JP6311721B2 - マルチブロックコポリマーおよびポリマー電解質材料 - Google Patents
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- C08F2438/01—Atom Transfer Radical Polymerization [ATRP] or reverse ATRP
Description
マルチブロックコポリマーは、式(P1):
Bb−(A−B)n−Aa (P1)
(式中、セグメントAは、その側鎖にポリオキシエチレン反復単位を有し、セグメントBは、ポリオキシエチレン反復単位を有さず、nは正の整数であり、n≧2のとき、aおよびbは独立して0または1であり、n=1のとき、a=b=1である)
で示される構造を有する。
で描かれる。
により示され得る。
使用した原材料:
1.セグメントAに対応するモノマー:
(a)ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート
(b)ポリ(エチレングリコール)エチリックエーテルアリルベンゼン
(c)ポリ(エチレングリコール)メタクリレート
(d)ポリ(エチレングリコール)フェノキシアクリレート
(e)ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル
(a)スチレン(St)
ジクロロベンゼン、2,2−ジクロロアセトフェノン、2−ブロモプロピオン酸エチル:Sigma−Aldrich Co.Ltd.から購入。
CuBr、CuCl:Sinopharm Chemical Reagent Co.Ltd.から購入、使用前に酢酸およびメタノールで精製。
4,4’−ビピリジン(bpy)、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、トリメチルシリル−ジエチルアミン(Me6TREN):Sigma−Aldrich Co.Ltd.から購入、それ以上精製せずに使用。
ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)リチウム(LiTFSI)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、トリ−フルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、テトラ−フルオロホウ酸リチウム(LiBF4):Sigma−Aldrich Co.Ltd.から購入、それ以上精製せずに使用。
トルエン:Sinopharm Chemical Reagent Co.Ltd.から購入、使用前にNaと還流して脱水することにより精製。
A.ポリマーの数平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(LC−20、日本国)、溶媒および移動相としてテトラヒドロフラン。
(1)セグメントAの合成
15mlのトルエンに、15.5gのポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート(PEGMA−1、Mn=980、m=20、15.8mmol)を加え、N2雰囲気下で溶解させた。次いで、45.3mg(0.316mmol)のCuBrおよび98.65mg(0.732mmol)のbpyをその溶液中に添加した。10分間撹拌後、57.2mg(0.316mmol)の2−ブロモプロピオン酸エチルを加え、90℃に加熱した。30時間重合させた後、溶液を氷/水浴中で直ちに冷却して反応を止めた。次いで、溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物を無水ジエチルエーテルで洗浄して未反応のモノマーを除去し、精製P(PEGMA)−1を得た。このP(PEGMA)−1は、42000のMnおよび1.12のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示した。
N2の保護下、8.0g(0.094mmol)のP(PEGMA)−1、9.31mg(0.094mmol)のCuCl、16.33mg(0.094mmol)のPMDETAおよび10g(0.096mmol)のStを混和して反応系を形成させた。次いで、この反応系を密閉状態にし、反応温度を撹拌下で110℃に上昇させた。重合を3時間行った。次いで、反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物をn−ヘキサンで洗浄して未反応のStを除去し、P(PEGMA)−b−PS ジブロックコポリマー(A−Bタイプ)の精製白色粉末を得た。このジブロックコポリマーは、80000のMnおよび1.32のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示し、セグメントAの含有量(fA)は52.5重量%であった。
アルゴン雰囲気下、10.92mg(0.075mmol)のCuBrおよび23.77mg(0.15mmol)のbpyを、10mlのトルエンに加えて、反応系を形成させた。10分間の撹拌後、触媒/リガンド錯体が形成された。3.13g(3.0mmol)のPEGMA−1(Mn=980、m=20)を添加し、アルゴン雰囲気下で15分間撹拌しながら溶解させた。次いで、1.2g(0.015mmol)の高分子開始剤P(PEGMA)−b−PSを反応系に添加した。次いで、反応系を密閉状態にした。ジブロックコポリマーを完全に溶解させた後、反応温度を90℃に高めた。重合を40時間行った。次いで、反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物を無水ジエチルエーテルで洗浄して、未反応モノマーを除去し、P(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA)トリブロックコポリマー(A−B−Aタイプ)の精製白色粉末を得た。このトリブロックコポリマーは、125000のMnおよび1.48のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示し、セグメントAの含有量(fA)は69.6重量%であった。
アルゴン雰囲気下、11.75g(0.094mmol)の高分子開始剤P(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA)、9.31mg(0.094mmol)のCuCl、16.33mg(0.094mmol)のPMDETAおよび10g(0.096mol)のStを、10mlのトルエンに加えて反応系を形成させた。次いで、この反応系を密閉状態にし、反応温度を3℃/分の速度で50℃に上昇させた。30分間かき混ぜて高分子開始剤を完全に溶解させた後、反応温度を3℃/分の速度にてさらに110℃に上昇させ、重合を3時間行った。次いで、反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物をn−ヘキサンで洗浄して未反応モノマーを除去し、P(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA)−b−PS テトラブロックコポリマー(A−B−A−Bタイプ)の精製白色粉末を得た。このテトラブロックコポリマーは、160000のMnおよび1.39のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示し、セグメントAの含有量(fA)は54.4重量%であった。
1gの乾燥テトラブロックコポリマーを15mlのトルエンに溶かし、0.35gのLiTFSI(Li塩の添加量は、ポリオキシエチレン反復単位に対して10mol%である)を溶液に添加した。次いで、この溶液を三角フラスコ中で密閉状態にし、24時間撹拌した。この溶液をシリカウェハにて鋳造し、溶媒を60℃下で除去した。かくして得られたポリマー固体電解質膜の厚さは40μmであった。
実施例1で調製したP(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA)−b−PSのテトラブロックコポリマー(A−B−A−Bタイプ)を高分子開始剤として使用することにより、ペンタブロックコポリマーを調製した。
アルゴン雰囲気下、10.92mg(0.075mmol)のCuBrおよび23.77mg(0.15mmol)のbpyを、5.2mlのトルエンに加えて、反応系を形成させた。10分間の撹拌後、触媒/リガンド錯体が形成された。3.13g(3.0mmol)のPEGMA−1(Mn=980、m=20)を添加し、15分間撹拌しながら溶解させた。次いで、反応系を密閉状態にし、高分子開始剤を完全に溶解させた後、反応温度を90℃に上昇させた。重合を100時間行った。次いで、反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物を無水ジエチルエーテルで洗浄して、未反応モノマーを除去し、P(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA) ペンタブロックコポリマー(A−B−A−B−Aタイプ)の精製白色粉末を得た。このペンタブロックコポリマーは、320000のMnおよび1.41のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示し、セグメントAの含有量(fA)は77.2重量%であった。
1gの乾燥ペンタブロックコポリマーを10mlのNMPに溶かし、0.33gのLiBF4(Li塩の添加量は、ポリオキシエチレン反復単位に対して20mol%である)を溶液に添加した。次いで、溶液を三角フラスコ中で密閉状態にし、24時間撹拌した。この溶液をシリカウェハにて鋳造し、溶媒を60℃下で除去した。得られたポリマー固体電解質膜の厚さは40μmであった。
(1)セグメントAの合成
25mlのトルエンに、18.0gのPEGMA−2(Mn=450、m=8、40.0mmol)を加え、N2雰囲気下で溶解させた。次いで、57.34mg(0.40mmol)のCuBrおよび107.82mg(0.80mmol)のbpyをその溶液中に添加した。10分間撹拌後、75.57mg(0.40mmol)の2,2−ジクロロアセトフェノンを加え、90℃に加熱した。25時間重合させた後、この溶液を氷/水浴中で直ちに冷却して反応を止めた。次いで、この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物を無水ジエチルエーテルで洗浄して未反応のモノマーを除去し、精製P(PEGMA)−2を得た。このP(PEGMA)−2は、6000のMnおよび1.14のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示した。
N2の保護下、0.43g(0.071mmol)のP(PEGMA)−2、20.28mg(0.141mmol)のCuBr、24.50mg(0.141mmol)のPMDETAおよび20.56g(0.197mmol)のStを混和して反応系を形成させた。次いで、この反応系を密閉状態にし、10分間の撹拌後、反応温度を110℃に上昇させた。重合を5時間行った。次いで、この反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物をn−ヘキサンで洗浄して未反応のStを除去し、PS−b−P(PEGMA)−b−PS トリブロックコポリマー(B−A−Bタイプ)の精製白色粉末を得た。このトリブロックコポリマーは、51000のMnおよび1.32のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示し、セグメントAの含有量(fA)は11.8重量%であった。
アルゴン雰囲気下、13.10mg(0.09mmol)のCuBrおよび28.52mg(0.18mmol)のbpyを、3mlのトルエンに加えて、反応系を形成させた。10分間の撹拌後、触媒/リガンド錯体が形成された。1.62g(3.6mmol)のPEGMA−2(Mn=450、m=20)を添加し、15分間の撹拌により溶解させた。次いで、0.92g(0.018mmol)の高分子開始剤PS−b−P(PEGMA)−b−PSを反応系に添加した。次いで、この反応系を密閉状態にし、トリブロックコポリマーを完全に溶解させた後、反応温度を1.5℃/分の速度で90℃に上昇させた。重合を100時間行った。次いで、反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物を無水ジエチルエーテルで洗浄して、未反応モノマーを除去し、P(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA) ペンタブロックコポリマー(A−B−A−B−Aタイプ)の精製白色粉末を得た。このペンタブロックコポリマーは、59000のMnおよび1.37のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示し、セグメントAの含有量(fA)は23.7重量%であった。
1gの乾燥ペンタブロックコポリマーを15mlのNMPに溶かし、0.03gのLiTFSI(Li塩の添加量は、ポリオキシエチレン反復単位に対して2mol%である)を溶液に添加した。次いで、この溶液を三角フラスコ中で密閉状態にし、24時間撹拌した。この溶液をシリカウェハにて鋳造し、溶媒を60℃下で除去した。得られたポリマー固体電解質膜の厚さは40μmであった。
実施例3で調製したP(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA)のペンタブロックコポリマー(A−B−A−B−Aタイプ)を高分子開始剤として使用することにより、ヘプタブロックコポリマーを調製した。
N2の保護下、4.40g(0.071mmol)の高分子開始剤(A−B−A−B−Aタイプ)、20.28mg(0.141mmol)のCuBr、24.50mg(0.141mmol)のPMDETAおよび14.69g(0.141mmol)のStを混和して反応系を形成させた。次いで、かくして形成された反応系を密閉状態にし、撹拌下、3℃/分の速度で反応温度を50℃に上昇させた。20分間撹拌して高分子開始剤を完全に溶解させた後、反応温度をさらに3℃/分の速度で110℃に上昇させた。重合を12時間行った。次いで、この反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、この反応生成物をn−ヘキサンで洗浄して未反応のStを除去し、ヘプタブロックコポリマー(B−A−B−A−B−A−Bタイプ)としてPS−b−P(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA)−b−PS−b−P(PEGMA)−b−PSの精製白色粉末を得た。このヘプタブロックコポリマーは、128000のMnおよび1.26のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示し、セグメントAの含有量(fA)は10.9重量%であった。
10gの乾燥ヘプタブロックコポリマーを100mlのNMPに溶かし、0.26mgのLiClO4(Li塩の添加量は、ポリオキシエチレン反復単位に対して0.01mol%である)を溶液に添加した。次いで、この溶液を三角フラスコ中で密閉状態にし、24時間撹拌した。この溶液をシリカウェハにて鋳造し、溶媒を60℃下で除去した。得られたポリマー固体電解質膜の厚さは50μmであった。
(1)Aセグメントの合成
50mlのトルエンに、60.8gのポリ(エチレングリコール)エチリックエーテルアリルベンゼン(Mn=1520、m=30、40.0mmol)を加え、N2雰囲気下で溶解させた。次いで、57.34mg(0.40mmol)のCuBrおよび107.82mg(0.80mmol)のbpyをその溶液中に添加した。10分間撹拌後、33.97mg(0.40mmol)のジクロロメタンを加え、90℃に加熱した。45時間重合させた後、この溶液を氷/水浴中で直ちに冷却して反応を止めた。次いで、この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、この反応生成物を無水ジエチルエーテルで洗浄して未反応のモノマーを除去し、精製ポリ(ポリ(エチレングリコール)エチリックエーテルアリルベンゼン)を得た。Mn=54000、Mw/Mn=1.21、GPC曲線は単一の対称ピークを示した。
N2の保護下、3.83g(0.071mmol)のポリ(ポリ(エチレングリコール)エチリックエーテルアリルベンゼン)、20.28mg(0.141mmol)のCuBr、24.50mg(0.141mmol)のPMDETAおよび10.44g(0.197mmol)のANを混和して反応系を形成させた。次いで、この反応系を密閉状態にし、10分間の撹拌後、反応温度を110℃に上昇させた。重合を10時間行った。次いで、この反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、この反応生成物をn−ヘキサンで洗浄して未反応のモノマーを除去し、トリブロックコポリマー(B−A−Bタイプ)の精製白色粉末を得た。このトリブロックコポリマーは、73000のMnおよび1.35のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示した。
アルゴン雰囲気下、13.10mg(0.09mmol)のCuBrおよび28.52mg(0.18mmol)のbpyを、5mlのトルエンに加えて、反応系を形成させた。10分間の撹拌後、触媒/リガンド錯体が形成された。5.47g(3.6mmol)のポリ(エチレングリコール)エチリックエーテルアリルベンゼン(Mn=1520、m=30)を添加し、15分間撹拌しながら溶解させた。次いで、1.31g(0.018mmol)の実施例5−(2)で調製したトリブロックコポリマーの高分子開始剤をこの反応系に添加した。次いで、この反応系を密閉状態にし、トリブロックコポリマーを完全に溶解させた後、1.5℃/分の速度で反応温度を90℃に上昇させた。重合を100時間行った。次いで、この反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、この生成物を無水ジエチルエーテルで洗浄して、未反応モノマーを除去し、ポリ(ポリ(エチレングリコール)エチリックエーテルアリルベンゼン)−b−PAN−b−ポリ(ポリ(エチレングリコール)エチリックエーテルアリルベンゼン)−b−PAN−b−ポリ(ポリ(エチレングリコール)エチリックエーテルアリルベンゼン) ペンタブロックコポリマー(A−B−A−B−Aタイプ)の精製白色粉末を得た。このペンタブロックコポリマーは、96000のMnおよび1.56のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示し、セグメントAの含有量(fA)は80.2重量%であった。
1gの乾燥ペンタブロックコポリマーを12mlのNMPに溶かし、0.14mgのLiPF6(Li塩の添加量は、ポリオキシエチレン反復単位に対して0.005mol%である)を溶液に添加した。次いで、この溶液を三角フラスコ中で密閉状態にし、24時間撹拌した。この溶液をシリカウェハにて鋳造し、溶媒を60℃下で除去した。得られたポリマー固体電解質膜の厚さは50μmであった。
(1)セグメントAの合成
100mlのトルエンに、92.0gのポリ(エチレングリコール)メタクリレート(Mn=2300、m=50、40.0mmol)を加え、N2雰囲気下で溶解させた。次いで、383.53mg(0.40mmol)のジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムおよび184.32mg(0.80mmol)のMe6TRENをその溶液中に添加した。10分間撹拌後、75.57mg(0.40mmol)の2,2−ジクロロアセトフェノンを加え、90℃に加熱した。45時間重合させた後、この溶液を氷/水浴中で直ちに冷却して重合を止めた。次いで、この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物を無水ジエチルエーテルで洗浄して未反応のモノマーを除去し、精製ポリ(ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)を得た。このポリ(ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)は、75000のMnおよび1.24のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示した。
N2の保護下、5.33g(0.071mmol)のポリ(ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)、30.41mg(0.141mmol)の臭化鉄(II)、24.50mg(0.141mmol)のPMDETA、13.41g(0.197mmol)のメチルアクリレートおよび15mlのトルエンを混和して反応系を形成させた。次いで、この反応系を密閉状態にし、10分間の撹拌後、反応温度を110℃に上昇させた。重合を10時間行った。次いで、この反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物をn−ヘキサンで洗浄して未反応のモノマーを除去し、トリブロックコポリマー(B−A−Bタイプ)の精製白色粉末を得た。このトリブロックコポリマーは、170000のMnおよび1.43のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示した。
アルゴン雰囲気下、13.10mg(0.09mmol)のCuBrおよび28.52mg(0.18mmol)のbpyを、8mlのトルエンに加えて、反応系を形成させた。10分間の撹拌後、触媒/リガンド錯体が形成された。8.28g(3.6mmol)のポリ(エチレングリコール)メタクリレート(Mn=2300、m=50)を添加し、15分間撹拌しながら溶解させた。次いで、1.31g(0.018mmol)の実施例6−(2)で調製したトリブロックコポリマーの高分子開始剤を反応系に添加した。次いで、この反応系を密閉状態にし、トリブロックコポリマーを完全に溶解させた後、反応温度を1.5℃/分の速度で90℃に上昇させた。重合を100時間行った。次いで、この反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、この反応生成物を無水ジエチルエーテルで洗浄して、未反応モノマーを除去し、ポリ(ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)−b−ポリ(メチルアクリレート)−b−ポリ(ポリ(エチレングリコール)メタクリレート)−b−ポリ(メチルアクリレート)−b−ポリ(ポリ(エチレングリコール)メタクリレート) ペンタブロックコポリマー(A−B−A−B−Aタイプ)の精製白色粉末を得た。このペンタブロックコポリマーは、430000のMnおよび1.48のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示し、セグメントAの含有量(fA)は77.9重量%であった。
1gの乾燥ペンタブロックコポリマーを15mlのNMPに溶かし、0.05gのLiTFSI(Li塩の添加量は、ポリオキシエチレン反復単位に対して1mol%である)を溶液に添加した。次いで、この溶液を三角フラスコ中で密閉状態にし、24時間にわたって撹拌した。この溶液をシリカウェハにて鋳造し、溶媒を60℃下で除去した。得られたポリマー固体電解質膜の厚さは50μmであった。
(1)セグメントAの合成
10mlのトルエンに、9.60gのポリ(エチレングリコール)フェノキシアクリレート(Mn=240、m=2、40.0mmol)を加え、N2雰囲気下で溶解させた。次いで、57.34mg(0.40mmol)のCuBrおよび107.82mg(0.80mmol)のbpyをその溶液中に添加した。10分間撹拌後、58.8mg(0.40mmol)のジクロロベンゼンを加え、90℃に加熱した。45時間重合させた後、この溶液を氷/水浴中で直ちに冷却して重合を止めた。次いで、この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物を無水ジエチルエーテルで洗浄して未反応のモノマーを除去し、精製ポリ(ポリ(エチレングリコール)フェノキシアクリレート)を得た。このポリ(ポリ(エチレングリコール)フェノキシアクリレート)は、11000のMnおよび1.15のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示した。
N2の保護下、0.78g(0.071mmol)のポリ(ポリ(エチレングリコール)フェノキシアクリレート)、20.28mg(0.141mmol)のCuBr、24.50mg(0.141mmol)のPMDETA、14.27g(0.197mmol)の4−メチルフェニル−3−オクチレンおよび15mlのトルエンを混和して反応系を形成させた。次いで、この反応系を密閉状態にし、10分間の撹拌後、反応温度を110℃に上昇させた。重合を10時間行った。次いで、この反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、反応生成物をn−ヘキサンで洗浄して未反応のモノマーを除去し、トリブロックコポリマー(B−A−Bタイプ)の精製白色粉末を得た。このトリブロックコポリマーは、48000のMnおよび1.39のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示した。
アルゴン雰囲気下、13.10mg(0.09mmol)のCuBrおよび28.52mg(0.18mmol)のbpyを、3mlのトルエンに加えて、反応系を形成させ、10分間の撹拌後、触媒/リガンド錯体が形成された。1.73g(7.2mmol)のポリ(エチレングリコール)フェノキシアクリレート(Mn=240、m=2)を添加し、15分間撹拌しながら溶解させた。次いで、0.86g(0.018mmol)の実施例7−(2)で調製したトリブロックコポリマーの高分子開始剤を反応系に添加した。次いで、この反応系を密閉状態にし、トリブロックコポリマーを完全に溶解させた後、反応温度を1.5℃/分の速度で90℃に上昇させた。重合を100時間行った。次いで、この反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、この反応生成物を無水ジエチルエーテルで洗浄して、未反応モノマーを除去し、ポリ(ポリ(エチレングリコール)フェノキシアクリレート)−b−ポリ(4−メチルフェニル−3−オクチレン)−b−ポリ(ポリ(エチレングリコール)フェノキシアクリレート)−b−ポリ(4−メチルフェニル−3−オクチレン)−b−ポリ(ポリ(エチレングリコール)フェノキシアクリレート) ペンタブロックコポリマー(A−B−A−B−Aタイプ)の精製白色粉末を得た。このペンタブロックコポリマーは、83000のMnおよび1.54のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示し、セグメントAの含有量(fA)は55.4重量%であった。
1gの乾燥ペンタブロックコポリマーを15mlのNMPに溶かし、0.02gのLiCF3SO3(Li塩の添加量は、ポリオキシエチレン反復単位に対して1mol%である)を溶液に添加した。次いで、この溶液を三角フラスコ中で密閉状態にし、24時間撹拌した。この溶液をシリカウェハにて鋳造し、溶媒を60℃下で除去した。得られたポリマー固体電解質膜の厚さは50μmであった。
(1)セグメントAの合成
N2雰囲気下、120#ガソリンをまず加え、次いで0.42g(2.04mmol)のアルミニウムイソプロポキシドを触媒として撹拌しながら添加した。次いで、8.81g(0.2mol)のエチレンオキシドを含有するトルエン溶液を、この触媒溶液に添加した。重合を15℃で4時間、次いで40℃で3時間行った。重合の後、溶媒を除去し、生成物溶液を濾過した。冷却過程の間に成長させた精製ポリオキシエチレン結晶を得た。このポリオキシエチレン結晶は、6000のMnおよび1.14のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示した。
N2の保護下、0.43g(0.071mmol)のポリオキシエチレン、20.28mg(0.141mmol)のCuBr、24.50mg(0.141mmol)のPMDETA、20.56g(0.197mmol)のStを混和して反応系を形成させた。次いで、この反応系を密閉状態にし、10分間の撹拌後、反応温度を110℃に上昇させた。重合を5時間行った。次いで、この反応系を氷/水浴中で直ちに冷却することにより、重合を止めた。この溶液をTHFで希釈し、Al2O3カラムに通して触媒/リガンドを除去することにより精製した。溶媒を除去した後、生成物をn−ヘキサンで洗浄して未反応のモノマーを除去し、トリブロックコポリマー(B−A−Bタイプ)の精製白色粉末を得た。このトリブロックコポリマーは、51000のMnおよび1.25のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示した。
1個のヒドロキシル基を有する市販のポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(Mn=4000)および比較例1−(2)で調製したトリブロックコポリマーをTHFに溶解し、130℃の高温のもとでHBrを排除した。精製後、精製ペンタブロックコポリマー(A−B−A−B−Aタイプ)が得られた。このペンタブロックコポリマーは、59000のMnおよび1.29のMw/Mnを有し、そのGPC曲線は単一の対称ピークを示し、セグメントAの含有量(fA)は23.7重量%であった。
1gの乾燥ペンタブロックコポリマーを15mlのNMPに溶かし、完全に溶解後、この溶液をシリカウェハにて鋳造し、溶媒を60℃下で除去した。得られたポリマー固体電解質膜の厚さは40μmであった。
(1)セグメントAの合成
セグメントAを実施例1(1)と同様にして合成した。
A−Bタイプのジブロックコポリマーを実施例1(2)と同様にして合成した。
1gの乾燥ジブロックコポリマーを15mlのNMPに溶かし、LiTFSIを、ポリオキシエチレン反復単位の10mol%の割合で、溶液に添加した。次いで、この溶液を三角フラスコ中で密閉状態にし、24時間撹拌した。この溶液をシリカウェハにて鋳造し、溶媒を60℃下で除去した。得られたポリマー固体電解質膜の厚さは40〜50μmであった。
(1)セグメントAの合成
セグメントAを実施例3(1)と同様にして合成した。
B−A−Bタイプのトリブロックコポリマーを実施例3(2)と同様にして合成した。
1gの乾燥トリブロックコポリマーを15mlのNMPに溶かし、LiTFSIを、ポリオキシエチレン反復単位の10mol%の割合で、溶液に添加した。次いで、この溶液を三角フラスコ中で密閉状態にし、24時間撹拌した。この溶液をシリカウェハにて鋳造し、溶媒を60℃下で除去した。得られたポリマー固体電解質膜の厚さは25〜50μmであった。
Claims (8)
- 式(P1):
Bb−(A−B)n−Aa (P1)
で示されるマルチブロックコポリマーであって、式(I):
として示される構造を有するセグメントA、および式(II):
として示される構造を有するセグメントB
を含み、
nは正の整数であり、
そしてn≧2のとき、aおよびbは独立して0または1であり、n=1のとき、a=b=1である、マルチブロックコポリマー。 - 前記式(II)において、R6〜R8が、独立してH、メチルまたはエチルであり、R9が、フェニル、p−メチルフェニルまたはカルボメトキシであり、n2が20〜300の整数である、請求項1または2に記載のマルチブロックコポリマー。
- 前記マルチブロックコポリマーが共連続相分離形態を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマルチブロックコポリマー。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のマルチブロックコポリマーおよび電解質塩を含むポリマー電解質材料。
- 前記ポリマー電解質材料が共連続相分離形態を有する、請求項5に記載のポリマー電解質材料。
- 前記電解質塩がリチウム塩である、請求項5または6に記載のポリマー電解質材料。
- 前記リチウム塩が、ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)リチウム(LiTFSI)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、トリ−フルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ヘキサ−フルオロリン酸リチウム(LiPF6)、テトラ−フルオロホウ酸リチウム(LiBF4)およびその混合物から成る群から選択される、請求項7に記載のポリマー電解質材料。
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