JP3680480B2 - インクジェット印字装置 - Google Patents

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JP3680480B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット印字装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印字媒体にインク液滴を吐出して印字動作する印字ヘッドと、該印字ヘッドのノズル面を覆う吸引キャップと、該吸引キャップを通じて前記印字ヘッドのノズルからインクを吸引する吸引ポンプと、該吸引ポンプの作動を制御するポンプ制御手段とを備え、前記吸引ポンプが、前記吸引キャップに接続された吸引口とインクを排出する排出口とを有し一端部側が大気に開放されている筒状のポンプハウジングと、該ポンプハウジングの内部に摺動可能に嵌合されたピストン部材とを備えているインクジェット印字装置は知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような構造では、印字ヘッドより吸引キャップを通じて吸引されポンプハウジングの吸引口付近(内壁面)に付着しているインクが、ピストン部材の吸引動作に基づくストローク運動により、そのインクが掻き取られて大気に開放されている側に漏れ出て、場合によっては周囲を汚損するおそれがあった。
【0004】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、インクがポンプハウジングから外部に漏れ出るのを防止したインクジェット印字装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、印字媒体にインク液滴を吐出して印字動作する印字ヘッドと、該印字ヘッドのノズル面を覆う吸引キャップと、該吸引キャップを通じて前記印字ヘッドのノズルからインクを吸引する吸引ポンプと、該吸引ポンプの作動を制御するポンプ制御手段とを備え、前記吸引ポンプが、前記吸引キャップに接続された吸引口とインクを排出する排出口とを有し一端部側が大気に開放されている筒状のポンプハウジングと、該ポンプハウジングの内部にそれぞれ独立して摺動可能に嵌合され間に容量可変のポンプ室を形成する第1及び第2のピストン部材とを備えているインクジェット印字装置であって、前記ポンプハウジングの内壁面の前記一端部側に、前記第1及び第2のピストン部材のうち前記一端部側の第1のピストン部材にて掻き取られるインクを収納するインク貯留部が形成され、前記ポンプ制御手段が、前記第1及び第2のピストン部材を制御して、前記吸引キャップを通じての吸引開始前において、前記第1のピストン部材と第2のピストン部材との間に前記インク貯留部を連通させ、その後、前記第1のピストン部材と第2のピストン部材との間を広げ両者間のポンプ室に前記インク貯留部に溜まっているインクを吸引させる制御を行うことを特徴とする。
【0006】
このようにすれば、ポンプハウジングの内壁面に付着しているインクは、第1のピストン部材にて掻き取られ、インク貯留部に一旦貯留される。それから、ポンプ制御手段によって第1及び第2のピストン部材が制御され、前記吸引キャップを通じての吸引開始前において、前記第1のピストン部材と第2のピストン部材との間に前記インク貯留部が連通される。その後、前記第1のピストン部材と第2のピストン部材との間を広げ、両者間のポンプ室に前記インク貯留部に溜まっているインクが吸引される。よって、かかるインクが、ポンプハウジングの大気に開放されている部分から、外部に漏れ出るということがない。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1のインクジェット印字装置において、前記インク貯留部が、前記吸引口より一定間隔を存して前記一端部側に形成されている。
【0008】
このようにすれば、吸引口付近に付着しているインクが、第1のピストン部材によって無理なくインク貯留部に運ばれ、貯留される。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2のインクジェット印字装置において、前記ポンプ制御手段は、前記吸引口を前記第2のピストン部材で閉塞した状態で前記ポンプ室を前記インク貯留部に連通して前記両ピストン部材を相対移動して前記インク貯留部のインクを前記ポンプ室に吸引し、その後、前記ポンプ室と前記インク貯留部の連通を遮断して前記吸引口よりの吸引動作を開始させる制御を行うものである。
【0010】
このようにすれば、ポンプ制御手段によって、第1及び第2のピストン部材が制御され、前記吸引口を第2のピストン部材で閉塞した状態で前記ポンプ室が前記インク貯留部に連通し、その状態で両ピストン部材が相対移動せしめられて前記インク貯留部のインクがポンプ室に吸引され、その後、ポンプ室とインク貯留部の連通を遮断して吸引口よりの吸引動作が開始され、前記インクは、印字ヘッドよりのインクと共に、ポンプ室から排出口を経て排出される。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3のインクジェット印字装置において、前記ポンプ制御手段が、所定のタイミングで回転駆動されるカム部材を有し、該カム部材が第1及び第2のピストン部材に関連づけられている。
【0012】
このようにすれば、カム部材によって、第1及び第2のピストン部材の作動が制御され、それによって、インク貯留部よりポンプ室へのインクの吸引、印字ヘッドよりのインクの吸引・排出が一定のタイミングでもって行われる。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1又は2のインクジェット印字装置において、前記インク貯留部が、前記ポンプハウジングの内壁面に凹設され軸線方向に延びるインク溝である。
【0014】
このようにすれば、第1のピストン部材の作動を妨げることなく、簡単な構造で、ポンプハウジングの内壁面にインク貯留部が形成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0016】
図1はインクジェット印字装置の全体構成を示す概略斜視図である。同図において、インクジェット印字装置1は、左右方向の延びる回転軸(図示せず)によってフレーム2に回転可能に支承される円筒形状のプラテンローラ3を有する。プラテンローラ3は、給紙カセット又は手差し給紙部から供給された印刷用紙4(印字媒体)を、印字ヘッド5に対面させながら搬送するものであり、いわゆる紙送り機構LMの一部を構成している。尚、前記印字ヘッド5は、印刷用紙4にインク液滴を吐出するノズルを有し印刷用紙4に対し印字動作を行うインクジェット式であり、紙送り機構LMは駆動源としてLFモータ14(図9参照)を備えている。
【0017】
前記印刷用紙4は、フレーム2の後方の用紙供給口(図示せず)から矢印A方向に供給され、プラテンローラ3の回転により矢印B方向に送給され、用紙排出口(図示せず)から矢印C方向に排出されるように構成されている。
【0018】
前記プラテンローラ3の前方には、キャリッジ6がプラテンローラ3の軸線に沿って矢印D方向に移動可能に設けられている。キャリッジ6は、印字ヘッド5及び該印字ヘッド5に供給されるインクを収容したインクカートリッジ7をそれぞれ着脱可能に搭載している。尚、本例ではイエロー、ブラック、シアン、マゼンタの4色について印字ヘッド5及びインクカートリッジ7がそれぞれ搭載されている。
【0019】
また、前記プラテンローラ3の軸線と平行にキャリッジ軸8が設けられ、このキャリッジ軸8にはキャリッジ6がスライド可能に嵌挿されている。また、キャリッジ6の係合部6aが、キャリッジ軸8と平行に延びるガイドレール9によって案内されるようになっている。これによって、キャリッジ6に搭載された印字ヘッド5は、プラテンローラ3の軸線に沿ってスライド移動により往復移動可能となっている。前記キャリッジ6はタイミングベルト11の一部に固着され、該タイミングベルト11がタイミングプーリ12,13間に巻きかけられてキャリッジ機構CRが構成され、前記一方のタイミングプーリ12にCRモータ10(キャリッジ駆動モータ)が連結されている。よって、CRモータ10が回転駆動されることで、キャリッジ機構CRを介して、キャリッジ6が往復移動するようになっている。尚、前記CRモータ10としては、ステップモータ又はDCモータが使用される。
【0020】
また、前記プラテンローラ3に対応する印字エリアの右側には、印字ヘッド5の不吐出あるいは吐出不良を回復するためのパージ機構RMが配設された回復エリアが形成されている。このようなパージ機構RMを設けているのは、インクジェット式の印字ヘッド5は、使用中に内部に気泡が発生したり、インクが乾燥したりする等の原因により吐出不良を起こすので、これを良好な吐出状態に回復させるためである。
【0021】
前記パージ機構RMは、印字ヘッド5の移動経路内に突出した突出位置と印字ヘッド5の移動経路より後退した待機位置との間を移動可能で、突出位置において印字ヘッド5を覆う吸引キャップ41と、前記突出位置において、印字ヘッド5が吸引キャップ41に覆われているときに、負圧を発生させ、印字ヘッド5内のインクを吸引除去する吸引ポンプ42とを有する吸引手段31を備えている。
【0022】
前記吸引手段31に隣接して、印字エリア側に印字ヘッド5のノズル面を払拭するように印字ヘッド5に対し相対移動可能なワイパ部材32が、その反対側に印字を行わない際に印字ヘッド5のノズル面を覆いインク蒸発を防止してノズル面が乾燥するのを回避する保存キャップ装置33がそれぞれ配設されている。
【0023】
前記ワイパー部材32は、印字ヘッド5の移動経路内に突出する突出位置と、印字ヘッド5の移動経路よりも後退した待機位置との間を、印字ヘッド5の移動経路に対して直交する方向に往復移動可能に構成され、突出位置において印字ヘッド5のノズル面を払拭するようになっている。
【0024】
そして、前記ワイパ部材32、吸引キャップ41及び吸引ポンプ42が、回転駆動されるカム部材43を有する駆動手段に関連づけられ、前記ワイパ部材32の進退、吸引キャップ41の進退及び吸引ポンプ42の作動は、共通のカム部材43によって制御されるように構成されている。
【0025】
前記ワイパ部材32は、図2に詳細を示すように、前記印字ヘッド5のノズル面を払拭するノズル払拭部32aと、該ノズル払拭部32aに連設されワイパーホルダ34の挿入孔34aに挿入して支持されるワイパ支持部32bとを備えている。そして、前記ワイパ支持部32bは、係合凹部32dを有する一方、ワイパホルダ34は前記係合凹部32dに係脱可能に弾性係合する係合凸部34bを有し、それらの弾性的係合によりワイパ部材32がワイパホルダ34に保持されるようになっている。
【0026】
また、前記カム部材43は、図2に示すように、一体的に設けられた駆動ギヤ46を有し、該駆動ギヤ46が、紙送り機構LMのLFモータ14により回転駆動される駆動ギヤ(図示せず)に係脱可能に噛み合うように構成され、パージ動作時にのみカム部材43が回転駆動されるようになっている。よって、LFモータ14がパージ機構RMの駆動源となっている。
【0027】
即ち、ワイパ部材32を支持するワイパホルダ34の後端部(カムフォロア部)がカム部材43の第1カム溝43aに移動可能に係合し、それによって、ワイパ部材32は、印字ヘッド5の移動経路内に突出する突出位置と、印字ヘッド5の移動経路よりも後退した待機位置との間を、印字ヘッド5の移動経路に対して直交する方向に往復移動可能で、前記突出位置において印字ヘッド5のノズル面を払拭するように制御される。
【0028】
また、図2に示すように、吸引キャップ41がキャップホルダ44に支持され、該キャップホルダ44の後端部(カムフォロア部)が、前記第1のカム溝43aと同一面側のカム部材43の第2のカム溝43bに移動可能に係合している。前記カム部材43は、回転軸45について回転可能とされている。
【0029】
前記吸引ポンプ42は、図2に示すように、フレーム部材51に取り付け固定された円筒状のポンプハウジング52内に、第1及び第2のピストン部材53,54が独立して移動可能に嵌挿されている。そして、ポンプハウジング52には、吸引口52aと排出口52bとが軸線方向に一定間隔を存して設けられ、吸引口52aには吸引パイプ55を介して吸引キャップ41が接続され、排出口52bには排出パイプ56を介して、吸着材57が収容された廃インクタンク58に連係されている(図1参照)。また、ポンプハウジング52の一端部側が大気に開放された大気開放部52cとなっており、該大気開放部52c側に第1のピストン部材42が配設されている。
【0030】
また、ポンプハウジング52の内壁面には、図3に拡大して詳細を示すように、前記第1のピストン部材53にて掻き取られるインクを収納するインク貯留溝52dが凹設されている。前記インク貯留溝52dは、前記吸引口52aより一定間隔を存して、大気開放部52c側に形成され、ポンプハウジング52の軸線方向に端面まで延びている。そして、上記カム部材43による吸引ポンプ42の制御の際に、印字ヘッド5のインクを吸引するための吸引動作開始に先立って、前記インク貯留溝52dに溜まっているインクを、第1及び第2のピストン部材53,54の間に形成される容量可変のポンプ室52e(図7参照)内に吸引させる制御を行うようになっている。
【0031】
第1及び第2のピストン部材53,54は、それぞれ第1及び第2の駆動軸部材61,62の一端部に連結され、該駆動軸部材61,62によって駆動され、ポンプハウジング52内において両ピストン部材53,54間にポンプ室52eを形成するようになっている。
【0032】
前記第1の駆動軸部材61は、第2の駆動軸部材62内に摺動可能に嵌挿され、各駆動軸部材61,62の他端部のカムフォロア部材63,64が、前記カム溝43a,43bとは反対面側のカム部材43の第3及び第4のカム溝43c,43dに移動可能に係合している。
【0033】
従って、前記カム部材43が一定のタイミングで回転駆動されることで、吸引キャップ41のキャッピング、吸引ポンプ42によるインクの吸引、及びワイパ部材32による印字ヘッド5のノズル面の払拭が順に行われ、吸引ポンプ42によって吸引された印字ヘッド5のノズル内の残留インクは、吸引ポンプ42を介して廃インクタンク58に吐出され、そして廃インクタンク58内の吸収材57に吸収される。
【0034】
また、前記保存キャップ装置33は、図1及び図4に詳細を示すように、保存キャップ71を有し、該保存キャップ71を支持するケーシング72が、キャリッジ6の移動方向と平行に延びるガイドロッド部材73にスライド移動及び回動が可能なるように支承されている。キャリッジ6が印字エリアから回復エリア側に移動すると、キャリッジ6がケーシング72の係合凸部72aに係合するので、保存キャップ71はキャリッジ6の移動に追従してスライド移動する。このスライド移動の際、傾斜カム面(図示せず)の作用により、保存キャップ71は印字ヘッド5に接近する方向へ回転し、保存キャップ71は印字ヘッド5のノズル面に接触し、キャッピングを行うことになる。
【0035】
その後、再びキャリッジ6が印字エリア方向に移動する場合には、スプリング(図示せず)の弾発力により保存キャップ71が印字エリア側に移動しながら印字ヘッド5から離れ、キャリッジ5が回復エリアから脱すると、初期状態に戻る。
【0036】
次に、前記実施の形態に係るインクジェット式印字装置1の制御部を図5のブロック図を参照しつつ説明する。この制御部は、周知の演算処理装置であるCPU100を中心に構成される。CPU100は、インターフェース101を介して、パソコン等のホストコンピュータ102の接続され、ホストコンピュータ1102からの印刷指令を受け、その指令に従って種々の印刷を実行するようになっている。
【0037】
ホストコンピュータ102の機能構成として典型的なものにウインドウシステムがある。このウインドウシステム上に、各種のアプリケーション(A)(B)・・・(n)が設けられ、また、フォントドライバ、CRTドライバ、キーボードドライバ、マウスドライバ、プリンタドライバ等が組み込まれている。各種のアプリケーションの実行中に、インクジェット印字装置1を使用して印刷する場合には、このプリンタドライバによって印字装置の印刷機能に適合した画像に関する出力データが作成される。
【0038】
前記CPU100には、操作パネル103,ROM104,RAM105が接続されている。操作パネル103は、用紙サイズその他の種々のパラメータを設定し、それらを表示するものである。ROM104は、インクジェット印字装置1の制御上必要な種々のプログラム類を格納するものである。ROM104に格納される代表的なプログラムとして、吸引キャップ41を密着させ印字ヘッド5内のインクを吸引して印字ヘッド5の回復を行う吸引プログラム、印字ヘッド5内のインク吸引後に吸引キャップ41内や吸引ポンプ42内のインクの排出を行う空吸引プログラム等がある。RAM105は、ホストコンピュータ102から転送された印刷データや、インクジェット式印字装置1の制御上必要な種々の数値の一時記憶を行うものであり、また、バックアップメモリ105aを有する。
【0039】
前記CPU100は、LF駆動回路111、CR駆動回路112、ヘッド駆動回路113を介してLFモータ14、CRモータ10、印字ヘッド5を駆動制御するようになっている。
【0040】
LFモータ14は、切り換え機構121を介してパージ機構RM又は紙送り機構LMのいずれか一方を駆動するように構成されている。即ち、パージ機構RMは、紙送り手段としてのLFモータ14を利用して駆動されるように構成されており、その駆動力は切り換え機構121を介して伝達される構成になっている。そして、前記CPU100と、パージ動作時においてのみパージ機構RMにLFモータ14よりの駆動力が伝達されるように切り換える切り換え機構121と、所定のタイミングで回転駆動されるカム部材43とにより、吸引ポンプ42の作動を制御してパージ動作を行わせるポンプ制御手段が構成されている。このポンプ制御手段は、吸引ポンプ42において、ピストン部材53,54を制御して、吸引開始前において、インク貯留溝52dに溜まっているインクをポンプ室52e内に吸引させる制御を行うようになっている。
【0041】
CRモータ10は、キャリッジ機構CRを駆動するもので、キャリッジ6の動きにより、前記切り換え機構121の切り換えがなされる。
【0042】
パージ機構RM、紙送り機構LM、キャリッジ機構CRは、それぞれのセンサを備えており、該センサによる検知信号は、カウンタ群122を介してCPUに入力される。パージ機構RMは、パージHPセンサ131を有し、該パージHPセンサ131は、吸引ポンプが原点位置にあるときに、その旨をカウンタ群122のパージ位置カウンタ122aに報知する。この信号はパージ機構によるパージ動作の基準とされる。
【0043】
紙送り機構LMは,PEセンサ132を有し、該PEセンサ132は、新たに供給される印刷用紙4の先端により信号を発し、カウンタ群122のLF位置カウンタ122bに報知する。この信号が縦方向の印字位置制御の基準となる。
【0044】
キャリッジ機構CRは,CR位置センサ133を有し、該CR位置センサ133は、CRモータ10の駆動パルスをカウントしてキャリッジの位置を検知し、カウンタ群122のCR位置カウンタ122cに報知する。この位置情報は、横方向の維持位置制御の基準となるほか、印刷用紙4の新規供給動作及び印刷済み用紙の排出動作の可否の判断基準となる。
【0045】
よって、使用者の判断によって、あるいは印字装置1の所定の動作に伴い、パージ指令が入力されると、図5に示す制御部による制御によって、周知の如く、キャリッジ6は、回復エリアに移動せしめられ、この移動と同時に切り換え機構121がパージ機構RMに動力を伝達する側へ切り換わり、カム部材43の回転によって、吸引キャップ41、吸引ポンプ42等の作動が制御され、それによって良好なインクの吐出状態を回復するための一連の回復動作が行われる。尚、カム部材43とピストン部材53,54のストローク量との関係を図6に示す。
【0046】
まず、カム部材43の回転角が0゜付近の状態では、図7(a)に示すように、吸引ポンプ42の両ピストン部材53,54はその間のポンプ室の容積を最小にして排出口52b付近に位置し、吸引口52aを大気開放部52cを通じて大気に開放する。このとき、吸引口52a付近のインクWのたれがある場合がある。その一方、吸引キャップ41は、印字ヘッド5から離れた待機位置に位置する初期状態にある。
【0047】
それから、カム部材43が回転駆動されて、図7(b)に示すように、その回転角が80゜付近になるまで、第1及び第2のピストン部材53,54が一体となって、大気開放側に前進移動し、前記吸引口52a付近のインクWのたれを掻き取り、該インクWのたれをインク貯留溝52d内に移動させる。両ピストン部材53,54が最大ストローク移動したところで、インク貯留溝52dの内方端は、両ピストン部材53,54間に開口している。
【0048】
それから、97゜付近まで、第1のピストン部材53を停止したまま、第2のピストン部材54のみをカム部材43側へ後退移動させ、小さなポンプ室52e内に前記インク貯留溝52dのインクWを吸引する(図7(c)参照)。即ち、この場合は、第2のピストン部材54で吸引口52aを閉塞した状態で、ポンプ室52eをインク貯留溝52dに連通して両ピストン部材53,54を相対移動させてポンプ室52eを拡大させ、インク貯留溝52dのインクがポンプ室52eに吸引されることになる。
【0049】
前記カム部材43の回転角が97゜付近になると、第2のピストン部材54の移動は一定の間継続されたまま、第1のピストン部材53がインク貯留溝52dとの連通を遮断する方向に後退移動を開始し、114゜付近になると、図7(d)に示すように、両ピストン部材53,54は移動を停止する。この状態で、ポンプ室52eとインク貯留溝52dとの連通が遮断されると共に、ポンプ室52eに吸引口52aが連通され、吸引口52aよりの吸引動作が開始される。一方、前記両ピストン部材53,54の移動の途中において、吸引キャップ41が待機位置から、印字ヘッド5の移動経路側に前進せしめられ、該印字ヘッド5のノズル面を覆うことになる。
【0050】
そして、吸引キャップ41が完全に印字ヘッド5のノズル面を覆った後に、図7(e)に示すように、カム部材43の回転角が114゜から136゜に変化する間、第1のピストン部材53は静止したままで第2ピストン部材54が第1のピストン部材53との間隔が広がる方向に若干量移動せしめられ、第1及び第2ピストン部材53,54の間のポンプ室52eが少し拡大され、それに続いて、カム部材43の回転角が171゜になるまでの間前記ポンプ室52eの容積を維持した状態で、図7(f)に示すように、両ピストン部材53,54が移動し、第1のピストン部材53が吸引口52aを閉じる。この吸引動作は、小さな負圧で行われ、印字ヘッド5内に空気が含まれている場合にはその空気とともにインクが吸引されることになる。このとき、第2のピストン部材54は、排出口52bを閉塞している。
【0051】
その後、吸引キャップ41が印字ヘッド5から離れると共に、カム部材43の回転角が171゜から211゜まで変化する間、排出口52bを第2のピストン部材54で閉塞した状態で、第1のピストン部材53を吸引口52aを開放する方向に前進移動させ、ポンプ室52eを拡大して負圧を高め、最終的に図7(g)に示すように吸引口52aを開放し、最初の吸引動作よりも吸引力が大きくかつ吸引時間が長い吸引動作が開始される。これにより、吸引キャップ41及び吸引パイプ55に残留するインクが吸引される。
【0052】
それから、カム部材43の回転角が211゜から338゜までの間、前述した状態を一定期間維持し、第2のピストン部材54が排出口52bを開放する方向への移動を継続する一方、第1のピストン部材53がポンプ室52eを圧縮する方向に移動し、カム部材43の回転角度が338゜付近になるまで排出動作が継続される(図7(h)参照)。これによって、ポンプ室52e内のインクが廃液タンク58に排出される。
【0053】
排出動作の終了後、両ピストン部材53,54が少し戻され、初期状態と同様の状態とされる。
【0054】
このように、パージ処理において、吸引口52aを第2のピストン部材54で閉塞した状態で前記ポンプ室54eをインク貯留溝54dに連通し、その状態で両ピストン部材53,54を相対移動せしめて前記インク貯留溝54dのインクをポンプ室54eに吸引し、その後、ポンプ室54eとインク貯留溝54dの連通を遮断して吸引口54aよりの吸引動作を開始し、前記インクを、印字ヘッド5よりのインクと共に、ポンプ室54eから排出口52bを経て排出するようにしているので、インクが大気開放部54cを通じて外部に漏れ出ることがなくなる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下に述べるような形態を奏する。
【0056】
請求項1の発明は、上記のように、ポンプハウジングの内壁面に、ピストン部材にて掻き取られるインクを収納するインク貯留部を形成し、第1及び第2のピストン部材を制御し、前記吸引キャップを通じての吸引開始前において、前記第1ピストン部材と第2のピストン部材との間に前記インク貯留部を連通し、その後、前記第1ピストン部材と第2のピストン部材との間を広げ、両者間のポンプ室に、前記インク貯留部に溜まっているインクを吸引するようにしているので、ポンプハウジングの内壁面に付着しており第1のピストン部材によって掻き取られるインクを、外部に漏れ出させることなく、インク貯留部に一旦貯留し、その後、前記インク貯留部に溜まっているインクをポンプ室内に吸引して、外部に排出することができる。
【0057】
請求項2の発明は、インク貯留部を、吸引口より一定間隔を存して前記一端部側に形成させているので、吸引口付近に付着しているインクをピストン部材によって掻き取って無理なくインク貯留部に運び、貯留することができる。
【0058】
請求項3の発明は、第1及び第2のピストン部材を制御して、吸引口を第2のピストン部材で閉塞した状態でポンプ室をインク貯留部に連通し、その状態で両ピストン部材を相対移動せしめて前記インク貯留部のインクをポンプ室に吸引し、その後、ポンプ室とインク貯留部の連通を遮断して吸引口よりの吸引動作を開始して、前記インクを、印字ヘッドよりのインクと共に排出することができる。
【0059】
請求項4の発明は、所定のタイミングで回転駆動されるカム部材を第1及び第2のピストン部材に関連づけているので、カム部材によって簡単に、必要な制御を行うことができる。
【0060】
請求項5の発明は、インク貯留部を、ポンプハウジングの内壁面に凹設され軸線方向に延びるインク溝としているので、簡単な構造で、インク貯留部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット印字装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係るワイパ部材、吸引キャップ及び吸引ポンプと、カム部材との関係を示す横断面図である。
【図3】 本発明に係る吸引ポンプの要部の拡大断面図である。
【図4】 本発明に係る保存キャップ装置の正面図である。
【図5】 インクジェット印字装置の制御部のブロック図である。
【図6】 カム部材の回転角と第1及び第2のピストン部材のストロークとの関係を示す図である。
【図7】 (a)〜(h)は吸引ポンプの動作説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
35 吸引ポンプ
36 カム部材
52 ポンプハウジング
52a 吸引口
52b 排出口
52c 大気開放部
52d インク貯留溝
52e ポンプ室
53 第1のピストン部材
54 第2のピストン部材

Claims (5)

  1. 印字媒体にインク液滴を吐出して印字動作する印字ヘッドと、該印字ヘッドのノズル面を覆う吸引キャップと、該吸引キャップを通じて前記印字ヘッドのノズルからインクを吸引する吸引ポンプと、該吸引ポンプの作動を制御するポンプ制御手段とを備え、前記吸引ポンプが、前記吸引キャップに接続された吸引口とインクを排出する排出口とを有し一端部側が大気に開放されている筒状のポンプハウジングと、該ポンプハウジングの内部にそれぞれ独立して摺動可能に嵌合され間に容量可変のポンプ室を形成する第1及び第2のピストン部材とを備えているインクジェット印字装置であって、
    前記ポンプハウジングの内壁面の前記一端部側に、前記第1及び第2のピストン部材のうち前記一端部側の第1のピストン部材にて掻き取られるインクを収納するインク貯留部が形成され、
    前記ポンプ制御手段が、前記第1及び第2のピストン部材を制御して、前記吸引キャップを通じての吸引開始前において、前記第1のピストン部材と第2のピストン部材との間に前記インク貯留部を連通させ、その後、前記第1のピストン部材と第2のピストン部材との間を広げ両者間のポンプ室に前記インク貯留部に溜まっているインクを吸引させる制御を行うことを特徴とするインクジェット印字装置。
  2. 前記インク貯留部は、前記吸引口より一定間隔を存して前記一端部側に形成されているところの請求項1記載のインクジェット印字装置。
  3. 前記ポンプ制御手段は、前記吸引口を前記第2のピストン部材で閉塞した状態で前記ポンプ室を前記インク貯留部に連通して前記両ピストン部材を相対移動して前記インク貯留部のインクを前記ポンプ室に吸引し、その後、前記ポンプ室と前記インク貯留部の連通を遮断して前記吸引口よりの吸引動作を開始させる制御を行うところの請求項1又は2記載のインクジェット印字装置。
  4. 前記ポンプ制御手段は、所定のタイミングで回転駆動されるカム部材を有し、該カム部材が第1及び第2のピストン部材に関連づけられているところの請求項3記載のインクジェット印字装置。
  5. 前記インク貯留部は、前記ポンプハウジングの内壁面に凹設され軸線方向に延びるインク溝であるところの請求項1又は2記載のインクジェット印字装置。
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