JP6320274B2 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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本発明は、スパークプラグの製造方法及びスパークプラグに関する。
一般に、スパークプラグは、その先端側に中心電極と接地電極とを有している。中心電極は、絶縁体の軸孔に保持された状態で、絶縁体の先端から突出している。一方、接地電極は、主体金具の先端部に溶接で接合されている。接地電極を主体金具に溶接する際には、その溶接部の周囲に溶接ダレが発生する。溶接ダレは、通常は、打ち抜きパンチなどの機械加工で除去される(特許文献1〜3)。
特開2011−175985号公報 特開2003−223968号公報 特開2007−080640号公報
近年では、内燃機関のダウンサイジングや燃費向上に対応するために、スパークプラグの小径化が進んでいる。スパークプラグの小径化に伴い、主体金具と絶縁体の径方向のクリアランスが狭くなり、いわゆる横飛火(正規の火花放電ギャップで火花が飛ばない)が発生し易くなる傾向にある。従来から、主体金具と絶縁体の径方向のクリアランスを確保するために、接地電極の溶接後に主体金具と接地電極の内面側の溶接ダレを機械加工で除去しているが、溶接ダレを十分に除去することは困難である。このため、高着火性スパークプラグ等の一部のスパークプラグでは、要求クリアランスを確保するのが難しいという課題があった。また、クリアランスが小さくなると横飛火が発生し易くなり、着火性能が低下するという課題があった。
また、主体金具と接地電極の外面側の溶接ダレについても、可能な限り小さくなるまで除去したいという要望があった。例えば、小径のスパークプラグでは、接地電極が接合される主体金具の先端部の径方向の厚みも薄くなる。一方、接地電極の厚みは、接地電極の耐久性を上げるために主体金具の先端部の厚みとほぼ同じ程度にまで肉厚にしたいという要望がある。このため、両者の溶接部に形成される溶接ダレが主体金具や接地電極の外面に大きく突出していると、主体金具の外面にねじを転造する際に、溶接ダレにもねじが切られてしまう可能性がある。溶接ダレにねじが切られると、カーボン等の汚染物質が溶接ダレのねじ山の間に滞留してしまい、スパークプラグの先端部が汚損する。汚損の程度がひどいと、スパークプラグを交換する際に、スパークプラグを取り外すことが難しくなる虞がある。このような不具合を防止するために、主体金具と接地電極の外面側の溶接ダレについても、可能な限り小さくなるまで除去したいという要望があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、絶縁体を収容する主体金具と、前記主体金具の先端に接合された接地電極とを備えるスパークプラグの製造方法が提供される。この方法は、前記主体金具の先端に前記接地電極を溶接する溶接工程と、前記主体金具の内面から前記接地電極の内面にわたる領域と、前記主体金具の外面から前記接地電極の外面にわたる領域との少なくとも一方に形成された溶接ダレを除去する除去工程と、を備え、前記除去工程は、前記溶接ダレにレーザ光を照射することによって前記溶接ダレを除去するレーザ照射工程を含むことを特徴とする。
この方法によれば、レーザ光の照射によって溶接ダレを除去するので、従来の機械加工を用いた方法に比べて溶接ダレを小さくすることができる。特に、主体金具の内面から接地電極の内面にわたる領域に形成された溶接ダレをレーザ光の照射によって除去すれば、主体金具と絶縁体との間のクリアランスをより大きくできるので、着火性能が向上する。また、主体金具の外面から接地電極の外面にわたる領域に形成された溶接ダレをレーザ光の照射によって除去すれば、主体金具の転造時に溶接ダレにもねじが切られてしまう可能性を低減できる。
(2)上記製造方法において、前記除去工程は、更に、前記レーザ照射工程の前に、機械加工を用いて前記溶接ダレを除去する機械加工工程を含み、前記レーザ照射工程において、前記機械加工工程の後に残存している前記溶接ダレを前記レーザ光の照射により更に除去するものとしてもよい。
この方法によれば、溶接工程において溶接ダレの大きさがばらついた場合にも、機械加工工程において溶接ダレをばらつきの少ない大きさに調整できるので、その後のレーザ照射工程において正確に溶接ダレの除去を行うことが可能となる。
(3)上記製造方法は、前記レーザ照射工程において、前記レーザ光を用いて前記溶接ダレを蒸発させるものとしてもよい。
この方法によれば、レーザ光を用いて溶接ダレを蒸発させるので、主体金具や接地電極の内面を過度に損傷することなく溶接ダレを除去できる。
(4)上記製造方法は、前記レーザ照射工程において、前記溶接ダレの領域よりも小さい前記レーザ光のスポットを前記溶接ダレの領域に走査させることによって前記溶接ダレを除去するものとしてもよい。
この方法によれば、小さなレーザ光スポットを溶接ダレの領域に走査させるので、溶接ダレが十分に小さくなるまで除去することが容易である。
(5)上記製造方法において、前記除去工程は、前記主体金具の内面から前記接地電極の内面にわたる領域に形成された溶接ダレを除去するものとしてもよい。
この方法によれば、主体金具と絶縁体との間のクリアランスをより大きくできるので、着火性能が向上する。
(6)上記製造方法の前記除去工程において、残存する前記溶接ダレの前記主体金具の内面からの突出高さが0.05mm以下となるように前記溶接ダレを除去してもよい
この方法によれば、小径のスパークプラグにおいて必要とされる主体金具と絶縁体との間のクリアランスを十分に確保することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、スパークプラグの製造方法、スパークプラグ用の主体金具の製造方法等の形態で実現することができる。
一実施形態としてのスパークプラグを示す正面図。 スパークプラグの製造工程の一例を示すフローチャート。 主体金具に接地電極が接合された状態を示す説明図。 機械加工を利用した溶接ダレの除去工程の例を示す説明図。 レーザ照射を利用した溶接ダレの除去工程の例を示す説明図。 レーザ光の他の照射方法を示す説明図。 溶接ダレの突出高さとリーク開始ギャップとの関係を示すグラフ。
図1は、本発明の一実施形態としてのスパークプラグ100を示す正面図である。図1において、スパークプラグ100の火花放電ギャップSGが存在する下側をスパークプラグ100の先端側と定義し、上側を後端側と定義して説明する。このスパークプラグ100は、絶縁体10と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50とを備えている。絶縁体10は、軸線Oに沿って延びる軸孔を有している。なお、軸線Oを「中心軸」とも呼ぶ。中心電極20は、軸線Oに沿って延びる棒状の電極であり、絶縁体10の軸孔内に挿入された状態で保持されている。接地電極30は、一端が後述する主体金具50の主体金具先端部51の先端面52に固定され、他端が中心電極20と対向する電極である。端子金具40は、電力の供給を受けるための端子であり、中心電極20に電気的に接続されている。中心電極20の先端には、中心電極チップ22が溶接されており、接地電極30の内面には、接地電極チップ32が溶接されている。これらのチップ22,32は、Pt(白金)やIr(イリジウム)などの貴金属で形成された貴金属チップとすることが好ましいが、貴金属でない金属を用いてもよく、また、これらのチップ22,32を省略してもよい。なお、図1では、図示の便宜上、これらのチップ22,32が実際よりも大きなサイズで描かれている。2つのチップ22,32の間には、火花放電ギャップSGが形成されている。主体金具50は、絶縁体10の周囲を覆う筒状の部材であり、絶縁体10を内部に固定している。主体金具50の外周には、ねじ部54が形成されている。ねじ部54は、ねじ山が形成された部位であり、スパークプラグ100をエンジンヘッドに取付ける際にエンジンヘッドのねじ孔に螺合する。ねじ部54の先端側には、ねじ山が形成されていない主体金具先端部51がある。
図2は、スパークプラグの製造工程の一例を示している。工程T110では、主体金具先端部51の先端面52に、接地電極30の棒状部材がほぼ正立した状態で接合される。この接合では、例えば抵抗溶接やレーザ溶接が利用される。
図3(A)は、主体金具先端部51の先端面52に接地電極30の棒状部材が接合された状態を示す要部断面図であり、図3(B)は、主体金具50と接地電極30の内面の状態を示す説明図である。接地電極30は、後述する曲げ加工で曲げられる前の状態にあり、ほぼ直棒状の部材である。この工程T110では、主体金具50にねじ部54(図1)が形成されておらず、また、主体金具50と接地電極30にはめっき処理が施されていない。主体金具50と接地電極30の溶接部分の周囲には、溶接ダレWSが形成される。図3(B)に示すように、溶接ダレWSは、主体金具50の内面50isから接地電極30の内面30isにわたる領域に広がっている。図示は省略するが、溶接ダレWSは、主体金具50の外面50osから接地電極30の外面30osにわたる領域にも同様に広がっている。図3(A)に示すように、溶接ダレWSは、主体金具50の内面50isから径方向内側に高さHだけ突出している。以下では、この高さHを「溶接ダレWSの突出高さH」と呼ぶ。このような溶接ダレWSは、主体金具50と絶縁体10の径方向のクリアランスCL(図1)を狭くしてしまい、横飛火を発生し易くしてしまう。以下に説明する除去工程(図2の工程T120,T130)では、溶接ダレWSの突出高さHが十分に小さくなるまで、主体金具50の内面50isから接地電極30の内面30isにわたる領域に形成された溶接ダレWSを除去する。また、除去工程では、主体金具50の外面50osから接地電極30の外面30osにわたる領域に形成された溶接ダレWSも同様に除去する。なお、本明細書において、「溶接ダレを除去する」という語句は、特に断らない限り、溶接ダレの一部を除去することを意味する。
図4は、機械加工を利用した溶接ダレWSの除去工程の例を示す説明図である(図2の工程T120)。この例では、打ち抜きパンチ300を用いて、主体金具50の内面50isから接地電極30の内面30isにわたる領域の溶接ダレWSを除去している。打ち抜きパンチ300の溶接ダレWSに当たる部分には、切削刃310が形成されている。打ち抜きパンチ300を主体金具50の軸孔の内に挿入することによって、溶接ダレWSを除去することが可能である。同様に、主体金具50の外面50osから接地電極30の外面30osにわたる領域に形成された溶接ダレWSも、類似の打ち抜きパンチを用いて除去することが可能である。なお、溶接ダレWSを除去するための機械加工としては、打ち抜きパンチ300による打ち抜き加工に限らず、切削加工などの他の機械加工を利用しても良い。
機械加工を利用した溶接ダレWSの除去工程では、溶接ダレWSをかなり小さくすることが可能である。しかしながら、機械加工のみでは溶接ダレWSを完全に除去することは困難である。この理由は、加工具(打ち抜きパンチ300等)の寸法公差や、主体金具50の寸法公差に起因して、溶接ダレWSを完全に除去できないからである。本願の発明者らの実験によれば、機械加工を利用した溶接ダレWSの除去工程では、主体金具50の内面50is側の突出高さH(図3(A))を0.05mm以下にすることは困難であった。そこで、本実施形態では、レーザ光を用いて残りの溶接ダレWSを除去することによって、突出高さHを更に低減する。同様に、主体金具50の外面50os側における溶接ダレWSの突出高さもレーザ光を用いて更に低減する。
図5は、レーザ光を用いた溶接ダレの除去工程を示している(図2の工程T130)。レーザ発振装置200は、光ファイバOPFを介してレーザ出射ユニット210に接続されている。また、レーザ出射ユニット210には、更に、ガスホースGHを介してガス供給部220からアシストガスAGが供給される。レーザ出射ユニット210からは、レーザ光LBが出射するとともに、アシストガスAGが噴射する。レーザ発振装置200としては、YAGレーザやファイバレーザなどの固体レーザや、COレーザなどのガスレーザ、半導体レーザなどの各種のレーザ発振装置を利用可能である。ファイバレーザは、増幅媒質に光ファイバを利用した固体レーザであり、光軸ズレが少なく、ビーム品質に優れている点で好ましい。アシストガスAGは、レーザ光LBによって溶融した材料を吹き飛ばすためのガスである。アシストガスAGとしては、アルゴンなどの不活性ガスを使用することが好ましい。
図5(A)の例では、主体金具50を斜め(傾き角θ>0)に傾けた状態で保持し、レーザ光LBを鉛直下向きに照射して、主体金具50の内面50is側における残りの溶接ダレWSrを除去している。この際、レーザ光LBによって溶融し蒸発した金属は、アシストガスAGによって吹き飛ばされる。図5(B)に示すように、レーザ光LBのスポットLSは、溶接ダレWSrの領域に比べて小さいことが好ましい。こうすれば、レーザ光LBのスポットLSを溶接ダレWSrの領域に走査させることによって、主体金具50の内面50isから接地電極30の内面30isにわたる領域の溶接ダレWSrをほぼ完全に除去することが可能である。また、パルス発振によってレーザ光LBを断続的にオン/オフしつつ、スポットLSを走査させて溶接ダレWSrの領域に照射することが好ましい。また、レーザ発振の周波数や、パルス幅、レーザパワーを調整することによって、スポットLSが当たっている部分の溶接ダレのみを蒸発させるようにすることが好ましい。こうすれば、主体金具50の内面50isや接地電極30の内面30isを過度に損傷することなく、溶接ダレWSrのみを除去することが可能である。但し、レーザ光LBのスポットLSの大きさを、溶接ダレWSrの領域の大きさと同程度にしてもよい。図示は省略するが、主体金具50の外面50os側における残りの溶接ダレWSrも同様に、レ―ザ光LBを照射することによって除去することが可能である。
なお、レーザ光LBを残りの溶接ダレWSrに照射する前に、カメラ等の撮像装置を用いて溶接ダレWSrの領域を撮像してもよい。こうすれば、レーザ光LBのスポットLSを溶接ダレWSrの領域のみに照射することが可能となるので、溶接ダレWSr以外の主体金具50や接地電極30の部分をレーザ光LBで損傷してしまうことを防止できる。本願の発明者らの実験によれば、レーザ照射を利用した溶接ダレWSの除去工程を実行することによって、主体金具50の内面50is側の突出高さH(図3(A))を0.05mm以下にすることができた。
図6は、レーザ光の他の照射方法を示す説明図である。図6(A)の例では、主体金具50を傾けずに正立した状態で保持し、レーザ出射ユニット210を斜め(傾き角θ>0)に保持した状態で、レーザ光LBを斜めに照射して、残りの溶接ダレWSrを除去している。この方法によっても、図5の方法と同様に、残りの溶接ダレWSrを蒸発させて除去することが可能である。図6(b)の例では、主体金具50とを傾けずに正立した状態で保持し、レーザ光LBを鉛直下向きに照射して、残りの溶接ダレWSrを除去している。この方法では、残りの溶接ダレWSrを切断して除去することが可能である。また、図6(b)の例では、機械加工を利用した溶接ダレの除去工程T120を行わず、直接に主体金具50の内面50isから接地電極30の内面30isにわたる領域に形成された溶接ダレWSをレーザ光LBの照射により切断して除去することも可能である。
こうして溶接ダレWSの除去が終了すると、図2の工程T140以降の工程が実行される。工程T140では、転造加工により主体金具50にねじ部54が形成される。工程T150では、主体金具50と接地電極30の接合体にめっき処理が行われる。工程T160では、中心電極20と端子金具40と絶縁体10の接合体が、主体金具50の内部に挿入されて組み付けられる。この組み付け工程は、主体金具50の後端にある被カシメ部(図示省略)を加締めて絶縁体10を固定する加締め工程(「組み付け工程」とも呼ぶ)を含んでいる。工程T170では、接地電極30に接地電極チップ32が溶接される。工程T180では、接地電極30の曲げ工程が行われる。こうして、図1に示したスパークプラグ100が完成する。なお、図2の工程の順序は適宜変更することも可能である。例えば、工程T170と工程T180を逆の順序で行っても良い。
図7は、溶接ダレの突出高さHとリーク開始ギャップとの関係に関する実験結果を示すグラフである。横軸は、溶接ダレの除去工程後における主体金具50の内面50is側の突出高さHであり、縦軸はリーク開始ギャップである。ここで、「リーク開始ギャップ」とは、正規の火花放電ギャップSG(図1)で火花が発生する前に、他の部分で火花が発生する現象(横飛火及び奥飛火)が発生する確率が1%を越えたときの火花放電ギャップSGの大きさを意味している。一般に、リーク開始ギャップの値が大きいほど横飛火や奥飛火の可能性が少なく、着火性能に優れている。本実施形態では、リーク開始ギャップの目標値を1.3mmとした。この目標値は、スパークプラグ100の使用によって初期の火花放電ギャップSGが消耗によって大きくなった場合を考慮して、初期の火花放電ギャップSGから余裕を見込んだ値である。
図7の試験結果によれば、溶接ダレの除去工程後における溶接ダレの突出高さHを0.09mm以下とすれば、リーク開始ギャップの目標値(1.3mm)を満足することが可能である。但し、スパークプラグ100の製造公差や余裕を考慮すれば、除去工程後における溶接ダレの突出高さHを0.05mm以下とすることが好ましい。図4に即して述したように、機械加工を利用した溶接ダレの除去工程では、溶接ダレの突出高さHを0.05mm以下にすることは困難である。一方、レーザ光を用いて溶接ダレを除去することによって、溶接ダレの突出高さHを0.05mm以下にすることが可能となる。但し、レーザ光を用いた除去工程(図2の工程T130)の後における溶接ダレの突出高さHは、0.05mmを越えていても良い。
以上のように、本実施形態では、レーザ光を利用して溶接ダレWSrを除去しているので、従来の機械加工を用いた方法に比べて溶接ダレを小さくすることができる。特に、主体金具50の内面50isから接地電極30の内面30isにわたる領域の溶接ダレをレーザ光で除去するようにすれば、主体金具50と絶縁体10との間のクリアランスCLをより大きくすることができ、スパークプラグ100の着火性能を向上させることができる。また、主体金具50の外面50osから接地電極30の外面30osにわたる領域に形成された溶接ダレをレーザ光で除去するようにすれば、主体金具50の転造時に溶接ダレにもねじが切られてしまう可能性を低減できる。
なお、図2の製造方法では、機械加工を利用した溶接ダレの除去工程T120の後に、レーザ光を利用した除去工程T130を実行しているが、機械加工を利用した溶接ダレの除去工程T120を省略してもよい。但し、レーザ光を利用した除去工程T130の前に機械加工を利用した除去工程T120を実行するようにすれば、溶接工程T110において溶接ダレWSの大きさがばらついた場合にも、機械加工を利用した除去工程T120において溶接ダレをばらつきの少ない大きさに調整できる。溶接工程T110において、溶接条件を同じにしても、溶接ダレWSの突出高さHや溶接ダレWSの面積(溶接ダレWSの表面に垂直な方向から見たときの溶接ダレWSの面積)にはばらつきが生じてしまう。前記に記載の実施形態であれば、除去工程T120を行うことで、除去工程T120後の突出高さHのバラツキを小さくすることができる。つまり、除去工程T120前の突出高さHの大きさに関わらず、レーザの条件(出力など)を一定にすることが可能となる。この結果、その後のレーザ光を利用した除去工程T130において、正確に溶接ダレの除去を行うことが可能となる。また、機械加工を利用した除去工程T120を行うようにすれば、溶接ダレをばらつきの少ない大きさに調整できるので、接地電極の溶接工程T110において、十分に大きな溶接ダレWSが形成されるように十分な溶接を確実に実行することができる。また、大きな溶接ダレが形成されたとしても、機械加工を利用した除去工程T120とレ―ザ光を利用した除去工程T130とを実行することによって、主体金具50の内面50isから接地電極30の内面30isにわたる領域や、主体金具50の外面50osから接地電極30の外面30osにわたる領域に形成された溶接ダレをほとんどすべて除去することが可能となる。さらに、溶接ダレWSの面積(溶接ダレWSの表面に垂直な方向から見たときの溶接ダレWSの面積)のバラツキに関しても、レーザ光LBのスポットLSを溶接ダレWSrの領域に比べて小さくすることで、レーザ光LBのスポットLSを溶接ダレWSrの領域に走査させることによって、主体金具50の内面50isから接地電極30の内面30isにわたる領域の溶接ダレWSrをほぼ完全に除去することが可能となる。つまり、溶接ダレWSの面積の大きさに関わらず、レーザの条件(出力など)を一定にすることが可能となる。
・変形例
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
・変形例1:
スパークプラグとしては、図1に示したもの以外の種々の構成を有するスパークプラグを本発明に適用することが可能である。特に、端子金具や絶縁体の具体的な形状については、様々な変形が可能である。
・変形例2:
図2に示した製造工程は一例に過ぎず、種々の変形が可能である。例えば、レーザ光を利用した溶接ダレの除去工程T130は、機械加工を利用した溶接ダレの除去工程T120の後に限らず、他の工程の後に実行しても良い。例えば、めっき処理工程T150の後や、組み付け工程T160の後に、レーザ光を利用した溶接ダレの除去工程T130を実行しても良い。
・変形例3:
上記実施形態では、除去工程において、主体金具50の内面50isから接地電極30の内面30isにわたる領域に形成された溶接ダレと、主体金具50の外面50osから接地電極30の外面30osにわたる領域に形成された溶接ダレの両方を除去しているが、上述した除去工程では、主体金具50の内面50isから接地電極30の内面30isにわたる領域に形成された溶接ダレと、主体金具50の外面50osから接地電極30の外面30osにわたる領域に形成された溶接ダレの一方にのみ適用してもよい。すなわち、除去工程では、主体金具の内面から接地電極の内面にわたる領域と、主体金具の外面から接地電極の外面にわたる領域との少なくとも一方に形成された溶接ダレを除去することが好ましい。
・変形例4:
レーザ光を用いた除去工程(図2の工程T130)においてレーザ光LBが接地電極30になるべく当たらないようにするために、工程T130の前に、レーザ光LBが照射される側とは反対側に接地電極30を反らせる工程を実行してもよい。こうすれば、接地電極30の内面30isを過度に損傷することなく溶接ダレを除去することが更に容易となる。
10…絶縁体
20…中心電極
22…中心電極チップ
30…接地電極(接地電極部材)
30is…接地電極の内面
30os…接地電極の外面
32…接地電極チップ
40…端子金具
50…主体金具
50is…主体金具の内面
50os…主体金具の外面
51…主体金具先端部
52…先端面
54…ねじ部
100…スパークプラグ
200…レーザ発振装置
210…レーザ出射ユニット
220…ガス供給部
300…パンチ
310…切削刃

Claims (5)

  1. 絶縁体を収容する主体金具と、前記主体金具の先端に接合された接地電極とを備えるスパークプラグの製造方法であって、
    前記主体金具の先端に前記接地電極を溶接する溶接工程と、
    前記主体金具の内面から前記接地電極の内面にわたる領域と、前記主体金具の外面から前記接地電極の外面にわたる領域との少なくとも一方に形成された溶接ダレを除去する除去工程と、
    を備え、
    前記除去工程は、パルス発振するパルスレーザーのレーザ光を前記溶接ダレに照射することによって前記溶接ダレを除去するレーザ照射工程を含み、
    前記レーザ照射工程において、前記溶接ダレの領域よりも小さい前記レーザ光のスポットを前記溶接ダレの領域に走査させることによって前記溶接ダレを除去することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記除去工程は、更に、
    前記レーザ照射工程の前に、機械加工を用いて前記溶接ダレを除去する機械加工工程を含み、
    前記レーザ照射工程において、前記機械加工工程の後に残存している前記溶接ダレを前記レーザ光の照射により更に除去することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  3. 請求項1又2に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記レーザ照射工程において、前記レーザ光を用いて前記溶接ダレを蒸発させることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記除去工程は、前記主体金具の内面から前記接地電極の内面にわたる領域に形成された溶接ダレを除去することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  5. 請求項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記除去工程において、残存する前記溶接ダレの前記主体金具の内面からの突出高さが0.05mm以下となるように前記溶接ダレを除去することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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