JP3066849U - 裏なし衣類 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の肌着やＴシャツ等のボタンのついてい
ない衣類は、縫製の仕方によって表側と裏側とがはっき
りしているので、誤って裏返しの状態で着用すると体裁
が悪く、また、表側に戻すには、特に家族の多い主婦や
介護を必要とする人々に対して多大で過酷な労力を強い
る。 【解決手段】 肌着やＴシャツ等のボタンのついていな
い衣類において、布地と布地との縫い合わせ部分１５
を、表側と裏側の両方に同じように現出させて、裏返し
の状態でも体裁良く着用できるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】 本考案は、肌着やＴシャツ等のボタンのない衣 類において、裏返した状態でも、表側と同様に着用することのできる、いわゆる 裏なし衣類に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】 肌着やＴシャツ等のボタンのついていない衣類は、他の衣 類同様に、表側と裏側とが縫製の仕方によってはっきりしている。すなわち、図 ８に示すように、例えば胴部５０と袖部６０の縫い合わせ部分５５は、それぞれ の折返し部５１、６１が衣類の裏側部分にのみ突出した状態になっている。従っ て、誤って裏返しの状態で着用すると、一目でわかり、体裁が悪い。

【０００３】 しかし、肌着等を脱ぐ場合、脱いだ後の肌着は裏返しの状態となることが多い 。従って、洗濯時あるいは洗濯後の着用時には、再び表側に戻す必要がある。こ の表側に戻す作業は、家族の多い家庭の主婦等に対して多大な労力を強いること になり、また、介護を必要とする人々に対してきわめて過酷な労力を強いること になる。従って、こうした労力を省くことができれば、特に先の人々にとっては 日々の生活がより楽になる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 解決しようとする課題は、従来の肌着や Ｔシャツ等のボタンのついていない衣類は、縫製の仕方によって表側と裏側とが はっきりしているので、誤って裏返しの状態で着用すると体裁が悪く、また、表 側に戻すには、特に家族の多い主婦や介護を必要とする人々に対して多大で過酷 な労力を強いることになることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 図１乃至図７を参照して説明する。本考案 は、肌着やＴシャツ等のボタンのついていない衣類において、布地と布地との縫 い合わせ部分１５を、表側と裏側の両方に同じように現出させて、裏返しの状態 でも体裁良く着用できるようにしてなることを特徴とする。

【０００６】

【考案の実施の形態】 本考案の一実施形態に係る裏なし衣類は、布地と布 地との縫い合わせ部分１５を、表側と裏側の両方に同じように現出させて、裏返 しの状態でも体裁良く着用できるようにしてなるものである。本実施形態におけ る衣類は、肌着であり、胴部１０を構成する布地と袖部２０を構成する布地とを 縫製し縫い合わせている。また、胴部１０の下端部１２を折り返して布地同士を 縫い合わせている。さらに、胴部１０の首廻りと袖部２０にはそれぞれ別布２５ をあてがい布地同士を縫い合わせている。

【０００７】 胴部１０を構成する布地と袖部２０を構成する布地とは、まず、両布地を重合 した状態で、先端部の折返し部１１、２１を残した状態で、ミシンを使い、並縫 いによって縫い合わせる（図３参照）。次に、重合状態にある胴部１０と袖部２ ０の布地を離した後（図４）、それぞれの折返し部１１、２１を折り返し、それ ぞれの本体部分と重合させ、同じくミシンを使い、千鳥かがりで縫い合わせる（ 図５）。これによって、胴部１０と袖部２０との縫い合わせ部分１５は、表側（ 図１）および裏側（図２）の両方において、同じような千鳥かがりの縫い目が現 出される。また、両折返し部１１、２１は、千鳥かがりで縫製されることによっ て、それぞれの本体部分に縫い付けられ同じような形態となる。従って、表側と 裏側の違いがなくなり、裏返しの状態でも着用することができる。

【０００８】 胴部１０の下端部１２を折り返して布地同士を縫い合わせるには、当該下端部 １２を折り返した後、胴部１０の本体部分に重合させた状態で、千鳥かがりで縫 い合わせている（図６参照）。この部分においても、表側と裏側には同じような 縫い合わせ部分１５が現出されるので、表側と裏側の違いがなくなる。

【０００９】 また、胴部１０の首廻りと袖部２０にはそれぞれ別布２５が縫い合わせられて いるが、この場合は、胴部１０首廻りと袖部２０の先端部を別布２５で包み込ん だ状態で、千鳥かがりによって縫い付けている（図７）。この部分においても、 表側と裏側に同じような縫い合わせ部分１５が現出され、表側と裏側の違いがな くなる。

【００１０】 このようにして縫製された肌着は、裏返した状態でも表側の状態と同じように 着用することができる。従って、裏返しの状態で着用しても体裁が悪くなく、ま た、特に家族の多い主婦や介護を必要とする人々にとっては、表側に戻す多大で 過酷な労力が不要となる。

【００１１】 また、表側と裏返しの両方の状態で着用することができるので、汚れが一方に かたよって付着することがなくなり、埃やノミ等の害虫も付着し難く、衛生的と なる。

【００１２】 なお、本実施形態においては、肌着を例として述べたが、本考案は、この他、 Ｔシャツや体操服およびボタンの付いていないそれらに類する衣類を対象とする ものである。また、布地と布地とは千鳥かがりで縫い合わせているが、千鳥かが りに限定されるものではなく、他のかがり縫いやまつり縫い等、表側と裏側に同 じような縫い合わせ部分１５が現出される縫い方であれば良い。

【００１３】

【考案の効果】 本考案に係る裏なし衣類は、裏返した状態でも表側の状態 と同じように着用することができるので、裏返しの状態で着用しても体裁が悪く ない。また、特に家族の多い主婦や介護を必要とする人々にとっては、表側に戻 す多大で過酷な労力が不要となるので、日常生活が楽になり、実用的である。

【００１４】 さらに、表側と裏返しの両方の状態で着用することができるので、汚れが一方 にかたよって付着することがなくなり、埃やノミ等の害虫も付着し難く、衛生的 となる。従って、特に介護を必要とする人々にとってはきわめて実用的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施形態を示す正面図である（表
側の状態）。

【図２】 本考案の一実施形態を示す正面図である（裏
返しの状態）。

【図３】 胴部と袖部の布地を縫い合わせる過程を示す
説明図である。

【図４】 胴部と袖部の布地を縫い合わせる過程を示す
説明図である。

【図５】 胴部と袖部の布地を縫い合わせた状態を示す
説明図である。

【図６】 胴部の下端部を折返して縫い合わせた状態示
す説明図である。

【図７】 胴部の首廻りおよび袖部に別布を縫い合わせ
た状態を示す説明図である。

【図８】 従来例を示す説明図である。

【符号の説明】

１０ 胴部 １１ 胴部折返し部 １２ 胴部下端部 １５ 縫い合わせ部分 ２０ 袖部 ２１ 袖部折返し部 ２５ 別布 ５０ 胴部 ５１ 胴部折返し部 ５５ 縫い合わせ部分 ６０ 袖部 ６１ 袖部折返し部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 肌着やＴシャツ等のボタンのついていな
   い衣類において、布地と布地との縫い合わせ部分（１
   ５）を、表側と裏側の両方に同じように現出させて、裏
   返しの状態でも体裁良く着用できるようにしてなること
   を特徴とする裏なし衣類。