JP6326324B2 - 電磁誘導加熱装置および電磁誘導加熱装置の被加熱物判定方法 - Google Patents

電磁誘導加熱装置および電磁誘導加熱装置の被加熱物判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、調理器具などを電磁誘導で加熱する電磁誘導加熱装置および電磁誘導加熱装置の被加熱物判定方法に関するものである。
近年、火を使わずに鍋などの被加熱物を加熱するインバータ方式の電磁誘導加熱装置が広く用いられるようになってきている。電磁誘導加熱装置は、加熱コイルに高周波電流を流し、コイルに近接して配置された金属製の被加熱物に渦電流を発生させ、被加熱物自体の電気抵抗により発熱させる。一般に、被加熱物が磁性体で固有抵抗が大きい鉄は加熱し易く、非磁性体で低抵抗の銅やアルミなどは加熱し難い。また、様々な金属材料を使った鍋が市販されており、鍋の材質や形状により電気的特性が異なるため、全ての鍋を最適な条件で加熱することは困難である。
このような問題を解決する従来例として、特許文献1に開示されるような誘導加熱装置がある。特許文献1の要約書の構成には、「電源の交流を整流回路2で直流に変換し、制御回路9によるスイッチング素子8のオンオフ制御で加熱コイル5に共振電流を流す。この時、加熱コイル5上に載置する鍋4の有無及び材質の違いにより、スイッチング素子8に並列に接続された鍋検知回路12の逆導通ダイオード10に流れる電流が大きく異なる。そこで、鍋検知回路12の出力電圧を判定手段13の基準電圧と比較し、鍋4の有無及び材質を判定する。」と記載されている。
特開平4−371108号公報
しかし、特許文献1に記載の発明では、非適正鍋を検出する場合に、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)にスパイク電流が多く流れ、IGBTの損失が増加する問題がある。鍋の種類によってはインバータのスイッチング素子が破壊する可能性もある。
そこで、本発明は、スイッチング素子の損失を増加させることなく鍋の有無または/および材質を判別できる電磁誘導加熱装置、および電磁誘導加熱装置の被加熱物判定方法を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、第1の発明の電磁誘導加熱装置では、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルおよび共振コンデンサを含んで構成される共振回路と、ダイオードおよび半導体スイッチング素子の並列接続を少なくとも1つ含んで構成され、この共振回路を駆動する高周波インバータと、この高周波インバータを駆動すると共に、この被加熱物の判別時においてこの半導体スイッチング素子に少なくとも1回のスイッチング動作を行わせ、この共振回路の減衰振動の周期に基づいて、この被加熱物の有無を判別し、更に前記減衰振動の周期から加熱時の駆動周波数を決定する制御回路とを備える。
第2の発明の電磁誘導加熱装置の被加熱物判定方法では、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルおよび共振コンデンサを含んで構成される共振回路と、ダイオードおよび半導体スイッチング素子の並列接続を少なくとも1つ含んで構成され、この共振回路を駆動する高周波インバータと、この高周波インバータを駆動する制御回路と、を備える電磁誘導加熱装置が実行する被加熱物判定方法である。この制御回路は、この被加熱物の判別時において、この半導体スイッチング素子は少なくとも1回のスイッチング動作を行わせて、この共振回路を減衰振動させ、この減衰振動を測定してこの被加熱物の有無または/およびこの被加熱物の材質を判別する。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、スイッチング素子の損失を増加させることなく鍋の有無または/および材質を判別できる電磁誘導加熱装置、および電磁誘導加熱装置の被加熱物判定方法を提供可能である。
第1の実施形態における電磁誘導加熱装置の回路構成図である。 第1の実施形態における電磁誘導加熱装置を示す概略の構成図である。 第1の実施形態における電磁誘導加熱装置の動作を示す波形図である。 電圧共振インバータで使用される加熱コイルの等価インダクタンスと等価抵抗の一覧である。 第1の実施形態における鍋無し時の波形図である。 第1の実施形態における鉄鍋時の波形図である。 第1の実施形態における非磁性ステンレス鍋時の波形図である。 第2の実施形態における鍋無し時の波形図である。 第2の実施形態における鉄鍋時の波形図である。 第2の実施形態における非磁性ステンレス鍋時の波形図である。 第3の実施形態における電磁誘導加熱装置の回路構成図である。 第3の実施形態における電磁誘導加熱装置の動作を示す波形図である。 電流共振インバータで使用される加熱コイルの等価インダクタンスと等価抵抗の一覧である。 第3の実施形態における鍋無し時の波形図である。 第3の実施形態における鉄鍋時の波形図である。 第3の実施形態における非磁性ステンレス鍋時の波形図である。 第3の実施形態における加熱時の鍋検出処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における電磁誘導加熱装置の回路構成図である。 各鍋種の巻数と等価抵抗の関係である。 第4の実施形態で使用される加熱コイルの等価インダクタンスと等価抵抗の一覧である。 第4の実施形態における電磁誘導加熱装置の動作を示す波形図である。 第4の実施形態における鍋無し時の波形図である。 第4の実施形態における鍋無し時の波形の拡大図である。 第4の実施形態における鉄鍋時の波形図である。 第4の実施形態におけるアルミ鍋時の波形図である。
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における電磁誘導加熱装置11の回路構成図である。
電磁誘導加熱装置11の回路は、整流回路2と、フィルタ3と、電圧共振インバータ4と、これを制御する制御回路6とを含んで構成される。
整流回路2は、例えばダイオードブリッジであり、商用電源1から供給される交流を整流して、直流としてフィルタ3に出力する。
フィルタ3は、整流回路2が整流した直流を平滑化するフィルタ回路である。フィルタ3の出力側は、電圧共振インバータ4に接続される。フィルタ3は、インダクタL0とフィルタコンデンサC0とを含んで構成される。インダクタL0の一端は、整流回路2の正極に接続される。インダクタL0の他端は、フィルタコンデンサC0の一端に接続され、かつ、このフィルタ3の正極に接続される。フィルタコンデンサC0の他端は、整流回路2の負極に接続される。
高周波インバータである電圧共振インバータ4は、共振回路8と半導体スイッチング素子であるIGBT50とが直列に接続されて構成される。このIGBT50には逆並列に、ダイオードD0が接続される。電圧共振インバータ4は、フィルタ3から直流電力が供給されて、高周波の交流電流を出力して加熱コイル7を駆動する。
共振回路8は、加熱コイル7と共振コンデンサ80(一の共振コンデンサ)の並列接続を含んで構成される。加熱コイル7は、例えばリッツ線を用いた誘導加熱用のコイルである。IGBT50が所定周期でオンオフを繰り返すことで、加熱コイル7には高周波の交流電流が出力される。
電圧共振インバータ4は、フィルタ3の正極と負極との間に、ダイオードD0およびIGBT50の並列接続が共振回路8と直列に接続されて構成されて、加熱コイル7を駆動する。
制御回路6は、駆動信号発生回路61と、ドライブ回路62と、比較回路63と、制御手段64とを含んで構成される。制御回路6は、電圧共振インバータ4の周波数の調整に加えて、不図示の各スイッチのオンオフや、各部の電圧/電流検出などを行う。
制御手段64は、例えばマイクロコンピュータであり、駆動信号発生回路61を制御する。駆動信号発生回路61は、ドライブ回路62に制御信号を出力する。ドライブ回路62は、制御信号の電圧レベルを変換して、IGBT50をオン/オフさせる。
比較回路63は、例えばコンパレータであり、IGBT50のコレクタ電圧と検出レベル信号とを比較して、その比較結果を制御手段64に出力する。これにより制御手段64は、電磁誘導加熱装置11に載置される被加熱物の有無または/および材質を判別することができる。
図2は、第1の実施形態における電磁誘導加熱装置11を示す概略の構成図である。
電磁誘導加熱装置11は、整流回路2と、フィルタ3と、電圧共振インバータ4と、制御回路6と、操作部65と、表示部66と、加熱コイル7と、トッププレート91と、磁性体92とを含んで構成される。電磁誘導加熱装置11は、トッププレート91に載置された鍋10を誘導加熱する。
鍋10は、加熱対象の調理器具である。鍋10は、トッププレート91に載置されて、加熱コイル7によって誘導加熱される。
トッププレート91は、鍋10を載置するためプレートである。トッププレート91は、磁気損失の少ない耐熱ガラスなどで構成され、加熱コイル7の上面を覆っている。
磁性体92は、例えば高い透磁率を持つフェライトで構成され、加熱コイル7の下面に設けられる。
操作部65は、例えばスイッチなどであり、この電磁誘導加熱装置11の加熱のオンオフや加熱時の火力や調理方法などの入力を受け付ける。表示部66は、例えば液晶ディスプレイなどであり、現在の火力や調理方法や警告などを表示する。表示部66は、例えば警告として、鍋が載置されていないことを表示することができる。
図3は、第1の実施形態における電磁誘導加熱装置11の動作を示す波形図である。ここでは適宜図1を参照して、通常の加熱動作を説明する。各実線は、上から順に、IGBT50のコレクタ電流とコレクタ電圧と、加熱コイル7の共振電流ILである。IGBT50のコレクタ電流は、ダイオードD0およびIGBT50の並列接続に流れる電流である。加熱コイル7の共振電流ILの向きは、図1の矢印方向を正とする。
モードM11は、IGBT50のターンオフからIGBT50のコレクタ電圧のピークまでの期間である。制御回路6がIGBT50をターンオフすると、IGBT50に流れていた電流は遮断され、モードM11において0Aを維持する。このとき加熱コイル7に蓄えられたエネルギにより、加熱コイル7から共振コンデンサ80の経路に電流が流れる。IGBT50のコレクタ電圧は、IGBT50のターンオフ時には0Vであるため、ゼロ電圧スイッチングとなる。
加熱コイル7のエネルギの放出により、共振電流ILは、次第に減少する。共振コンデンサ80は充電され、それと共にIGBT50のコレクタ電圧は、正弦波状に上昇する。
モードM12は、IGBT50のコレクタ電圧のピークから0Vになるまでの期間である。IGBT50のコレクタ電圧がピークになると、加熱コイル7の共振電流ILが正から負に切り替わり、流れる方向が反転する。このとき共振コンデンサ80から加熱コイル7の経路に電流が流れる。共振コンデンサ80は次第に放電され、それと共にIGBT50のコレクタ電圧は、次第に下降する。
モードM13は、ダイオードD0の通電期間である。モードM12において、共振コンデンサ80が放電して、IGBT50のコレクタ電圧が0Vになると、ダイオードD0がオンし、加熱コイル7からフィルタコンデンサC0、ダイオードD0の経路に電流が流れる。制御回路6は、ダイオードD0の通電期間内にIGBT50のゲートをターンオンする。モードM13において、加熱コイル7のエネルギがなくなると、共振電流ILが負から正に切り替わり、モードM14に遷移する。
モードM14は、IGBT50の通電期間である。このときIGBT50はゲートオンしているため、すぐさま電流が流れる。これにより、電圧共振インバータ4は、スイッチング損失の発生しないゼロ電圧スイッチングを実現する。電流は、フィルタコンデンサC0から加熱コイル7、IGBT50の経路に流れ、更に商用電源1から整流回路2、インダクタL0、加熱コイル7、IGBT50、整流回路2の経路に流れる。
以上のモードM11からモードM14までを繰り返し動作することで、加熱コイル7に高周波の交流電流が流れ、鍋10を加熱する。
次に鍋検出時の動作について説明する。
鍋検出動作において、制御手段64は、1パルスの駆動信号を出力し、ドライブ回路62を介してIGBT50のゲートに印加する。これにより、IGBT50は、1回のスイッチング動作を行う。IGBT50がターンオフすると、IGBT50のコレクタ電圧は、減衰振動する波形となる。このとき、比較回路63は、IGBT50のコレクタ電圧と検出レベル信号とを比較し、減衰振動時間τを示すパルス幅の信号を出力する。制御手段64は、比較回路63の出力信号のパルス幅を計測し、出力信号のパルス幅によって鍋の有無および/または材質を判別する。
図4は、電圧共振インバータ4で使用される加熱コイル7の等価インダクタンスLと等価抵抗Rの一覧である。この一覧の各値は、周波数が50[kHz]におけるものである。
加熱コイル7と被加熱物とは、磁気的に結合する。そのため、被加熱物を加熱コイル7側からみた等価回路に変換すると、被加熱物の等価抵抗Rと等価インダクタンスLとが直列に接続された構成になる。等価抵抗Rおよび等価インダクタンスLは、鍋などの被加熱物の有無や材質によって異なる。
非磁性ステンレスの場合、等価抵抗Rおよび等価インダクタンスLは、どちらもが小さくなる。鉄や磁性ステンレスの場合、等価抵抗Rおよび等価インダクタンスLは、どちらも大きくなる。鍋なしの場合、等価抵抗Rは最も小さくなるが、等価インダクタンスLは最も大きくなる。
図5は、第1の実施形態における鍋無し時の波形図である。
鍋無し時には、負荷抵抗が小さいため、減衰振動時間τが長くなる。そのため、比較回路63の出力信号のパルス幅は、1.33[mSEC]である。
図6は、第1の実施形態における鉄鍋時の波形図である。
鉄鍋時には、負荷抵抗が大きいため、減衰振動時間τが短くなる。そのため、比較回路63の出力信号のパルス幅は、95[μSEC]と短くなる。
図7は、第1の実施形態における非磁性ステンレス鍋時の波形図である。
非磁性ステンレスは鉄鍋よりも抵抗が小さいため、非磁性ステンレス時の減衰振動時間τは、鉄鍋時よりも長くなる。比較回路63の出力信号のパルス幅は、167[μSEC]となる。
以上のように、被加熱物である鍋の種類や有無により減衰振動時間τが変化するため、この減衰振動時間τを計測することで、鍋の有無または/および材質を検出することが可能になる。第1の実施形態の制御回路6は、IGBT50のコレクタ電圧の減衰振動時間τにより鍋の有無または/および材質を判別した。しかし、これに限られず、制御回路6は、共振コンデンサ80の両端電圧の減衰振動時間τでも、鍋の有無または/および材質を判別できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の電磁誘導加熱装置11は、減衰振動時間τと振動周期Tとにより、鍋材質特性(等価インダクタンスL、等価抵抗R)を検出することである。以下、図8から図10を用いて第2の実施形態について説明する。
図8は、第2の実施形態における鍋無し時の波形図である。
これらの波形は、上からIGBT50のコレクタ電流と、IGBT50のコレクタ電圧と、加熱コイル7の共振電流ILと、比較回路63の出力電圧とである。
IGBT50が1パルス動作すると、IGBT50のコレクタ電圧は、加熱コイル7と共振コンデンサ80により共振して、減衰振動となる。このとき、減衰振動の周波数fは、等価インダクタンスLと共振コンデンサ容量Cとで求めることができる。
Figure 0006326324
等価インダクタンスLは、式(2)より求めることができる。即ち、減衰振動の周波数fを検出することで、等価インダクタンスLを求めることができる。
Figure 0006326324
減衰振動の周波数fは、以下のように測定する。減衰振動と任意に設定できる検出レベル信号を比較回路63でパルス信号に変換し、比較回路63の出力信号(パルス信号)をマイクロコンピュータである制御手段64に入力する。マイクロコンピュータの内蔵機能であるインプットキャプチャ機能より、制御手段64は、パルス入力の周期を測定でき、よって減衰振動の周波数fを測定できる。
先ず鍋無し時の等価インダクタンスLを求める。
IGBT50のコレクタ電圧の減衰振動は、加熱コイル7と共振コンデンサ80による共振動作となるため、式(1)や式(2)に示した共振コンデンサ容量Cは、共振コンデンサ80の容量となる。第2の実施形態では共振コンデンサ容量Cを、300[nF]とする。
鍋無しの場合、比較回路63の出力パルスの振動周期Tは、19[μSEC]であり、このときの共振周波数fは52.6[kHz]である。これらを式(2)に代入すると、鍋無し時の等価インダクタンスLは、30.5[μH]と算出される。これは、図4に示した鍋無し時の等価インダクタンスLの実測値の30[μH]と、ほぼ同じ値である。
図9は、第2の実施形態における鉄鍋時の波形図である。
鉄鍋の場合、IGBT50のコレクタ電圧の振動周期Tは、15.2[μSEC]であり、このときの共振周波数fは、65.8[kHz]である。これと共振コンデンサ容量Cの300[nF]とを式(2)に代入すると、鉄鍋時の等価インダクタンスLは、19.5[μH]と算出される。これは、図4に示した鉄鍋時の等価インダクタンスLの実測値の19[μH]と、ほぼ同じ値である。
図10は、第2の実施形態における非磁性ステンレス鍋時の波形図である。
非磁性ステンレスの場合、IGBT50のコレクタ電圧の振動周期Tは、14[μSEC]であり、このとき共振周波数fは71.4[kHz]である。これと共振コンデンサ容量Cの300[nF]とを式(2)に代入すると、非磁性ステンレス鍋時の等価インダクタンスLは、16.6[μH]と算出される。これは、図4に示した非磁性ステンレス鍋時の等価インダクタンスLの実測値の16[μH]と、ほぼ同じ値である。
次に等価抵抗Rの導出式を求める。
等価インダクタンスLと等価抵抗Rの直列接続回路において、共振Qは、等価インダクタンスLに角周波数ωを乗算してリアクタンスを求め、これを等価抵抗Rで除算して求められる。減衰振動における共振Qは、振幅がe−πに落ちるまでの減衰振動時間τと振動周期Tとの比率を表している。つまり、減衰振動時間τの間に何周期分の振動成分が含まれるかを意味している。これを以下の式(3)に記載する。
Figure 0006326324
式(3)の角周波数ωに2πfを代入すると、以下の式(4)を導出できる。
Figure 0006326324
これより鍋無し時の等価抵抗Rを計算する。図8より減衰振動時間τは、1.33[mSEC]である。これと等価インダクタンスLの30.5[μH]とを式(4)に代入すると、以下の式(5)を得ることができる。
Figure 0006326324
よって、鍋無し時の等価抵抗Rは、0.144[Ω]と算出される。これは、図4に示した鍋無し時の等価抵抗Rの実測値の0.1[Ω]と、ほぼ同じ値である。
鉄鍋時には、振動周期Tは、15.2[μSEC]であり、このときの周波数fは65.8[kHz]である。これと共振コンデンサ容量Cの300[nF]とを式(2)に代入すると、非磁性ステンレス鍋時の鉄鍋時の等価インダクタンスLは、19.5[μH]である。
図9より鉄鍋時の減衰振動時間τは、95[μSEC]である。これと等価インダクタンスLの19.5[μH]とを式(4)に代入すると、鉄鍋時の等価抵抗Rは、1.29[Ω]と算出される。これは、図4に示した鉄鍋の等価抵抗Rの実測値の1.35[Ω]に近い値である。
非磁性ステンレス鍋時には、図10より減衰振動時間τは167[μSEC]である。これと等価インダクタンスLの16.6[μH]とを式(4)に代入すると、非磁性ステンレス鍋時の等価抵抗Rは、0.62[Ω]と算出される。これは、図4に示した非磁性ステンレス鍋の等価抵抗Rの実測値の0.51[Ω]に近い値である。
以上のように、動作波形より鍋10の有無と材質に応じた等価インダクタンスLと等価抵抗Rを求めることができる。更に、鍋10の材質に応じた共振周波数fを測定して、鍋10の材質に応じた動作周波数で加熱制御することが可能となる。
第1の実施形態に示す電圧共振インバータ4では、鍋10を載置したときの共振周波数fの1.0〜2.0倍の動作周波数でIGBT50をスイッチングすると、この鍋10を好適に加熱可能である。後記する第3、第4の実施形態に示す電流共振インバータでは、鍋10を載置したときの共振周波数f以下の動作周波数でスイッチングすると、好適に加熱可能である。
ここではIGBT50のコレクタ電圧の減衰振動により鍋の有無、材質を判別したが、共振コンデンサ80の両端電圧でも同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態における電磁誘導加熱装置11Bの回路構成図である。図1に示した第1の実施形態の電磁誘導加熱装置11と同一の要素には同一の符号を付与している。
第3の実施形態の電磁誘導加熱装置11Bの回路は、第1の実施形態とは異なる電流共振インバータ4Bと、これを制御する制御回路6Bとを含んで構成される。それ以外は、第1の実施形態の電磁誘導加熱装置11と同様に構成されている。
商用電源1から整流回路2を介して、フィルタ3に接続され、フィルタ3の出力である正極端子のノードpと負極端子のノードnとの間に、電流共振インバータ4Bが接続される。
高周波インバータである電流共振インバータ4Bは、IGBT51とIGBT52とが直列接続されたハーフブリッジ回路に、共振回路8Bの加熱コイル7が接続されて構成される。
HサイドのIGBT51(第1の半導体スイッチング素子)には、逆並列にダイオードD1(第1のダイオード)が接続され、並列にスナバコンデンサ71(第1のスナバコンデンサ)が接続されている。LサイドのIGBT52(第2の半導体スイッチング素子)には、逆並列にダイオードD2(第2のダイオード)が接続され、並列にスナバコンデンサ72(第2のスナバコンデンサ)が接続されている。ここで、IGBT51,52の接続点をノードaとする。
スナバコンデンサ71,72は、IGBT51,52のターンオフ時の遮断電流によって充放電される。スナバコンデンサ71,72の容量は、IGBT51,52のコレクタとエミッタ間の出力容量より十分に大きい。そのため、ターンオフ時にIGBT51,52に印加される電圧の変化は低減され、ターンオフ損失は抑制される。
共振回路8Bは、共振コンデンサ81,82(第1および第2の共振コンデンサ)と、加熱コイル7とを含んで構成される。ノードpとノードnとの間には、共振コンデンサ81,82の直列回路が接続されている。共振コンデンサ81,82を接続するノードbと、IGBT51,52を接続するノードaとの間には、加熱コイル7が接続される。加熱コイル7の共振電流ILの向きは、ノードaからノードbへの方向(図11の矢印方向)を正とする。
制御回路6Bは、第1の実施形態とは異なり、IGBT51を駆動するドライブ回路62−1と、IGBT52を駆動するドライブ回路62−2を備えている。ドライブ回路62−1,62−2は、いずれも駆動信号発生回路61によって制御される。
第2の実施形態の比較回路63は、第1の実施形態とは異なり、IGBTのコレクタ端子には接続されず、代わりに共振コンデンサ81,82と加熱コイル7とが接続されるノードbに接続される。それ以外は、第1の実施形態の制御回路6と同様に構成され、同様に動作する。
図12は、第3の実施形態における電磁誘導加熱装置11の動作を示す波形図である。ここでは、鉄鍋加熱時のインバータの通常の加熱動作を示している。
モードM31において、HサイドのIGBT51はオフし、LサイドのIGBT52はオンしている。HサイドのIGBT51のコレクタ電圧は、所定値を保つ。LサイドのIGBT52のコレクタ電圧は、ほぼ0Vである。
このとき、フィルタコンデンサC0から共振コンデンサ81、加熱コイル7、IGBT52の経路に電流が流れ、共振コンデンサ82から加熱コイル7、IGBT52の経路に電流が流れる。HサイドのIGBT51はオフしているので電流は流れない。モードM31において、制御回路6BがIGBT52をターンオフすると、モードM32に遷移する。
モードM32において、HサイドのIGBT51とLサイドのIGBT52は、オフしている。加熱コイル7に蓄えられたエネルギにより、スナバコンデンサ71から共振コンデンサ81、加熱コイル7の経路に電流が流れ、加熱コイル7からスナバコンデンサ72、共振コンデンサ82の経路に電流が流れる。このとき、LサイドのIGBT52のコレクタ電圧は、緩やかに上昇し、ゼロ電圧スイッチングとなり、スイッチング損失は小さくなる。LサイドのIGBT52のコレクタ電圧(ノードaの電圧)が、正極端子のノードpの電圧を超えると、モードM33に遷移する。
モードM33において、ダイオードD1がオンし、ダイオードD1から共振コンデンサ81、加熱コイル7の経路に電流が流れ、ダイオードD1からフィルタコンデンサC0、共振コンデンサ82、加熱コイル7の経路に電流が流れる。制御回路6Bは、このダイオードD1の通電期間中に、HサイドのIGBT51のゲートをターンオンする。
電流共振インバータ4Bは、ダイオードD1に電流が流れなくなったならば、モードM34に遷移する。
モードM34において、IGBT51は既にオンしているため、ゼロ電圧スイッチングとなり、スイッチング損失が発生しない。共振コンデンサ82に蓄えられたエネルギにより、共振コンデンサ81からIGBT51、加熱コイル7の経路に電流が流れ、フィルタコンデンサC0からIGBT51、加熱コイル7、共振コンデンサ82の経路に電流が流れる。これにより、加熱コイル7にエネルギが蓄積される。
モードM34において、制御回路6BがIGBT51をターンオフすると、モードM35に遷移する。
モードM35において、HサイドのIGBT51とLサイドのIGBT52は、オフしている。加熱コイル7に蓄えられたエネルギにより、フィルタコンデンサC0からスナバコンデンサ71、加熱コイル7、共振コンデンサ82の経路に電流が流れ、スナバコンデンサ72から加熱コイル7、共振コンデンサ82の経路に電流が流れる。このとき、IGBT51のコレクタ電圧は緩やかに上昇し、ゼロ電圧スイッチングとなる。
次にスナバコンデンサ71がノードpの電位まで充電され、スナバコンデンサ72が放電されると、ダイオードD2がオンして、モードM36に遷移する。
モードM36において、ダイオードD2のオンにより、ダイオードD2、加熱コイル7、共振コンデンサ82の経路に電流が流れ、共振コンデンサ81、フィルタコンデンサC0、ダイオードD2、加熱コイル7の経路に電流が流れる。制御回路6Bは、このダイオードD2の通電期間中に、IGBT52をターンオンする。ダイオードD2に電流が流れなくなったならば、再びモードM31に遷移する。
以上のモードM31〜M36の6種類の動作を繰り返すことで、加熱コイル7に高周波の共振電流ILが流れ、加熱コイル7の上側のトッププレート91上に載置された鍋10を加熱する。
次に鍋検出時の動作について説明する。鍋検出動作では、制御手段64は、オン信号と1パルス信号とを駆動信号発生回路61に出力する。駆動信号発生回路61からドライブ回路62−1を介して、オン信号がIGBT51のゲートに印加され、1パルス信号はドライブ回路62−2を介して、IGBT52のゲートに印加される。IGBT52は、1回のスイッチング動作を行う。IGBT52がターンオンしたのちにターンオフすると、ノードbの電圧は、減衰振動波形となる。このとき比較回路63では、ノードbの電圧と検出レベル信号とを比較し、減衰振動時間τに応じたパルス幅の信号を出力する。制御手段64は、比較回路63の出力信号のパルス幅を計測して、計測したパルス幅に基づき鍋10の有無または/および鍋10の材質を判定する。
次に出力パルス幅の関係を説明する。
図13は、電流共振インバータ4Bで使用される加熱コイル7の等価インダクタンスLと等価抵抗Rである。この一覧の各値は、周波数25[kHz]における実測値である。
図14は、第3の実施形態における鍋無し時の波形図である。
比較回路63の出力パルス幅は、減衰振動時間τであり、1.14[mSEC]である。鍋無しでは、負荷抵抗が小さく減衰振動が長くなる。
先ず鍋無し時の等価インダクタンスLを求める。比較回路63の出力パルスの振動周期Tは、56.8[μSEC]であり、このときの共振周波数fは、17.6[kHz]である。
ノードbの電圧の減衰振動の共振周波数fは、加熱コイル7と共振コンデンサ81,82の合成容量Cによる共振動作となる。共振コンデンサ81,82を、それぞれ1[μF]とすると、合成した共振コンデンサ容量Cは、2[μF]となる。以下、本実施形態の共振コンデンサ容量Cは、2[μF]として計算する。
共振周波数fの17.6[kHz]と共振コンデンサ容量Cの2[μF]とを式(2)に代入すると、鍋無し時の等価インダクタンスLは、40.8[μH]となる。これは、図13に示す鍋無し時の等価インダクタンスLの実測値の40[μH]と、ほぼ同じ値である。
次に鍋無し時の等価抵抗Rを求める。第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、加熱コイル7と共振コンデンサ81,82とが共振する。このときの減衰振動時間τは、1.14[mSEC]である。これと等価インダクタンスLの40.8[μH]とを式(4)に代入すると、鍋無し時の等価抵抗Rは、0.22[Ω]と算出される。これは、図13に示す鍋無し時の等価抵抗Rの実測値の0.1[μΩ]と、ほぼ同じ値である。
図15は、第3の実施形態における鉄鍋時の波形図である。
比較回路63の出力パルス幅は、161[μSEC]である。鉄鍋は負荷抵抗が大きいため、鉄鍋時の減衰振動時間τは、鍋無し時と比べて短くなる。このように鍋10の有無により減衰振動時間τが変化する。この減衰振動時間τを計測することで、鍋10の有無または/および鍋10の材質を検出することが可能になる。
先ず鉄鍋時の等価インダクタンスLを求める。比較回路63の出力パルスの振動周期Tは、鉄鍋時には48[μSEC]であり、このときの共振周波数fは、20.8[kHz]である。これと共振コンデンサ容量Cの2[μF]とを式(2)に代入すると、鉄鍋時の等価インダクタンスLは、29[μH]と算出される。これは、図13に示す鉄鍋時の等価インダクタンスLの実測値の28[μH]と、ほぼ同じ値である。
次に鉄鍋時の等価抵抗Rを求める。図15より減衰振動時間τは、161[μSEC]である。これと等価インダクタンスLの29[μH]とを式(4)に代入すると、鉄鍋時の等価抵抗Rは、1.13[Ω]と算出される。これは、図13に示す鉄鍋時の等価抵抗Rの実測値の1.22[Ω]と、ほぼ同じ値である。
図16は、第3の実施形態における非磁性ステンレス鍋時の波形図である。
比較回路63の出力パルス幅は、253[μSEC]である。非磁性ステンレスは鉄鍋よりも抵抗が小さいため、減衰振動時間τは、鍋無しの場合と比べて短くなり、鉄鍋の場合よりも長くなる。
先ず非磁性ステンレス鍋時の等価インダクタンスLを求める。非磁性ステンレス鍋時の比較回路63の出力パルスの振動周期Tは、38[μSEC]であり、このときの共振周波数fは、26.3[kHz]である。これと共振コンデンサ容量Cの2[μF]とを式(2)に代入すると、非磁性ステンレス鍋時の等価インダクタンスLは、18.3[μH]と算出される。これは、図13に示す非磁性ステンレス鍋時の等価インダクタンスLの実測値の18[μH]と、ほぼ同じ値である。
次に非磁性ステンレス鍋時の等価抵抗Rを求める。図16より非磁性ステンレス鍋時の減衰振動時間τは、253[μSEC]である。これと等価インダクタンスLの18.3[μH]とを式(4)に代入すると、非磁性ステンレス鍋時の等価抵抗Rは、0.45[Ω]と算出される。これは、図13に示す非磁性ステンレス鍋時の等価抵抗Rの実測値の0.46[Ω]と、ほぼ同じ値である。
このように、比較回路63の出力値を用いて計算することで、図13の実測値に近い値を求めることができる。
以上のように鍋10の種類や有無により、減衰振動時間τと振動周期Tとが変化する。よって、この減衰振動時間τまたは振動周期Tを計測することで、鍋10の有無または/および鍋10の材質を検出することが可能になる。
更に減衰振動時間τにより、鍋10の等価インダクタンスLと等価抵抗Rを求めることができる。これにより、鍋10の材質に応じて、加熱当初から動作周波数などを正確に制御することが可能となり、スイッチング素子の損失を増加させることがなくなる。
ここで、第3の実施形態はIGBT51をオン状態とし、IGBT52を1パルス動作について説明したが、IGBT52をオン状態、IGBT51を1パルス動作としてもよい。また、共振コンデンサ82の電圧を用いて減衰振動を測定しているが、共振コンデンサ81の電圧または加熱コイル7の電圧でも、同様に減衰振動を測定することができる。
図17(a),(b)は、第3の実施形態における加熱時の鍋検出処理を示すフローチャートである。
図17(a)は、減衰振動時間τによる加熱時の鍋検出処理を示すフローチャートである。以下、適宜図2、図11を参照して説明する。
例えば、操作者が電磁誘導加熱装置11Bの操作部65の加熱スイッチを押下したならば、ステップS10〜S15で示した加熱処理が開始する。
ステップS10において、制御回路6Bは、IGBTに1パルスのゲート電圧を印加する。
ステップS11において、制御回路6Bは、IGBTのコレクタ電圧の減衰振動時間τを測定する。ここで、制御回路6Bは、IGBTのコレクタ電圧そのものではなく、共振回路8Bのノードbの波形を測定することで、IGBTのコレクタ電圧の減衰振動時間τを測定している。
ステップS12において、制御回路6Bは、減衰振動時間τから鍋の有無と材質とを判定する。制御回路6Bは、減衰振動時間τが鉄鍋時に相当すると判断したならば、ステップS13の処理を行い、非磁性ステンレス時に相当すると判断したならば、ステップS14の処理を行い、鍋無し時に相当すると判断したならば、ステップS15の処理を行う。
ステップS13において、制御回路6Bは、載置された鍋の材質が鉄であるものとして、鉄鍋に対応した周波数でIGBT51,52のゲートを交互に駆動して加熱コイル7に交流を流し、図17(a)の処理を終了する。
ステップS14において、制御回路6Bは、載置された鍋の材質が非磁性ステンレスであるものとして、この非磁性ステンレス鍋に対応した周波数でIGBT51,52のゲートを交互に駆動して加熱コイル7に交流を流し、図17(a)の処理を終了する。
ステップS15において、制御回路6Bは、表示部66に鍋無しの警告を表示し、図17(a)の処理を終了する。
IGBTのコレクタ電圧の減衰振動時間τは、比較的長い時間である。そのため、マイコンのインプットキャプチャ機能で高精度に測定可能であり、被加熱物である鍋10の有無または/および鍋10の材質を好適に判別可能である。
図17(b)は、減衰振動時間τによる加熱時の鍋検出処理の変形例を示すフローチャートである。
例えば、操作者が電磁誘導加熱装置11Bの操作部65の加熱スイッチを押下したならば、ステップS20〜S25で示した加熱処理の変形例が開始する。
ステップS20において、制御回路6Bは、IGBTに1パルスのゲート電圧を印加する。
ステップS21において、制御回路6Bは、IGBT52のコレクタ電圧の振動周期Tを測定する。
ステップS22において、制御回路6Bは、振動周期Tから鍋の有無を判定する。制御回路6Bは、振動周期Tが鍋有り時に相当すると判断したならば(Yes)、ステップS23の処理を行い、振動周期Tが鍋有り時に相当すると判断しなかった(No)、ステップS25の処理を行う。
ステップS23において、制御回路6Bは、振動周期Tから加熱時の駆動周波数を決定する。
ステップS24において、制御回路6Bは、決定した駆動周波数でIGBT51,52のゲートを交互に駆動して加熱コイル7に交流を流して加熱し、図17(b)の処理を終了する。
ステップS25において、制御回路6Bは、表示部66に鍋無しの警告を表示し、図17(b)の処理を終了する。
制御回路6は、振動周期Tを測定することにより、被加熱物である鍋の有無を判定し、更に鍋10の材質に好適な加熱時の駆動周波数を算出することが可能である。
(第4の実施形態)
図18は、第4の実施形態における電磁誘導加熱装置11Cの回路構成図である。図11に示した第3の実施形態の電磁誘導加熱装置11Bと同一の要素には、同一の符号を付与している。
第4の実施形態の電磁誘導加熱装置11Cの回路は、第3の実施形態とは異なる電流共振インバータ4Cと、これを制御する制御回路6Cとを含み、第3の実施形態のフィルタ3を含む電源回路21を備える。それ以外は、第3の実施形態の電磁誘導加熱装置11と同様に構成されている。
商用電源1から整流回路2を介して、電源回路21に接続され、電源回路21の出力である正極端子のノードpと負極端子のノードnとの間に、電流共振インバータ4Cが接続される。
高周波インバータである電流共振インバータ4Cは、IGBT51とIGBT52とが直列接続された左上下アーム41と、IGBT53とIGBT54とが直列接続された右上下アーム42で構成されたフルブリッジ回路に、共振回路8Cが接続されて構成される。
左上下アーム41と右上下アーム42とは、ノードpとノードnとの間に接続される。
IGBT51(第1の半導体スイッチング素子)には、ダイオードD1(第1のダイオード)が逆方向に並列接続され、スナバコンデンサ71(第1のスナバコンデンサ)が並列接続される。IGBT52(第2の半導体スイッチング素子)には、ダイオードD2(第2のダイオード)が逆方向に並列接続され、スナバコンデンサ72(第2のスナバコンデンサ)が並列接続される。
IGBT53(第3の半導体スイッチング素子)には、ダイオードD3(第3のダイオード)が逆方向に並列接続され、スナバコンデンサ73(第3のスナバコンデンサ)が並列接続される。IGBT54(第4の半導体スイッチング素子)には、ダイオードD4(第4のダイオード)が逆方向に並列接続され、スナバコンデンサ74(第4のスナバコンデンサ)が並列接続される。
IGBT51,52の接続点、即ち左上下アーム41の出力点をノードdとする。このノードdとノードnとの間には、加熱コイル7と共振コンデンサ83(第1の共振コンデンサ)とが接続される。
加熱コイル7と共振コンデンサ83との接続点をノードcとする。IGBT53,54の接続点、即ち右上下アーム42の出力端子をノードeとする。このノードeとノードcとの間には、共振コンデンサ84(第2の共振コンデンサ)とスイッチSW1とが直列接続されている。
第4の実施形態では、被加熱物の材質に応じてスイッチSW1をオンオフすることで、共振回路8Cの共振コンデンサ容量Cを切替えることができる。
加熱コイル7と共振コンデンサ83,84の接続点(ノードc)は、電源回路21の出力点(ノードp)の電圧にクランプされず、それ以上の高電圧が印加される虞がある。本実施形態において、ノードeの電圧は、電源回路21の正極電圧と負極電圧とでクリップされる。制御回路6Cは、ノードeの電圧を測定するので、電源回路21の出力電圧に耐える程度の低耐圧の素子で構成することができる。
図19は、各鍋種の巻数と等価抵抗Rの関係である。
コイルの巻数を増やした場合、コイルに流す電流が同じでも磁束が増える。そのため、加熱コイル7からみた被加熱物の等価抵抗Rは、コイルの巻数に応じて増加する。
等価抵抗Rは被加熱物の材質によって大きく異なる。
鍋なしの場合、等価抵抗Rは曲線R1のような特性を示す。材質が鉄製の被加熱物の場合、等価抵抗Rは曲線R1のような特性を示す。銅またはアルミ製の被加熱物の場合、等価抵抗Rは曲線R3のような特性を示す。
したがって、等価抵抗Rの低い銅やアルミ製の被加熱物の場合には、加熱コイル7のターン数を増大する必要がある。ここで、加熱コイル7のターン数を40ターンとした場合、被加熱物の特性が曲線R3で示される低抵抗ならば、等価抵抗Rは、1[Ω]となる。被加熱物の特性が曲線R2で示される高抵抗ならば、等価抵抗Rは、9[Ω]となる。
したがって、本実施形態において曲線R2で示される高抵抗の被加熱物では、スイッチSW1をオンして、左上下アーム41と右上下アーム42とを駆動するフルブリッジ形で加熱する。曲線R3で示される低抵抗の被加熱物では、スイッチSW1をオフして、左上下アーム41のみを駆動するハーフブリッジ形とすると、好適に加熱できる。フルブリッジ形では電力が入りすぎてしまうためである。
鉄製の被加熱物を加熱する場合、制御回路6Cは、スイッチSW1をオンしたまま、左上下アーム41と右上下アーム42の各IGBTを交互にオンオフする。すなわちIGBT51とIGBT54とを同期してオンオフさせ、IGBT52とIGBT53とを同期してオンオフさせる。
図20は、第4の実施形態で使用される加熱コイル7の等価インダクタンスLと等価抵抗Rである。この一覧の各値は、周波数25[kHz]における実測値である。
次に図21に示すタイミングチャートを用いて動作モードを説明する。
図21は、第4の実施形態における電磁誘導加熱装置11Cの動作を示す波形図である。
ここで図18のノードdの電圧は、電圧Vdとする。IGBT51およびダイオードD1に流れる電流は、電流Ic1とする。IGBT52およびダイオードD2に流れる電流は、電流Ic2とする。IGBT51とIGBT54は同期して駆動されるため、IGBT54およびダイオードD4にも電流Ic1と同様の電流が流れることになる。一方、IGBT53およびダイオードD3にも同様に電流Ic2が流れることとなる。加熱コイル7に流れる共振電流ILとし、図18のノードdからノードcへの方向を、正方向と定義する。
モードM41においては、左HサイドのIGBT51および右LサイドのIGBT54がオンしており、左LサイドのIGBT52および右HサイドのIGBT53がオフしている。電圧Vdは、この期間中に電源回路21の正極電圧を保つ。電流Ic2は、この期間中に0Aを保つ。
共振電流ILは、モードM41の当初、極性が負である。加熱コイル7の蓄積エネルギがゼロになると、共振電流ILの極性が負から正に反転する。このとき共振電流ILは、電源回路21からIGBT51、加熱コイル7、共振コンデンサ84、スイッチSW1、IGBT54の経路で流れる。よって、この期間中、電流Ic1と共振電流ILとは、ほぼ等しくなる。
IGBT51,54がターンオフすると、モードM42に遷移する。
モードM42においては、IGBT51〜54が全てオフしている。電流Ic1は0Aとなる。このとき共振電流ILは、以下の第1〜第4経路を介して流れる。第1経路は、スナバコンデンサ71、加熱コイル7、共振コンデンサ84、スイッチSW1、スナバコンデンサ74、電源回路21の経路である。第2経路は、電源回路21、スナバコンデンサ71、加熱コイル7、共振コンデンサ83の経路である。第3経路は、スナバコンデンサ73、スナバコンデンサ71、加熱コイル7、共振コンデンサ84、スイッチSW1の経路である。第4経路は、スナバコンデンサ72、加熱コイル7、共振コンデンサ84、スイッチSW1、スナバコンデンサ74の経路である。
このときIGBT51およびIGBT54に印加される電圧は、スナバコンデンサ71〜74の容量と、IGBT51およびIGBT54の遮断電流で決まるdv/dtの傾きで上昇する。したがって、電流と電圧の重なり部分がなくなり、ゼロ電圧スイッチングのターンオフが実現する。
電圧Vdが次第に減少し、その値が負になると、ダイオードD2およびダイオードD3に順方向の電圧が印加される。共振電流ILは、加熱コイル7、ダイオードD3、電源回路21、ダイオードD2、加熱コイル7、共振コンデンサ84、スイッチSW1の経路で流れ続ける。
ダイオードD2およびダイオードD3に電流が流れている期間中にIGBT52およびIGBT53がターンオンすると、スイッチング損失の発生しないゼロ電圧スイッチングのターンオンが実現し、以下のモードM43に遷移する。
モードM43においては、左LサイドのIGBT52および右HサイドのIGBT53がオンしており、左HサイドのIGBT51および右LサイドのIGBT54がオフしている。電圧Vdは、この期間中、電源回路21の負極電圧を保つ。電流Ic1は、この期間中、0Aを保つ。
共振電流ILは、モードM41の当初、極性が正である。加熱コイル7の蓄積エネルギがゼロになると、共振電流ILの極性が正から負へ反転する。このとき共振電流ILは、IGBT53、スイッチSW1、共振コンデンサ84、加熱コイル7、IGBT52、電源回路21の経路に流れる。よって、電流Ic2と電流ILとは、極性が反転した波形となる。
IGBT52,53がターンオフすると、モードM44に遷移する。
モードM44においては、IGBT51〜54が全てオフしている。共振電流ILは、以下の第5〜第7経路で流れる。第5経路は、電源回路21、スナバコンデンサ73、スイッチSW1、共振コンデンサ84、加熱コイル7、スナバコンデンサ72の経路である。第6経路は、スナバコンデンサ74、スイッチSW1、共振コンデンサ84、加熱コイル7、スナバコンデンサ72の経路であり、モードM42の第4経路の逆である。第7経路は、スナバコンデンサ71、スナバコンデンサ73、スイッチSW1、共振コンデンサ84、加熱コイル7の経路であり、モードM42の第3経路の逆である。
このときIGBT52およびIGBT53に印加される電圧は、スナバコンデンサ71〜74の容量と、IGBT52およびIGBT53の遮断電流で決まるdv/dtの傾きで上昇する。したがって、電流と電圧との重なり部分がなくなり、ゼロ電圧スイッチングのターンオフが実現する。
電圧Vdが次第に減少し、その値が電源回路21の正極電圧を超えると、ダイオードD1およびダイオードD4に順方向の電圧が印加される。共振電流ILは、加熱コイル7、ダイオードD1、電源回路21、ダイオードD4、スイッチSW1、共振コンデンサ84の経路で流れ続ける。
IGBT51,54がターンオンすると、再びモードM41に遷移する。
以上のような動作を繰り返すことにより、電磁誘導加熱装置11Cは、電源回路21を電源として、加熱コイル7と共振コンデンサ84に高周波電流を供給することができる。被加熱物は、加熱コイル7から発生する磁束によって誘導加熱される。
アルミ鍋などの非磁性材料を加熱する場合、電磁誘導加熱装置11Cは、スイッチSW1をオフ状態として、左上下アーム41と、加熱コイル7と、共振コンデンサ83とで構成されるSEPP(Single Ended Push Pull)インバータとして動作する。この動作は、第3の実施形態で記載したハーフブリッジの動作と同じであるため、説明は省略する。
次に鍋検出時の動作について説明する。
鍋検知時には、電磁誘導加熱装置11Cは、IGBT51,54をオフ状態、IGBT3をオン状態として、IGBT52を1パルス動作させる。IGBT52がオンすると、IGBT52のコレクタ電圧は減衰振動となる。この減衰振動は、鍋の有無や種類によって減衰振動時間τや振動周期Tが異なる。
図22は、第4の実施形態における鍋無し時の波形図である。
鍋無し時の減衰振動時間τは、7.42[mSEC]である。
図23は、第4の実施形態における鍋無し時の波形の拡大図である。
鍋無し時の振動周期Tは、32.7[μSEC]、すなわち共振周波数fは、30.6[kHz]となる。
減衰振動の共振周波数fは、スナバコンデンサ71〜74と共振コンデンサ83,84の合成容量Cと、加熱コイル7の等価インダクタンスLにより決まる。この合成容量Cは、ノードeからノードnまでの間から見た値となる。一例として、スナバコンデンサ71〜74を30[nF]、共振コンデンサ83を250[nF]、共振コンデンサ84を24[nF]とすると、ノードeからノードnまでの間から見た合成容量Cは、74.8[nF]となる。以下、本実施形態の合成容量Cは、74.8[nF]とする。
共振周波数fの30.6[kHz]と、この合成容量Cの74.8[nF]とを式(2)に代入すると、鍋無し時の等価インダクタンスLは、362[μH]と算出される。これは、図20に示す鍋無し時の等価インダクタンスLの実測値の360[μH]と、ほぼ同じ値である。
次に鍋無し時の等価抵抗Rを計算する。図22より減衰振動時間τは、7.42[mSEC]である。これと等価インダクタンスLの362[μH]とを式(4)に代入すると、鍋無し時の等価抵抗Rは、0.31[Ω]と算出される。これは、図20に示す鍋無し時の等価抵抗Rの実測値の0.3[Ω]と、ほぼ同じ値である。
図24は、第4の実施形態における鉄鍋時の波形図である。
鉄鍋時の減衰振動時間τは、鍋無し時の減衰振動時間τよりも短くなり、約152[μSEC]である。このように、鍋の有無や材質により減衰振動時間τが変化するため、鍋の検出が可能となる。
鉄鍋時の振動周期Tは、25.8[μSEC]であり、このときの共振周波数fは、38.8[kHz]となる。これと合成容量Cの74.8[nF]とを式(2)に代入すると、鉄鍋時の等価インダクタンスLは、225[μH]と算出される。これは、図20に示す鉄鍋時の等価インダクタンスLの実測値の220[μH]と、ほぼ同じ値である。
次に鉄鍋時の等価抵抗Rを計算する。図24より、減衰振動時間τは152[μSEC]である。これと等価インダクタンスLの225[μH]とを式(4)に代入すると、鉄鍋時の等価抵抗Rは、9.3[Ω]として算出される。これは、図20に示す鉄鍋時の等価抵抗Rの実測値の9.2[Ω]と、ほぼ同じ値である。
図25は、第4の実施形態におけるアルミ鍋時の波形図である。
アルミ鍋時の減衰振動時間τは、約927[μSEC]である。このように、鍋10の有無や材質により減衰振動時間τが変化するため、鍋10の検出が可能となる。
アルミ鍋時の振動周期Tが21.7[μSEC]であり、このときの共振周波数fは、46.1[kHz]となる。これと合成容量Cの74.8[nF]とを式(2)に代入すると、アルミ鍋時の等価インダクタンスLは、159[μH]と算出される。これは、図20に示すアルミ鍋時の等価インダクタンスLの実測値の150[μH]と、ほぼ同じ値である。
次にアルミ鍋時の等価抵抗Rを計算する。図24より、減衰振動時間τが927[μSEC]である。これと等価インダクタンスLの159[μH]とを式(4)に代入すると、アルミ鍋時の等価抵抗Rは、1.08[Ω]として算出される。これは、図20に示すアルミ鍋時の等価抵抗Rの実測値の0.98[Ω]と、ほぼ同じ値である。
以上のように等価インダクタンスL、等価抵抗Rは、図20の実測値と同様の値を計算で求めることが可能になる。
(変形例)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
各実施形態に於いて、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明の変形例として、例えば、次の(a),(b)のようなものがある。
(a) 上記第1ないし第4の実施形態において、鍋検知動作ではIGBTを1パルス動作で説明したが、複数回のIGBTのスイッチング後に、減衰振動時間τを計測しても同様の効果を得ることができる。
(b) 電圧共振インバータ4や電流共振インバータ4B,4Cは、スイッチング素子としてMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタを含んで構成されてもよい。
1 商用電源
10 鍋 (被加熱物)
11,11B,11C 電磁誘導加熱装置
2 整流回路
21 電源回路
3 フィルタ
4 電圧共振インバータ (高周波インバータ)
4B,4C 電流共振インバータ (高周波インバータ)
L0 インダクタ
C0 フィルタコンデンサ
D0 ダイオード
D1 ダイオード (第1のダイオード)
D2 ダイオード (第2のダイオード)
D3 ダイオード (第3のダイオード)
D4 ダイオード (第4のダイオード)
50 IGBT (半導体スイッチング素子)
51 IGBT (第1の半導体スイッチング素子)
52 IGBT (第2の半導体スイッチング素子)
53 IGBT (第3の半導体スイッチング素子)
54 IGBT (第4の半導体スイッチング素子)
6,6B,6C 制御回路
61 駆動信号発生回路
62 ドライブ回路
63 比較回路
64 制御手段
7 加熱コイル
71 スナバコンデンサ (第1のスナバコンデンサ)
72 スナバコンデンサ (第2のスナバコンデンサ)
73 スナバコンデンサ (第3のスナバコンデンサ)
74 スナバコンデンサ (第4のスナバコンデンサ)
8,8B,8C 共振回路
80〜84 共振コンデンサ
91 トッププレート
92 磁性体

Claims (7)

  1. 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルおよび共振コンデンサを含んで構成される共振回路と、
    ダイオードおよび半導体スイッチング素子の並列接続を少なくとも1つ含んで構成され、前記共振回路を駆動する高周波インバータと、
    前記高周波インバータを駆動すると共に、前記被加熱物の判別時において前記半導体スイッチング素子に少なくとも1回のスイッチング動作を行わせ、前記共振回路の減衰振動の周期に基づいて、前記被加熱物の有無を判別し、更に前記減衰振動の周期から加熱時の駆動周波数を決定する制御回路と、
    を備えることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  2. 交流電源を所定の直流電圧に整流する整流回路を備え、
    前記共振回路は、前記加熱コイルと前記共振コンデンサの並列接続を含んで構成され、
    前記高周波インバータは、前記整流回路の正極端子と負極端子との間に、ダイオードおよび半導体スイッチング素子の並列接続が前記共振回路と直列に接続されて構成されて、前記加熱コイルを駆動し、
    前記制御回路は、前記共振コンデンサの両端電圧で前記共振回路の減衰振動の周期を判断する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導加熱装置。
  3. 交流電源を所定の直流電圧に変換する整流回路と、
    前記共振回路は、前記整流回路の正極端子と負極端子との間に直列接続される第1および第2の共振コンデンサと、前記第1および第2の共振コンデンサの接続ノードに一端が接続される前記加熱コイルとを含んで構成され、
    前記高周波インバータは、前記整流回路の正極端子と負極端子との間に第1の半導体スイッチング素子と第1のダイオードと第1のスナバコンデンサの並列接続、および第2の半導体スイッチング素子と第2のダイオードと第2のスナバコンデンサの並列接続が直列接続されるハーフブリッジ回路であり、前記第1および第2の半導体スイッチング素子の接続ノードには前記加熱コイルの他端が接続される、
    ことを特徴する請求項1に記載の電磁誘導加熱装置。
  4. 前記制御回路は、前記被加熱物を加熱する際の駆動周波数を、前記被加熱物を載置したときの前記共振回路の減衰振動の周期の1.0〜2.0倍として決定する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の電磁誘導加熱装置。
  5. 交流電源から整流回路を介して任意の直流電圧に変換する電源回路を備え、
    前記高周波インバータは、前記電源回路の正極端子と負極端子との間に第1の半導体スイッチング素子と第1のダイオードと第1のスナバコンデンサの並列接続、および第2の半導体スイッチング素子と第2のダイオードと第2のスナバコンデンサの並列接続が直列接続され、更に第3の半導体スイッチング素子と第3のダイオードと第3のスナバコンデンサの並列接続、および第4の半導体スイッチング素子と第4のダイオードと第4のスナバコンデンサの並列接続が直列接続されるフルブリッジ回路であり、
    前記共振回路は、加熱コイルおよび第1および第2の共振コンデンサとスイッチとを備え、前記第1および第2の半導体スイッチング素子の接続ノードと、前記第3および第4の半導体スイッチング素子の接続ノードとの間には、前記加熱コイルと前記第1の共振コンデンサとスイッチの直列回路が接続され、前記第1および第2の半導体スイッチング素子の接続ノードと、前記電源回路の負極端子との間には、前記加熱コイルと前記第2の共振コンデンサとが接続されて構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導加熱装置。
  6. 前記制御回路は、前記被加熱物を加熱する際の駆動周波数を、前記被加熱物を載置したときの前記共振回路の減衰振動の周期以下として決定する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の電磁誘導加熱装置。
  7. 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルおよび共振コンデンサを含んで構成される共振回路と、
    ダイオードおよび半導体スイッチング素子の並列接続を少なくとも1つ含んで構成され、前記共振回路を駆動する高周波インバータと、
    前記高周波インバータを駆動する制御回路と、
    を備える電磁誘導加熱装置の被加熱物判定方法であって、
    前記被加熱物の判別時において、前記半導体スイッチング素子は少なくとも1回のスイッチング動作を行わせて、前記共振回路を減衰振動させ、この減衰振動の周期を測定して前記被加熱物の有無を判別し、更に前記減衰振動の周期から加熱時の駆動周波数を決定する、
    ことを特徴とする電磁誘導加熱装置の被加熱物判定方法。
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