JP6311348B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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Description
ラック軸を収納する円筒状のラック収納部と、前記ラック収納部に結合しており、前記ラック軸に噛合するピニオン軸を収納する円筒状のピニオン収納部とを有し、前記ラック収納部と前記ピニオン収納部との間に、前記ラック軸が第1方向へ移動した際に前記第1方向と反対の方向へ生じる力と、前記ラック軸と前記ピニオン軸の噛み合いにより生じる力との合力に対し、略反対の方向へ延びる第1補強部と、前記ラック軸が前記第1方向と反対の第2方向へ移動した際に前記第2方向と反対の方向へ生じる力と、前記ラック軸と前記ピニオン軸の噛み合いにより生じる力との合力に対し、略反対の方向へ延びる第2補強部とを有するハウジングを備え、
前記第1補強部及び前記第2補強部は、前記ピニオン収納部の中心軸に平行に延びており、
前記第1補強部と前記第2補強部は、それぞれの延長線が前記ピニオン収納部の中心軸近傍を通っていることを特徴とするステアリング装置を提供する。
(第1実施形態)
図1に示す第1実施形態に係るステアリング装置100は、車両用でコラムアシスト型のラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置である。なお、図1を含む全ての図において、X方向を車体前方、Y方向を車体左方、Z方向を車体上方と定義する。
運転者がステアリングホイール1を反時計回りに回転操作した時(以下、「ハンドル左切り時」という)、ピニオン軸7はラック軸8から反力を受ける。詳細には、ピニオン軸7は、図4(a)及び図4(b)に示すように、ラック軸8を車体左方へ推進する力の反力をラック軸8から受ける。また、ラック軸8のラック歯8aとピニオン軸7のピニオン歯7aはインボリュート等の傾斜を有する山形状をしている。このため、ラック歯8aとピニオン歯7aはラック軸8を推進する力の反力を受けることで噛み合いが離れようとする。したがって、ピニオン軸7はラック歯8aとピニオン歯7aが離れようとする所謂離反力をラック軸8から受ける。ラック軸8を車体左方へ推進する力の反力の向きは車体右方であり、当該離反力の向きは車体後方であるため、ピニオン軸7にはこれらの合力、即ち車体右後方への荷重が加えられることになる。そしてこれに伴い、ピニオン軸7を支持する上側軸受17にも同じ方向の荷重が加えられる。なお、当該荷重の方向は、ラック軸8とピニオン軸7のギヤ諸元によって定まり、ラック軸8と一定の角度をなすものであるため、設計段階で明らかである。
そして、図5(b)及び図5(c)に示すように、左上リブ24Lと右上リブ24Rは上側軸受収納部21の外周からラック収納部12の中心軸へ向かい、かつピニオン収納部13の中心軸に対して平行に延び、ラック収納部12の外周まで達している。また、ピニオン収納部13を真上から見て、左上リブ24Lと右上リブ24Rはそれぞれの延長線がピニオン収納部13の中心軸近傍を通っている。
したがって、左上リブ24Lを含む平面と右上リブ24Rを含む平面は、ピニオン収納部13の中心軸近傍で交わっている。そして、左上リブ24Lと右上リブ24Rは、ピニオン収納部13がラック収納部12に結合する方向Kとピニオン収納部13の中心軸とを含む平面に対して略対称となっている。
したがって、荷重A、Bに起因する結合部分23R、23Lの変形やピニオン収納部13の倒れの発生を効果的に防止することができる。またこれにより、ステアリング装置100の操縦安定性が向上する。また、ハウジング10の適切な位置に最小限のリブ24R、24Lを設けるだけで強度を十分に確保できるため、ハウジング10の特に結合部分23R、23Lやその周辺を効果的に減肉することができ、軽量化を達成している。また、ダイキャスト成形時の型抜きが複雑になることがなく、加工性が損なわれることもない。
図1に示す第2実施形態に係るステアリング装置200について、上記第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、異なる構成について詳細に説明する。
上記第1実施形態で述べたように、ハンドル左切り時、ピニオン軸7はラック軸8から反力を受ける。詳細には、ピニオン軸7は、図4(b)及び図4(c)に示すように、ラック軸8を車体左方へ推進する力の反力と、ラック軸8との噛み合いによる離反力を受ける。ラック軸8を車体左方へ推進する力の反力の向きは車体右方であり、当該離反力の向きは車体後方であるため、ピニオン軸7にはこれらの合力、即ち車体右後方への荷重が加えられることになる。そしてこれに伴い、ピニオン軸7を支持する下側軸受18にも同じ方向の荷重が加えられる。なお、当該荷重の方向は上記第1実施形態と同様に設計段階で明らかである。
そして、図6(a)及び図6(b)に示すように、左下リブ25Lと右下リブ25Rは下側軸受収納部22の外周からラック収納部12の中心軸へ向かい、かつピニオン収納部13の中心軸に対して平行に延び、ラック収納部12の外周まで達している。また、ピニオン収納部13を真下から見て、左下リブ25Lと右下リブ25Rはそれぞれの延長線がピニオン収納部13の中心軸近傍を通っている。
したがって、左下リブ25Lを含む平面と右下リブ25Rを含む平面は、ピニオン収納部13の中心軸近傍で交わっている。そして、左下リブ25Lと右下リブ25Rは、ピニオン収納部13がラック収納部12に結合する方向Kとピニオン収納部13の中心軸とを含む平面に対して略対称となっている。
したがって、荷重C、Dに起因する結合部分23R、23Lの変形やピニオン収納部13の倒れの発生を効果的に防止することができる。またこれにより、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図1に示す第3実施形態に係るステアリング装置300について、上記第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、異なる構成について詳細に説明する。
本実施形態におけるハウジング30は、図7に示すように、上記第1実施形態の左上リブ24Lと右上リブ24R、及び上記第2実施形態の左下リブ25Lと右下リブ25Rの両方を備えている。
このため、図7(a)及び図7(c)に示すように、ピニオン収納部13を真上から見て、左上リブ24Lが上側軸受収納部21の外周から延びる方向と左下リブ25Lが下側軸受収納部22の外周から延びる方向が一致している。また、右上リブ24Rが上側軸受収納部21の外周から延びる方向と右下リブ25Rが下側軸受収納部22の外周から延びる方向も一致している。
2 コラム
3 電動アシスト機構
5 ステアリングギヤ
7 ピニオン軸
8 ラック軸
10、20、30 ハウジング
12 ラック収納部
13 ピニオン収納部
17 上側軸受
18 下側軸受
21 上側軸受収納部
22 下側軸受収納部
23R、23L ラック収納部とピニオン収納部の結合部分
24L 左上リブ
24R 右上リブ
25L 左下リブ
25R 右下リブ
Claims (6)
- ラック軸を収納する円筒状のラック収納部と、前記ラック収納部に結合しており、前記ラック軸に噛合するピニオン軸を収納する円筒状のピニオン収納部とを有し、前記ラック収納部と前記ピニオン収納部との間に、前記ラック軸が第1方向へ移動した際に前記第1方向と反対の方向へ生じる力と、前記ラック軸と前記ピニオン軸の噛み合いにより生じる力との合力に対し、略反対の方向へ延びる第1補強部と、前記ラック軸が前記第1方向と反対の第2方向へ移動した際に前記第2方向と反対の方向へ生じる力と、前記ラック軸と前記ピニオン軸の噛み合いにより生じる力との合力に対し、略反対の方向へ延びる第2補強部とを有するハウジングを備え、
前記第1補強部及び前記第2補強部は、前記ピニオン収納部の中心軸に平行に延びており、
前記第1補強部と前記第2補強部は、それぞれの延長線が前記ピニオン収納部の中心軸近傍を通っていることを特徴とするステアリング装置。 - 前記ピニオン収納部の一端には、前記ピニオン軸を回転可能に支持する軸受を収納する第1軸受収納部が設けられており、
前記第1補強部は、前記第1軸受収納部の外周から前記ラック収納部の外周へ向かって延びた第1リブを有し、
前記第2補強部は、前記第1軸受収納部の外周から前記ラック収納部の外周へ向かって延びた第2リブを有することを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。 - 前記ピニオン収納部の他端には、前記ピニオン軸を回転可能に支持する軸受を収納する第2軸受収納部が設けられており、
前記第1補強部は、前記第1リブと、前記第2軸受収納部の外周から前記ラック収納部の外周へ向かって延びた第3リブとからなり、
前記第2補強部は、前記第2リブと、前記第2軸受収納部の外周から前記ラック収納部の外周へ向かって延びた第4リブとからなることを特徴とする請求項2に記載のステアリング装置。 - 前記第1補強部及び前記第2補強部は、前記ラック収納部の中心軸へ向かって延びていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のステアリング装置。
- 前記第1補強部を含む平面と前記第2補強部を含む平面は、前記ピニオン収納部の中心軸近傍で交わることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のステアリング装置。
- 前記第1補強部と前記第2補強部とは、前記ピニオン収納部が前記ラック収納部に結合する方向と前記ピニオン収納部の中心軸とを含む平面に対して略対称であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のステアリング装置。
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