JP5656400B2 - 真空熱処理装置および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

真空熱処理装置および半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、真空熱処理装置に関し、特に、フィラメントから熱電子が加速電圧により引き出され、ヒータに衝撃させることで発熱させる電子衝撃加熱装置に関する。
半導体製造技術では、半導体基板を急速に加熱する工程がしばしば必要になる。特に、炭化ケイ素(SiC)に代表されるワイドバンドギャップ半導体の活性化アニールには、1500〜2000℃程度の高温が必要とされている。
そこで、真空熱処理装置の例として、真空中のフィラメントから熱電子がフィラメントと加熱容器間に印加された加速電圧により引き出され、ヒータとなる加熱容器に衝撃させることで発熱させる電子衝撃加熱装置が提案されている(特許文献1、2など)。
上記の真空熱処理装置では、熱伝導率が高く、輻射率の小さいアルミニウム製の真空容器が用いられる。
しかし、アルミニウム製真空容器のため真空容器を構成する部材間を接合するフランジ部分が柔らかく、従ってメタルガスケットを使用することが難しく、真空シールにはフッ素ゴムや樹脂によるOリングシールが用いられることになる。また、真空シール性を再現性良く確保するためには、片方向のみフランジ同士が接触して、シール性を損なわないようにする点から望ましく、Oリングの太さからOリングのつぶししろを引いた値は、Oリング用溝の深さよりも大きく設計される。
ヒータとなる加熱容器をグラファイトで形成した場合には、加熱容器は脆弱なため、加熱容器接合用フランジ面と加熱容器の接合面との間を数ミクロン程の隙間をあけてOリングシールを挟んで、弾性力を利用して真空シールすることが行われている(特許文献1)。
その一方で、上記のとおり、炭化ケイ素(SiC)に不純物をイオン注入された基板を電気的に活性化させるための活性化アニール工程では、1500〜2000℃程度の超高温が必要である。
つまり、ヒータからの輻射熱が従来のシリコン(Si)デバイスで用いられてきた1000℃レベルのアニール工程と比較して、真空容器が受ける輻射による熱量は飛躍的に増大する。
特開2007−280905号公報 特開2009-206503号公報
しかしながら、超高温領域においてOリングを通常の挟み込むだけの構造で用いると、加熱処理中の輻射加熱により、Oリングの劣化による排気特性の低下が生じた。
電子衝撃加熱装置においては、加熱容器の内部で、フィラメントから熱電子がフィラメントと加熱容器間に印加された加速電圧により引き出されることで発熱させるため、加熱容器の内部は高真空に保つ必要がある。加熱容器内を高真空に保つことができなくなると、フィラメントと加熱容器間に印加された加速電圧により、加熱容器内に異常放電が生じてしまう。
加熱容器はその開口部が真空容器と接合されて、閉じられた空間を形成しているが、接合部は上述のように数ミクロンの隙間のある接合面においてOリングで接合されている。この隙間を通過した輻射熱がOリングを劣化させていることを本発明者は見出した。Oリングが劣化すると加熱容器内部を高真空に保つことができなくなる。そのため、活性化アニールのための高温処理を行うには、ヒータとなる加熱容器内部のガス出しを再び行わなければならず、稼働率を大幅に低下させる要因となっていることが解った。また、加熱処理中の輻射加熱により、Oリングの劣化による排気特性の低下だけではなく、Oリングから放出されるガスによりアニール特性も低下するという問題が生じた。
そこで、本発明は、真空熱処理装置における輻射加熱によるOリングの劣化を防止し、基板に対して良好なアニール特性で加熱処理が行えるようにすることを目的とする。
本発明に従う真空熱処理装置は、その内部空間を真空に排気するための排気用開口を有する加熱容器であって、内部空間内に配置された加熱手段により加熱された壁が輻射熱を発する加熱容器、排気ポンプに接続された加熱容器接合チャンバであって、加熱容器の排気用開口と連結される連結用開口を有し、連結用開口の周囲に設けられた接合チャンバの環状フランジの面に加熱容器の排気用開口周囲の加熱容器の環状フランジの面が接合されている加熱容器接合チャンバ、及び被加熱基板をその内部空間に配置する真空処理チャンバであって、加熱容器を該真空処理チャンバの内部空間に収容するよう加熱容器が接合された加熱容器接合チャンバを真空処理チャンバ壁に取付けている真空処理チャンバとからなり、接合チャンバの環状フランジ面に環状の溝が設けられ、溝にOリングが挿置され、Oリングを介して接合チャンバと該加熱容器のそれぞれの環状フランジ面が圧接されて該加熱容器が該接合チャンバに接合されており、接合された加熱容器側に向かって延在する環状突起部が接合チャンバの環状フランジの開口縁に設けられ、加熱容器の環状フランジ面は該環状突起部より半径方向に外側に位置している。
実施例において、加熱容器はグラファイト製であり、接合チャンバはアルミニウム製である。
又、真空処理チャンバは、開口により連結されて接合された上部チャンバと下部チャンバとからなり、該加熱容器は該開口を貫いて取付けられ、該加熱容器の輻射熱を発する壁は該下部チャンバに、そして該接合チャンバへの接合部は該上部チャンバに配置され、該上部チャンバと下部チャンバの接合面はOリングにより密封され、該接合面において該加熱手段と該Oリングとの間に互いに嵌めあう段差が形成されている。
突起部は、該接合チャンバの環状フランジの開口縁からひさし状に下がっている。
本発明に従う半導体デバイスの製造方法は、上記真空熱処理装置を用いて基板の熱処理を行う工程を有する。
本発明によれば、基板を1500℃〜2000℃程度の高温処理を繰り返し行ったとしても、Oリングの熱劣化を防止することができ、真空特性の劣化の少ない熱処理装置を提供することができる。
また、ヒータ温度が2000℃の超高温領域が安定して使用でき、かつ、単結晶炭化ケイ素の基板を用いたデバイスでは、アニール処理における良好な表面平坦性を実現することが可能となる。
本発明の一実施形態としての真空熱処理装置を示す図である。 図1の真空熱処理装置のうち、加熱容器部分の断面図である。 加熱容器と接合チャンバのフランジの接合部分を拡大した断面図である。 本発明における真空処理チャンバの上部と下部のフランジ同士の接合部分を拡大した断面図である。 本発明におけるフランジ同士の接合部分の図4の他の例を拡大した断面図である。 本発明におけるフランジ同士の接合部分の図4の他の例を拡大した断面図である。 従来技術における加熱容器と接合チャンバのフランジの接合部分の状態を拡大した断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態として、電子衝撃型の加熱容器を収容している真空熱処理装置を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の真空加熱装置は、真空処理チャンバ2と、真空処理チャンバ2の内部に載置された基板5を加熱する加熱容器3と、加熱容器3の雰囲気を排気するターボ分子ポンプ4、ポンプ4に接続され加熱容器2を接合する接合チャンバ1、真空処理チャンバ2を排気する排気手段としてのターボ分子ポンプ17とを備えている。加熱容器3内の電力導入棒(不図示)に、不図示の電源から電力が導入される。真空処理チャンバ2は、本実施形態では、アルミニウム製であり、加熱容器3はグラファイト製である。
加熱容器3には、加熱手段として、内部にフィラメントが内蔵されている。
基板5を加熱処理する側の真空処理チャンバ2は、ターボ分子ポンプ17により高真空に排気されている。
加熱処理が行われる基板5は、加熱容器3と対峙する基板ホルダ18に取付けられた熱受板(不図示)などに載置され、基板5の搬送時や冷却時は、基板ホルダ18を下降させ、また、加熱処理を行う時には、基板ホルダ18を上昇させて基板5と加熱容器3の距離を、例えば、3mmの間隔まで近づけて効率よく加熱処理を行うことができる。
真空処理チャンバ2は、例えば、開口部を有する複数のフランジ11、12の環状の部材同士で接合されて構成され、各々、上部6、中間部7及び下部8とする。それぞれの部材(フランジ)にOリング(不図示)を挟み込んで、真空容器2を構成する部材(フランジ)間の接合面を密封している。加熱容器3と真空処理チャンバ2の空間を熱的な分離等を行うために、Oリング(不図示)を用いて、フランジ11、12の接合による真空シール部が形成されている。
また、真空容器2の上部6の上に、ポンプに接続された接合チャンバが取付けられ、接合チャンバ1のフランジ13に、加熱容器3がOリング(不図示)を介して接合されている。フランジ13内には、不図示の水冷管が配管されており、水冷管には不図示の供給管から冷媒が循環されている。なお、フランジ13は、円板状形態であり、排気および電力導入棒接続のための開口を有する。
前述のとおり、接合チャンバ1と真空処理チャンバ2は、熱伝導率が高く、輻射率の小さいアルミニウムが用いられ、それらを構成する部材間の結合するフランジ11、12、13も柔らかく、そのためメタルガスケットを使用することが難しく、例えば、フッ素系ゴムがシール材料として用いられる。このフッ素系ゴムは、耐熱温度が150℃から200℃程度であり、加熱容器3下部からの輻射熱を遮断し、フッ素系ゴムのシール材料の冷却効果を上げるために、真空処理チャンバ2上部をフランジ11とフランジ12を用いて、上部空間6と下部空間7を分離している。
接合チャンバ1の下面に開口を有し、その開口周囲に環状フランジ13が設けられている。加熱容器3の上面は開口しており、その開口が接合チャンバ1の開口に連結されるよう、加熱容器3の環状フランジ15は接合チャンバ1に密封的に接合される。加熱容器3が接合された接合チャンバ3のフランジ13が、真空処理チャンバ2の上部の上壁14に取付けられ、加熱容器3が真空処理チャンバ2の内部空間に収容されるが接合チャンバ1を排気することで、接合チャンバ1の雰囲気に連通した加熱容器3内の雰囲気は真空化される。
図2は、加熱容器3とその取り付け部分の断面を示す模式図である。加熱容器3の内部には、フィラメント132と、反射板135と、絶縁碍子138と、中間ベース板137とを備えている。加熱容器3は、その一面がグラファイト(カーボン)製の導電性ヒータ面131が構成されている。水冷フランジ13に中間ベース板137が第3の支柱で固定される。絶縁碍子138が中間ベース137の上下に配置されている。フィラメント132は、不図示の交流のフィラメント電源104により熱電子が放出され、その熱電子は不図示の直流の高圧電源により負の高電圧をかけられたフィラメントから接地電位の加熱容器3との間の電位差によって加速され、加熱容器3の導電性ヒータ面131に衝突させる。これにより、導電性ヒータ面131は高温に加熱される。
例えば、タングステン・レニウム製やカリウムを添加したタングステンやランタンなどの希土類を添加したタングステンフィラメント132、モリブデン製のベース板134、タンタル製の第1の支柱(フィラメント支柱)133に固定されている。ベース板134をモリブデン製の中間ベース板137に第2の支柱136で固定されている。フィラメント132と反対の方向に3枚のモリブデン製の熱反射板135が挿入されている。水冷フランジ13に中間ベース板137が第3の支柱139で固定されている。
加熱容器3を超高温にした際に、導電性ヒータ131のカーボンやフィラメント132の高融点金属等から発生するガスを排気する目的で、ターボ分子ポンプ4により接合チャンバを介して高真空に排気されている。
接合チャンバ1のフランジ13と加熱容器3のフランジ13との加熱容器接合面は、真空処理チャンバ2の内部空間内にあり、もし加熱容器接合面の気密性が失われると真空処理チャンバ2の内部空間の雰囲気が加熱容器内にリークをする。
図3は、接合チャンバ1の環状フランジ13と加熱容器3の環状フランジ15の接合部分を拡大した断面図である。図1と同じ部材に対しては、同じ符号を使用している。
フランジ13には、Oリング21を挿置するための溝23が形成されている。また、フランジ13には、突起状のひさし部分24が環状フランジ13の開口縁に設けられており接合された加熱容器側に向かって延在しており、突起状ひさし部分24の内側に(即ち、半径方向に外側)加熱容器3のフランジ15の接合25がくるように加熱容器3がフランジ13に接合されている。加熱容器3はグラファイト(カーボン)製であるため脆弱であることから、フランジ13と加熱容器3との間にはOリングを介することによりそれら接合面間に1μm程度の隙間を開けている。一方、熱赤外線は高温域では波長のメインピークが短波長側にシフトするので、フィラメントや加熱容器の熱が隙間部分から進入し易くなる。しかし、ひさし部分24があるので、隙間部分を輻射熱から遮蔽し隙間部分26から、フィラメントの熱が入り込むことを防ぐことができる。そのため、Oリング21が熱により劣化されることを防ぐことができる。
Oリング21の延在するシール部分は加熱容器3の放熱面(導電性ヒータ)131が2000℃に加熱された場合、水冷フランジ13により冷却され、熱勾配を持たせているものの、約150℃まで上昇する。このため、図7に示すようにひさし部分がない場合には、シール面の隙間から熱赤外線が進入してくると、Oリングの耐熱温度である200℃を超えてしまい、Oリングが劣化することが判明した。
しかし、本実施形態においては、ひさし部分24が存在するので、熱赤外線が進入することを防ぐことができる。
図4は、本実施形態の真空処理チャンバ2で、上部6と中間部7を接合するフランジ11、12の部材同士の接合部分を拡大した断面図である。図1と同じ部材に対しては、同じ符号を使用している。
真空処理チャンバ2を構成する上部6、中間部7は、開口部9を有する2枚のフランジ11、12で接合され、例えば、加熱手段として、カーボン製の加熱容器3が開口部9内を通って配置されている。一方のOリング10を埋め込む溝が形成されているフランジ12の加熱手段側、すなわち、加熱容器3とOリング10との間の部分に、段差16が形成されている。
また、もう一方のフランジ11の加熱容器3に近い側には、段差16と互いに嵌めあうような段差16‘が形成されている。
この両方のフランジ11、12を用いて、例えばフッ素ゴム製のOリング10を挟み込んで不図示のボルトで固定し、真空シールすると同時に、加熱手段である加熱容器3に近い側のフランジ面11と12が上下から嵌め合い構造となる。
そのため、加熱容器3からの輻射される熱に対し、段差16と16’による曲がった隙間によって輻射熱の通過を抑制しフランジ11、12が接合する接合面を通して光が届かない構造になっているため、Oリング10を保護する構造となっている。
尚、加熱容器3と接合チャンバ1との接合にあっても、フランジ13と15との接合面に図4の嵌め合い構造と同様の段差を設けることも、Oリングへの輻射熱の防止に有効である。
さらに、アルミニウム製の真空容器2の内面側は、鏡面仕上げ加工により輻射率が0.15になるように処理されている。従って、加熱容器3から輻射された赤外線は、真空処理チャンバ2の内面側に反射して、真空容器2を飛び交い、より効率的に真空容器内が加熱される。加熱容器3の導電性ヒータ131部分は2000℃近くの温度になっているため、導電性ヒータ131から輻射された熱は、高温域の赤外線波長を有する。そして、真空容器2の内側の面で反射された赤外線は、フランジ11、12が接合する接合面から進入しない構造になっているので、例え、短波長の赤外線であってもOリングまで到達することを防ぐことができる。
ここで、本実施形態の真空容器2を用いた基板のアニール特性を評価した。そのため、以下のように処理された4H単結晶炭化ケイ素(SiC)基板を試料基板として用いた。
すなわち、上記の試料基板に、厚さ10マイクロメートルのn型のエピタキシャル層を化学的気相反応(CVD)で形成し、酸化炉で酸素(O)雰囲気中1150℃30分間で膜厚10ナノメートルになるように犠牲酸化を行った。その後、フッ酸処理を施し清浄な表面を出した状態で、酸化炉で同様の条件で膜厚10ナノメートルのイオン注入時の保護用酸化膜を形成した。
さらに、試料基板に対して、イオン注入装置を用いて、500℃に加熱して、不純物としてアルミニウムを濃度2.0×1018/cmボックス形状となるように、注入エネルギーを6段階に分けて注入した。具体的には、40、100、200、350、500、700keVの6段階である。
そして、フッ酸にてイオン注入保護用酸化膜を除去した後、試料基板を2000℃/10分間でアニール処理した。このとき、アニール中の真空処理チャンバ2の最大圧力は3.4×10−4Paとなり、従来装置の初期値とほぼ同等であった。また、24時間排気し、到達真空度を測定したところ、1.5×10−6Paと非常に良好な真空が得られた。
次に、アニール後の試料基板の表面平坦性を評価するために、原子間力顕微鏡(AFM)にて測定範囲4マイクロメートル×4マイクロメートル、タッピングモードで測定を行った。その結果、表面平坦性RMS値が0.6ナノメートルと非常に平坦であることが確認された。
その後、犠牲酸化とドライエッチングにより試料基板の表面を40ナノメートル除去した後、リフトオフを用いてアルミ電極を形成し、CV測定により活性化率を算出した。その結果、活性化率100パーセントが得られ、十分に活性化されていることも確認された。
2000℃/10分間のアニール処理を1000回連続して行った後、同じ試料基板を用いて、同じ基板ステージ温度1600℃(カーボンヒータ温度1800℃)/3分間アニール処理を行った。
このときアニール中の真空処理チャンバ2の最大圧力は、3.5×10−4Paであり、初期値とほぼ同等であり、真空度の低下は確認されなかった。
また、活性化アニール後の表面平坦性も、RMS値で0.6ナノメートルと非常に平坦であった。さらに、ヒータベース3を冷却し、24時間排気し、到達真空度を測定したところ、1.7×10−6Paと非常に良好な真空が得られていることを確認した。
また、加熱容器3内部の圧力を以下の評価手順で測定した。尚、加熱容器3のフランジ15と接合チャンバ1のフランジ13との接合面は、真空処理チャンバ1の内部空間内にある。
(1)カーボン(グラファイト)製加熱容器3を1×10−3Paまでターボ分子ポンプ4で排気する。
(2)アルミ製水冷真空処理チャンバ2を1×10−3Paまでターボ分子ポンプ17で排気する。
(3)カーボン製加熱容器3をターボ分子ポンプ4で排気したまま、アルミ製水冷真空チャンバをベントする。このときアルミ製水冷真空処理チャンバ2内は大気圧とする。
(4)ベント完了10分後のカーボン製加熱容器3内の圧力を計測する。(加熱前)
(5)アルミ製水冷真空処理チャンバ2を1×10−3Paまでターボ分子ポンプ17で排気する。
(6)カーボン製加熱容器3のガス出しを行う。
(7)カーボン製加熱容器3を基板ステージ温度1600℃(カーボンヒータ温度1800℃)/1分間で50回加熱する。
(8)カーボン製加熱容器3を室温まで冷却する。
(9)カーボン製加熱容器3をターボ分子ポンプ4で排気したまま、アルミ製水冷真空処理チャンバ2をベントする。このときアルミ製水冷真空処理チャンバ2内は大気圧とする。
(10)ベント完了10分後のカーボン製加熱容器2内の圧力を計測する。(加熱後)
上記評価を行う前に測定したカーボン製加熱容器2の内部圧力の測定結果を表1に示す。また、上記評価試験により、基板ステージ温度1600℃(カーボンヒータ温度1800℃)/1分間で50回加熱を行った後、アルミ製水冷真空処理チャンバ2をベント完了10分後のカーボン製加熱容器2内部圧力測定結果を表1に示す。
Figure 0005656400
本発明では、加熱容器接合面の隙間をひさし部24で遮蔽しているシール構造なので輻射による熱赤外線の影響を受けることなくOリングが劣化していないことが解った。アルミ製水冷真空処理チャンバ2をベントしても、カーボン製加熱容器2の内部圧力は、リークを生じることなく、3.5×10−5Paを維持できた。この後、アルミ製水冷真空処理チャンバ2を排気し、加熱すると、突発的なガス放出による異常放電は全く見られなかった。
比較のために、ひさしを持たない構成のシール部材を用いたところ、表1のような比較例の結果となった。すなわち、上記評価試験により、基板ステージ温度1600℃(カーボンヒータ131の温度1800℃)/1分間で50回加熱を行った後においては、カーボンベースのガス出しを十分に行ったとしても、アルミニウム製 水冷真空処理チャンバをベントすると、リークを生じ、ヒータベースの内部圧力がターボ分子ポンプで排気していても、4.3×10−2Paまで上昇した。
本発明によると、アルミ製水冷真空処理チャンバ内のメンテナンスを行った場合でも、カーボン製加熱容器3内部のガス出しを行うことなく、活性化アニールのための高温処理が出来るため、大幅に稼働率の向上が図れた。
また、本発明では、加熱容器3と接合チャンバ1との接合部分のOリング、真空処理チャンバ1の上部と下部との接合部位へのOリングがいずれも、劣化しないような構造になっているので、Oリングからの熱分解物(ハイドロカーボン)などの発生を低減させることができる。そのため、試料基板の表面平坦性を向上させることができる。
図5は、図4のシール構造に対する他の変形例における真空容器2の各フランジ11、12の部材同士の接合部分を拡大した断面図である。
カーボン製のヒータベース3に近接したアルミニウム製の2枚のフランジ11、12で形成されている。Oリング10よりも加熱容器3に近い側、すなわち、フランジ11、12の接合面において、段差16、16’より加熱手段側である内側の16A及び16A’の表面部分が、輻射率0.3以上になるように表面粗さの仕上げ加工を施してある。本実施形態では、特に、輻射率は0.35になっている。
すなわち、本実施形態では、フランジ11、12の接合面のうち、加熱容器3とOリング10との間である、段差16、16’を有する接合面16A、16A’の輻射率を、その接合面を除いた他の部分よりも、高い輻射率にさせている。このようにすることにより、加熱容器3から放射される輻射熱をフランジ内面の14、15で吸収させて、Oリングに達する量をさらに減少させるようにしている。
同様の手法として、カーボンスプレイを厚さ50マイクロメートル塗布することや、セラメッキを段差状の接合面16A、16A’面の少なくとも一方を厚さ40マイクロメートル成膜させても同様の効果が得られる。
図6は、更に他の例として真空容器2のフランジ11、12の部材同士の接合部分を拡大した断面図である。
本実施例のように、加熱容器3に近い部分であるフランジ11、12の内周側の接合面の近傍に、遮光板16を溶接して形成している。これにより、ヒータベース3から放出される輻射熱を遮光板16で遮ることができ、直接Oリング10に到達しないようにしている。
なお、フランジ11、12、開口部9、加熱容器3等は円筒状になっており、図4、図5、図6の例において段差13、Oリング10、遮光板16等はヒータベース3の外周を取り囲むように配置されている。また、以上の実施形態では上部6と中間部7との接合について説明したが、中間部7と下部8のフランジ同士を図4、図5、図6の接合方法を用いて接合しても良い。
本発明は、特に1500℃を越えるアニール処理が行える真空加熱装置に利用可能である。一例として、フィラメントから熱電子が加速電圧により引き出され、ヒータに衝撃させることで発熱させる電子衝撃加熱装置に利用可能であることを示したが、高周波誘導加熱方式、赤外線加熱方式、抵抗加熱方式などにも利用可能である。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
また、フランジに形成される段差は、1つに限定されるものではなく、加熱手段とOリングとの間の接合面に応じて任意数だけ形成することができる。
1 真空熱処理装置
2 真空処理チャンバ
3 加熱容器
4、17 ターボ分子ポンプ
5 基板
6 真空容器2の上部
7 真空容器2の中間部
8 真空容器2の下部
9 開口部
10 Oリング
11 上部フランジ
12 下部フランジ
13 接合チャンバフランジ
16 遮光板
21 Oリング
131 導電性ヒータ
132 フィラメント
133 第1の支柱
135 熱反射板
136 第2の支柱
137 中間ベース板
138 碍子
139 第3の支柱

Claims (6)

  1. 真空熱処理装置において、
    その内部空間を真空に排気するための排気用開口を有する加熱容器(3)であって、該内部空間内に配置された加熱手段(132)により加熱された壁が輻射熱を発する加熱容器(3)、
    排気ポンプ(4)に接続された加熱容器接合チャンバ(1)であって、該加熱容器の排気用開口と連結される連結用開口を有し、該連結用開口の周囲に設けられた該接合チャンバの環状フランジ(13)の面に該加熱容器の排気用開口周囲の加熱容器の環状フランジ(14)の面が接合されている加熱容器接合チャンバ(1)、及び
    被加熱基板(5)をその内部空間に配置する真空処理チャンバ(2)であって、該加熱容器を該真空処理チャンバの内部空間に収容するよう該加熱容器が接合された該加熱容器接合チャンバを該真空処理チャンバ壁に取付けている真空処理チャンバ()とからなり、
    該接合チャンバの環状フランジ面に環状の溝(23)が設けられ、該溝にOリングが挿置され、該Oリング(21)を介して該接合チャンバと該加熱容器のそれぞれの環状フランジ面が圧接されて該加熱容器が該接合チャンバに接合されており、
    接合された加熱容器側に向かって延在する環状突起部(24)が該接合チャンバの環状フランジの開口縁に設けられ、該加熱容器の環状フランジ面は該環状突起部より半径方向に外側に位置している真空熱処理装置。
  2. 前記加熱容器はグラファイト製である請求項1に記載の真空熱処理装置。
  3. 前記接合チャンバはアルミニウム製である請求項1又は2に記載の真空熱処理装置。
  4. 前記真空処理チャンバは、開口により連結されて接合された上部チャンバと下部チャンバとからなり、該加熱容器は該開口を貫いて取付けられ、該加熱容器の輻射熱を発する壁は該下部チャンバに、そして該接合チャンバへの接合部は該上部チャンバに配置され、該上部チャンバと下部チャンバの接合面はOリングにより密封され、該接合面において該加熱容器と該Oリングとの間に互いに嵌めあう段差(16−16’)が形成されている請求項1に記載の真空熱処理装置。
  5. 前記突起部は、該接合チャンバの環状フランジの開口縁からひさし状に下がっている請求項1に記載の真空熱処理装置。
  6. 基板を熱処理する工程を有する半導体デバイスの製造方法において、請求項1ないし5のいずれかの真熱処理装置を用いて前記基板の熱処理を行うことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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