JP6316035B2 - モータ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ構造に係り、特に、フレーム構造およびモータ取付板の組立構造の改良に関する。
モータは、ステータ(固定子)部、ロータ(回転子)部、出力側(負荷側)ブラケット、および反出力側(反負荷側)ブラケットに大別できる。出力側および反出力側のブラケットは、ハウジング部を有し、ハウジング部は、出力側および反出力側のベアリングを支持する。出力側および反出力側のベアリングは、ロータの回転軸を回転自在に支承する。出力側のベアリングは、負荷荷重を強く受けるため、損傷が多い部分である。
ベアリングのハウジング部に関する技術としては、たとえば、モータ回転子のベアリングを支持するハウジング部に、カップ型で、複数の貫通する小孔を設けた鉄ブッシュをインサート成形したアルミニウム製モータブラケットが開示されている(下記特許文献1参照)。
また、フレーム(ケース)に出力側ベアリングのハウジング部が一体形成され、フレームの一方を開口して、該開口側にケース蓋やセンサ基板を配置し、ケース蓋に反出力側ベアリングのハウジング部が形成されたインナーロータブラシレスモータが開示されている(下記特許文献2参照)。
特開平6−38438号公報 特開2009−100531号公報
特許文献1の技術によれば、アルミニウム製のブラケットに、同材質のカップ型ハウジング部が形成されている。ベアリング鋼の硬度は高いため、ベアリングの外輪とハウジング部との摺動によって、硬度の低いハウジング部側に摩耗が生じる。そのため、当該アルミニウム製のハウジング部に鉄製ブッシュを鋳込み、ハウジング部の摩耗を防止している。
しかし、ベアリングのハウジング部を備えたブラケットとフレームとは、別部品で構成されているので、ハウジング部とフレームとでロータの芯ずれが生じやすい。ロータの芯ずれにより、ベアリングに過大なモーメント荷重が掛かると、ベアリングが破損してしまう。
特許文献2の技術によれば、出力側ベアリングのハウジング部はフレームと一体形成されている。当該フレームには、エンコーダ等の装置に取り付けるためのモータ取付板がねじ止めされる。
しかし、モータの径方向サイズが小さい場合は、モータ取付板とフレームとをねじ止めするための場所を確保することができず、組立作業を容易に行うことができない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ベアリングのハウジング部とフレームとのロータ芯出しを容易に行うことができるモータ構造の提供を目的とする。
また、本発明は、出力側ベアリングのハウジング部の摩耗を防止することができ、モータの径方向サイズが小さい場合でも、モータ取付板の組立作業を容易に行うことができるモータ構造の提供を目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るモータ構造は、フレーム、ステータ、ロータ、出力側ブラケット、および反出力側ブラケットを備える。
上記フレームの出力側端には、出力側ベアリングのハウジング部が一体形成される。該ハウジング部の外径は、嵌合凸部として形成される。上記フレームの反出力側端には、開口部を有するフランジ部が一体形成される。反出力側ベアリングを収容するための反出力側ブラケットには、上記フランジ部の開口部に嵌合する凸部が一体形成される。
上記嵌合凸部には、上記出力側ブラケットを嵌合する。上記フランジ部の開口部には、上記反出力側ブラケットの凸部を嵌合する。
本発明に係るモータ構造は、フレームの嵌合凸部に、出力側ブラケットを嵌合するとともに、フランジ部の開口部に、反出力側ブラケットの凸部を嵌合する。したがって、本発明に係るモータ構造によれば、ベアリングのハウジング部とフレームとのロータ芯出しを容易に行うことができる。
第1実施形態に係るモータ構造の分解斜視図である。 第1実施形態におけるフレームを出力側から観た状態の斜視図である。 第1実施形態における出力側ブラケットの斜視図である。 第1実施形態における出力側ベアリング周辺の断面図である。 第1実施形態におけるフレームを反出力側から観た状態の斜視図である。 第1実施形態における反出力側ブラケットの斜視図である。 第2実施形態におけるモータ取付板の組立前の斜視図である。 第2実施形態におけるモータ取付板の組立後の斜視図である。 従来のモータ構造におけるモータ取付板の組立前の斜視図である。 従来のモータ構造におけるモータ取付板の組立後の斜視図である。
以下、図面を参照して、第1および第2実施形態に係るモータ構造について説明する。
第1実施形態に係るモータ構造は、フレームの嵌合凸部に、出力側ブラケットを嵌合するとともに、フランジ部の開口部に、反出力側ブラケットの凸部を嵌合する。したがって、第1実施形態によれば、ベアリングのハウジング部とフレームとのロータ芯出しが容易なモータ構造を実現することができるようになる。
〔第1実施形態〕
[モータ構造の構成]
まず、図1から図6を参照して、第1実施形態に係るモータ構造の構成について説明する。図1は第1実施形態に係るモータ構造の分解斜視図である。図2は第1実施形態におけるフレームの外観の斜視図である。図3は第1実施形態における出力側ブラケットの斜視図である。図4は第1実施形態における出力側ベアリング周辺の断面図である。図5は第1実施形態におけるフレームを反出力側から観た状態の斜視図である。図6は第1実施形態における反出力側ブラケットの斜視図である。
本実施形態に係るモータ構造は、特に、径方向サイズが小さいモータに好適である。
図1に示すように、本実施形態のモータ100は、主要構成要素として、フレーム1、ステータ(図示せず)、ロータ2、出力側ブラケット3、および反出力側ブラケット4を備える。
図1および図2に示すように、フレーム1は概ね円筒体状の金属部材である。フレーム1内には、ステータ(図示せず)およびロータ2を収容するための円柱状の空間が区画されている。
フレーム1の軸方向の出力側端には、出力側ベアリング31のハウジング部11が形成されている。ハウジング部11の内外径は、フレーム1の内外径よりも縮径されている。ハウジング部11は、出力側ブラケット3に嵌合するための嵌合凸部11aとして出力側へ突出している。当該ハウジング部11の嵌合凸部11aとフレーム1の最外径円筒部1aとの間には、出力側ブラケット3との嵌合時に使用する位置決め用凹部12が形成されている。
フレーム1の軸方向の反出力側端には、中央部が開口したフランジ部13が一体的に形成されている。フランジ部13は、概ね矩形状を呈しており、フレーム1の最外径円筒部1aから径方向外方へ張り出している。フランジ部13の四隅には、取付孔14が開口されている。当該取付孔14は、円弧状の切り欠き部として形成されている。
ハウジング部11およびフランジ部13を含むフレーム1は、鉄系の強磁性材料により形成される。すなわち、フレーム1は、ステータコアとして機能し、モータ100の磁気回路も兼ねた構造を有する。フレーム1を鉄系の材質で形成することにより、強い負荷が掛かる出力側ベアリング31のハウジング部11の硬度を高めて、当該ハウジング部11の摩耗を防止することができる。
またフレーム1は、バックヨークコアとしても機能する。したがって、フレーム1は、磁力線を閉じて、電磁誘導効果を最大にする機能を有する。さらにフレーム1は、モータの周辺機器が電磁誘導による磁界の影響を受けるのを防止する機能も有する。すなわち、バックヨークコアを兼ねた構成にすることにより、ステータコア内径と出力側ベアリング31との同軸精度を向上させている。
ロータ2は、回転軸21の周囲に巻回されたコイル22を有する。ロータ2は、フレーム1内に、ステータと隙間を隔てて収容される。
フレーム1の嵌合凸部11aには、出力側ブラケット3が嵌合される。すなわち、出力側ブラケット3の突当面には、フレーム1の嵌合凸部11aに嵌合するための嵌合凹部(図示せず)が形成されている。
図3に示すように、出力側ブラケット3のフレーム1との接触面には、当該フレーム1の位置決め用凹部12に係合する位置決め用凸部32が形成されている。出力側ブラケット3の四隅には、後述する通しボルト7を挿通させるための挿通孔33が形成されている。対角に位置する2箇所の挿通孔33の周辺には、通しボルト7の頭部が着座するための座面34が形成されている。
出力側ベアリング31は、フレーム1のハウジング部11内に収容される。図1および図4に示すように、出力側ベアリング31と出力側ブラケット3との間には、予圧ばね6が挟み込まれる。出力側ベアリング31と出力側ブラケット3との間に予圧ばね6を挟み込むことで、出力側ベアリング31に軸方向の圧力を与えている。
さらに、予圧ばね6は、フレーム1のハウジング部11内に当該予圧ばね6の全てまたは一部を入れ込み、出力側ブラケット3の反出力側の突き当て面の位置で予圧量を決めている。このように予圧ばね6を設定することで、当該予圧ばね6の外周部が出力側ベアリング31の外輪接合部に噛み込んだ状態で組立ててしまうことを防止している。
フランジ部13には、矩形ブロック状の反出力側ブラケット4が組み付けられる。反出力側ベアリング41は、反出力側ブラケット4と軸受ボルト5との間に挟み込んで固定される。
図5に示すように、フランジ部13の中央部には、円形の開口部13aが形成されている。フランジ部13の反出力側ブラケット4との突当面には、反出力側ブラケット4の方向へ突出した嵌合凸部15が形成されている。嵌合凸部15は、対角の取付孔14近傍の2箇所に形成されている。
他方、図6に示すように、反出力側ブラケット4の中央部には、フランジ部13の円形開口部13aに嵌合するためのリング状凸部4aが形成されている。反出力側ブラケット4のフランジ部13との突き当て面には、嵌合凹部45が形成されている。嵌合凹部45は、フランジ部13の嵌合凸部15に対応する部位の2箇所に形成されている。反出力側ブラケット4の四隅には、後述する通しボルト7および取付ボルト9を挿通させるための挿通孔43が形成されている。
フレーム1のフランジ部13と反出力側ブラケット4とを組み立てる際には、フランジ部13の円形開口部13aに、反出力側ブラケット4のリング状凸部4aが嵌合される。さらに、反出力側ブラケット4の嵌合凹部45に、フランジ部13の嵌合凸部15を嵌合させることで、反出力側ブラケット204とフランジ部13との位置決めを容易に行うことができる。なお、反出力側ブラケット204の突き当て面に嵌合凸部を形成し、フランジ部13の突き当て面に嵌合凹部を形成してもよい。
出力側ブラケット3から反出力側ブラケット4に至るまでは、2本の通しボルト7によって締結される。2本の通しボルト7は、出力側ブラケット3の座面34に当該通しボルト7の頭部が着座するように挿通される。2本の通しボルト7によって、出力側ブラケット3、フレーム1および反出力側ブラケット4が一体的に組み立てられる。出力側ベアリング31および反出力側ベアリング41には、ロータ2の回転軸21が回転自在に支承される。
[モータ構造の作用]
次に、図1から図8を参照して、第1実施形態に係るモータ構造の作用について説明する。
本実施形態に係るモータ構造では、フレーム1の軸方向の出力側端に、出力側ベアリング31のハウジング部11が一体形成されている。フレーム1のハウジング部11には、出力側ベアリング31が収容される。
ハウジング部11は、出力側ブラケット3に嵌合するための嵌合凸部11aとして出力側へ突出している。当該ハウジング部11の嵌合凸部11aに、出力側ブラケット3の嵌合凹部(図示せず)が嵌合される。出力側ブラケット3とフレーム1との嵌合に際して、フレーム1の位置決め用凹部12に出力側ブラケット3の位置決め用凸部32が係合される。
フレーム1は、ステータコアとバックヨークコアとを兼ねた構成となっているので、ステータコア内径と出力側ベアリング31との同軸精度を向上させることができる。
また、フレーム1を鉄系の強磁性材料で形成しているので、強い負荷が掛かる出力側ベアリング31のハウジング部11の硬度を高めて、当該ハウジング部11の摩耗を防止することができる。
すなわち、本実施形態に係るモータ構造によれば、出力側ベアリング31のハウジング部11の材質が高硬度であるので、当該ハウジング部11の摩耗を防止することができる。かつ、出力側ベアリング31のハウジング部11とフレーム1とが一体形成されているので、ロータ芯出しがしやすい。
また、出力側ベアリング31と出力側ブラケット3との間に予圧ばね6を挟み込むことにより、出力側ベアリング31に軸方向の圧力を与えることができる(図4参照)。
さらに、本実施形態に係るモータ構造は、フレーム1のフランジ部13と反出力側ブラケット4との位置決め構造を有している(図5および図6参照)。また、フランジ部13はフレーム1と一体形成されている。さらに、反出力側ベアリングは、反出力側ブラケット4のハウジング部に収容される。したがって、本実施形態によれば、ステータコア内径と反出力側ベアリングとの同軸精度を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、図7から図10を参照して、第2実施形態に係るモータ構造におけるモータ取付板の組立構造について説明する。図7は第2実施形態におけるモータ取付板の組立前の斜視図である。図8は第2実施形態におけるモータ取付板の組立後の斜視図である。なお、第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図7および図8に示すように、モータ取付板8は、出力側ブラケット3に突き当てて組み立てられる。モータ取付板8の中央部には、回転軸21の出力端を露出させるための円形の開口部81が形成されている。当該開口部81には、出力側ブラケット3の出力側端面に形成された凸状リング部35が嵌合される。
また、モータ取付板8の開口部81の近傍には、取付ボルト9を螺合するための雌ねじ部82が形成されている。雌ねじ部82は、対角に位置する挿通孔33に対応して、2箇所に形成されている。
モータ取付板8の取付ボルト9は、反出力側から挿通される。反出力側ブラケット4には、取付ボルト9の頭部が着座する座面(図示せず)が形成されている。反出力側ブラケット4にモータ取付板8の取付ボルト9の座面を配置することにより、モータ100の取り付けを反出力側から行うことができる。モータ100の取り付けを反出力側から行うことができるので、モータ取付板8の取り付けを簡便に行うことができる。
ここで、図9および図10を参照し、比較例として、従来のモータ取付板の組立構造について説明する。
図9は従来のモータ構造におけるモータ取付板の組立前の斜視図である。図10は従来のモータ構造におけるモータ取付板の組立後の斜視図である。
図9および図10に示すように、モータ300とモータ取付板308との組立作業は、当該モータ300の出力側から行っていた。すなわち、モータ取付板308側からモータ300の出力側端に取付ボルト309を螺合して、当該モータ取付板308に取付ボルト309の頭部を着座させていた。
しかし、従来のモータ取付板の組立構造は、出力側から組立作業を行わなければならない。モータ径方向サイズが小さく、また狭い場所にモータを取り付ける場合には、組立作業の作業性が非常に悪かった。このため、本実施形態のように、取付ボルトを反出力側から締結可能なモータ取付板の組立構造がモータユーザから要望されていた。
すなわち、本実施形態のモータ取付板8の組立構造は、モータ取付板8の取り付け作業を反出力側から行うことができるので、モータ径方向サイズが小さく、また狭い場所においても、モータ取付板8の組立作業を容易に行うことができるものである。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
1 フレーム、
2 ロータ、
3 出力側ブラケット、
4 反出力側ブラケット、
4a 反出力側ブラケットの凸部、
5 軸受ボルト、
6 予圧ばね、
7 通しボルト、
8 モータ取付板、
9 取付ボルト、
11 出力側ベアリングのハウジング部、
11a 嵌合凸部、
13 フランジ部、
13a 開口部、
31 出力側ベアリング、
41 反出力側ベアリング、
100 モータ。

Claims (8)

  1. フレーム、ステータ、ロータ、出力側ブラケット、および反出力側ブラケットを備えるモータ構造であって、
    前記フレームの出力側端に、出力側ベアリングのハウジング部を一体形成するとともに、該ハウジング部の外径を嵌合凸部として形成し、
    前記フレームの反出力側端に、開口部を有するフランジ部を一体形成するとともに、反出力側ベアリングを収容するための反出力側ブラケットに、前記フランジ部の開口部に嵌合する凸部を一体形成し、
    前記嵌合凸部に前記出力側ブラケットを嵌合するとともに、前記フランジ部の開口部に前記反出力側ブラケットの凸部を嵌合することを特徴とするモータ構造。
  2. 前記嵌合凸部と前記出力側ブラケットとは、位置決め構造を有することを特徴とする請求項1に記載のモータ構造。
  3. 前記出力側ベアリングと前記出力側ブラケットとの間に、予圧ばねを挟み込んでいることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ構造。
  4. 前記フランジ部と前記反出力側ブラケットとは、位置決め構造を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモータ構造。
  5. 前記反出力側ベアリングは、軸受ボルトによって、前記反出力側ブラケット内に固定されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のモータ構造。
  6. 前記フレームの前記嵌合凸部に前記出力側ブラケットを嵌合するとともに、前記フランジ部に前記反出力側ブラケットを突き当てて、前記フランジ部の開口部に前記反出力側ブラケットの凸部を嵌合し、
    前記出力側ブラケットと前記反出力側ブラケットとの間に前記フレームを挟み込んで、出力側から通しボルトを挿通させて締結したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモータ構造。
  7. 前記フレームは、鉄系の強磁性材料で形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のモータ構造。
  8. 前記反出力側ブラケットにモータ取付板の取付ボルトの座面を形成し、反出力側から前記取付ボルトを締結して、前記モータ取付板にモータを取り付けることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のモータ構造。
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