JP2018177678A - チオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物 - Google Patents

チオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物 Download PDF

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Kazuhiro Koda
一洋 幸田
俊伸 藤村
Toshinobu Fujimura
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Abstract

【課題】ウレア誘導体と高分子量体のエポキシ樹脂やウレタンアクリル樹脂等との相溶性を改良する組成物の提供。
【解決手段】式1で表されるチオール含有ウレア誘導体を含有する組成物。
Figure 2018177678

(aは1〜3の整数;bは0〜2の整数;a+b=3;Rは、特定の複素環を含有する3価の基;R及びRは各々独立に分岐していてもよいC2〜6のアルキレン基;R及びRは、夫々独立に、H、C1〜6のアルキル基又はC1〜7のアシロキシ基)
【選択図】図3

Description

本発明は、密着性向上剤等に好適に用いられるチオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物に関する。
従来より、各種塗料をガラス等の無機基材に塗工する際に、密着性を向上させる目的でシランカップリング剤等の密着性向上剤が塗料に添加されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、シランカップリング剤は加熱すると分解するため、量産ラインで使用すると、オーブン等の加熱炉に酸化ケイ素が析出し汚染の原因となることが問題となっている。また、シランカップリング剤は密着性向上効果も充分とは言えず、例えばチタン、ジルコニウム等の塩や、イミダゾール等のアミン、リン酸エステル、ウレタン樹脂等の密着性助剤も同時に添加することによって初めて密着性を達成できる場合も多かった。しかし、密着性助剤の添加は、製造工数増大やコスト増大につながるだけではなく、密着性助剤を添加することによって、塗料の室温における保存安定性の悪化や耐熱性、硬度が低下するといった問題があった。
そこで、上記の問題を改良するために、特許文献2には、特定の構造のチオエーテル含有アルコキシシランを密着性向上剤として用いることにより、密着性助剤無しでも、特に無機基材に対して、密着性を高められることが開示されている。しかしながら、その有機基材に対する密着性向上効果についてはなんら着目されていなかった。
さらに、特許文献3には、特定構造を有するチオエーテル含有ウレア誘導体が無機基材にも有機基材にも密着性を高めることが開示されている。しかしながら、当該チオエーテル含有ウレア誘導体は分子量が大きいため、高分子量体のエポキシ樹脂と組み合わせて用いた場合に相溶性が悪く、硬化樹脂が不透明になったり硬化が不十分になったりするという課題があった。
特開平7−300491号公報 特開2011−136985号公報 特開2015−86191号公報
特許文献3記載のようなチオール含有ウレア誘導体は、密着性向上剤として公知である。しかしながら、このチオール含有ウレア誘導体は高分子量体のエポキシ樹脂やウレタンアクリル樹脂等との相溶性が悪いため、その効果を十分に発揮することができなかった。
本発明の課題は、チオール含有ウレア誘導体と高分子量体のエポキシ樹脂やウレタンアクリル樹脂等との相溶性を改良し、密着性向上剤等として有用な組成物を得ることである。
本発明は以下のものである。
(1) 下記式1で表されるチオール含有ウレア誘導体(A)100質量部に対し、下記式5で表されるチオエーテル含有ウレア誘導体(B)を0.001〜2質量部含有することを特徴とするチオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物。

Figure 2018177678

(式1中、
aは1〜3の整数であり、
bは0〜2の整数であり、
a+b=3であり、
は、下記式2で表される3価の基であり、
は、下記式3または下記式4で表される2価の基であり、
は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜7のアシロキシ基である。)
Figure 2018177678

(式2中、
は、−CH−、−CHCH−、または−CHCH(CH)−である。)
Figure 2018177678


(式3中、Rは水素原子またはメチル基である。)


Figure 2018177678

(式4中、Rは水素原子またはメチル基である。)

Figure 2018177678


(式5中、
は、前記式3または前記式4で表される2価の基であり、
は、炭素数2〜6のアルキレン基である。)
本発明のチオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物においては、チオール含有ウレア誘導体(A)に対して、特定構造のチオエーテル含有ウレア誘導体(B)を添加すると、チオール含有ウレア誘導体(A)の高分子量体樹脂への相溶性が格段に高くなる。これは、チオエーテル含有ウレア誘導体(B)がチオール含有ウレア誘導体(A)と類似のウレア構造を有している上で、カルボキシル基も有しているため、チオール含有ウレア誘導体(A)と高分子量体樹脂との相溶化剤として機能するからである。また、チオール含有ウレア誘導体(A)にチオエーテル含有ウレア誘導体(B)を添加しても、密着性向上剤としての機能は損なうことは無い。さらに、相溶性が良好となることにより、高分子量体のエポキシ樹脂に本発明のチオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物を添加しても、硬化性が良好で有り硬化物が透明になる。そのため、例えば塗料に少量添加することで、密着性助剤の添加を必要とすることなく塗料に高い密着性を付与することが可能である。上述の密着性向上効果は、チオール含有ウレア誘導体(A)中にウレア構造とチオエーテル基が1分子内に共存することによって初めて効果を発揮する。
原料であるα成分のIRスペクトルを示す。 原料であるβ成分のIRスペクトルを示す。 生成物であるチオエーテル含有ウレア誘導体(B)のIRスペクトルを示す。
以下に本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
<チオエーテル含有ウレア誘導体>
本実施形態のチオエーテル含有ウレア誘導体は式1で表される化合物である。
式1において、Rは、式2で表される3価の基であり、Rは、式3または式4で表される2価の基であり、Rは、炭素数2〜6のアルキレン基である。
である炭素数2〜6のアルキレン基としては、直鎖のアルキレン基、側鎖を持つアルキレン基、環状のアルキレン基が挙げられる。直鎖のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などが挙げられる。側鎖をもつアルキレン基としては、イソプロピレン基、イソブチレン基などが挙げられる。環状のアルキレン基としては、シクロブチレン基などが挙げられる。Rとしては、チオエーテル基とイソシアネート基の距離が適切でバリア性を発揮しやすいことから、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4の直鎖のアルキレン基が特に好ましく、エチレン基が最も好ましい。
式1中のRおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜7のアシロキシ基である。炭素数が1〜6のアルキル基としては、直鎖のアルキル基、側鎖を持つアルキル基、環状のアルキル基が挙げられる。直鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられ、側鎖をもつアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基などが挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロブチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数1〜7のアシロキシ基としては、メタノイロキシ基、エタノイロキシ基、プロパノイロキシ基、ブタノイロキシ基、ペンタノイロキシ基、ヘキサノイロキシ基、ヘプタノイロキシ基が挙げられる。
塗料との相溶性が良いことから、RおよびRとしては、水素原子あるいは炭素数1〜4の直鎖のアルキル基が好ましいが、メチル基が特に好ましい。aは1〜3の整数であり、好ましくは1〜2であり、bは0〜2の整数であり、好ましくは1〜2である。a+b=3である。
上記式2中のRは、−CH−(メチレン基)、−CHCH−(エチレン基)または−CHCH(CH)−(イソプロピレン基)であり、密着性向上効果が高くなることから、エチレン基、イソプロピレン基が特に好ましい。
式3および式4中のRは、水素原子またはメチル基であり、密着性向上効果が高くなることから、メチル基が特に好ましい。
式5中のR、Rは上記と同じである。
<チオエーテル含有ウレア誘導体の製造方法>
式1で表されるチオエーテル含有ウレア誘導体は、例えば式6で表されるように(メタ)アクリロイル基を有するウレア基含有化合物(以降、α成分という)と、下記式7で表されるチオール基(−SH)を有する多価チオール化合物(以降、β成分という)とを反応させることによって得ることができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」とは、「メタアクリロイル基」と「アクリロイル基」の両方を含む概念である。
Figure 2018177678

式5中のR、RおよびRは上記と同じであり、Rは水素原子またはメチル基である。)
Figure 2018177678

上記式6で表されるα成分として、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルアクリレート、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]プロピルメタクリレート、2−(ピラゾリルカルボニルアミノ)エチルメタクリレートなどが好ましく挙げられる。
上記式7で表されるβ成分として、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸などが好ましく挙げられる。
本実施形態のチオエーテル含有ウレア誘導体を製造するためには、α成分とβ成分とを5℃以上の温度で反応させることができるが、60〜100℃で反応させることが好ましい。60℃以上で反応させると、5時間以内といった短時間で反応させることができる。また、100℃以下で反応させることによって、アミンの脱離を防ぐことができる。アミンの脱離の観点から、80〜90℃で反応させるのがより好ましい。塩基触媒やラジカル発生剤を添加すれば、より短時間で高収率にて反応させることができる。
塩基性触媒としては、アミン系の塩基性触媒が好ましく、一級、二級あるいは三級のアミン類、もしくはイミダゾール系化合物が使用できる。例えば一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等が挙げられる。二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ [5.4.0]ウンデカ−アミノメチル)フェノール等が挙げられる。イミダゾール系化合物としては、例えば1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−5(4)−アミノイミダゾール等のニトロおよびアミノ誘導体、ベンゾイミダゾール、1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−ベンジルベンゾイミダゾール等が挙げられる。
ラジカル発生剤としては、過酸化物もしくはアゾ化合物が好ましい。過酸化物として、例えば、過酸化ジベンゾイル、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート、ジラウロイルペルオキシドなどが挙げられる。アゾ化合物としては、例えばアゾビス(イソ−ブチロニトリル)や2、2‘−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)などが挙げられる。
このチオエーテル含有ウレア誘導体の製造方法においては、無溶剤でも反応を進行させることができるが、低温で反応させる場合など、粘度を下げたい場合には溶剤を加えて反応させることもできる。その際には、(メタ)アクリロキシ基の炭素−炭素二重結合やチオール基と反応しない溶剤、例えばアルコール類、ケトン類、エステル類が好ましい。
溶剤として用いられるアルコール類は炭素−炭素二重結合やチオール基と反応する、炭素−炭素二重結合、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、スルホニル基、ニトリル基、ハロゲン原子等の官能基を含んではならない。上記の官能基を含まないアルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ターシャリーブタノール、ヘキサノール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールのアルキルエーテルやエステル等が挙げられる。なかでも、好ましくは、沸点が80℃以上のアルコール類が反応温度を高く保てるために好ましい。
溶剤として用いられるケトン類は炭素−炭素二重結合やチオール基と反応する、炭素−炭素二重結合、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、スルホニル基、ニトリル基、ハロゲン原子等の官能基を含んではならない。上記の官能基を含まないケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン等が挙げられる。なかでも、好ましくは、沸点が80℃以上のケトン類が反応温度を高く保てるために好ましい。
溶剤として用いられるエステル類は炭素−炭素二重結合やチオール基と反応する、炭素−炭素二重結合、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、スルホニル基、ニトリル基、ハロゲン原子等の官能基を含んではならない。上記の官能基を含まないケトン類としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、プロピレングリコールアセテート等が挙げられる。なかでも、好ましくは、沸点が80℃以上のエステル類が反応温度を高く保てるために好ましい。
α成分とβ成分との2成分は、α成分の(メタ)アクリロイル基と、β成分のチオール基とが下記式8で表される反応式で反応する。なお、Xは水素原子またはメチル基、Yはα成分の(メタ)アクリロイル基の二重結合に結合するX以外の残基を表し、Zはβ成分のチオール基に結合する残基を表す。
Figure 2018177678

上記式8に示すように、β成分の(メタ)アクリロイル基の二重結合を形成する2つの炭素のどちらもチオール基のSと結合する。2つの生成物の生成比率は反応条件により異なり、例えば本反応の触媒にアミンなどの塩基触媒を反応系に添加した場合には、生成物(1)が多く生成し、ラジカル発生剤を反応系に添加した場合には生成物(2)が多く生成する傾向にある。多くの場合、製造後のチオエーテル含有ウレア誘導体は生成物(1)と(2)の混合物となっている。
本発明のチオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物は、式1で表されるチオール含有ウレア誘導体(A)100質量部に対し、式5で表されるチオエーテル含有ウレア誘導体(B)を0.001〜2質量部含有することを特徴とする組成物である。
チオール含有ウレア誘導体(A)100質量部に対し、チオエーテル含有ウレア誘導体(B)の添加量を0.002質量部以上とすることが好ましく,0.03質量部以上とすることがより好ましい。また、チオエーテル含有ウレア誘導体(B)の添加量を1.8質量部以下とすることが好ましく、1.5質量部以下とすることがより好ましい。
<密着性向上剤>
本発明のチオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物は、塗料や接着剤等の樹脂組成物に配合することで、無機材料と有機材料の両方に対する密着性を向上させることができる。そのため、そのままで、あるいは溶剤等と調合して、密着性向上剤として用いることができる。特に、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセチレンなどの二重結合を有する化合物等に配合することによって、高い密着性向上効果を発揮することができる。さらに、相溶性が良好となることにより、高分子量体のエポキシ樹脂に本発明のチオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物を添加しても、硬化性が良好であり、硬化物が透明になる。
本発明のチオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物は特に高分子量体のエポキシ樹脂やアクリル樹脂と混合しても、相溶性が高く、硬化性が落ちないという特徴を有している。高分子量体のエポキシ樹脂とは重量平均分子量が10000以上のエポキシ樹脂のことであり、ノボラックエポキシ樹脂やグリシジルメタクリレートの共重合体等が例として挙げられる。高分子量体のアクリル樹脂とは重量平均分子量が1000以上の(メタ)アクリル基を有する硬化樹脂のことであり、ウレタンアクリル等が例として挙げられる。なお、高分子量体のエポキシ樹脂、高分子量体のアクリル樹脂の重量平均分子量の上限は特にないが、通常は、1000000以下とすることが多い。
本発明のチオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物の密着性向上効果は、チオエーテル含有ウレア誘導体のチオエーテル基に起因している。したがって、チオエーテル基と化学的な結合を形成する(化学的な親和力の高い)基材、例えば、遷移金属あるいはその合金や珪素化合物、リン化合物、硫黄化合物、又はホウ素化合物等の無機基材、不飽和結合(芳香環を含む)を有する有機物、水酸基やカルボキシル基を有する有機物、又はプラズマやUVオゾン処理された有機物等への密着性向上効果に優れる。
具体的には、無機基材としては、ガラス、シリコン、各種金属などが挙げられる。有機基材として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ABS樹脂、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、ポリアセタールなどが好ましく挙げられる。
本発明のチオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物を有効成分とする密着性向上剤は、樹脂組成物中の樹脂成分に対し、有効成分として好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.1〜10質量%添加すると高い密着性を発揮することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
はじめに、下記α成分とβ成分とを用いて(B)成分を合成した。用いたα成分及びβ成分は次のとおりである。各成分の25℃における粘度は、東機産業(株)製のR型粘度計を用いて測定した。
<ウレア基含有化合物:α成分>
2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート。その構造を下記式に示す(粘度0.13Pa・s、温度:25℃)。
Figure 2018177678

<多価チオール化合物:β成分>
3−メルカプトプロピオン酸。(粘度8.0mPa・s、温度:25℃)。
HS−CHCHCOOH
[チオエーテル含有ウレア誘導体(B)の合成]
温度計、攪拌機、滴下ポンプを備えた3つ口フラスコに、下記表1に従いβ成分を仕込み、90℃に昇温後、α成分を1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに90℃で4時間攪拌をして反応させた。反応前後の混合物の粘度を表1に示す。粘度は、東機産業(株)製のR型粘度計を用い、下記条件にて測定した。
(反応前)
使用ロータ:1°34′×R24
測定範囲:0.5183〜103.7 Pa・s
(反応後)
使用ロータ:3°×R14
測定範囲:5.002〜1000 Pa・s
Figure 2018177678

[赤外線吸収スペクトル分析(IR)]
得られたチオエーテル含有ウレア誘導体(B)について、下記条件にて赤外線吸収スペクトル分析(IR)を行った。原料であるα成分、β成分と生成物であるチオエーテル含有ウレア誘導体(B)のIRスペクトルを以下の条件で測定し、図1、2、3に示す。

機種;SENSIR(米社)製 Travel IR
セル;Ge上に展開、分解;8cm−1、積算回数;32回
原料であるα成分の1635cm−1および950cm−1付近のピークはC=Cに由来するピークである。チオエーテル含有ウレア誘導体(B)には上記ピークが無いため、α成分のC=Cがβ成分の−SHと反応していることが判明した。
(実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−2)
次に、実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−2にて、表2に示す組成物の性能を評価した。表2に示される配合にて、試料を調製した。エポキシ樹脂として、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート(下記式)と新日鉄住友化学(株)製フェノールノボラック型エポキシ樹脂「YDPN638」の混合物を使用した。ウレタンアクリル樹脂としては、共栄社化学(株)製2官能無黄変タイプウレタンアクリレート「UF−8001G」(Mw4,500)を用いた。
(硬化剤):
トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)。その構造を下記式に示す(粘度0.15Pa・s、温度:25℃)。
Figure 2018177678

[密着性評価1]
JIS K5600−5−6:塗膜の機械的性質−付着性(クロスカット法)試験法にて、密着性を評価した。無アルカリガラス(OA−10、日本電気硝子(株)製、厚さ0.7mm)を基材とし、該基材上に各試料をバーコーターで厚みが100μmになるように塗工し、150℃で1時間加熱し各基材上に硬化膜を形成して試験片を作成した。評価基準は全く剥離の無いものを○、それ以外を×とした。その結果を表2に示す。
[密着性評価2]
JIS K6854−1:接着剤−はく離接着強さ試験方法−第1部:90度はく離にて、密着性を評価した。試験片は、無アルカリガラス(OA−10、日本電気硝子(株)製、厚さ0.7mm)を基材とし、該基材上に各試料をバーコーターで厚みが100μmになるように塗工し、25mm幅のPETフィルム(A4300、東洋紡績(株)製、厚さ50μm)を貼り合せた後、150℃で1時間加熱して試料を硬化させ、試験片を作成した。評価基準はPETフィルムが破断したものを○、剥離したものを×とした。その結果を表2に示す。
[保存安定性]
樹脂組成物と密着性向上剤を混合した直後に25℃における粘度(混合後の粘度)を測定するとともに、40℃で12時間加熱した後再度粘度(加熱後の粘度)を測定した。加熱後の粘度を混合後の粘度で除して増粘率を算出し、増粘率1.0〜5.0のものを○、それ以外を×とした。その結果を表2に示す。なお、粘度は、東機産業(株)製のR型粘度計を用い、下記条件にて測定した。
使用ロータ:1°34′×R24
測定範囲:0.5183〜103.7 Pa・s
[相溶性]
樹脂組成物を混合した後、目視にて溶液の状態を確認した。
○:透明溶液
×:不透明溶液
Figure 2018177678

チオエーテル含有ウレア誘導体(B)の添加量が本発明の範囲外である比較例1−1と1−2では全ての性能を満たすことはできなかった。実施例1−1〜1−4では密着性評価1と2のいずれにおいても剥離が生じず、保存安定性および相溶性も良好であった。

Claims (1)

  1. 下記式1で表されるチオール含有ウレア誘導体(A)100質量部に対し、下記式5で表されるチオエーテル含有ウレア誘導体(B)を0.001〜2質量部含有することを特徴とするチオエーテル含有ウレア誘導体含有組成物。
    Figure 2018177678


    (式1中、
    aは1〜3の整数であり、
    bは0〜2の整数であり、
    a+b=3であり、
    は、下記式2で表される3価の基であり、
    は、下記式3または下記式4で表される2価の基であり、
    は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜7のアシロキシ基である。)
    Figure 2018177678


    (式2中、
    は、−CH−、−CHCH−、または−CHCH(CH)−である。)
    Figure 2018177678


    (式3中、Rは水素原子またはメチル基である。)

    Figure 2018177678


    (式4中、Rは水素原子またはメチル基である。)

    Figure 2018177678


    (式5中、
    は、前記式3または前記式4で表される2価の基であり、
    は、炭素数2〜6のアルキレン基である。)
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