JP6318704B2 - サブマージアーク溶接用溶融型フラックス - Google Patents

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Description

本発明は、石油、天然ガス等を輸送する高強度と低温における靭性が要求されるパイプライン用UO鋼管の造管溶接に用いるサブマージアーク溶接用溶融型フラックス、特に、高強度鋼を高速度の溶接条件で溶接する場合においても、溶接作業性が良好で、溶接欠陥が無く健全で優れた機械性能の溶接金属が得られるサブマージアーク溶接用溶融型フラックスに関するものである。
石油、天然ガス等を輸送するパイプライン用鋼管として、鋼管の長手方向を溶接により接合した溶接鋼管が用いられている。この中で、UO鋼管は、Cプレス、Uプレス及びOプレスを用いて鋼板を円筒状に成型した後、板の突き合わせ部を溶接により接合して製造されるものである。
この接合に使用する溶接方法には、品質と生産性を考慮して、サブマージアーク溶接が用いられることが多い。サブマージアーク溶接とは、フラックスと溶接ワイヤを用いてフラックス中でアークを発生させて溶接する方法である。UO鋼管でのサブマージアーク溶接部は、通常鋼管の内面から1層、鋼管の外面から1層の両面1層溶接が一般的である。
溶接をしようとする部位に、フラックスと溶接ワイヤの組み合わせで溶接金属を盛り溶接部を形成するが、溶接金属には、母材に見合った強度と靭性が要求される。
溶接金属の品質(強度と靱性)の制御には、フラックスの組成や溶接ワイヤの成分が重要であり、従来から、種々の技術開発が行われてきた。
例えば、特許文献1には、フラックス物性値、即ち、粘度と融点(結晶化濃度)を指標として導入することで、高速性と作業性を改善するフラックスが開示されている。しかし、特許文献1に記載のフラックスにはSiO2が多量に添加されているので、溶接金属の酸素量が増加して、靭性が劣化する。
特許文献2には、フラックスの組成と溶融スラグの粘性を適正化することで、溶接金属酸素量低減と耐溶接欠陥性を両立可能な溶融型フラックスが開示されている。しかし、特許文献2に記載のフラックスにはAl23が多量に添加されているので、フラックスの溶融点が高くなり、図1に示すように、溶接ビード頂部に、溶接時にスラグが浮上できずに生成したスラグ巻込みが発生し易くなる。
特許文献3には、スラグ巻込みを防止するためにSiO2量を減らすことなく、かつ、酸素濃度を低く押さえるために塩基度を高めたフラックスが開示されている。しかし、特許文献3に記載のフラックスは、Al23が少量しか添加されておらず、高速溶接時に良好なスラグ剥離性及びビード外観を得ることができない。
特許文献4には、高強度鋼板における溶接金属の良好な低温靭性と良好なビード形状を得るために溶接金属の酸素量を最適化し、フラックスの成分範囲及び配分を細かく規定したフラックスが開示されている。しかし、特許文献4に記載のフラックスは、MnOが添加されていないため、高速溶接時に良好なビード外観を得ることができない。
特許文献5には、高速サブマージアーク溶接において良好なスラグ剥離性及び美しいビード外観を得るため、フラックス組成中のMnO2及びFeOを限定し、溶接作業性の改善を図った技術が開示されている。しかし、特許文献5に記載のフラックスは、MnO及びSiO2が多量に添加されているので、溶接金属の酸素量が増加して靭性が劣化する。
特許文献6には、引張強さ75キロ以上のUOE鋼管の製造等におけるサブマージアーク溶接において、フラックス中のSiO2を従来以上に低減することで、酸素量250ppm以下となる溶接金属を安定して製造可能なフラックスが開示されている。しかし、特許文献6に記載のフラックスは、SiO2が少ないのでビード趾端部のなじみが悪く、スラグ剥離性が劣化し、特に、高速溶接においては、アンダーカットが生じるという問題がある。
特開平04−238694号公報 特開2009−136898号公報 特開平07−256488号公報 特開2007−090399号公報 特開2008−093696号公報 特開2006−326642号公報
近年、輸送効率の向上やコスト低減の目的で、従来のUO鋼管の強度を上回る高強度UO鋼管の要望が高まりつつある。
当然、これらのUO鋼管を溶接してなる溶接金属にも、母材に見合った強度と低温靭性が要求される。しかし、本発明者らの検討結果によれば、高強度のパイプライン用UO鋼管を高速度の溶接条件でサブマージアーク溶接した場合、図1に示すような、溶接ビード頂部に溶接時にスラグが浮上できなかったスラグが巻込まれる現象(以下、スラグ巻込みという。)やブローホール、アンダーカット等の溶接欠陥が生じる場合がある。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みなされたもので、高強度鋼板を高速度の溶接条件でサブマージアーク溶接する場合においても、アークの安定性、スラグ剥離性、ビード外観・形状等の溶接作業性が良好で、溶接欠陥が無く健全で優れた機械性能の溶接金属が得られるサブマージアーク溶接用溶融型フラックスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、従来の高速サブマージアーク溶接用溶融型フラックスをベースに、成分組成の改良及び粒度構成について鋭意検討した。その結果、フラックス組成中のMnO、TiO2、及び、BaOの添加が極めて重要な影響を及ぼすことを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は、次のとおりである。
(1)質量%で、
CaO:5〜25%、
MgO:1〜5%、
Al23:15〜29%、
CaF2:30〜50%、
SiO2:15〜25%、
MnO:0.5〜15%、
TiO2:0.2〜5%、
BaO:1〜5%、
23:0.1〜1.5%
を含有し、残部は酸化鉄及び不可避不純物からなる
ことを特徴とするサブマージアーク溶接用溶融型フラックス。
(2)質量%で、更に、
Na2O、K2O、及び、Li2Oの1種又は2種以上の合計:0.2〜1.5%を含有する
ことを特徴とする前記(1)に記載のサブマージアーク溶接用溶融型フラックス。
(3)前記フラックスの粒度構成が、質量%で、
粒径500μm超の粗粒:6%以下、
粒径150μm超〜500μm以下:46〜80%、
粒径150μm以下:16〜50%である
ことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のサブマージアーク溶接用溶融型フラックス。
本発明のサブマージアーク溶接用溶融型フラックスによれば、高速度の溶接条件で溶接する場合においても、アークの安定性、スラグ剥離性、及び、ビード外観・形状等の溶接作業性が良好で、溶接欠陥が無く健全で優れた機械性能の溶接金属が得られる。
溶接ビード頂部に発生するスラグ巻込みを模式的に示す図である。 本発明の実施例で使用した開先形状を示す図である。
本発明者らは、前述したように、本発明の目的を達成するため、従来の高速サブマージアーク溶接用溶融型フラックスをベースに成分組成の改良及び粒度構成について鋭意検討した。その結果、フラックス組成中のMnO、TiO2、及び、BaOの添加が極めて重要な影響を及ぼすことを見出した。
高速度のサブマージアーク溶接においては溶接欠陥が発生し易いため、まず、従来の高速サブマージアーク溶接用溶融型フラックスをベースに、成分組成の検討を行った。良好なスラグ剥離性及びビード外観は、Al23の適量添加により、ビード形状の確保は、SiO2及びCaOの適量添加により、また、溶接金属の靭性確保は、CaF2の増量添加とMgO及びB23の適量添加により改善することができた。
しかし、従来のフラックスの成分組成をコントロールするだけでは限界があるため、他成分の複合使用を検討した。その結果、MnO、TiO2、及び、BaOの少量添加によって、スラグの粘性、流動性、及び、融点を適正化し、溶接欠陥のない優れた機械性能の溶接金属が得られた。
以下に、本発明のサブマージアーク溶接用溶融型フラックス(以下「本発明フラックス」ということがある。)の詳細について説明する。
なお、以下においては、溶融型フラックスの成分組成を溶融型フラックスの全質量に対する割合である質量%で表すものとし、その質量%は単に%と記載する。
[CaO:5〜25%]
CaOは、スラグの融点及び流動性を調整するために重要な成分である。CaOが5%未満では、ビード趾端部のなじみが悪くビード外観が不良となり、特に,高速度のサブマージアーク溶接ではアンダーカットも生じる。一方、CaOが25%を超えると、スラグ流動性が不良となり、ビード高さが不均一でスラグ剥離性も不良になる。したがって、CaOは5〜25%とする。好ましくは10〜20%である。
[MgO:1〜5%]
MgOは、スラグの耐火性及び塩基度を向上させる効果がある。MgOが1%未満では、フラックスの塩基度が低くなり、溶接金属中の酸素量が増加して靭性が劣化する。一方、MgOが5%を超えると、フラックスの溶融点が高くなりスラグ巻込みが発生する。更に、ビードの波目が粗く、スラグ剥離性及びビード外観が不良となる。したがって、MgOは1〜5%とする。好ましくは2〜4%である。
[Al23:15〜29%]
Al23は、良好なスラグ剥離性及びビード外観を得るための重要な成分である。Al23が15%未満では、スラグ剥離性及びビード外観が不良となる。一方、Al23が29%を超えると、フラックスの溶融点が高くなりスラグ巻込みが発生する。また、凸ビードとなりスラグ剥離性も不良となる。したがって、Al23は15〜29%とする。好ましくは18〜25%である。
[CaF2:30〜50%]
CaF2は、溶接金属の酸素量を低くして靭性改善に効果があるが、融点が低いため過多になるとビードの平滑性が損なわれる。CaF2が30%未満では、溶接金属の酸素量が増加して靭性改善の効果が得られない。一方、CaF2が50%を超えると、アークが不安定となりビード外観が不良となる。したがって、CaF2は30〜50%とする。好ましくは34〜45%である。
[SiO2:15〜25%]
SiO2は、良好な溶接ビードを形成するための重要な成分である。SiO2が15%未満では、ビード趾端部のなじみが悪くなりビード形状が不良となってスラグ剥離性が劣化する。更に高速度の溶接においてアンダーカットも生じる。一方、SiO2が25%を超えると、溶接金属の酸素量が増加して靭性が劣化する。したがって、SiO2は15〜25%とする。好ましくは17〜22%である。
[MnO:0.5〜15%]
MnOは、スラグの粘性、流動性及び融点の調整をするのに有効な成分であり、特に高速度のサブマージアーク溶接において、極めて重要な成分である。MnOが0.5%未満では、ビード外観が不良でスラグ巻き込みも生じる。一方、MnOが15%を超えると、溶接金属中の酸素量が増加して靱性が劣化する。したがってMnOは、0.5〜15%とする。好ましくは1.0〜12%である。
[TiO2:0.2〜5%]
TiO2は、アーク安定性及びビード表面の平滑性を得るために重要な成分であるTiO2が0.2%未満では、アークが不安定で、ビード形状も不良となる。一方、TiO2が5%を超えると、スラグ剥離性が劣化する。したがって、TiO2は0.2〜5%とする。好ましくは0.8〜3%である。
[BaO:1〜5%]
BaOは、アーク安定性及びスラグの融点を調整するのに有効な成分である。また、高速度のサブマージアーク溶接においてビード表面の平滑性を得るために重要な成分である。BaOが1%未満では、アークが不安定でビード形状が不良となる。また、スラグ巻き込みも生じるようになる。一方、BaOが5%を超えると、ビード外観が不良となる。したがって、BaOは1〜5%とする。好ましくは2〜4.3%である。
[B23:0.1〜1.5%]
23は、溶接金属の靱性向上に有効な成分である。B23が0.1%未満では、溶接金属の靭性が劣化する。一方、B23が1.5%を超えると、溶接金属が硬化し靱性が劣化する。したがって、B23は0.1〜1.5%以上とする。好ましくは0.7〜1.3%である。
[Na2O、K2O、及び、Li2Oの1種又は2種以上の合計:0.2〜1.5%]
Na2O、K2O、及び、Li2Oは、高速度の溶接においてアークを安定にする。Na2O、K2O、及び、Li2Oの1種又は2種以上の合計が0.2%未満であると、アークが不安定になる。一方、Na2O、K2O、及び、Li2Oの1種又は2種以上の合計が1.5%を超えると、ビードの光沢が失われてビード外観が劣化し、更に、溶接ヒュームの発生量が著しく増加する。したがって、Na2O、K2O、及び、Li2Oの1種又は2種以上の合計は0.2〜1.5%とする。好ましくは0.6〜1.3%である。
その他は、酸化鉄(FeO等)P及びS等の不純物であり、P及びSは共に低融点の化合物を生成して靭性を低下させるので、できるだけ低いことが好ましい。
次に、本発明フラックスの粒度構成について説明する。このフラックスの粒径についても%は質量%を意味する。
[粒径500μm超の粗粒:6%以下]
高速溶接において、フラックスの粒径500μm超の粗粒はビード形状を不良にする粒子である。粒径500μm超の粗粒が6%を超えると、フラックスが溶融し難くなり、アークが不安定でビード幅が不均一になり易くアンダーカットなどの溶接欠陥が発生する。したがって、粒径500μm超の粗粒は6%以下とする。好ましくは4%以下である。
[粒径150μm超〜500μm以下:46〜80%]
フラックスの粒径150μm超〜500μm未満は安定したビード形状を形成するための重要な粒子である。粒径150μm超〜500μm未満が46%未満では、ビード形状が凸形状でガス抜けが悪くなりピット及びブローホールなどの溶接欠陥も発生する。一方、粒径150μm超〜500μm以下が80%を超えると、ビード表面にポックマークが生じやすくなる。また、ビード幅が広がりすぎて溶込みが浅くなり融合不良が発生しやすくなる。したがって、粒径150μm超〜500μm以下の粒子は46〜80%とする。好ましくは56〜70%である。
[粒径150μm以下:16〜50%]
フラックスの粒径150μm以下も安定したビード形状を形成するための重要な粒子である。粒径150μm以下が16%未満では、アークが不安定になる。一方、粒径150μm以下が50%を超えると、スラグがこびり付き易くスラグ剥離性が不良でビード幅が狭くなり、更に、ガス抜けも不良でピット・ブローホールなどの溶接欠陥が発生する。したがって、粒径150μm以下は16〜50%とする。好ましくは20〜40%である。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
表1に示す各種成分組成の溶融型フラックスを試作し、表2に示す3電極のサブマージアーク溶接条件で、表3に示すJIS Z3351 YS−M5に該当するソリッドワイヤを組み合わせ、表4示す成分組成の板厚20mm、長さ1500mmの母材に、図2に示す断面形状のV開先に溝加工して溶接を行った。
Figure 0006318704
Figure 0006318704
Figure 0006318704
Figure 0006318704
なお、表1に示す溶融型フラックスは、各種鉱物原材料を溶融し、冷却後粉末状に粉砕した後、各種粒度構成に整粒したものである。また、フラックス成分組成中のその他は、原料から不可避で混入する酸化鉄、P、S等の不純物である。
溶接作業性の評価は、アーク安定性、スラグ剥離性、ビード外観・形状、アンダーカットの有無を調査して行った。
溶接金属の内部欠陥の調査は、20mmの全厚で溶接線全長にわたりX線透過試験を行って調査した。その後、板厚を溶接面と反対の裏面から7mm減厚した後、再度X線透過試験を行い、スラグ巻込みの発生数を調査した。
溶接金属の靭性及び引張強度は、溶接金属の2mmVノッチシャルピー衝撃試験片(JIS Z2202 4号)及び丸棒型引張試験片(JIS Z3111に準じたA2号)を試験板表面から7mm下の溶接金属を中心として採取して評価した。
衝撃試験は、−30℃の試験温度で3回繰り返した衝撃試験の吸収エネルギーの平均値が100J以上を良好とした。また、引張試験は引張強さ600MPa以上を良好とした。それらの結果を、表5にまとめて示す。
Figure 0006318704
表1及び表5中のフラックス記号MF1〜MF11が発明例であり、フラックス記号MF12〜23は比較例である。
発明例であるフラックス記号MF1〜MF3、MF7、MF10、及び、MF11は、フラックスの成分組成及び粒度構成が適正であるので、溶接作業性が良好で、溶接部に欠陥も無く、溶接金属の引張強さ及び吸収エネルギーも良好であり、極めて満足な結果を達成している。
また、フラックス記号MF2、MF3、MF5、及び、MF8〜MF10は、Na2O、K2O、及び、Li2Oの1種又は2種以上を適量含んでいるので、アークが非常に安定していた。
なお、フラックス記号MF4は、フラックス粒径500mμ超の粗粒が多いので、アークがやや不安定であった。フラックス記号MF5は、フラックス粒径150μm超〜500以下が少ないので、ビードが少し凸状となり、ビード形状がやや不良であった。
フラックス記号MF6は、フラックス粒径150μm以下が少ないので、アークがやや不安定であった。
フラックス記号MF8は、フラックス粒径150μm以下が多いので、ポックマークが少し発生してビード外観がやや不良であった。フラックス記号MF10は、フラックス粒径150超〜500μm以下が多いので、ポックマークが少し発生したためビード外観がやや不良であった。
比較例中フラックス記号MF12は、CaOが少ないので、ビード外観が不良でアンダーカットも生じた。また、Li2Oが少ないので、アークがやや不安定であった。
フラックス記号MF13は、CaOが多いので、ビード形状及びスラグ剥離性が不良であった。また、CaF2が少ないので、溶接金属の酸素量が多く吸収エネルギーが低値であった。
フラックス記号MF14は、MgOが多いので、ビードの波目が粗くビード外観、スラグ剥離性が不良で、スラグ巻込みも生じた。また、フラックス粒径500mμ超の粗粒が多いので、アークが不安定でアンダーカットも生じた。
フラックス記号MF15は、Al23が少ないので、ビード外観及びスラグ剥離性が不良であった。また、フラックス粒径150μm以下が少ないので、アークが不安定であった。
フラックス記号MF16は、Al23が多いので、ビード形状が不良でスラグ巻込みも生じた。また、MnOが多いので、溶接金属の酸素量が多く吸収エネルギーが低値であった。
フラックス記号MF17は、CaF2が多いので、アークが不安定でビード外観・形状も不良であった。また、MgOが多いので、溶接金属の酸素量が多く吸収エネルギーが低値であった。
フラックス記号MF18は、SiO2が少ないのでビード外観・形状及びスラグ剥離性が不良で、アンダーカットも生じた。
フラックス記号MF19は、TiO2が少ないので、アークが不安定でビード形状も不良であった。また、B23が多いので、溶接金属の引張強さが高く吸収エネルギーが低値であった。
フラックス記号MF20は、BaOが少ないのでアークが不安定で、スラグ巻込みも生じた。また、フラックス粒径150超〜500μm以下が多いので、ビード表面にポックマークが生じ、開先底部に融合不良も生じた。
フラックス記号MF21は、BaOが多いので、ビード外観・形状が不良であった。また、フラックス粒径150以下が多いので、スラグ剥離性が不良で、ブローホールが生じた。
フラックス記号MF22は、Na2O、K2O及びLi2Oの合計が多いので、ビード外観が不良であった。また、SiO2が多いので、溶接金属の酸素量が多く吸収エネルギーが低値であった。
フラックス記号MF23は、TiO2が多いので、スラグ剥離性が不良であった。また、フラックス粒径150超〜500μm以下が少ないので、ビードが凸状となりビード外観が不良で、ブローホールも生じた。
前述したように、本発明のサブマージアーク溶接用溶融型フラックスによれば、高速度の溶接条件で溶接する場合においても、アークの安定性、スラグ剥離性、及び、ビード外観・形状等の溶接作業性が良好で、溶接欠陥が無く健全で優れた機械性能の溶接金属が得られる。よって、本発明は、溶接を使用する産業において利用可能性が高いものである。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    CaO:5〜25%、
    MgO:1〜5%、
    Al23:15〜29%、
    CaF2:30〜50%、
    SiO2:15〜25%、
    MnO:0.5〜15%、
    TiO2:0.2〜5%、
    BaO:1〜5%、
    23:0.1〜1.5%
    を含有し、残部は酸化鉄及び不可避不純物からなる
    ことを特徴とするサブマージアーク溶接用溶融型フラックス。
  2. 質量%で、更に、
    Na2O、K2O、及び、Li2Oの1種又は2種以上の合計:0.2〜1.5%を含有することを特徴とする請求項1に記載のサブマージアーク溶接用溶融型フラックス。
  3. 前記フラックスの粒度構成が、質量%で、
    粒径500μm超の粗粒:6%以下、
    粒径150μm超〜500μm以下:46〜80%、
    粒径150μm以下:16〜50%である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサブマージアーク溶接用溶融型フラックス。
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