JP3231812U - 上衣 - Google Patents

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Abstract

【課題】袖ぐりの縫合等を不要として袖部の着用感が大幅に向上した上衣を提供する。【解決手段】上衣100は、袖部102a、102bを構成する一対の袖部パーツと、前身頃104及び後身頃とが一枚の生地で一体に形成されてなり、生地に開口が設けられ、その周縁が襟ぐり108となり、生地における袖部パーツの両端が接合されて筒状の袖部となり、前身頃と後身頃とが脇線L2a、L2bで接合される。【選択図】図2

Description

本考案は、上衣に関する。
上衣などの衣服は、型紙に沿って生地を裁断して、両袖部、前身頃及び後身頃の4つのパーツを縫合して形成している。しかしながら、縫合部は複数素材の重なりであり、突っ張ったり、ゴロゴロして着心地を損ねたり、袖に腕を通す際に袖の縫合部の段差に手が引っかかることがある。
そこで、後身頃と両袖部とを一体の生地から形成し、後身頃と別パーツの前身頃とを脇線で接合した技術が開発されている(特許文献1、2)。
実開昭55−99208号公報 特開2013−14864号公報
しかし、上記した従来技術の場合、依然として前身頃と両袖部とを接合する必要があり、袖部の着用感が不十分であった。
そこで、本考案は上記の課題を解決するためになされたものであり、袖ぐりの縫合等を不要として袖部の着用感が大幅に向上した上衣の提供を目的とする。
すなわち、本考案の第1の態様の上衣は、袖部を構成する一対の袖部パーツと、前身頃及び後身頃とが一枚の生地で一体に形成されてなり、前記生地に開口が設けられ、その周縁が襟ぐりとなり、前記生地における前記袖部パーツの両端が接合されて筒状の前記袖部となり、前記前身頃と前記後身頃とが脇線で接合されてなることを特徴とする。
第1の態様の上衣によれば、袖部パーツと、前身頃1及び後身頃とが、一枚の生地で一体に形成されているので、これらを縫合等により接合して上衣を形成した際、袖ぐり部分が縫合等されずに生地で繋がっている。
このため、袖ぐり部分を縫合等した際に生じる硬い重なり部や縫合線が存在せず、袖部の着用感が大幅に向上する。又、袖ぐり部分の接合が不要になるので生地の裁断と縫製等の時間の短縮で生産性が向上する。
本考案の第2の態様の上衣は、左袖部を構成する左袖部パーツと、左前身頃及び左後身頃とが一枚の第1生地で一体に形成され、右袖部を構成する右袖部パーツと、右前身頃及び右後身頃とが一枚の第2生地で一体に形成され、前記第1生地と前記第2生地とを接合してなり、前記第1生地と前記第2生地とにそれぞれ切り欠きが設けられ、その周縁が襟ぐりとなり、前記第1生地における前記左袖部パーツの両端が接合され、前記第2生地における前記右袖部パーツの両端が接合されて、それぞれ筒状の前記左袖部および前記右袖部となり、前記左前身頃と前記右前身頃とが接合され、前記左後身頃と前記右後身頃とが接合され、前記左前身頃と前記左後身頃とが左脇線で接合され、前記右前身頃と前記右後身頃とが右脇線で接合されてなることを特徴とする。
第2の態様の上衣によれば、袖部パーツと、前身頃1及び後身頃とが、第1生地と第2生地の2枚の生地で一体に形成されているので、これらを縫合等により接合して上衣を形成した際、袖ぐり部分が縫合等されずに生地で繋がっている。
このため、袖ぐり部分を縫合等した際に生じる硬い重なり部や縫合線が存在せず、袖部の着用感が大幅に向上する。又、袖ぐり部分の接合が不要になるので生地の裁断と縫製等の時間の短縮で生産性が向上する。
本考案の上衣において、袖ぐりが、前記生地、又は前記第1生地と前記第2生地の所定部位を、前記襟ぐりまでダーツ折りしてなっていてもよい。
この上衣によれば、袖ぐりがダーツ折りで立体的になり、ダーツ折りによる折り込み襞は、袖部への腕の出し入れに応じて自由に動くので、縫合線に比べて着脱時の腕の出し入れや、下着に対する引っ掛かりが無く、滑りが良く、着用し易いと共に着用して腕を動かしやすくなり、着用感がより一層向上する。
本考案の上衣において、前記ダーツ折りの折り込み襞が内部に位置してもよい。
この上衣によれば、引き上げた袖部を降ろした際の、肩の前後の生地の余りを、各袖ぐりのダーツ内側の折り込み襞が凹んで吸収するので、美しいシルエットを維持することができる。
本考案によれば、袖ぐりの縫合等を不要として袖部の着用感が大幅に向上した上衣が得られる。
本考案の第1の態様の実施形態に係る上衣の生地を示す展開図である。 第1の態様の実施形態に係る上衣を示す正面図である。 第1の態様の別の実施形態に係る上衣の生地を示す展開図である。 第1の態様の実施形態に係る上衣の使用状態を示す図である。 本考案の第2の態様の実施形態に係る上衣の生地を示す展開図である。 第2の態様の実施形態に係る上衣を示す正面図及び背面図である。 図6のA−A線に沿うダーツの断面図である。 第2の態様の実施形態に係る上衣の使用状態を示す図である。 第2の態様の実施形態に係る上衣の使用状態を示す別の図である。
まず、図1〜図4を参照し、本考案の第1の態様の実施形態に係る上衣について説明する。
図1は本考案の第1の態様の実施形態に係る上衣の生地100xを示す展開図、図2は第1の態様の実施形態に係る上衣100を示す正面図、図3は第1の態様の別の実施形態に係る上衣の生地100yを示す展開図、図4は上衣100の使用状態を示す図である。
図1に示すように、一枚の生地100xで、袖部を構成する一対の袖部パーツ102xa、102xbと、前身頃104及び後身頃106とが一体に形成されている。又、生地100xに開口100hが設けられ、その周縁が襟ぐり108となっている。
生地100xとしては、例えば綿、合成繊維が挙げられる。
そして、図2に示すように、生地100xにおける袖部パーツ102xa、102xbの両端が縫合線L1a、L1bにて縫合等により接合されて筒状の袖部102a、102bとなり、前身頃104と後身頃106とが脇線L2a、L2bで縫合等により接合されて、上衣100が形成される。
なお、本例では、上衣100は長袖Tシャツである。
このように、第1の態様の実施形態では、袖部パーツ102xa、102xbと、前身頃104及び後身頃106とが、一枚の生地100xで一体に形成されているので、これらを縫合等により接合して上衣100を形成した際、袖ぐり部分が縫合等されずに生地100xで繋がっている。
このため、袖ぐり部分を縫合等した際に生じる硬い重なり部や縫合線が存在せず、袖部の着用感が大幅に向上する。又、袖ぐり部分の接合が不要になるので生地の裁断と縫製等の時間の短縮で生産性が向上する。
なお、図3に示すように、生地100yの前身頃109を上下方向の中心線で左前身頃109aと右前身頃109bに2分割してもよい。この中心線にファスナー等を取り付けたり、ボタンを取付けることができる。
図4は、上衣100の使用状態を示す。袖ぐり部分の接合が無いので、袖部102a、102bを引き上げがスムーズになり、着用感が向上する。また、図2に示すように、腕が水平でのシルエットは美しい。
但し、引き上げた袖部102a、102bを降ろすと、肩の前後に生地の不用な余りrによる凹凸ができて、シルエットを損ねる場合もある。
そこで、この場合は以下の第2の態様の実施形態で改善することができる。
次に、図5〜図9を参照し、本考案の第2の態様の実施形態に係る上衣について説明する。
図5は第2の態様の実施形態に係る上衣の生地200xを示す展開図、図6は第2の態様の実施形態に係る上衣200を示す正面図(表)及び背面図(裏)、図7は図6のA−A線に沿うダーツの断面図、図8、図9は上衣200の使用状態を示す図である。
図5に示すように、一枚の第1生地200xaで、左袖部を構成する左袖部パーツ202xaと、左前身頃204xa及び左後身頃206xaとが一体に形成されている。同様に、一枚の第2生地200xbで、右袖部を構成する右袖部パーツ202xbと、右前身頃204xb及び右後身頃206xbとが一体に形成されている。
又、第1生地200xaと第2生地200xbとにそれぞれ切り欠き200na、200nbが設けられ、その周縁がそれぞれ襟ぐり208xa、208xbとなっている。
そして、図6に示すように、第1生地200xaにおける左袖部パーツ202xaの両端が縫合線L1aにて縫合等により接合されて筒状の左袖部202aとなり、第2生地200xbにおける右袖部パーツ202xbの両端が縫合線L1bにて縫合等により接合されて筒状の右袖部202bとなる。
また、左前身頃204xaと右前身頃204xbとが縫合線L3aにて縫合等により接合され、前身頃204となる。同様に、左後身頃206xaと右後身頃206xbとが縫合線L3bにて縫合等により接合され、後身頃206となる。又、襟ぐり208xa、208xbも接合されて1つの襟ぐり208となる。
さらに、左前身頃204xaと左後身頃左前身頃206xaとが左脇線L2aで縫合等により接合され、右前身頃204xbと右後身頃206xbとが右脇線L2bで接合され、上衣200が形成される。
さらに、第2の態様の実施形態においては、各袖ぐりD1〜D4(図6参照)が、第1生地200xaと第2生地200xbの所定部位を、襟ぐりまでダーツ折りしてなる。
ここで、図7に示すように、ダーツとは、服を体にフィットさせるために、生地を折り畳んで縫い(摘まみ縫いし)、立体的にする方法又は構造である。
具体的には、本例では、第1生地200xaの袖ぐりD1に相当する縫い線200D1,袖ぐりD3に相当する縫い線200D3が紡錘形(アーモンド形)になっている。同様に,第2生地200xbの袖ぐりD21に相当する縫い線200D2,袖ぐりD4に相当する縫い線200D4も紡錘形(アーモンド形)になっている。
従って、各縫い線200D1〜D4を、襟ぐり208から外側へ向かう各中心線C1〜C4を折り線として折り畳み、縫い目S(図7)として縫合すると、各縫い線200D1〜D4のアーモンド状の曲線にて各袖ぐりD1〜D4が形成されて立体的になる。
このとき、折り込み襞200F(図7)が形成されるが、本例では、折り込み襞200Fが上衣200の内側に位置するようにしている。
ここで、「ダーツ」は折り込み襞を衣服の内部に入れ、折り込み線に沿って縫い留める。一方、「タック」は生地をつまんだ根元を縫い留めるだけであるため、外見では折り込みの襞が露出する。
なお、本例では、各袖ぐりD1〜D4は生地200xで繋がっており、袖ぐりを2枚の生地から縫合する通常のラグラン袖と厳密に同一ではないが、ラグラン袖に類似して、袖ぐりのダーツが襟ぐり208から袖下にかけて斜めに延びている。
図8、図9は上衣200の使用状態を示す。
図8に示すように、折り込み襞200Fは、袖部202a、202bへの腕の出し入れに応じて自由に動くので、縫合線に比べて着脱時の腕の出し入れや、下着に対する引っ掛かりが無く、滑りが良く、着用し易いと共に着用して腕を動かしやすくなり、着用感がより一層向上する。
又、図9に示すように、折り込み襞200Fが上衣200の内側に位置するようにすれば、引き上げた袖部202a、202bを降ろした際の、肩の前後の生地の余りを、各袖ぐりD1〜D4のダーツ内側の折り込み襞200Fが凹んで吸収するので、美しいシルエットを維持することができる。又、折り込み襞200Fが外側に位置しないので、この点でも美観が良い。
本発明は上記実施形態に限定されない。
上衣は袖付きTシャツに限定されず、衛生環境で使用される上着等に使用してもよい。
生地が一枚の第1の態様の実施形態に対し、上記ダーツを適用してもよい。
100,200 上衣
100x、100y 生地
100h 開口
102a、102b、202a、202b 袖部
102xa、102xb、202xa、202xb 袖部パーツ
104,204 前身頃
106,206 後身頃
108,208 襟ぐり
200xa 第1生地
200xb 第2生地
200na、200nb 切り欠き
200F 折り込み襞
202xa 左袖部パーツ
202xb 右袖部パーツ
204xa 左前身頃
204xb 右前身頃
206xa 左後身頃
206xb 右後身頃
D1〜D4 袖ぐり
L2a、L2b 脇線

Claims (4)

  1. 袖部を構成する一対の袖部パーツと、前身頃及び後身頃とが一枚の生地で一体に形成されてなり、
    前記生地に開口が設けられ、その周縁が襟ぐりとなり、
    前記生地における前記袖部パーツの両端が接合されて筒状の前記袖部となり、
    前記前身頃と前記後身頃とが脇線で接合されてなることを特徴とする上衣。
  2. 左袖部を構成する左袖部パーツと、左前身頃及び左後身頃とが一枚の第1生地で一体に形成され、
    右袖部を構成する右袖部パーツと、右前身頃及び右後身頃とが一枚の第2生地で一体に形成され、
    前記第1生地と前記第2生地とを接合してなり、
    前記第1生地と前記第2生地とにそれぞれ切り欠きが設けられ、その周縁が襟ぐりとなり、
    前記第1生地における前記左袖部パーツの両端が接合され、前記第2生地における前記右袖部パーツの両端が接合されて、それぞれ筒状の前記左袖部および前記右袖部となり、
    前記左前身頃と前記右前身頃とが接合され、前記左後身頃と前記右後身頃とが接合され、
    前記左前身頃と前記左後身頃とが左脇線で接合され、前記右前身頃と前記右後身頃とが右脇線で接合されてなることを特徴とする上衣。
  3. 袖ぐりが、前記生地、又は前記第1生地と前記第2生地の所定部位を、前記襟ぐりまでダーツ折りしてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の上衣。
  4. 前記ダーツ折りの折り込み襞が内部に位置することを特徴とする請求項3に記載の上衣。
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