JP6326875B2 - チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体、およびこれを含有する密着性向上剤 - Google Patents

チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体、およびこれを含有する密着性向上剤 Download PDF

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Description

本発明は、密着性向上剤等に好適に用いられる新規なチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体に関する。
従来、各種塗料をガラス等の無機基材に塗工する際に、密着性を向上させる目的でシランカップリング剤等の密着性向上剤が塗料に添加されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、シランカップリング剤は加熱すると分解するため、量産ラインで使用すると、オーブン等の加熱炉に酸化ケイ素が析出し汚染の原因となることが問題となっている。また、シランカップリング剤は密着性向上効果も充分とは言えず、例えばチタン、ジルコニウム等の塩や、イミダゾール等のアミン、リン酸エステル、ウレタン樹脂等の密着性助剤も同時に添加することによって初めて密着性を達成できる場合も多かった。また、密着性助剤の添加は、製造工数増大やコスト増大につながるだけではなく、密着性助剤を添加することによって、塗料の室温における保存安定性の悪化や耐熱性、硬度が低下するといった問題があった。
そこで、上記の問題を改良するために、特許文献2には、特定の構造のチオエーテル含有ウレア誘導体を密着性向上剤として用いることにより、密着性助剤無しでも、密着性を高められることが開示されている。
特開平7−300491号公報 特開2013−249282号公報
しかしながら、寒冷地において柔軟性を有するフィルム基材上への検討を行った結果、上記チオエーテル含有ウレア誘導体を塗料の密着性向上剤として用いた場合、塗膜が柔軟性に乏しく、屈曲時にクラックが生じやすいといった課題があることが判明した。
本発明は上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、塗料等に添加し、寒冷地においても密着性助剤無しで密着性向上効果を発揮し、且つ、得られる塗膜が柔軟性を有する材料を提供することにある。
本発明は次の〔1〕から〔3〕である。
〔1〕 下記式1で表されるチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体。
Figure 0006326875

(式中のaは1〜2の整数であり、bは1〜2の整数であり、a+b=3である。Rは下記式2で表される3価の基であり、Rは下記式3または下記式4で表される2価の基である。Rは炭素数が1〜12の炭化水素基である。)
Figure 0006326875

(式中のRは−CH−、−CHCH−、または−CHCH(CH)−である。)
Figure 0006326875

(Rは水素原子またはメチル基である。)
Figure 0006326875

(Rは水素原子またはメチル基である。)
〔2〕下記式5で表されるアクリル化合物と下記式6で表される多価チオール化合物とを反応させてなる、上記〔1〕に記載のチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体の製造方法
Figure 0006326875

(式中のRは炭素数が1〜12の炭化水素基である。Rは、水素原子またはメチル基である。)
Figure 0006326875

(式中のRは−CH−、−CHCH−、または−CHCH(CH)−である。)
〔3〕上記〔1〕に記載のチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体を有効成分とする密着性向上剤。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「メタアクリレート」と「アクリレート」の両方を含む概念である。
本発明のチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体は、例えば−10℃といった寒冷環境下においても、密着性助剤無しで密着性向上効果を発揮し、且つ、得られる塗膜が柔軟性を有する効果を有している。そのため、例えば塗料に少量添加することで、密着性助剤の添加を必要とすることなく塗料に高い密着性を付与することが可能である。上記効果は、寒冷環境下において、特定の炭素鎖を有するエステル基が塗料に柔軟性を付与し、且つ、このエステル基がチオエーテル基と基材との接近を妨げないことで、チオエーテル基による密着性向上効果が的確に発揮されると考えられる。
実施例1−1で得られた合成物1のIRスペクトルである。 実施例1−2で得られた合成物2のIRスペクトルである。 実施例1−3で得られた合成物3のIRスペクトルである。 実施例1−4で得られた合成物4のIRスペクトルである。 実施例1−5で得られた合成物5のIRスペクトルである。 実施例1−1で得られた合成物1のH−NMRスペクトルである。 実施例1−2で得られた合成物2のH−NMRスペクトルである。 実施例1−3で得られた合成物3のH−NMRスペクトルである。 実施例1−4で得られた合成物4のH−NMRスペクトルである。 実施例1−5で得られた合成物5のH−NMRスペクトルである。
以下に本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
<チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体>
本実施形態のチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体は、下記式1で表される化合物である。
Figure 0006326875

(式中のaは1〜2の整数であり、bは1〜2の整数であり、a+b=3である。Rは下記式2で表される3価の基であり、Rは下記式3または下記式4で表される2価の基である。Rは炭素数が1〜12の炭化水素基である。)
Figure 0006326875

(式中のRは−CH−、−CHCH−、または−CHCH(CH)−である。)
Figure 0006326875

(Rは水素原子またはメチル基である。)
Figure 0006326875

(Rは水素原子またはメチル基である。)
上記式1中のRである炭素数が1〜12の炭化水素基としては、直鎖のアルキル基、側鎖を持つアルキル基、環状のアルキル基が挙げられる。
上記式2中のRは、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基であり、密着性向上効果が高くなることから、エチレン基、イソプロピレン基が特に好ましい。
<チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体の製造方法>
上記式1で表されるチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体は、例えば下記式5で表されるように(メタ)アクリレート基を有するアクリル化合物(以降、A成分という)と、下記式6で表されるチオール基(−SH)を有する多価チオール化合物(以降、B成分という)とを反応させることによって得ることができる。
Figure 0006326875

(式中のRは炭素数が1〜12の炭化水素基である。Rは、水素原子またはメチル基である。)
Figure 0006326875

(式中のRは−CH−、−CHCH−、または−CHCH(CH)−である。)
上記式5で表されるA成分として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシルなどが挙げられる。
上記式6で表されるB成分として、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ) −エチル]−イソシアヌレート、トリス−[(3−メルカプトブチリルオキシ)−エチル]]−イソシアヌレート、トリス−[(3−メルカプトブチリルオキシ)−エチル]]−イソシアヌレートがある。
本実施形態のチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体を製造するためには、A成分とB成分とを5℃以上の温度で反応させることができるが、60〜100℃で反応させることが好ましい。60℃以上で反応させると、5時間以内といった短時間で反応させることができる。更に、塩基触媒やラジカル発生剤を添加すれば、より短時間で高収率にて反応させることができる。
塩基触媒としては、アミン系の塩基触媒が好ましく、一級、二級あるいは三級のアミン類、もしくはイミダゾール系化合物が使用できる。例えば一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等が挙げられる。二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ [5.4.0]ウンデカ−アミノメチル)フェノール等が挙げられる。イミダゾール系化合物としては、例えば1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−5(4)−アミノイミダゾール等のニトロおよびアミノ誘導体、ベンゾイミダゾール、1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−ベンジルベンゾイミダゾール等が挙げられる。
ラジカル発生剤としては、過酸化物もしくはアゾ化合物が好ましい。過酸化物として、例えば、過酸化ジベンゾイル、tert-ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート、ジラウロイルペルオキシドなどが挙げられる。アゾ化合物としては、例えばアゾビス(イソ−ブチロニトリル)や2、2‘−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)などが挙げられる。
このチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体の製造方法においては、無溶剤でも反応を進行させることができるが、低温で反応させる場合など、粘度を下げたい場合には溶剤を加えて反応させることもできる。その際には、(メタ)アクリレート基の炭素−炭素二重結合やチオール基と反応しない溶剤、例えばアルコール類、ケトン類、エステル類が好ましい。
溶剤として用いられるアルコール類は、炭素−炭素二重結合やチオール基と反応する、炭素−炭素二重結合、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、スルホニル基、ニトリル基、ハロゲン原子等の官能基を含んではならない。上記の官能基を含まないアルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ターシャリーブタノール、ヘキサノール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールのアルキルエーテルやエステル等が挙げられる。なかでも、好ましくは、沸点が80℃以上のアルコール類が反応温度を高く保てるために好ましい。
溶剤として用いられるケトン類は、炭素−炭素二重結合やチオール基と反応する、炭素−炭素二重結合、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、スルホニル基、ニトリル基、ハロゲン原子等の官能基を含んではならない。上記の官能基を含まないケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン等が挙げられる。なかでも、好ましくは、沸点が80℃以上のケトン類が反応温度を高く保てるために好ましい。
溶剤として用いられるエステル類は、炭素−炭素二重結合やチオール基と反応する、炭素−炭素二重結合、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、スルホニル基、ニトリル基、ハロゲン原子等の官能基を含んではならない。上記の官能基を含まないケトン類としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、プロピレングリコールアセテート等が挙げられる。なかでも、好ましくは、沸点が80℃以上のエステル類が反応温度を高く保てるために好ましい。
A成分とB成分との2成分は、A成分の(メタ)アクリレート基と、B成分のチオール基とが下記式7で表される反応式で反応する。なお、Xは水素原子またはメチル基、YはA成分の(メタ)アクリロイル基の二重結合に結合するX以外の残基を表し、ZはB成分のチオール基に結合する残基を表す。
Figure 0006326875
式7に示すように、A成分の(メタ)アクリレート基の二重結合を形成する2つの炭素のどちらもチオール基のSと結合する。2つの生成物の生成比率は反応条件により異なり、例えば本反応の触媒にアミンなどの塩基触媒を反応系に添加した場合には、生成物(1)が多く生成し、ラジカル発生剤を反応系に添加した場合には生成物(2)が多く生成する傾向にある。多くの場合、製造後のチオエーテル含有アクリル誘導体は生成物(1)と(2)の混合物となっている。
<密着性向上剤>
本実施形態のチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体は、塗料や接着剤等の樹脂組成物に配合することで、無機材料と有機材料の両方に対する密着性を向上させることができる。そのため、そのままで、あるいは溶剤等と調合して、密着性向上剤として用いることができる。特に、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセチレンなどの二重結合を有する化合物等に配合することによって、高い密着性向上効果を発揮することができる。この密着性向上剤の密着性向上効果は、チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体のチオエーテル基に起因している。したがって、チオエーテル基と化学的な結合を形成する(化学的な親和力の高い)基材、例えば、遷移金属あるいはその合金や珪素化合物、リン化合物、硫黄化合物、又はホウ素化合物等の無機基材、不飽和結合(芳香環を含む)を有する有機物、水酸基やカルボキシル基を有する有機物、又はプラズマやUVオゾン処理された有機物等への密着性向上効果に優れる。具体的には、無機基材としては、ガラス、シリコン、各種金属などが挙げられる。有機基材として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ABS樹脂、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、ポリアセタールなどが好ましく挙げられる。
このチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体を有効成分とする密着性向上剤は、塗料や接着剤等の樹脂組成物中の樹脂成分に対し、有効成分としては0.1〜80質量%添加すると高い密着性を発揮することができる。この密着性向上剤は、エステル基により樹脂の柔軟性を高める効果も有し、得られる塗膜は優れた柔軟性を備える。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1−1〜1−5)
はじめに、実施例1−1〜1−5にて、下記A成分とB成分とを用いてチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体(合成物1〜5)を合成した。用いたA成分及びB成分は次のとおりである。
<アクリル化合物:A成分>
A−1:アクリル酸ブチル
A−2:アクリル酸イソブチル
A−3:アクリル酸ドデシル
A−4:アクリル酸−2−エチルヘキシル
<多価チオール化合物:B成分>
B−1:トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ) −エチル]−イソシアヌレート(下記式8)。
Figure 0006326875
[チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体の合成]
温度計、攪拌機、滴下ポンプを備えた3つ口フラスコに、下記表1に従いB成分を仕込み、60℃に昇温後、A成分を1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに60℃で2時間攪拌をして反応させた。
Figure 0006326875
[赤外線吸収スペクトル分析(IR)]
得られた合成物1〜5について、下記条件にて赤外線吸収スペクトル分析(IR)を行った。そのIRスペクトルを図1〜5に示すとともに、代表的なIRピークを以下に示す。
機種;(株)エス・テイ・ジャパン製 Travel IR
分解;8cm−1、積算回数;32回
実施例1−1(合成物1):図1
2960cm−1:99%T、1733cm−1:84%T、1690cm−1:73%T、1459cm−1:81%T、1351cm−1:95%T、1243cm−1:91%T、1158cm−1:87%T、1007cm−1:96%T、764cm−1:91%T
実施例1−2(合成物2):図2
2960cm−1:98%T、1732cm−1:84%T、1690cm−1:78%T、1459cm−1:84%T、1351cm−1:95%T、1243cm−1:91%T、1158cm−1:88%T、764cm−1:93%T
実施例1−3(合成物3):図3
2964cm−1:99%T、1733cm−1:84%T、1690cm−1:73%T、1459cm−1:81%T、1351cm−1:95%T、1243cm−1:91%T、1158cm−1:87%T、1003cm−1:96%T、818cm−1:97%T、764cm−1:91%T
実施例1−4(合成物4):図4
2925cm−1:97%T、1737cm−1:87%T、1690cm−1:78%T、1459cm−1:84%T、1351cm−1:96%T、1243cm−1:93%T、1158cm−1:90%T、1003cm−1:97%T、837cm−1:96%T、764cm−1:92%T
実施例1−5(合成物5):図5
2956cm−1:99%T、1733cm−1:86%T、1690cm−1:76%T、1459cm−1:83%T、1351cm−1:95%T、1243cm−1:92%T、1158cm−1:88%T、1007cm−1:97%T、764cm−1:92%T
上記赤外線吸収スペクトル分析の結果からも明らかなように、C=Cに由来する1600〜1680cm−1のピークが観測されないことから、A成分はB成分と反応していることがわかった。
[核磁気共鳴スペクトル分析(H−NMR)]
また、実施例1−1〜1−5で得られた合成物1〜5について、下記条件において核磁気共鳴スペクトル分析を行った。その結果を図6〜10に示すと共に、各スペクトルにおけるピークの帰属とそれにより解析された各合成物の構造を下記に示す。
機種;日本ブルカー(株)製、400MHz−Advance400
積算回数;32回
溶媒;重クロロホルム
基準;TMS
実施例1−1(合成物1):図6
Figure 0006326875

a:0.9〜1.0ppm、b:1.3〜1.5ppm、c、o:1.5〜1.7ppm、e、f、g、h、m、n:2.5〜2.9ppm、d、i、j、k、l:4.0〜4.5ppm
実施例1−2(合成物2):図7
Figure 0006326875

a:0.9〜1.0ppm、b:1.3〜1.6ppm、c、o:1.5〜1.7ppm、e、f、g、h、m、n:2.5〜2.9ppm、d、i、j、k、l:4.0〜4.5ppm
実施例1−3(合成物3):図8
Figure 0006326875

a、b:0.8〜1.1ppm、c、o:1.6〜2.1ppm、e、f、g、h、m、n:2.5〜3.0ppm、d、i、j、k、l:3.8〜4.6ppm
実施例1−4(合成物4):図9
Figure 0006326875

a:0.8〜0.9ppm、b、c、d、e、f、g、h、i、j:1.1〜1.4ppm、k、w:1.5〜1.7ppm、n、m、p、o、u、v:2.5〜2.9ppm、l、q、r、s、t:4.0〜4.5ppm
実施例1−5(合成物5):図10
Figure 0006326875

a、e:0.7〜1.0ppm、b、c、d、f:1.1〜1.4ppm、q、s:1.5〜1.8ppm、i、j、k、l、q、r:2.5〜2.9ppm、h、m、n、o、p:3.8〜4.4ppm
図6〜10および上記帰属から、5.0〜5.8ppm付近にあるCH=C(CH)−に由来するピークが観測されないことからA−1〜A−4は、B−1と反応していることがわかった。
(実施例2−1〜2−5、比較例2−1〜2−5)
次に、実施例2−1〜2−5にて、上記合成物1〜5を密着性向上剤として樹脂組成物に添加し、その性能を評価した。さらに、比較例では、密着性向上剤として反応前のA成分のみを用いた場合、反応前のB成分のみを使用した場合、反応前のA成分とB成分を使用した場合、及び密着性向上剤未使用の場合について、その性能を評価した。
樹脂組成物としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂[東都化成(株)製、YDPN638]を使用した。当該エポキシ樹脂98質量%に触媒[イミダゾール型触媒:(株)アデカ製、EH−4344S]を2質量%混合した混合物(C−1とする)へ、表2の配合表に従って配合した。当該組成物を25mm幅のPETフィルム[東レ(株)製、ルミラーU46−100]上にバーコーターで100ミクロンの厚みに塗布し、対向基材に上記PETフィルムを重ねた後、150℃、1時間の条件で硬化させ評価用試験片を得た。
[密着性1]
上記評価用試験片を、25℃24時間静置した後、5分以内にJIS K6854−3に規定されるT型はく離法で測定し、以下の通り評価した。
○:引っ張り強度が5N/mm以上(PET破断も含む)
×:引っ張り強度が5N/mm未満
[密着性2]
上記評価用試験片を、−10℃24時間静置した後、5分以内にJIS K6854−3に規定されるT型はく離法で測定し、以下の通り評価した。
○:引っ張り強度が5N/mm以上(PET破断も含む)
×:引っ張り強度が5N/mm未満
[柔軟性]
上記評価用試験片を、−10℃24時間静置した後、5分以内に直径8mmの棒に1分間巻きつけ、以下の通り評価した。
○:クラック0本
×:クラック1本以上
[保存安定性]
C−1と密着性向上剤を混合した直後に25℃における粘度(混合後の粘度)を測定するとともに、40℃で12時間加熱した後再度粘度(加熱後の粘度)を測定し加熱後の粘度を混合後の粘度で除して増粘率を算出し、以下の通り評価した。
なお、粘度は、東機産業株式会社製のR型粘度計を用い、下記条件にて測定した。
使用ロータ:1°34′×R24
測定範囲:0.5183〜103.7 Pa・s
○:増粘率1.0〜5.0
×:増粘率1.0〜5.0以外
Figure 0006326875
実施例2−1〜2−5の結果より、A成分とB成分とを反応させて得られた合成物を密着性向上剤として用いると、塗膜は、常温条件(密着性1)のみならず、寒冷条件(密着性2)での密着性、柔軟性に優れ、更に、密着性向上剤を混合した樹脂組成物の優れた保存安定性を実現することが出来ることが明らかとなった。
一方、比較例2−2,3,5において、A成分を用いると柔軟性は向上するものの、密着性向上効果は認められなかった。また、比較例2−4,5の結果から、B成分を単独あるいはA成分と反応させずに用いたとしても、寒冷条件下では密着性向上効果が得られないことが明らかとなった。しかも、B成分とA成分とを反応させずに用いた比較例2−5では、保存安定性が低下した。これらの結果より、A成分とB成分とを反応させることによってこそ、寒冷条件下でも密着性向上剤として有効な材料が得られることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. 下記式1で表されるチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体。
    Figure 0006326875

    (式中のaは1〜2の整数であり、bは1〜2の整数であり、a+b=3である。Rは下記式2で表される3価の基であり、Rは下記式3または下記式4で表される2価の基である。Rは炭素数が1〜12の炭化水素基である。)
    Figure 0006326875

    (式中のRは−CH−、−CHCH−、または−CHCH(CH)−である。)
    Figure 0006326875

    (Rは水素原子またはメチル基である。)
    Figure 0006326875

    (Rは水素原子またはメチル基である。)
  2. 下記式5で表されるアクリル化合物と下記式6で表される多価チオール化合物とを反応させてなる、請求項1に記載のチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体の製造方法
    Figure 0006326875

    (式中のRは炭素数が1〜12の炭化水素基である。Rは、水素原子またはメチル基である。)
    Figure 0006326875

    (式中のRは−CH−、−CHCH−、または−CHCH(CH)−である。)
  3. 請求項1に記載のチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体を有効成分とする密着性向上剤。
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