JP6313586B2 - ダンパ制御装置 - Google Patents

ダンパ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6313586B2
JP6313586B2 JP2013259897A JP2013259897A JP6313586B2 JP 6313586 B2 JP6313586 B2 JP 6313586B2 JP 2013259897 A JP2013259897 A JP 2013259897A JP 2013259897 A JP2013259897 A JP 2013259897A JP 6313586 B2 JP6313586 B2 JP 6313586B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damper
damping force
control device
change amount
command value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013259897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015042542A (ja
Inventor
友夫 窪田
友夫 窪田
昌利 奥村
昌利 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
KYB Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KYB Corp filed Critical KYB Corp
Priority to JP2013259897A priority Critical patent/JP6313586B2/ja
Publication of JP2015042542A publication Critical patent/JP2015042542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6313586B2 publication Critical patent/JP6313586B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ダンパ制御装置に関する。
車両のばね上部材とばね下部材との間に介装されるダンパの減衰力を制御するダンパ制御装置にあっては、たとえば、ダンパ内に設けたソレノイドバルブへ供給する電流量を調節してダンパの減衰力を調節するものがある。
そして、このようなダンパ制御装置にあっては、ダンパの減衰力特性に応じた電流量をソレノイドへ供給することで、ダンパの減衰力特性をソフトからハードまで調節することができ、たとえば、ダンパの減衰力特性をソフトに設定する場合には、ソフト減衰力特性に対応した一定の電流量をソレノイドへ供給するようにし、ハードな減衰力特性に設定したい場合にハード減衰力特性に対応した一定の電流量をソレノイドへ供給する(たとえば、特許文献1参照)。
特開平11−287281号公報
このようなダンパ制御装置では、車両におけるばね上部材が大きく振動したりしない限り、減衰力特性に応じた一定の電流をソレノイドへ供給することになるが、ダンパはゴム製のマウントを介してばね上部材とばね下部材に取り付けられている。
そして、マウントのばね特性が伸縮量に対して非線形な特性を有していること、ダンパ内のバルブの開応答に或る程度時間がかかること等の影響により、図6の破線に示すように、車両が路面の突起を乗り越える際、ダンパが発生する減衰力がマウントや上側ブッシュを介して車体に伝わる力(以下、単に「伝達減衰力」という)が図6中の実線で示した理想的な減衰力波形に対してオーバーシュートして減衰力が急変するポイントが出現し、車両における乗り心地を悪化させてしまう場合がある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、路面の突起を乗り越える際にも車両における乗り心地を向上させることができるダンパ制御装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、車両におけるばね上部材とばね下部材との間に介装されるダンパの減衰力を制御するダンパ制御装置であって、上記ダンパのダンパ速度の時間的変化量を把握可能な情報を取得し上記時間的変化量を得る情報取得部を備え上記時間的変化量が所定の閾値を超えている時間だけ、上記時間的変化量に基づいて上記ダンパの減衰力を可変に低下させるように上記ダンパの減衰力を調節するための指令値を補正することを特徴とする。また、本発明の他の課題解決手段は、車両におけるばね上部材とばね下部材との間に介装されるダンパの減衰力を制御するダンパ制御装置であって、上記ダンパのダンパ速度の時間的変化量を把握可能な情報を取得し上記時間的変化量を得る情報取得部を備え、上記時間的変化量が所定の閾値を超えると、上記ダンパの減衰力を調節するための指令値に上記時間的変化量から求めた補正ゲインを乗じて上記ダンパの減衰力を低下させるように補正することを特徴とする。
このように本発明のダンパ制御装置では、ダンパ速度の時間的変化量に基づいてダンパの減衰力を補正するので、ダンパの伝達減衰力を理想的な減衰力波形に近づけることができる。
以上より、本発明のダンパ制御装置によれば、路面の突起を乗り越える際にも車両における乗り心地を向上させることができる。
一実施の形態におけるダンパ制御装置の構成図である。 ダンパの概略縦断面図である。 時間的変化量と補正ゲインの関係を示すマップの一例である。 一実施の形態のダンパ制御装置で制御されたダンパのマウントを介して伝達される伝達減衰力の波形の一例を示した図である。 一実施の形態のダンパ制御装置で制御されたダンパのマウントを介して伝達される伝達減衰力の波形の他例を示した図である。 従来のダンパ制御装置で制御されたダンパの伝達減衰力の波形を示した図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1に示すように、ダンパ制御装置Eは、この例では、車両におけるばね上部材Bとばね下部材Wとの間に介装されるダンパDにおける減衰力を制御するようになっており、ダンパDのダンパ速度Vdの時間的変化量εvを把握可能な情報を取得して当該時間的変化量εvを得る情報取得部1と、当該情報取得部1で求めたダンパ速度Vdの時間的変化量εvに基づいてダンパDの減衰力を補正する補正部2を備えている。
以下、各部について説明する。ダンパDは、たとえば、図2に示すように、シリンダ12と、シリンダ12内に摺動自在に挿入されるピストン13と、シリンダ12内に移動自在に挿入されてピストン13に連結されるピストンロッド14と、シリンダ12内にピストン13で区画した伸側室15および圧側室16と、リザーバ17と、リザーバ17から圧側室16へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁18aを備えた吸込通路18と、圧側室16から伸側室15へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁19aを備えた整流通路19と、伸側室15とリザーバ17とを連通する減衰通路20と、減衰通路20に設けられて伸側室15からリザーバ17へ向かう流体の流れ抵抗を与える減衰力調整部3とを備えて構成されており、所謂、ユニフロー型の流体圧ダンパとされており、マウントMを介して車両におけるばね上部材Bとばね下部材Wとの間に並列に介装されている。そして、このダンパDは、伸縮作動を呈すると、シリンダ12内から流体が減衰通路20を通じてリザーバ17へ押し出され、シリンダ12内に充填された流体が減衰通路20を通過する際に減衰力調整部3にて抵抗を与えて当該伸縮作動を抑制する減衰力を発揮し、ばね上部材Bとばね下部材Wの相対移動を抑制するようになっている。
なお、流体には、作動油のほか、水、水溶液、気体を利用することができる。流体が液体であって、ダンパDが片ロッド型ダンパである場合、ダンパDは、シリンダ12内にピストンロッド14が出入りする体積を補償するためにリザーバ17を備える。なお、ダンパDをユニフロー型としない場合には、図示はしないが、シリンダ12内に気体室を設けて、当該気体室の容積変化によってシリンダ12内に出入りするピストンロッド14の体積を補償するようにしてもよい。この場合、ピストン13に伸側室15と圧側室16を連通する通路を設けて、当該通路の途中に減衰力調整部3を設けるようにすればよい。
減衰力調整部3は、たとえば、上記ダンパDの減衰通路20の流路面積を可変にする弁体Vと、当該弁体Vを駆動して上記減衰通路20の流路面積を調節するソレノイドSolとで構成されたソレノイドバルブ4と、当該ソレノイドバルブ4におけるソレノイドSolへ電流を供給するドライバ5とを備えて構成されていて、当該ソレノイドSolへ与える電流量を増減させることで減衰通路20の流路面積を調整でき、減衰通路20を流れる流体に与える抵抗を変化させてダンパDが発生する減衰力を調整可能となっている。この場合、ダンパDのストローク速度が変わらなければ減衰力調整部3におけるソレノイドSolへ与える電流量を大きくすると減衰力も大きくなるようになっている。つまり、減衰力調整部3は減衰係数を調整してダンパDが発生する減衰力を調整する。
なお、減衰力調整部3の上記した構成は、一例であって、たとえば、ダンパDが電気粘性流体や磁気粘性流体を伸側室15、圧側室16およびリザーバ17内に充填している場合、上記減衰通路20に減衰弁の代わりに電界或いは磁界を作用させることができる装置を組み込み、これを減衰力調整部3とし、ダンパ制御装置Eから与えられる電流或いは電圧によって電界或いは磁界の大きさを調整して、減衰通路20を流れる流体に与える抵抗を変化させることでダンパDの発生減衰力を可変にしてもよい。
情報取得部1は、図1に示すように、所定周期でダンパ速度Vdの時間的変化量εvを検出するようになっており、ダンパDのストロークであるダンパ変位Xを検出するストロークセンサ21と、ストロークセンサ21で検出したダンパDのダンパ変位Xを微分してダンパDのダンパ速度Vdを演算する微分器22と、今周期において微分器22で演算したダンパ速度Vdから1周期前に検出したダンパ速度Vdpreを差し引きしてダンパ速度Vdの時間的変化量εvを求める変化量演算部23とを備えており、検知したダンパ速度Vdの時間的変化量εvを補正部2へ入力する。なお、本書では、ダンパ速度Vdの概念に、ばね上部材Bとばね下部材Wの相対速度であるサスペンション速度が含まれる。マウントMは伸縮することから、一般にサスペンション速度は、ダンパDとマウントMの全体の伸縮速度となるが、このサスペンション速度はダンパ速度Vdと大きく値が異なることはないので、実用上、サスペンション速度をダンパ速度Vdと看做してもよい。よって、ダンパ速度Vdの時間的変化量εvを得るのに、サスペンション変位を微分することで得たサスペンション速度の時間的変化量をダンパ速度Vdの時間的変化量εvとして差し支えない。
補正部2は、上記時間的変化量εvと補正ゲインαの関係を予めマップとして保有しており、入力される時間的変化量εvから補正ゲインαを求め、補正ゲインαを図示しない上位の制御装置から入力される電流指令値Iに乗じて、ダンパDの減衰力を補正するようになっている。具体的には、補正部2は、時間的変化量εvから補正ゲインαを求めるマップ演算部31と、図示しない上位の制御装置から入力される電流指令値Iに補正ゲインαを乗じて当該電流指令値Iを補正し、当該補正後の電流指令値I**を求める指令値補正演算部32とを備えている。補正ゲインαは、図3に示すように、時間的変化量εvが負の値をもつ所定値a以上であって正の値をもつ所定値b以下の範囲では、値が1となり、時間的変化量εvが所定値a未満の範囲では、時間的変化量εvの絶対値が大きくなるにつれて徐々に低下して最終的には下限値βを採るようになっており、また、時間的変化量εvが所定値bを超える範囲では、時間的変化量εvの絶対値が大きくなるにつれて徐々に低下して最終的には下限値γを採るようになっている。したがって、時間的変化量εvの絶対値が大きくなると、補正ゲインαの値は、1から低下し、最終的には下限値β或いは下限値γになるようになっている。補正部2は、マップ演算を行うようになっているが、補正ゲインαが時間的変化量εvに対して複雑に変化するものでなければ、時間的変化量εvから補正ゲインαを求める関数を利用して補正ゲインαの値を決定するようにしてもよい。
つまり、補正部2は、この例では、ダンパ速度Vdの時間的変化量εvの絶対値が大きくなると、電流指令値Iを低下させるよう補正する。ダンパ速度Vdは、ダンパDが収縮する際に正の値を採るようになっており、下限値βは、ダンパDの伸長時における補正ゲインαの下限値であり、他方の下限値γは、ダンパDの収縮時における補正ゲインαの下限値であり、これら下限値βおよび下限値γは、車両における乗り心地を向上させる限りにおいて任意に決めることができる。また、所定値a,bについても、同様に任意に決めることができる。
このように補正部2によって補正された電流指令値I**は、減衰力調整部3へ与える最終指令値として、減衰力調整部3におけるソレノイドSolへ電流供給するドライバ5に入力され、ドライバ5が電流指令値I**通りに減衰力調整部3へ電流供給することでダンパDの減衰力が制御される。この例では減衰力調整部3が供給される電流量によってダンパDの減衰係数を調整するので、電流指令値I**は、減衰力調整部3へ与える電流値としてドライバ5へ入力されるようになっている。なお、ドライバ5は、たとえば、PWM回路などを備えていて、電流指令値I**通りに減衰力調整部3へ電流を供給することができるようになっている。ダンパDにおける減衰力調整部3は、ドライバ5から電流指令値I**通りの電流量の供給を受けてダンパDにおける減衰係数を調整する。
ここで、車両が路面の突起を乗り越える場合について考えると、このような場面では、突起乗り上げ時にはダンパDが急激に圧縮され、突起を乗り越す時にはダンパDが急激に伸長することになり、突起を乗り越える場合には、ダンパ速度Vdの時間的変化量εvが大きくなる。従来のダンパ制御装置では、ダンパDが発生する減衰力がマウントMを介してばね上部材Bに伝達する力(伝達減衰力)が理想的な減衰力波形に対して、図4中破線で示すように、オーバーシュートして減衰力が急変するポイントが出現する。
これに対して、本発明のダンパ制御装置Eは、ダンパ速度Vdの時間的変化量εvに基づいてダンパDの減衰力を低下させるように補正するので、従来では上記伝達減衰力が理想的な減衰力波形に対してオーバーシュートする部分において、図4中実線で示すように、ダンパDの発生減衰力を低減させることができ、当該オーバーシュートの発生を抑制して、ダンパDの伝達減衰力を理想的な減衰力波形に近づけることができる。よって、本発明のダンパ制御装置Eによれば、路面の突起を乗り越える際にも車両における乗り心地を向上させることができるのである。
また、この場合、補正ゲインαは、時間的変化量εvが所定値a未満である場合、時間的変化量εvの絶対値が大きくなると徐々に下限値βにまで低下するようになっており、時間的変化量εvが所定値bを超える場合、時間的変化量εvの絶対値が大きくなると徐々に下限値γにまで低下するようになっており、徐々に補正ゲインαが小さくなるから、補正時にあっても、電流指令値I**の急変も緩和されてダンパDの急峻な減衰力を抑制することができる。
なお、ダンパDの伸長時と収縮時とでは、伝達減衰力がオーバーシュートしてしまう原因となるバルブが異なるため、伸長時と収縮時とで、伝達減衰力のオーバーシュート時の波形や形状が異なる。対して、本実施の形態のダンパ制御装置Eにあっては、ダンパDの伸長時における補正ゲインαの下限値βとダンパDの収縮時における補正ゲインαの下限値γを別個独立して設定して減衰力の補正の度合いを伸長時と収縮時の両方で独立して設定することができる。このように、下限値βと下限値γを別個独立して設定することにより、より一層、伝達減衰力を理想的な減衰力波形に近づけることができ、ダンパDの伸縮両方で良好な乗り心地を実現することができる。また、所定値a,bも独立して設定することにより、ダンパDの減衰力の補正を開始する時間的変化量εvを伸長時と収縮時とで独立して設定できるから、伸縮双方でより一層車両に適した減衰力を発揮することができ、ダンパDの伸縮両方で良好な乗り心地を実現することができる。
特に、路面の突起の乗り上げ時にダンパDの伝達減衰力波形に乱れが顕著に現れるため、ダンパDの収縮行程時にのみダンパDの減衰力を補正するようにしてもよい。つまり、ダンパDが収縮行程にあるときにダンパ速度Vdが正の値を採る場合であれば、ダンパ速度Vdの時間的変化量εvが正の時であって所定値bを超える場合にのみ減衰力の補正を行えばよい。
なお、上記したところでは、図5中破線で示した従来のダンパ制御装置で制御した場合の上記伝達減衰力が、理想的な減衰力波形に対してオーバーシュートしていると捉えていたが、減衰力波形に減衰力が急変するポイントを無くせば乗り心地の向上に資することができるため、図5中実線で示すように、ダンパDの伝達減衰力の理想的な減衰力波形に対して、従来の伝達減衰力が頭打ちとなっていると考えることができる。この場合には、たとえば、ダンパ速度Vdの時間的変化量εvの絶対値が大きくなった後に、小さくなることを条件として電流指令値Iを高くするように補正すれば、減衰力波形の乱れを緩和することができる。
よって、本発明のダンパ制御装置Eにあっては、ダンパ速度Vdの時間的変化量εvに基づいてダンパDの減衰力を補正することで、路面の突起を乗り越える際にも車両における乗り心地を向上させることができるのである。ただし、ダンパDの伝達減衰力の理想的な減衰力波形からすれば、ダンパ速度Vdの時間的変化量εvに基づいてダンパDの減衰力を低下させるように補正することで、ダンパDの減衰力を高くすることで減衰力波形の乱れを緩和する場合に比較して、上記オーバーシュート分をカットすることができ減衰力過剰とならず、上記ダンパDの伝達減衰力を理想的な減衰力波形により近付けることができ、車両における乗り心地もより一層向上させることができるとともに、減衰力の補正条件の判断も少なくなるために制御が容易となる。
さらに、本発明のダンパ制御装置Eにあっては、ダンパ速度Vdの時間的変化量εvに基づいてダンパDの減衰力を補正するために、路面の突起を乗り越える際の急峻なダンパ速度Vdの変化に対応して車両における乗り心地を向上させるだけでなく、ダンパDの伸縮の切換時におけるダンパDの減衰力の急峻な変化も緩和することができる。
また、上記したところでは、情報取得部1が、前回周期において得られたダンパ速度Vdpreと今周期において得られたダンパ速度Vdとの差を求めて、当該差をダンパ速度Vdの時間的変化量εvとしていたが、ダンパ速度Vdを微分してダンパ速度Vdの時間的変化量εvを得てもよい。さらには、ダンパDは、車両のばね上部材Bとばね下部材Wとの間に介装されていて、ばね上部材BはダンパDとこれに並列される懸架ばね以外には何ら拘束されておらず、ばね下部材Wが激しく振動する場合、ばね下部材Wの振動の振幅は小さく、懸架ばねがばね上部材Bへばね下部材Wの振動を伝達する力は小さいため、ばね上部材Bへの振動伝達は殆どダンパDの減衰力に起因することになり、ばね上部材Bに作用する力は、ダンパDが発生する減衰力にほぼ等しくなる。ダンパDは、ダンパ速度Vdに応じて減衰力を発生するため、ばね上部材Bの上下方向の加速度を得ればダンパDのダンパ速度Vdを得ることができ、ダンパ速度Vdの時間的変化量εvを求めることができる。つまり、この場合、車両における各輪のばね上質量にばね上部材Bの上下方向の加速度であるばね上加速度を乗じて得られる力が減衰力にほぼ等しくなり、他方、減衰力はダンパDのダンパ速度Vdにほぼ比例するので、ダンパDの減衰力とダンパ速度Vdとの関係と各輪のばね上質量を予め承知しておくことで、ばね上加速度からダンパ速度Vdを得ることができ、得たダンパ速度Vdからダンパ速度Vdの時間的変化量εvを演算すればよい。また、ばね下部材Wが激しく振動する場合、ばね上部材Bの共振周波数がばね下部材Wの共振周波数よりも低く、ダンパ速度Vdにばね上部材Bの振動が与える影響は少ないため、ばね下部材Wの上下方向の速度は、ダンパ速度Vdにほぼ等しくなる。よって、ばね下部材Wの上下方向の加速度であるばね下加速度を積分してばね下部材Wの上下方向の速度を得て、このばね下部材Wの上下方向の速度を利用してダンパ速度Vdの時間的変化量εvを得ることができる。また、ばね下部材Wの上下方向の加速度は、上記ばね下部材Wの上下方向の速度を微分した値に相当し、ばね下部材Wの上下方向の速度の時間的変化量に相当するので、ばね下部材Wの上下方向の加速度をそのままダンパ速度Vdの時間的変化量εvとして用いることもできる。つまり、ばね下部材Wの上下方向の加速度に基づいてダンパ速度Vdの時間的変化量εvを得ることができる。よって、情報取得部1にて、ダンパ速度Vdの時間的変化量εvを把握するために取得する情報は、ダンパ速度Vdそのもの以外にも、ばね上部材Bあるいはばね下部材Wの上下方向加速度であってもよく、ばね上部材Bあるいはばね下部材Wの上下方向加速度を情報として取得する場合には設置の容易な加速度センサを用いて、加速度センサに比して設置にコストがかかるストロークセンサ21を廃止することができる。
また、本発明のダンパ制御装置Eにあっては、減衰力調整部3におけるドライバ5へ入力される最終的な電流指令値Iを補正するので、電流指令値Iを生成する過程において補正する場合に比較して、制御が単純になる。
さらに、ユニフローに設定されてシリンダ12からリザーバ17へ通じる減衰通路20に設けたソレノイドSolで弁体を駆動する減衰力調整部3と、吸込通路18と整流通路19にそれぞれに逆止弁18a,19aを備えるダンパDにあっては、逆止弁18a,19aは、伸長行程と収縮行程において必ずいずれかが開く必要が生じるとともに開応答に遅れが生じるが、本発明のダンパ制御装置Eと用いることで、ダンパDの伝達減衰力の減衰力波形の歪みを是正することができ、オーバーシュートも解消することができる。よって、特に、このダンパ制御装置Eは、本実施の形態のユニフローに設定されてシリンダ12からリザーバ17へ通じる減衰通路20に設けたソレノイドSolで弁体を駆動する減衰力調整部3と、吸込通路18と整流通路19にそれぞれに逆止弁18a,19aを備えるダンパDに最適となる。
なお、本発明のダンパ制御装置Eは、ソレノイドSolで弁体を駆動する減衰力調整部3を備えたダンパDのみならず、ソレノイド以外のアクチュエータで弁体を駆動するダンパDや、電気粘性流体や磁気粘性流体を利用したダンパDに対しても適用することができる。そしてさらに、上記したところでは、減衰力調整部3にソレノイドSolを用いているので、電流指令値Iを補正するようにしているが、電流指令値Iを補正する以外にも制御指令値が電流指令値Iではなく目標減衰力指令値として与えられる場合には、目標減衰力指令値を補正するようにしてもよい。
さらに、上記したところでは、減衰力調整部3が電流指令値Iが大きくなると、ダンパDの減衰力も大きくなるために、時間的変化量εvの絶対値が大きくなるにつれて補正ゲインαが徐々に低下するようになっているが、減衰力調整部3が電流指令値Iが大きくなると、ダンパDの減衰力が小さくなる設定であれば、時間的変化量εvの絶対値が大きくなるにつれて補正ゲインαが徐々に増大するように設定することも可能である。以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の車両用ダンパは、車両の制振用途に利用することができる。
1 情報取得部
2 補正部
3 減衰力調整部
12 シリンダ
13 ピストン
15 伸側室
16 圧側室
17 リザーバ
18 吸込通路
18a,19a 逆止弁
19 整流通路
20 減衰通路
B ばね上部材
D ダンパ
E ダンパ制御装置
W ばね下部材

Claims (9)

  1. 車両におけるばね上部材とばね下部材との間に介装されるダンパの減衰力を制御するダンパ制御装置であって、
    上記ダンパのダンパ速度の時間的変化量を把握可能な情報を取得し上記時間的変化量を得る情報取得部を備え
    上記時間的変化量が所定の閾値を超えている時間だけ、上記時間的変化量に基づいて上記ダンパの減衰力を可変に低下させるように上記ダンパの減衰力を調節するための指令値を補正する
    ことを特徴とするダンパ制御装置。
  2. 車両におけるばね上部材とばね下部材との間に介装されるダンパの減衰力を制御するダンパ制御装置であって、
    上記ダンパのダンパ速度の時間的変化量を把握可能な情報を取得し上記時間的変化量を得る情報取得部を備え、
    上記時間的変化量が所定の閾値を超えると、上記ダンパの減衰力を調節するための指令値に上記時間的変化量から求めた補正ゲインを乗じて上記ダンパの減衰力を低下させるように補正する
    ことを特徴とするダンパ制御装置。
  3. 上記情報取得部は、上記ばね上部材の加速度に基づいて上記時間的変化量を得ることを特徴とする請求項1または2に記載のダンパ制御装置。
  4. 上記情報取得部は、上記ばね下部材の加速度に基づいて上記時間的変化量を得ることを特徴とする請求項1または2に記載のダンパ制御装置。
  5. 上記情報取得部は、上記ばね上部材と上記ばね下部材の相対変位であるサスペンション変位の微分に基づいて上記時間的変化量を得ることを特徴とする請求項1または2に記載のダンパ制御装置。
  6. 上記補正ゲインの下限値は、上記ダンパの伸長時と収縮時とで異なる
    ことを特徴とする請求項2に記載のダンパ制御装置。
  7. 上記指令値は、
    上記ダンパ内に設けられて上記ダンパの減衰力を調節する減衰力調整部へ与える指令値であって、
    上記減衰力調整部へ与える上記指令値を補正することで上記ダンパの減衰力を補正する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のダンパ制御装置。
  8. 上記指令値は、
    シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画した伸側室および圧側室と、リザーバと、上記リザーバから上記圧側室へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁を備えた吸込通路と、上記圧側室から上記伸側室へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁を備えた整流通路と、上記伸側室と上記リザーバとを連通する減衰通路と、上記減衰通路に設けられて上記伸側室から上記リザーバへ向かう流体の流れ抵抗を与える減衰力調整部とを備えたダンパにおける上記減衰力調整部へ与える最終指令値であって、
    記最終指令値を補正することで上記ダンパの減衰力を補正する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のダンパ制御装置。
  9. 上記減衰力調整部が上記ダンパ内に設けられて上記ダンパ内に設けた流路の流路面積を変更するソレノイドバルブであって、
    上記最終指令値は、上記ソレノイドバルブへ与える電流指令値である
    ことを特徴とする請求項7または8に記載のダンパ制御装置。
JP2013259897A 2013-07-25 2013-12-17 ダンパ制御装置 Active JP6313586B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013259897A JP6313586B2 (ja) 2013-07-25 2013-12-17 ダンパ制御装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013154153 2013-07-25
JP2013154153 2013-07-25
JP2013259897A JP6313586B2 (ja) 2013-07-25 2013-12-17 ダンパ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015042542A JP2015042542A (ja) 2015-03-05
JP6313586B2 true JP6313586B2 (ja) 2018-04-18

Family

ID=52696289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013259897A Active JP6313586B2 (ja) 2013-07-25 2013-12-17 ダンパ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6313586B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6499417B2 (ja) * 2014-10-27 2019-04-10 Kyb株式会社 ダンパ制御装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2634054B2 (ja) * 1988-02-04 1997-07-23 株式会社デンソー ショックアブソーバの減衰力制御装置
JPH05104926A (ja) * 1991-07-30 1993-04-27 Atsugi Unisia Corp 車両懸架装置
JP3428619B2 (ja) * 1997-11-06 2003-07-22 トヨタ自動車株式会社 車両用減衰力制御装置
JP4486979B2 (ja) * 2007-03-20 2010-06-23 本田技研工業株式会社 減衰力可変ダンパの制御装置
JP5702200B2 (ja) * 2011-03-16 2015-04-15 カヤバ工業株式会社 緩衝器の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015042542A (ja) 2015-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6412409B2 (ja) サスペンション装置およびサスペンション制御装置
JP2008012960A (ja) 緩衝器の制御装置
JP6240662B2 (ja) ダンパ制御装置
JP6499417B2 (ja) ダンパ制御装置
WO2015098385A1 (ja) ダンパ制御装置
US9452656B2 (en) Damper control apparatus
JP6313586B2 (ja) ダンパ制御装置
WO2014142270A1 (ja) ダンパ制御装置
JP6349182B2 (ja) ダンパ制御装置
KR20190026249A (ko) 차량용 능동 현가장치
JP5603787B2 (ja) サスペンション装置
JP2006273221A (ja) 可変減衰力ダンパーの制御装置
WO2016024539A1 (ja) サスペンション装置
JP6059564B2 (ja) ダンパ速度検知装置
US9718324B2 (en) Damper control device
JP5608057B2 (ja) サスペンション装置
JP2014043199A (ja) サスペンション制御装置
JP5452450B2 (ja) サスペンション装置
JP2020001488A (ja) サスペンション装置
JP5503511B2 (ja) サスペンション装置
JP6128641B2 (ja) ダンパ制御装置
JP2019006307A (ja) サスペンション制御装置
JP5452451B2 (ja) サスペンション装置
JP2006273220A (ja) 可変減衰力ダンパーの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170606

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180323

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6313586

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350