JP6326985B2 - 自律運転制御装置、車両、コンピュータプログラム、及び自律運転制御方法 - Google Patents
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Description
支援運転には種々のタイプがあり、例えば、道路の道なりに走行する制御を行うもの(特許文献1)、指令車速となるようにアクセルやブレーキの操作量を制御するもの(特許文献2)、先行車との車間距離を維持する制御を行うもの(特許文献3)などがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、車両の自律運転を継続することが好ましくない状況を把握できるようにすることを目的とする。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る自律運転制御装置は、車両の自律運転を制御する自律運転制御装置であって、前記自律運転の危険度を判定する機能を有する制御部を備える。
この場合、搭乗者は車両の自律運転を継続することが好ましくない状況を容易に把握することができる。
この場合、搭乗者により車両の周辺状況を確認して自律運転の制御を継続するか否かを判定することができるため、自律運転の安全性を向上させることができる。
この場合、搭乗者により車両の周辺状況を確認して自律運転の制御内容を決定することができるため、自律運転の安全性をさらに向上させることができる。
この場合、搭乗者の応答がなければ、自律運転の車両を停車させるため、自律運転の安全性をさらに向上させることができる。
この場合、自律運転の制御に用いられるセンサの検出結果の信頼性が低い検出対象エリアの状況を搭乗者が確認するため、自律運転の安全性をさらに向上させることができる。
この場合、自律運転の危険度が所定の条件を満たしたときに自律運転が継続されるのを防止することができるため、自律運転の安全性を向上させることができる。
この場合、位置センサによって自律運転を継続することが好ましくない場所を予め把握することができる。
この場合、互いに同一の検出対象エリアを有する少なくとも2つのセンサを用いた自律運転において、当該自律運転を継続することが好ましくない状況を把握することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
<用語の定義>
本実施形態の詳細を説明するに当たり、まず、本実施形態で用いる用語の定義を行う。
「手動運転」:車両の搭乗者が自車両の運転の全部を行うことをいう。すなわち、後述の「自律運転」の対比概念であり、加減速及び操舵などの基本操作の主体がすべて搭乗者である運転のことをいう。
「自律運転」:車両の各種センサによる検出結果に基づいて、車両の制御システムが自車両の運転の全部を自動的に行うことをいう。従って、自律運転では、加減速及び操舵などの基本操作の主体が、搭乗者(人間)ではなく車両の制御システムである。
「センサ」:自律運転の制御に用いられるセンサをいう。本実施形態のセンサには、超音波センサやビデオカメラなど車両の周囲に存在する物体を検出するためのセンサや、車両の位置を検出する位置センサが含まれる。位置センサとしては、後述するように、GPS信号から自車両の現在位置を計測するナビゲーションユニットなどが含まれる。
図1は、本発明の実施形態に係る制御システム50の構成例を示すブロック図である。制御システム50は、内部バス52を介して通信可能に接続された制御部51及び入出力インターフェース53と、このインターフェース53に接続された車載通信機54、走行制御ユニット55、操舵制御ユニット56、ナビゲーションユニット57、第1センサ58及び第2センサ59を備えている。
車載通信機54は、外部との無線通信機能とシステム内での通信機能とを有する通信インターフェースよりなる。車載通信機54は、外部と無線通信することで、現在時刻における天候状況や、車両20の走行経路において発生した突発事象(事故、工事又は天災等による交通規制など)を受信する。そして、車載通信機54は、これらの天候状況及び突発事象の情報を制御部51に送る。なお、天候状況については、車両20に搭載された可視光カメラにより検出するようにしても良い。
走行制御ユニット55が行う制御には、例えば、アクセルペダルの踏み込み量に応じてエンジンや電気モータなどの回転数を調整する加減速制御、ブレーキペダルの踏み込み量に応じて油圧ブレーキの油圧力を調整する制動制御、トルクコンバータに対する変速制御などが含まれる。
操舵制御ユニット56が行う制御には、例えば、ハンドルの回転量に応じて前輪の操舵角を調整する方向制御、方向指示器などの灯器類の点滅を制御する灯器制御、急な制動によるタイヤのロックを防止して操舵可能状態を維持するABS(Antilock Brake System)制御などが含まれる。
経路探索部57aは、リンクコストが最小となる最小コスト経路を特定の経路探索ロジックによって算出するのが一般的である。この経路探索ロジックとしては、例えばダイクストラ法やポテンシャル法が利用される。
記憶部57dは、道路地図データなどが記憶されている。道路地図データは、経路探索部による探索処理に際して自車両の位置情報をマップマッチングするために使用される。
前側に設けられた第1センサ58は、主として自車両の前方に存在する物体の存在を検出するためのセンサであり、後側に設けられた第1センサ58は、主として自車両の後方に存在する物体の存在を検出するためのセンサである。
第2センサ59は、縦軸心回りに比較的高速で回転自在となっており、自車両の周囲に存在する物体の存在を検出するためのセンサである。本実施形態では、第2センサ59の検出対象エリアの一部は、第1センサ58の検出対象エリアと重複している。すなわち、第1センサ58及び第2センサ59は、互いに同一の検出対象エリアを有している。
自律運転の制御原理は、第1及び第2センサ58,59によって検出した物体に予期される挙動を過去のデータから予測し、予測した挙動に基づいて自車両が目的位置に指向するよう、各制御ユニット55,56及びナビゲーションユニット57の経路探索部57aに指令を与えるものである。
制御部51は、ナビゲーションユニット57による計測結果やセンサ58,59の検出結果に基づいて、車両20の自律運転を継続することが好ましくない程度を示す危険度を判定する機能を有している。本実施形態では、前記危険度は、例えば「高」及び「低」の2種類よりなる。制御部51は、前記検出結果等が所定の条件を満たすと危険度=「高」と判定し、当該所定の条件を満たさなければ危険度=「低」と判定する。前記所定の条件としては、例えば、図4のステップSS1〜ステップSS6に示されるものが挙げられる。これらの各ステップSS1〜SS6の詳細については、後述する。
なお、本実施形態では、危険度を2種類としているが、危険度を数値化して3種類以上に分けても良い。
出力部57cは、制御部51からの前記指令に基づいて、危険度が「高」と判定されたことを画像や音声により搭乗者に通知するとともに、搭乗者に対して車両20の周辺状況の確認を画像や音声により依頼する。
なお、出力部57cに表示する応答ボタンは、上記3種類に限定されるものではない。また、制御部51はナビゲーションユニット57の出力部57cに指令を出しているが、専用の出力部に指令を出しても良い。
制御部51は、搭乗者による前記応答に基づいて、自律運転の制御を継続するか否かを判定する機能を有している。
本実施形態では、搭乗者が「このまま通過して良い」又は「停車する」を選択して応答した場合、制御部51は、自律運転の制御を継続すると判定する。一方、搭乗者が「手動運転する」を選択して応答した場合、制御部51は、自律運転の制御を継続しないと判定する。
本実施形態では、搭乗者が「このまま通過して良い」を選択して応答した場合、制御部51は、自律運転の制御内容として、車両20をそのまま走行させることを決定する。一方、搭乗者が「停車する」を選択して応答した場合、制御部51は、自律運転の制御内容として、車両20を路肩等の安全な場所で停車させることを決定する。
図3は、制御部51により実行される処理を示すフローチャートである。図3に示すように、まず、制御部51は、第1又は第2センサ58,59により車両20の進行方向に存在する物体を検出したか否かを判定する(ステップS1)。
上記判定結果が否定的である場合、制御部51は、処理を終了する。
上記の判定結果が肯定的である場合、制御部51は、「危険度の判定」を実行する(ステップS2)。
この判定は、例えば、自律運転中の車両20が交差点において右折又は左折する際に、その右折先又は左折先の道路の横断歩道を多数の歩行者が歩行している場合、車両20の周辺に存在する全ての歩行者を第1センサ58(第2センサ59)により検出することが困難となり、自律運転を継続することが危険となるケースなどを想定して行われる。
一方、上記判定結果が否定的である場合、制御部51は、次のステップSS2の判定に移行する。
上記判定結果が肯定的である場合、互いに異なる検出結果に基づいて自律運転を継続することは危険であるため、制御部51は、危険度=「高」と判定し(ステップSS8)、処理を終了する。
一方、上記判定結果が否定的である場合、制御部51は、次のステップSS3の判定に移行する。
具体的には、反射波のレベルが強過ぎる場合、第1センサ58が検出した物体に接近しており、この物体以外に車両20の周辺に存在する物体を検出していない可能性が高いため、第1センサ58の検出結果の信頼性は低いと判断される。また、反射波のレベルが弱過ぎる場合には、第1センサ58がノイズを受信している可能性が高いため、第1センサ58の検出結果の信頼性は低いと判断される。
一方、上記判定結果が否定的である場合、制御部51は、次のステップSS4の判定に移行する。
前記所定の地点としては、例えば、交通量が多い地点、交通事故が多い地点、歩行者が多い地点などが挙げられる。なお、これらの地点は、ナビゲーションユニット57の記憶部57dや制御部51の記憶装置などに予め記憶されている。また、前記周辺としては、例えば、前記所定の地点を中心とする半径100m以内に設定されている。
一方、上記判定結果が否定的である場合、制御部51は、次のステップSS5の判定に移行する。
この判定は、例えば、自律運転中の車両20が交差点を通過する際に、曇天や雨天など天候が悪いために、進行方向の交通信号機の信号灯色を第2センサ59などにより検出することが困難となり、自律運転を継続することが危険となるケースなどを想定して行われる。
一方、上記判定結果が否定的である場合、制御部51は、次のステップSS6の判定に移行する。
この判定は、例えば、自律運転中の車両20が、事故、工事又は天災等により交通規制が行われている地点を通過する際に、その地点の周辺状況を第1及び第2センサ88,89により正確に把握することが困難となり、自律運転を継続することが危険となるケースなどを想定して行われる。
一方、上記判定結果が否定的である場合、つまり、上記ステップSS1〜ステップSS6の判定結果が全て否定的である場合、制御部51は、危険度=「低」と判定し(ステップSS7)、処理を終了する。
また、制御部51は、センサ58の検出結果の信頼性に基づいて危険度を判定するため、センサ58を用いて自律運転を継続することが好ましくない状況を正確に把握することができる。
また、制御部51は、互いに同一の検出対象エリアを有する2つのセンサ58,59の検出結果が互いに異なる場合に、危険度=「高」と判定するため、これら2つのセンサ58,59を用いて自律運転を継続することが好ましくない状況を把握することができる。
また、制御部51は、上記ステップSS1〜SS6の判定のうちの少なくとも1つの判定を行えば良い。
さらに、制御部51が実行する危険度の判定は、上記ステップSS1〜SS6に限定されるものではない。
上記判定結果が否定的である場合、つまり危険度=「低」である場合、制御部51は、処理を終了する。
上記判定結果が肯定的である場合、制御部51は、車両20の自律運転による走行速度を落とす(ステップS4)。
具体的には、出力部57cは、例えば図2に示すメッセージを表示するとともに、「このまま通過して良い」、「停車する」、及び「手動運転する」の3種類の応答ボタン57c1を表示する。そして、出力部57cは、搭乗者に対して、これらの応答ボタン57c1のうちのいずれか一つを選択して応答してもらうことを音声で依頼する。この依頼に対して、搭乗者は、画面上のいずれかの応答ボタンを手動で選択操作したり音声で選択したりすることで応答する。
図5は、制御部51により実行される「自律運転の判定」を示すフローチャートである。
図5に示すように、制御部51は、搭乗者から応答があったか否かを判定する(ステップST1)。
上記判定結果が否定的である場合、つまり搭乗者の応答がない場合、制御部51は、自律運転の制御内容として、車両20を路肩等の安全な場所で停車させることを決定する(ステップST8)。そして、制御部51は、ナビゲーションユニット57の出力部57cに指令を出し、搭乗者に対して運転モードを自律運転から手動運転に切り替えることを出力部57cの画像及び音声により打診し(ステップST9)し、処理を終了する。
上記判定結果が肯定的である場合、次のステップST2に移行する。
上記判定結果が肯定的である場合、制御部51は、自律運転の制御を継続しないと判定し(ステップST7)、処理を終了する。
上記判定結果が否定的である場合、つまり搭乗者が「このまま通過して良い」又は「停車する」を選択して応答した場合、制御部51は、自律運転の制御を継続すると判定し(ステップST3)、次のステップST4に移行する。
上記判定結果が肯定的である場合、制御部51は、自律運転の制御内容として、車両20を路肩等の安全な場所で停車させることを決定し(ステップST6)、処理を終了する。
上記判定結果が否定的である場合、つまり搭乗者が「このまま通過して良い」を選択して応答した場合、制御部51は、自律運転の制御内容として、車両20をそのまま走行させることを決定し(ステップST5)、処理を終了する。
上記判定結果が否定的である場合、制御部51は処理を終了する。
上記判定結果が肯定的である場合、制御部51は、車両20の動作モードを自律運転から手動運転に切り替えることで自律運転の制御を解除し(ステップS8)、処理を終了する。
また、制御部51が判定した危険度が所定の条件を満たしたときに、出力部57cにより搭乗者に対して画像及び音声で通知するため、搭乗者は車両20の自律運転を継続することが好ましくない状況を容易に把握することができる。
また、制御部51は、自律運転の制御を継続すると判定した場合、搭乗者の応答に基づいて自律運転の制御内容を決定するため、自律運転の安全性をさらに向上させることができる。
また、制御部51は、搭乗者からの応答がなければ、自律運転の車両を停車させるため、自律運転の安全性をさらに向上させることができる。
図6は、制御部51により実行される処理の変形例を示すフローチャートである。この変形例におけるステップS1〜ステップS3は、上記実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS3における判定結果が肯定的である場合、つまり危険度=「高」である場合、制御部51は、搭乗者に周辺状況の確認を依頼することなく、自律運転の制御を継続しないと判定する(ステップS4)。
上記判定結果が否定的である場合、つまり危険度=「高」である場合、制御部51は、処理を終了する。
上記判定結果が肯定的である場合、つまり危険度=「低」である場合、制御部51は、ナビゲーションユニット57の出力部57cに指令を出し、出力部57cの画像及び音声により搭乗者に通知する(ステップS8)。
上記判定結果が肯定的である場合、制御部51は、運転モードを手動運転から自律運転に切り替えて(ステップS10)、処理を終了する。
上記判定結果が否定的である場合、すなわち、搭乗者が「手動運転を継続する」を選択した場合、又は搭乗者が全く応答しなかった場合、制御部51は、手動運転を継続し(ステップS11)、処理を終了する。
また、自律運転を解除した後に、危険度が「低」となった場合には、搭乗者に確認することで、手動運転から自律運転に復帰させることも可能となる。
51 制御部
52 内部バス
53 入出力インターフェース
54 車載通信機
55 走行制御ユニット
56 操舵制御ユニット
57 ナビゲーションユニット(位置センサ)
57a 経路探索部
57b 操作部
57c 出力部
57c1 応答ボタン
57d 記憶部
58 第1センサ
59 第2センサ
Claims (7)
- 車両の自律運転を制御する自律運転制御装置であって、
前記自律運転の危険度を判定する機能を有する制御部を備え、
前記制御部は、前記危険度が所定の条件を満たしていると判定すると、搭乗者に対して前記車両の周辺状況の確認を依頼するための指令を出し、前記依頼に対する搭乗者の応答に基づいて、前記自律運転の制御を継続するか否かを判定する機能を有する自律運転制御装置。 - 前記制御部は、前記自律運転の制御を継続すると判定した場合、搭乗者の前記応答に基づいて前記自律運転の制御内容を決定する請求項1に記載の自律運転制御装置。
- 前記制御部は、搭乗者の前記応答がない場合、前記自律運転の制御内容として、前記車両を停車させることを決定する請求項1又は請求項2に記載の自律運転制御装置。
- 前記制御部は、前記自律運転の制御に用いられるセンサの検出結果の信頼性に基づいて前記危険度を判定し、
搭乗者に対して確認を依頼する前記周辺状況が、前記センサの検出結果の信頼性が低い検出対象エリアの状況である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自律運転制御装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の自律運転制御装置を搭載した車両。
- コンピュータを、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の自律運転制御装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
- 車両の自律運転を制御する自律運転制御方法であって、
前記自律運転の危険度を判定するステップと、
前記危険度が所定の条件を満たしていると判定すると、搭乗者に対して前記車両の周辺状況の確認を依頼するための指令を出すステップと、
前記依頼に対する搭乗者の応答に基づいて、前記自律運転の制御を継続するか否かを判定するステップと、を含む自律運転制御方法。
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