JP6324060B2 - X線分析装置 - Google Patents

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Description

この発明は、超伝導転移端センサからなる放射線検出器を備えたX線分析装置に関する。
X線のエネルギーを弁別することが可能なX線分析装置として、エネルギー分散型X線検出器(Energy Dispersive Spectroscopy、以後EDSと呼ぶ)やWDS(Wavelength Dispersive Spectroscopy、以後WDSと呼ぶ)がある。
上記EDSは、検出器に取り込まれたX線のエネルギーを検出器内で電気信号に変換し、その電気信号の大きさによってエネルギーを算出するタイプのX線検出器である。また、WDSはX線を分光器で単色化(エネルギー弁別)し、単色化されたX線を比例計数管などで検出するタイプのX線検出器である。
EDSとしては、SiLi(シリコンリチウム)型検出器、シリコンドリフト型検出器、またはゲルマニウム検出器などの半導体検出器が知られている。例えばシリコンリチウム型またはシリコンドリフト型の検出器は、電子顕微鏡の元素分析装置に多用され、0.2keV〜20keV程度の広範囲のエネルギーを検出できる。しかし、検出器にシリコンを用いているため、原理上、その性質はシリコンのバンドギャップ(1.1eV程度)に依存し、エネルギー分解能を130eV程度以上に改善することが難しく、WDSと比較して10倍以上エネルギー分解能は劣る。
このようにX線検出器の性能を示す指標の一つであるエネルギー分解能が、例えば130eVであるとは、X線検出器にX線が照射されると、130eV程度の不確かさでエネルギーを検出可能であることを意味する。従って、この不確かさが小さいほど、エネルギー分解能が高いということになる。すなわち、隣接する2本のスペクトルからなる特性X線を検出する場合、エネルギー分解能が高くなると不確かさが小さくなる。2本の隣接するピークのエネルギー差が20eV程度であると、原理的に20eV〜30eV程度のエネルギー分解能で2本のピークを分離することができるということである。
近年、エネルギー分散型でかつWDSと同等のエネルギー分解能を有する超伝導X線検出器が注目されている。この超伝導X線検出器のうちで超伝導転移端センサ(Transition Edge Sensor、以後TESと呼ぶ)を有する検出器は、金属薄膜の超伝導−常伝導遷移時の急激な抵抗変化(例えば、温度変化が数mKにて抵抗変化が0.1Ωなど)を用いた高感度の熱量計である。なお、このTESは、マイクロカロリーメータとも呼ばれる。
このTESは、一次X線や一次電子線などの放射線照射によりサンプルから発生した蛍光X線や特性X線が入射した際に起こるTES内の温度変化を検出することでサンプルの分析をする。TESは、他の検出器よりも高いエネルギー分解能を有し、例えば5.9keVの特性X線において10eV以下のエネルギー分解能を得ることができる。
走査電子顕微鏡や透過電子顕微鏡にTESを取り付けた場合、電子線が照射されたサンプルから発生する特性X線をTESで取得することで、半導体型X線検出器では分離不可能な特性X線(例えば、Si−Kα、W−Mα、W−Mβなど)のエネルギースペクトルのピークを容易に分離することができる。
TESは高感度な熱量計のため、安定した動作をさせるために複数枚の熱シールドが必要となる。ただし、サンプルから発生するX線をTESに導入する必要があるため、X線窓が熱シールドに装着される(非特許文献1参照)。非特許文献1では4Kおよび80Kの各々に冷却された熱シールドにX線窓が装着されている。X線窓は分析対象となるX線は通過させるが、ノイズの原因となる可視光や赤外光を遮断する働きがある。
更に熱シールドではなく、TESを一つの真空チャンバーとするために、耐真空性を有するX線窓が室温の外界雰囲気を遮蔽するように設けられる。一般的に耐真空性を有するX線窓として、有機膜によるX線窓が利用される(特許非文献2参照)。このX線窓を3枚装着したときに、X線の透過率は60%(1keV)から1%以下(0.2keV未満)と大幅に低下する。
また、TESに設けられているX線吸収体サイズが数百ミクロンと小さいため、実効的な立体角を増加させることを目的にX線レンズがサンプルとTESの間に設けられる(特許文献1〜4参照)。キャピラリーは一般的にガラス細管束からなる。
米国特許第5880467号明細書 特公平7−40080号公報 特公平7−11600号公報 特開2008−39500号公報
Keiichi TANAKA、他9名、「Transition Edge Sensor-Energy Dispersive Spectrometer (TES-EDS) and Its Applications」、「IEICE TRANSACTIONS on Electronics」、vol.E92-C No.3、2009年、p.334−340 AP Ultra-thin Polymer X-ray Windows.[online]. MOXTEK Incorporated, 2010. [retrieved on 2013-10-15]. Retrieved from the Internet : <URL: http://www.moxtek.com/x-ray-windows/ap3-ultra-thin-polymer-windows.html>.
しかしながら、上記のX線分析装置では、1keV以下のX線透過効率が悪く、例えばボロン(183eV)の検出効率が既存のシリコンドリフト型半導体検出器(Silicon Drift Detector、以後SDDと呼ぶ)より一桁悪い。これはSDDのX線窓が有機膜によるX線窓の一枚で十分であることに対して、TESは有機膜によるX線窓に加えて熱シールド用にX線窓が2枚以上必要なことが原因である。
TESはSDDに比べ動作温度が低く、TESを安定的に動作させるために熱シールドとしてX線窓をSDDに比べ余分に設ける必要がある。このようにTESを熱的に安定させることが出来かつSDD並み、もしくはそれ以上のX線透過効率を得ることがTESで1keV以下のX線を効率よく取得するために必要である。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、可視光および赤外光を遮蔽し、並びにX線窓を最小限に薄くすることができ、その結果、1keV以下のX線を効率よく取得可能なX線分析装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係るX線分析装置は、分析対象である試料を励起して特性X線を放出させる励起源と、前記特性X線を検出するX線検出器と、前記試料から前記X線検出器に向かい順次配置された電磁波遮蔽部および熱遮蔽部と、を備え、前記電磁波遮蔽部は前記特性X線を通過させる貫通孔を形成する貫通孔形成部を備え、前記貫通孔形成部は前記貫通孔の開口幅を50μm以下に形成し、前記熱遮蔽部は前記特性X線を透過させる窓部を備えた。
(2)上記(1)に記載のX線分析装置では、前記熱遮蔽部は、前記窓部の大きさを、前記貫通孔形成部の大きさと同等もしくは前記貫通孔形成部の大きさよりも小さくしている。
(3)上記(2)に記載のX線分析装置では、前記熱遮蔽部は、1つ以上の前記窓部を備え、前記貫通孔形成部から離れることに伴い、前記窓部の大きさが、前記貫通孔形成部の大きさから順次小さくなる。
(4)上記(1)から(3)の何れか1つに記載のX線分析装置では、前記電磁波遮蔽部は前記貫通孔の開口幅を10μm以下に形成している。
(5)上記(1)から(4)の何れか1つに記載のX線分析装置では、前記熱遮蔽部は、前記電磁波遮蔽部から前記X線検出器に向かい順次配置された3つ以下の前記窓部を備える。
(6)上記(5)に記載のX線分析装置では、前記熱遮蔽部は、前記電磁波遮蔽部から前記X線検出器に向かい順次配置された2つ以下の前記窓部を備える。
(7)上記(5)または(6)に記載のX線分析装置では、前記熱遮蔽部は、前記電磁波遮蔽部の温度よりも前記窓部が低温になることに伴い、前記窓部の大きさを、前記電磁波遮蔽部において前記貫通孔形成部が装着される孔部の大きさよりも1mm以上小さくしている。
(8)上記(5)または(6)に記載のX線分析装置は、複数の前記窓部のうちで最も前記X線検出器に近接した前記窓部である第1窓部の温度を10K以下とし、複数の前記窓部のうちで前記第1窓部に隣り合う前記窓部である第2窓部の温度を前記第1窓部の温度以上かつ100K以下とする冷却部を備える。
(9)上記(1)から(8)の何れか1つに記載のX線分析装置では、前記窓部は、金属と、有機膜もしくはシリコン窒化膜との積層体からなり、前記金属および前記有機膜もしくは前記シリコン窒化膜の各々の厚みは100nm以下である。
(10)上記(1)から(9)の何れか1つに記載のX線分析装置では、前記電磁波遮蔽部は前記特性X線を集光する機能を有する。
(11)上記(1)から(10)の何れか1つに記載のX線分析装置は、前記電磁波遮蔽部を200K以下まで冷却する遮蔽部材冷却部を備える。
(12)上記(1)から(11)の何れか1つに記載のX線分析装置は、前記試料と前記X線検出器との間で前記電磁波遮蔽部の位置を調整する遮蔽部位置調整機構と、前記窓部および前記X線検出器を冷却する冷却部の位置を調整する冷却部位置調整機構と、を備え、前記遮蔽部位置調整機構と前記冷却部位置調整機構との間で真空空間を隔離する遮断バルブを備える。
上記(1)に記載の態様に係るX線分析装置によれば、特性X線が通過する貫通孔を有する電磁波遮蔽部によって特性X線以外の赤外線および可視光線を遮蔽することができる。これにより、特性X線を透過させる熱遮蔽部の窓部に、特性X線以外の赤外線および可視光線を遮蔽する機能を具備させる必要がないので、窓部の厚み、および窓部の数を熱遮蔽に必要な最小限にすることができ、窓部透過時の特性X線の減衰を抑制することができる。これにより、1keV以下の特性X線を効率よく取得することができる。
さらに、上記(2)または(3)の場合、特性X線のコリメーション、並びに特性X線以外の赤外線および可視光線の遮蔽を向上させることができる。
さらに、上記(4)の場合、特性X線が通過する貫通孔の開口幅(例えば、直径または1辺の大きさなど)を10μm以下とすることで、1keV以下のエネルギー領域で10eV程度の低エネルギー領域においてもノイズとなる赤外線および可視光線を遮蔽することができる。
さらに、上記(5)または(6)の場合、特性X線を透過させる窓部を3つ以下、さらには、2つ以下にすることで、低エネルギーの特性X線の取得効率を向上させることができる。
さらに、上記(7)の場合、温度低下に伴う窓部の破損を抑制することができる。
さらに、上記(8)の場合、分析対象である試料の周囲の雰囲気からX線検出器に向かい複数の窓部によって段階的に温度を低下させることにより、熱輻射によるX線検出器の温度上昇を防止し、所望の動作特性を確保することができる。
さらに、上記(9)の場合、1keV以下の特性X線の取得効率が低下することを抑制しつつ、X線検出器に対して効果的な熱遮蔽を行なうことができる。また、シリコン窒化膜によれば、膜中に酸素もしくは炭素を含まないので、酸素および炭素の各々の分析を適正に行なうことができる。
さらに、上記(10)の場合、特性X線の集光効率を向上させることができる。
さらに、上記(11)の場合、電磁波遮蔽部から窓部への熱輻射を低減させることができ、所望の熱遮蔽に必要とされる窓部の厚み、および窓部の数を、より一層、低減することができるとともに、X線検出器の動作安定性を向上させることができる。
さらに、上記(12)の場合、X線検出器の真空状態を、他の装置とは独立して制御することができ、X線検出器の動作安定性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るX線分析装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態(A)および比較例(B)での窓部を透過するX線のエネルギーと透過率との関係の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る第1および第2金属板、並びに第1および第2X線窓の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係るコールドヘッドの先端部の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る第1X線窓からTESへの熱輻射の算出結果(A)と、第2X線窓および第2金属板から第1X線窓および第1金属板への熱輻射の算出結果(B)とを示す図である。 本発明の実施形態の第1変形例に係るX線分析装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態の第2変形例に係るX線分析装置の構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るX線析装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態のX線分析装置10は、例えば、電子顕微鏡、イオン顕微鏡、X線顕微鏡、および蛍光X線分析装置などの組成分析装置として利用可能である。
X線分析装置10は、図1に示すように、分析対象である試料11に電子線12を照射することによって試料11を励起して、試料11から特性X線13を放出させる電子銃14と、試料11から放出される特性X線13を検出するX線検出器としての超伝導転移端センサ(Transition Edge Sensor、TES)15と、を備えている。
TES15は、超伝導体が有する超伝導転移を利用するものであり、X線の検出動作では、常伝導と超伝導の中間状態に動作点を保持する。これにより、X線1個がTES15に吸収された場合、超伝導転移中に動作点を保持された状態において、例えば100mKの温度変動に対して数μWの抵抗変化が得られ、μAオーダーの放射線パルスを得ることができる。また、予めパルス波高値と放射線のエネルギーとの関係を求めたデータを記憶しておくことにより、未知エネルギーを有する放射線がTES1に照射されても信号パルス波高値から入射した放射線のエネルギーを検出することができる。
X線分析装置10は、TES15を冷却する冷却部16を備えている。
冷却部16は、冷凍機本体16aと、冷凍機本体16aにおいて最も冷却される箇所に接続されたコールドヘッド16bと、を備えている。TES15は、冷凍機本体16aに装着された断熱構造を有するスノート17の内部に配置されたコールドヘッド16bの先端に設置されている。
なお、試料11、電子銃14、およびスノート17の先端部は、チャンバー18の内部に配置され、冷却部16およびチャンバー18の内部は、ターボ分子ポンプまたは拡散ポンプなどにより真空排気され、真空度は10−3〜10−5Pa程度である。
冷凍機本体16aは、例えば希釈冷凍機または断熱消磁冷凍機などである。希釈冷凍機はミキシングチャンバー内において濃厚相から希薄相へ3Heが溶け込む時のエンタルピー差を利用して冷却を行なう。断熱消磁冷凍機は磁性体に磁場を印加することでスピンの向きを揃えておき、磁場を除去する際にエントロピーが増大することで、磁性体に接続された物体を冷却する。
コールドヘッド16bは、冷凍機本体16aによって100mK近傍まで冷却される。コールドヘッド16bを100mKまで冷却し、かつTES15を熱的に安定して動作させるためには、室温などであるスノート17からの熱輻射を遮蔽する必要がある。パラメータにもよるが、一般的にTES15は100pWの熱を受けると動作しない。そのためにTES15への高温部からの熱輻射を排除するために、X線分析装置10は、TES15より高温の熱遮蔽部19を備えている。
熱遮蔽部19は、TES15およびコールドヘッド16bを覆うように設置された第1熱シールド20と、第1熱シールド20とスノート17との間に設置された第2熱シールド21と、を備えている。
第1熱シールド20および第2熱シールド21の各々は、試料11から放出された特性X線13をTES15に到達させるための第1X線窓22および第2X線窓23の各々を備えている。
第1X線窓22および第2X線窓23の各々は、特に1keV以下の低エネルギーのX線を効率よく透過させるために、軽元素の材質によって形成されている。第1X線窓22および第2X線窓23の各々の厚みは、所望の熱遮蔽を確保する最低限に薄く形成されている。第1X線窓22および第2X線窓23の各々は、例えば、有機膜もしくはシリコン窒化膜上にアルミニウムが積層された積層タイプとされ、特に1keV以下のX線に対して所望の透過率を確保するために有機膜もしくはシリコン窒化膜とアルミニウムの膜厚は共に100nm以下とされている。なお、有機膜に比べてシリコン窒化膜によれば、膜中に酸素もしくは炭素を含まないので、酸素および炭素の各々の分析を適正に行なうことができる。
図2(A)の実線は、本実施形態の第1X線窓22および第2X線窓23の各々を、膜厚100nmの有機膜と膜厚100nmのアルミニウムとの積層体とした場合のX線のエネルギーに応じた透過率曲線である。図2(A)の点線は、本実施形態の第1X線窓22および第2X線窓23の各々を、膜厚50nmの有機膜と膜厚50nmのアルミニウムとの積層体とした場合のX線のエネルギーに応じた透過率曲線である。図2(B)の実線は、本実施形態の比較例として、半導体型X線検出器で用いられている有機膜による透過膜の透過率曲線の例である。
本実施形態の図2(A)の実線と比較例との間では、500eV近傍におけるX線の透過率が同等であり、本実施形態の図2(A)の点線と比較例との間では、200eV近傍におけるX線の透過率が同等であると認められる。
つまり、1keV以下の低エネルギーのX線を透過させるX線窓の数が増大したとしても、X線窓を構成するアルミニウムと有機膜の膜厚を薄くすることで、X線の所望の透過率を確保することができる。
第1X線窓22および第2X線窓23の各々として、アルミニウムと有機膜もしくはシリコン窒化膜との積層体を採用することにより、TES15への可視光および赤外光の入射を遮断しつつ、可能な限り低エネルギーのX線を取得することできる。
従来、アルミニウムと有機膜を薄くしすぎると、可視光および赤外光の遮断効果が小さくなるため、可視光または赤外光がTES15で吸収されることによってTES15のノイズが増大するという問題が生じる。この場合、低エネルギーのX線取得は可能であるが、可視光および赤外光を遮断する必要がある。
この問題を解決するために、本実施形態のX線分析装置10は、試料11と第2X線窓23との間に電磁波遮蔽部24として、スノート17に支持されたキャピラリー25を備えている。
キャピラリー25は、試料11から放出された特性X線13を通過させる貫通孔26を形成する貫通孔形成部27を備えている。キャピラリー25の材質は、非金属または金属とされ、例えばガラス細管により形成されている。
貫通孔26の大きさ(例えば、直径または1辺の長さ)をD(m)とし、入射する電磁波の波長をλ(m)とすると、波長限界の原理からD=λ/2より長い波長の電磁波は貫通孔26を通過しないことが知られている。例えば、電磁波のエネルギーEが0.01eVの場合にD=62μmとなる。すなわち、D=62μmの場合には、0.01eV以下のエネルギーの電磁波はキャピラリー25によって遮蔽され、D=6.2μmの場合には、0.1eV以下のエネルギーの電磁波はキャピラリー25によって遮蔽される。
なお、キャピラリー25は、特性X線13を集光させる機能を有している。
本実施形態のX線分析装置10において、貫通孔26の大きさは少なくとも50μm以下に形成され、特に、取得すべき特性X線13のエネルギーが1eV以上であれば、D=10μm以下に形成されていればよい。
キャピラリー25は、アルミニウムおよび有機膜もしくはシリコン窒化膜の積層体からなる第1X線窓22および第2X線窓23の各々とは異なり、X線を遮蔽することがないため、分析対象となる1keV以下の特性X線13を減衰抑制しつつ取得するには有効である。このキャピラリー25を可視光および赤外光に対する遮蔽として用いることで、従来のようにX線窓に可視光および赤外光を遮断する機能を具備させる必要が無い。これにより、可視光および赤外光の遮断として用いられるX線窓の数および厚みを削減することができる。
第1X線窓22および第2X線窓23の各々は、試料11から放出された特性X線13を透過させるだけでなく、TES15を熱的に安定動作させるために熱シールドとして機能する。
第1X線窓22および第2X線窓23の各々は、例えば、熱伝導率の高い金属板によって支持されている。図3に示すように、第1X線窓22は、第1熱シールド20の先端部に設けられた第1金属板28の一部に設けられた貫通孔28aに装着されている。第2X線窓23は、第2熱シールド21の先端部に設けられた第2金属板29の一部に設けられた貫通孔29aに装着されている。なお、第1金属板28および第2金属板29の各々は、第1熱シールド20および第2熱シールド21の各々と一体に形成されてもよい。
第1X線窓22および第2X線窓23の各々の熱伝導率に比べて、第1金属板28および第2金属板29の各々の熱伝導率はより高く形成されているので、第1X線窓22および第2X線窓23の各々は、試料11とTES15との間の実効的な所望の立体角を確保した状態で最小限に小さく形成されることが好ましい。
例えば、試料11からTES15に向かい順次配置された、キャピラリー25、第2X線窓23、および第1X線窓22は、同一直線上に配置され、この順序で徐々に小さくなるように形成されてもよいし、もしくは同等の大きさに形成されてもよい。
例えば、キャピラリー25、第2X線窓23、および第1X線窓22が、徐々に小さく形成される場合には、キャピラリー25を支持する金属板31の温度(例えば、室温など)よりも第2X線窓23および第1X線窓22の各々の温度が低温になることに伴い、第2X線窓23および第1X線窓22の各々の大きさが、キャピラリー25が装着される金属板31の貫通孔31aの大きさよりも1mm以上小さく形成されている。
TES15は、冷却部16によって100mK程度に冷却されており、常に一定電流がTES15に流されていることによって数十pW程度の発熱がある。
本実施形態のX線分析装置10は、図4に示すように、試料11からTES15に向かう方向(例えば、Z方向)においてTES15の手前の位置に、開口半径D2を有するコリメータ30を備えてもよい。この場合、X線分析装置10は、TES15とコリメータ30間の距離L2と、TES15と第1X線窓22との距離L1とを有している。
また、輻射熱の観点から、TES15および第1金属板28が対向する場合に、対向する部位同士が金属であることが望ましい。例えば、TES15のうちX線を吸収する吸収体15aを金とし、第1X線窓22を支持する第1金属板28をアルミニウムとすると、両金属の放射率(εおよびε)は約0.02〜0.03であることが知られている(例えば、萩原宏康編、「低温工学概論」、東京電機大学出版局、1999、pp264 参照)。
このときTES15が第1X線窓22を見る面積S1は、例えば下記数式(1)に示すように記述される。
Figure 0006324060
例えば、L2=200μm、D2=100μm、およびL1=2000μmの場合には、上記数式(1)により、S1=12.56×10−6mmとなる。
第1X線窓22からTES15への熱輻射Qは、ステファン−ボルツマン定数σと、TES15の面積S2と、TES15および第1X線窓22の各々の温度T,Tに基づき、例えば下記数式(2)に示すように記述される。
Figure 0006324060
第1X線窓22からTES15への熱輻射を計算した結果を図5(A)に示した。第1X線窓22が10K以下であれば輻射熱は約1pW以下となり、TES15の発熱量の1/10以下である。すなわち、第1X線窓22からTES11への輻射熱は無視でき、TES15の安定動作が可能となる。第1X線窓22を10K以下に冷却する手段としては、希釈冷凍機内のStillシールド(<1K)などを用いてもよい。
本実施形態のX線分析装置10は、第1金属板28および第1X線窓22の温度を最も冷却された状態で1Kとする。第1X線窓22はTES15側をアルミニウムなどの金属膜としているが、第2金属板29からの熱輻射を出来るだけ反射するために、第1X線窓22において第2金属板29側にもアルミニウムなどの金属膜を設けることが好ましい。
希釈冷凍機内のStillシールドの冷却能力は冷凍機性能に依存するが、一般的には数100μW以上となる。そのため、第2X線窓23、第2金属板29、および第2熱シールド21から、第1X線窓22、第1金属板28、および第1熱シールド20への熱輻射は、数100μW以下である必要がある。
図5(B)には、第2X線窓23および第2金属板29の温度を10K〜100Kとしたときの第2X線窓23および第2金属板29から第1X線窓22および第1金属板28への熱輻射を計算した結果を示した。
本実施形態のX線分析装置10では、第1金属板28と第2金属板29の形状を円形とし、第1金属板28の直径を10mm、第2金属板29の直径を20mmとした。なお、第1金属板28と第2金属板29の形状は円形でなくてもよい。このように第2金属板29の温度が100Kまでであれば、第2X線窓23および第2金属板29から第1X線窓22および第1金属板28への最大熱輻射は10μW程度となる。
次に、第2熱シールド21から第1熱シールド20への熱輻射について説明する。
本実施形態のX線分析装置10では、第1熱シールド20と第2熱シールド21との間に、輻射熱を遮断するためのサーマルインシュレーション(図示略)をN層設けてもよい。これによって、高温部から低温部への入熱を1/(N+1)に低減することができる。例えば、第1熱シールド20のZ方向の長さを200mm、第2熱シールド21のZ方向の長さを250mm、第2熱シールド21の温度を100K、N=10としたときの第2熱シールド21から第1熱シールド20への入熱量は、0.6μW以下である。以上から第2熱シールド21、第2金属板29、および第2X線窓23から、第1熱シールド20、第1金属板28、および第1X線窓22への熱輻射は、100μW未満程度であり、Stillシールドの冷却能力よりも十分小さい。
次に、スノート17から、第2金属板29、第2X線窓23、および第2熱シールド21への熱輻射について説明する。
本実施形態のX線分析装置10では、第2金属板29、第2X線窓23、および第2熱シールド21の温度を最も冷却された状態で10Kとする。図3に示すように、スノート17の先端にはキャピラリー25と、キャピラリー25を支持する金属板31が設けられている。
先ず、キャピラリー25と金属板31から、第2金属板29および第2X線窓23への熱輻射について説明する。
本実施形態のX線分析装置10では、金属板31の中心部に貫通孔31aが設けられ、この貫通孔31aの内壁にキャピラリー25が装着されている。例えば、金属板31の直径を30mm、キャピラリー25の直径を10mmとした場合、キャピラリー25と金属板31から、第2金属板29および第2X線窓23への熱輻射は、4mW程度となる。
次に、スノート17から第2熱シールド21への熱輻射について説明する。
例えば、第2熱シールド21の長さを250mm、スノート17の長さを300mm、スノート17の温度を300Kとし、N=10としたときのスノート17から第2熱シールド21への入熱量は、120μW程度である。そのため、スノート17、金属板31、およびキャピラリー25から、第2金属板29、第2X線窓23、および第2熱シールド21への熱輻射は、10mW以下となる。
本実施形態のX線分析装置10では、第2金属板29、第2X線窓23、および第2熱シールド21を冷却する手段として、希釈冷凍機の予備冷却で使用される機械式冷凍機の1stシールドなどを用いてもよい。機械式冷凍機の例として、GM冷凍機がある。GM冷凍機の1stシールドは40K程度まで冷却することができ、その冷却能力は数Wである。そのため、GM冷凍機の1stシールドは、第2金属板29、第2X線窓23、および第2熱シールド21を十分冷却することが可能である。
上述したように、本実施形態によるX線分析装置10によれば、試料11からTES15に向かう方向(例えば、Z方向)において、順次、電磁波遮蔽部24としてのキャピラリー25と、熱遮蔽部19としての第1X線窓22および第2X線窓23と、を配置した。すなわち、キャピラリー25によって、特性X線13を通過させるとともに、可視光および赤外光などの特性X線13以外の電磁波を遮蔽し、第1X線窓22および第2X線窓23によって、特性X線13を透過させるとともに、TES15に対する熱輻射を遮蔽した。
これにより、特性X線13を透過させる第1X線窓22および第2X線窓23に、特性X線13以外の電磁波を遮蔽する機能を具備させる必要がないので、第1X線窓22および第2X線窓23の各々の厚み、もしくは必要とされるX線窓の数を、熱遮蔽に必要な最小限にすることができ、特性X線13の透過減衰を抑制することができる。
しかも、キャピラリー25によれば、特性X線13の減衰を抑制もしくは防止した状態で特性X線13を通過させるとともに、可視光および赤外光などの特性X線13以外の電磁波を遮蔽することができる。
さらに、キャピラリー25、第2X線窓23、および第1X線窓22が、この順序で徐々に小さくなるように形成された場合には、特性X線のコリメーション、並びに特性X線以外の赤外線および可視光線の遮蔽を向上させることができる。
これにより、1keV以下のエネルギー領域で10eV程度の低エネルギー領域においても、ノイズとなる赤外線および可視光線を遮蔽し、TES15を熱的に安定動作させて、低エネルギーの特性X線13を効率良く取得することができる。
(第1変形例)
なお、上述した実施形態においては、図6に示すように、キャピラリー25は金属板31に固定されずに、別体のキャピラリー調整機構40によって支持されてもよい。この場合、スノート17の先端部には、特性X線13を通過させるための開口17aが設けられている。
キャピラリー調整機構40は、試料11からTES15に向かう方向(例えば、Z方向)に直交する平面内(例えば、XY平面内)におけるキャピラリー25の位置を調整可能である。なお、キャピラリー調整機構40は、XY平面内に限らず、さらに、Z方向においてもキャピラリー25の位置を調整可能であってもよい。
また、必要に応じてキャピラリー25とキャピラリー調整機構40との間に熱伝導度を小さくするための絶縁体41を設けておき、キャピラリー25を別の冷却機構42で冷却してもよい。
例えば、上述したように、キャピラリー25および金属板31から第2金属板29および第2X線窓23への熱輻射が4mW程度である場合に、このうちの98%がキャピラリー25からの輻射熱である。そのためキャピラリー25を、少なくとも200K以下に冷却する。例えば液体窒素で冷却すると77Kまで冷却されるため、キャピラリー25から第2金属板29および第2X線窓23への熱輻射は1/200まで低下させることが可能である。その結果、キャピラリー25を冷却することはTES15を熱的に安定動作させるために有効である。
なお、冷却機構42は、チャンバー18の内部に収容されてもよいし、もしくは、本体がチャンバー18の外部に配置されて、キャピラリー25を冷却する一部の部位のみがチャンバー18の内部に収容されてもよい。
(第2変形例)
なお、上述した実施形態においては、図7に示すように、キャピラリー25をキャピラリー調整機構40によって支持し、第1金属板28、第2金属板29、およびTES15と共に冷却部16の位置を調整する冷却部位置調整機構51を備えてもよい。
さらに、キャピラリー調整機構40と冷却部位置調整機構51との間で真空空間を隔離する遮断バルブ52と、冷却部16とチャンバー18の真空状態を保持するためのべローズ53と、を備えてもよい。
例えば電子銃14を備える電子顕微鏡のチャンバー18および冷却部16が共に大気解放されている状態から冷却部16の真空を引く場合、薄い第1X線窓22および第2X線窓23の各々が設けられているので、急激な真空引きを行なうと第1X線窓22および第2X線窓23の各々を破損する虞がある。
電子顕微鏡に利用される真空ポンプの排気速度は、ポンプ性能に依存するため排気速度を調整することは難しいが、薄い第1X線窓22および第2X線窓23の各々を備える冷却部16の排気はゆっくりと、第1X線窓22および第2X線窓23の各々の前後で差圧が発生しないように行うことが望ましい。そのため電子顕微鏡のチャンバー18と冷却部16の間に遮断バルブ52を設け、チャンバー18および冷却部16の各々独立に真空引きができることが重要である。
また、冷却部16側の真空引きには流量を制限するニードル(図示略)を設けておくことで、ゆっくりと真空引きを行うことができる。
チャンバー18および冷却部16の真空引きが完了した後、遮断バルブ52を開けて、冷却部16を、試料11から放出される特性X線13が取得できる所定の位置に移動させる。この結果、チャンバー18と冷却部16の真空を遮断することが可能となり、冷却部16を大気開放にする必要無しにチャンバー18のみを独立に大気解放可能である。
なお、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態の構成はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態において、電磁波遮蔽部24はキャピラリー25を備えるとしたが、これに限定されず、特性X線13を通過させる貫通孔が形成された板状もしくは網状の部材を備えてもよい。
例えば、上述した実施形態において、2つの第1X線窓22および第2X線窓23を備えるとしたが、これに限定されず、2つよりも多い数(例えば、3つなど)のX線窓を備えてもよい。
例えば、上述した実施形態において、TES15にコリメータ30を設けるとしたが、これに限定されず、コリメータ30はコールドヘッド16bに固定されてもよい。
11…試料、12…電子線、13…特性X線、14…電子銃、15…TES、16…冷却部、16a…冷凍機本体、16b…コールドヘッド、17…スノート、18…チャンバー、20…第1熱シールド、21…第2熱シールド、22…第1X線窓、23…第2X線窓、25…キャピラリー、28…第1金属板、29…第2金属板、30…コリメータ、31…金属板、40…キャピラリー調整機構、41…絶縁体、51…冷却部位置調整機構、52…遮断バルブ、53…べローズ

Claims (12)

  1. 分析対象である試料を励起して特性X線を放出させる励起源と、
    前記特性X線を検出するX線検出器と、
    前記試料から前記X線検出器に向かい順次配置された電磁波遮蔽部および熱遮蔽部と、を備え、
    前記電磁波遮蔽部は前記特性X線を通過させる貫通孔を形成する貫通孔形成部を備え、
    前記貫通孔形成部は前記貫通孔の開口幅を50μm以下に形成し、
    前記熱遮蔽部は前記特性X線を透過させる窓部を備えた、
    ことを特徴とするX線分析装置。
  2. 前記熱遮蔽部は、前記窓部の大きさを、前記貫通孔形成部の大きさと同等もしくは前記貫通孔形成部の大きさよりも小さくしている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線分析装置。
  3. 前記熱遮蔽部は、1つ以上の前記窓部を備え、
    前記貫通孔形成部から離れることに伴い、前記窓部の大きさが、前記貫通孔形成部の大きさから順次小さくなる、
    ことを特徴とする請求項2に記載のX線分析装置。
  4. 前記電磁波遮蔽部は前記貫通孔の開口幅を10μm以下に形成している、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載のX線分析装置。
  5. 前記熱遮蔽部は、前記電磁波遮蔽部から前記X線検出器に向かい順次配置された3つ以下の前記窓部を備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載のX線分析装置。
  6. 前記熱遮蔽部は、前記電磁波遮蔽部から前記X線検出器に向かい順次配置された2つ以下の前記窓部を備える、
    ことを特徴とする請求項5に記載のX線分析装置。
  7. 前記熱遮蔽部は、前記電磁波遮蔽部の温度よりも前記窓部が低温になることに伴い、前記窓部の大きさを、前記電磁波遮蔽部において前記貫通孔形成部が装着される孔部の大きさよりも1mm以上小さくしている、
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のX線分析装置。
  8. 複数の前記窓部のうちで最も前記X線検出器に近接した前記窓部である第1窓部の温度を10K以下とし、複数の前記窓部のうちで前記第1窓部に隣り合う前記窓部である第2窓部の温度を前記第1窓部の温度以上かつ100K以下とする冷却部を備える、
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のX線分析装置。
  9. 前記窓部は、金属と、有機膜もしくはシリコン窒化膜との積層体からなり、前記金属および前記有機膜もしくは前記シリコン窒化膜の各々の厚みは100nm以下である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1つに記載のX線分析装置。
  10. 前記電磁波遮蔽部は前記特性X線を集光する機能を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1つに記載のX線分析装置。
  11. 前記電磁波遮蔽部を200K以下まで冷却する遮蔽部冷却部を備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項10の何れか1つに記載のX線分析装置。
  12. 前記試料と前記X線検出器との間で前記電磁波遮蔽部の位置を調整する遮蔽部位置調整機構と、
    前記窓部および前記X線検出器を冷却する冷却部の位置を調整する冷却部位置調整機構と、を備え、
    前記遮蔽部位置調整機構と前記冷却部位置調整機構との間で真空空間を隔離する遮断バルブを備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項11の何れか1つに記載のX線分析装置。
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