<1.パチンコ機1の構成>
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、および右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側(正面側)、後側(背面側)、上側、下側、左側、および右側とする。
図1および図2を参照し、パチンコ機1の概略構成を説明する。パチンコ機1には、遊技盤2が設けられている。遊技盤2は、正面視で略正方形の板状であり、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射機(図示外)に遊技球(図示外)を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。発射機によって発射された遊技球は、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央に、枠状の装飾枠14が配設されている。装飾枠14の中央下側に、第一始動口15が設けられている。第一始動口15の直下に、開閉部材を備えた第二始動口16が設けられている。第二始動口16は、開閉部材が開放された場合にのみ遊技球が入賞可能である。第二始動口16の下側に、遊技領域4の中央下端部まで流下した遊技球を回収するアウト口17が設けられる。
遊技盤2の後面側には、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される表示面27を有する画像表示装置28が設けられている。表示面27は、正面視で装飾枠14の内側に設けられ、前方に向けて画像を表示可能である。表示面27には、特別図柄に基づく当たり判定(大当たり判定)の結果を遊技者に報知するための複数のデモ図柄が表示される。複数のデモ図柄は、遊技球が第一始動口15および第二始動口16のいずれかに入賞すると変動を開始し、その変動後に大当たり判定の結果に応じた組み合わせで確定表示される。
装飾枠14の後方には、装飾体55が設けられている。装飾体55は、遊技盤2の後側に取り付けられる演出装置30(図3参照)によって、上下動可能に支持される。演出装置30は、画像表示装置28およびスピーカ48等と連動して、装飾体55を上下動させる。これにより、演出装置30は、報知演出等の様々な演出を実行する。尚、図2では、可動範囲の下端位置にある装飾体55を実線によって図示し、可動範囲の上端位置にある装飾体55を仮想線によって図示する。
遊技盤2の後面側には、主基板(図示外)、サブ基板(図示外)等が設けられている。主基板はパチンコ機1の主制御を司る。主基板には、各種の演算処理を実行するCPU、データを一時的に記憶するRAM、および制御プログラム等を記憶したROMが設けられている。サブ基板は、主基板と電気的に接続されている。サブ基板は、主基板と同様に、CPU、RAM、およびROMが設けられている。サブ基板は、主基板から送信されるコマンドに従って、演出装置30等を動作させ、演出に関する総合的な制御を実行する。
<2.演出装置30の構成>
図3〜図8を参照し、演出装置30の構成の概要を説明する。図3に示すように、本例の演出装置30は、所謂「18禁」をかたどった装飾体55を動作させる装置である。装飾体55は、背面視で略円形状の板状部材である支持体59と、支持体59を前側から覆うように設けられた回転部材51と、回転部材51の略前方に配置された揺動部材52とを備える。詳細な説明は後述するが、支持体59は、回転部材51と揺動部材52を支持する。支持体59の中央部には、円形状に形成され且つ略前後方向を向く中央孔(図示外)が設けられている。以下、支持体59の中央孔の軸線を「軸線A」という。
回転部材51は、正面視で略円形状の板状部材である。回転部材51の中央部には、軸線Aを中心として円形状に形成された中央孔(図示外)が形成されている。回転部材51の中央孔は、装飾体55の中央孔と前方から対向している。回転部材51の前面51Aには、中央孔を跨いで直線状に延びる矩形凹部51Bが形成されている。詳細な説明は後述するが、回転部材51は、軸線Aを中心に回転可能である。揺動部材52は、平板状の部材であり、回転部材51と略前後方向に並ぶ部材である。揺動部材52の前面52Aは略平面状に形成されている。
本例の演出装置30は、装飾体55を上下動させつつ、揺動部材52を、左右方向に延びる後述の軸線E(図8参照)を中心に揺動させ、さらに回転部材51を、軸線Aを中心に回転させる。また、演出装置30は、回転部材51を正面視で時計回りに回転させる場合には、揺動部材52の揺動を規制する一方、回転部材51を正面視で反時計回りに回転させる場合には、回転部材51を正面視で反時計回りに回転させる。尚、軸線Aは、装飾体55の上下動に伴って、変位する。
本例の演出装置30は、上下駆動機構40(図3参照)、揺動支持機構200(図5参照)、および回転支持機構300(図8参照)を備える。上下駆動機構40は、装飾体55を上下動させる機構である。揺動支持機構200は、装飾体55の揺動部材52を、左右方向に延びる後述の軸線E(図8参照)を中心に揺動可能に支持する機構である。回転支持機構300は、装飾体55の回転部材51を、軸線Aを中心として回転可能に支持する機構である。以下、演出装置30が備える上記3つの機構の構成を順に詳説する。
<2−1.上下駆動機構40>
図3に示すように、上下駆動機構40は、支持部材60、支軸72、アーム部材70、モータ62、回転部材81、固定部材90、移動部材110、及び締結部150を備える。
支持部材60は、左右方向に長い正面視で略矩形状の板状部材であり、装飾枠14(図2参照)の下部の後側で固定されている。支軸72は、支持部材60の左端部から前方へ延びる。支軸72は、アーム部材70を回転可能に支持している。アーム部材70は、前後方向と直交する方向に沿って、支軸72から右側へ延びる。モータ62は、支持部材60の左下部に設けられている。モータ62は、回転駆動することによって、アーム部材70を、支軸72を中心に回転させる。
アーム部材70のうち、支軸72から離間する方向の端部である右端部75には、開口部76が設けられている。開口部76は、アーム部材70の長手方向に長い長穴であり、右端部75を前後方向に貫通する。
回転部材81は、開口部76に取り付けられている。回転部材81は、正面視で略円形状の部材である。回転部材81は、右端部75に対して開口部76の長手方向に相対移動可能であると共に、前後方向に延びる軸線(図示外)を中心に回転可能である。回転部材81の外周面には、周方向に亘って延びる歯部である噛合部81Aが形成されている。
固定部材90は、支持部材60の前面のうち、アーム部材70の右端部75の後方となる部位に固定されている。固定部材90は歯部92を備える。歯部92は、支持部材60から前方へ立設すると共に、上下方向に直線状に延びる。歯部92は、回転部材81の噛合部81Aと左側から噛み合う。従って、アーム部材70が支軸72を中心に回転する場合に、回転部材81は、歯部92に沿って上方に移動しながら回転できる。アーム部材70が、支軸72から右下方に延びる回転位置である第一回転位置にある場合(図3参照)、回転部材81は可動範囲の下端位置にある。
移動部材110は、回転部材81の右方に設けられた、正面視で略矩形状の板状体である。移動部材110は、スライドレール105を介して、支持部材60の前面の右部に取り付けられている。これにより、移動部材110は、支持部材60によって上下動可能に支持されている。
移動部材110の左端部には、歯部112が形成されている。歯部112は、上下方向に直線状に延び、回転部材81の噛合部81Aと右側から噛み合う。歯部112が噛合部81Aと噛み合うので、回転部材81の回転及び上下動に伴って、移動部材110は上下動できる。回転部材81が下端位置にある場合、移動部材110は下端位置にある。
締結部150は、移動部材110の上端部に設けられている。図4に示すように、締結部150は、第一板状部材122、軸部材128、および第二板状部材134を備える。第一板状部材122は、図示外の螺子部材を介して、移動部材110の上端部に締結されている。軸部材128は、左右方向に延び、第一板状部材122に固定されている。第二板状部材134は、第一板状部材122に対して前方に設けられ、軸部材128によって支持されている。第二板状部材134は、図示外の螺子部材を介して、支持体59の下部に締結されている。従って、締結部150は、装飾体55を移動部材110に固定し、装飾体55は、移動部材110と一体的に上下動可能となる。以下、移動部材110と装飾体55の可動範囲の夫々の下端位置を単に「下端位置」(図3参照)といい、移動部材110と装飾体55の夫々の可動範囲の上端位置を単に「上端位置」(図10、図11参照)という。装飾体55が下端位置にある場合、装飾体55のうち上端部は、表示面27の下端部と正面視で重なる(図2参照)。装飾体55が上端位置にある場合、装飾体55の略全体は、表示面27の下部と正面視で重なる(図2参照)。
上記構成を有する上下駆動機構40が装飾体55を上下動させる動作の概要は、以下の通りである。モータ62が回転駆動すると、第一回転位置にあったアーム部材70は、支軸72を中心に正面視で反時計回り(図3の矢印P方向)に回転する。アーム部材70の回転に伴って、開口部76の内壁面は、回転部材81を上方に付勢すると共に、回転部材81に対してアーム部材70の長手方向に相対移動する。これにより、回転部材81は、前後方向に延びる軸線(図示外)を中心に正面視で反時計回り(図3の矢印Q方向)に回転しながら、上方に直線移動する。
回転部材81が直線移動しながら回転移動することで、移動部材110と装飾体55は、下端位置から上方に直線移動する。移動部材110と装飾体55の夫々の直線移動量は、回転部材81の直線移動量と回転部材81の回転移動量との合計値となる。従って、移動部材110と装飾体55の夫々の直線移動量は、増大する。
<2−2.揺動支持機構200>
図4に示すように、揺動支持機構200は、支持体59の後面の上部に設けられる。揺動支持機構200は、動力伝達部270および支持部240を備える。動力伝達部270は、支持体59の後面の左上部に設けられた装飾体モータ202の駆動力を、揺動部材52(図3参照)に伝達する。装飾体モータ202の駆動軸(図示外)には、モータギヤ202Aが固定されている。支持部240は、揺動部材52を、左右方向に延びる後述の軸線Eを中心に揺動可能に支持する。
<2−2−1.動力伝達部270>
図5〜図7を参照し、動力伝達部270の構成を説明する。尚、図5では、後述のカムギヤ280を支軸59Aから取り外した動力伝達部270の斜視図を図示する。図5に示すように、動力伝達部270は、連結ギヤ271、中間ギヤ273、ギヤ部材275、二つの小ギヤ277、およびカムギヤ280を備える。
連結ギヤ271は、装飾体モータ202のモータギヤ202Aと連結するギヤである。中間ギヤ273は、連結ギヤ271と連結するギヤであり、軸線Aを中心に回転可能である。中間ギヤ273の外周面には、回転方向に亘って延びる歯部273Aが形成されている。歯部273Aは連結ギヤ271と噛み合う。中間ギヤ273の中央部には、円形孔273B(図8参照)が形成されている。円形孔273Bは、軸線Aを中心とした円形状であり、略前後方向を向く。円形孔273Bは、支持体59の上述した中央孔(図示外)と後方から対向する。以下、軸線Aを中心とした背面視で時計回り方向を、第一回転方向といい、第一回転方向とは反対方向を第二回転方向という。第一回転方向は、図7の矢印M1が向く方向である。第二回転方向は、図7の矢印M2が向く方向である。
ギヤ部材275は、支持体59のうち中間ギヤ273よりも左斜め上方にある部位から後方に突出する支軸59Aによって、回転可能に支持されている。ギヤ部材275は、支軸59Aの軸線である軸線Cを中心に、回転可能である。軸線Cは略前後方向に延びる。以下、軸線Cを中心とした背面視で反時計回り方向を「第一方向」といい、第一方向とは反対方向を「第二方向」といい、第一方向と第二方向を総称する場合には「駆動ギヤ回転方向」という。第一方向は、図6、図7で示す矢印A1が向く方向である。第二方向は、図6、図7で示す矢印A2が向く方向である。
図6に示すように、ギヤ部材275は、前壁部275A、歯部275B、二つの内側壁部275C、二つの第一延設部275D、二つの第二延設部275E、および二つの突出部275Fを備える。前壁部275Aは、ギヤ部材275の前端部を形成する。前壁部275Aの中央部には、支軸59Aが挿通される挿通孔275Gが形成されている。歯部275Bは、前壁部275Aの周端部から後方に立設し、駆動ギヤ回転方向に亘って延びる。歯部275Bは中間ギヤ273の歯部273A(図5参照)と噛み合う。従って、ギヤ部材275は、装飾体モータ202の回転駆動力を、中間ギヤ273から伝達される。本例では、歯部275Bと歯部273Aは、互いに同じ歯数である。つまり、ギヤ部材275の外径は、中間ギヤ273の外径と同じである。二つの内側壁部275Cは、前壁部275Aのうち、歯部275Bと挿通孔275Gの間にある部位から、後方へ立設する壁部である。二つの内側壁部275Cは、駆動ギヤ回転方向に沿って延びる。二つの内側壁部275Cは、挿通孔275Gを挟んで対向している。
二つの第一延設部275Dは、夫々、二つの内側壁部275Cの第二方向の端部から、歯部275Bまで略直線状に延びる壁部である。一方、二つの第二延設部275Eは、夫々、二つの内側壁部275Cの第一方向の端部から、歯部275Bまで略直線状に延びる壁部である。第一延設部275Dの延設方向と、第二延設部275Eの延設方向は、いずれも駆動ギヤ回転方向と交差する。本例では、二つの第一延設部275Dと二つの第二延設部275Eは、いずれも、前壁部275Aと接続している。二つの突出部275Fは、夫々、第二延設部275Eの軸線Cに接近する側の端部から、第一方向へ突出する。
尚、二つの内側壁部275Cの一方に設けられた第一延設部275Dは、二つの内側壁部275Cの他方に設けられた第二延設部275Eと、駆動ギヤ回転方向に沿って、隙間276を挟んで対向している。即ち、ギヤ部材275の内側には、二つの隙間276が形成されている。隙間276は、軸線Cに対して対称となる位置に設けられている。
二つの小ギヤ277は、夫々、二つの隙間276に配置されている。即ち、二つの小ギヤ277は、駆動ギヤ回転方向に沿って互いに等間隔に配置されている。二つの小ギヤ277は、略前後方向に延びる軸線Dを中心に回転可能であると共に、軸線Cを中心に回転移動可能である。軸線Dは、小ギヤ277の軸線Cを中心とした回転移動に伴って、変位する。小ギヤ277の外径は、突出部275Fの先端部から第一方向に沿って第一延設部275Dに至る最短距離よりも短い。小ギヤ277の外周面には、歯部277Aが周方向に亘って形成されている。つまり、歯部277Aは、軸線Dを中心とした回転方向に沿って延びる。歯部277Aを形成する各歯のうち、周方向に沿って互いに隣接する二つの歯の間には、突出部275Fが進入することが可能である。これにより、突出部275Fは歯部277Aに噛み込み、小ギヤ277の軸線Dを中心とした回転を規制することが可能である。「噛み込み」は、「係合」の一例である。
ギヤ部材275の内側には、収容部299が形成されている。収容部299は、前壁部275Aと、二つの内側壁部275Cとによって囲まれる空間である。
図7に示すように、カムギヤ280は、軸線Cに沿って延びる略円筒状であり、支軸59A(図5参照)によって回転可能に支持される。カムギヤ280の回転中心となる軸線は、ギヤ部材275の回転中心となる軸線と一致する。カムギヤ280の前部の外周面には、歯部281が形成されている。歯部281は、駆動ギヤ回転方向に亘って延びる凹凸部である。歯部281は、収容部299に収容されており、二つの小ギヤ277の夫々の歯部277Aに対して軸線C側から噛み合っている(図6参照)。言い換えると、歯部281は、軸線Cと直交する方向のうち一方側から、歯部277Aと接触している。
カムギヤ280の外周面の略前後方向の中心には、鍔部282が周方向に亘って形成されている。鍔部282は、二つの小ギヤ277と後方から対向している(図5参照)。つまり、鍔部282は、二つの小ギヤ277の後方への変位を規制している。
カムギヤ280の後端面には、二つのカム面285が形成されている。二つのカム面285は、駆動ギヤ回転方向に沿って並び、背面視で円環状をなす。つまり、二つのカム面285のうち、一方のカム面285の第二方向の端部は、他方のカム面285の第一方向の端部と接続する。
各カム面285は、第一カム面285A、第二カム面285B、第三カム面285C、第四カム面285D、および第五カム面285Eを含む。第一カム面285Aは、駆動ギヤ回転方向と平行に延びる。第二カム面285Bは、第一カム面285Aの第二方向の端から、第二方向に沿って後側へ延びる。第二カム面285Bの第二方向の端部は、第一カム面285Aよりも後側に配置されている。第三カム面285Cは、第二カム面285Bの第二方向の端から、第二方向に沿って前側へ延びる。第四カム面285Dは、第三カム面285Cの第二方向の端から、第二方向に沿って延びる。第四カム面285Dは、第一カム面285Aよりも前側に配置されている。第五カム面285Eは、第四カム面285Dの第二方向の端から、第二方向に沿って後側へ延びる。第五カム面285Eの第二方向の端部は、もう一方のカム面285が含む第一カム面285Aの、第一方向の端部と接続する。
<2−2−2.支持部240>
図8に示すように、支持部240は、支持壁部242,244、装飾体支持部246、連結部248、センサ253(図4参照)を備える。支持壁部242,244は、中間ギヤ273を挟んで対向する位置にて、支持体59(図5参照)から後方へ立設する壁部である。支持壁部242,244は、側面視で略矩形状であり、左右方向に沿って左側から順に配置されている。支持壁部242,244の前後方向略中央部には、夫々、円形状の支持孔243が形成されている。尚、図8では、二つの支持孔243のうち、支持壁部244の支持孔243を図示する。以下、二つの支持孔243の中心を通過して左右方向に延びる軸線を軸線Eという。
装飾体支持部246は、架設部247、延設部249、および摺動部250を備える。架設部247は、中間ギヤ273の後側で支持壁部242,244を掛け渡す、背面視で略矩形状の壁部である。架設部247の左右方向の両端部には、夫々、軸部247Aが形成されている。軸部247Aは左右方向に延びる。各軸部247Aが各支持孔243に挿入されることで、装飾体支持部246は、軸線Eを中心に揺動可能である。架設部247の左右方向の中央部には、軸線Aを中心として円形状に形成された挿通孔(図示外)が形成されている。延設部249は、架設部247の上端部のうち、左右方向の中央部から上側へ延びる。摺動部250は、延設部249の上端部から、左方へ延びる円柱体である。本例では、摺動部250は、軸線Eを中心に前側又は後側に向けて揺動可能である。摺動部250は、カムギヤ280のカム面285(図7参照)に対して後方から接触している(図4参照)。
連結部248は、支持体59の上述した中央孔(図示外)と、回転部材51の上述した中央孔(図示外)とを通過して、揺動部材52と架設部247の間を略前後方向に延びる円柱体である。本例の連結部248は、揺動部材52の後面と一体的に形成されている。連結部248の後端部には、後方を向く締結穴(図示略)が形成されている。ネジ241が、架設部247の上述した挿通孔に挿通されて、連結部248の締結穴に締結されている。つまり、連結部248は、揺動部材52と架設部247を連結しており、揺動部材52は、装飾体支持部246によって、軸線Eを中心に揺動可能に支持されている。
揺動部材52は架設部247よりも前方に位置する。従って、揺動部材52の自重によって、架設部247は、軸線Eを中心に右側面視で反時計回り(図8で示す矢印V方向)に付勢されている。架設部247は、摺動部250がカム面285と接触することで、軸線Eを中心とした揺動を規制されている。尚、摺動部250はカム面285(図7参照)に向けて押圧されている。従って、カムギヤ280が軸線Cを中心にいずれの方向に付勢される場合であっても、カムギヤ280が付勢される方向とは反対方向を向く摩擦力が、摺動部250とカム面285との間で生じる。
図4に示すように、センサ253は、支持体59のうち、支持壁部244の左方且つ架設部247の下方となる部位に設けられている。本例のセンサ253は、透過型のセンサである。センサ253は、架設部247の右端部の下部から下側へ突出する被検知板(図示外)を検知する。本例の被検知板は、架設部247と一体的に形成されており、軸線Eを中心に揺動部材52と一体的に揺動可能である。センサ253が被検知板を検知する場合、揺動部材52は、中間揺動位置(図10、図11等参照)にある。中間揺動位置は、揺動部材52の後面が、回転部材51の前面51Aと略平行になる揺動部材52の揺動位置である。摺動部250が第一カム面285Aと接触する場合に、揺動部材52は中間揺動位置にある。
<2−2−3.揺動部材52の揺動動作の概要>
装飾体モータ202と連結する揺動支持機構200が上記構成を有することで、揺動部材52は、中間揺動位置から以下のように揺動する。
図5に示すように、装飾体モータ202は、モータギヤ202Aを、背面視で時計回りである第一特定方向(矢印B1方向)に回転させる。装飾体モータ202の回転駆動力は、連結ギヤ271を介して中間ギヤ273に伝達される。中間ギヤ273は、第一回転方向(矢印M1方向)に回転する。中間ギヤ273の回転に伴い、ギヤ部材275は第一方向(図12の矢印A1方向)に回転する。二つの突出部275Fは、夫々、二つの歯部277Aと噛み込む(図12参照)。
ギヤ部材275が更に第一方向に回転することで、第二延設部275Eは、突出部275Fを介して、小ギヤ277を第一方向に付勢する。二つの小ギヤ277は、夫々、軸線Dを中心とした回転が規制された状態で、ギヤ部材275と共に第一方向に回転移動する。歯部277Aがカムギヤ280の歯部281と噛み合っているので、二つの小ギヤ277は、カムギヤ280(図5参照)を第一方向に回転させる。カムギヤ280は、摺動部250とカム面285との間に生じる摩擦力に抗って、第一方向に回転する。
第一方向に回転するカム面285は、摺動部250に対して摺動する。より詳細には、第一カム面285A、第二カム面285B、第三カム面285C、第四カム面285D、および第五カム面285Eは、順に、摺動部250に対して摺動する。摺動部250とカム面285との接触位置は、前後方向に変位するので、装飾体支持部246は軸線Eを中心に揺動する。中間揺動位置にあった揺動部材52は、装飾体支持部246と共に、軸線Eを中心に揺動する。これにより、揺動部材52の前面52A(図3参照)が向く方向は、変化する。
一方、装飾体モータ202がモータギヤ202Aを、第一特定方向とは反対方向である第二特定方向(図5の矢印B2方向)に回転させると、中間ギヤ273は、第二回転方向(図5の矢印M2方向)に回転する。中間ギヤ273の回転に伴い、ギヤ部材275は第二方向(図9の矢印A2方向)に回転する。突出部275Fは歯部275Bから第二方向に離間し(図9参照)、二つの小ギヤ277は、いずれも、軸線Dを中心に回転可能な状態となる。ギヤ部材275が更に第二方向に回転することで、第一延設部275Dは、小ギヤ277に対して接触して第二方向に付勢する。二つの小ギヤ277は、夫々、第二方向に回転移動する。つまり、ギヤ部材275は小ギヤ277を回転させる駆動ギヤとして機能する。
この場合、第二方向へ回転移動する小ギヤ277によって、カムギヤ280の歯部281は、第二方向を向く力を受ける。しかしながら、カムギヤ280は、摺動部250がカム面285に押圧されることで生じる摩擦力によって、第二方向へは回転せずに静止した状態を維持する。換言すると、小ギヤ277が第二方向に回転移動する場合では、カムギヤ280が小ギヤ277から受ける力に応じて、摺動部250(図5参照)とカム面285(図5参照)との間で第一方向の側を向く摩擦力が生じ、カムギヤ280の第二方向への回転を規制する。つまり、小ギヤ277が第二方向に回転移動する場合において、摺動部250とカム面285は、カムギヤ280に対して第一方向の側を向く力を付与する付与手段として機能する。カムギヤ280が第二方向へ回転することなく静止したままであるので、二つの小ギヤ277は、第二方向に回転移動する場合、軸線Dを中心に回転し、歯部281に対して転動する。
<2−3.回転支持機構300>
図8に示すように、回転支持機構300は、支持体59(図5参照)の後面に設けられる。中間ギヤ273、二つの係合部305、一対の被検知部310、およびセンサ315を備える。尚、図8では、二つの係合部305の一方のみを図示する。中間ギヤ273は、上述した揺動支持機構200が備える、軸線Aを中心に回転可能な回転体である。つまり、中間ギヤ273は、揺動支持機構200と回転支持機構300とによって兼用される回転体である。
二つの係合部305は、軸線Aを挟んで対向する位置で中間ギヤ273に設けられた一対の爪部である。二つの係合部305は、中間ギヤ273の円形孔273Bを取り囲む内周面から、前方へ向けて延びる。二つの係合部305は、回転部材51(図3参照)の上述した中央孔(図示外)に挿通され、中央孔を取り囲む内周面に対して内側から係合する。これにより、係合部305は、中間ギヤ273と回転部材51を連結し、中間ギヤ273は回転部材51を支持する。従って、係合部305、中間ギヤ273、および回転部材51は、装飾体モータ202の回転駆動に伴い、軸線Aを中心に一体的に回転可能となる。換言すると、中間ギヤ273は、装飾体モータ202の回転駆動に伴い、回転部材51を、軸線Aを中心に回転させることが可能となる。尚、二つの係合部305の間には、上述した連結部248が配置されている。
一対の被検知部310は、軸線Aを挟んで対向する位置に配置された板状体であり、中間ギヤ273の歯部273Aから軸線Aとは離間する方向へ突出している。本例の被検知部310は、中間ギヤ273と一体的に形成されている。
センサ315は、中間ギヤ273に対して左下方となる位置で、支持体59(図4参照)に取り付けられている。本例のセンサ315は透過型のセンサである。センサ315は、一対の被検知部310のうち、所定回転位置にあるいずれか一方の被検知部310を検知可能である。本例の所定回転位置は、軸線Aの真下にある位置から、第二回転方向(矢印M2方向)に略45°変位した位置である(図8参照)。
本例では、センサ315が所定回転位置にある被検知部310を検知したとき、回転部材51は、初期回転位置(図3、図10参照)にある。初期回転位置は、矩形凹部51Bが正面視で左斜め上方から右斜め下方へ延びる回転部材51の回転位置である。尚、本例では、中間ギヤ273の回転位置に応じて、揺動部材52(図3参照)は所定の揺動位置にある。回転部材51が初期回転位置にある場合、カムギヤ280の第一カム面285A(図7参照)が摺動部250と接触し、揺動部材52は中間揺動位置にある。
上記構成を有する回転支持機構300の動作概要は、以下の通りである。図5に示すように、装飾体モータ202がモータギヤ202Aを第一特定方向(矢印B1方向)に回転させると、中間ギヤ273は、第一回転方向(矢印M1方向)に回転する。回転部材51は、中間ギヤ273と一体的に、第一回転方向に回転する。一方、装飾体モータ202がモータギヤ202Aを第二特定方向(矢印B2方向)に回転させると、回転部材51は、中間ギヤ273と一体的に、第二回転方向(矢印M2方向)に回転する。
<3.演出装置30の動作>
図3、図5、図9〜図14を参照し、演出装置30が装飾体55を変位させる動作を説明する。本例の演出装置30は、装飾体55を可動させる動作として、第一動作および第二動作等を実行する。第一動作は、装飾体55が下端位置と上端位置との間を移動する場合に、揺動部材52を中間揺動位置に位置させた状態で、回転部材51を回転させる演出装置30の動作である。第二動作は、第一動作に加えて、揺動部材52を揺動させる演出装置30の動作である。
<3−1.演出装置30の第一動作>
図3、図5、図9、図10を参照し、演出装置30の第一動作を説明する。動作前の演出装置30は、初期状態である。初期状態とは、装飾体55が下端位置に位置し、回転部材51が初期回転位置に位置し、さらに揺動部材52が中間揺動位置に位置する演出装置30の状態である。
図3に示すように、上下駆動機構40のモータ62の回転駆動に伴って、第一回転位置にあったアーム部材70は、支軸72を中心に正面視で反時計回り(矢印P方向)に回転し、移動部材110は、下端位置から上方に移動する。
図5に示すように、モータ62(図3参照)の回転駆動と同時に、装飾体モータ202は、モータギヤ202Aを第二特定方向(矢印B2方向)に回転駆動する。モータギヤ202Aの回転に伴って、回転部材51は、中間ギヤ273と共に、第二回転方向 (矢印M2方向)に回転する。
中間ギヤ273は、モータギヤ202Aの第二特定方向への回転駆動力を、ギヤ部材275に伝達する。ギヤ部材275は、第二方向(図9に示す矢印A2方向)に回転する。図9に示すように、二つの第一延設部275Dは、夫々、二つの小ギヤ277に対して接触して第二方向に付勢する。二つの小ギヤ277は、歯部281に対して転動しながら、軸線Cを中心に第二方向に回転移動する。カムギヤ280は回転しないので、揺動部材52は中間揺動位置に位置する状態を維持する。従って、回転部材51(図3参照)が第二方向に回転し、且つ揺動部材52(図3参照)が中間揺動位置にある状態で、装飾体55は、下端位置から上方に移動する。
アーム部材70が、支軸72から右上方に延びる回転位置である第二回転位置(図11参照)まで回転すると、モータ62は回転駆動を停止する。回転部材81および移動部材110は、上端位置にて上方への移動を停止する。モータ62が回転駆動を停止した後も、装飾体モータ202は継続して回転駆動する。従って、装飾体55が上端位置まで移動した後も、回転部材51は第二方向(矢印M2方向)に継続して回転する(図10、図11参照)。
装飾体55が上端位置まで移動してから所定時間が経過した後、モータ62は、装飾体55の上昇時とは反対方向に回転駆動する。これにより、第二回転位置にあったアーム部材70は、支軸72を中心に正面視で時計回り(図10の矢印S方向)に回転する。回転部材81は、正面視で時計回りに回転しながら、上端位置から下方へ移動する。移動部材110および装飾体55は、いずれも上端位置から下方へ移動する。
装飾体55が上端位置から下方へ移動する場合も、装飾体モータ202は継続して回転駆動する。これにより、装飾体55が下方に移動する場合も、回転部材51は第二回転方向に継続して回転し、揺動部材52は中間揺動位置にある状態を維持する。
アーム部材70が第一回転位置(図3参照)まで回転すると、回転部材81、移動部材110、および装飾体55は、いずれも下端位置まで移動し、モータ62は回転駆動を停止する。装飾体55は下端位置にて停止する。また、センサ315が、一対の被検知部310の一方を検知したとき、装飾体モータ202は回転駆動を停止する。これにより、回転部材51は初期回転位置にて停止する。演出装置30は、初期状態に戻り、第一動作を終了する。
<3−2.演出装置30の第二動作>
図3、図5、図8、図12〜図14を参照し、演出装置30の第二動作を説明する。第二動作を実行する前の演出装置30は、初期状態である。以下の説明では、第一動作と同様の装飾体55の動作を簡略化して説明する。尚、図13では、カム面285をカムギヤ280の回転方向に沿って展開した図を、摺動部250と共に模式的に図示する。また、図13(a)で示す摺動部250の前後位置は、図14(a)で示す揺動部材52の揺動位置に対応する。同様に、図13(b)は図14(b)に、図13(c)は図14(c)に、図13(d)は図14(d)に夫々対応する。
図3、図5に示すように、上下駆動機構40のモータ62が、移動部材110を下端位置から上方へ移動させることで、装飾体55は下端位置から上方へ移動する。同時に、装飾体モータ202がモータギヤ202Aを第一特定方向(図5の矢印B1方向)に回転駆動する。装飾体モータ202の回転駆動に伴い、回転部材51は、中間ギヤ273と共に、第一回転方向(図5で示す矢印M1方向)に回転する。中間ギヤ273は、モータギヤ202Aの第一特定方向への回転駆動力を、ギヤ部材275に伝達する。
図12に示すように、ギヤ部材275は、第一方向(矢印A1方向)に回転する。突出部275Fが小ギヤ277の歯部277Aと噛み込んだ状態で、第二延設部275Eは、小ギヤ277を第一方向に付勢する。二つの小ギヤ277は、カムギヤ280を第一方向に回転させる。これにより、カム面285(図7参照)は第一方向に回転し、揺動部材52(図8参照)は軸線Eを中心に揺動する。
図8、図13、図14を参照し、揺動部材52の揺動動作を詳説する。摺動部250は、第一カム面285A、第二カム面285B、第三カム面285C、第四カム面285D、および第五カム面285Eに対して順に摺動する。この場合、摺動部250は、揺動部材52の自重によって、カム面285に押圧されている。よって、摺動部250は、第一方向に回転するカム面285に対して、離間することなく安定して摺動できる。
摺動部250が第一カム面285Aに対して摺動する間(図13(a)参照)、摺動部250とカム面285の接触位置は、前後方向に変位しないので、揺動部材52は中間揺動位置に位置する(図14(a)参照)。
摺動部250が、第一カム面285Aに次いで第二カム面285Bに対して摺動する間(図示外)、摺動部250とカム面285との接触位置は、後方に変位する。これにより、揺動部材52(図8参照)は、軸線Eを中心に右側面視で反時計回り(図8の矢印W方向)に、中間揺動位置から揺動する。
摺動部250が、第二カム面285Bに次いで第三カム面285Cの第一方向の端と摺動したとき(図13(b)参照)、揺動部材52は第一揺動位置(図14(b)参照)まで移動する。第一揺動位置は、軸線Eを中心とした揺動範囲のうち、右側面視で時計回り側の端の位置である。揺動部材52が第一揺動位置にある場合、揺動部材52の前面52Aは、回転部材51の前面51Aが向く方向よりも上側を向く。また、揺動部材52が第一揺動位置にある場合、摺動部250は可動範囲の後端位置にある。
摺動部250が第三カム面285Cに対して摺動する間(図13(b)参照)、摺動部250とカム面285との接触位置は前方に変位する。これにより、揺動部材52は、軸線Eを中心に右側面視で反時計回り(図8で示す矢印V方向)に揺動する。揺動部材52は、第一揺動位置から中間揺動位置を経由して、第二揺動位置(図14(c)参照)まで揺動する。第二揺動位置は、軸線Eを中心とした揺動範囲のうち、右側面視で反時計回り側の端の位置である。揺動部材52が第二揺動位置にある場合、揺動部材52の前面52Aの向く方向は、回転部材51の前面51Aが向く方向よりも、下側を向く。また、揺動部材52が第一揺動位置にある場合、摺動部250は可動範囲の前端位置にある。
摺動部250が、第三カム面285Cに次いで第四カム面285Dに対して摺動する間(図13(c)参照)、摺動部250とカム面285との接触部は前後方向に変位しない。これにより、揺動部材52は第二揺動位置に位置する状態を維持する。
摺動部250が、第四カム面285Dに次いで第五カム面285Eに対して摺動する間(図示外)、摺動部250とカム面285との接触位置は後方に変位する。これにより、揺動部材52は、軸線Eを中心に右側面視で時計回り(図8の矢印W方向)に、第二揺動位置から揺動する。摺動部250が、第五カム面285Eに次いで、再び第一カム面285Aに対して摺動することで、揺動部材52は中間揺動位置まで戻る。
従って、摺動部250が、カムギヤ280に形成された二つのカム面285の一方と摺動する間に、揺動部材52は、中間揺動位置から、第一揺動位置と第二揺動位置を順に経由して、中間揺動位置まで戻る。摺動部250が、カムギヤ280の二つのカム面285に対して摺動することで、揺動部材52は、第一揺動位置と第二揺動位置との間を繰り返し揺動し、正面視で上下動する。
図14に示すように、装飾体55が下端位置から上端位置まで移動すると、モータ62(図3参照)は回転駆動を停止し、装飾体モータ202(図5参照)は継続して回転駆動する。装飾体55が上端位置にある状態で、回転部材51は第一回転方向(矢印M1方向)に回転し、揺動部材52は、第一揺動位置と第二揺動位置との間を往復揺動する。
装飾体55が上端位置まで移動してから所定時間が経過した後、モータ62が回転駆動し、装飾体55は、上端位置から下方へ移動する。装飾体55が下方へ移動する間、回転部材51は継続して回転し、揺動部材52も継続して往復揺動する。装飾体55が下端位置まで移動した後、モータ62と装飾体モータ202は回転駆動を停止する。演出装置30は、初期状態に戻り、第二動作を停止する。
本例のパチンコ機1では、大当たりの判定がなされたときに第一動作が実行され、報知後の大当たり遊技中に第二動作が実行される。演出装置30は、第一動作と第二動作を順に実行することによって、大当たり判定がなされた後も、継続して遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。
<4.本開示の作用・効果の一例>
以上、説明したように、装飾体モータ202がモータギヤ202Aを第一特定方向に回転駆動すると、ギヤ部材275は第一方向に回転する。二つの小ギヤ277は、軸線Cを中心とした回転が規制された状態で、第一方向に回転移動する。これにより、二つの中間ギヤ273は、カムギヤ280を回転させ、揺動部材52は、第一揺動位置と第二揺動位置との間を揺動する。一方、装飾体モータ202がモータギヤ202Aを第二特定方向に回転駆動すると、ギヤ部材275は第二方向に回転する。二つの小ギヤ277は、第二方向に回転移動する。この場合、カムギヤ280は回転しないので、第二方向に回転移動する小ギヤ277は、歯部281に対して転動する。ギヤ部材275が回転する方向によって、二つの小ギヤ277は、異なる動作をする。よって、小ギヤ277の動きを多様化した演出装置30が実現される。
小ギヤ277の動きが多様化することで、動力伝達部270は、装飾体モータ202の回転駆動力がカムギヤ280に伝達することが許容される状態と、装飾体モータ202の回転駆動力がカムギヤ280に伝達することが規制される状態とに切り替わる。言い換えると、小ギヤ277の動きが多様化することで、演出装置30は、揺動部材52が揺動することを許容する状態と、揺動部材52が揺動することを規制する状態とに切り替わる。これにより、演出装置30は、揺動部材52が揺動する動作と、揺動部材52が揺動しない動作とに切り替わることができる。従って、装飾体55の動きは多彩になる。よって、演出装置30は、装飾体55を変位させる場合の演出効果を高めることができる。
また、装飾体モータ202がモータギヤ202Aを回転駆動させる方向に応じて、回転部材51は軸線Aを中心に回転する。つまり、装飾体モータ202がモータギヤ202Aを回転駆動させる方向に応じて、演出装置30は、回転部材51が回転し且つ揺動部材52が揺動する状態と、回転部材51が回転し且つ揺動部材52が揺動しない状態とに切り替わる。装飾体モータ202が回転駆動する方向に応じて、装飾体55の動作の仕方は、大きく異なる。よって、演出装置30は、装飾体55を変位させる場合の演出効果を更に高めることができる。
突出部275Fが歯部277Aに噛み込むだけで、小ギヤ277は、軸線Dを中心とした回転が規制された状態になる。よって、演出装置30は、小ギヤ277の回転を規制する機構を簡易化できる。
ギヤ部材275が第二方向に回転する場合、小ギヤ277は、歯部281と接触しながら第二方向に回転移動する。この場合、カムギヤ280は、第二方向への回転が規制されるので、歯部281と接触する小ギヤ277は、軸線Dを中心に回転しながら第二方向に回転移動する。一方、ギヤ部材275が第一方向に回転する場合、小ギヤ277は、軸線Dを中心とした回転が規制され且つ歯部281と接触した状態で、第一方向に回転移動する。これにより、カムギヤ280は、摺動部250とカム面285の間に生じる摩擦力に抗って、第一方向に回転する。つまり、演出装置30は、カムギヤ280の回転が許容される状態と、カムギヤ280の回転が規制される状態とを切り替えることで、揺動部材52の揺動が許容される状態と、揺動部材52の揺動が規制される状態とに切り替えることができる。よって、演出装置30は、小ギヤ277の動作状態に応じてカムギヤ280の回転動作を制御し、揺動部材52に揺動動作をさせることができる。
また、小ギヤ277の動作状態に応じて、カムギヤ280の回転が許容される状態と、カムギヤ280の回転が規制される状態とに切り替わるので、装飾体モータ202の駆動力の伝達方法が多様化する。本例では、カムギヤ280には、装飾体支持部246を介して揺動部材52が連結しており、カムギヤ280の第一方向への回転に伴って、揺動部材52は揺動する。よって、演出装置30は、ギヤ部材275から小ギヤ277に伝達される回転力を、揺動部材52の揺動動作に変換できる。
歯部277Aは、軸線Dを中心とした回転方向と平行に延び、歯部281は、駆動ギヤ回転方向と平行に延びる。ギヤ部材275が第二方向に回転する場合に、歯部277Aを形成する各歯が一つずつ、歯部281を形成する各歯に接触し、小ギヤ277はカムギヤ280に対して転動する。よって、小ギヤ277から歯部281に与える負荷は、大きくなりにくい。よって、演出装置30は、ギヤ部材275を安定して第二方向に回転させることができる。
突出部275Fは、第二延設部275Eから突出するだけで、小ギヤ277の歯部277Aと噛み込むことができる。よって、演出装置30は、小ギヤ277の回転を規制する機構を簡易化できる。
第一延設部275Dと第二延設部275Eは、小ギヤ277を挟んで対向する。組立作業者が、第一延設部275Dと第二延設部275Eとの間に形成された隙間276に、小ギヤ277を収容させるだけで、小ギヤ277は、ギヤ部材275の回転に伴って、軸線Cを中心に回転移動可能となる。よって、演出装置30は、小ギヤ277の組立性を向上できる。
小ギヤ277は、駆動ギヤ回転方向に沿って等間隔に二つ配置される。従って、ギヤ部材275から各小ギヤ277に伝達される回転力が分散される。従って、各小ギヤ277に加わる負荷が低減するので、演出装置30は長寿命化できる。
演出装置30は、ギヤ部材275を回転させる装飾体モータ202を備える。従って、演出装置30は、ギヤ部材275が回転を開始するタイミング、ギヤ部材275が回転する時間及び方向を、精度良く制御できる。よって、演出装置30は、ギヤ部材275の回転を安定化できる。演出装置30は、ギヤ部材275の回転を安定化することで、揺動部材52の揺動を安定化できる。
カムギヤ280の歯部281は、小ギヤ277の歯部277Aに対して、軸線C側から噛み合う。即ち、小ギヤ277は、歯部281に対して軸線Cとは反対側から噛み合う。小ギヤ277は、軸線Cに対して歯部281よりも離間する。従って、第一方向に回転移動する小ギヤ277は、カムギヤ280を第一方向に回転させ易い。よって、演出装置30は、ギヤ部材275の第一方向への回転力を、カムギヤ280に効率良く伝達できる。本例では、装飾体モータ202がギヤ部材275を回転させるので、演出装置30は、省電力化を実現できる。
摺動部250がカム面285に対して押圧される構成によって、小ギヤ277が第二方向に回転移動する場合において第一方向の側を向く摩擦力が発生する。摩擦力が発生すると、カムギヤ280の第一方向への回転は規制される。よって、演出装置30は、カムギヤ280に対して第一方向の側を向く力を付与する手段である付与手段の構成を、簡易化できる。
第一回転方向に回転するカム面285に対して摺動部250が摺動することで、装飾体支持部246は、軸線Eを中心に揺動する。よって、演出装置30は、ギヤ部材275の回転力を、装飾体支持部246の揺動力に変換できる。
摺動部250は、揺動部材52の自重によって、カム面285に押圧される。従って、摺動部250は、回転するカム面285に対して安定して摺動できる。よって、演出装置30は揺動部材52を安定して揺動させることができる。
回転支持機構300と揺動支持機構200が兼用する中間ギヤ273は、装飾体モータ202と連結する。つまり、回転支持機構300と揺動支持機構200は、駆動源である装飾体モータ202を兼用する。演出装置30は、回転支持機構300と揺動支持機構200の駆動源の個数を低減できる。よって、演出装置30は、装飾体55を変位させる機構を簡易化できる。
カムギヤ280は、二つのカム面285を含み、第二カム面285Bと第三カム面285Cは、第二方向に沿って交互に配置されている。これにより、カムギヤ280が一回転する間に、揺動部材52は二回、往復揺動する。従って、揺動部材52の揺動動作は、高速化する。よって、演出装置30は、装飾体55を変位させる場合の演出効果を更に高めることができる。
上記実施形態において、パチンコ機1は本発明の「遊技機」の一例である。ギヤ部材275は本発明の「第一回転部材」の一例である。小ギヤ277は本発明の「動作部材」、「第一ギヤ部材」の一例である。カムギヤ280は本発明の「第二回転部材」、「第二ギヤ部材」の一例である。歯部277Aは本発明の「第一係合部」、「第一歯部」の一例である。歯部281は本発明の「凹凸部」、「第二歯部」の一例である。突出部275Fは本発明の「第二係合部」の一例である。摺動部250、カム面285、及び装飾体支持部246は、本発明の「付与手段」の一例である。所定方向は本発明の「略前後方向」の一例である。軸線Cは本発明の「第一軸線」の一例である。軸線Dは本発明の「第二軸線」の一例である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。小ギヤ277によって回転させられる回転部材は、カムギヤ280であることに限定されない。例えば、小ギヤ277によって回転される回転部材は、略前後方向に沿って延びるギヤであってもよい。この場合、小ギヤ277によってギヤが回転させられることで、装飾体モータ202の回転駆動力が、例えば回転装飾体等の他の部材に伝達される構成であってもよい。
摺動部250は、揺動部材52の自重によって、カム面285に押圧されていることに限定されない。例えば、装飾体支持部246の延設部249と、支持体59の後面との間に、僅かに圧縮された圧縮バネが配置されてもよい。この場合、摺動部250が、カム面285に対して押圧されない程度に接触し、摺動部250とカム面285との間で発生する摩擦力は、上記実施形態に比べ大きく低減する。小ギヤ277が第二方向に回転移動する場合では、例えば、支軸59Aとカムギヤ280との間で発生する摩擦力が第一方向の側を向くことで、カムギヤ280は第二方向への回転が規制されてもよい。この場合であっても、小ギヤ277は歯部281に対して転動できる。つまり、小ギヤ277が第二方向に回転移動する場合において、カムギヤ280のうち支軸59Aと接触する部位と、支軸59Aとが、カムギヤ280に対して第一方向の側を向く力を付与する付与手段として機能してもよい。
小ギヤ277は、ギヤ部材275に二つ取り付けられていることに限定されない。例えば、小ギヤ277は、一つだけギヤ部材275に取り付けられてもよいし、三つ以上取り付けられてもよい。小ギヤ277が三つ以上取り付けられる場合、駆動ギヤ回転方向に沿って等間隔に配置されてもよいし、等間隔に配置されなくてもよい。
突出部275Fは第二延設部275Eに設けられることに限定されない。突出部275Fは、第一延設部275Dから第二方向に突出していてもよい。この場合、ギヤ部材275が第二方向に回転すると、突出部275Fが歯部277Aに噛み込み、小ギヤ277の軸線Dを中心とした回転は規制される。
カムギヤ280に形成されるカム面285は、二つであることに限定されない。カム面285は一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。例えば、カム面285が一つしか形成されていない場合、第二カム面285Bと第三カム面285Cは、駆動ギヤ回転方向に対する勾配が上記実施形態よりも緩やかになるように、形成されてもよい。この場合、モータギヤ202Aの回転量に対する揺動部材52の揺動量は、小さくなる。よって、演出装置30は、揺動部材52の揺動位置を精度良く制御できる。
カムギヤ280の回転中心は、前後方向に延びる軸線Cであることに限定されない。カムギヤ280の回転中心は、例えば、左右方向に延びる軸線(以下、第一軸線という)であってもよい。この場合、カムギヤ280は、左右方向に延びる円筒状に形成され、且つ、カム面285は、カムギヤ280のうち第一軸線を取り囲む外周面に形成されてもよい。例えば、カム面285が第一軸線を中心とした回転方向に沿って、第一軸線に接近する方向に延びる部位と、第一軸線から離間する部位とを含み、摺動部250はカム面285に対して第一軸線とは反対側(例えば前側)から接触してもよい。これにより、カムギヤ280の第一軸線を中心とした回転に伴って、摺動部250とカム面285との接触位置は、前後方向に変位する。よって、揺動部材52は軸線Eを中心に揺動する。
演出装置30は、装飾体55を、上下方向に代えて左右方向に直線移動させる構成であってもよい。また、演出装置30は、例えば、正面視で上下方向および左右方向に対して傾斜する方向に、装飾体55を直線移動させる構成であってもよい。
小ギヤ277は、第二延設部275Eによって付勢されて第一方向に回転移動することに限定されない。以下、図15を参照し、ギヤ部材275(図6参照)の第一変形例であるギヤ部材375と、小ギヤ277(図6参照)の第一変形例である小ギヤ377について説明する。
ギヤ部材375は、突出部275F(図6参照)を備えない点と、延設部375Bを備える点とを除いて、ギヤ部材275(図6参照)と同様の構成である。延設部375Bは、ギヤ部材375の前壁部275Aのうち、隙間276の前側にある部位から、後方に向けて延びる柱状体である。延設部375Bは、前壁部275Aと一体的に形成されており、第一延設部275Dに対して間隔を空けて配置されている。
小ギヤ377は、軸線Dを中心として回転可能であると共に、軸線Cを中心に回転移動可能である。小ギヤ377は、歯部377Aを備える。歯部377Aは、歯部277Aと同じ形状であり、カムギヤ280の歯部281と噛み合っている。小ギヤ377は、軸線Cを中心として円形状に形成された中央孔377Bが設けられている。中央孔377Bを取り囲む内周面には、周方向に亘って、複数の凹部377Cが形成されている。各凹部377Cは、軸線Dから離間する方向へ円弧状に凹む。各凹部377Cには、延設部375Bが収容可能である。
上記構成よれば、ギヤ部材375が第一方向(矢印A1方向)に回転すると、延設部375Bが、小ギヤ377のいずれか一つの凹部377Cに収容される。延設部375Bと凹部377Cは係合する。これにより、小ギヤ377は、軸線Dを中心とした回転が規制された状態となる。ギヤ部材375が更に第一方向に回転することで、延設部375Bは、小ギヤ377を第一方向に付勢して第一方向に回転移動させる。小ギヤ377は、カムギヤ280を第一方向に回転させる。これにより、揺動部材52(図3参照)は、第一揺動位置と第二揺動位置との間を揺動できる。
一方、ギヤ部材375が第二方向(矢印A2方向)に回転すると、第一延設部275Dは、小ギヤ277に対して接触して第二方向に回転移動させる。このとき、延設部375Bが、中央孔377Bを取り囲む内周面のいずれの部位に対しても離間し、小ギヤ377は、軸線Dを中心とした回転が許容された状態となる。
第一延設部275Dは、ギヤ部材375を更に第二回転方向に回転移動させる。これにより、小ギヤ377は、歯部281に対して転動しながら、第二方向に回転移動する。カムギヤ280は、第一方向に回転しない。
以上のように、ギヤ部材375の回転方向によって、小ギヤ377は異なる動きをする。従って、小ギヤ377の動きは多様化する。また、延設部375Bは、前壁部275Aから後方に延びる。従って、組立作業者が小ギヤ377を隙間276に配置させる場合に、延設部375Bは組付位置としての目印になる。また、隙間276に小ギヤ277が配置されると、延設部375Bが中央孔377Bの内側に配置されるので、小ギヤ377は、ギヤ部材375から脱落しにくい。よって、小ギヤ377のギヤ部材375への組立性は、向上する。
本変形例において、ギヤ部材375は、本発明の「第一回転部材」の一例である。小ギヤ377は、本発明の「動作部材」の一例である。歯部377Aは、本発明の「第一係合部」の一例である。延設部375Bは、本発明の「第二延設部」の一例である。
また、小ギヤ277は、装飾体モータ202の回転駆動力を揺動部材52に伝達する動力伝達部270(図5参照)に設けられることに限定されない。以下、図16を参照し、本変形例で新たに設けられる軸連結部材400と、ギヤ部材275の第二変形例であるギヤ部材475とについて説明する。本変形例では、ギヤ部材475は、動力伝達部270(図5参照)とは異なる機構に設けられている。
軸連結部材400は、略前後方向に延びる円筒状であり、内側に筒孔402Aが形成されている。筒孔402Aには、軸線Cに沿って延びる軸部材(図示外)が嵌め込まれている。軸部材は、駆動モータ(図示外)と連結する。従って、駆動モータの回転駆動に伴って、軸部材と軸連結部材400は、一体的に、第一方向又は第二方向に回転可能である。
円筒部402には、二つの第一延設部411、二つの第二延設部412、および二つ突出部416が設けられている。第一延設部411、第二延設部412、および突出部416は、いずれも円筒部402と一体的に形成されている。
二つの第一延設部411および二つの第二延設部412は、円筒部402の外周面から、軸線Cとは反対側へ向けて延びる。二つの第一延設部411は、軸線Cを挟んで対称な位置に配置されている。同様に、二つの第二延設部412も、軸線Cを挟んで対称な位置に配置されている。各第二延設部412は、各第一延設部411に対して、第二方向に隙間450を空けて配置されている。
隙間450には、小ギヤ277が配置されている。二つの小ギヤ277に対して、軸線Cとは反対側には、ギヤ部材475が設けられている。ギヤ部材475は、軸線Cを中心に回転可能な略円環状の回転部材である。
ギヤ部材475は、内側歯部475Aと外側歯部475Bを備える。内側歯部475Aは、ギヤ部材475の内周面に形成された歯部であり、外側歯部475Bは、ギヤ部材475の外周面に形成された歯部である。内側歯部475Aおよび外側歯部475Bは、いずれも、軸線Cを中心とした回転方向に亘って形成されている。内側歯部475Aは、二つの小ギヤ277の夫々の歯部277Aを噛み合う。外側歯部475Bは、特定ギヤ(図示略)と噛み合う。
上記構成によれば、駆動モータ(図示外)の駆動に伴って、軸部材(図示外)が第一方向(矢印A1方向)に回転すると、軸連結部材400は第一方向に回転する。突出部416が小ギヤ277の歯部277Aに噛み込んで係合する。これにより、小ギヤ277は、軸線Dを中心とした回転が規制された状態となる。軸連結部材400が更に第一方向に回転することで、第二延設部412は、突出部416を介して、小ギヤ277を第一方向に付勢して第一方向に回転移動させる。歯部277Aと内側歯部475Aが噛み合っているので、小ギヤ277は、ギヤ部材475を第一方向に回転させる。つまり、小ギヤ277は、ギヤ部材475を回転させる駆動ギヤとして機能する。これにより、外側歯部475Bと噛み合う特定ギヤ(図示外)は、回転する。言い換えると、駆動モータ(図示外)の駆動力が特定ギヤに伝達することが、許容される。
一方、駆動モータが軸連結部材400を第二方向に回転すると、第一延設部411は、小ギヤ277に対して接触して第二方向に回転移動させる。このとき、突出部416が小ギヤ277に対して第二方向に離間し、小ギヤ277は、軸線Dを中心とした回転が許容された状態となる。
第一延設部411が、小ギヤ277を第二方向に更に回転移動させることで、小ギヤ377は、第二方向への回転移動を開始する。このとき、ギヤ部材475は、小ギヤ277から、第二方向を向く力を受ける。しかしながら、この力は、静止している特定ギヤをギヤ部材475が回転させるために要する力よりも小さい。つまり、小ギヤ277が第二方向に回転移動する場合において、ギヤ部材475は、特定ギヤから第一方向を向く力を付与されて静止する。従って、第二方向へ回転移動する小ギヤ277は、軸線Dを中心に回転することで、内側歯部475Aに対して転動する。小ギヤ277が回転しても、ギヤ部材475は回転しないので、駆動モータ(図示外)の駆動力が特定ギヤに伝達することが、規制される。
以上のように、軸連結部材400の回転方向によって、小ギヤ277は異なる動きをするので、小ギヤ277の動きは多様化する。本変形例において、軸連結部材400は本発明の「第一回転部材」の一例である。ギヤ部材475は本発明の「第二回転部材」、「第二ギヤ部材」の一例である。内側歯部475Aは本発明の「凹凸部」、「第二歯部」の一例である。
尚、請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、画像表示装置、始動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。 従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「演出装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。
更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
<5.備考>
以下、本開示の構成とその作用効果を例示する。下記の構成に注記したカッコ書きは、対応する本開示の構成を例示する。
遊技機(パチンコ機1)に設けられる演出装置であって、所定方向(略前後方向)に延びる第一軸線(軸線C)を中心に第一方向と、前記第一方向とは反対の第二方向との夫々の方向に回転する部材であって、前記第一方向と交差して延びる第一延設部(第一延設部275D)と、前記第一延設部に対して前記第二方向の側に間隔を空けて設けられ、且つ前記第二方向と交差して延びる第二延設部(第二延設部275E)とを有する第一回転部材(ギヤ部材275,375、軸連結部材400)と、前記第一延設部又は前記第二延設部によって付勢されて、前記第一回転部材が回転する方向に移動する部材であって、移動に伴って前記第一軸線と平行な第二軸線(軸線D)を中心に回転可能な動作部材(小ギヤ277,377)と、前記第一回転部材が前記第一方向に回転する場合、前記動作部材を、前記第二軸線を中心とした回転が規制された状態にする一方、前記第一回転部材が前記第二方向に回転する場合、前記動作部材を、前記第二軸線を中心に回転可能な状態にする切替手段とを備えたことを特徴とする演出装置(演出装置30)。
上記構成によれば、第一回転部材が第一方向に回転する場合、動作部材は、第二軸線を中心に回転することなく、第一方向に移動する。一方、第一回転部材が第二方向に回転する場合、動作部材は、第二軸線を中心に回転しながら、第二方向に移動する。従って、第一回転部材が回転する方向によって、動作部材は異なる動きをする。よって、動作部材の動きを多様化した演出装置が実現される。
前記演出装置において、前記切替手段は、前記動作部材に設けられた第一係合部(歯部277A,377A)と、前記第二延設部に設けられ、前記第一回転部材が前記第一方向に回転する場合、前記第一係合部と係合する第二係合部(突出部275F,416)とを備えてもよい。この場合、第二係合部が第一係合部に係合することで、切替手段は、動作部材を回転が規制された状態にできる。よって、演出装置は、動作部材の回転を規制する機構を簡易化できる。
前記演出装置において、前記切替手段は、前記第一軸線と直交する方向の一方側から前記動作部材と接触し、前記第一方向に沿って凹凸状に形成された凹凸部(歯部281)を有し、前記第一軸線を中心に回転可能な第二回転部材(カムギヤ280、ギヤ部材475)と、前記第二回転部材に対して、前記第二方向の側を向く力を付与する付与手段(摺動部250、カム面285、装飾体支持部246)とを備えてもよい。この場合、第一回転部材が第一方向に回転する場合、動作部材は、回転が規制され且つ凹凸部と接触した状態で、第一方向に移動する。これにより、第二回転部材は第一方向に回転する。一方、第一回転部材が第二方向に回転する場合、動作部材は、凹凸部と接触しながら第二方向に移動する。この場合、第二回転部材は、付与手段から付与される力によって、第二方向への回転が規制される。これにより、動作部材は第二軸線を中心に回転しながら第二方向に移動し、第二回転部材は回転しない。よって、演出装置は、第一回転部材の回転方向に応じて、第二回転部材の回転が許容される状態と、第二回転部材の回転が規制される状態とに切替えることができる。
前記演出装置において、前記切替手段は、前記動作部材に設けられた第一係合部(歯部277A,377A)と、前記第二延設部に設けられ、前記第一回転部材が前記第一方向に回転する場合、前記第一係合部と係合する第二係合部(突出部275F,416)と、前記第一軸線と直交する方向の一方側から前記動作部材と接触し、前記第一方向に沿って凹凸状に形成された凹凸部(歯部281)を有し、前記第一軸線を中心に回転可能な第二回転部材(カムギヤ280、ギヤ部材475)と、前記第二回転部材に対して、前記第二方向の側を向く力を付与する付与手段(摺動部250、カム面285、装飾体支持部246)とを備え、前記動作部材は、第一ギヤ部材(小ギヤ277,377)であり、前記第一係合部は、前記第二軸線を中心とした回転方向に延びる第一歯部(歯部277A,377A)であり、前記第二回転部材は、第二ギヤ部材(カムギヤ280、ギヤ部材475)であり、前記凹凸部は、前記第一方向と平行に延び、前記第一歯部と噛み合う第二歯部(歯部281、内側歯部475A)であってもよい。この場合、第一回転部材が第二方向に回転する場合に、動作部材は、第二回転部材に与える負荷を低減できる。よって、演出装置は、第一回転部材を安定して第二方向に回転させることができる。
前記演出装置において、前記第二係合部は、前記第二延設部から前記動作部材に向けて突出し、前記第一回転部材が前記第一方向に回転する場合、前記第一歯部に噛み込むことが可能な突出部(突出部275F,416)であってもよい。この場合、突出部が第一歯部に噛み込むだけで、動作部材は回転が規制された状態になる。よって、演出装置は、動作部材の回転を規制する機構を簡易化できる。
前記演出装置において、前記第一延設部及び前記第二延設部は、前記動作部材を挟んで対向してもよい。この場合、動作部材は第一延設部と第二延設部の間に配置されるので、演出装置は組立性を向上できる。
前記演出装置において、前記動作部材は、前記第一方向と平行な方向に沿って複数配置され、前記第一回転部材は、前記第一延設部及び前記第二延設部を、複数の前記動作部材の夫々に対応して備えてもよい。この場合、第一回転部材から動作部材に伝達される回転力が分散される。従って、各動作部材に加わる負荷が低減するので、演出装置は長寿命化できる。
前記演出装置は、回転駆動することによって、前記第一回転部材を前記第一方向及び前記第二方向に回転させる駆動手段(装飾体モータ202)を備えてもよい。この場合、演出装置は第一回転部材の回転を安定化できる。
前記演出装置において、前記動作部材は、前記凹凸部に対して前記第一軸線とは反対側に設けられてもよい。この場合、動作部材は、第一軸線に対して凹凸部よりも離間する。第一方向に移動する動作部材は、第二回転部材を第一方向に回転させ易い。よって、演出装置は、第一回転部材の第一方向への回転力を、第二回転部材に効率良く伝達できる。
前記演出装置において、前記付与手段は、前記第二回転部材に接触する接触部(摺動部250)を備えてもよい。この場合、第一回転部材が第二方向に回転すると、接触部と第二回転部材が接触することで発生する摩擦力が第一方向の側を向くことで、第二回転部材に力が付与される。よって、演出装置は、付与手段の構成を簡易化できる。
前記演出装置において、前記付与手段は、前記第二回転部材に設けられ、前記第一方向に沿って前記所定方向の一方側(前側)に延びる第一面(第二カム面285B)と、前記第一方向に沿って前記一方側とは反対の他方側(後側)に延びる第二面(第三カム面285C)とを含む面であって、前記第二回転部材の回転に伴って前記接触部に対して摺動するカム面(カム面285)と、前記接触部を支持し、前記接触部の前記カム面に対する摺動に伴い揺動する揺動支持部材(装飾体支持部246)とを備えてもよい。この場合、第一回転部材が第二方向に回転する場合、接触部とカム面とが接触することで生じる摩擦力が第二回転部材に付与されるので、第二回転部材の回転は規制される。一方、第一回転部材が第一方向に回転する場合、第二回転部材が第一方向に回転することで、接触部はカム面に対して摺動し、揺動支持部材は揺動する。従って、演出装置は、第一回転部材の回転力を、揺動支持部材の揺動力に変換できる。
上記演出装置を備えた遊技機(パチンコ機1)。この場合、遊技機は、上記演出装置と同様の効果を奏する。