JP4965492B2 - 内燃機関 - Google Patents
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Description
またその一方で、特許文献1の図3等に開示されているように、セミ沿面放電型接地電極に屈曲加工を施さないことで、前述の不具合を回避し得るスパークプラグも提案されている。
このように本発明の内燃機関では、セミ沿面放電型接地電極の寿命が低下するのを回避すると共に耐折損性及び耐剥離性を確保しつつ、火花放電ギャップの位置を燃焼室内壁面に近づけることにも対応できる。
このように本発明の内燃機関では、セミ沿面放電型接地電極の寿命が低下するのを回避すると共に耐折損性及び耐剥離性を確保しつつ、火花放電ギャップの位置を燃焼室内壁面に近づけることにも対応することができる。
径方向放電型接地電極では、火花放電が中心電極チップの外周面に対してだけでなく、中心電極チップと中心電極基材との溶融部に対しても生じることがある。溶融部の仕事関数が中心電極チップの仕事関数よりも小さいためである。溶融部への火花放電の頻度が高いと、中心電極チップよりも溶融部の方が早く消耗し、溶融部が大きく抉り取られて、中心電極チップが剥離し脱落するおそれがある。そうすると、スパークプラグが本来の寿命を全うできないだけでなく、脱落した中心電極チップにより内燃機関が損傷するおそれすらある。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施形態1に係る内燃機関200を構成するスパークプラグ100を示す。また、図2に、本実施形態1に係る内燃機関200のうち、スパークプラグ100の先端部付近を示す。また、図3に、スパークプラグ100の接地電極(セミ沿面放電型接地電極)140及び中心電極130の一部を示す。
このうちスパークプラグ100は、図1に示すように、筒状の主体金具110と、筒状の絶縁体120と、棒状の中心電極130と、所定形状に屈曲させた4つの接地電極140,140,…(紙面裏側に位置する接地電極140は不図示。)とを有する。
また、この絶縁体120の先端側の径方向内側には、中心電極130が挿入されている。一方、絶縁体120の基端側の径方向内側には、高電圧を中心電極130に導くための端子金具150が挿入されている。
各接地電極140の接地電極引込部140hのうち、金具先端面110scを延ばした第1仮想平面Z1によりこれを仮想的に切断した場合の(軸線AX方向の位置CM1で軸線AXに直交する方向に仮想的に切断した場合の)、この接地電極引込部140hの第1仮想横断面Y1の中心を第1中心K1とする。
また、この接地電極引込部140hのうち、第1仮想平面Z1(金具先端面110sc)から先端側ASに1.0mm離れた位置CM2で、第1仮想平面Z1と平行な第2仮想平面Z2により、軸線AXに直交する方向にこれを切断した場合の、この接地電極引込部140hの第2仮想横断面Y2の中心を第2中心K2とする。
また、この接地電極突出部140tのうち、第3仮想平面Z3から先端側ASに1.0mm離れた位置NM2で、第3仮想平面Z3と平行な第4仮想平面Z4により、軸線AXに直交する方向にこれを切断した場合の、この接地電極突出部140tの第4仮想横断面Y4の中心を第4中心K4とする。
このように本実施形態1の内燃機関200は、セミ沿面放電型接地電極140,140,…の寿命が低下するのを回避すると共に、その耐折損性及び耐剥離性を確保しつつ、火花放電ギャップGの位置を燃焼室内壁面231に近づけることにも対応できる。
このうちスパークプラグ100は、次の方法により製造できる。即ち、中心電極130を絶縁体120に組み付けると共に、端子金具150等も絶縁体120に組み付け、ガラスシールを行う。
その後は、このスパークプラグ100を、別途用意した内燃機関本体210に取り付ければ、内燃機関200が完成する。
次いで、第2の実施形態について説明する。本実施形態2の内燃機関400では、中心電極330の形態が上記実施形態1の中心電極130の形態と異なる。また、接地電極140,140,340を全部で3つ設けてあり、このうち互いに対向する2つの接地電極140,140は、上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140,140と同様であるが、残りの接地電極340の形態が、上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140の形態と異なる。それ以外は、上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。図4に、本実施形態2に係る内燃機関400のうち、スパークプラグ300の先端部付近を示す。
一方、残りの接地電極340は、いわゆる平行電極タイプの接地電極であり、Niを主成分とするNi合金からなり、四角柱を所定形状に屈曲させた形状を有する。具体的には、その接地電極基端部340kが主体金具110の金具先端面110scに接合される一方、接地電極先端部340sが他の接地電極140よりも更に先端側ASまで延び、中心電極突出部330sを超えて、径方向内側に向けて所定形状に屈曲されている。そして、この接地電極先端部340sのうち、基端側AKを向く基端側側面340sd(図4中、上側の側面)が、中心電極突出部330sの円状の先端面330ssと対向して火花放電を生じさせる火花放電ギャップJを形成している。
次いで、第3の実施形態について説明する。本実施形態3の内燃機関600では、中心電極530の形態が上記実施形態1の中心電極130の形態と異なる。また、接地電極140,140,540を全部で3つ設けてあり、このうち互いに対向する2つの接地電極140,140は、上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140,140と同様であるが、残りの接地電極540の形態が、上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140の形態と異なる。それ以外は、上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。図5に、本実施形態3に係る内燃機関600のうち、スパークプラグ500の先端部付近を示す。
径方向放電型接地電極540では、火花放電が中心電極チップ533の外周面533nに対してだけでなく、中心電極チップ533と中心電極基材531との間の溶融部532に対しても生じることがある。溶融部532の仕事関数が中心電極チップ533の仕事関数よりも小さいためである。
このように、本実施形態3の内燃機関600では、高い着火性を有すると共に、くすぶり汚損にも強いスパークプラグ500を実現しつつ、セミ沿面放電型接地電極140,140の寿命が低下するのを回避すると共に、その耐折損性及び耐剥離性を確保することができる。また、その他、上記実施形態1または2と同様な部分は、上記実施形態1または2と同様な作用・効果を奏する。
(試験1)
この試験1では、上記実施形態1で説明したスパークプラグ100において、各接地電極140,140,…の前記第2ズレ量C(mm)(図3参照)を、0mm〜0.5mmの範囲で様々に変更したスパークプラグを用意した。
なお、これらのスパークプラグは、内燃機関本体210に取り付けたときに、主体金具の金具先端面の軸線AX方向の位置CM1と、燃焼室内壁面の位置NM1とが一致する形態にした。即ち、前述の距離A(mm)をA=0(mm)に変更した(図2及び図3参照)。それ以外は、上記実施形態1で説明したスパークプラグ100と同じである。従って、接地電極に燃焼室内壁面よりも後退した接地電極引込部が存在しないので(接地電極全体が接地電極突出部であるので)、前記第2ズレ量C(mm)は、前記第1ズレ量B(mm)にも相当すると考えることができる。
このことから、接地電極の前記第1ズレ量B(mm)を、B≦0.2とすることにより、使用時等に接地電極に折損等の不具合が生じるのを効果的に防止できることが判る。
この試験2では、上記実施形態1で説明したスパークプラグ100において、前記距離A(mm)を、A=1.0(mm)とすると共に、各接地電極140,140,…の接地電極突出部140t,140tの前記第2ズレ量C(mm)と、各接地電極140,140,…の接地電極引込部140h,140hの前記第1ズレ量B(mm)とを様々に変更したスパークプラグを用意した。
そして、これらのスパークプラグに対して、上記試験1と同様の衝撃試験を行い、接地電極の前記第2ズレ量C(mm)と、接地電極の衝撃に対する耐久時間との関係を調査した。これらの結果を図7のグラフに示す。
例えば、上記実施形態1〜3では、セミ沿面放電型接地電極140を複数設けたものを例示したが、セミ沿面放電型接地電極140を単数とすることもできる。
また、上記実施形態1〜3では、セミ沿面放電型接地電極140として、一体的に形成したもの例示したが、例えば、基材である接地電極基材に柱状の接地電極チップを溶接して形成したものでもよい。
110 主体金具
110s 金具先端部
110sc 金具先端面
120 絶縁体
130,330,530 中心電極
130s,330s,530s 中心電極突出部
130sn,330sn,530sn 外周面
140,340,540 接地電極
140s,340s,540s 接地電極先端部
140sc,540sc 接地電極先端面
140t 接地電極突出部
140h 接地電極引込部
200,400,600 内燃機関
210 内燃機関本体
231 燃焼室内壁面
240 プラグ取付孔
240c 開口端
A 距離
B 第1ズレ量
C 第2ズレ量
G,J,L 火花放電ギャップ
AX 軸線
AS 先端側(軸線方向先端側)
AK 基端側(軸線方向基端側)
K1 第1中心
K2 第2中心
K3 第3中心
K4 第4中心
Y1 第1仮想横断面
Y2 第2仮想横断面
Y3 第3仮想横断面
Y4 第4仮想横断面
Z1 第1仮想平面
Z2 第2仮想平面
Z3 第3仮想平面
Z4 第4仮想平面
NS 燃焼室
CM1,CM2,NM1,NM2, 位置
Claims (1)
- 軸線を有し、自身の軸線方向先端に位置して軸線と直交する平面をなす金具先端面を有する筒状の主体金具と、
前記主体金具の径方向内側に挿通した筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の径方向内側に挿通してなり、前記絶縁体の軸線方向先端に位置する絶縁体先端面よりも軸線方向先端側に突出する中心電極突出部を有する中心電極と、
前記主体金具の前記金具先端面から延び、自身の延伸方向の先端面である接地電極先端面が、径方向内側を向いて、前記中心電極突出部の外周面と火花放電ギャップを隔てて離間してなり、接地電極先端面と前記外周面との間に生じる火花放電の放電形式が、前記接地電極先端面から前記絶縁体先端面までの気中放電と、前記絶縁体先端面に沿った沿面放電とからなるセミ沿面放電を生じる一又は複数のセミ沿面放電型接地電極であって、前記金具先端面に溶接した後に径方向内側に向けて屈曲させてなるセミ沿面放電型接地電極と、
を備えるスパークプラグを、燃焼室内壁面に開口するプラグ取付孔内に取り付けてなる内燃機関であって、
前記主体金具の前記金具先端面を、前記燃焼室内壁面よりも軸線方向基端側に後退させて前記プラグ取付孔内に配置し、
前記燃焼室内壁面から前記金具先端面までの軸線方向の距離A(mm)を、A≧1.0としてなり、
前記金具先端面を延ばした第1仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第1仮想断面の中心を第1中心K1とし、
前記第1仮想面から軸線方向先端側に1.0mm離れた位置で、前記第1仮想面と平行な第2仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第2仮想断面の中心を第2中心K2とし、
前記燃焼室内壁面を前記プラグ取付孔内まで延ばした第3仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第3仮想断面の中心を第3中心K3とし、
前記第3仮想面から軸線方向先端側に1.0mm離れた位置で、前記第3仮想面と平行な第4仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第4仮想断面の中心を第4中心K4としたとき、
前記第1中心K1から前記第2中心K2までの、前記軸線に直交する方向についての第1ズレ量B(mm)を、B≦0.2としてなり、
前記第3中心K3から前記第4中心K4までの径方向内側への第2ズレ量C(mm)を、C>0.2としてなる
内燃機関。
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