JP2016132763A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】寒冷地においても基材に対する密着性が優れ、且つ、得られた硬化膜が柔軟性を有する材料を提供する。【解決手段】(A)特定構造のチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体と、(B)重量平均分子量が200〜50000である多官能エポキシ樹脂と、(C)重量平均分子量が90〜700であるアミン化合物と、を含有する硬化性樹脂組成物である。(A)成分と(B)成分との質量比((A)/(B))は0.05〜30であり、(A)成分と(B)成分との合計質量100質量部に対し、(C)成分は0.01〜50質量部配合される。【選択図】なし

Description

本発明は、寒冷地においても基材に対する密着性が優れ、且つ、得られた硬化膜が柔軟性を有する硬化性樹脂組成物に関するものである。
従来、エポキシ樹脂を主成分とする塗料等の無機基材に対する密着性を向上させるために、シランカップリング剤を添加する技術がある(例えば特許文献1)。しかしながら、シランカップリング剤の多くは沸点が低く、熱硬化樹脂に対しては多量に添加する必要があった。また、密着性向上効果も充分とは言えず、例えばチタン・ジルコニウム等の塩や、リン酸エステル、ウレタン樹脂等の密着性助剤も同時に添加することによって初めて実用レベルで求められる密着性を達成できる場合も多かった。この場合、これら密着性助剤の配合は工程数が増加するだけでなく、塗料特性を損なわないような密着性助剤種の選定や、その添加量の厳密な最適化作業も必要であるという問題点があった。
そこで、特許文献2には、多官能チオール化合物と特定のチオエーテル含有アルコキシシラン誘導体を、エポキシ樹脂組成物及びアミン化合物と混合した硬化性樹脂組成物が提案されている。この硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤を使用する場合のように、その他の密着性助剤等を添加する必要が無く、無機基材に対して優れた密着性を発揮することができる。
特開平7−300491号公報 特開2012−246464号公報
しかしながら、特許文献2のように多官能チオール化合物及び特定のチオエーテル含有アルコキシシラン誘導体を、エポキシ樹脂組成物及びアミン化合物と混合した硬化性樹脂組成物は、無機基材に対する密着性に優れ、樹脂組成物の貯蔵安定性に優れるものの、寒冷地においては硬化膜が柔軟性に乏しいため屈曲時にクラックが生じやすく、更に、密着性に乏しいといった課題があることが判明した。
本発明は上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、寒冷地においても基材に対する密着性が優れ、且つ、得られた硬化膜が柔軟性を有する材料を提供することにある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)下記式1で表されるチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体と、(B)重量平均分子量が200〜50000である多官能エポキシ樹脂と、(C)重量平均分子量が90〜700であるアミン化合物と、を含有し、前記(A)成分と前記(B)成分との質量比((A)/(B))が0.05〜30であり、前記(A)成分と前記(B)成分との合計質量100質量部に対し、前記(C)成分が0.01〜50質量部配合されてなることを特徴とする。
Figure 2016132763

(式中のaは1〜3の整数であり、bは0または1であり、cは1〜3の整数であり、aとbとcの和は4である。Rは、メチレン基、エチレン基またはイソプロピレン基である。Rは、下記式2または下記式3で表される2価の官能基である。Rは、メチル基またはエチル基である。Rは、炭素数が1〜12の炭化水素基である。)
Figure 2016132763

(Rは水素原子またはメチル基である。)
Figure 2016132763

(Rは水素原子またはメチル基である。)
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、(D)重量平均分子量が200〜50000である多官能(メタ)アクリレートを、前記(A)成分と前記(B)成分との合計質量100質量部に対し、2〜300質量部含有しても良い。
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、(E)光重合開始剤を、前記(A)成分と前記(D)成分との合計質量100質量部に対し、0.01〜10質量部含有しても良い。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの双方を含む総称を意味する。「(メタ)アクリル酸」及び「(メタ)アクリロキシ基」等の用語も同様に総称として用いられる。また、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、その下限値(「○○」)や上限値(「××」)を含む概念である。すなわち、正確には「○○以上××以下」を意味する。また、本発明において「分子量」とは、別途記載が無い限り、重量平均分子量を意味する。
本発明の硬化性樹脂組成物によれば、(A)特定のチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体を密着性向上作用の有効成分としながら、(B)特定の分子量の多官能エポキシ樹脂と、(C)特定の分子量のアミン化合物とがバランス良く配合されている。それにより、従来のシランカップリング剤を使用する場合のようにその他の密着性助剤等を含有しなくても、基材に対する優れた密着性を有する。特に、従来の多官能チオール化合物を使用した硬化性樹脂組成物では不十分であった、寒冷条件における基材に対する密着性にも優れ、且つ、得られた硬化膜が柔軟性を有する。
以下に、本発明について詳しく説明する。本発明の硬化性樹脂組成物は、下記(A)、(B)、及び(C)成分を必須成分とし、任意に(D)成分、(E)成分もさらに含有する。
<チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体((A)成分)>
本発明の(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体は、下記式1で表される化合物である。
Figure 2016132763

(式中のaは1〜3の整数であり、bは0または1であり、cは1〜3の整数であり、aとbとcの和は4である。Rは、メチレン基、エチレン基またはイソプロピレン基である。Rは、下記式2または下記式3で表される2価の官能基である。Rは、メチル基またはエチル基である。Rは、炭素数が1〜12の炭化水素基である。)
Figure 2016132763

(Rは水素原子またはメチル基である。)
Figure 2016132763

(Rは水素原子またはメチル基である。)
上記式1中のRである炭素数が1〜12の炭化水素基としては、直鎖のアルキル基、側鎖を持つアルキル基、環状のアルキル基が挙げられる。上記式1中のRは、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基であり、密着性向上効果が高くなることから、エチレン基、イソプロピレン基が特に好ましい。
上記式1で表されるチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体は、塗料等に配合された場合、例えば−10℃といった寒冷環境下においても、密着性助剤無しで基材に対する高い密着性向上効果を発揮し、且つ、得られる塗膜に柔軟性を付与する効果に優れる。更に、上記式1で表されるチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体は、分子量が小さいことから他の成分に対する溶解性に優れる。従って、上記式1で表されるチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体は、多くの樹脂に対して高い相溶性を有することから、幅広い塗料に対して使用可能であり、汎用性が高い。
<多官能エポキシ樹脂((B)成分)>
(B)成分である多官能エポキシ樹脂とは、2個以上のエポキシ基(オキシラン環)を有する有機化合物である。多官能エポキシ樹脂の重量平均分子量は200〜50000、好ましくは200〜48000、より好ましくは200〜46000である。重量平均分子量が200より小さくても密着性に関しては問題ないが、多官能エポキシ樹脂の揮発性が高くなり、臭気が強くなる傾向がある。一方、重量平均分子量が50000より大きいと、他の成分に対する溶解性が低くなって、基材に対する密着性が低下する可能性がある。
多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量は80〜6000g/mol、好ましくは85〜5500g/mol、より好ましくは90〜5000g/molとする。エポキシ当量が80g/molより小さいと、単位体積あたりのエポキシ基が過剰になって、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体のチオール基と未反応のエポキシ基が多量に残存することで、硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の靭性が低下し、密着性が低下するおそれがある。一方、エポキシ当量が6000g/molより大きいと、エポキシ基濃度が著しく低いことから(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体のチオール基との反応効率が低下することで、硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の靭性が低下し、基材に対する密着性が低下するおそれがある。
(B)成分である多官能エポキシ樹脂としては、例えばグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、又は二重結合含有化合物の二重結合を過酸化物で酸化して得られる酸化型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、室温での反応性が低く保存安定性が高くなることから、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂やグリシジルエステル型エポキシ樹脂が好ましい。なお、多官能エポキシ樹脂は、1種のみを単独で使用することもできるし、2種以上を混合使用することもできる。
<グリシジルエーテル型エポキシ樹脂>
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、エピクロロヒドリンと下記式4で表される化合物との反応生成物が好ましい。
Figure 2016132763

(式中のdは2〜30の整数であり、R6は炭素数2〜200の炭化水素基(β1)、炭素数2〜300のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(β2)、イソシアヌレート環(β3)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(β4)である。)
上記式4で表される化合物の中でも、dが2〜20であり、且つR6が炭素数2〜150の炭化水素基である化合物(β1−1)、又はdが2〜20であり、且つR6が炭素数2〜150の炭化水素基とエーテル酸素(−O−)のみからなる基である化合物(β2−1)が、他の成分との溶解性が高いという理由で好ましい。(β1−1)としては、例えば炭素数2〜10のアルキレンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、フェノールノボラック、ビスフェノールA等が挙げられる。(β2−1)としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はジペンタエリスリトール等が挙げられる。
エピクロロヒドリンと上記式4で表される化合物とを反応させることで、エピクロロヒドリンと上記式4で表される化合物の水酸基とが付加反応してクロロヒドリンが得られ、得られたクロロヒドリンを酸化ナトリウム等の塩基で閉環しエポキシ樹脂を得ることができる。また、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は前記の閉環反応の後得られたエポキシ樹脂のエポキシ基の一部を開環重合させたエポキシ樹脂でもよい。
エピクロロヒドリンと上記式4で表される化合物の反応生成物は、下記式5の構造となる。
Figure 2016132763

(式中のdは2〜30の整数であり、R6は炭素数2〜200の炭化水素基(β1)、炭素数2〜300のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(β2)、イソシアヌレート環(β3)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(β4)である。)
〔グリシジルエステル型エポキシ樹脂〕
グリシジルエステル型エポキシ樹脂は、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマーを単独あるいは炭素数4〜25のアルキル(メタ)アクリレートと共重合して得られる重量平均分子量3000〜20000のポリマー又はエピクロロヒドリンと、下記式6で表される化合物との反応生成物などである。
Figure 2016132763

(式中のeは2〜8の整数であり、R7は炭素数2〜20の炭化水素基(β5)、炭素数2〜30のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(β6)、イソシアヌレート環(β7)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(β8)である。)
エピクロロヒドリンと上記式6で表される化合物とを反応させることで、エピクロロヒドリンと上記式6の化合物のカルボキシル基とが付加反応してクロロヒドリンが得られ、得られたクロロヒドリンを水酸化ナトリウム等の塩基で閉環しグリシジルエステル型エポキシ樹脂を得ることができる。また、グリシジルエステル型エポキシ樹脂のエポキシ基の一部を開環重合させたエポキシ樹脂も使用することができる。
上記式6で表される化合物の中でも、eが2〜4であり、且つR7が炭素数2〜10の炭化水素基である化合物(β5−1)、eが2〜6であり、且つRが炭素数2〜30のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基である化合物(β6−1)、又はeが3であり、且つR7がイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基である化合物(β8−1)が、溶解性が高いという理由で好ましく挙げられる。
(β5−1)としては、例えばヒドロフタル酸やトリメリット酸等が挙げられる。(β6−1)としては、例えばペンタエリスリトールと無水トリメリット酸との反応物が挙げられる。(β8−1)としては、例えば1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
エピクロロヒドリンと上記式6で表される化合物の反応生成物は、下記式7の構造となる。
Figure 2016132763

(式中のeは2〜8の整数であり、Rは炭素数2〜20の炭化水素基(β5)、炭素数2〜30のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(β6)、イソシアヌレート環(β7)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(β8)である。)
<アミン化合物((C)成分)>
(C)成分であるアミン化合物は、チオール基とエポキシ基との反応を促進(触媒)する。(C)成分であるアミン化合物としては、重量平均分子量が90〜700、好ましくは100〜690、より好ましくは110〜680の、単官能アミンや複数個のアミノ基を有するポリアミンが挙げられる。アミン化合物の重量平均分子量が90未満では、アミン化合物の揮発性が高くなり、臭気やボイドの原因となるだけではなく、加熱硬化時のアミン濃度が低くなるため架橋反応が進行し難くなり密着性が低下し易くなる。アミン化合物の重量平均分子量が700を超えると、耐水性が低くなり密着性が低下し易くなる。
単官能アミンとしては、1級アミン、2級アミン、又は3級アミンが挙げられる。ポリアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミン、複合アミンが挙げられる。複合アミンとは、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のうち2種以上を有するアミンのことである。このような複合アミンとしては、イミダゾリン化合物、イミダゾール化合物、N置換ピペラジン化合物、N,N−ジメチル尿素誘導体等が挙げられる。なお、アミン化合物は、1種のみを単独で使用することもできるし、2種以上を混合使用することもできる。
また、アミン化合物は、触媒活性を調整するために予め有機酸との塩を形成していても良い。アミン化合物と予め反応させる有機酸としては、炭素数1〜20でカルボキシル基を分子中に1〜5個有するステアリン酸や2−エチルヘキサン酸等の脂肪族カルボン酸、炭素数1〜20でカルボキシル基を分子中に1〜10個有するピロメリット酸、トリメリット酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、又はイソシアヌル酸が挙げられる。また、(C)成分であるアミン化合物は、触媒活性を調整するために(B)成分である多官能エポキシ樹脂とのアダクトを形成した後に配合されても良い。
〔イミダゾール化合物〕
アミン化合物の中でも、イミダゾール化合物が最も保存安定性と低温条件における短時間での硬化の両立に適している。また、フェノール樹脂等でコーティングしたイミダゾール化合物も用いることができる。当該イミダゾール化合物は、下記式8で表される化合物である。
Figure 2016132763

(R9はシアノ基、炭素数1〜10の炭化水素基、2,3−ジアミノトリアジンで置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水素原子であり、R8、R10、R11は炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水素原子であり、R8〜R11が結合して環を形成している場合には炭素数2〜8の炭化水素基である。)
イミダゾール化合物の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−ウンデシルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4'−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが挙げられる。
<多官能(メタ)アクリレート((D)成分)>
(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体、(B)多官能エポキシ樹脂、及び(C)アミン化合物を含む本発明の硬化性樹脂組成物は、加熱により硬化することができる。この硬化性樹脂組成物にさらに(D)多官能(メタ)アクリレートを加えることによって、光硬化性あるいは光熱二段階硬化性を付与することができる。
多数ある二重結合含有化合物の中でも、(D)成分として多官能(メタ)アクリレートを用いる利点として、本発明の硬化性樹脂組成物における(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体と室温では反応しにくいため可使用時間を長く、すなわち保存安定性を高く設定できること、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体と反応した際に強靭な硬化物を形成すること、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体と(D)多官能(メタ)アクリレートとの反応が(C)アミン化合物により触媒されにくいこと、(B)多官能エポキシ樹脂と反応しないこと等が挙げられる。
このような多官能(メタ)アクリレートの好ましい例としては、下記式9で表される化合物が挙げられる。なお、(D)成分である多官能(メタ)アクリレートは、1種のみを単独で使用することもできるし、2種以上を混合使用することもできる。
Figure 2016132763

(式中のfは2〜30の整数であり、R12は炭素数2〜200の炭化水素基(ε1)、炭素数2〜300のエーテル酸素(−O−)と炭化水素基のみからなる基(ε2)、イソシアヌレート環(ε3)、又はイソシアヌレート環と炭化水素基のみからなる基(ε4)であり、R13は水素原子またはメチル基である。)
また、(D)多官能(メタ)アクリレートとしては、ポリマータイプのものも好適に用いることができる。ポリマータイプの多官能(メタ)アクリレートとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレート単独あるいは共重合体に、(メタ)アクリル酸のようにエポキシ基と反応する基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるポリマー、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート単独あるいは共重合体に、2−メチルプロペン酸2−イソシアナトエチルのように水酸基と反応する基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるポリマー、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート単独あるいは共重合体に、グリシジル(メタ)アクリレートのようにカルボキシル基と反応する基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるポリマー等が挙げられる。
(D)多官能(メタ)アクリレートの重量平均分子量は200〜50000、好ましくは220〜40000、より好ましくは240〜30000である。(D)多官能(メタ)アクリレートの重量平均分子量が200より小さくても密着性に関しては問題ないが、揮発性が高くなり臭気が強くなる傾向がある。一方、重量平均分子量が50000より大きいと、他の成分に対する溶解性が低くなる可能性がある。
また、(D)多官能(メタ)アクリレートの(メタ)アクリレート当量は80〜6000g/mol、好ましくは80〜4500g/mol、より好ましくは85〜3000g/molとする。(メタ)アクリレート当量が80g/molより小さいと、単位体積あたりの(メタ)アクリロキシ基が過剰になり、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体のチオール基と未反応の(メタ)アクリロキシ基が多量に残存することで、硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の靭性が低下し、密着性が低下するおそれがある。一方、(メタ)アクリレート当量が6000g/molより大きくなると、(メタ)アクリロキシ基濃度が著しく低いことから(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体のチオール基との反応効率が低下することで、硬化性樹脂組成物からなる硬化膜の靭性が低下し、密着性が低下するおそれがある。
<光重合開始剤((E)成分)>
(E)成分である光重合開始剤は、チオール基と(メタ)アクリロキシ基との反応を促進するために添加される。光重合開始剤としては、光ラジカル開始剤、光カチオン開始剤、光アニオン開始剤等である。光ラジカル開始剤は、反応時間を短縮する際に用いることが好ましく、光カチオン開始剤は、硬化収縮を小さくする際に用いることが好ましく、光アニオン開始剤は、電子回路等の分野での接着性を付与する際に用いることが好ましい。
光ラジカル開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等が挙げられる。
光カチオン開始剤としては、例えば、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、シクロプロピルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセナート、2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート、トリフェニルスルホニウムブロミド、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、トリ−p−トリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等が挙げられる。
光アニオン開始剤としては、例えば、アセトフェノン−o−ベンゾイルオキシム、ニフェジピン、2−(9−オキソキサンテン−2−イル)プロピオン酸1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、2−ニトロフェニルメチル4−メタクリロイルオキシピペリジン−1−カルボキシラート、1,2−ジイソプロピル−3−〔ビス(ジメチルアミノ)メチレン〕グアニジウム2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオナート、1,2−ジシクロヘキシル−4,4,5,5−テトラメチルビグアニジウム n−ブチルトリフェニルボラート等が挙げられる。
<組成比(配合バランス)>
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体と(B)多官能エポキシ樹脂との質量比((A)/(B))が0.05〜30となるように配合する。ここで、「(A)/(B)」とは、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体の質量を(B)多官能エポキシ樹脂の質量で除した値である。最適な(A)/(B)の値は、硬化性樹脂組成物に求められる特性や、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体や(B)多官能エポキシ樹脂および任意に添加される(D)多官能(メタ)アクリレートの構造によって異なる。硬化性樹脂組成物を硬化した後の特性は、厳密には硬化性樹脂組成物単位重量中の(チオール基数)/(エポキシ基数+(メタ)アクリロキシ基数)(以下、チオール/(エポキシ+エン)比と称す)の値に影響を受ける。例えば、チオール/(エポキシ+エン)比が0.5〜1.5の範囲にあれば、密な架橋を形成し易く、且つ強靭な硬化物になり易い。一方、チオール/(エポキシ+エン)比が0.1以上0.5未満、あるいは1.5を超え2.0以下であれば、柔軟で粘着質な硬化物を得ることができる。チオール/(エポキシ+エン)比が0.1未満、あるいは2.0を超えるとゲル化し難くなり、密着性が低下する傾向がある。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体と(B)多官能エポキシ樹脂との合計質量((A)+(B))100質量部に対し、(C)アミン化合物が0.01〜50質量部、好ましくは0.01〜45質量部となるように配合する。((A)+(B))100質量部に対して(C)成分の配合量が0.01質量部未満では、チオール基とエポキシ基の反応が進行するのに時間を要するため硬化不良を起こし、50質量部を超えると保存安定性が低くなる恐れがある。
また、本発明の硬化性樹脂組成物に対して(D)多官能(メタ)アクリレートも配合する場合は、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体と(B)多官能エポキシ樹脂との合計質量((A))+(B))100質量部に対し、(D)多官能(メタ)アクリレートが2〜300質量部、好ましくは2〜250質量部となるように配合する。((A)+(B))100質量部に対して(D)成分の配合量が2質量部未満では、光硬化性を付与することが難しく、300質量部を超えると、密着性が低下する傾向がある。
また、本発明の硬化性樹脂組成物に対して(E)光重合開始剤も配合する場合は、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体と(D)多官能(メタ)アクリレートとの合計質量((A)+(D))100質量部に対し、(E)光重合開始剤が0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部となるように配合する。((A)+(D))100質量部に対して(E)成分の配合量が0.01質量部未満では、光硬化を促進することが難しく、10質量部を超えると、不必要に多くなり好ましくない。
<硬化膜の形成>
本発明の硬化性樹脂組成物は、基材上に塗工し、硬化させることで、硬化膜を形成することができる。本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体のチオエーテル基に起因して基材に対して密着性を発揮する。したがって、基材としては、チオエーテル基と化学的な結合を形成する(化学的な親和力の高い)基材、例えば、遷移金属あるいはその合金や珪素化合物、リン化合物、硫黄化合物、又はホウ素化合物等の無機基材、不飽和結合(芳香環を含む)を有する有機物、水酸基やカルボキシル基を有する有機物、又はプラズマやUVオゾン処理された有機物等への密着性向上効果に優れる。具体的には、無機基材としては、ガラス、シリコン、各種金属などが挙げられる。有機基材として、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、トリアセテートセルロース(TAC)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ABS樹脂、ポリビニルアルコール、塩化ビニル系樹脂、ポリアセタールなどが好ましく挙げられる。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体が特定の炭化水素基を有することで、硬化膜が柔軟性に優れる。そのため、寒冷条件下でも硬化膜が基材に追従しやすく、基材に対する密着性に優れる。したがって、特に、寒冷条件下で使用され得るフレキシブルな基材のコーティングに特に好適に使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、加熱により硬化させることができる。加熱温度は、25〜250℃程度である。また、硬化性樹脂組成物が(D)成分を含む場合には、光を照射することにより硬化させることもできる。照射する光としては、UV(紫外線)やEB(電子線)などの活性エネルギー線等が挙げられる。硬化性樹脂組成物が(D)成分を含む場合には、光の照射による硬化工程と、加熱による硬化工程との二段階の工程を経て硬化させることもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、反応系を均一にし、塗工を容易にするために有機溶媒で希釈して使用してもよい。そのような有機溶媒としては、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤及びエーテルエステル系溶剤、ケトン系溶剤、リン酸エステル系溶剤が挙げられる。これらの有機溶媒は硬化性樹脂組成物100質量部に対して、10000質量部未満の配合量に抑えることが好ましいが、基本的に溶剤は硬化膜になる時点では揮発しているため、硬化膜の物性に大きな影響は与えない。ただし、チオール基、エポキシ基、又は(メタ)アクリロイル基と反応する官能基を有する化合物、及びアミン化合物は溶剤として用いることで本発明の効果を損なうおそれがある。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、粘度を調整する目的でシリカ粉末等の粘度調整剤を配合しても良い。これらの粘度調整剤は、硬化性樹脂組成物100質量部に対して、300質量部未満の配合量に抑えることが好ましい。粘度調整剤の配合量が300質量部を超えると、密着性が低下する可能性がある。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、通常の塗料や接着剤に用いられるような各種添加剤を添加しても良い。このような添加剤としては、塗工面を平滑にするための界面活性剤、可使用時間を長くするためのアルミニウム塩が挙げられる。これらの添加剤は、硬化性樹脂組成物100質量部に対して、80質量部未満の配合量に抑えることが好ましい。これらの添加剤の配合量が10質量部を超えると、密着性が低下する可能性がある。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限られるものではない。本実施例及び比較例で用いた試薬は、次のとおりである。なお、Mwは重量平均分子量を示す。
<(A)成分>
(A−1:チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体)
Figure 2016132763

(A−2:チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体)
Figure 2016132763

(A−3:チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体)
Figure 2016132763

(A−4:チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体)
Figure 2016132763

(A’−1:多価チオール)
Figure 2016132763

(A’―2:チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体)
Figure 2016132763

(A’―3:チオエーテル含有アルコキシシラン誘導体)
Figure 2016132763

(A’―4:チオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体)
Figure 2016132763
<多官能エポキシ樹脂((B)成分)>
(B−1、Mw:5500)
Figure 2016132763

(B−2、Mw:220)
Figure 2016132763

(B−3、Mw:18000)
グリシジルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレート(官能基比1:1)の共重合体(50wt%メチルイソブチルケトン溶液をヘキサンで再沈した白色固体)
(B−4、Mw:45000)
グリシジルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレート(官能基比1:1)の共重合体(50wt%メチルイソブチルケトン溶液をヘキサンで再沈した白色固体)
<アミン化合物((C)成分)>
(C−1、Mw:110)
Figure 2016132763

(C−2、Mw:102)
N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン
(C−3、Mw:680)
Figure 2016132763

(n1、n2、n3は1〜5の整数であり、平均が3.5である混合物)
<多官能(メタ)アクリレート((D)成分)>
(D−1、Mw:352)
Figure 2016132763

(D−2、Mw:246)
Figure 2016132763

(D−3、Mw:5000)
Figure 2016132763

(nは平均13)
(D−4、Mw:22000)
グリシジルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレートの共重合体にC−3を触媒としメタクリル酸を当モル付加したポリマー(50wt%メチルイソブチルケトン溶液をヘキサンで再沈した白色固体)
(D−5、Mw:45000)
グリシジルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレートの共重合体にC−3を触媒としメタクリル酸を当モル付加したポリマー(50wt%メチルイソブチルケトン溶液をヘキサンで再沈した白色固体)
<光重合開始剤((E)成分)>
(E−1、Mw:204)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(E−2、Mw:348)
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド
(E−3、Mw:407)
2−(9−オキソキサンテン−2−イル)プロピオン酸1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン
<硬化性樹脂組成物>
下記表1〜表4に示す組成及び配合量で(A)〜(E)成分をそれぞれ混合し、スパチュラで均一になるまで撹拌し、各実施例及び比較例の硬化性樹脂組成物を得た。得られた硬化性樹脂組成物を用いて以下の密着性1(室温密着性)、密着性2(寒冷地密着性)、密着性3(光硬化性)、柔軟性及び保存安定性の評価を行った。その結果を表1〜表4に示す。
[評価用試験片1の作製]
密着性1、密着性2および柔軟性の評価用試験片は、次のように得た。各硬化性樹脂組成物を、25mm幅のPETフィルム上にダイコーターで100ミクロンの厚みに塗布し、その上に別のPETフィルムを重ねた後、150℃、1時間の条件で硬化させ評価用試験片1を得た。なお、PETフィルムとしては、東レ(株)製、ルミラーU46−100を用いた。
[評価用試験片2の作製]
密着性3の評価用試験片は、次のように得た。各硬化性樹脂組成物を、幅25mm、長さ150mmのPETフィルム上にダイコーターで100ミクロンの厚みに塗布し、その上に別のPETフィルムを重ねた後、高圧水銀灯(i線換算)の光を光照射量:500mJ/cm照射して評価用試験片2Aを、3000mJ/cm照射して評価用試験片2Bを得た。なお、PETフィルムとしては、東レ(株)製、ルミラーU46−100を用いた。
[密着性1(室温密着性)]
上記評価用試験片1を、25℃で24時間静置した後、JIS K6854−3に規定されるT型はく離法に準じて測定し、以下の通り評価した。
◎:引っ張り強度が5N/25mm以上(PETフィルムが破断)
○:引っ張り強度が5N/25mm以上(PETフィルムは破断せず)
×:5N/25mm未満
[密着性2(寒冷地密着性)]
上記評価用試験片1を、−10℃で24時間静置した後、JIS K6854−3に規定されるT型はく離法に準じて測定し、以下の通り評価した。
◎:引っ張り強度が5N/25mm以上(PETフィルムが破断)
○:引っ張り強度が5N/25mm以上(PETフィルムは破断せず)
×:5N/25mm未満
[密着性3(光硬化性)]
上記評価用試験片2A及び2Bのそれぞれにおいて、評価用試験片を両手で保持した状態で一方のPETフィルムを幅方向に引っ張り、他方のPETフィルムに対する相対的な変位(幅方向のズレ)を目視にて観察して評価した。
◎:評価用試験片2A及び2B共にズレ無し
○:評価用試験片2Bのみズレ無し
×:評価用試験片2A及び2B共にズレ有り
[柔軟性]
上記評価用試験片1を、−10℃で24時間静置した後、直径8mmの棒に1分間巻きつけ、目視にて観察し、以下の通り評価した。
○:クラック無し
×:クラック有り
[保存安定性]
各実施例及び比較例の硬化性樹脂組成物について、混合した直後に25℃における粘度(混合後の粘度)を測定するとともに、40℃で12時間加熱した後再度粘度(加熱後の粘度)を測定し、加熱後の粘度を混合直後の粘度で除して増粘率を算出し、以下の通り評価した。なお、粘度は、東機産業株式会社製のR型粘度計を用い、下記条件にて測定した。
使用ロータ:1°34′×R24
測定範囲:0.5183〜103.7 Pa・s
◎:増粘率1.0〜1.8
○:増粘率1.8〜10
×:増粘率上記範囲外
Figure 2016132763

Figure 2016132763

Figure 2016132763

Figure 2016132763
実施例1−1〜1−17の硬化性樹脂組成物において、室温及び寒冷条件下における高い密着性、良好な柔軟性、及び優れた保存安定性がみられる。一方、(A)成分として上記式1に該当しない化合物を用いた比較例1−5〜1−8では、寒冷条件下における密着性と柔軟性に欠ける。(B)成分に対して(A)成分が少なすぎる又は多すぎる比較例1−1及び1−2では、寒冷条件下のみならず常温でも密着性が劣る。このうち、(B)成分に対して(A)成分が少なすぎる比較例1−1では、柔軟性も欠ける。(C)成分が配合されていない比較例1−3では密着性に欠ける。(A)成分及び(B)成分に対して(C)成分が過剰に配合されている比較例1−4では、保存安定性に乏しい。また、実施例2−1〜2−10にて(D)成分を添加することで光硬化性を付与できることが確認された。また、実施例3−1〜3−5にて、(E)成分を添加するとより少ない光照射で硬化できることが確認された。

Claims (3)

  1. (A)下記式1で表されるチオエーテル含有(メタ)アクリレート誘導体と、
    (B)重量平均分子量が200〜50000である多官能エポキシ樹脂と、
    (C)重量平均分子量が90〜700であるアミン化合物とを含有し、
    前記(A)成分と前記(B)成分との質量比((A)/(B))が0.05〜30であり、
    前記(A)成分と前記(B)成分との合計質量100質量部に対し、前記(C)成分が0.01〜50質量部配合されてなる、硬化性樹脂組成物。
    Figure 2016132763

    (式中のaは1〜3の整数であり、bは0または1であり、cは1〜3の整数であり、aとbとcの和は4である。Rは、メチレン基、エチレン基またはイソプロピレン基である。Rは、下記式2または下記式3で表される2価の官能基である。Rは、メチル基またはエチル基である。Rは、炭素数が1〜12の炭化水素基である。)
    Figure 2016132763

    (Rは水素原子またはメチル基である。)
    Figure 2016132763

    (Rは水素原子またはメチル基である。)
  2. (D)重量平均分子量が200〜50000である多官能(メタ)アクリレートを、前記(A)成分と前記(B)成分との合計質量100質量部に対し、2〜300質量部配合してなる、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. (E)光重合開始剤を、前記(A)成分と前記(D)成分との合計質量100質量部に対し、0.01〜10質量部配合してなる、請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
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