JP4875016B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、中心電極及び接地電極を有するスパークプラグを、燃焼室内壁面に開口するプラグ取付孔に取り付けた内燃機関に関する。
内燃機関を構成するスパークプラグのうち、中心電極の先端面に対向するように接地電極の延伸方向の先端部側面を配置した、いわゆる「平行電極型接地電極」と呼称される最も一般的な形態の接地電極を有するスパークプラグでは、接地電極(平行電極型接地電極)の軸線方向(プラグ軸方向)の長さが十分に長い。このため、その製造時に主体金具の金具先端面に溶接した棒状の接地電極を所定形状に屈曲させる際、溶接面やその近傍に掛かる曲げ応力は小さい。これは、接地電極が十分に長いため、屈曲させる際の曲げ応力が、溶接面やその近傍に伝わるまでの間に十分に緩和されるからと考えられる。
これに対し、くすぶり汚損等に効果を発揮するスパークプラグとして、いわゆる「セミ沿面放電型接地電極」と呼称される接地電極を有するスパークプラグや、「セミ沿面放電型接地電極」と他の形態の接地電極とを有するハイブリッドタイプのスパークプラグも知られている。セミ沿面放電型接地電極は、主として、中心電極との間の火花放電の一部が気中放電、他が絶縁体の絶縁体先端面に沿った沿面放電となる、いわゆる「セミ沿面放電」が生じるように、主体金具の金具先端面に接合した棒状の接地電極を屈曲させて形成している。このため、セミ沿面放電型接地電極は、平行電極型接地電極と比較すると、軸線方向長さが短くなりがちである。接地電極の軸線方向長さが短くなると、その製造時に主体金具の金具先端面に溶接した棒状の接地電極を所定形状に屈曲させる際、溶接面やその近傍に掛かる曲げ応力が大きくなる。このため、セミ沿面放電型接地電極の場合には、特に、接地電極と主体金具との溶接部分の強度が低下して、使用時等に接地電極に折損等の不具合が生じるおそれがあった。
しかしながら、一般的には、セミ沿面放電型接地電極でも、火花放電ギャップを燃焼室の中心へ向けて突き出して形成するほど着火性が優れるため、その軸線方向長さも十分に確保されていた。従って、その製造時に主体金具の金具先端面に溶接した棒状の接地電極を所定形状に屈曲させる際に前述の不具合が生じるおそれも少なかった実情がある。
またその一方で、特許文献1の図3等に開示されているように、セミ沿面放電型接地電極に屈曲加工を施さないことで、前述の不具合を回避し得るスパークプラグも提案されている。
特開2006−85997号公報
近年の内燃機関では、燃費改善と出力向上を両立させるため、筒内噴射エンジンの開発が盛んに行われており、くすぶり汚損対策として、セミ沿面タイプやハイブリッドタイプのスパークプラグの利用が増加している。こうした中、燃焼室内の燃焼噴霧領域やスワール及びタンブル流は、各内燃機関毎に非常に細かく制御されており、スパークプラグの最適発火位置についても、燃焼室の中心へ向けて突き出せば着火性が向上するという一般的な考え方から、逆に、発火位置を燃焼室内壁面に近づける方が、着火性が優れる場合も出てきた。発火位置を燃焼室内壁面に近づけると、接地電極の軸線方向長さがそれだけ短くなる。このため、特にセミ沿面放電型接地電極の場合には、軸線方向長さが短くなるため、製造時に主体金具の金具先端面に溶接した棒状の接地電極を所定形状に屈曲させる際、溶接部分の強度が低下しやすくなり、使用時等に接地電極に折損等の不具合が生じるおそれがある。
一方、特許文献1で開示された形態のセミ沿面放電型接地電極は、その製造過程で屈曲加工を必要としないものの、火花放電を発生する箇所が、電極の先端面ではなく、電極の角部(エッジ部)となることから、耐久性に問題がある。即ち、電極の角部は、電極の先端面を含む部分に比して体積が小さい。このため、火花放電により同じ体積だけ電極が消耗すると考えると、電極の角部で火花放電が生じる特許文献1のセミ沿面放電型接地電極の方が、電極の先端面で火花放電が生じるセミ沿面放電型接地電極よりも、火花放電ギャップが増大する。従って、特許文献1のセミ沿面放電型接地電極は、電極の先端面で火花放電が生じるセミ沿面放電型接地電極よりも、寿命が短い。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、セミ沿面放電型接地電極の寿命が低下するのを回避すると共に耐折損性及び耐剥離性を確保しつつ、火花放電ギャップの位置を燃焼室内壁面に近づけることにも対応した内燃機関を提供することを目的とする。
その解決手段は、軸線を有する筒状の主体金具であって、外周に雄ネジが形成されたネジ部、及び、外周に雄ネジが形成されることなく、前記ネジ部の軸線方向先端側に位置し、この主体金具の軸線方向先端をなして軸線と直交する平面状の金具先端面を含む金具先端部、を有する主体金具と、前記主体金具の径方向内側に挿通してなり、軸線方向先端側で主体金具から露出する絶縁体露出部を有する筒状の絶縁体と、前記絶縁体の径方向内側に挿通してなり、前記絶縁体露出部の軸線方向先端に位置する絶縁体先端面よりも軸線方向先端側に突出する中心電極突出部を有する中心電極と、前記主体金具の金具先端部から延び、自身の延伸方向の先端面である接地電極先端面が、径方向内側を向いて、前記中心電極突出部の外周面と火花放電ギャップを隔てて離間してなり、接地電極先端面と前記外周面との間に生じる火花放電の放電形式が、前記接地電極先端面から前記絶縁体先端面までの気中放電と、前記絶縁体先端面に沿った沿面放電とからなるセミ沿面放電を生じる一又は複数のセミ沿面放電型接地電極であって、前記金具先端部に溶接した後に径方向内側に向けて屈曲させてなるセミ沿面放電型接地電極と、を備えるスパークプラグを、燃焼室内壁面に開口するプラグ取付孔内に取り付けてなる内燃機関であって、前記主体金具の前記金具先端部は、前記金具先端面と平行なスリット底面、及び、このスリット底面から前記金具先端面まで延びる2つのスリット側面を含み、前記金具先端面で開口するスリットを有し、前記セミ沿面放電型接地電極を、前記金具先端部の前記スリット底面に溶接してなり、前記スリット底面を、前記燃焼室内壁面よりも軸線方向基端側に後退させて前記プラグ取付孔内に配置し、前記燃焼室内壁面から前記スリット底面までの軸線方向の距離D(mm)を、D≧1.0としてなり、前記スリット底面を延ばした第1仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第1仮想断面の中心を第1中心K1とし、前記第1仮想面から軸線方向先端側に1.0mm離れた位置で、前記第1仮想面と平行な第2仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第2仮想断面の中心を第2中心K2とし、前記燃焼室内壁面前記プラグ取付孔内まで延ばした第3仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第3仮想断面の中心を第3中心K3とし、前記第3仮想面から軸線方向先端側に1.0mm離れた位置で、前記第3仮想面と平行な第4仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第4仮想断面の中心を第4中心K4としたとき、前記第1中心K1から前記第2中心K2までの、前記軸線に直交する方向についての第1ズレ量B(mm)を、B≦0.2としてなり、前記第3中心K3から前記第4中心K4までの径方向内側への第2ズレ量C(mm)を、C>0.2としてなる内燃機関である。
本発明の内燃機関では、スパークプラグの接地電極として、接地電極先端面が、径方向内側を向いて、中心電極突出部の外周面と火花放電ギャップを隔てて離間した形態をなし、火花放電の放電形式が、接地電極先端面から絶縁体先端面までの気中放電と、絶縁体先端面に沿った沿面放電とからなるセミ沿面放電を生じるセミ沿面放電型接地電極を有する。このようなセミ沿面放電型接地電極は、接地電極先端面が径方向内側を向いているため、火花放電は、従来技術で示した特許文献1の接地電極のように電極角部で生じるのではなく、この接地電極先端面を起点として生じる。このため、火花放電が接地電極角部に集中して生じることがないので、接地電極の寿命が低下することを回避できる。
更に、この内燃機関では、主体金具の金具先端部に、スリット底面を燃焼室内壁面よりも軸線方向基端側のプラグ取付孔内に後退させたスリットを設け、このスリット底面にセミ沿面放電型接地電極を接合することで、セミ沿面放電型接地電極の一部(以下、この部位を接地電極引込部とも言う。)を、燃焼室内壁面よりも軸線方向基端側に配置している。そして、この接地電極引込部の上記第1ズレ量B(mm)を、B≦0.2としているので、接地電極引込部のうち少なくともスリット底面に近い部分は、直棒またはそれに近い小さな曲げ量を有する形状となる。これにより、製造時に主体金具のスリット底面に溶接したセミ沿面放電型接地電極を所定形状に屈曲させる際に、この接地電極引込部で曲げ加工時に生じ得る応力の伝達を緩和できているので、溶接面やその近傍に掛けられる曲げ応力が少なくなっている。従って、この溶接面付近の残留応力が小さく、セミ沿面放電型接地電極と主体金具との溶接部分の強度を十分に確保できているので、使用時等にセミ沿面放電型接地電極に折損等の不具合が発生することを防止できる。
その一方で、セミ沿面放電型接地電極のうち、燃焼室内壁面よりも軸線方向先端側の燃焼室内に配置される部位(以下、この部位を接地電極突出部とも言う。)では、上記第2ズレ量C(mm)を、C>0.2としている。つまり、接地電極突出部を燃焼室内壁面近傍から径方向内側に大きく屈曲させている。従って、接地電極突出部の軸線方向長さを短くして、火花放電ギャップの位置を燃焼室内壁面に近づけることができる。
このように本発明の内燃機関では、セミ沿面放電型接地電極の寿命が低下するのを回避すると共に耐折損性及び耐剥離性を確保しつつ、火花放電ギャップの位置を燃焼室内壁面に近づけることにも対応できる。
なお、「中心電極」は、上記の要件を満たすものであればよく、一体的に形成したものでもよいし、例えば、基材である中心電極基材に柱状の中心電極チップを溶接して形成したものでもよい。また、「セミ沿面放電型接地電極」は、上記の要件を満たすものであればよく、一体的に形成したものでもよいし、例えば、基材である接地電極基材に柱状の接地電極チップを溶接して形成したものでもよい。なお、「セミ沿面放電型接地電極」が複数ある場合には、少なくともいずれかのセミ沿面放電型接地電極に対して本発明を適用すればよい。少なくとも本発明の要件を満たすセミ沿面放電型接地電極については、上述の作用効果を得ることができるからである。
更に、上記の内燃機関であって、前記セミ沿面放電型接地電極は、前記スリット底面に抵抗溶接してなり、一方の前記スリット側面と前記セミ沿面放電型接地電極との間隙H1(mm)を、H1≧1.0とすると共に、他方の前記スリット側面と前記セミ沿面放電型接地電極との間隙H2(mm)を、H2≧1.0としてなる内燃機関とすると良い。
各スリット側面とセミ沿面放電型接地電極との間隙H1,H2(mm)が狭すぎると、具体的にはそれぞれ1.0mmよりも狭いと、スリット底面にセミ沿面放電型接地電極を抵抗溶接により溶接する際、溶融したセミ沿面放電型接地電極の一部が直ぐ近くに存在するスリット側面にも接触してしまうことがある。そうすると、セミ沿面放電型接地電極とスリット底面との間に十分な電流が流れなくなり、セミ沿面放電型接地電極をスリット底面に確実に溶接できないおそれがある。
これに対し本発明では、上記のように各スリット側面とセミ沿面放電型接地電極との間隙H1,H2(mm)を、H1≧1.0、H2≧1.0とそれぞれ十分に広くしている。このため、スリット底面にセミ沿面放電型接地電極を抵抗溶接する際、溶融したセミ沿面放電型接地電極の一部がスリット側面に接触することを防止できる。従って、セミ沿面放電型接地電極をスリット底面に確実に溶接できるので、セミ沿面放電型接地電極の接続信頼性を向上させることができる。
更に、上記のいずれかに記載の内燃機関であって、一方の前記スリット側面と前記セミ沿面放電型接地電極との間隙を間隙H1(mm)とし、他方の前記スリット側面と前記セミ沿面放電型接地電極との間隙を間隙H2(mm)とし、前記金具先端部の内径を内径M(mm)としたとき、前記スパークプラグを、(H1+H2)/M≦0.4を満たす形態としてなる内燃機関とすると良い。
上記のように間隙H1,H2(mm)及び内径M(mm)について、スパークプラグを、(H1+H2)/M≦0.4を満たす形態とすることにより、スリットにより構成される空間が少なくなる。このため、絶縁体露出部の周囲の空間をその分だけ小さくでき、絶縁体露出部の周囲のガスボリュームをその分だけ少なくできる。これにより、絶縁体露出部のくすぶり汚損を抑制できる。
また、他の解決手段は、軸線を有する筒状の主体金具であって、外周に雄ネジが形成されたネジ部、及び、外周に雄ネジが形成されることなく、前記ネジ部の軸線方向先端側に位置し、この主体金具の軸線方向先端をなして軸線と直交する平面状の金具先端面を含む金具先端部、を有する主体金具と、前記主体金具の径方向内側に挿通してなり、軸線方向先端側で主体金具から露出する絶縁体露出部を有する筒状の絶縁体と、前記絶縁体の径方向内側に挿通してなり、前記絶縁体露出部の軸線方向先端に位置する絶縁体先端面よりも軸線方向先端側に突出する中心電極突出部を有する中心電極と、前記主体金具の金具先端部から延び、自身の延伸方向の先端面である接地電極先端面が、径方向内側を向いて、前記中心電極突出部の外周面と火花放電ギャップを隔てて離間してなり、接地電極先端面と前記外周面との間に生じる火花放電の放電形式が、前記接地電極先端面から前記絶縁体先端面までの気中放電と、前記絶縁体先端面に沿った沿面放電とからなるセミ沿面放電を生じる一又は複数のセミ沿面放電型接地電極であって、前記金具先端部に溶接した後に径方向内側に向けて屈曲させてなるセミ沿面放電型接地電極と、を備えるスパークプラグを、燃焼室内壁面に開口するプラグ取付孔内に取り付けてなる内燃機関であって、前記主体金具の前記金具先端部は、前記金具先端面と平行なスリット底面、及び、このスリット底面から前記金具先端面まで延びる2つのスリット側面を含み、前記金具先端面で開口するスリットを有し、前記セミ沿面放電型接地電極を、前記金具先端部の前記スリット底面に溶接してなり、前記スリット底面を、前記燃焼室内壁面よりも軸線方向基端側に後退させて前記プラグ取付孔内に配置し、前記燃焼室内壁面から前記スリット底面までの軸線方向の距離D(mm)を、D≧1.0としてなり、前記セミ沿面放電型接地電極のうち、前記燃焼室内壁面よりも軸線方向基端側の前記プラグ取付孔内に位置する部位を接地電極引込部とし、前記燃焼室内壁面よりも軸線方向先端側の燃焼室内に位置する部位を接地電極突出部としたとき、前記接地電極引込部を、軸線方向先端側に向かって延びる直棒としてなり、前記接地電極突出部を、径方向内側に屈曲する形態としてなる内燃機関である。
本発明の内燃機関では、スパークプラグの接地電極として、接地電極先端面が、径方向内側を向いて、中心電極突出部の外周面と火花放電ギャップを隔てて離間した形態をなし、火花放電の放電形式が、接地電極先端面から絶縁体先端面までの気中放電と、絶縁体先端面に沿った沿面放電とからなるセミ沿面放電を生じるセミ沿面放電型接地電極を有する。このようなセミ沿面放電型接地電極は、接地電極先端面が径方向内側を向いているため、火花放電は、従来技術で示した特許文献1の接地電極のように電極角部で生じるのではなく、この接地電極先端面を起点として生じる。このため、火花放電が接地電極角部に集中して生じることがないので、接地電極の寿命が低下することを回避できる。
更に、この内燃機関では、主体金具の金具先端部に、スリット底面を燃焼室内壁面よりも軸線方向基端側のプラグ取付孔内に後退させたスリットを設け、このスリット底面にセミ沿面放電型接地電極を接合することで、セミ沿面放電型接地電極の一部(接地電極引込部)を、燃焼室内壁面よりも軸線方向基端側に配置している。そして、この接地電極引込部を、軸線方向先端側に向かって延びる直棒としている。このため、製造時に主体金具のスリット底面に溶接したセミ沿面放電型接地電極を所定形状に屈曲させる際に、この接地電極引込部で曲げ加工時に生じ得る応力の伝達を緩和できているので、溶接面やその近傍に掛けられる曲げ応力が少なくなっている。従って、この溶接面付近の残留応力が小さく、セミ沿面放電型接地電極と主体金具との溶接部分の強度を十分に確保できているので、使用時等にセミ沿面放電型接地電極に折損等の不具合が発生することを防止できる。
その一方で、セミ沿面放電型接地電極のうち、燃焼室内壁面よりも軸線方向先端側の燃焼室内に配置される部位(接地電極突出部)では、径方向内側に屈曲する形態としている。つまり、接地電極突出部を燃焼室内壁面近傍から径方向内側に大きく屈曲させている。従って、接地電極突出部の軸線方向長さを短くして、火花放電ギャップの位置を更に燃焼室内壁面に近づけることができる。
このように本発明の内燃機関では、セミ沿面放電型接地電極の寿命が低下するのを回避すると共に耐折損性及び耐剥離性を確保しつつ、火花放電ギャップの位置を燃焼室内壁面に近づけることにも対応することができる。
更に、上記のいずれかに記載の内燃機関であって、前記中心電極の前記中心電極突出部は、基材である中心電極基材の軸線方向先端に溶融部を介して柱状の中心電極チップが溶接されてなり、前記主体金具の前記金具先端面から延び、自身の延伸方向の先端面である接地電極先端面が、径方向内側を向いて、前記中心電極チップの外周面と火花放電ギャップを隔てて離間してなり、前記接地電極先端面と前記外周面との間に生じる火花放電の放電形式が、径方向の気中放電である一又は複数の径方向放電型接地電極をも備える内燃機関とするのが好ましい。
火花放電の放電形式が、沿面放電を含まない、径方向の気中放電である径方向放電型接地電極は、一般的に着火性に優れるため、前述のセミ沿面放電型接地電極に、径方向放電型接地電極を加えることで、着火性の優れた内燃機関とすることができる。
径方向放電型接地電極では、火花放電が中心電極チップの外周面に対してだけでなく、中心電極チップと中心電極基材との溶融部に対しても生じることがある。溶融部の仕事関数が中心電極チップの仕事関数よりも小さいためである。溶融部への火花放電の頻度が高いと、中心電極チップよりも溶融部の方が早く消耗し、溶融部が大きく抉り取られて、中心電極チップが剥離し脱落するおそれがある。そうすると、スパークプラグが本来の寿命を全うできないだけでなく、脱落した中心電極チップにより内燃機関が損傷するおそれすらある。
これを回避するためには、中心電極チップの軸線方向長さをある程度長くして、径方向放電型接地電極の接地電極先端面を溶融部から遠ざけることにより、溶融部への火花放電の頻度を減らすことが考えられる。しかしながら、単に中心電極チップを長くしただけでは、中心電極チップが燃焼室の中心側に突出し過ぎてしまうため、中心電極の耐熱性やエンジン設計の観点から好ましくない。
そこで、中心電極チップの軸線方向長さをある程度長くする一方で、絶縁体の軸線方向長さを短くすることが考えられる。このようにすれば、中心電極チップが燃焼室の中心側に突出し過ぎるのを防止できるので、中心電極の耐熱性やエンジン設計の問題を回避できる。しかしながら、絶縁体の軸線方向長さを短くすると、それに応じてセミ沿面放電型接地電極の軸線方向長さも短くせざるを得ない。そうすると、従来技術で述べたように、製造時に主体金具の金具先端面に溶接したセミ沿面放電型接地電極を所定形状に屈曲させる際、溶接面やその近傍に掛かる曲げ応力が大きくなり、溶接部分の強度が低下する問題が生じる。
そこで、前述の発明を採用することにより、製造時に主体金具に溶接したセミ沿面放電型接地電極を所定形状に屈曲させる際に、前述の不具合が生じることを防止できる。このように、上記構成の内燃機関では、高い着火性を有すると共に、くすぶり汚損にも強いスパークプラグを実現しつつ、セミ沿面放電型接地電極の寿命が低下するのを回避すると共に耐折損性及び耐剥離性を確保することができる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施形態1に係る内燃機関200を構成するスパークプラグ100を示す。また、図2に、スパークプラグ100の先端部付近を示す。また、図3に、内燃機関200のうち、スパークプラグ100の先端部付近を示す。また、図4に、スパークプラグ100の接地電極(セミ沿面放電型接地電極)140及び中心電極130の一部を示す。
本実施形態1の内燃機関200は、内燃機関本体210と、これに取り付けたスパークプラグ100とを備える(図3参照)。
このうちスパークプラグ100は、図1に示すように、筒状の主体金具110と、筒状の絶縁体120と、棒状の中心電極130と、所定形状に屈曲させた4つの接地電極140,140,…(紙面裏側に位置する接地電極140は不図示。)とを有する。
主体金具110は、低炭素鋼からなり、軸線AX方向に延びる筒状をなす。この主体金具110は、径大なフランジ部110fと、これより軸線方向基端側AK(以下、単に基端側AKとも言う。図1中、上方。)に位置し、スパークプラグ100を内燃機関本体210に取り付ける際に工具を係合させる横断面六角形状の工具係合部110hを有する。また、主体金具110は、更にその基端側AKに、絶縁体120を主体金具110に加締め固定するための加締部110jを有する。
また、主体金具110は、フランジ部110fの軸線方向先端側AS(以下、単に先端側ASとも言う。図1中、下方。)に、フランジ部110fより細径で、外周にスパークプラグ100を内燃機関本体210にネジ止めするための取り付け用の雄ネジを形成したネジ部110mを有する。また、主体金具110は、更に先端側ASに、主体金具110の先端に位置して軸線AXと直交する平面をなすリング状の金具先端面110scを含む金具先端部110sを有する。この金具先端部110sの内径M(mm)は、M=7.2(mm)である(図2参照)。
この金具先端部110sには、金具先端面110scまで開口する4つスリット113,113,…が、周方向に等間隔(90度毎の間隔)に形成されている(図1の他、図2及び図3も参照)。各スリット113,113,…は、金具先端面110scと平行な平面状のスリット底面113cと、このスリット底面113sに直交し、このスリット底面113sから金具先端面110scまで延びる互いに平行な2つの平面状のスリット側面113d1,113d2とを有する形態をなす。これらのスリット113,113,…は、軸線AX方向に沿う縦方向の長さ(スリット113の深さL(mm))が、L=2.0(mm)であり、深さ方向と直交する幅方向の長さ(スリット側面113d1,113d2同士の間の長さ)が5.0mmである。
絶縁体120は、アルミナ系セラミックからなり、軸線AX方向に延びる筒状をなす。この絶縁体120は、主体金具110の径方向内側に挿通してなり、先端側ASに位置する絶縁体露出部120rが、主体金具110内から外部に露出すると共に、基端側に位置する絶縁体基端部120kが、主体金具110の加締部110jから基端側に突出した状態で、主体金具110に保持されている(図1の他、図2〜図4も参照)。なお、絶縁体露出部120rのうち、先端側ASに位置する絶縁体先端部120sは、主体金具110の金具先端面110scから先端側ASに突出している。
また、この絶縁体120の先端側の径方向内側には、中心電極130が挿入されている。一方、絶縁体120の基端側の径方向内側には、高電圧を中心電極130に導くための端子金具150が挿入されている。
中心電極130は、Niを主成分とするNi合金から一体的に形成されている。この中心電極130は、絶縁体120の径方向内側に挿通してなり、先端側ASに位置する中心電極突出部130sが絶縁体120の絶縁体先端面120scから先端側ASに突出した状態で、絶縁体120に保持されている(図1の他、図3及び図4も参照)。中心電極突出部130sは、軸線AXと同軸で軸線AX方向に延びる円柱形状をなす。
本実施形態1の4つの接地電極140,140,…は、いずれも、その接地電極先端面140scと中心電極130の外周面130snとの間に生じる火花放電の放電形式が、接地電極先端面140scから絶縁体先端面120scまでの気中放電と、絶縁体先端面120scに沿った沿面放電とからなるセミ沿面放電を生じるセミ沿面放電型接地電極である。各接地電極140,140,…は、それぞれNiを主成分とするNi合金から一体的に形成されており、四角柱を径方向内側に向けて所定形状に屈曲させた形状を有する。具体的には、各々の接地電極基端部140k,140k,…は、主体金具110の金具先端部110sのうち、各スリット113,113,…のスリット底面113c,113c,…の周方向中央に、抵抗溶接により接合されている。
また、各接地電極140,140,…は、スリット底面113c,113c,…から先端側ASに延びて金具先端面110scを超える。各々の接地電極先端部140s,140s,…は、径方向内側に向けて所定形状に屈曲され、その接地電極先端面(外側電極先端面)140sc,140sc,…が軸線AX方向と平行となって径方向内側を向いている。そして、各々の接地電極先端面140sc,140sc,…が、中心電極突出部130sの外周面130snと火花放電を生じさせる火花放電ギャップGを隔てて離間している。
これら4つの接地電極140,140,…は、金具先端部110sに周方向に等間隔に設けられたスリット113,113,…に配置されているので、これらの接地電極140,140,…も、周方向に等間隔に配置されている。従って、2つの接地電極140,140が互いに対向すると共に、残り2つの接地電極140,140も互いに対向している。
図2に示すように、接地電極140と対向する側から見たとき、その接地電極140と、これが接合されたスリット113の一方のスリット側面113d1との間隙H1(mm)は、H1≧1.0である。また、この接地電極140と他方のスリット側面113d2との間隙H2(mm)も、H2≧1.0である。具体的には、H1=H2=1.2(mm)である。また、前述のように金具先端部110sの内径M(mm)は、M=7.2(mm)であるので、これらの間隙H1,H2(mm)と内径M(mm)とは、(H1+H2)/M≦0.4の関係を満たしている。
次に、内燃機関本体210について説明する(図3参照)。内燃機関本体210は、内部に燃焼室NS(図3中、下方)を形成する燃焼室内壁面231を有するシリンダヘッド230を備える。このシリンダヘッド230は、燃焼室内壁面231を貫通すると共に内燃機関200外部に繋がるプラグ取付孔240を有する。このプラグ取付孔240の燃焼室内壁面231近傍の内周面は、スパークプラグ100を取り付けるための雌ネジが形成されたネジ部241とされている。
このプラグ取付孔240には、前述のスパークプラグ100が取り付けられている。具体的には、スパークプラグ100の先端側を燃焼室NS内に向けると共に、基端側を内燃機関200外部に向けた状態で、スパークプラグ100がプラグ取付孔240に挿入されている。そして、スパークプラグ100のネジ部110mがプラグ取付孔240のネジ部241に螺合して、スパークプラグ100がプラグ取付孔240に固定されている。
このようにスパークプラグ100を内燃機関本体210に取り付けた内燃機関200では、図3に示すように、主体金具110の金具先端面110scの軸線AX方向の位置NM1と、燃焼室内壁面231(プラグ取付孔240の開口端240c)の位置NM1とが一致している。そして、各スリット底面113c,113c,…は、燃焼室内壁面231よりも基端側に後退したプラグ取付孔240内に位置している。具体的には、燃焼室内壁面231(燃焼室内壁面231の軸線AX方向の位置NM1)からスリット底面113c(スリット底面113cの軸線AX方向の位置DM1)までの軸線AX方向の距離D(mm)を、D≧1.0としている。本実施形態1では、距離D(mm)を、D=2.0(mm)としている。
なお、本実施形態1では、上記のように金具先端面110scと燃焼室内壁面231の位置NM1が一致しているので、上記の距離D(mm)は、スリット113の深さL(mm)にも相当する(D=L)。
このようにスリット底面113c,113c,…を燃焼室内壁面231よりも基端側に後退させることにより、スリット底面113c,113c,…に接合された接地電極140,140,…は、燃焼室内壁面231よりも先端側ASの燃焼室NS内に位置する接地電極突出部140t,140t,…と、燃焼室内壁面231よりも基端側AKのプラグ取付孔240内に位置する接地電極引込部140h,140h,…とを有することになる。
次に、この内燃機関200における接地電極140,140,…について更に詳細を説明する(図4参照)。
各接地電極140の接地電極引込部140hのうち、スリット底面113cを延ばした第1仮想平面Z1によりこれを仮想的に切断した場合の(軸線AX方向の位置DM1で軸線AXに直交する方向に仮想的に切断した場合の)、この接地電極引込部140hの第1仮想横断面Y1の中心を第1中心K1とする。
また、この接地電極引込部140hのうち、第1仮想平面Z1(スリット底面113c)から先端側ASに1.0mm離れた位置DM2で、第1仮想平面Z1と平行な第2仮想平面Z2により、軸線AXに直交する方向にこれを切断した場合の、この接地電極引込部140hの第2仮想横断面Y2の中心を第2中心K2とする。
そして、第1中心K1から第2中心K2までの、軸線AXに直交する方向についてのズレ量を第1ズレ量B(mm)とする。本実施形態1では、この軸線AXに直交する方向については、径方向にのみズレているので、径方向内側へのズレ量(図4中、右側へのズレ量)が第1ズレ量B(mm)に該当する。そして、この第1ズレ量B(mm)を、B≦0.2としている。具体的には、第1ズレ量B(mm)が、B=0.1(mm)となっており、接地電極引込部140hは、先端側ASに向かって延びる直棒状をなしている。
一方、各接地電極140の接地電極突出部140tのうち、燃焼室内壁面231プラグ取付孔240内まで延ばした第3仮想平面Z3によりこれを仮想的に切断した場合の(軸線AX方向の位置NM1で軸線AXに直交する方向に仮想的に切断した場合の)、この接地電極突出部140tの第3仮想横断面Y3の中心を第1中心K3とする。
また、この接地電極突出部140tのうち、第3仮想平面Z3から先端側ASに1.0mm離れた位置NM2で、第3仮想平面Z3と平行な第4仮想平面Z4により、軸線AXに直交する方向にこれを切断した場合の、この接地電極突出部140tの第4仮想断面Y4の中心を第4中心K4とする。
そして、第3中心K3から第4中心K4までの径方向内側へのズレ量(図4中、右側へのズレ量)を第2ズレ量C(mm)とする。本実施形態1では、この第2ズレ量C(mm)を、C>0.2としている。具体的には、第2ズレ量C(mm)が、C=0.4(mm)となっており、接地電極突出部140tは、燃焼室内壁面231近傍から径方向内側に大きく屈曲している。
以上で説明したように、この内燃機関200では、スパークプラグ100の接地電極として、接地電極先端面140scが、径方向内側を向いて、中心電極突出部130sの外周面130snと火花放電ギャップGを隔てて離間した形態をなし、火花放電の一部が気中放電、残りが絶縁体先端面120scに沿った沿面放電であるセミ沿面放電を生じるセミ沿面放電型接地電極140,140,…を有する。このようなセミ沿面放電型接地電極140,140,…は、接地電極先端面140sc,140sc,…が径方向内側を向いているので、火花放電は、接地電極角部で生じるのではなく、この接地電極先端面140sc,140sc,…を起点として生じる。このため、火花放電が接地電極角部に集中して生じることがないので、セミ沿面放電型接地電極140,140,…の寿命が低下することを回避できる。
更に、この内燃機関200では、主体金具110の金具先端部110sに、スリット底面113cを燃焼室内壁面231よりも基端側AKに後退させたスリット113を設け、このスリット底面113cに接地電極140を接合することで、接地電極140の一部(接地電極引込部140h)を、燃焼室内壁面231よりも基端側に配置している。
そして、接地電極引込部231hの前記第1ズレ量B(mm)が、B≦0.2となっており、接地電極引込部231hが、先端側ASに向かって延びる直棒状となっている。このため、製造時に主体金具110のスリット底面113cに溶接した棒状の接地電極140を所定形状に屈曲させる際に、溶接面149やその近傍に掛けられる曲げ応力が少なくなっている。従って、この溶接面149付近の残留応力が小さく、接地電極140と主体金具110との溶接部分の強度を十分に確保できているので、使用時等に接地電極140に折損等の不具合が発生することを防止できる。
またその一方で、接地電極140のうち、燃焼室内壁面231よりも突出して燃焼室NS内に配置される接地電極突出部140tについては、前述の径方向内側への第2ズレ量C(mm)が、C>0.2となっている。つまり、接地電極突出部140tが、燃焼室内壁面231近傍から径方向内側に大きく屈曲している。従って、接地電極突出部140tの軸線AX方向長さが短く、火花放電ギャップGの位置が燃焼室内壁面231に近づいている。
このように本実施形態1の内燃機関200は、セミ沿面放電型接地電極140,140,…の寿命が低下するのを回避すると共に、その耐折損性及び耐剥離性を確保しつつ、火花放電ギャップGの位置を燃焼室内壁面231に近づけることにも対応できる。
また、本実施形態1では、前述のように、接地電極140とスリット側面113d1,113d2との間隙H1,H2(mm)をそれぞれ1.0mm以上と十分に広くしている。このため、スリット底面113cに接地電極140を抵抗溶接する際、溶融した接地電極140の一部がスリット側面113d1,113d2に接触することを防止できるので、接地電極140をスリット底面113cに確実に溶接できる。
また、前述のように、スパークプラグ100の形態を、接地電極140とスリット側面113d1,113d2との間隙H1,H2(mm)と、金具先端部110sの内径M(mm)とが、(H1+H2)/M≦0.4を満たす形態としている。このため、スリット113により構成される空間が少なくなるので、絶縁体露出部120rの周囲の空間をその分だけ小さくでき、絶縁体露出部120rの周囲のガスボリュームをその分だけ小さくできる。これにより、絶縁体露出部120rのくすぶり汚損を抑制できる。
なお、この内燃機関200は、内燃機関本体210とスパークプラグ100を別途製造した後、内燃機関本体210のプラグ取付孔240にスパークプラグ100を取り付けることにより製造できる。
このうちスパークプラグ100は、次の方法により製造できる。即ち、中心電極130を絶縁体120に組み付けると共に、端子金具150等も絶縁体120に組み付け、ガラスシールを行う。
次に、スリット113,113,…を設けた主体金具110を用意し、各スリット113,113,…のスリット底面113c,113c,…に、棒状の接地電極140,140,…(屈曲加工がされていない状態の接地電極140,140,…)を抵抗溶接する。その際、接地電極140とスリット側面113d1,113d2との間隙H1,H2(mm)はそれぞれ1.0mm以上と十分に広いので、溶融した接地電極140の一部がスリット側面113d1,113d2に接触することを防止できる。従って、接地電極140をスリット底面113cに確実に溶接できる。
なお、この溶接はレーザ溶接でもよい。その後は、これらの接地電極140,140,…を接合した主体金具110に、中心電極130等を組み付けた絶縁体120を組み付け、加締め等を行う。
次に、主体金具110に接合された各接地電極140,140,…を径方向内側に曲げて所定形状とし、中心電極130との間に火花放電ギャップGを形成する。その際、各接地電極140,140,…は、軸線AX方向に十分な長さを有するので、溶接面149,149,…やその近傍に掛かる曲げ応力を少なくできる。従って、各接地電極140,140,…と主体金具110との溶接部分の強度を十分に確保できる。
その後、このスパークプラグ100を、別途用意した内燃機関本体210に取り付ければ、内燃機関200が完成する。
(実施形態2)
次いで、第2の実施形態について説明する。本実施形態2の内燃機関400では、中心電極330の形態が上記実施形態1の中心電極130の形態と異なる。
また、接地電極140,140,340を全部で3つ設けてあり、このうち互いに対向する2つの接地電極140,140は、上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140,140と同様であるが、残りの接地電極340の形態が、上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140の形態と異なる。また、これに伴い、主体金具110の金具先端部110sには、上記実施形態1と同様なスリット113,113が接地電極140,140に対応して2つのみ設けてある。
それ以外は、上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。図5に、本実施形態2に係る内燃機関400のうち、スパークプラグ300の先端部付近を示す。
この内燃機関400を構成するスパークプラグ300の中心電極330は、先端側AS(図5中、下方)に位置する中心電極突出部330sが絶縁体120の絶縁体先端面120scから先端側ASに突出した状態で、絶縁体120に内挿され保持されている。この中心電極330は、基材である棒状の中心電極基材331の先端に、これよりも細径で円柱状をなす中心電極チップ333を同軸にレーザ溶接して形成したものである。中心電極基材331と中心電極チップ333との間には、これらが互いに溶融して固化した溶融部332が形成されている。このうち中心電極基材331は、Niを主成分とするNi合金からなる。一方、中心電極チップ333は、Ptを70重量%以上含むPt合金からなる。
接地電極140,140,340のうち、互いに対向する2つの接地電極140,140は、前述したように上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140,140と同様であり、中心電極突出部330sの外周面330snと火花放電ギャップGを隔てて離間している。
一方、残りの接地電極340は、いわゆる平行電極タイプの接地電極であり、Niを主成分とするNi合金からなり、四角柱を所定形状に屈曲させた形状を有する。具体的には、その接地電極基端部340kが主体金具110の金具先端面110scに接合される一方、接地電極先端部340sが他の接地電極140,140よりも更に先端側ASまで延び、中心電極突出部330sを超えて、径方向内側に向けて所定形状に屈曲されている。そして、この接地電極先端部340sのうち、基端側を向く基端側側面340sd(図5中、上側の側面)が、中心電極突出部330sの円状の先端面330ssと対向して火花放電を生じさせる火花放電ギャップJを形成している。
このようなスパークプラグ300を有する内燃機関400も、上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140,140,…と同様な形態のセミ沿面放電型接地電極140,140を有する。従って、少なくともこれらのセミ沿面放電型接地電極140,140については、上記実施形態1の内燃機関200と同様に、セミ沿面放電型接地電極140,140の寿命が低下するのを回避すると共に、その耐折損性及び耐剥離性を確保しつつ、火花放電ギャップGの位置を燃焼室内壁面231に近づけることにも対応できる。また、その他、上記実施形態1と同様な部分は、上記実施形態1と同様な作用・効果を奏する。
(実施形態3)
次いで、第3の実施形態について説明する。本実施形態3の内燃機関600では、中心電極530の形態が上記実施形態1の中心電極130の形態と異なる。また、接地電極140,140,540を全部で3つ設けてあり、このうち互いに対向する2つの接地電極140,140は、上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140,140と同様であるが、残りの接地電極540の形態が、上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140の形態と異なる。それ以外は、上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。図6に、本実施形態3に係る内燃機関600のうち、スパークプラグ500の先端部付近を示す。
この内燃機関600を構成するスパークプラグ500の中心電極530は、先端側AS(図6中、下方)に位置する中心電極突出部530sが絶縁体120の絶縁体先端面120scよりも先端側ASに突出した状態で、絶縁体120に内挿され保持されている。この中心電極530は、基材である棒状の中心電極基材531の先端に、これよりも細径で円柱状をなす中心電極チップ533を同軸にレーザ溶接して形成したものである。中心電極基材531と中心電極チップ533との間には、これらが互いに溶融して固化した溶融部532が形成されている。このうち中心電極基材531は、Niを主成分とするNi合金からなる。一方、中心電極チップ533は、Ptを70重量%以上含むPt合金からなる。
接地電極140,140,540のうち、互いに対向する2つの接地電極140,140は、前述したように上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140,140と同様であり、中心電極突出部530sの外周面530snと火花放電ギャップGを隔てて離間している。
一方、残りの接地電極540は、火花放電として、沿面放電を含まずに、径方向の気中放電を生じる径方向放電型接地電極である。この接地電極540は、その接地電極基端部540kが主体金具110の金具先端面110scに接合されて金具先端面110scから延び、自身の延伸方向の先端面である接地電極先端面540scが、軸線AXと平行となって径方向内側を向いている。そして、この接地電極先端面540scが、中心電極突出部530sの外周面530sn(具体的には中心電極チップ533の外周面533n)と火花放電を生じさせる火花放電ギャップLを隔てて離間している。
この接地電極540は、基材である接地電極基材541の先端部541sの基端側側面541sd(図6中、上方の側面)に、これよりも細い四角柱をなす接地電極チップ543を溶接して形成したものである。接地電極基材541は、Niを主成分とするNi合金からなり、四角柱を径方向内側に向けて所定形状に屈曲させた形状を有する。一方、接地電極チップ543は、Ptを70重量%以上含むPt合金からなる。
このように本実施形態3では、径方向の気中放電を生じる径方向放電型接地電極540を設けているので、セミ沿面放電型接地電極140,140のみを有する場合よりも、着火性に優れる。
径方向放電型接地電極540では、火花放電が中心電極チップ533の外周面533nに対してだけでなく、中心電極チップ533と中心電極基材531との間の溶融部532に対しても生じることがある。溶融部532の仕事関数が中心電極チップ533の仕事関数よりも小さいためである。
溶融部532への火花放電の頻度が高いと、中心電極チップ533よりも溶融部532の方が早く消耗し、溶融部532が大きく抉り取られて、中心電極チップ533が剥離し脱落するおそれがある。そうすると、スパークプラグ500の本来の寿命を全うできないだけでなく、脱落した中心電極チップ533により内燃機関600が損傷するおそれすらある。
これを回避するためには、中心電極チップ533の軸線AX方向長さをある程度長くして、径方向放電型接地電極540の接地電極先端面540scを溶融部532から遠ざけることにより、溶融部532への火花放電の頻度を減らすことが考えられる。しかしながら、単に中心電極チップ533を長くしただけでは、中心電極チップ533が燃焼室NSの中心側に突出し過ぎてしまうため、中心電極530の耐熱性やエンジン設計の観点から好ましくない。
そこで、中心電極チップ533の軸線AX方向長さをある程度長くする一方で、絶縁体120の軸線AX方向長さを短くすることが考えられる。このようにすれば、中心電極チップ533が燃焼室NSの中心側に突出し過ぎるのを防止できるので、中心電極530の耐熱性やエンジン設計の問題を回避できる。しかしながら、絶縁体120の軸線AX方向長さを短くすると、それに応じてセミ沿面放電型接地電極140,140の軸線AX方向長さも短くせざるを得ない。そうすると、従来技術で述べたように、製造時に主体金具110の金具先端面110scに溶接したセミ沿面放電型接地電極140,140を所定形状に屈曲させる際、溶接面付近に掛かる曲げ応力が大きくなり、この溶接部分の強度が低下する問題が生じる。
これに対し、本実施形態3では、上記実施形態1のセミ沿面放電型接地電極140,140,…と同様な形態のセミ沿面放電型接地電極140,140を有する。従って、少なくともこれらのセミ沿面放電型接地電極140,140については、上記実施形態1と同様に、セミ沿面放電型接地電極140,140の寿命が低下するのを回避すると共に、その耐折損性及び耐剥離性を確保しつつ、火花放電ギャップGの位置を燃焼室内壁面231に近づけることにも対応できる。
このように、本実施形態3の内燃機関600では、高い着火性を有すると共に、くすぶり汚損にも強いスパークプラグ500を実現しつつ、セミ沿面放電型接地電極140,140の寿命が低下するのを回避すると共に、その耐折損性及び耐剥離性を確保することができる。また、その他、上記実施形態1または2と同様な部分は、上記実施形態1または2と同様な作用・効果を奏する。
次いで、本発明の効果を検証するために行った様々な試験の結果について説明する。
(試験1)
この試験1では、上記実施形態1で説明したスパークプラグ100において、各接地電極140,140,…の前記第2ズレ量C(mm)(図4参照)を、0mm〜0.5mmの範囲で様々に変更したスパークプラグを用意した。
なお、これらのスパークプラグは、スリット113,113,…を設けずに、接地電極を従来通りに金具先端面に溶接したものである。それ以外は、上記実施形態1で説明したスパークプラグ100と同じである。従って、接地電極に燃焼室内壁面よりも後退した接地電極引込部が存在しないので(接地電極全体が接地電極突出部であるので)、前記第2ズレ量C(mm)は、前記第1ズレ量B(mm)にも相当すると考えることができる。
これらのスパークプラグに対して、接地電極の衝撃試験を行い、接地電極の前記第1ズレ量B(mm)と、接地電極の衝撃に対する耐久時間との関係を調査した。この試験1は、JIS B8031(2006年)に準拠し、JIS型衝撃試験器を用いて行った。試験条件は、毎分400回の衝撃を与え、接地電極が破損して折れるまで最大10時間行った。これらの結果を図7のグラフに示す。
この結果によると、前記第1ズレ量Bが0.3mm以上のスパークプラグでは、衝撃試験開始から5時間以内に、溶接面付近にて接地電極に折れが発生した。一方、前記第1ズレ量Bが0.2mm以下のスパークプラグでは、衝撃試験を10時間行っても、接地電極に折れ等の破損が認められなかった。
前記第1ズレ量Bが0.3mm以上のスパークプラグでは、接地電極が溶接面に近い部分から大きく屈曲しているので、製造時に棒状の接地電極を所定形状に屈曲させる際に、溶接面付近に掛けられる曲げ応力が大きくなっている。このため、接地電極と主体金具との溶接部分の強度が低下し、その結果、上記衝撃試験で早期に接地電極に折れが生じたと考えられる。
これに対し、前記第1ズレ量Bが0.2mm以下のスパークプラグでは、接地電極のうち溶接面に近い部分が、直棒またはそれに近い小さな曲げ量を有する形状である。このため、製造時に棒状の接地電極を所定形状に屈曲させる際に、溶接面付近に掛けられる曲げ応力が小さくなっている。従って、接地電極と主体金具との溶接部分の強度を十分に確保できているため、上記衝撃試験を長時間行っても、接地電極に折れ等の破損が生じなかったと考えられる。
このことから、接地電極の前記第1ズレ量B(mm)を、B≦0.2とすることにより、使用時等に接地電極に折損等の不具合が生じるのを効果的に防止できることが判る。
(試験2)
この試験2では、上記実施形態1で説明したスパークプラグ100において、前記距離D(mm)を、D=1.0(mm)とすると共に、各接地電極140,140,…の接地電極突出部140t,140tの前記第2ズレ量C(mm)と、各接地電極140,140,…の接地電極引込部140h,140hの前記第1ズレ量B(mm)とを様々に変更したスパークプラグを用意した。
そして、これらのスパークプラグに対して、上記試験1と同様の衝撃試験を行い、接地電極の前記第2ズレ量C(mm)と、接地電極の衝撃に対する耐久時間との関係を調査した。これらの結果を図8のグラフに示す。
この結果によると、前記第1ズレ量Bが0.3mm及び0.5mmのスパークプラグでは、前記第2ズレ量Cの値に関わらず、衝撃試験開始から5時間以内に、溶接面付近にて接地電極に折れが生じた。一方、前記第1ズレ量Bが0.2mmのスパークプラグでは、前記第2ズレ量Cの値に関わらず、衝撃試験を10時間行っても、接地電極に折れ等の破損が認められなかった。
前記第1ズレ量Bが0.3mm以上のスパークプラグでは、接地電極が主体金具のスリット底面に近い部分から大きく屈曲しているので、製造時にスリット底面に溶接した棒状の接地電極を所定形状に屈曲させる際に、溶接面付近に掛けられる曲げ応力が大きくなっている。このため、接地電極と主体金具との溶接部分の強度が低下し、その結果、上記衝撃試験で接地電極に折れが生じたと考えられる。
これに対し、前記第1ズレ量Bが0.2mmのスパークプラグでは、接地電極のうちスリット底面に近い部分が、直棒に近い小さな曲げ量を有する形状である。このため、製造時にスリット底面に溶接した棒状の接地電極を所定形状に屈曲させる際に、溶接面付近に掛けられる曲げ応力が小さくなっている。従って、接地電極と主体金具との溶接部分の強度を十分に確保できているため、上記衝撃試験を長時間行っても、接地電極に折れ等の破損が生じなかったと考えられる。
このことから、接地電極の前記第1ズレ量B(mm)を、B≦0.2とすることにより、使用時等に接地電極に折損等の不具合が生じるのを効果的に防止できることが判る。また、接地電極の前記第2ズレ量C(mm)は、接地電極と主体金具との溶接部分の強度に依存しないので、前記第2ズレ量C(mm)を大きくしてもよいことが判る。つまり、接地電極突出部の範囲では、接地電極を燃焼室内壁面近傍から大きく屈曲させて、火花放電ギャップGの位置を燃焼室内壁面に近づけることが可能であることが判る。
(試験3)
この試験3では、上記実施形態1で説明したスパークプラグ100において、接地電極140とスリット側面113d1,113d2との間隙H1,H2(mm)(図3参照)を様々に変更して、接地電極の接合強度を調査した。具体的には、棒状の接地電極を主体金具のスリット底面に抵抗溶接した後、この棒状の接地電極を径方向内側に90度屈曲させる。その後、これを曲げ返して元の棒状に戻す。そして、これを3往復繰り返しても、接地電極が溶接面付近で折損しないものを、接地電極の接合強度が良好であると判断した。一方、上記曲げ試験を3往復繰り返すまでに、接地電極が溶接面付近で折損したものを、接地電極の接合強度が足りないと判断した。これらの結果を表1に示す。
Figure 0004875016
この結果によると、間隙H1,H2(mm)のうち、少なくとも一方が0.5mm以下の場合には、上記曲げ試験を3往復繰り返すまでに、接地電極が溶接面付近で折損しており(表中に×印で示す。)、接地電極の接合強度が足りない。一方、間隙H1,H2(mm)が共に1.0mm以上の場合には、上記曲げ試験を3往復繰り返しても、接地電極が溶接面付近で折損せず(表中に○印で示す。)、接地電極の接合強度が十分に高い。このことから、接地電極とスリット側面との間隙H1,H2(mm)をそれぞれ1.0mm以上と十分に広くすることにより、接地電極の接合強度を十分に確保できることが判る。
なお、このような結果は、次の理由によるものと考えられる。即ち、接地電極とスリット側面との間隙H1,H2(mm)が0.5mm以下と狭すぎると、スリット底面に接地極を抵抗溶接する際、溶融した接地電極の一部がスリット側面にも接触してしまう。そうすると、接地電極とスリット底面に十分な電流が流れなくなり、接地電極をスリット底面に確実に溶接できなかったと考えられる。
これに対し、接地電極とスリット側面との間隙H1,H2(mm)をそれぞれ1.0mm以上と十分に広くすると、スリット底面に接地電極を抵抗溶接する際、溶融した接地電極の一部がスリット側面に接触することを防止できる。従って、接地電極をスリット底面に確実に溶接できたと考えられる。
(試験4)
この試験4では、上記実施形態1で説明したスパークプラグ100において、前記距離D(スリット113の深さL)(mm)が異なると共に、前記間隙H1,H2及び前記内径Mが異なるスパークプラグを多数用意した。そして、これらのスパークプラグについて、絶縁体(絶縁体露出部)の耐汚損性を調査した。具体的には、(H1+H2)/Mの値と絶縁体の絶縁抵抗値との関係を調べて、絶縁体の耐汚損性を評価した。
この試験4では、排気量1800ccの4気筒直噴式ガソリンエンジンに各スパークプラグを組み付け、室温−10℃の試験室においてJIS規格D1606で規定されているプレデリバリ汚損試験を行った。具体的には、エンジンを始動させ、空ぶかしを数回行った後に3速35km/hで40秒駆動し、アイドリングを90秒行ってから再度3速35km/hで40秒駆動してエンジンを停止する。そして、冷却水の温度が室温となるまで完全冷却を行い、再度エンジンを始動させて空ぶかしし、1速15km/hで15秒駆動とエンジン停止30秒を2回、再び1速15km/hで再度15秒駆動してエンジンを停止する。この一連のテストパターンを1サイクルとして、10サイクル繰り返し試験を行った。そして、絶縁体の絶縁抵抗値を測定した。これらの結果を図9のグラフに示す。
この結果によると、前記距離D(スリットの深さL)の値に関わらず、(H1+H2)/Mの値が少なくとも0.4以下では、絶縁体(絶縁体露出部)のくすぶり汚損が少なく、絶縁体の絶縁抵抗値にも変化が見られなかった。一方、前記距離D(スリットの深さL)の値に関わらず、(H1+H2)/Mの値が0.4を超えたあたりから、この値が大きいほど絶縁体(絶縁体露出部)のくすぶり汚損が多くなり、それだけ絶縁体の絶縁抵抗値が低くなった。このことから、前記間隙H1,H2及び前記内径Mが、(H1+H2)/M≦0.4を満たす形態とすることにより、絶縁体露出部のくすぶり汚損を抑制できることが判る。
なお、絶縁体露出部のくすぶり汚損が抑制できるのは、次のような理由によるものと考えられる。即ち、(H1+H2)/Mの値が小さくなると、スリットにより構成される空間が少なくなるので、絶縁体露出部の周囲の空間をその分だけ小さくできる。従って、絶縁体露出部の周囲のガスボリュームをその分だけ小さくできる。これにより、汚染物質が絶縁体露出部に付着するのを抑制でき、絶縁体露出部のくすぶり汚損を抑制できると考えられる。
(試験5)
この試験5では、上記実施形態1で説明したスパークプラグ100において、スリット113及び接地電極140の個数(n=1〜4)が異なると共に、前記間隙H1,H2及び前記内径Mが異なるスパークプラグを多数用意した。そして、これらのスパークプラグについて、絶縁体(絶縁体露出部)の耐汚損性を調査した。具体的には、上記試験4と同様にして、(H1+H2)/Mの値と絶縁体の絶縁抵抗値との関係を調べ、絶縁体の耐汚損性を評価した。これらの結果を図10のグラフに示す。
この結果によると、スリット及び接地電極の個数nに関わらず、(H1+H2)/Mの値が少なくとも0.4以下では、絶縁体(絶縁体露出部)のくすぶり汚損が少なく、絶縁体の絶縁抵抗値にも変化が見られなかった。
一方、(H1+H2)/Mの値が0.4を超えたあたりから、この値が大きいほど絶縁体(絶縁体露出部)のくすぶり汚損が多くなり、それだけ絶縁体の絶縁抵抗値が低くなった。特に、スリット及び接地電極の個数nが多くなると、絶縁体のくすぶり汚損が多くなり、絶縁体の絶縁抵抗値が低くなる傾向にあるが、スリット及び接地電極の個数がn=3個以上では、絶縁体のくすぶり汚損に差はなく、絶縁体の絶縁抵抗値もそれ以上低下することはなかった。
このことから、スリット及び接地電極の個数nに関わらず、前記間隙H1,H2及び前記内径Mが、(H1+H2)/M≦0.4を満たす形態とすることにより、絶縁体露出部のくすぶり汚損を抑制できることが判る。
以上において、本発明を実施形態1〜3に即して説明したが、本発明は上述の実施形態1〜3に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態1〜3では、セミ沿面放電型接地電極140を複数設けたものを例示したが、セミ沿面放電型接地電極140を単数とすることもできる。
また、上記実施形態1〜3では、セミ沿面放電型接地電極140として、一体的に形成したもの例示したが、例えば、基材である接地電極基材に柱状の接地電極チップを溶接して形成したものでもよい。
また、上記実施形態1〜3では、主体金具110の金具先端面110scと燃焼室内壁面231の位置NM1を一致させたものを例示したが、金具先端面110scを燃焼室内壁面231よりも基端側AKに後退させたり、あるいは逆に、金具先端面110scを燃焼室内壁面231よりも先端側ASに突出させた形態とすることもできる。
実施形態1に係る内燃機関を構成するスパークプラグの側面図である。 実施形態1に係る内燃機関を構成するスパークプラグの先端付近の部分拡大側面図である。 実施形態1に係る内燃機関のうち、スパークプラグの先端部付近を示す説明図である。 実施形態1に係る内燃機関を構成するスパークプラグの接地電極及び中心電極の一部を示す説明図である。 実施形態2に係る内燃機関のうち、スパークプラグの先端部付近を示す説明図である。 実施形態3に係る内燃機関のうち、スパークプラグの先端部付近を示す説明図である。 接地電極の第2ズレ量C(第1ズレ量B)と、接地電極の衝撃に対する耐久時間との関係を示したグラフである。 接地電極の第1ズレ量Bが異なるスパークプラグについて、接地電極の第2ズレ量Cと、接地電極の衝撃に対する耐久時間との関係を示したグラフである。 距離D(スリットの深さL)が異なると共に、間隙H1,H2及び内径Mが異なるスパークプラグについて、(H1+H2)/Mの値と絶縁体の絶縁抵抗値との関係を示したグラフである。 スリット及び接地電極の個数が異なると共に、間隙H1,H2及び内径Mが異なるスパークプラグについて、(H1+H2)/Mの値と、絶縁体の絶縁抵抗値との関係を示したグラフである。
100,300,500 スパークプラグ
110 主体金具
110s 金具先端部
110sc 金具先端面
113 スリット
113c スリット底面
113d1,113d2 スリット側面
120 絶縁体
120r 絶縁体露出部
130,330,530 中心電極
130s,330s,530s 中心電極突出部
130sn,330sn,530sn 外周面
140,340,540 接地電極
140s,340s,540s 接地電極先端部
140sc,540sc 接地電極先端面
140t 接地電極突出部
140h 接地電極引込部
200,400,600 内燃機関
210 内燃機関本体
231 燃焼室内壁面
240 プラグ取付孔
B 第1ズレ量
C 第2ズレ量
D 距離
G,J 火花放電ギャップ
L 深さ
M 内径
AX 軸線
AS 先端側(軸線方向先端側)
AK 基端側(軸線方向基端側)
K1 第1中心
K2 第2中心
K3 第3中心
K4 第4中心
Y1 第1仮想横断面
Y2 第2仮想横断面
Y3 第3仮想横断面
Y4 第4仮想横断面
Z1 第1仮想平面
Z2 第2仮想平面
Z3 第3仮想平面
Z4 第4仮想平面
NS 燃焼室
DM1,DM2,NM1,NM2 位置
H1,H2 間隙

Claims (4)

  1. 軸線を有する筒状の主体金具であって、
    外周に雄ネジが形成されたネジ部、及び、
    外周に雄ネジが形成されることなく、前記ネジ部の軸線方向先端側に位置し、この主体金具の軸線方向先端をなして軸線と直交する平面状の金具先端面を含む金具先端部、
    を有する主体金具と、
    前記主体金具の径方向内側に挿通してなり、軸線方向先端側で主体金具から露出する絶縁体露出部を有する筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の径方向内側に挿通してなり、前記絶縁体露出部の軸線方向先端に位置する絶縁体先端面よりも軸線方向先端側に突出する中心電極突出部を有する中心電極と、
    前記主体金具の金具先端部から延び、自身の延伸方向の先端面である接地電極先端面が、径方向内側を向いて、前記中心電極突出部の外周面と火花放電ギャップを隔てて離間してなり、接地電極先端面と前記外周面との間に生じる火花放電の放電形式が、前記接地電極先端面から前記絶縁体先端面までの気中放電と、前記絶縁体先端面に沿った沿面放電とからなるセミ沿面放電を生じる一又は複数のセミ沿面放電型接地電極であって、前記金具先端部に溶接した後に径方向内側に向けて屈曲させてなるセミ沿面放電型接地電極と、
    を備えるスパークプラグを、燃焼室内壁面に開口するプラグ取付孔内に取り付けてなる内燃機関であって、
    前記主体金具の前記金具先端部は、前記金具先端面と平行なスリット底面、及び、このスリット底面から前記金具先端面まで延びる2つのスリット側面を含み、前記金具先端面で開口するスリットを有し、
    前記セミ沿面放電型接地電極を、前記金具先端部の前記スリット底面に溶接してなり、 前記スリット底面を、前記燃焼室内壁面よりも軸線方向基端側に後退させて前記プラグ取付孔内に配置し、
    前記燃焼室内壁面から前記スリット底面までの軸線方向の距離D(mm)を、D≧1.0としてなり、
    前記スリット底面を延ばした第1仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第1仮想断面の中心を第1中心K1とし、
    前記第1仮想面から軸線方向先端側に1.0mm離れた位置で、前記第1仮想面と平行な第2仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第2仮想断面の中心を第2中心K2とし、
    前記燃焼室内壁面前記プラグ取付孔内まで延ばした第3仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第3仮想断面の中心を第3中心K3とし、
    前記第3仮想面から軸線方向先端側に1.0mm離れた位置で、前記第3仮想面と平行な第4仮想面により前記セミ沿面放電型接地電極を仮想的に切断した場合の、このセミ沿面放電型接地電極の第4仮想断面の中心を第4中心K4としたとき、
    前記第1中心K1から前記第2中心K2までの、前記軸線に直交する方向についての第1ズレ量B(mm)を、B≦0.2としてなり、
    前記第3中心K3から前記第4中心K4までの径方向内側への第2ズレ量C(mm)を、C>0.2としてなる
    内燃機関。
  2. 請求項1に記載の内燃機関であって、
    前記セミ沿面放電型接地電極は、前記スリット底面に抵抗溶接してなり、
    一方の前記スリット側面と前記セミ沿面放電型接地電極との間隙H1(mm)を、H1≧1.0とすると共に、
    他方の前記スリット側面と前記セミ沿面放電型接地電極との間隙H2(mm)を、H2≧1.0としてなる
    内燃機関。
  3. 請求項1または請求項2に記載の内燃機関であって、
    一方の前記スリット側面と前記セミ沿面放電型接地電極との間隙を間隙H1(mm)とし、
    他方の前記スリット側面と前記セミ沿面放電型接地電極との間隙を間隙H2(mm)とし、
    前記金具先端部の内径を内径M(mm)としたとき、
    前記スパークプラグを、(H1+H2)/M≦0.4を満たす形態としてなる
    内燃機関。
  4. 軸線を有する筒状の主体金具であって、
    外周に雄ネジが形成されたネジ部、及び、
    外周に雄ネジが形成されることなく、前記ネジ部の軸線方向先端側に位置し、この主体金具の軸線方向先端をなして軸線と直交する平面状の金具先端面を含む金具先端部、
    を有する主体金具と、
    前記主体金具の径方向内側に挿通してなり、軸線方向先端側で主体金具から露出する絶縁体露出部を有する筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の径方向内側に挿通してなり、前記絶縁体露出部の軸線方向先端に位置する絶縁体先端面よりも軸線方向先端側に突出する中心電極突出部を有する中心電極と、
    前記主体金具の金具先端部から延び、自身の延伸方向の先端面である接地電極先端面が、径方向内側を向いて、前記中心電極突出部の外周面と火花放電ギャップを隔てて離間してなり、接地電極先端面と前記外周面との間に生じる火花放電の放電形式が、前記接地電極先端面から前記絶縁体先端面までの気中放電と、前記絶縁体先端面に沿った沿面放電とからなるセミ沿面放電を生じる一又は複数のセミ沿面放電型接地電極であって、前記金具先端部に溶接した後に径方向内側に向けて屈曲させてなるセミ沿面放電型接地電極と、
    を備えるスパークプラグを、燃焼室内壁面に開口するプラグ取付孔内に取り付けてなる内燃機関であって、
    前記主体金具の前記金具先端部は、前記金具先端面と平行なスリット底面、及び、このスリット底面から前記金具先端面まで延びる2つのスリット側面を含み、前記金具先端面で開口するスリットを有し、
    前記セミ沿面放電型接地電極を、前記金具先端部の前記スリット底面に溶接してなり、
    前記スリット底面を、前記燃焼室内壁面よりも軸線方向基端側に後退させて前記プラグ取付孔内に配置し、
    前記燃焼室内壁面から前記スリット底面までの軸線方向の距離D(mm)を、D≧1.0としてなり、
    前記セミ沿面放電型接地電極のうち、前記燃焼室内壁面よりも軸線方向基端側の前記プラグ取付孔内に位置する部位を接地電極引込部とし、前記燃焼室内壁面よりも軸線方向先端側の燃焼室内に位置する部位を接地電極突出部としたとき、
    前記接地電極引込部を、軸線方向先端側に向かって延びる直棒としてなり、
    前記接地電極突出部を、径方向内側に屈曲する形態としてなる
    内燃機関。
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