JP2009073379A - ラックアンドピニオン式ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラックハウジングの鋳造性を向上させることにより、低コスト化を実現すると共に、安定した品質精度を確保し、更に強度設定を容易にする。
【解決手段】ラックハウジング42とは別体に形成したボス部43を、このラックハウジング42に固定する。また、ラックハウジング42に対してボス部43を固定するために、ラックハウジング42をラック軸方向に見て、ラック軸Arと平行で且つピニオン軸Apと直角な第1の固定面45と、ラック軸Arと平行で且つピニオン軸Apと平行な第2の固定面46とを形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ラックアンドピニオン式ステアリング装置に関するものである。
前方衝突時の衝撃荷重を吸収することを目的として、ラックアンドピニオンのギヤボックスを、所定値以上の荷重が作用するときに、車体との取付け部から破断させようとする設計要求がある(特許文献1参照)。
特開2001−163248号公報
ところで、ラックアンドピニオンのラックハウジングは、鋳造によって形成され、車体に固定するためのボス部も併せて一体形成されることが多い。ピニオン軸は、通常、ラック軸に対して傾けて配置しており、図5に示すように、ピニオン軸と、ラック軸と、ボス部の車体への取付け面とを、非平行・非直角となるように、三次元で複雑に配置すると、ラックハウジングを鋳造する際の型割りが複雑になるので、コストが増大してしまう。特に、電動パワーステアリングの採用により、ラックハウジングにウォームギヤを収容する構造では、さらに型割りが複雑になってしまい、鋳造欠陥が生じる可能性もある。また、自動車部品のように大量生産する場合、ダイカストによって鋳造することになるが、この方式では、型割りが複雑になるほど、引け巣やブローホール等の欠陥が生じやすい。
そして、前述した従来技術のように、前方衝突時に、ラックハウジングをボス部から破断させようとする設計要求がある場合には、先ずラックハウジング自体の十分な強度を確保した上で、所定値以上の荷重に応じてボス部で確実に破断させなければならない。すなわち、構造上の強度を、下限値と上限値の間に設定しなければならず、安定した品質精度を確保できないと、このような設計要求を満たすことが難しい。
本発明の課題は、ラックハウジングの鋳造性を向上させることにより、低コスト化を実現すると共に、安定した品質精度を確保し、更に強度設定を容易にすることにある。
本発明の請求項1に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置は、ピニオン軸及びラック軸を内装し鋳造されるラックハウジングを車体に取付けるようにしたラックアンドピニオン式ステアリング装置であって、前記ラックハウジングとは別体に形成した車体への取付け部を、当該ラックハウジングに固定したことを特徴とする。
本発明の請求項2に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置は、前記ラックハウジング及び前記取付け部は、当該ラックハウジングをラック軸方向に見て、前記ラック軸と平行で且つ前記ピニオン軸と直角な第1の固定面、及び前記ラック軸と平行で且つ前記ピニオン軸と平行な第2の固定面のうち、少なくとも一方を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項3に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置は、電動モータによって、前記ピニオン軸又は前記ラック軸に操舵補助力を伝達する操舵補助機構を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ラックハウジングとは別体に形成した車体への取付け部を、このラックハウジングに固定することで、鋳造する際の型割りが複雑になることを回避し、ラックハウジングの鋳造性を向上させることができる。すなわち、ラックハウジングと取付け部との固定面を、ラックハウジングをラック軸方向に見て、ラック軸と平行で且つピニオン軸と直角に配置したり、又はラック軸と平行で且つピニオン軸と平行に配置したりして、ラックハウジングの鋳造性を向上させるときに、低コスト化を実現すると共に、安定した品質精度を確保し、更に強度設定を容易することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ピニオンタイプの電動パワーステアリング装置を搭載したステアリング装置の全体図であり、図2は、ステアリングギヤの断面図であり、図3は、ラックハウジングの正面図、及び側面図である。
図1に示すように、ステアリング装置1では、ステアリングホイール2をステアリングシャフト3の一端に連結しており、ステアリングシャフト3は、ステアリングコラム4によって回転自在に保持されている。ステアリングシャフト3の他端は、ユニバーサルジョイント5を介して中間シャフト6の上端に連結され、中間シャフト6の下端は、ユニバーサルジョイント7を介してステアリングギヤ8におけるインプットシャフト9の上端に連結される。ステアリングギヤ8では、インプットシャフト9から入力される回転運動を電動モータ10によって助勢し、その回転運動を後述するラック11の軸方向(車幅方向)の直線運動に変換する。ラック11の両端は、夫々、左右のタイロッド12に連結され、ラック11の進退に応じてタイロッド12を押したり引いたりすることで、車輪が操向される。
図2に示すように、ステアリングギヤ8では、ハウジング21の内部で、インプットシャフト9を、トーションバー22を介してアウトプットシャフト23に連結している。インプットシャフト9は、略円筒状に形成され、トーションバー22は、このインプットシャフト9に挿通された状態で、上端側がインプットシャフト9に連結され、下端側がアウトプットシャフト23に連結される。インプットシャフト9は、軸受24によって軸支され、アウトプットシャフト23は、軸受25、26によって軸支される。
インプットシャフト9の外周面に対向する位置には、トルクセンサ31を設置する。このトルクセンサ31は、運転者からの操舵トルクに応じてトーションバー22が捩じられるときの、インプットシャフト9とアウトプットシャフト23との相対角変位を検出し、これに基づいて操舵トルクを検出している。
アウトプットシャフト23には、操舵補助機構32を設けている。この操舵補助機構32は、アウトプットシャフト23の上部に結合したウォームホイール33と、このウォームホイール33に噛合すると共に、モータ回転軸10aに結合されたウォーム34と、で構成される。すなわち、電動モータ10の回転トルクで、アウトプットシャフト23の回転を助勢することにより、操舵補助力を付与することができる。
アウトプットシャフト23の下部には、ピニオン35を形成し、このピニオン35に対して、ラック11を噛合させている。ラック11の噛合部分の背面には、このラック11をピニオン35の側に付勢すると共に、バックラッシュを調整可能なラックガイド36を設けている。
ハウジング21は、上段のセンサハウジング41と下段のラックハウジング42とに分割可能で、図3に示すように、ラックハウジング42には、上端が開口したピニオン収容部42pと、このピニオン収容部42pと交差するように連接され車幅方向に延在するラック収容部42rと、このラック収容部42rとピニオン収容部42pとが交差する位置に突設されたラックガイド収容部42gとが形成される。
ラック収容部42rの両端側の下面には、夫々、略水平方向に突出する取付け部としてのボス部43を、ボルト44によって固定してあり、このボス部43を車体(サスペンションメンバや車体フレーム)に結合することで、ラックハウジング42を車体に取付ける。ラック収容部42rとボス部43とは、ボス部43の谷角をラック収容部42rの山角に係合(当接)させ、位置決めした状態で、ボルト44によって固定してあり、ラックハウジング42をラック軸方向に見て、ラック軸Arと平行で且つピニオン軸Apと直角な第1の固定面45と、ラック軸Arと平行で且つピニオン軸Apと平行な第2の固定面46と、を有している。一方、ラックハウジング42をラック軸方向に見て、ボス部43における車体への取付け面47は、ピニオン軸Apと非平行・非直角に配置されている。
次に、本発明の作用効果について説明する。
本実施形態では、ラックハウジング42とは別体に形成したボス部43を、このラックハウジング42に固定した。また、ラックハウジング42に対してボス部43を固定するために、ラックハウジング42をラック軸方向に見て、ラック軸Arと平行で且つピニオン軸Apと直角な第1の固定面45と、ラック軸Arと平行で且つピニオン軸Apと平行な第2の固定面46とを形成した。このように、ラックハウジング42の形状において、ピニオンApと平行又は直角な面を増加させることで、ラックハウジング42を鋳造する際の型割りが複雑になることを回避し、その鋳造性を向上させることができる。したがって、低コスト化を実現すると共に、安定した品質精度を確保することができる。
また、前方衝突時にラックハウジング42をボス部43で破断させようとする設計要求があれば、ラックハウジング42については単に必要とされる強度を確保し、これとは別に、ボス部43が所定値以上の荷重を受けたときだけ破断するように設定すればよい。このように、ラックハウジング42とボス部43とを別体で形成することで、強度設定を容易にすることが可能になる。
ボス部43は、アルミダイカストで製造しなくとも、例えば、下記の1〜3の工法を採用してもよく、これらによれば、材料の強度特性が安定するので、所定値以上の荷重を受けたときだけ破断させようとする設計要求を満たしやすくなる。ちなみに、下記の2や3の工法は、大型になるほどコストが増大するので、一般には、ラックハウジング42ほどの大きさの製品には採用しにくいが、ボス部43ほどの小さな製品であれば、採用しやすくなる。
1.鉄板のプレス成形
2.アルミの引抜きや鍛造素材からの削り出し
3.真空引きダイカストや酸素置換ダイカスト
また、ラックハウジング42にウォームホイール33も収容するような構造では、さらに型割りが複雑になり、鋳造欠陥が生じる可能性が高まるので、型割りの複雑化を回避できる本発明が有効である。また、大量生産に適したダイカスト方式では、型割りが複雑になるほど、引け巣やブローホール等の欠陥が生じやすいので、型割りの複雑化を回避できる本発明が有効である。
なお、上記の実施形態では、ラックハウジング42とボス部43とを、2つの固定面45、46によって固定しているが、これに限定されるものではなく、何れか一方(例えばボルト止めしていない第2の固定面46)を省略してもよい。但し、ボス部43をボルト44で二点止めするなどして、位置決めをする必要がある。
また、上記の実施形態では、ラックハウジング42とボス部43とを、ボルト44によって固定しているが、これに限定されるものではなく、溶接やリベット結合など、他の如何なる手法を採用してもよい。
また、上記の実施形態では、ステアリングギヤ8に電動モータ10を配置し、ピニオン35に操舵補助力を付与するピニオンタイプの電動パワーステアリング装置を搭載しているが、これに限定されるものではない。すなわち、図4に示すように、ステアリングコラム4に電動モータ10を配置し、ステアリングシャフト3に操舵補助力を付与するコラムタイプの電動パワーステアリング装置を搭載していても、本発明を適用できる。したがって、ステアリングギヤ8に操舵補助機構32を含まない構成であってもよい。
ピニオンタイプの電動パワーステアリング装置を搭載したステアリング装置の全体図である。 ステアリングギヤの断面図である。 ラックハウジングの正面図、及び側面図である。 コラムタイプの電動パワーステアリング装置を搭載したステアリング装置の全体図である。 従来のラックハウジングの正面図、及び側面図である。
符号の説明
1…ステアリング装置、2…ステアリングホイール、3…ステアリングシャフト、8…ステアリングギヤ、9…インプットシャフト、10…電動モータ、11…ラック、12…タイロッド、21…ハウジング、22…トーションバー、23…アウトプットシャフト、31…トルクセンサ、32…操舵補助機構、33…ウォームホイール、34…ウォーム、35…ピニオン、36…ラックガイド、41…センサハウジング、42…ラックハウジング、42p…ピニオン収容部、42r…ラック収容部、42g…ラックガイド収容部、43…ボス部、44…ボルト、45…第1の固定面、46…第2の固定面、47…取付け面、Ar…ラック軸、Ap…ピニオン軸

Claims (3)

  1. ピニオン軸及びラック軸を内装し鋳造されるラックハウジングを車体に取付けるようにしたラックアンドピニオン式ステアリング装置であって、
    前記ラックハウジングとは別体に形成した車体への取付け部を、当該ラックハウジングに固定したことを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置。
  2. 前記ラックハウジング及び前記取付け部は、当該ラックハウジングをラック軸方向に見て、前記ラック軸と平行で且つ前記ピニオン軸と直角な第1の固定面、及び前記ラック軸と平行で且つ前記ピニオン軸と平行な第2の固定面のうち、少なくとも一方を備えたことを特徴とする請求項1に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
  3. 電動モータによって、前記ピニオン軸又は前記ラック軸に操舵補助力を伝達する操舵補助機構を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
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CN103693099A (zh) * 2013-12-30 2014-04-02 昆山莱捷有色金属有限公司 一种易于加工的机械转向器壳体

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