JP6313580B2 - 上衣 - Google Patents
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Description
特に作業服や事務服等には、着用者が両手を上に上げたり、大きく回したりする際の運動性が要求される。
即ち町着を着用した場合の着用者の動作は、鞄等の小物を所持して歩くという動作が主であり、両手は下に下げているか、せいぜい肩の高さまで上げるに過ぎない。
これに対して生産現場や事務所では、高いところに物を置いたり、高い位置で物を受け渡す様な動作を行う場合が多い。そのため作業服や事務服には、着用者が両手を上に上げたり、大きく回したりする際の運動性が要求される。
前記した特許文献に開示された上衣は、着用者が腕を上げやすい様に工夫されたものであるが、運動性の善し悪しは作業着に要求される重要な品質であり、市場においてはさらなる改良が望まれている。
また本発明の上衣は、アーム部の下面部と胴体部の脇にかけての部位は長尺状パーツによって構成されている。そして長尺状パーツは、継ぎ目の無い一枚続きの布地であって両端側の巾が狭く中央部の巾が広く且つ長尺状パーツにおける中央部から腕側の部位が、中央部よりも前方に湾曲し、前記中央部が腋下部位に位置する。
そのためアーム部を上に胴体部の前方向上部側に移動させた場合に負担が軽い。
即ち長尺状パーツは継ぎ目の無い一枚続きの布地であってアーム部の下面部と胴体部の脇にかけた部位に設けられているから、アーム部を上に持ち上げる際に負担が少ない。換言すると、上下方向に腕を動かし易い。また長尺状パーツは中央部から湾曲しているから、アーム部を前に移動させる際の負担が少ない。さらに長尺状パーツは両端側の巾が狭く中央部の巾が広く中央部が腋下部位に位置するからアーム部が容易に捩じれる。
ここで、着用者が、高いところに物を置いたり、高い位置で物を受け渡す際の体の動きを分析すると、両手は、体の前側(腹から胸)を通過して前方向の上方に上げられる。具体的には、両手は、頭よりも前であって頭よりも上に位置する。
この時の上衣のアーム部は、前方向に引かれた状態であって、胴体部の前方向上部側に位置している。また移動の過程でアーム部は捩じられる。
これに対して本発明の上衣は、前記した様に、アーム部の付け根に折入れ部が設けられており、アーム部を前に引っ張ると折入れ部が広がるのでアーム部を引っ張る際の負担が軽く、さらに長尺状パーツの作用によってアーム部を上に胴体部の前方向上部側に移動させた場合に負担が軽く、且つ容易に捩じれる。そのため本発明の上衣を着用すると、両手を上に上げて作業する際の作業者の負担が軽い。
上衣1は、公知の作業用ジャンバーと同様に、胴体部2と左右のアーム部5,6を持つ。胴体部2は、前袷であり、前身頃は二つのパーツに別れている。そして両者の間には図示しないファスナーが設けられている。
また上衣の正面側には襟部8とポケット10,11,12,14が設けられている。この内、ポケット10,11は、公知のジャンバーと同様、裾9の近傍に設けられている。これに対してポケット12,14は、腋の近傍にある。
さらにアーム部5,6と胴体部2の両者に長尺状パーツ21が跨がっている。
即ち小パーツ18,19の側面同士の間に長尺状パーツ21の先端側部30が割り込んだ状態で縫合されている。より詳細に説明すると、長尺状パーツ21は、継ぎ目の無い一枚続きの布地であり、長尺状パーツ21の先端側部30は、アーム部5,6の下面(着用してアーム部を水平にした状態を基準)の一部を構成するものであり、先端側部30の最先端は、アーム部5,6の下面であって、袖口28に近い部位に至っている。ただし長尺状パーツ21の先端側部30は、袖口28には至っておらず、袖口28部分は、小パーツ18,19が直接縫合されており、大パーツ17,及び両小パーツ18,19によって筒状を構成している。
プリーツ(折入れ部)40は、折入れ片41とメッシュ部材42と、接合片43によって構成されている。本実施形態では、プリーツ(折入れ部)40は、布地を癖付けしたものではなく、パーツ布地を重ねて一端を縫合したものである。
即ちプリーツ(折入れ部)40は後身頃2bの袖ぐり27の中心部よりもやや下の部位からみぞおちの高さ程度までの位置に設けられており、後身頃2bの本体部分の内面に重ねて折入れ片41が設けられ、当該折入れ片41の端辺と後身頃2bの本体部分の端辺が重ねて縫合されている。また折入れ片41の奥部はメッシュ部材42を介して接合片43と縫合されている。接合片43の一部は前記した折入れ片41と重なり、その他の部位(露出部43a)が外部に露出している。即ち、図5において、折入れ片41の端より外側(破線45より外側)が露出して露出部43aを構成している。そして当該露出部43aに前記したアーム部5,6の下部側と後身頃2bが縫合されている。
図5に示す様に、メッシュ部材42は、後身頃2b及び折入れ片41に隠れており、通常は外側から見えない。しかし、メッシュ部材42は、上衣1の外側と体側(内側)とを連通しているため、メッシュ部材42を介して通気性が確保されている。
またアーム部5,6と胴体部2の間には長尺状パーツ21があり、長尺状パーツ21はバナナ状に湾曲しているから、アーム部5,6を上に胴体部2の前方向上部側に移動させた場合に負担が軽く、且つ容易に捩じれ、前側であって上方に容易に移動する。
さらに長尺状パーツ21は継ぎ目の無い一枚続きの布地であるからアーム部5,6を昇降させる際に引っ掛かりが生じない。またアーム部5,6と接合されている部位が先細状であるから、ねじれに対しての抵抗が小さい。
これらの作用から、本実施形態の上衣1を着用した時、両手を上に上げやすく、上方に物を置く等の作業が容易である。
図6は、図1,図2に示す上衣1とは別の上衣51の背面図である。
上衣51と上衣1とでは、プリーツ(折入れ部)の設置位置が相違するものであり、その他の構成は同じである。
以上説明した様に、上衣1,51は、長尺状パーツ21やプリーツ(折入れ部)40,60によって、着用者が腕の上下及び前後の動作を行い易いという作用効果を奏することができる。
2 胴体部
5、6 アーム部
9 裾
21 長尺状パーツ
22 長尺状パーツの中央部
28 袖口
30 長尺状パーツの先端側部(一端)
31 長尺状パーツの他端側部(他端)
40、60 プリーツ(折入れ部)
42 メッシュ部材
Claims (4)
- 胴体部と左右のアーム部を有する上衣において、胴体部におけるアーム部の付け根には内側に折り込まれた折入れ部が設けられ、
前記折入れ部は、複数のパーツ布地の一端同士が縫合されて折り畳み状に構成されており、
アーム部の下面部と胴体部の腋にかけての部位は長尺状パーツによって構成され、当該長尺状パーツは、継ぎ目の無い一枚続きの布地であって両端側の巾が狭く中央部の巾が広く且つ長尺状パーツにおける中央部から腕側の部位が、中央部よりも前方に湾曲し、前記中央部が腋下部位に位置することを特徴とする上衣。 - 長尺状パーツの中央部から一端にかけての部位は、胴体部の側面に設けられていて着用時を基準として略垂直方向に伸びていることを特徴とする請求項1に記載の上衣。
- 長尺状パーツの一端は、アーム部の腋下から袖口までの部位における中央部よりも袖口裾側の位置にあり、長尺状パーツの他端は、腋下から裾まで高さの中央部よりも裾側にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の上衣。
- 折入れ部は、アーム部に対して背面側に設けられ、折入れ部の一部はメッシュで作られていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の上衣。
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