JP6317663B2 - 鋳造用金型 - Google Patents

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Description

本発明は、第1型と第2型を重ね合わせてその中にキャビティを形成し、該キャビティの気密性を確保するためのシール材がキャビティの外周に配設される鋳造用金型に関し、特にシール材を効率よく冷却できる構造を有する鋳造用金型に関する。
従来、金型のキャビティ内を吸引減圧し、減圧されたキャビティ内と、溶融金属槽(保持炉)との間の圧力差を利用して、溶融金属槽の溶融金属を、ストークを介して上方に押し上げ、溶融金属槽の上方に配置された金型のキャビティ内に溶融金属を充填し、鋳造物を製造する低圧鋳造装置が知られている。また、金型は第1型と第2型から形成され、それらが上下に開閉する形式や左右に開閉する形式の鋳造装置が知られている。
金型のキャビティ内における溶融金属の湯廻り不良などの欠陥を防ぐためには、金型のキャビティ内を短時間で効率良く吸引減圧する必要がある。そのためには、例えば、真空ポンプを使用して、キャビティ内の第1型と第2型の合わせ目や、第1型又は第2型の押しピンの周囲に隙間を設け、そこからキャビティ内を第1型又は第2型の方向及び外周方向から均一な圧力で吸引減圧することが考えられる。また、外部からキャビティ内に空気が入り込まないように、キャビティ内の気密性を確保することも必要である。
キャビティ内の気密性を確保するための工夫として、金型の合わせ目及び押しピンの周囲にはOリングなどのシール材が配設されている。例えば特許文献1(特開2004−25267)には、キャビティの外周側にシール溝が形成され、そのシール溝の形状に工夫がされている低圧鋳造用鋳型が開示されている。シール材としては、一般に、耐熱性に優れるシリコンゴムやフッ素ゴムのOリングが使用される。しかし、耐熱性が優れているシリコンゴムやフッ素ゴムのOリングであっても、金型の熱の影響を長期間にわたり受けることによって劣化し、そのシール性が低下するという問題があった。
このような問題を解決する手段として、例えば特許文献2(特開2003−136210)では、シール材を柔軟性のあるゴムではなく、耐熱性や耐久性の優れた凝固金属によりシール材を形成する技術が開示されている。しかしながら、シール材を凝固金属で形成する際に、溶融金属が偏って回り込み、わずかでも空隙等が生じた場合には、シール性を確保できない。そのため、シール材としては、シール溝に配設し、上下又は左右の金型により適度に圧縮することによって密着し、空気の漏れを防ぐことができる柔軟性・耐熱性に優れたシリコンゴム等を使用することが望まれる。従って、シリコンゴム等のシール材を効率よく冷却できる構造を有する鋳造用金型が望まれている。
特開2004−25267号公報 特開2003−136210号公報
本発明は、従来の低圧鋳造装置及び真空鋳造装置における上記事情に鑑み、キャビティの気密性を確保するためのシール材を効率よく冷却できる構造を有する鋳造用金型を提供することを目的とする。
本発明では、前記の目的を達成するため、第1型と第2型を重ね合わせてその中にキャビティを形成し、該キャビティの気密性を確保するためのシール材がキャビティの外周に配設された鋳造用金型において、シール材が第1型又は第2型の外周方向に拡大した拡大部に配設されることにより、効率よく冷却できる構成とした。
すなわち、本発明の1は、第1型29bと第2型29aを重ね合わせてその中にキャビティ29cを形成し、該キャビティ29cの気密性を確保するためのシール材53が前記キャビティ29cの外周に配設される鋳造用金型であって、合わせ面を含む第1型29bの第2型29a側部分と、合わせ面を含む第2型29aの第1型29b側部分が、外周方向に拡大した拡大部291b、291aを有する形状であり、第1型29bの拡大部291b及び第2型29aの拡大部291aの一方の合わせ面に、シール溝54が前記キャビティ29cを囲むように形成され、前記シール溝54に、弾力性と耐熱性のあるゴム製のシール材53が嵌めこまれており、第1型29bと第2型29aとの間に隙間42が設けられ、該隙間42の全外周にわたり真空ポンプ25と連通する空気通路44が設けられ、前記空気通路44の通路口が、合わせ面に直角な方向へ広がった形状で形成され、かつ前記空気通路44が第1型29bの拡大部291b及び第2型29aの拡大部291aの側近傍に設けられていることを特徴とする鋳造用金型である。
本発明の2は、本発明の1に記載の鋳造用金型であって、前記シール溝54に沿って、第1型29bの拡大部291b及び第2型29aの拡大部291aの一方又は両方に、冷却媒体が供給される冷却流路55、56が設けられていることを特徴とする鋳造用金型である。
本発明の3は、本発明の2に記載の鋳造用金型であって、前記冷却流路55、56は2つ以上の流路に分割されて設けられていることを特徴とする鋳造用金型である。
本発明の4は、本発明の2又は3に記載の鋳造用金型であって、冷却媒体を冷却ミストにしたことを特徴とする鋳造用金型である。
本発明の1の鋳造用金型によると、第1型29bと第2型29aが、外周方向に拡大した拡大部291b、291aを有する形状の金型29であるため、高温に熱せられる金型の放熱面積が増えて、温度が下がり易くなる。従って、放熱面積が広い拡大部291a又は291bにシール材53を配設することにより、シール材53が効率よく冷却される。また、シール材53が弾力性と耐熱性のあるゴム製であることにより、第1型29bと第2型29aにより適度に圧縮することによって密着し、キャビティ29c内への空気の漏れを効果的に防ぐことができる。
本発明の2の鋳造用金型によると、シール溝54に沿って、第1型29bの拡大部291b及び第2型29aの拡大部291aの一方又は両方に、冷却媒体が供給される冷却流路55、56が設けられているため、冷却媒体の通過によりシール材53を短時間で冷却することができる。
本発明の3の鋳造用金型によると、冷却流路55、56はシール溝54に沿って、2つ以上の流路に分割されて設けられていることにより、流路が一周するように1つだけ設けられている場合よりも、冷却媒体の温度を均一に保つことができる。冷却流路が一周するように1つだけ設けられる場合には、金型29が高温であるため、入口付近と出口付近で、冷却媒体の温度が大きく異なり、シール材53を均一な温度で冷却し難いが、2つ以上の流路に分割されていることにより、冷却媒体が通過する流路が短くなり、均一な温度でバランスよく冷却することができる。
本発明の4の鋳造用金型によると、冷却媒体を冷却ミストにすることによって、冷却水のように冷却流路を通過中に急激に蒸発することがなく、安定して冷却効果を高めることができる。
さらに、前記本発明の1の鋳造用金型によると、空気通路44の通路口を重ね合わせ面に直角な方向へ広がった形状に形成しているため、第1型29bの拡大部291b及び第2型29aの拡大部291aに流れる熱流を効果的に遮断することができる。また、空気通路44が第1型29bの拡大部291b及び第2型29aの拡大部291a側近傍に設けられていることによって、第1型29bの拡大部291b及び第2型29aの拡大部291aに流れる熱流を大幅に低減する事ができる。
本発明の一実施形態である鋳造用金型が使用される真空鋳造装置の上型と下型を重ね合わせた状態の断面図である。 本発明の一実施形態である鋳造用金型が使用される真空鋳造装置の上型と下型を重ね合わせた状態の部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態である鋳造用金型が使用される真空鋳造装置の上型と下型を分離した状態の部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態である鋳造用金型の下型を合わせ面側から見た図である。 図4のA−A線切断部の断面図である。 本発明の一実施形態である鋳造用金型の上型を合わせ面側から見た図である。 図6のB−B線切断部の断面図である。
以下、本発明の実施の形態(以下実施例と記す。)を、図面に基づいて順に説明する。本実施例では、図1〜3に示す真空鋳造装置に本発明の鋳造用金型が使用される場合について説明する。本実施例で使用する金型は、第1型29bが上型であり、第2型29aが下型である上下に開閉する形式の鋳造用金型を実施例として説明するが、本発明の金型はこれに限定されず、第1型29bが左型であり、第2型29aが右型などの左右に開閉する形式の鋳造用金型であってもよい。また、本発明の鋳造用金型が使用される鋳造装置は、以下で説明する真空鋳造装置に限定されず、様々な低圧鋳造装置及び真空鋳造装置に使用可能である。
〔鋳造用金型が使用される鋳造装置〕
図1〜3は、本発明の鋳造用金型が使用される真空鋳造装置の一例であり、図1、2は金型29の第1型29b(以下、上型29bと記す。)を第2型29a(以下、下型29aと記す。)に重ね合わせた状態、図3は金型29の上型29bを下型29aから分離した状態を示している。この真空鋳造装置は、駆動電源26により駆動される真空ポンプ25により金型29のキャビティ29cを吸引減圧して、溶融金属12が吸引されるのと反対方向にストーク1の給湯誘導子14を有する電磁ポンプ17で推力を与えて、ストーク1内に一旦溶融金属12を所定のレベル30に保持し、徐々に電磁ポンプ17の推力を弱めていき、ストーク1を通して下側から金型29のキャビティ29cに溶融金属12を充填する形式のものである。
溶融金属槽11に収納された溶融金属12にストーク1の下端が差し込まれている。ストーク1の溶融金属12の液面より上にある部分の周囲には、磁性体製のヨーク15にコイル16を巻回した給湯誘導子14が配置されている。ヨーク15は、ストーク1の溶融金属12の液面より上にある部分を囲むようにその外周側に嵌め込まれており、このヨーク15に三相コイルを構成するコイル16が巻回されている。この給湯誘導子14には、冷却器10が設けられ、駆動時に冷却される。
給湯誘導子14は、インバータを含む駆動電源31により駆動される。この駆動電源31からは給湯誘導子14にインバータで変換された三相交流が通電され、給湯誘導子14に移動磁界を発生させる。この移動磁界による電磁誘導により、導電体であるストーク1内の溶融金属12に誘導電流が発生し、この誘導電流と移動磁界との相互作用によって推力が与えられる。
ストーク1の上部と下部は、フランジ継手等の継手5、5'を介して密に接続されている。保護管3のストーク1に近い一端部の周囲にフランジ6が延設され、このフランジ6の外周に近い部分がストーク1の上部と下部とを接続する前記の継手5、5'の間に挟持されている。これにより、保護管3の中のコア2がストーク1の中心に位置するよう保持されている。フランジ6には、溶融金属12の通路となる複数の円弧状の通過孔7が設けられている。ストーク1の上部は、下部に図示してないバネ等により弾力的に押しつけられている。この状態で継手5、5'の間に挿入された耐熱性のガスケットにより継手5、5'の部分のシール性が確保されている。
ストーク1は、セラミック等の耐熱性、耐蝕性のある材料で作られており、その外周に設けた保温用のマイクロヒータ等からなるヒータ9、9'により溶融金属12の融点以上の温度に加熱され、溶融金属12の凝固を防ぐ。溶融金属槽11の中の溶融金属12の液位測定用に液面センサ等のセンサ13が設けられ、これにより溶融金属槽11の中の溶融金属12の液位が検知される。他方、ストーク1には、電磁誘導により溶融金属12の存在を検知する形式の誘導式液面センサ等のセンサ19が設けられ、これによりストーク1内の液位が検知される。ストーク1の上端は、金型29の湯口29dにリング板状の絶縁材35、35'を介して接続され、溶融金属槽11から金型29のキャビティ29cに溶融金属12を給湯することができる。
金型29の下型29aの上に上型29bが重ね合わせられ、これら上下の型29a、29bにより金型29が形成される。上型29bの上下動は、スライド板37の上下動に伴って行われる。このスライド板37にはスライドガイド34、34と、後述のベローズ39を収縮させる押出部材45が貫通している。台板33とスライド板37との間に油圧シリンダ等の昇降駆動機構36、36が設けられ、この昇降駆動機構36、36の動作によりスライド板37がスライドガイド34、34に沿って上下にスライドされる。また、押出部材45も昇降駆動機構(図示せず)の動作により上下にスライドして、吊り下げダイベース40を貫通し、ベローズ39の上面の支持板52を下部に押して、ベローズ39を収縮させる。
管状のベローズ39は、上型29b上の上部ダイベース40'と吊り下げダイベース40間に設置されており、伸縮性と気密性を兼ね備えた材料からなる。管状のベローズ39内の上面に固定される支持板52は、吊り下げダイベース40に固定されておらず、管状のベローズ39の収縮に伴って、上下に移動する。また、支持板52には複数の押しピン38が設置されている。押しピン38は上部ダイベース40'及び上型29bを貫通する管を貫通してキャビティ29c内に到達するように構成されている。また、管状のベローズ39内には、真空ポンプ25による吸引減圧の際などに、管状のベローズ39が押し潰されないように支持バネ付スライド機構49やベローズ収縮防止ピン46が支持板52にそれらの上端が固定されて設置されている。
また、本実施例では、上型29bと下型29aとの間に隙間42を設け、隙間42の全外周にわたり真空ポンプ25と直接連結する空気通路44を設けている。このように、真空ポンプ25と連結する空気通路44が、隙間42の全外周にわたり設けられていることにより、空気通路44が真空ポンプ25により吸引減圧され、それによりキャビティ29c内を外周方向から均一な圧力で吸引減圧することができる。この空気通路44の通路口を、上型の拡大部291b及び下型の拡大部291aに流れる熱流を遮断するに適した形状になるように、合わせ面(水平方向)に直角な方向へ広がった形状(縦長)にする。かつ、空気流路44を上型の拡大部291b及び下型の拡大部291a側近傍に設けることによって、上型の拡大部291b及び下型の拡大部291aに流れる熱流を大幅に低減する事ができる。また、押しピン38の外周にも隙間43が設けられ、同時に吸引減圧されるため、キャビティ29c内を外周方向及び上方向から均一な圧力で、短時間で吸引減圧することができる。なお、本実施例とは異なるが、金型が左右に開閉する形式の場合には、合わせ面が垂直であるため、空気通路44の通路口は、横長の形状になる。
この真空鋳造装置により鋳造物を成型するときは、上型29bが下型29aを重ね合わせた状態にしてキャビティ29cを形成し、真空ポンプ25により吸引減圧する。キャビティ29c内を真空ポンプ25により瞬時に−100kPa程度まで吸引減圧させると、大気圧がかかった溶融金属槽11に収納された溶融金属12は、ストーク1を通過して勢いよく汲み上げられてしまう。従って、ストーク1内の溶融金属12に推力を与える電磁ポンプ17の給湯誘導子14を、溶融金属12の金型注入方向と反対方向に推力を与えて制動保持するように駆動する。電磁ポンプ17で発生した金型注入方向と反対方向の電磁力を強めたり、弱めたりする調整を行うことで、制動保持された溶融金属12を精度よく適正な速度でキャビティ29c内に給湯する。
キャビティ29cの中に溶融金属12を充填後冷却し、図3に示すように、スライド板37を上昇させて、上型29bを上昇させると、上型29bが下型29aから離れ、金型29のキャビティ29cが開く。更に上型29bを上昇させると、支持板52が押出部材45に当たってベローズ39と支持板52が押され、支持板52に設置された複数の押しピン38の先端部がキャビティ29cの中に入り込んで、成型した鋳造物59が上型29bから分離される。この成型された鋳造物59を図示していない受け皿等に取り出すことにより、1回の鋳造工程が完了する。図3は、鋳造物59を分かりやすくするため、鋳造物59が上型29bから押し出され下型29aの上に置かれている状態を示している。
〔鋳造用金型の構成〕
以下、本発明の特徴である金型29の形状と、シール材53の配置、及び、シール材53の冷却構造について図2〜7を用いて詳細に説明する。図4は、本実施例の鋳造用金型の下型を合わせ面側から見た図であり、図5は図4のA−A線切断部の断面図である。また、図6は、本実施例の鋳造用金型の鋳造用金型の上型を合わせ面側から見た図であり、図7は図6のB−B線切断部の断面図である。
本実施例の金型29は、キャビティ29cの気密性を確保するためのシール材53がキャビティ29cの外周に配設される。金型29の形状は、図2、3に示すように合わせ面を含む上型29bの下部(下型29a側部分)と、合わせ面を含む下型29aの上部(上型29b側部分)が、外周方向に拡大した拡大部291b、291aを有する四角柱で形成されている。すなわち、図2に示すように、上型29bと下型29aが閉じている際には、金型29の形状は、上型29bと下型29aの拡大部291b、291aを合わせて外周方向に凸部を有する四角柱の形状となっている。本実施例の金型は、300℃付近まで熱せられるため、このように拡大部291a、291bを有する形状とすることで、金型の放熱面積が増えて、温度が下がり易くなる。
また、図4及び5に示すように、本実施例では下型29aの拡大部291aの合わせ面に、シール溝54がキャビティ29cを囲むように形成され、このシール溝54に、弾力性と耐熱性のあるゴム製のシール材53が嵌めこまれている。下型29aの拡大部291aの合わせ面に、シール溝54が形成されている理由は、上型29bに形成されると、シール材53の重みにより、シール材53とシール溝54との間に隙間ができやすく、シール材53がシール溝54に安定して嵌らないことがあり得るからである。図2、3及び5に示すように、シール材53が飛び出さないように、シール溝54の断面を合わせ面に対して狭くなる様なハの字形状にして、安定してシール材53が嵌る様であれば、上型29bにシール溝54を形成し、シール材53を嵌めてもよい。
シール材53としては、キャビティ29cの気密性を確保できれば、その材質、形状等は特に限定されないが、弾力性と耐熱性のあるゴム製であることにより、上型29bと下型29aにより適度に圧縮することによって密着し、空気の漏れを効果的に防ぐことができる。本実施例では、耐熱性に優れたシリコンゴムからなるOリング状のシール材53(以下、Oリング53と記す。)を使用する。放熱面積が広い拡大部291aにOリング53を配設することにより、Oリング53が効率よく冷却される。
本実施例では、前述のように真空ポンプ25と連結する空気通路44が、上型29bと下型29aの隙間42の全外周にわたり設けられている。空気通路44は、図4、5に示す下型29aの空気通路溝44aと図6、7に示す上型29bの空気通路溝44bが上下に重ね合わされて通路口が縦長に形成される。空気通路44は、真空ポンプ25と連結する連結部44'を介して、真空ポンプ25と連結する。隙間42の幅は、0.05mmから0.2mmとし、好ましくは0.05mmから0.1mmとする。それにより、溶融金属12が隙間43及び隙間42からキャビティ29cの外へ流出するのを防ぎバリの発生を防止することができる。また、外部の空気がキャビティ29c内に入ることを防止するために、空気通路44を囲むようにしてOリング53が設けられている。なお、本実施例では、隙間42は、上型29bと下型29aを合わせたときに、Oリング53によって形成される構成とする。隙間42の形成はこれに限定されず、上型29b及び下型29aに形成される空気通路溝44b、44aの内側(キャビティ29c側)を低くして隙間が形成される構成としてもよい。
この空気通路44の通路口を縦長にして、かつ空気流路44を上型の拡大部291b及び下型の拡大部291a側近傍に設けることによって、上型の拡大部291b及び下型の拡大部291aに流入する熱流を大幅に低減する事ができる。これに依って冷却流路55、56だけで、確実にシール溝54を冷却し、シール材53を冷却できる。真空鋳造の場合、空気流路44は、キャビティ29cが真空を開始してから鋳造が完了し、上型29bが上昇する間際まで真空を維持することが出来るので、真空断熱効果を発揮させることができる。また、シール溝54に沿って、上型29bの拡大部291b及び下型29aの拡大部291aの一方又は両方に、冷却媒体が供給される冷却流路が設けられている。本実施例では、図4及び図6に示すように、上型29b及び下型29aの拡大部291b、291aの両方に冷却流路56、55を設け、特にシール溝54に沿って設けた。冷却流路55、56の位置はこれに限定されず、例えばシール溝54に沿って外周や内周に設けてもよい。
シール溝54の幅や冷却流路55、56の幅、シール溝54の中心線と冷却流路55、56の中心線との距離は、Oリング53を冷却する効果があれば、特に限定されないが、本実施例では、シール溝54の幅は10mm、冷却流路55、56の幅は7mm、シール溝54の中心線と冷却流路55、56の中心線との距離は、25mmである。このような幅及び距離で冷却流路55、56を設けることにより、Oリング53を効率よく冷却することができる。
冷却流路55、56はシール溝54に沿って一周するように1流路を設けてもよいが、本実施例では、冷却流路55、56をシール溝54に沿って、2つ以上の流路に分割して設けている。冷却流路55、56が一周するように1流路を設けられる場合には、金型29が高温であるため、入口付近と出口付近で、冷却媒体の温度が大きく異なり、Oリング53を均一な温度で冷却し難いが、2つ以上の流路に分割されていることにより、冷却媒体が通過する流路が短くなり、均一な温度でバランスよく冷却することができる。例えば、図4に示すように、冷却流路55は、入口55aから直線状に延び、ねじ栓部55cで折れ曲がって、出口(排気側)55bまで直線状に延びている。図6に示す冷却流路56についても同様である。このように、「くの字」の様に入口と出口を対向して、2つの冷却流路55を設けることにより、冷却温度をバランス良くすることができる。本発明の冷却流路は、これに限定されず、例えば、4つに分割して設けてもよい。
また、冷却流路55、56に供給する冷却媒体は、冷却水のような液体でもよいが、本実施例では、より細かい水滴を含む空気(冷却ミスト)を冷却媒体に使用する。冷却媒体を冷却ミストにすることによって、冷却水のように冷却流路を通過中に蒸発することがなく、冷却効果を高めることができる。冷却ミストは、入口55a、56a側から、コンプレッサー(図示せず)を介して、圧縮されて供給される。また、排気側である出口55b、56bには、サイレンサー(図示せず)が設置されていることが好ましい。
以上説明してきた鋳造用金型は、合わせ面を含む上型29bの下部と、下型29aの上部が、外周方向に拡大した拡大部291b、291aを有する形状の金型であるため、放熱面積が広い拡大部291b及び291aの一方にOリング53を配設することにより、Oリング53が効率よく冷却される。また、シール溝54に沿って、上型及び下型の拡大部291b、291aの両方に、冷却媒体(特に冷却ミスト)が供給される冷却流路55、56が設けられているため、Oリング53を短時間で効率よく冷却することができる。また、それにより、Oリング53の劣化を低減することができ、長期間にわたり、金型のシール性を保つことができる。また、本実施例で説明した金型は上下に開閉する形式であったが、前述の様に、本発明の金型はこれに限定されず、左右に開閉する形式の金型であってもよい。
本発明による鋳造用金型は、第1型と第2型を重ね合わせてその中にキャビティを形成し、該キャビティの気密性を確保するためのシール材がキャビティの外周に配設される鋳造用金型を用いる鋳造装置に利用され、特に高品質を求める分野で利用することが出来る。
1 ストーク
12 溶融金属
25 真空ポンプ
29 金型
29a 第2型、下型
29b 第1型、上型
29c 金型のキャビティ
29d 金型の湯口
291a 第2型(下型)の拡大部
291b 第1型(上型)の拡大部
42 隙間
44 空気通路
44a 下型の空気通路溝
44b 上型の空気通路溝
53 シール材(Oリング)
54 シール溝
55、56 冷却流路
55a、56a 冷却流路の入口
55b、56b 冷却流路の出口
55c、56c ねじ栓部

Claims (4)

  1. 第1型(29b)と第2型(29a)を重ね合わせてその中にキャビティ(29c)を形成し、該キャビティ(29c)の気密性を確保するためのシール材(53)が前記キャビティ(29c)の外周に配設される鋳造用金型であって、
    合わせ面を含む第1型(29b)の第2型(29a)側部分と、合わせ面を含む第2型(29a)の第1型(29b)側部分が、外周方向に拡大した拡大部(291b)、(291a)を有する形状であり、
    第1型(29b)の拡大部(291b)及び第2型(29a)の拡大部(291a)の一方の合わせ面に、シール溝(54)が前記キャビティ(29c)を囲むように形成され、
    前記シール溝(54)に、弾力性と耐熱性のあるゴム製のシール材(53)が嵌めこまれており、
    第1型(29b)と第2型(29a)との間に隙間(42)が設けられ、該隙間(42)の全外周にわたり真空ポンプ(25)と連通する空気通路(44)が設けられ、前記空気通路(44)の通路口が、合わせ面に直角な方向へ広がった形状で形成され、かつ前記空気通路(44)が第1型(29b)の拡大部(291b)及び第2型(29a)の拡大部(291a)の側近傍に設けられていることを特徴とする鋳造用金型。
  2. 請求項1に記載の鋳造用金型であって、前記シール溝(54)に沿って、第1型(29b)の拡大部(291b)及び第2型(29a)の拡大部(291a)の一方又は両方に、冷却媒体が供給される冷却流路(55)、(56)が設けられていることを特徴とする鋳造用金型。
  3. 請求項2に記載の鋳造用金型であって、前記冷却流路(55)、(56)は2つ以上の流路に分割されて設けられていることを特徴とする鋳造用金型。
  4. 請求項2又は3に記載の鋳造用金型であって、前記冷却媒体を冷却ミストにしたことを特徴とする鋳造用金型。
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