面に摺接して当該ノズル形成面を清掃することができるワイピング部材とを備えたインクジェット式記録装置であって、
    前記記録ヘッドの移動に伴う前記ワイピング部材によるノズル形成面ヘのワイピング速度が、ワイピング部材によるワイピング終端部の近傍において減速されるように制御されると共に、前記記録ヘッドの減速開始位置が、プラテンギャップ調整手段の調整情報に基づいて変更されるように制御する制御手段を具備してなるインクジェット式記録装置。
  3. 前記プラテンギャップ調整手段の調整情報が、プラテンギャップが大であることを示す場合においては、プラテンギャップが小であることを示す場合に比較して、前記記録ヘッドの減速開始位置を、記録ヘッドの移動方向における手前側に設定するように制御する請求項2に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 前記記録ヘッドの減速開始位置を、ワイピング部材の先端部が記録ヘッドのノズル形成位置を外れた部分よりノズル形成面の端部に至る間をワイピングする範囲に設定するように制御する請求項2または請求項3に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 前記減速開始位置の変更制御が、記録ヘッドの移動位置を検知するエンコーダからの情報に基づいて、キャリッジモータの駆動速度を減速させることにより実行される請求項2または請求項3に記載のインクジェット式記録装置。
  6. 往復移動されるキャリッジに搭載され、印刷デ−タに基づいてインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドの移動に伴い、ノズル形成面に摺接して当該ノズル形成面を清掃することができるワイピング部材とを備えたインクジェット式記録装置における記録ヘッドのワイピング制御方法であって、
    プラテンギャップ調整手段の調整情報を取得するプラテンギャップ調整情報取得ステップと、
    前記プラテンギャップ調整情報取得ステップにおいて取得したプラテンギャップ調整情報に基づいて、前記ワイピング部材によるノズル形成面に対するワイピング速度を設定するワイピング速度設定ステップと、
    前記ワイピング速度設定ステップにおいて設定されたワイピング速度に基づいて記録ヘッドを移動させることで、前記ワイピング部材により記録ヘッドのノズル形成面をワイピングするワイピングステップと、
    が実行されるようになされ、前記ワイピング速度設定ステップは、前記プラテンギャップ調整情報取得ステップにおいて取得したプラテンギャップ調整手段の調整情報が、プラテンギャップが大であることを示す場合においては、プラテンギャップが小であることを示す場合に比較して、前記ワイピング部材によるノズル形成面へのワイピング速度が低速度となるようにワイピング速度を設定することを特徴とするインクジェット式記録装置における記録ヘッドのワイピング制御方法。
  7. 往復移動されるキャリッジに搭載され、印刷デ−タに基づいてインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドの移動に伴い、ノズル形成面に摺接して当該ノズル形成面を清掃することができるワイピング部材とを備えたインクジェット式記録装置における記録ヘッドのワイピング制御方法であって、
    プラテンギャップ調整手段の調整情報を取得するプラテンギャップ調整情報取得ステップと、
    前記プラテンギャップ調整情報取得ステップにおいて取得したプラテンギャップ調整情報に基づいて、前記記録ヘッドの減速開始位置を設定する減速開始位置設定ステップと、 前記減速開始位置設定ステップにおいて設定された減速開始位置に基づいて、前記ワイピング部材がノズル形成面に摺接した状態における記録ヘッドの移動速度を減速制御する減速制御ステップと、
    を実行するようになされたインクジェット式記録装置における記録ヘッドのワイピング制御方法。
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