JP6315399B2 - ガラス部材 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品デバイスの構成部材である筐体、光拡散板、多層配線基板等に用いられるガラス部材に関する。
従来、電子部品デバイスの構成部材である筐体、光拡散板、多層配線基板等として、強化ガラスが使用されている。強化ガラスとしては、ソーダ石灰ガラスや硼珪酸ガラスの風冷強化処理品あるいはイオン交換処理品等が挙げられる。
風冷強化ガラスは、前駆体ガラスを軟化点以上に加熱した後、冷却空気を高圧で吹き付けることにより、表面に圧縮応力層を形成することにより作製される。一方、イオン交換強化ガラスは、例えばアルカリ金属溶融塩に前駆体ガラスを浸漬することにより作製される。ここで、ガラス表層におけるイオン半径の比較的小さいイオン(例えばNaイオン)と、溶融塩中におけるイオン半径の比較的大きいイオン(例えばKイオン)とのイオン交換反応が進行することにより、ガラス表層の容積増加が起こって圧縮応力が発生し、その結果、ガラスの機械的強度が向上する(例えば、特許文献1または2参照)。
特開平10−182182号公報 特開2004−99370号公報
上記の通り、前駆体ガラスに対して強化処理を施すことにより、相当程度の強度向上を図ることは可能である。しかしながら、それでも強度は十分とは言えず、電子部品デバイスの構成部品として使用した場合に、依然として破損が発生しやすいという問題がある。
以上に鑑み、本発明は、従来の強化ガラスよりも高い強度を有するガラス部材を提供することを課題とする。
本発明のガラス部材は、ガラス粉末焼結体からなり、表層にイオン交換層を有することを特徴とする。
本発明者は、ガラス粉末焼結体はバルク状ガラスと比較して、表層に圧縮応力層が形成されやすく機械的強度が高くなることを見出した。この詳細なメカニズムは不明であるが、ガラス粉末焼結体には各ガラス粉末間に粒界が存在するため、イオン交換処理の際に溶融塩が内部に浸透しやすいためであると考えられる。また、所望の機械的強度を得るためのイオン交換処理時間を短縮できるという効果もある。
また、本発明のガラス部材は、ガラス粉末焼結体から構成されるため、バルク状ガラスと異なり、内部に機能性セラミック粉末等を分散させることが容易である。また、多様な形状に成形することも容易である。
本発明のガラス部材は、イオン交換層において、相対的にイオン半径の大きいアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンの濃度が、ガラス部材の表面から内部にかけて低下し、かつ、相対的にイオン半径の小さいアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンの濃度が、ガラス部材の表面から内部にかけて上昇することが好ましい。
本発明のガラス部材は、イオン交換層において、Kイオン濃度が、ガラス部材の表面から内部にかけて低下し、かつ、Naイオン濃度が、ガラス部材の表面から内部にかけて上昇することが好ましい。
本発明のガラス部材において、ガラス粉末は、モル%で、SiO 30〜80%、B 0〜30%、及びLiO+NaO+KO 0.1〜40%を含有することが好ましい。
本発明のガラス部材において、ガラス粉末は、さらにモル%で、LiO 0〜30%、NaO 0〜30%、KO 0〜30%、MgO 0〜30%、CaO 0〜30%、SrO 0〜30%、BaO 0〜30%、Al 0〜30%、及びZnO 0〜25%を含有することが好ましい。
本発明のガラス部材は、セラミック粉末を含有することが好ましい。
本発明のガラス部材の製造方法は、ガラス粉末を含む原料粉末を焼成して焼結体を得る工程、及び、焼結体に対してイオン交換処理を施す工程、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、従来の強化ガラスよりも高い強度を有するガラス部材を提供することが可能となる。
本発明のガラス部材の一実施形態を示す模式図である。 本発明のガラス部材の別の実施形態を示す模式図である。
図1は、本発明のガラス部材の一実施形態を示す模式図である。図1に示すように、ガラス部材1は板状である。ガラス部材1はガラス粉末焼結体から構成されており、表層にイオン交換層を有している。
具体的には、イオン交換層において、相対的にイオン半径の大きいアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンの濃度が、ガラス部材1の表面から内部にかけて低下し、かつ、相対的にイオン半径の小さいアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンの濃度が、ガラス部材1の表面から内部にかけて上昇する構造を有している。アルカリ金属イオンとしては、Liイオン、Naイオン、Kイオン、RbイオンまたはCsイオンが挙げられる。アルカリ土類金属イオンとしては、Mg2+イオン、Ca2+イオン、Sr2+イオンまたはBa2+イオンが挙げられる。
特に、イオン交換層において、Kイオン濃度が、ガラス部材1の表面から内部にかけて低下し、かつ、Naイオン濃度が、ガラス部材1の表面から内部にかけて上昇することが好ましい。このような構成であれば、ガラス部材1の表層に圧縮応力層が形成されやすくなる。
ガラス粉末としては、例えばSiO−B−R’O系ガラス、SiO−B−RO系ガラス、SnO−P−R’O系ガラス、SnO−P−RO系ガラス、TeO−R’O系ガラス、TeO−RO系ガラス、Bi−R’O系ガラス、Bi−RO系ガラス等(ただし、R’はLi、Na、K、Rb及びCsから選択される少なくとも1種、RはMg、Ca、Sr及びBaから選択される少なくとも1種)が使用される。ガラス組成としては、SiO、B、P、BiまたはTeOのいずれか1種類以上を好ましくは10〜99モル%、より好ましくは12〜95モル%含有することが好ましい。これらの成分の含有量が少なすぎると、ガラス化しにくくなる。
なかでも、SiO−B−R’O系ガラスはイオン交換処理により、ガラス部材1の表層に圧縮応力層を形成しやすいため好ましい。SiO−B−R’O系ガラスとしては、例えばモル%で、SiO 30〜80%、B 0〜30%、及びLiO+NaO+KO 0.1〜40%を含有するものが好ましい。ガラス組成をこのように限定した理由を以下に説明する。なお、以下の説明において、特に断りがない限り「%」はモル%を意味する。
SiOはガラス骨格を形成する成分である。SiOの含有量は好ましくは30〜80%、より好ましくは40〜65%である。SiOの含有量が少なすぎると、化学的耐久性が低下する傾向にある。一方、SiOの含有量が多すぎると、溶融温度が高くなり、ガラス化しにくくなる。
は溶融温度を低下させて溶融性を改善する効果が高い成分である。Bの含有量は好ましくは0〜30%、より好ましくは5〜25%である。Bの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下する傾向にある。
アルカリ金属酸化物であるLiO、NaO及びKOは、イオン交換処理によりガラス部材1の表層に圧縮応力層を形成するために使われる成分である。また、溶融性を改善する効果を有する。LiO+NaO+KOの含有量は好ましくは0.1%〜40%、より好ましくは2.5〜35%である。これらの成分の合量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、これらの成分の合量が多すぎると、成形時に失透しやすくなる。なお、LiO、NaO及びKOの各成分の含有量は、それぞれ好ましくは0〜30%、より好ましくは1〜25%である。
SiO−B−R’O系ガラスには、上記成分以外にも下記の成分を含有させることができる。
Alはイオン交換性能に影響を与える成分であり、その含有量は好ましくは0〜30%、より好ましくは3〜25%である。Alの含有量が多すぎると、溶融性が低下する傾向がある。
アルカリ土類金属であるMgO、CaO、SrO及びBaOは、イオン交換処理によりガラス部材1の表層に圧縮応力層を形成するために使われる成分である。また、溶融温度を低下させて溶融性を改善する成分でもある。これらの成分の含有量は、それぞれ好ましくは0〜30%、より好ましくは0.1〜20%である。これらの成分の含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下する傾向にある。
ZnOは溶融温度を低下させて溶融性を改善する成分である。また、分相を促進する効果もある。ガラス部材1が分相することにより、光拡散特性の向上が期待できる。ZnOの含有量は好ましくは0〜25%、より好ましくは0.1〜23%である。ZnOの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下する傾向にある。
上記成分以外にも、溶融性を向上させたり、軟化点を低下させて低温焼結させやすくしたりためにPを5%まで、化学的耐久性を向上させるためにTa、TiO、Nb、Gd、La、Y、CeO、Sb、SnO、Bi、TeOまたはZrOを合量で15%まで含有させてもよい。また、光学特性制御や抗菌作用を付与する目的としてAgOを含有させてもよい。さらにガラス部材を発光させたい場合は、ガラス粉末中にEu、Sm、Ce等の発光中心イオンを導入してもよい。
上記ガラス粉末の焼結体であるガラス部材1の組成も上記の範囲にあることが好ましい。
なお、ガラス粉末は結晶性ガラス粉末であってもよい。この場合、焼成によりガラス内部に結晶が析出するため、ガラス部材1の機械的強度を高めたり、熱膨張係数を制御したりすることができる。ここで、ガラス部材1の結晶化度は95%以下であることが好ましい。結晶化度が高すぎると、残存ガラス相の割合が少なくなって、イオン交換層を形成することが困難になる傾向がある。
ガラス粉末の平均粒子径D50は好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは1〜50μmである。ガラス粉末の平均粒子径D50が小さすぎると、焼成時に気孔の発生量が多くなる。ガラス部材1中に気孔が多く含まれると、イオン交換後においても強度が低下する傾向がある。また、水分等が内部に浸入しやすくなり化学的耐久性が低下するおそれがある。ガラス部材1における好ましい気孔率は10体積%以下、特に9体積%以下である。一方、ガラス粉末の平均粒子径D50が大きすぎる場合も、ガラス部材1中に気孔が多く発生して、ガラス部材1の強度が低下する傾向がある。
なお、本発明において、平均粒子径D50はレーザー回折法により測定した値をいう。
図2は、本発明のガラス部材の別の実施形態を示す図である。図2に示すように、本発明のガラス部材1は、ガラス粉末焼結体からなるガラスマトリクス2中にセラミック粉末3を分散させてなる構造を有していてもよい。セラミック粉末3としては、一般に市場で入手可能な材料であれば特に限定されず、例えば低温型石英、低温型クリストバル石、アルミナ、ガーネット、正方晶ジルコニア、ガーナイト、コージエライト等が挙げられる。これらは熱膨張係数や光学特性を制御することを目的として使用される。
また必要に応じて、熱膨張特性や光学特性の制御のために石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラス粉末、発光特性の制御のためにYAG蛍光体等の蛍光体粉末を含有させることができる。またガラス部材を着色させたい場合は、Co、MnまたはFe系等の無機顔料セラミック粉末を含有させることができる。
ガラス部材1がこれらのセラミック粉末を含有することにより、入射光を散乱させる効果がより大きくなり、光拡散特性が向上する。なお、入射光の散乱効果を高めるには、ガラス粉末とセラミック粉末の屈折率差が大きくなるよう組み合わせることが好ましい。具体的には、ガラス粉末とセラミック粉末の屈折率差(nd)は0.05〜0.2であることが好ましく、0.1〜0.15であることがより好ましい。屈折率差が大きすぎると、入射光の散乱効果が高くなりすぎて散乱損失となり、透過率が低下する傾向がある。
セラミック粉末3の平均粒子径D50は、好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは0.1〜50μmである。セラミック粉末3の平均粒子径D50が小さすぎると、ガラス部材1の緻密性が損なわれ、気孔等の欠陥が生じるおそれがある。一方、平均粒子径D50が大きすぎると、ガラス部材1中にセラミック粉末3が均一に分散されにくくなり、強度低下の原因となる傾向がある。
ガラス部材1におけるセラミック粉末3の含有量は、体積%で、好ましくは1〜60%、より好ましくは2〜55%である。セラミック粉末3の含有量が少なすぎると、所望の特性が得られにくくなる。一方、セラミック粉末3の含有量が多すぎると、ガラス部材1の緻密性が低下し、機械的強度が低下する傾向がある。なお、要求特性に応じて、複数のセラミック粉末を混合して用いてもよい。
ガラス部材1の厚みは、好ましくは0.1〜5mm、より好ましくは0.5〜1.5mmである。ガラス部材1の厚みが小さすぎると、強度が不十分となるため、表層に圧縮応力層を形成すると自己崩壊するおそれがある。一方、ガラス部材1の厚みが大きすぎると、例えば可視域透過率が低下し、透光性が要求される用途への使用が困難になる傾向がある。なお、ガラス部材1の形状は特に限定されず、板状以外にも、ファイバー状、球状、半球状、半球ドーム状等が挙げられる。なお、ガラス部材1は、アルミナ基板、ガラス基板、YAGセラミック基板、透光性セラミック基板、金属基板等の無機基板表面に融着または接着させた後、イオン交換層を形成させて使用することも可能である。
次に、ガラス部材1の製造方法について説明する。
ガラス部材1は、ガラス粉末を含む原料粉末を焼成して焼結体を得る工程、及び、焼結体に対してイオン交換処理を施す工程、を含む方法により製造される。
ガラス粉末は、必要に応じて予備成形した後に焼成する。予備成形方法は特に制限されず、プレス成形法、射出成形法、シート成形法、押出し成形法等を採用することができる。
ガラス粉末の焼成温度は、ガラス粉末の軟化点以上であることが好ましく、軟化点+50℃以上であることがより好ましい。焼成温度が低すぎると、ガラス粉末が十分に軟化流動せず、ガラス部材1中に気孔が残存して強度が低下しやすくなる。一方、焼成温度の上限は特に限定されないが、焼成温度が高すぎると、焼成時にガラス中の溶存ガスが放出され、焼結体内部に気孔が発生しやすくなり、ガラス部材1の機械的強度が低下する傾向がある。よって、焼成温度はガラス粉末の軟化点+250℃以下であることが好ましい。
焼結体に対するイオン交換処理の具体例としては、焼結体をアルカリ金属溶融塩に浸漬し、ガラス部材1表層におけるアルカリ金属イオンと、アルカリ金属溶融塩中のアルカリ金属イオンを置換する方法が挙げられる。例えば、組成としてNaOを含む焼結体を、硝酸カリウム溶融塩に浸漬することにより、ガラス部材1の表層における相対的にイオン半径の小さいNaイオンと、硝酸カリウム溶融塩から導入される、相対的にイオン半径の大きいKイオンのイオン交換反応が進行する。これにより、Kイオン濃度がガラス部材1の表面から内部にかけて低下し、かつ、Naイオン濃度がガラス部材1の表面から内部にかけて上昇するイオン交換層が、ガラス部材1の表層に形成される。その結果、ガラス部材1の表層において容積増加が起こり、圧縮応力層が形成され、機械的強度が向上する。
アルカリ金属溶融塩の温度は、ガラス粉末の歪点±150℃以内の範囲であることが好ましい。アルカリ金属溶融塩の温度が上記温度範囲外であると、イオン交換反応が進行しにくくなるおそれがある。
なお、イオン交換処理を行う前に、必要に応じて、焼結体に対して研削、研磨またはリプレス等による加工を行っても構わない。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)試料の作製
表1及び2は実施例(No.1〜4、6、8、10)及び比較例(No.5、7、9、11〜13)を示している。
まず、表に示すガラス組成となるように原料粉末を秤量して混合し、得られた混合物を白金坩堝中において900〜1600℃で2時間溶融してガラス化した。溶融ガラスをフィルム状に成形し、得られたフィルム状ガラスをボールミルで粉砕した後、325メッシュの篩に通して分級し、平均粒子径D50が30μmのガラス粉末を得た。なお、同組成のバルクガラスを別途作製し、歪点及び軟化点を測定した。歪点はASTMC336に基づいて測定し、軟化点はASTMC338に基づいて測定した。
次に、ガラス粉末に対し、必要に応じて表に示すセラミック粉末を混合し、金型を用いて加圧成形して予備成形体を作製した。予備成形体を表に示す焼成温度で焼成し、焼結体を得た。得られた焼結体に研磨加工処理を施すことにより、3点曲げ強度試験用として3mm×4mm×40mmの棒状試料を、またヘイズ率評価用として10mm×10mm、厚さ0.2mmの板状試料をそれぞれ作製した。なお、No.13ではバルク状ガラスを使用した。
No.1〜4、5、8、10及び13については、得られた試料に対してイオン交換処理を行った。イオン交換処理は、表に示す温度で硝酸カリウム溶融塩中に4時間浸漬することにより行った。
(2)各特性の測定
得られた各試料について、下記の方法に従い、3点曲げ強度、ヘイズ率、及び試料表層(試料におけるガラスマトリクスの表層)におけるアルカリ金属イオンの濃度勾配(イオン交換層の有無)について測定または評価を行った。結果を表1及び2に示す。
3点曲げ強度試験はJIS R 1601に基づいて測定した。
ヘイズ率はJIS K7105に基づいて測定した。
表層におけるアルカリ金属イオンの濃度勾配は、グロー放電発光表面分析装置(堀場製作所製 GD−Profiler2)を用いて測定した。具体的には、各試料の表層におけるNaイオン及びKイオンの濃度を測定して、深さ方向における各成分の濃度プロファイルを作製し、表面から内部にかけて濃度勾配が認められた場合は「○」、認められなかった場合は「×」として評価した。
結晶化度は粉末X線回折計を用いて測定した。
(3)結果
実施例であるNo.1〜4、6、8、10の試料は、表層においてアルカリ金属イオンの濃度勾配が認められた。具体的には、Kイオンについては、表面から深さ20〜40μmにかけて濃度が低下し、それより深い場所では濃度がほぼ一定であった。一方、Naイオンについては、表面から深さ20〜40μmにかけて濃度が上昇し、それより深い場所では濃度がほぼ一定であった。すなわち、実施例の試料は、表層においてアルカリ金属イオンによるイオン交換層が形成されていることがわかる。このように、実施例であるNo.1〜4、6、8、10の試料は、表層にイオン交換層を有するため、3点曲げ強度が341MPa以上と高かった。
一方、比較例であるNo.5、7、9、11及び12の試料は、表面から内部にかけて、Kイオン濃度及びNaイオン濃度が一定であり、濃度勾配が認められなかった。すなわち、これらの試料には、表層にイオン交換層が形成されていなかった。そのため、これらの試料は3点曲げ強度が230MPa以下と低かった。なお、No.13の試料は、表層においてアルカリ金属イオンの濃度勾配が認められ、イオン交換層が形成されていたものの、バルク状ガラスのためNo.10の試料より3点曲げ強度が低かった。
1 ガラス部材
2 ガラスマトリクス
3 セラミック粉末

Claims (7)

  1. モル%で、SiO 30〜80%、B 0〜30%、Al 3〜30%、BaO 0.1〜30%、及びLiO+NaO+K〜40%を含有し、かつ、Li O又はNa Oの含有量が1〜30%以上であるガラス粉末の焼結体からなり、表層にイオン交換層を有することを特徴とするガラス部材。
  2. イオン交換層において、相対的にイオン半径の大きいアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンの濃度が、ガラス部材の表面から内部にかけて低下し、かつ、相対的にイオン半径の小さいアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンの濃度が、ガラス部材の表面から内部にかけて上昇することを特徴とする請求項1に記載のガラス部材。
  3. イオン交換層において、Kイオン濃度が、ガラス部材の表面から内部にかけて低下し、かつ、Naイオン濃度が、ガラス部材の表面から内部にかけて上昇することを特徴とする請求項2に記載のガラス部材。
  4. ガラス粉末が、さらにモル%で、Li〜30%、NaO 0〜30%、KO 0〜30%、MgO 0〜30%、CaO 0〜30%、SrO 0〜30%、及びZnO 0〜25%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス部材。
  5. ガラス粉末が、さらにモル%で、Li O 0〜30%、Na O 1〜30%、K O 0〜30%、MgO 0〜30%、CaO 0〜30%、SrO 0〜30%、及びZnO 0〜25%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス部材。
  6. セラミック粉末を含有することを特徴とする請求項1〜に記載のガラス部材。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス部材を製造するための方法であって、ガラス粉末を含む原料粉末を焼成して焼結体を得る工程、及び、焼結体に対してイオン交換処理を施す工程、を含むことを特徴とするガラス部材の製造方法。
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